JP2013101023A - 位置検出装置、及び駆動装置 - Google Patents

位置検出装置、及び駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013101023A
JP2013101023A JP2011244355A JP2011244355A JP2013101023A JP 2013101023 A JP2013101023 A JP 2013101023A JP 2011244355 A JP2011244355 A JP 2011244355A JP 2011244355 A JP2011244355 A JP 2011244355A JP 2013101023 A JP2013101023 A JP 2013101023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
signal
component
detection
detection signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011244355A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Imai
亨 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2011244355A priority Critical patent/JP2013101023A/ja
Publication of JP2013101023A publication Critical patent/JP2013101023A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

【課題】高精度に位置情報を検出する。
【解決手段】位置検出装置は、被駆動体の位置に応じて互いに異なる位相差を有する出力信号を出力するn個の検出素子と、n個の検出素子に対して出力信号を逐次出力させて、n個の出力信号によって信号の1周期を構成された第1の検出信号を出力する出力部と、出力部から出力された第1の検出信号の1周期の周波数である基本周波数を含む所定の通過周波数帯域を有し、第1の検出信号のうちの所定の通過周波数帯域を通過させて位相変調された第2の検出信号を出力するフィルタ部と、フィルタ部から出力された第2の検出信号に基づいて、被駆動体の位置情報を検出する位置検出部と、を備える。検出素子の個数を示すnの値は、出力部から出力された第1の検出信号に含まれる検出素子の出力信号の誤差成分のうちの少なくとも所定次数の誤差成分を低減するように定められている。
【選択図】図3

Description

本発明は、位置検出装置、及び駆動装置に関する。
エンコーダなどの位置検出装置には、信号の逐次出力による位相変調方式によって、分解能を向上させるものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。このような位置検出装置は、例えば、4つの検出素子の出力を逐次出力することにより正弦波状の位相変調された検出信号を生成し、生成した位相変調された検出信号と基準信号との位相差を検出することにより、回転角度などの位置情報を検出している。
特開昭58−153116号公報 特公平05−018364号公報
しかしながら、上述のような位置検出装置は、例えば、生成した位相変調された検出信号に正弦波からの歪みが生じている場合に、生じた歪みがそのまま位置情報の誤差として検出される。
このような場合、上述のような位置検出装置は、高精度に位置情報を検出することが困難であるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、高精度に位置情報を検出することができる位置検出装置、及び駆動装置を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明の一実施形態は、被駆動体の位置に応じて互いに異なる位相差を有する出力信号を出力するn個の検出素子と、前記n個の検出素子に対して前記出力信号を逐次出力させて、前記n個の前記出力信号によって信号の1周期を構成された第1の検出信号を出力する出力部と、前記出力部から出力された前記第1の検出信号の1周期の周波数である基本周波数を含む所定の通過周波数帯域を有し、前記第1の検出信号のうちの前記所定の通過周波数帯域を通過させて位相変調された第2の検出信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部から出力された前記第2の検出信号に基づいて、前記被駆動体の位置情報を検出する位置検出部と、を備え、前記検出素子の個数を示す前記nの値は、前記出力部から出力された前記第1の検出信号に含まれる前記出力信号の誤差成分のうちの少なくとも所定次数の誤差成分を低減するように定められていることを特徴とする位置検出装置である。
また、本発明の一実施形態は、上記に記載の位置検出装置と、被駆動体を駆動する駆動部と、を備えることを特徴とする駆動装置である。
本発明によれば、高精度に位置情報を検出することができる。
第1の実施形態によるエンコーダの構成の一例を示す概略構成図である。 第1の実施形態におけるホール素子の出力波形を示す図である。 第1の実施形態におけるエンコーダの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における出力部の出力波形の一例を示す図である。 第1の実施形態における出力部の出力信号のフーリエ級数展開結果を示す図である。 第1の実施形態におけるホール素子の出力における歪特性の一例を示す図である。 第1の実施形態における正弦波歪の次数と基本波成分の関係とを示す図である。 従来のエンコーダにおけるホール素子の出力波形を示す図である。 第2の実施形態における歪成分の周波数分布を示す図である。 第3の実施形態におけるエンコーダの構成を示すブロック図である。 第4の実施形態におけるエンコーダの構成を示すブロック図である。 本実施形態における駆動装置の概略図である。 本実施形態における減速機を備える駆動装置の概略図である。 本実施形態におけるエンコーダの構成の第1の変形例を示す図である。 第1の変形例におけるホール素子の出力波形を示す図である。 本実施形態におけるエンコーダの構成の第2の変形例を示す図である。 本実施形態におけるエンコーダの構成の第3の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態による位置検出装置について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態では、位置検出装置の一例として、磁気式のエンコーダについて説明する。
図1は、第1の実施形態によるエンコーダ1の構成の一例を示す概略構成図である。
図1において、エンコーダ1は、磁石5を有する回転子6と、この回転子6の近傍に配置された複数(例えば、5個)の磁気検出素子11〜15と、その磁気検出素子11〜15やその他の制御部品を搭載した基板組9とを備えている。ここで、回転子6の近傍とは、例えば、この回転子6の周囲、又は、回転子6の円周上のことである。
磁石5は、例えば、永久磁石である。本実施形態では、一例として、磁石5は、磁極数が“1”の永久磁石である。ここで、「磁極数」とは、S(エス)極とN(エヌ)極との対の数を示す。すなわち、磁石5は、1対のS(エス)極とN(エヌ)極とを有する永久磁石である。
磁気検出素子11〜15(検出素子)は、例えば、それぞれホール素子である。以降、磁気検出素子11,12,13,14,15を、ホール素子11(HS1),12(HS2),13(HS3),14(HS4),15(HS5)と称して以下説明する。また、ホール素子11(HS1),12(HS2),13(HS3),14(HS4),15(HS5)のうちの任意のホール素子、又は単にエンコーダ1が備えるホール素子を示す場合には、ホール素子10(検出素子)と称して以下説明する。
この図1において、回転子6(被駆動体)が紙面に対して垂直となる回転軸を中心として回転すると、回転子6の回転に伴い磁石5が回転し、ホール素子11〜15で検出される磁石5からの磁界が変化する。エンコーダ1は、この磁界の変化を、ホール素子11〜15の5個のホール素子によりそれぞれ検出し、この検出した磁界の変化量から回転子6の回転位置を検出する。
ここで、本実施形態における「回転位置」とは、回転角度、回転位置や回転角度などを示す位置情報のことである。
なお、図1を用いて説明した5個のホール素子11〜15は、例えば、それぞれが同様の検出感度を有しており、それぞれが同様の出力レベルを有している。また、5個のホール素子11〜15は、例えば、それぞれ基板組9の平面上であって、回転子6の回転軸と法線ベクトルの方向を同一とする平面上に配置されており、回転子6の回転軸から等距離となる円周上に配置されている。また、ホール素子11〜15は、それぞれ回転子6の円周上に等間隔(この場合は、回転子6の回転軸を中心として72度の等角度)に配置されている。ホール素子11〜15は、回転子6の位置(回転位置)に応じて互いに異なる位相差を有する出力信号を出力する。
図2は、第1の実施形態におけるホール素子11〜15の出力波形を示す図である。
図2において、縦軸は、ホール素子10の出力レベルを示し、横軸は回転角度θを示している。また、波形W11〜W15は、ホール素子11〜15の出力波形にそれぞれ対応する。波形W11〜W15が示すように、各ホール素子11〜15は、回転子6の回転によって、疑似正弦波信号(例えば、台形波形状の波形)を出力する。本実施形態では、各ホール素子11〜15は、回転子6が1回転(1周)した場合に、1周期の出力信号を出力する。
また、上述したように、ホール素子11〜15は、回転子6の円周上に等間隔(例、72度の等角度)に配置されているため、ホール素子11〜15の出力波形W11〜W15は、回転子6の位置(回転位置)に応じて互いに異なる位相差(例、72度の位相差)を有している。すなわち、5個のホール素子11〜15は、互いに異なる位相差が出力信号の1周期に対して等間隔(例、72度間隔)になるように配置されている。例えば、5個のホール素子11〜15は、回転子6の一回転を等分割する位置に、それぞれ配置されている。このように、出力信号1周期が得られる位置に5個のホール素子11〜15を等間隔に配置しているため、各ホール素子11〜15の出力は、同じ疑似正弦波形状の出力が一定間隔で位相のずれた信号となる。
図3は、本実施形態におけるエンコーダ1の構成を示すブロック図である。
図3において、エンコーダ1(位置検出装置)は、ホール素子11〜15、切り替え部20、電源回路25、抵抗26、差動アンプ27、フィルタ回路3、及び信号処理部4を備えている。ここで、切り替え部20と、電源回路25と、抵抗26と、差動アンプ27と、信号処理部4の後述する切り替え制御部42とが、出力部2に対応する。
ホール素子11〜15(検出素子)は、それぞれ4つの端子を有している。また、ホール素子11〜15は、ホール素子11〜15を駆動する駆動電圧が供給される入力端子(駆動端子)と、出力信号を出力する出力端子とをそれぞれ有している。この4つの端子には、入力端子(in+及びin−)と、出力端子(out+及びout−)とが含まれている。
ホール素子11〜15のそれぞれの入力端子(in+)には、切り替え部20(アナログSW21)を介して電源回路25の電源出力線が接続される。また、ホール素子11〜15のそれぞれの入力端子(in−)には、切り替え部20(アナログSW24)及び抵抗26を介してグランドが接続される。なお、ホール素子11〜15のそれぞれの入力端子(in−)は、抵抗26を介さずにグランドに接続される形態でもよい。
また、ホール素子11〜15のそれぞれの出力端子(out+)には、切り替え部20(アナログSW22)を介して差動アンプ27の入力端子(非反転入力端子(+端子))が接続される。また、ホール素子11〜15のそれぞれの出力端子(out−)には、切り替え部20(アナログSW23)を介して差動アンプ27の入力端子(反転入力端子(−端子))が接続される。
出力部2は、例えば、5個のホール素子11〜15に対して出力信号(疑似正弦波信号)を逐次出力させて、5個(5つ)の出力信号によって信号の1周期を構成された第1の検出信号(信号A)を出力する。すなわち、出力部2は、5個のホール素子11〜15の出力信号を逐次出力させて、図3の波形W4に示すような1周期が波形W3(セレクト信号S2は後述)の周期となる第1の検出信号(信号A)を出力する。
なお、逐次出力とは、例えば、ホール素子11〜15の各出力信号を順次(逐次)出力させることである。本実施形態では、出力部2は、一例として、ホール素子11の出力信号からホール素子15の出力信号の順に(順番に)、出力信号を切り替えて、上述の第1の検出信号(信号A)を出力する。
ここで、「順に」又は「順次(逐次)」又は「順番に」とは、「時系列的に」、または、「複数の中から1つずつ選択的に」という意味である。
切り替え部20は、ホール素子11,12,13,14,15と電源回路25との間の接続、及び、ホール素子11,12,13,14,15と差動アンプ27との間の接続を、ホール素子11,12,13,14,15に対して順に切り替える。切り替え部20は、アナログSW21〜24の4つのスイッチ(アナログスイッチ)を備えている。
アナログSW21、アナログSW22、アナログSW23、及びアナログSW24は、それぞれ、少なくとも5つの第1の端子と、1つの第2の端子とを備えている。
アナログSW21の第1の端子には、ホール素子11〜15の入力端子(in+)が、それぞれ対応して接続されている。アナログSW21の第2の端子には、電源回路25が接続されている。
また、アナログSW21には、セレクト信号(アナログSWのドライブ信号)S0〜S2が入力されている。アナログSW21においては、このセレクト信号S0〜S2の組み合わせにより、5つの第1の端子のうちのいずれか1つの端子が選択され、この選択された第1の端子と、第2の端子とが接続される。このアドレスセレクト信号S0〜S2は、後述する切り替え制御部42から供給される選択信号であり、5つの第1の端子のうちのいずれか1つの端子を選択する選択信号である。
アナログSW21は、このセレクト信号S0〜S2の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の入力端子(in+)を電源回路25に接続する。
同様に、アナログSW22は、このセレクト信号S0〜S2の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の出力端子(out+)を差動アンプ27の入力端子(+端子)に接続する。
同様に、アナログSW23は、このセレクト信号S0〜S2の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の出力端子(out−)を差動アンプ27の入力端子(−端子)に接続する。
同様に、アナログSW24は、このセレクト信号S0〜S2の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の入力端子(in−)を、抵抗26を介して接地させる。
電源回路25は、セレクト信号S0〜S2の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10に、上述したようにアナログSW21とアナログSW24とを介して、電流または電圧を供給する。
抵抗26は、セレクト信号S0〜S2の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の入力端子(−端子)を、上述したようにアナログSW24を介して接地する。
差動アンプ27は、例えば、差動増幅回路であり、セレクト信号S0〜S2の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の出力端子(out+)と出力端子(out−)からの信号が、上述したアナログSW22とアナログSW23とを介して供給される。そして、この差動アンプ27は、供給されたホール素子10の出力端子(out+)の信号と出力端子(out−)の信号とを差動増幅して第1の検出信号(信号A)として、フィルタ回路3に出力する。
このように、出力部2は、セレクト信号S0〜S2の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子に対して電流または電圧を供給し、この選択され、電流または電圧が供給された1つのホール素子からの出力を差動増幅して第1の検出信号を出力する。なお、本実施形態では、一例として、切り替え制御部42は、ホール素子11,12,13,14,15の順にホール素子を選択するように、セレクト信号S0〜S2を出力する。ホール素子11〜15は、互いに異なる位相差が出力信号の1周期に対して等間隔(例えば、72度間隔)になるように配置されているので、出力部2の出力信号である第1の検出信号(信号A)は、セレクト信号S2と同じ周期を構成する信号になる。なお、この1周期の第1の検出信号は、回転子6の位置(回転位置)に応じて位相が変動する位相変調された検出信号である。また、本実施形態では、この第1の検出信号における1周期の周波数を基本周波数f(キャリア周波数)として説明する。なお、この基本周波数fは、セレクト信号S2の周波数に対応する。
ここで、ホール素子10の個数である5個は、後述する原理により、出力部2から出力された第1の検出信号に含まれるホール素子10の出力信号の歪成分(誤差成分)のうちの少なくとも所定次数の歪成分(誤差成分)を低減するように定められている。ホール素子10の出力信号の歪成分(誤差成分)、及び所定次数の歪成分(誤差成分)の詳細については、後述する。
フィルタ回路3(フィルタ部)は、所定の通過周波数帯域を有する、例えば、ロウパスフィルタ回路、バンドパスフィルタ回路などである。フィルタ回路3は、出力部2から出力された第1の検出信号のうちの所定の通過周波数帯域を通過させて位相変調された第2の検出信号(信号B)を信号処理部4に出力する。ここで、所定の通過周波数帯域には、出力部2から出力された第1の検出信号(信号A)の1周期の周波数である上述した基本周波数fが含まれる。フィルタ回路3は、例えば、第1の検出信号に含まれる基本周波数fの成分を通過させて、基本周波数f以外の成分を低減する。
また、フィルタ回路3は、後述する所定次数の歪成分(誤差成分)を低減するように、所定の通過周波数帯域の幅が定められている。
信号処理部4は、エンコーダ1の信号処理を実行する。信号処理部4は、位置検出部41と、切り替え制御部42とを備えている。
位置検出部41は、フィルタ回路3から出力された第2の検出信号(信号B)に基づいて、回転子6の位置情報を検出する。位置検出部41は、例えば、同期検波(位相同期回路)の手法を用いて、フィルタ回路3から出力された第2の検出信号(信号B)に基づいて、回転子6の位置情報を検出する。
切り替え制御部42は、切り替え部20のアナログSW21〜24に供給するセレクト信号S0〜S2を生成する。すなわち、切り替え制御部42は、セレクト信号S0〜S2に基づいて、アナログSW21〜24の接続を例えば、時計回りの順に切り替えることにより、ホール素子11〜15の各出力信号を順次出力(逐次出力)させる。
次に、本実施形態におけるエンコーダ1の動作、及び原理について説明する。
まず、切り替え制御部42は、例えば、図3の波形W1〜W3に示すようなセレクト信号S0〜S2を生成し、切り替え部20に供給する。このセレクト信号S0〜S2は、例えば、等しい時間間隔によって、[信号S2、信号S1、信号S0]の組が示す2進カウント値を“0”〜“5”に切り替えるような信号である。
これにより、切り替え部20(アナログSW21〜24)は、ホール素子11〜15の各出力信号を順次切り替えて、差動アンプ27に供給する。差動アンプ27は、供給されたホール素子10の出力信号を差動増幅して第1の検出信号(信号A)として、フィルタ回路3に出力する。ここで、第1の検出信号(信号A)は、例えば、図3及び図4の波形W4に示すような信号である。
例えば、現在の回転子6の角度(回転位置)をθとした場合に、ホール素子11〜15の各出力信号は、下記の式(1)によって表される。但し、各ホール素子11〜15の検出感度は同等とする。
Figure 2013101023
ここで、変数φは、ホール素子11〜15のそれぞれの配置に伴う位相差(位相間隔)を示しており、本実施形態において、位相間隔φ=72度となる。
図4は、本実施形態における出力部2の出力波形の一例を示す図である。
この図において、波形W4は、回転子6の角度θ=10度とした場合における出力部2の出力信号である第1の検出信号(信号A)を示している。また、波形W4において、波形W41は、ホール素子11の出力信号に対応し、波形W42は、ホール素子12の出力信号に対応し、波形W43は、ホール素子13の出力信号に対応している。また、波形W44は、ホール素子14の出力信号に対応し、波形W45は、ホール素子15の出力信号に対応している。
このように、出力部2は、互いに位相間隔φ=72度ずれているホール素子11〜15の各出力信号により1周期(ここでは、周期(1/f))となる階段状の波形信号を第1の検出信号(信号A)として出力する。
また、波形W4として示される第1の検出信号(信号A)を時間tの関数F(t)とし、基本周波数f(周期1/f)としてフーリエ級数展開すると、波形W4(F(t))は、以下の式(2)によって表される。ここで、変数ω=2πf(角周波数)を示す。
Figure 2013101023
図5は、本実施形態における出力部2の出力信号のフーリエ級数展開結果を示す図である。この図において、横軸は、基本周波数fの次数を示し、縦軸は、フーリエ級数展開結果の振幅を示している。また、棒線B1は基本周波数f成分の振幅に対応し、棒線B2は基本周波数fの4次成分の振幅に対応し、棒線B3は基本周波数fの6次成分の振幅に対応する。また、同様に、棒線B4は基本周波数f成分の9次成分の振幅に対応し、棒線B5は基本周波数fの11次成分の振幅に対応する。また、同様に、棒線B6は基本周波数f成分の14次成分の振幅に対応し、棒線B7は基本周波数fの16次成分の振幅に対応する。
式(2)及び、図5に示すように、波形W4(F(t))は、基本周波数fの成分(棒線B1)、及び(5m±1)次の成分(棒線B2〜B7)から構成されている。ここで、mは1以上の自然数であり、(5m±1)における“5”は、ホール素子11〜15の個数を示している。すなわち、波形W4(F(t))には、基本周波数fの成分(棒線B1)、及び(5m±1)次の周波数成分(棒線B2〜B7)が含まれているが、(5m±1)次の周波数成分以外の他の次数成分(例えば、2次成分や3次成分など)は含まれない。
なお、ホール素子10の個数をn個とした場合には、出力部2は、基本周波数fの成分及び(m×n±1)次の周波数成分を含む第1の検出信号を出力する。
また、図5において、周波数範囲R1は、フィルタ回路3の上述した所定の通過周波数帯域の範囲を示している。すなわち、フィルタ回路3は、出力部2から出力された第1の検出信号に含まれる周波数成分のうちの、所定の通過周波数帯域(周波数範囲R1)の成分を通過させて、所定の通過周波数帯域(周波数範囲R1)以外の成分を低減させる。そのため、フィルタ回路3は、第1の検出信号に含まれる所定の通過周波数帯域(周波数範囲R1)以外の成分を低減させた、図4に示す波形W5のような第2の検出信号(信号B)を出力する。すなわち、フィルタ回路3は、出力部2から出力された第1の検出信号のうちの基本周波数fの高次成分を除去して、基本周波数fの成分を位相変調された第2の検出信号として出力する。なお、この第2の検出信号(波形W5)は、下記の式(3)により表される。
Figure 2013101023
この第2の検出信号は、基本周波数fの位相項に角度情報(回転位置情報)θが組み込まれた位相変調信号である。
信号処理部4の位置検出部41は、同期検波(位相同期回路)の手法を用いて、フィルタ回路3から出力された第2の検出信号(信号B)に基づいて、回転子6の角度情報(回転位置情報)θを検出する。
なお、波形W5として出力される第2の検出信号(信号B)は、時間tに応じて変化する基本周波数fの正弦波信号(キャリア信号)であり、図2に示されるホール素子10の出力信号(波形W11〜W15)である正弦波信号のとは異なる。ホール素子10の出力信号(波形W11〜W15)は、回転子6の回転位置(回転角度θ)に応じて正弦波状に変化する。
次に、本実施形態におけるエンコーダ1が、第1の検出信号に含まれる歪成分(誤差成分)を低減する動作、及び原理について説明する。ここで、歪成分(誤差成分)とは、ホール素子10の理想的な出力信号である正弦波信号に対するホール素子10の出力信号の歪(誤差)のことであり、正弦波歪とも称する。なお、この正弦波歪は、ホール素子10の出力信号から生成される第1の検出信号にも含まれている。そのため、この正弦波歪は、第2の検出信号に位相のずれとして現れ、その結果、角度情報(回転位置情報)θの検出誤差の要因となる。
図6は、本実施形態におけるホール素子10の出力における歪特性(誤差特性)の一例を示す図である。
図6(a)は、ホール素子10(例えば、ホール素子11)の出力信号と歪特性(誤差特性)の一例を示すグラフを示している。図6(a)に示されるグラフにおいて、横軸は、回転子6の角度(位置)を示し、左縦軸は、ホール素子11の出力信号のレベルを示し、右縦軸は、歪の歪量(ずれ量)を示している。
また、波形W6は、ホール素子11の出力信号を示している。ホール素子11の出力信号は、例えば磁石5とともに回転子6を1周(360度)回転させた場合に、ホール素子11によって得られる信号である。ホール素子11の出力信号(波形W6)は、磁石5の材質及び形状などによる磁気特性の歪成分を含んでいる。また、波形W7は、歪成分を含まない理想的な正弦波形を示しており、波形W8は、波形W6と波形W7とのずれ量(歪量)を示している。
波形W8に示すように、ホール素子11の出力信号に含まれる歪成分(誤差成分)は、波形W7を基本波(基準波)とした場合の高次成分である奇数次成分(例えば、特に3次の歪成分)を含んでいる。
また、図6(b)は、波形W8を周波数領域信号に変換(例えば、フーリエ解析)した結果を示すグラフである。図6(b)において、縦軸は、規格化された振幅(%:パーセント)を示し、横軸は周波数成分(次数)を示している。また、図6(b)において、第1サンプル、第2サンプル、及び第3サンプルは、磁石5の異なる3つのサンプルにおけるフーリエ解析結果(誤差特性)を示している。ここで、棒線B11〜B19は、それぞれ、波形W8に含まれる2次の歪成分(2次の誤差成分)〜10次の歪成分(10次の誤差成分)に対応する。
図6(b)に示す例では、ホール素子11の出力信号(波形W6)に含まれる歪成分(誤差成分)のうち、例えば、3次の歪成分(3次の誤差成分)が特に大きいことを示している(棒線B12)。このことは、例えば、基本波成分を“1”で規格化した場合の3次の歪成分の振幅が4%(0.04)だった場合に、一般に、1つのホール素子11と磁石5とにより角度位置情報を検出した誤差の最大値が、(0.04rad(ラジアン)=2.3度)となることを示し、非常に大きい誤差が発生する。そこで、本実施形態では、この3次の歪成分(3次の誤差成分)による影響を低減するように、ホール素子10の個数nを、例えば、“5”に定めている。
また、後に説明するが、出力部2によってホール素子11〜15の出力信号を逐次出力した第1の検出信号(信号A)の基本周波数f成分には、(m×n±1)次の歪成分が含まれる。すなわち、ホール素子10の個数をn個とした場合には、出力部2は、基本周波数fの成分及び(m×n±1)次の歪成分を含む第1の検出信号を出力する。この場合、ホール素子10の個数を示すn個は、低減したい所定次数の歪成分に基づいて定められる。例えば、所定次数の歪成分として3次の歪成分を低減したい場合には、(m×n±1)次の次数が3次と重ならないように、nの値を定めることにより、出力部2が出力する第1の検出信号から3次の歪成分を低減することができる。
また、(m×n±1)次の歪成分のうち、高い次数になるほど歪成分の振幅が低減する傾向にある。そのため、例えば、(m×n±1)次の歪成分のうち、最も低い次数となる(m=1)である(n±1)次の歪成分の振幅が小さい、ホール素子10の個数を示すnの値が定められている。本実施形態では、ホール素子10の個数を示すnの値(例えば、“5”)は、例えば、ホール素子10の出力信号に含まれる誤差成分のうちの(n±1)次の歪成分(誤差成分)が所定の値以下になるように定められている。なお、(n±1)次の歪成分(誤差成分)は、上述した所定次数の歪成分(誤差成分)に含まれる。
一例として、エンコーダ1における角度位置の誤差を0.25度以下にしたい場合に、磁石5が上述の図6(b)の第3サンプルにおいて、例えば、棒線B13に示すように4次の歪成分、及び棒線B15に示すように6次の歪成分は、それぞれ約0.2%であり、エンコーダ1における角度位置の誤差は、それぞれ約0.11度である。この場合、ホール素子10の個数を示すnの値を“5”に定めることにより、エンコーダ1における角度位置の誤差を0.25度以下にすることができる。
このように、本実施形態では、歪成分(誤差成分)は、予め測定されたホール素子10(例えば、ホール素子11)の出力における回転子6の位置に対応する誤差を周波数領域信号(B11〜B19)に変換した歪特性(誤差特性)として算出される。ホール素子10の個数を示すnの値は、歪特性(誤差特性)に基づいて、(n±1)次の歪成分(誤差成分)が所定の値以下になるように定められている。
次に、出力部2によってホール素子11〜15の出力信号を逐次出力した第1の検出信号(信号A)の基本周波数f成分に含まれる歪成分について説明する。
例えば、ホール素子11〜15の出力信号に上述のような歪成分(誤差成分)が含まれている場合に、回転子6の角度(回転位置)をθとすると、ホール素子11〜15の各出力信号は、下記の式(4)によって表される。ここで、変数kは、歪成分の次数を示し、変数δは、歪成分の振幅を示し、変数ηは、位相を示している。
Figure 2013101023
また、上記式(4)に基づいて、ホール素子11〜15の各出力信号を逐次出力した場合の第1の検出信号(信号A)をg(t)とし、基本周波数f成分のフーリエ係数を産出した場合、下記の式(5)及び式(6)として表される。ここでは、2次以上の高次成分は、フィルタ回路3によって、除去(低減)されるため、検討しない。また、位相差(位相間隔)φは、式(1)と同様に72度である。
(cosωt)のフーリエ係数a1は、下記の式(5)として示される。
Figure 2013101023
但し、(0.936・δ・sin(kθ+η))の項が値を取る条件は、歪成分の次数k=(5m±1)の場合である。
また、(sinωt)のフーリエ係数b1は、下記の式(6)として示される。
Figure 2013101023
但し、(0.936・δ・cos(kθ+η))の項が値を取る条件は、歪成分の次数k=(5m±1)の場合である。
上記の式(5)及び式(6)より得られた各次数の歪成分に対する第1の検出信号における基本周波数fの振幅は、図7(a)にように示される。なお、図7(a)において、振幅は、“0.936”によって規格化されている。
図7(a)に示すように、ホール素子11〜15の各出力信号を逐次出力した第1の検出信号(信号A)に含まれる歪成分は、(5m±1)次の歪成分(誤差成分)である4次、6次、9次、11次、14次、及び16次の歪成分である。
上記の結果から第1の検出信号(信号A)における基本周波数f成分の信号は、次数kの条件により以下のように表される。
<第1の条件>
次数kが2以上で、且つ、次数k≠(5m±1)である場合(但し、mは、1以上の自然数)には、基本周波数f成分の信号g(t)は、下記の式(7)として表される。
この場合、式(7)に示すように、基本周波数f成分の信号g(t)は、基本周波数f成分のみとなり、k次の歪成分を含まない。すなわち、第1の条件を満たす次数kの歪成分は、第1の検出信号(信号A)から除外(低減)される。
Figure 2013101023
<第2の条件>
また、次数k=(5m−1)である場合には、基本周波数f成分の信号g(t)は、下記の式(8)として表される。
この場合、式(8)に示すように、基本周波数f成分の信号g(t)は、基本周波数f成分の他に、k次の歪成分を含んでいる。
Figure 2013101023
<第3の条件>
また、次数k=(5m+1)である場合には、基本周波数f成分の信号g(t)は、下記の式(9)として表される。
この場合、式(9)に示すように、基本周波数f成分の信号g(t)は、基本周波数f成分の他に、k次の歪成分を含んでいる。
Figure 2013101023
このように、式(7)〜式(9)は、ホール素子10の個数nを“5”にした場合に、第1の検出信号(信号A)に基本周波数f成分には、(5m±1)次の歪成分が混入することを示している(第2及び第3の条件)。このことは、逆に、ホール素子10の個数nを“5”にした場合に、第1の検出信号(信号A)に基本周波数f成分から、(5m±1)次以外の歪成分を除去(低減)することができることを示している(第1の条件)。すなわち、ホール素子10の個数をnとした場合には、第1の検出信号(信号A)に基本周波数f成分には、(m×n±1)次の歪成分が含まれ、第1の検出信号(信号A)に基本周波数f成分から、(m×n±1)次以外の歪成分を除去(低減)することができる。
また、上記の式(7)〜式(9)においては、第1の検出信号(信号A)の基本周波数f成分に含まれる歪成分を算出したが、ホール素子10の個数を“5”とした場合に基本周波数fの2次以上(2倍以上)の周波数成分に含まれる歪成分は、図7(b)のように示される。但し、フィルタ回路3は、基本周波数fを通過させ、基本周波数f以外の周波数成分を除去(低減)させて、位相変調された第2の検出信号を出力する。そのため、図7(b)において、基本周波数f成分(範囲F1)以外の周波数成分は除去(低減)され、基本周波数f成分(範囲F1)以外の周波数成分は、エンコーダ1の精度の影響を与えない。
このように、歪成分の次数kが(5m±1)の場合、位相変調された第2の検出信号には、(5m±1)次の歪成分の影響が基本周波数f成分として出現するが、(5m±1)次以外の歪成分は基本周波数fの帯域外となる。そのため、位相変調された第2の検出信号は、歪に伴う誤差の影響を受けない。すなわち、本実施形態におけるエンコーダ1は、正弦波の歪成分として問題となる3次の歪成分(図6(b)の棒線B12参照)の影響を低減することができる。さらに、本実施形態におけるエンコーダ1は、(5m±1)次以外の歪成分の影響を受けないため、5次の歪成分(図6(b)の棒線B14参照)の影響も受けない。
以上説明したように、本実施形態におけるエンコーダ1は、n個(例えば、5個)のホール素子10が、回転子6の位置に応じて互いに異なる位相差(例えば、72度)を有する出力信号を出力する。出力部2は、n個のホール素子10に対して出力信号を逐次出力させて、n個の出力信号によって信号の1周期(所定の周期)を構成された第1の検出信号を出力する。フィルタ回路3は、出力部2から出力された第1の検出信号(信号A)の1周期の周波数である基本周波数fを含む所定の通過周波数帯域(R1)を有し、第1の検出信号のうちの所定の通過周波数帯域を通過させて位相変調された第2の検出信号(信号B)を出力する。位置検出部41は、フィルタ回路3部から出力された第2の検出信号に基づいて、回転子6の位置情報を検出する。そして、ホール素子10の個数を示すnの値は、出力部2から出力された第1の検出信号に含まれるホール素子10の出力信号の歪成分(誤差成分)のうちの少なくとも所定次数の歪成分(誤差成分)を低減するように定められている。
これにより、n個のホール素子10が第1の検出信号に含まれるホール素子10の出力信号の歪成分(誤差成分)のうちの少なくとも所定次数の歪成分(誤差成分)を低減し、さらに、フィルタ回路3が基本周波数fを含む所定の通過周波数帯域以外の周波数成分を低減させる。そのため、本実施形態におけるエンコーダ1は、高分解能であって高精度に位置情報を検出することができる。
また、本実施形態では、n個(例えば、5個)のホール素子10は、互いに異なる位相差が出力信号の1周期に対して等間隔(例えば、72度間隔)になるように配置されている。例えば、n個のホール素子10は、回転子6の一回転を等分割する位置に、それぞれ配置されている。
これにより、切り替え部20が等時間間隔でn個のホール素子10の出力を切り替えることにより、出力部2は、位相変調された適切な第2の検出信号(正弦波信号)を得るために適切な第1の検出信号(例えば、波形W4のような検証信号)を出力する。よって、出力部2は、切り替え部20を等時間間隔で切り替えるという簡易な手段により、適切な第1の検出信号を出力することができる。
また、本実施形態では、ホール素子10をn個(例えば、5個)に定めることにより低減する所定次数の歪成分(誤差成分)は、3次以上の歪成分(誤差成分)であって、出力部2から出力された第1の検出信号に含まれる歪成分(誤差成分)のうちの(m×n±1)次の歪成分(ただしmは1以上の自然数)を除く次数成分である。例えば、n個のホール素子10は、5個以上のホール素子10である。
これにより、出力部2は、エンコーダ1の精度を低下させる要因となるホール素子10の出力信号における3次以上の歪成分であり、且つ、(m×n±1)次の歪成分以外の次数成分を低減(除外)した第1の検出信号を出力することができる。例えば、5個以上のホール素子である場合、第1の検出信号には、4次(=5×1−1)以上の歪成分が含まれ、3次の歪成分を低減(除外)することができる。このように、第1の検出信号に含まれる(m×n±1)次の歪成分以外の次数成分を低減(除外)できるので、本実施形態におけるエンコーダ1は、高精度に位置情報を検出することができる。
また、本実施形態では、ホール素子10の個数を示すnの値は、ホール素子10の出力信号に含まれる誤差成分のうちの(n±1)次の歪成分(誤差成分)が所定の値以下になるように定められている。例えば、誤差成分は、予め測定されたホール素子10の出力における回転子6の位置に対応する誤差を周波数領域信号に変換した誤差特性(例えば、フーリエ解析結果)として算出される。そして、ホール素子10の個数を示すnの値は、この誤差特性(歪特性)に基づいて、(n±1)次の誤差成分が所定の値以下になるように定められている。なお、所定の値は、エンコーダ1に要求される精度に基づいて定められる値である。
これにより、ホール素子10と磁石5との対応関係による誤差成分(歪成分)を考慮して、エンコーダ1に要求される精度に基づいて、ホール素子10の個数が定められている。そのため、本実施形態におけるエンコーダ1は、要求される精度を満たす高精度により位置情報を検出することができる。
図8は、比較のために、従来技術による位相変調された検出信号の一例を示している。従来技術では、例えば、検出素子の数(n=4)の信号和算により、擬似的に(n=8)として位置情報を検出する処理回路を備えている。このような構成では、検出素子の出力信号に歪成分(誤差成分)が含まれている場合、図8に示すように、例えば、0度の検出信号(波形W21)と90度の検出信号(波形W22)とを信号和算して45度の検出信号(波形W23)を生成しても、45度の位置における検出信号とは異なる。すなわち、従来技術では、位相変調された検出信号に基づいて位置情報を検出するため、位置情報の分解能を向上させることができるが、擬似的に(n=8)として位置情報を検出したとしても、検出素子の数(n=4)と同値の精度となり、歪成分は除去(低減)できない。
これに対して、本実施形態におけるエンコーダ1は、上述したようにホール素子10の出力信号に含まれる歪成分のうちの(m×n±1)次の歪成分(誤差成分)以外の次数成分を低減するように、ホール素子10の数nを定めている。さらに、予め測定されたホール素子10の出力における誤差特性に基づいて、(m×n±1)次の歪成分(誤差成分)が低減されるように、ホール素子10の数nを定めている。そのため、ホール素子10の出力信号に含まれる歪成分を適切に除去できるので、本実施形態におけるエンコーダ1は、高精度に位置情報を検出することができる。また、本実施形態におけるエンコーダ1は、位相変調された検出信号に基づいて、位置情報を検出するため、位置情報の高分解能を維持しつつ、高精度に位置情報を検出することができる。
さらに、本実施形態におけるエンコーダ1は、磁気特性が悪い安価な磁石5を使用した場合でも、磁気特性が悪い安価な磁石5による誤差特性(歪特性)に基づいてホール素子10の数nを定めているので、高精度に位置情報を検出することができる。また、本実施形態におけるエンコーダ1は、位置情報を高精度に検出できるため、検出精度を向上させるための補正回路及び補正テーブルを備える必要がないという利点がある。
次に、第2の実施形態について、図を参照して説明する。
[第2の実施形態]
本実施形態におけるエンコーダ1の構成は、図1及び図3に示される第1の実施形態の構成と同様である。本実施形態では、回転子6が等速回転するようなアプリケーション(用途)において、位置情報の検出精度を向上させる場合について説明する。
なお、本実施形態において、フィルタ回路3は、回転子6の位置の回転速度(変位速度)に応じて、回転速度により変動した基本周波数の周波数成分を通過させて、回転速度により基本周波数の周波数成分から分離された(n±1)次の誤差成分を低減するように、所定の通過周波数帯域の幅が定められている。ここで、回転速度には、単位時間当りの回転子6の回転数、角速度などが含まれる。
次に、本実施形態における本実施形態におけるエンコーダ1の動作、及び原理について説明する。
エンコーダ1の動作、及び原理の説明を理解し易くするために、まず、回転子6が等速回転する場合で、且つ、ホール素子10(11〜15)の出力信号に正弦波歪(歪成分)がない場合について説明する。
正弦波歪が無い場合もしくは正弦波歪の影響を受けない場合、出力部2が出力する位相変調された第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分は、下記の式(10)により表される。なお、式(10)において、振幅は、“1”で規格化している。また、正弦波歪が無い場合、位相変調された第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分は、フィルタ回路3が出力する位相変調された第2の検出信号に対応する。
Figure 2013101023
ここで、回転子6が、例えば、1秒間に回転数fvで回転(例えば、等速回転)している場合、上記の式(10)は、下記の式(11)に置き換えられる。ここで、1秒間に回転する回転数fvにより、角速度は、(2πfv[rad/S(秒)])として表され、回転子6の角度θ=2πfvtとして表される。なお、式(11)において、便宜上、初期位相は、“0”としている。
Figure 2013101023
式(11)に示すように、回転子6が1秒間に回転数fvで回転している場合、フィルタ回路3が出力する位相変調された第2の検出信号(信号B)の周波数は、(f+fv)となる(fvはマイナスの値も取り得る)。すなわち、この場合、フィルタ回路3は、回転に伴い基本周波数fが回転数fv分シフトした第2の検出信号を出力する。
次に、式(10)に基づいて、出力部2が出力する位相変調された第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分に、次数k=(5m−1)の正弦波歪(歪成分)がある場合、且つ、回転子6が回転していない場合を考える。この場合、出力部2が出力する位相変調された第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分は、下記の式(12)により表される。なお、式(12)において、振幅は、“1”で規格化されている。
Figure 2013101023
また、回転子6が、例えば、1秒間に回転数fvで回転(例えば、等速回転)している場合、上記の式(12)は、下記の式(13)に置き換えられる。なお、式(13)において、便宜上、初期位相は、“0”としている。
Figure 2013101023
式(13)に示すように、次数k=(5m−1)の正弦波歪がある場合、且つ、回転子6が1秒間に回転数fvで回転している場合、位相変調された第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分は、シフトした基本周波数成分(f+fv)とシフトした歪成分(f−kfv)とに分離される。なお、回転数fvはマイナスの値も取り得る。すなわち、この場合、出力部2は、回転に伴い基本周波数f成分が回転数fv分シフトした基本周波数成分(f+fv)と、回転に伴い基本周波数fから分離された歪成分(f−kfv)とを含む第1の検出信号を出力する。
また、同様に、出力部2が出力する位相変調された第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分に、次数k=(5m+1)の正弦波歪(歪成分)がある場合、且つ、回転子6が回転していない場合を考える。この場合、出力部2が出力する位相変調された第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分は、下記の式(14)により表される。なお、式(14)において、振幅は、“1”で規格化されている。
Figure 2013101023
また、回転子6が、例えば、1秒間に回転数fvで回転(例えば、等速回転)している場合、上記の式(14)は、下記の式(15)に置き換えられる。なお、式(15)において、便宜上、初期位相は、“0”としている。
Figure 2013101023
式(15)に示すように、次数k=(5m+1)の正弦波歪がある場合、且つ、回転子6が1秒間に回転数fvで回転している場合、位相変調された第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分は、シフトした基本周波数成分(f+fv)とシフトした歪成分(f+kfv)とに分離される。なお、回転数fvはマイナスの値も取り得る。すなわち、この場合、出力部2は、回転に伴い基本周波数f成分が回転数fv分シフトした基本周波数成分(f+fv)と、回転に伴い基本周波数fから分離された歪成分(f+kfv)とを含む第1の検出信号を出力する。
図9は、本実施形態における歪成分の周波数分布を示す図である。
図9(a)は、式(12)及び式(14)に示すように、第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分に、次数k=(5m±1)の正弦波歪(歪成分)がある場合、且つ、回転子6が回転していない場合の周波数分布を示している。図9(a)において、棒線B20は、基本周波数f成分の大きさ(振幅)を示している。棒線B20には、図7(b)の範囲F1に示したように、(5m±1)次の歪成分が含まれており、例えば、棒線B22は4次の歪成分を示し、棒線B23は、6次の歪成分を示している。また、例えば、棒線B24は9次の歪成分を示し、棒線B25は、11次の歪成分を示している。なお、棒線B21は、歪成分を除いた基本周波数f成分を示している。
また、周波数P1は、基本周波数fを示している。周波数範囲R2は、フィルタ回路3の所定の通過周波数帯域を示しており、所定の通過周波数帯域は、例えば(f±2fv)の範囲である。
図9(a)において、回転子6が回転していないため、出力部2は、棒線B22〜B25の歪成分を含む第1の検出信号を出力する。
図9(b)は、第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分に、次数k=(5m±1)の正弦波歪(歪成分)がある場合、且つ、回転子6が回転している場合(例えば、時計回りに回転数fvの場合)における周波数分布を示している。図9(b)において、棒線B21aは、回転に伴いシフトした基本周波数成分を示しており、周波数P2は、シフトした基本周波数(f+fv)を示している。また、棒線B22aは、回転に伴いシフトした4次の歪成分を示し、棒線B23aは、回転に伴いシフトした6次の歪成分を示している。また、棒線B24aは、回転に伴いシフトした9次の歪成分を示し、棒線B25aは、回転に伴いシフトした11次の歪成分を示している。なお、式(13)に示すように、シフトした4次の歪成分の周波数は、(f−4fv)であり、シフトした9次の歪成分の周波数は、(f−9fv)である。また、式(15)に示すように、シフトした6次の歪成分の周波数は、(f+6fv)であり、シフトした11次の歪成分の周波数は、(f+11fv)である。
このように、回転子6が、時計回りに回転数fvで回転している場合、且つ、第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分に正弦波歪がある場合には、出力部2は、回転に伴いシフトした基本周波数(f+fv)の成分(棒線B21a)と、回転に伴い基本周波数fから分離された歪成分(棒線B22a〜B22a)とを含む第1の検出信号を出力する。
また、フィルタ回路3は、所定次数の歪成分(誤差成分)を低減するように、所定の通過周波数帯域の幅が定められている。例えば、フィルタ回路3は、周波数範囲R2に示すように、所定の通過周波数帯域(f±2fv)を有しており、出力部2が出力した第1の検出信号に含まれる棒線B21aを通過させて、棒線B22a〜25aを通過させない。すなわち、フィルタ回路3は、第1の検出信号に含まれる歪成分(誤差成分)を低減させた第2の検出信号(信号B)を出力する。なお、本実施形態では、フィルタ回路3の通過周波数帯域R2は、回転数fvにより基本周波数の周波数成分から分離された(n±1)次の誤差成分を低減するように定められている。例えば、第1の検出信号の基本周波数成分に含まれる歪成分の次数において、最も小さい次数は4次である。そのため、フィルタ回路3の通過周波数帯域R2は、例えば、シフトした4次の歪成分(f−4fv)を除去(低減)できるように、(f±2fv)に定められている。なお、エンコーダ1が使用される用途において、回転速度に対応する回転数fvが所定の範囲を有している場合には、最大の回転数の値に基づいて、フィルタ回路3の通過周波数帯域R2を定めてもよい。
同様に、図9(c)は、第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分に、次数k=(5m±1)の正弦波歪(歪成分)がある場合、且つ、回転子6が回転している場合(例えば、反時計回りに回転数fvの場合)における周波数分布を示している。なお、反時計回りにおける回転数fvは、時計回りにおける回転数(−fv)に対応する。図9(c)において、棒線B21bは、回転に伴いシフトした基本周波数成分を示しており、周波数P3は、シフトした基本周波数(f−fv)を示している。また、棒線B22bは、回転に伴いシフトした4次の歪成分を示し、棒線B23bは、回転に伴いシフトした6次の歪成分を示している。また、棒線B24bは、回転に伴いシフトした9次の歪成分を示し、棒線B25bは、回転に伴いシフトした11次の歪成分を示している。なお、式(13)に示すように、シフトした4次の歪成分の周波数は、(f+4fv)であり、シフトした9次の歪成分の周波数は、(f+9fv)である。また、式(15)に示すように、シフトした6次の歪成分の周波数は、(f−6fv)であり、シフトした11次の歪成分の周波数は、(f−11fv)である。
このように、回転子6が、反時計回りに回転数fvで回転している場合、且つ、第1の検出信号に含まれる基本周波数f成分に正弦波歪がある場合には、出力部2は、回転に伴いシフトした基本周波数(f−fv)の成分(棒線B21b)と、回転に伴い基本周波数fから分離された歪成分(棒線B22b〜B22b)とを含む第1の検出信号を出力する。
また、フィルタ回路3は、例えば、周波数範囲R2に示すように、所定の通過周波数帯域(f±2fv)を有しており、出力部2が出力した第1の検出信号に含まれる棒線B21aを通過させて、棒線B22a〜25aを通過させない。すなわち、フィルタ回路3は、第1の検出信号に含まれる歪成分を低減させた第2の検出信号(信号B)を出力する。
以上説明したように、本実施形態では、回転子6が回転している場合に、出力部2が出力した第1の検出信号に含まれる歪成分(誤差成分)は、回転速度に応じて周波数がシフトし、基本周波数成分と異なる周波数帯域に分離される。フィルタ回路3は、所定次数の歪成分(誤差成分)を低減するように、所定の通過周波数帯域の幅が定められている。
これにより、フィルタ回路3は、所定の通過周波数帯域の周波数成分を通過させることにより、所定次数の歪成分(誤差成分)を低減(除去)した位相変調された正弦波信号(第2の検出信号)を出力する。そのため、本実施形態におけるエンコーダ1は、高精度に位置情報を検出することができる。
また、本実施形態では、フィルタ回路3は、回転子6の位置の回転速度に応じて、回転速度により変動した基本周波数の周波数成分を通過させて、回転速度により基本周波数の周波数成分から分離された(n±1)次の歪成分(誤差成分)を低減するように、所定の通過周波数帯域の幅が定められている。
これにより、出力部2が出力した第1の検出信号に含まれる歪成分(例えば、4次以上の歪成分)は、フィルタ回路3の所定の通過周波数帯域(例えば、f±2fv)の外になる。そのため、フィルタ回路3は、第1の検出信号に含まれる歪成分を低減して、基本周波数(f±fv)成分を得ることができる。よって、本実施形態におけるエンコーダ1は、回転子6が回転している場合に、高精度に位置情報を検出することができる。
[第3の実施形態]
第2の実施形態では、回転子6の回転速度(回転数fv)に応じて、フィルタ回路3の所定の通過周波数帯域を設定する一実施形態を説明したが、回転子6の回転状態に応じて、通過周波数帯域の異なる複数のフィルタ回路を切り替えて使用する形態でもよい。そこで、第3の実施形態では、一例として、回転子6の回転数fvが所定の閾値以上の場合と、所定の閾値未満の場合とで、2つのフィルタ回路(図10の31,32)を切り替えて使用する一実施形態について説明する。
図10は、本実施形態のエンコーダ1の構成を示すブロック図である。
図10において、エンコーダ1は、ホール素子11〜15、切り替え部20、電源回路25、抵抗26、差動アンプ27、フィルタ部3a、及び信号処理部4aを備えている。この図において、図3と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
フィルタ部3aは、出力部2から出力された第1の検出信号のうちの所定の通過周波数帯域を通過させて位相変調された第2の検出信号(信号B)を信号処理部4aの位置検出部41に出力する。ここで、所定の通過周波数帯域には、出力部2から出力された第1の検出信号(信号A)の1周期の周波数である上述した基本周波数fが含まれる。フィルタ部3aは、例えば、第1の検出信号に含まれる基本周波数fの成分を通過させて、基本周波数f以外の成分を低減する。
また、フィルタ部3aは、2つのフィルタ回路(31,32)、及び切り替えSW33を備えている。
2つのフィルタ回路(31,32)は、互いに異なる通過周波数帯域を有する、例えば、ロウパスフィルタ回路、バンドパスフィルタ回路などである。
フィルタ回路31(第1のファイルタ回路)は、例えば、回転子6の停止状態を含む所定の閾値未満の回転速度(回転数)の場合に選択され、フィルタ回路32より狭い第1の通過周波数帯域を有している。フィルタ回路31は、第1の検出信号に含まれる第1の通過周波数帯域の周波数成分を通過させて、第1の通過周波数帯域以外の周波数成分を低減し、切り替えSW33に出力する。
フィルタ回路32(第2のファイルタ回路)は、例えば、回転子6の回転速度(回転数)が所定の閾値以上である場合に選択され、エンコーダ1の用途において想定される最大回転数fv_maxに対応した、フィルタ回路31より広い第2の通過周波数帯域を有している。ここで、第2の通過周波数帯域は、例えば、(f±2fv_max)の範囲である。フィルタ回路32は、第1の検出信号に含まれる第2の通過周波数帯域の周波数成分を通過させて、第2の通過周波数帯域以外の周波数成分を低減し、切り替えSW33に出力する。
切り替えSW33は、後述するフィルタ制御部43から供給される切り替え信号に基づいて、フィルタ回路31の出力信号と、フィルタ回路32の出力信号の出力信号とを切り替えて信号処理部4aの位置検出部41に出力する。
このように、フィルタ部3aは、通過周波数帯域の異なる2つのフィルタ回路(31,32)を有し、回転子6の回転速度に基づいて、2つのフィルタ回路(31,32)のうちのいずれかの出力信号を第2の検出信号として、信号処理部4aの位置検出部41に出力する。
信号処理部4aは、位置検出部41と、切り替え制御部42と、フィルタ制御部43とを備えている。
フィルタ制御部43は、位置検出部41が検出した回転子6の回転位置に基づいて、1秒当りの回転数(回転速度)を算出する。フィルタ制御部43は、算出した回転数に基づいて、2つのフィルタ回路(31,32)のうちのいずれかを使用するか選択する選択信号をフィルタ部3aに出力する。例えば、フィルタ制御部43は、算出した回転子6の回転数が所定の閾値以上である場合に、フィルタ回路32を選択する選択信号をフィルタ部3aに出力する。また、例えば、フィルタ制御部43は、算出した回転子6の回転数が所定の閾値未満である(回転子6が停止している場合も含む)場合に、フィルタ回路31を選択する選択信号をフィルタ部3aに出力する。
また、本実施形態におけるエンコーダ1の動作、及び原理は、上述した2つのフィルタ回路(31,32)のうちのいずれかを選択して使用する点を除き、第1及び第2の実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、フィルタ部3aは、通過周波数帯域の異なる2つのフィルタ回路(31,32)を有する。フィルタ制御部43は、回転子6の回転速度に基づいて、2つのフィルタ回路(31,32)のうちのいずれかの出力信号を第2の検出信号として信号処理部4aの位置検出部41に出力させる。なお、フィルタ回路31は、フィルタ回路32より狭い通過周波数帯域(第1の通過周波数帯域)を有し、回転子6の回転速度が所定の閾値未満である場合に選択される。また、フィルタ回路32は、フィルタ回路31より広い通過周波数帯域(第2の通過周波数帯域)を有し、回転子6の回転速度が所定の閾値以上の場合に選択される。
これにより、フィルタ部3aは、回転子6が停止状態を含む所定の閾値未満の回転速度である場合に、回転子6が所定の閾値以上の回転速度である場合より狭い通過周波数帯域により第2の検出信号を生成する。また、フィルタ部3aは、回転子6が所定の閾値以上の回転速度である場合に、回転子6が所定の閾値未満の回転速度である場合より広い通過周波数帯域により第2の検出信号を生成する。そのため、本実施形態におけるエンコーダ1は、回転子6が停止状態を含む所定の閾値未満の回転速度である場合における位置情報の検出精度を低下させずに、回転子6が所定の閾値以上の回転速度である場合における位置情報の検出を向上させることができる。
なお、本実施形態では、一例として、フィルタ部3aは、2つのフィルタ回路(31,32)を備える形態を説明したが、回転速度に応じて、2つ以上の通過周波数帯域を有する複数のフィルタ回路を備える形態でもよい。また、フィルタ部3aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processing)などの制御部を備え、予め定められたフィルタ係数に基づいて、デジタル信号処理により上述のフィルタ機能を実現する形態でもよい。この場合、フィルタ部3aは、複数のフィルタ係数を有していて、回転速度に応じて複数のフィルタ係数のうちのいずれかを選択して使用する形態でもよい。この場合、フィルタ回路を複数備える必要はなく、フィルタ部3aの構成を簡略化することができる。さらに、この場合では、エンコーダ1は、回転速度に応じて、適切なフィルタ係数を選択して使用するので、位置情報の検出精度を低下させずに、第2の実施形態より広い範囲の回転速度に対応させることができる。
[第4の実施形態]
通常、ホール素子10は出力端子((out+)及び(out−))の非対称性により不平衡電圧(オフセット電圧)が存在し、これが温度の変動に伴って出力信号の変動を起こす場合がある。第4の実施形態においては、この不平衡電圧を補償する形態について説明する。本実施形態では、一例として、図3に示す構成に不平衡電圧を補償する構成を追加する形態について説明する。
図11は、本実施形態のエンコーダ1の構成を示すブロック図である。
図11において、エンコーダ1は、ホール素子11〜15、切り替え部20a、電源回路25、抵抗26、差動アンプ27、フィルタ回路3、及び信号処理部4aを備えている。ここで、切り替え部20aと、電源回路25と、抵抗26と、差動アンプ27と、信号処理部4bの切り替え制御部42aとが、出力部2aに対応する。この図において、図3と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
なお、ホール素子10(11〜15)は、後述するように、入力端子(in+)及び(in−)と、出力端子(out+)及び(out−)とを逆にして使用することが可能である。本実施形態では、切り替え部20aは、ホール素子11〜15と電源回路25との間の接続、及び、ホール素子11〜15と差動アンプ27との間の接続を、ホール素子11〜15に対して順に切り替える。さらに、切り替え部20aは、入力端子(駆動端子)と出力端子とを切り替える。
切り替え部20aは、アナログSW21a〜24aの4つのスイッチを備えている。
アナログSW21a〜24aは、それぞれ、少なくとも10個の第1の端子と、1つの第2の端子とを備えている。
アナログSW21aの第1の端子には、ホール素子11〜15の入力端子(in+)及び出力端子(out−)が、それぞれ対応して接続されている。アナログSW21aの第2の端子には、電源回路25が接続されている。
また、アナログSW21aには、セレクト信号S0〜S3が入力されている。アナログSW21aにおいては、このセレクト信号S0〜S3の組み合わせにより、10個の第1の端子のうちのいずれか1つの端子が選択され、この選択された第1の端子と、第2の端子とが接続される。このアドレスセレクト信号S0〜S3は、切り替え制御部42aから供給される選択信号であり、10個の第1の端子のうちのいずれか1つの端子を選択する選択信号である。
アナログSW21aは、このセレクト信号S0〜S3の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の入力端子(in+)又は出力端子(out−)を電源回路25に接続する。
同様に、アナログSW22aは、このセレクト信号S0〜S3の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の出力端子(out+)又は(in+)を差動アンプ27の入力端子(+端子)に接続する。
同様に、アナログSW23aは、このセレクト信号S0〜S3の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の出力端子(out−)又は(in−)を差動アンプ27の入力端子(−端子)に接続する。
同様に、アナログSW24aは、このセレクト信号S0〜S3の組み合わせに基づいて、ホール素子11〜15のうちから選択されたいずれか1つのホール素子10の入力端子(in−)又は(out+)を、抵抗26を介して接地させる。
信号処理部4bは、位置検出部41と、切り替え制御部42aとを備えている。
切り替え制御部42aは、切り替え部20aのアナログSW21a〜24aに供給するセレクト信号S0〜S3を生成する(図11の波形W1a〜W3a、及びW9参照)。切り替え制御部42aは、セレクト信号S0〜S2に基づいて、アナログSW21a〜24aの接続を例えば、時計回りの順に切り替えることにより、ホール素子11〜15の各出力信号を順次出力(逐次出力)させる。また、切り替え制御部42aは、セレクト信号S3に基づいて、ホール素子11〜15の入力端子(駆動端子)と出力端子とを切り替える。
切り替え制御部42aは、セレクト信号S3に基づいて、切り替え部20aに対して、次の2つの接続状態を切り替えさせる。
切り替え部20a(アナログSW21a,24a)は、第1の接続状態として、ホール素子11〜15の入力端子(in+)に電源回路25から電圧又は電流を供給し、入力端子(in−)に抵抗26を介して接地させる。また、切り替え部20a(アナログSW22a,23a)は、第1の接続状態として、出力端子(out+)及び(out−)を差動アンプ27の入力端子に接続する。
また、切り替え部20a(アナログSW21a,24a)は、第2の接続状態として、ホール素子11〜15の出力端子(out−)に電源回路25から電圧又は電流を供給し、出力端子(out+)に抵抗26を介して接地させる。また、切り替え部20a(アナログSW22a,23a)は、第2の接続状態として、入力端子(in+)及び(in−)を差動アンプ27の入力端子に接続する。
なお、セレクト信号S0〜S3に基づいて、切り替え部20aが切り替えられることにより、差動アンプ27は、図11の波形W4aに示すような第1の検出信号(信号A)を出力する。
このように、各ホール素子10の入力端子と出力端子とを切り替えて使用することにより、各ホール素子10の出力が平均化されるため、各ホール素子10の不平衡電圧が低減される。
以上説明したように、本実施形態におけるエンコーダ1は、ホール素子10は、ホール素子10を駆動する駆動電圧(又は電流)が供給される駆動端子(入力端子)と、出力信号を出力する出力端子とを有する。そして、出力部2aは、駆動端子と出力端子とを切り替える切り替え部20aを備えている。
これにより、ホール素子10の不平衡電圧が低減されるので、本実施形態におけるエンコーダ1は、温度が変動しても、高精度に位置情報を検出することができる。
[第5の実施形態]
次に、上述の実施形態におけるエンコーダ1を備える駆動装置(モータ装置、アクチュエータ)について説明する。
図12は、本実施形態における駆動装置DRの概略図である。本実施形態における駆動装置DRは、入力軸IAXを回転させるモータMTRと、入力軸IAX(回転子6)に設けられたエンコーダ1と、を備える。すなわち、駆動装置DRは、エンコーダ1と、入力軸IAX(被駆動体)を駆動するモータMTR(駆動部)と、を備えている。
エンコーダ1は、入力軸IAX(被駆動体)の回転位置(角度位置)を検出し、駆動装置DRを制御する上位のコントローラに対して回転位置を含む情報をエンコーダ信号として出力する。上位のコントローラは、エンコーダ1から受信したエンコーダ信号をもとに、駆動装置DRを制御する。本実施形態におけるエンコーダ1は回転位置を高精度に検出することができるため、本実施形態における駆動装置DRはモータMTRの入力軸IAXを高精度に位置制御することができる。
なお、本実施形態における駆動装置DRは、図13に示すように、モータMTRの入力軸IAXに減速機RG(例、遊星歯車式機構)を設ける構成としてもよい。この場合、本実施形態におけるエンコーダ1は、その減速機RGの出力軸OAXに配置するようにしてもよいし、モータMTRの入力軸IAXと減速機RGの出力軸OAXとの両方に配置するようにしてもよい。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、ホール素子10の配置は、図1に示される配置に限定されるものではなく、以下のような形態でもよい。
<第1の変形例>
図14は、本実施形態におけるエンコーダ1の構成の第1の変形例を示す図である。
図14において、エンコーダ1は、磁石5aを有する回転子6と、5個のホール素子11a〜15aと、基板組9とを備えている。この図において、図1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、ホール素子11a〜15aのうちの任意のホール素子、又は単にエンコーダ1が備えるホール素子を示す場合には、ホール素子10と称して以下説明する。
磁石5aは、例えば、永久磁石である。第1の変形例では、一例として、磁石5aは、磁極数が“2”の永久磁石である。すなわち、磁石5aは、2対のS(エス)極とN(エヌ)極とを有する永久磁石である。
ホール素子11a〜15aは、回転子6における回転の半周の間に、等間隔に配置されている。ホール素子11a〜15aは、磁石5aの磁極数が“2”であるため、それぞれ回転子6における回転の半周により、1周期となる出力信号を出力する。したがって、出力部2は、回転子6における回転の1周により2周期(1周期を繰り返す複数の周期)となる出力信号を出力する。例えば、5個のホール素子11a〜15aは、回転子6の移動に伴って得られる第1の検出信号の1周期に応じて互いに等間隔に配置されている。また、5個のホール素子11a〜15aは、回転子6の位置の変位に対する出力信号の1周期分の変位範囲を等分割する位置に、それぞれ配置されている。ここで、各ホール素子11a〜15aの回転角度間隔は、36度となる。このように、出力部2は、逐次出力させた出力信号によって信号の1周期を構成させた第1の出力信号を出力する。
また、この場合における各ホール素子11a〜15aは、図15の波形W11a〜W15aに示すような出力信号を出力する。なお、図15において、波形W11a〜W15aは、ホール素子11a〜15aの出力波形にそれぞれ対応する。ホール素子11a〜15aは、回転子6の回転角度が360度変位することにより2周期の擬似正弦波を出力し、互いに36度の位相差(位相角シフト量)を有する出力信号を出力する。
なお、ホール素子10の数n、磁極数aとした場合に、この位相差Δθは、下記の式(16)により示される。
Figure 2013101023
出力部2は、このように配置されたホール素子11a〜15aを、ホール素子11a〜15aの順に出力させることにより、図1の場合と同様の第1の検出信号(信号A)を出力する。なお、第1の検出信号には、上述の2周期のうちの1周期を360度に対応するように、各ホール素子11a〜15aの出力信号が出力されるため、第1の検出信号において、各ホール素子11a〜15aの出力信号における位相差は、それぞれ72度に対応する。そのため、この第1の変形例においても、エンコーダ1は、第1〜第4の実施形態と同様に、位置情報を高精度に検出することができる。また、磁石5aの磁極数が“2”であるため、磁極数が“1”である場合に比べて、回転子6の回転角度の変位に対して、位相変調された検出信号が大きく変動する。そのため、第1の変形例におけるエンコーダ1は、第1〜第4の実施形態に比べて、位置情報の検出における分解能を向上させることができる。
なお、第1の検出信号には、上述の2周期のうちの1周期を360度に対応するように、各ホール素子11a〜15aの出力信号が出力されるため、第1の検出信号において、各ホール素子11a〜15aの出力信号における位相差は、それぞれ72度に対応する。
<第2の変形例>
第2の変形例では、図16に示すように、エンコーダ1は、ホール素子11〜15の配置は、図1の形態と同一であるが、磁極数“2”の磁石5aを備えている。すなわち、5個のホール素子11〜15は、回転子6の一回転を等分割する位置に、それぞれ配置されている。
この場合、例えば、出力部2は、ホール素子11,ホール素子14,ホール素子12,ホール素子15,ホール素子13の順に出力させることにより、回転子6における回転の半周により図1の場合と同様の第1の検出信号(信号A)を出力する。したがって、出力部2は、逐次出力させた出力信号によって信号の1周期を構成させた第1の出力信号を出力する。
したがって、図16に示す場合においても、エンコーダ1は、第1〜第4の実施形態と同様に、位置情報を高精度に検出することができる。
<第3の変形例>
上記の各実施形態では、磁気式、且つロータリー式のエンコーダに適用する形態を説明したが、光学式やリニア式のエンコーダに適用する形態でもよい。第3の変形例では、一例として、光学式、且つリニア式のエンコーダに適用した形態について説明する。
図17は、第3の変形例によるエンコーダ7の構成を示す図である。
図17において、エンコーダ7は、光源部71、非球面レンズ72、インデックス格子73(基準目盛)、スケール74(移動目盛)、及び受光素子部8を備えている。
光源部71は、非球面レンズ72を介して、インデックス格子73及びスケール74に照射光を照射し、受光素子部8は、インデックス格子73及びスケール74を透過した照射光を受光して検出信号を出力する。
スケール74の位置に応じて、受光素子部8に照射される照射光の強度分布が変動する。受光素子部8は、例えば、波形W30のような強度分布を示す照明光を受光する。また、受光素子部8は、複数の受光素子(検出素子)を有している。この受光素子部8上の照射光の強度分布は測定可能であるので、上記第1の実施形態と同様に、測定した強度分布と理想的な正弦波との歪量をフーリエ解析したフーリエ解析結果に基づいて、受光素子の個数nは、(n±1)次の誤差成分が所定の値以下になるように定められている。
例えば、9次の歪成分と、11次の歪成分が所定の値以下である場合に、受光素子部8の受光素子の数は、10個に定められている。すなわち、本変形例における受光素子部8は、10個の受光素子80〜89を有している。この場合、10個の受光素子80〜89は、互いに異なる位相差を有する出力信号を出力する。すなわち、上記の各実施形態と同様に、受光素子80〜89の各出力信号を逐次出力することにより、1周期となる検出信号(第1の検出信号)が得られ、第1の検出信号に含まれる誤差成分のうちの少なくとも所定次数の誤差成分を低減することができる。
このように、光学式、且つリニア式のエンコーダ7においても、第1〜第4の実施形態と同様に、位置情報を高精度に検出することができる。
なお、上述の受光素子80〜89は、リニアセンサのような受光素子アレイ(アレイセンサ)であってもよい。
なお、上記の各実施形態において、各ホール素子10の出力信号における位相差は、等間隔である形態について説明したが、各ホール素子10は、異なる位相差の間隔の出力信号を出力する形態であってもよい。この場合、切り替え制御部42(42a)は、ホール素子10の各出力信号における位相差の間隔に応じて、切り替えタイミングを変更して出力部2に第1の検出信号を出力させる。
また、上記の各実施形態において、ホール素子10の数nが“5”である形態を説明したが、これに限定されずに、エンコーダ1は、5個以上のホール素子10を備える形態でもよい。
また、上記の第4の実施形態において、一例として、図3の構成に適用する形態を説明したが、図10の構成に適用する形態でもよい。
また、上記の各実施形態において、位置検出装置の一例として、エンコーダ1(7)に適用する形態を説明したが、レゾルバ装置などの他の位置検出装置に適用する形態でもよい。
また、例えば、本実施形態における駆動装置DRは、アームなどを有する多関節ロボットや自動車(例、電気自動車)などのロボット装置に設けられる。
また、上記の各実施形態において、エンコーダ1の各部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリ及びCPUを備えて、プログラムによって実現されてもよい。
上述のエンコーダ1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したエンコーダ1の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
1,7…エンコーダ、2,2…出力部、3,31,32…フィルタ回路、3a…フィルタ部、11,11a,12,12a,13,13a,14,14a,15,15a…ホール素子、20,20a…切り替え部、41…位置検出部、DR…駆動装置、MTR…モータ

Claims (13)

  1. 被駆動体の位置に応じて互いに異なる位相差を有する出力信号を出力するn個の検出素子と、
    前記n個の検出素子に対して前記出力信号を逐次出力させて、前記n個の前記出力信号によって信号の1周期を構成された第1の検出信号を出力する出力部と、
    前記出力部から出力された前記第1の検出信号の1周期の周波数である基本周波数を含む所定の通過周波数帯域を有し、前記第1の検出信号のうちの前記所定の通過周波数帯域を通過させて位相変調された第2の検出信号を出力するフィルタ部と、
    前記フィルタ部から出力された前記第2の検出信号に基づいて、前記被駆動体の位置情報を検出する位置検出部と、
    を備え、
    前記検出素子の個数を示す前記nの値は、前記出力部から出力された前記第1の検出信号に含まれる前記出力信号の誤差成分のうちの少なくとも所定次数の誤差成分を低減するように定められている
    ことを特徴とする位置検出装置。
  2. 前記n個の検出素子は、前記被駆動体の移動に伴って得られる前記第1の検出信号の1周期に応じて互いに等間隔に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 前記n個の検出素子は、
    前記互いに異なる位相差が前記出力信号の1周期に対して等間隔になるように、配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の位置検出装置。
  4. 前記n個の検出素子は、
    前記被駆動体の位置の変位に対する前記出力信号の1周期分の変位範囲を等分割する位置に、それぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  5. 前記被駆動体は回転子であり、
    前記n個の検出素子は、
    前記回転子の一回転を等分割する位置に、それぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  6. 前記所定次数の誤差成分は、3次以上の誤差成分であって、前記出力部から出力された前記第1の検出信号に含まれる前記誤差成分のうちの(m×n±1)次の誤差成分(ただしmは1以上の自然数)を除く次数成分である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  7. 前記n個の検出素子は、5個以上の検出素子であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  8. 前記フィルタ部は、
    前記所定次数の誤差成分を低減するように、前記所定の通過周波数帯域の幅が定められている
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  9. 前記検出素子の個数を示す前記nの値は、
    前記検出素子の出力信号に含まれる誤差成分のうちの(n±1)次の誤差成分が所定の値以下になるように定められている
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  10. 前記検出素子の出力信号に含まれる誤差成分は、予め測定された前記検出素子の出力における前記被駆動体の位置に対応する誤差を周波数領域信号に変換した誤差特性として算出され、
    前記検出素子の個数を示す前記nの値は、
    前記誤差特性に基づいて、前記(n±1)次の誤差成分が前記所定の値以下になるように定められている
    ことを特徴とする請求項9に記載の位置検出装置。
  11. 前記フィルタ部は、
    前記被駆動体の位置の変位速度に応じて、前記変位速度により変動した前記基本周波数の周波数成分を通過させて、前記変位速度により前記基本周波数の周波数成分から分離された前記(n±1)次の誤差成分を低減するように、前記所定の通過周波数帯域の幅が定められている
    ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の位置検出装置。
  12. 前記検出素子は、
    前記検出素子を駆動する駆動電圧が供給される駆動端子と、前記出力信号を出力する出力端子とを有し、
    前記出力部は、
    前記駆動端子と前記出力端子とを切り替える切り替え部を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の位置検出装置と、
    前記被駆動体を駆動する駆動部と、
    を備えることを特徴とする駆動装置。
JP2011244355A 2011-11-08 2011-11-08 位置検出装置、及び駆動装置 Pending JP2013101023A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011244355A JP2013101023A (ja) 2011-11-08 2011-11-08 位置検出装置、及び駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011244355A JP2013101023A (ja) 2011-11-08 2011-11-08 位置検出装置、及び駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013101023A true JP2013101023A (ja) 2013-05-23

Family

ID=48621769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011244355A Pending JP2013101023A (ja) 2011-11-08 2011-11-08 位置検出装置、及び駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013101023A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018016145A1 (ja) * 2016-07-20 2018-01-25 日本精工株式会社 回転角度検出器及びトルクセンサ
WO2020152762A1 (ja) * 2019-01-22 2020-07-30 三菱電機株式会社 回転角度検出装置、および当該回転角度検出装置を含む電動パワーステアリング装置
JP2020153806A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 Tdk株式会社 回転角度検出装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018016145A1 (ja) * 2016-07-20 2018-01-25 日本精工株式会社 回転角度検出器及びトルクセンサ
JP6319538B1 (ja) * 2016-07-20 2018-05-09 日本精工株式会社 回転角度検出器及びトルクセンサ
CN108885124A (zh) * 2016-07-20 2018-11-23 日本精工株式会社 旋转角度检测器和扭矩传感器
WO2020152762A1 (ja) * 2019-01-22 2020-07-30 三菱電機株式会社 回転角度検出装置、および当該回転角度検出装置を含む電動パワーステアリング装置
JPWO2020152762A1 (ja) * 2019-01-22 2021-09-09 三菱電機株式会社 回転角度検出装置、および当該回転角度検出装置を含む電動パワーステアリング装置
JP7066306B2 (ja) 2019-01-22 2022-05-13 三菱電機株式会社 回転角度検出装置、および当該回転角度検出装置を含む電動パワーステアリング装置
JP2020153806A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 Tdk株式会社 回転角度検出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5064492B2 (ja) 磁気式回転角検出器
TWI663383B (zh) Encoder and rotation angle position calculation method
JP4836058B2 (ja) 磁気式エンコーダ装置
JP2018510353A (ja) 回転角度測定装置および回転角度測定方法
JP2013101023A (ja) 位置検出装置、及び駆動装置
JP5402313B2 (ja) エンコーダおよび信号処理方法
JP4194485B2 (ja) 角度検出センサ
JP5343691B2 (ja) 磁気式回転角度検出装置およびエンコーダ
JP2013228313A (ja) エンコーダ、及び駆動装置
JP5318796B2 (ja) ホール起電力検出装置および回転角度検出装置
JP5842334B2 (ja) エンコーダ装置、及び駆動装置
JP2019211421A (ja) エンコーダー、モーター、及びロボット
JPWO2013094236A1 (ja) 回転角度検出装置
JP2006170837A (ja) 補償機能を備えた角度検出センサ
JP2004309366A (ja) 位置検出装置
JP6276074B2 (ja) 位置検出装置
JP2013205163A (ja) エンコーダ、及び駆動装置
JP6091268B2 (ja) 位置検出装置、レンズ装置、撮像システム、工作装置、位置検出方法、および、プログラム
JP6507347B2 (ja) 静電容量式角度検出装置
JP2008261786A (ja) 絶対角検出装置
JP5507744B2 (ja) ホール起電力検出装置および回転角度検出装置
JP2013047693A (ja) エンコーダ及びエンコーダのパターン検出方法
JP2013228312A (ja) エンコーダ、及び駆動装置
JP6845517B2 (ja) エンコーダ
JPH10122808A (ja) 磁気センサ