JP2013099639A - X線断層撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】X線CT装置は、被検体を載置する寝台と、
X線を発生する第1X線発生装置及び第2X線発生装置と、第1及び第2X線発生装置に対向して配置され、投影データを収集するX線検出器と、被検体の体軸方向を軸として第1及び第2X線発生装置を回転させる回転部と、第1及び第2X線発生器を回転させながら第1及び第2X線発生器と寝台とを相対的に移動させてヘリカルスキャンを行うと、第1及び第2X線発生装置それぞれから発生したX線に基づくそれぞれのX線投影データとして、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データの収集を行うX線投影データ制御手段である。
【選択図】 図13
Description
しかし、通常のコンベンショナルスキャン又はシネスキャンによる方法では、スキャン時間にタイムラグ(Time Lag)があるため、被検体の呼吸、拍動、脈動などの体動による位置ずれが発生してしまい、デュアルエネルギー像上に位置ずれアーチファクトが発生しやすかった。
さらに、最近は、スキャン速度を上げるためにX線管球を2管球用いたX線断層撮像装置が提案されている。
また、仮に複数のX線管球を用いたX線断層撮像装置を用いてデュアルエネルギー撮影行う際は、所定角度だけX線管がずれているため同時に同じ方向からの投影データを取得することができないという問題点があった。
第1の観点のX線断層撮影装置は、ヘリカルスキャンで得られる第1X線管と第2X線管のX線投影データにおいて、同じZ方向座標位置で同じビュー角度のX線投影データを短い時間差でX線データ収集することができる。このため、画像再構成などの画像処理の際に、X線投影データを補間処理ができるために画質改善処理などが行い易くなる。
上記第2の観点におけるX線断層撮影装置では、第1X線発生装置と第2X線発生装置との距離を体軸方向(Z軸方向)にずらすことにより、各々のX線投影データを同一座標位置で同一ビュー角度のX線投影データを得ることができる。
この構成により、X線断層撮影装置は、第1X線発生装置と第2X線発生装置との距離を、例えば所定のビーム幅と所定のヘリカルピッチとに基づいて算出される適切な距離に離すことができる。
第4の観点におけるX線断層撮影装置は、Z軸方向に幅のあるX線ビームのX線投影データより、最適な列のX線投影データ列を選択して、時間差の少ない同一Z座標、同一ビュー角度のX線投影データを選ぶことができる。
第5の観点におけるX線断層撮影装置では、X線管で収集するビュー方向角度が異なっても同時にX線データ収集を行って同一z方向座標の同一時刻の断層像を画像再構成してしまう場合でも、再投影処理部がその断層像より再投影処理を行うことで同一時刻における同一z方向座標で同一ビュー方向のX線投影データを得ることができる。
このように、再投影処理は少なくとも2種類の方向から再投影処理を行うことができる。
上記第7の観点のX線断層撮影装置では、第1及び第2X線発生装置が1つのX線管電圧を出力するように制御することで、無駄被曝を押えた効率の良いデュアルエネルギー撮影を行うことができる。
上記第8の観点におけるX線断層撮影装置では、デュアルエネルギー撮影において、高画質のデュアルエネルギー像を得ることができる。
図1は、本発明の実施例にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
前処理部33は、データ収集装置25で収集された生データに対して、チャネル間の感度不均一を補正し、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正するX線量補正等の前処理を実行する。また、ビームハードニング処理を行う。
デュアルエネルギー画像再構成部35は、低いX線エネルギースペクトルの投影データ及び高いX線エネルギースペクトルの投影データから、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成する。
また、X線CT装置100は、X線投影データ制御手段(図示せず)を有する。X線投影データ制御手段は、複数のX線管21のビュー方向のずれ角を、同一の体軸方向(Z軸方向)の位置において同一のビュー方向のX線投影データを取得できるようにする制御を行う。具体的には、後述する実施例1〜実施例3を用いて詳述する。
まず、それぞれの実施例で必要なデュアルエネルギー撮影方法について説明する。
<デュアルエネルギー断層像の画像再構成方法>
画像再構成されるデュアルエネルギー断層像やスカウト像の造影剤等価画像、カルシウム等価画像の作成方法は、以下のようになる。
画像再構成部34は、低いX線管電圧を用いて照射したX線のX線投影データD−Lowに加重加算係数w1を乗算し、同様に高いX線管電圧を用いて照射したX線のX線投影データD−Highに加重加算係数w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理し、デュアルエネルギー断層像G−CSIを作成する。また、画像再構成部34は、画像空間、断層像空間おいても投影データ空間と同様に加重加算処理することでデュアルエネルギー断層像G−CSIを得ることができる。これら加重加算係数w1,w2及び定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子又は部位により定まる。
また反対に、加重加算処理部は造影剤成分を表示上で消すと、つまり画素値を0にするとカルシウム成分が抽出され、骨や石灰化の部分を強調して表示することができる。
この時に用いるX線投影データは、前処理及びビームハードニング補正したX線投影データを用いる。特にビームハードニング補正では、各X線管電圧において水等価でない物質の部分を水等価なX線透過経路長にすることにより、水以外の物質のX線管電圧依存性をより正しく評価することができる。
また、別の造影剤等価画像、カルシウム等価画像を画像再構成する方法は、それぞれのX線管電圧を用いて照射したX線の断層像での画素値を利用する方法がある。
例えば、図2(b)のグラフは縦軸にX線管電圧80kVの断層像での各画素値を取り、横軸にX線管電圧140kVの断層像での各画素値を取る。これにより、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとのカルシウムの画素や造影剤の主成分であるヨウ素の画素値は、図中のカルシウムの直線及びその近傍の分布範囲や、ヨウ素の直線及びその近傍の分布範囲に入る。
デュアルエネルギー比のグラフはxy平面内の各々の傾きが実効質量数を表すため、傾きの範囲で各画素を分類することで物質の成分分析、組成分析を行うことができる。
このようなデュアルエネルギー比画像を画像再構成及び画像表示を行う。
<複数のX線管を配置した走査ガントリ>
本実施例におけるX線CT装置100は、図3A(a)のように2つの第1X線管21−1及び第2X線管21−2と、第3世代方式の第1多列X線検出器24−1及び第2多列X線検出器24−2とにより構成される。第1X線管21−1と第2X線管21−2とは、互いに90度ずれて配置されている。
この2つの第1X線管21−1及び第2X線管21−2は、走査ガントリ20の1つの回転部15上で共に回転を行うため、同一時刻に同一ビュー方向のX線データ収集を行うことができない。この場合のヘリカルスキャンを行ったX線管21の展開図の軌跡は、図3A(b)のように、第1X線管21−1が第2X線管21−2より右回り方向に常に90度先に移動し、X線データ収集を行う。このため、後述するように、第1X線管21−1がZ軸方向にずれて配置されていれば、同一時刻に同一ビュー方向のX線データ収集を行うことが可能となる。
また、図3B(f)において走査ガントリ20は、第1X線管21−1及び第2X線管21−2と1つの第3世代の多列X線検出器24とを有している。図3B(f)では、第1X線管21−1による第1X線ファンビームと第2X線管21−2による第2X線ファンビームとが90度間隔で配置されているが、120度でも構わない。2つのX線管21と2つの多列X船検出器24とを配置した場合と同様である。
また、図4(a)は3つの第1X線管21−1、第2X線管21−2及び第3X線管21−3と3つの第1多列X線検出器24−1,第2多列X線検出器24−2及び第3多列X線検出器24−3とが各々120度ごとにずれた場合を示している。つまり、3つのX線管21が120度ごとに配置されている。多列X線検出器24は、第3世代方式である。これらの3つのX線管21はいずれも走査ガントリ20の回転部15上に120度ごとの間隔で配置し、同時に回転させる。
また、図5(a)は、回転する2つの第1X線管21−1及び第2X線管21−2と、固定した360度方向の円周状に配置した多列X線検出器24とで構成する第4世代方式を示した図である。
第1X線管21−1と第2X線管21−2とは、走査ガントリ20の1つの回転部15上に90度又は120度又は180度の間隔で配置し、その間隔を保ったまま回転部15が回転する。このときの画像処理部は、画像再構成の前又は画像再構成中において多列X線検出器24の1チャネルを仮想的なファン(扇)の要と見なしたX線検出器ファンのX線投影データとして見なし、いわゆる検出器ファン(ディテクタファン:Detector Fan)に変換して三次元画像再構成、三次元逆投影を行う。
また、図5(b)では、走査ガントリ20は、第1X線管21−1,第2X線管21−2及び第3X線管21−3の3つのX線管を90度ごとに配置している。また走査ガントリ20は、第4世代の多列X線検出器24を有している。また、この3つのX線管球は90度だけでなく、120度ごとに配置してもよい。
次に、複数のX線管を持つ場合において、同じ体軸方向の位置の同じビュー方向のX線投影データの収集を行う手法について、実施例を挙げて説明する。
実施例1においては、上記のような複数のX線管21を持つ走査ガントリ20はヘリカルスキャンを行う際に、少なくとも1つのX線管21を撮影条件設定で求められたZ軸方向(体軸方向)の距離にずらすことにより、同一Z軸座標における同一ビュー方向のX線投影データを収集する。X線管21の回転中心を含むZ軸方向におけるX線ビーム幅をD、ヘリカルピッチをpとすると、1回転した時の走査ガントリ20と被検体を乗せたクレードル12との相対的な距離はD・pとなる。
この距離Lは2管球方式でX線管21のなす角θ=90度の場合は、上述したすべてのタイプにおいて同様に求めることができる。
さらに、3管球方式のX線管21のなす角はθ=120度となるため、3つのX線管21のZ軸方向中心位置をそれぞれ(数式2)の距離LだけZ軸方向に離しておくことで、各々のX線投影データのビュー角度を一致させることができる。
ステップD1では、スカウト像の撮影をする。スカウト像撮影を行う場合に、複数のX線管を持つX線CT装置100の場合は、被検体を乗せたクレードル12を一度Z軸方向に動かすだけで複数方向のスカウト像を一度に収集することができる。
特に図3A(a),図3B(f)のように、第1X線管21−1と第2X線管21−2とのビュー方向のずれ角が90度の場合は、0度と90度又は90度と180度との2枚のスカウト像をZ軸方向に1度動かすだけで撮影できる。このため、X線CT装置100はスカウト像撮影の効率を上げることができる。
ステップD1で取得したスカウト像に基づいて、操作者は、デュアルエネルギー撮影を行うヘリカルスキャンの範囲、ヘリカルピッチ、ヘリカルスキャンの走査ガントリ20の回転速度を設定する。さらに操作者は、多列X線検出器24の使用するZ軸方向幅、多列X線検出器24の列幅及び列数、並びにX線ビームZ軸方向幅などの本スキャンの撮影条件を設定する。この撮影条件の設定時にX線ビーム幅D、ヘリカルピッチpが定まれば、撮影制御部37は各X線管21のビュー方向のずれ角θから(数式1),(数式2)で示したように、Z軸方向にずらす距離Lを求めることができる。
ステップD6では、画像再構成部34は、X線管電圧140kVの断層像を画像再構成する。
ステップD7では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像を画像再構成する。
ステップD8では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像をモニタ6に画像表示する。
ステップD9では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、デュアルエネルギー撮影の断層像としてデュアルエネルギー比画像を画像再構成する。
ステップD10では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてデュアルエネルギー比画像をモニタ6に画像表示する。
実施例2においては、図8(a)又は図8(b)に示すように第1X線管21−1と第2X線管21−2との中心線のZ軸座標が一致している場合に、同一Z軸座標で同一ビュー方向のX線投影データを抽出する実施例を示す。
ステップD41では、スカウト像の撮影をする。
ステップD42では、操作者は、デュアルエネルギー撮影のヘリカルスキャンの撮影条件設定を行う。
ステップD43では、ヘリカルスキャンでのX線データ収集を行う。必要に応じてX線コリメータ23をZ軸方向にコリメータ幅を制御して無駄被曝を低減する。
ステップD44では、前処理部33は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データを前処理する。
ステップD45では、前処理部33は、X線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを前処理する。ステップD44,ステップD45においては、画像再構成処理の前処理まで、又はビームハードニング補正まで、又はzフィルタ重畳処理までの処理を行っておく。
ステップD46では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データとX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを加重加算処理し、デュアルエネルギー断層像であるカルシウム強調画像のX線投影データ、造影剤強調画像のX線投影データを求める。
ステップD47では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、カルシウム強調画像の画像再構成を行う、造影剤強調画像の画像再構成を行う。
ステップD48では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像をモニタ6に画像表示する。
ステップD41〜ステップD42では図7のステップD1〜ステップD2と同様に処理することができる。このためステップD41では2枚のスカウト像が一度に撮れ、ステップD42では撮影条件より各X線管21のずれ量Lを設定できる
例えば図10に示すように、第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2とが90度ずれている場合は、ヘリカルピッチp=1の場合、L=D/4となる。この場合のコリメータ制御部は、第1X線収集システムXS1のX線ビームを第1コリメータ23−1でZ軸方向の正方向にD/4だけずらして、第2X線収集システムXS2のX線ビームを第2コリメータ23−2でZ軸方向の正方向にD/4だけずらす。この時のX線ビームはD/4だけずれた第2X線収集システムXS2の列がX線ビームの中に存在することになる。また、このようにX線ビームをコリメータ23でずらすことは、無駄被曝になるX線ビームを減らすこととなりX線利用効率が良くなる。
実施例3は、第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2とがビュー方向での位置が一致していないX線投影データを取得した場合を説明する。実施例3のX線CT装置は、このようにビュー方向のずれたX線投影データを画像再構成した後に、再投影処理することで同一ビュー方向のX線投影データに変換する。
なお、本実施例では、上述の2管球、3管球のいずれのX線管21においても適用することができる。
また、デュアルエネルギー画像再構成部35は、X線投影データの投影データ空間におけるにおけるX線デュアルエネルギー像の画像再構成処理において造影剤や骨のX線吸収領域のビームハードニング補正などの非線形補正を行い、ビームハードニングアーチファクトが少ないX線デュアルエネルギー断層像を得ることもできる。
ステップD61では、スカウト像の撮影をする。図7のステップD1と同様に2枚のスカウト像が一度に撮ることができる。
ステップD65では、再投影処理部38は、第2X線収集システムXS2のX線管電圧80kVを用いて照射したX線の断層像を第1X線収集システムXS1のビュー方向と同じ方向に再投影処理を行い、X線管電圧80kVを用いて照射したX線の前処理されたX線投影データを得る。つまり、第2X線収集システムXS2の80kVの断層像を第1X線収集システムXS1のX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データと同じビュー角度を持つ360度フルスキャンのX線投影データ、又は180度+ファン角のハーフスキャンのX線投影データとしてファンビーム再投影処理を行う。
ステップD67では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データとX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを同じビュー同士加重加算処理し、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像のX線投影データ、造影剤強調画像のX線投影データを求める。尚、加重加算処理は、一次又は二次以上の高次加重加算処理を用いることができる。
ステップD69では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像をモニタ6に画像表示する。
図13は、ファンビーム再投影処理の概要を示した図であり、図14は、そのファンビーム再投影処理のフローチャートを示す。ただし、再構成領域をP、Z軸方向始点をzs、Z軸方向終点をzeとし、[zs,ze]の範囲の断層像の再投影処理による再投影プロファイルを求めている。
ステップT2では、再投影処理部38は、あるZ軸座標znの断層像g(x,y)を読み込む。
ステップT3では、再投影処理部38は、θ方向にX線焦点があるとしてファンビーム再投影処理を行い、θ方向プロファイルデータPθ(β)を求める。
ステップT4では、再投影処理部38は、フルスキャンの場合はθ≧360度か、又はハーフスキャンの場合はθ≧180度かを判断し、YESであればステップT5へ行き、NOであればステップT6へ行く。
ステップT5では、再投影処理部38は、zn≧zeかを判断し、YESならば終了し、NOならばステップT7へ行く。
ステップT6では、θ=θ+Δθとする。この後ステップT2へ戻る。
ステップT7では、n=n+1とする。この後ステップT2へ戻る。
このようにして、再投影処理部38は、得られたファンビーム再投影処理によるチャネル方向プロファイルPθをX線投影データとする。
なお、図12のステップD65において再投影処理して得られたX線投影データは、多列X線検出器24のチャネルごとの感度、オフセットなどのバラツキはないため、基本的に前処理の必要がなく、ビームハードニング補正とZフィルタ重畳処理とを必要に応じてかけるだけで良い。
図15は、平行ビーム再投影処理によるデュアルエネルギー撮影方法の処理方法のフローチャートを示す。
ステップD81では、スカウト像の撮影をする。
ステップD82では、操作者が、デュアルエネルギー撮影のヘリカルスキャンの撮影条件設定を行う。図12のステップD62と同様にX線投影データのずれ量Lを求める必要はない。本実施例は平行ビーム再投影処理で使うビュー方向のずれ角度θだけ分かれば良い。
ステップD84では、第1X線収集システムXS1ではX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線データ収集を行い、画像再構成部34は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線の断層像を画像再構成する。
ステップD85では、90度ビュー方向に遅れた第2X線収集システムXS2ではX線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線データ収集を行う。画像再構成部34は、X線管電圧140kVを用いて照射したX線の断層像を画像再構成する。
ステップD87では、第1X線収集システムXS1のX線管電圧140kVを用いて照射したX線の断層像を、あるビュー方向から360度フルスキャン分、又は180度+ファン角のハーフスキャン分だけファンビーム再投影処理、又は平行ビーム再投影処理を行う。
ステップD86,ステップD87において、再投影処理部38は、360度フルスキャンと、180度+ファン角のハーフスキャンとの場合において、各X線投影データ収集系の断層像からファンビーム再投影処理し、X線投影データの開始ビュー方向をX線管電圧80kVとX線管電圧140kVとで揃える。また、再投影処理部38は、平行ビーム再投影処理においても同様にX線投影データの開始ビュー方向を揃えることができる。
ステップD89では、前処理部33は、X線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを前処理する。
ステップD88,ステップD89においては、断層像を再投影処理したX線投影データであるため、多列X線検出器24のチャネルごとの感度、オフセットなどのバラツキはないため、基本的に不要であり、ビームハードニング補正、zフィルタ重畳処理を必要に応じてかける。
ステップD92では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、カルシウム強調画像の画像再構成を行う、造影剤強調画像の画像再構成を行う。
ステップD93では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像をモニタ6に画像表示する。
再投影処理部38は、X線管21の中心方向から[−ra,ra]の範囲においてプロファイルPθ(r)を求め、平行ビーム再投影処理によるプロファイルPθをX線投影データとする。
図17においては、θ方向に断層像についての平行ビーム再投影処理を簡単な処理にし、断層像上のX軸方向のラスタスキャンで行えるようにした処理、いわゆるスタンフォード・アルゴリズムとして高速化することができる。つまり、この処理は断層像をθ方向分回転させてY軸方向に加算を行うことで、θ方向の再投影処理がY軸方向の加算処理となり、X軸方向のラスタスキャンの処理として高速化できる。
ステップT11では、θ=0,z1=zsとする。
ステップT12では、再投影処理部38は、あるZ軸座標znの断層像g(x,y)を読み込む。
ステップT13では、再投影処理部38は、θ方向に断層像g(x,y)を回転させ、回転した断層像g(X,Y)を求める。
ステップT14では、再投影処理部38は、Y方向に断層像g(X,Y)を再投影処理し、θ方向プロファイルデータPθ(x)を求める。
ステップT15では、再投影処理部38は、フルスキャンの場合はθ≧360度か、ハーフスキャンの場合はθ≧180度かを判断し、YESであればステップT16へ行き、NOであればステップT17へ行く。
ステップT16では、zn≧zeかを判断し、YESであれば終了し、NOであればステップT18へ行く。
ステップT17では、θ=θ+Δθとする。この後ステップT12へ戻る。
ステップT18では、n=n+1とする。この後ステップT12へ戻る。
この処理は断層像をX軸方向にシフト処理を行い、Y軸方向に加算処理を行うことで、θ方向の再投影処理がY軸方向の加算処理となり、断層像上のX軸方向ラスタスキャン処理として高速化できる。
この処理は図19(a)の処理のフローチャートとほぼ同様に処理できる。
変更点は図19(a)のステップT13を図19(b)のステップT23に差し替えるだけでよい。
ステップT23では、断層像g(x,y)において、y=y1の時にX軸方向のずれ量を−y1・tanθとする。また、このずれ量は各Y座標においても、各X軸方向の1次元断層像データをずれ量分シフトさせる。
以上の複数のX線管21を有するX線CT装置100によれば、ヘリカルスキャンのデュアルエネルギー撮影での断層像の画質改善を実現する効果がある。なお、デュアルエネルギー撮影においては、デュアルエネルギー像は画像ノイズが大きくなりやすい。そこで画像ノイズを最小にするために、加重加算係数分を考慮して、低いX線管電圧の断層像の画像ノイズと高いX線管電圧の断層像の画像ノイズとをほぼ等しくするようにすることが好ましい。
本実施例においては、デュアルエネルギー撮影においてカルシウム強調画像及び造影剤強調画像を画像再構成しているが、同様に他の物質の強調画像も画像再構成することができる。また、本実施例は、ヘリカルスキャンの場合について記載しているが、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンの場合についても同様に効果を出すことができる。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様ながらクレードル12の速度を可変させてX線投影データを収集する撮影方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様ながらクレードル12を加速・減速させて、Z軸の正方向又はZ軸の負方向に往復移動させてX線投影データを収集するスキャン方法である。
なお、本実施例においては、撮影テーブル10のクレードル12をZ軸方向に動かすことにより、ヘリカルスキャンを実現している。しかし、本実施例は、走査ガントリ20又は走査ガントリ20内の回転部15を撮影テーブル10のクレードル12に対して動かすことによっても、相対的に同様な効果を得ることができる。
2 … 入力装置
3 … 中央処理装置 (33 … 前処理部,34 … 画像再構成部,35 … デュアルエネルギー画像再構成部,37… 撮影制御部, 38 … 再投影処理部)
5 … データ収集バッファ
6 … モニタ
7 … 記憶装置
10 … 撮影テーブル
12 … クレードル
15 … 回転部
20 … 走査ガントリ
21 … X線管 (21−1 … 第1X線管,21−2 … 第2X線管)
22 … X線制御部
23 … コリメータ
24 … 多列X線検出器 (24−1 … 第1多列X線検出器,24−2 … 第2多列X線検出器)
25 … データ収集装置(DAS)
26 … 回転部コントローラ
28 … ビーム形成X線フィルタ
29 … 制御コントローラ
30 … スリップリング
32 … X線管可動機構
dP … X線検出器面
P … 画像再構成領域
D … 回転中心軸上での多列X線検出器幅
Claims (4)
- 被検体を載置する寝台と、
前記被検体の体軸方向を軸として該被検体の周囲を回転させながら該被検体に対して照射する所定のビーム幅のX線を発生する第1X線発生装置と、
前記第1X線発生装置と共に前記被検体の周囲を回転させながら前記第1X線発生装置と異なる角度方向から前記被検体に対して照射する所定のビーム幅のX線を発生する第2X線発生装置と、
前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置それぞれに対向して配置され、前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置それぞれから発生したX線に基づく前記被検体のX線投影データを収集するX線検出装置と、
前記被検体の体軸方向を軸として前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置を回転させる回転部と、
前記回転部により前記第1X線発生装置及び第2X線発生器を回転させながら、前記第1X線発生装置及び第2X線発生器と前記寝台とを相対的に移動させてヘリカルスキャンを行う撮影制御部とを有するX線断層撮影装置であって、
同じ体軸方向の位置に配置された前記第1X線発生装置と第2X線発生装置から発生した前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置それぞれから発生したX線に基づくそれぞれのX線投影データとして、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データの収集を行うX線投影データ制御手段であって、X線に基づく投影データを用いて画像再構成した互いに体軸方向の位置の異なる第1断層像と第2断層像の少なくとも一方について、前記同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データとなるような再投影処理を行うX線投影データ制御手段さらに備えることを特徴とするX線断層撮影装置。 - 前記再投影処理は、ファン角度を有するビーム方向のファンビーム再投影処理又は平行ビーム方向の平行ビーム再投影処理を含むことを特徴とする請求項1に記載のX線断層撮像装置。
- 前記第1X線発生装置は第1エネルギースペクトルのX線を発生し、前記第2X線発生装置は前記第1エネルギースペクトルとは異なる第2エネルギースペクトルを発生し、
前記第1エネルギースペクトルのX線及び前記第2エネルギースペクトルのX線に基づくX線投影データを用いて、デュアルエネルギー像を画像再構成するデュアルエネルギー像画像再構成部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線断層撮像装置。 - 前記デュアルエネルギー像画像再構成部は、前記第1エネルギースペクトルのX線及び前記第2エネルギースペクトルのX線に基づく、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データ同士の加重減算処理を行った後、逆投影処理を行うことにより、デュアルエネルギー像を画像再構成することを特徴とする請求項3に記載のX線断層撮像装置。
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