JP2008125909A - X線ct装置 - Google Patents

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明彦 西出
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Abstract

【課題】X線CT装置において、大きな撮影視野を持たせる。または撮影視野の大きさを制御できるようにする。
【解決手段】撮影視野サイズを変更するように、X線発生装置のX線焦点位置、または、X線検出器の位置を移動させる。
【選択図】図9

Description

本発明は、医療用X線CT(Computed Tomography)装置、または産業用X線CT装置において、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンまたはヘリカルスキャンまたは可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンなどのスキャンを実施する際に、大きな撮影視野を持たせること、または、その撮影視野の大きさを制御することができるX線CT装置に関する。
X線CT装置のX線データ収集系においてX線発生装置のX線焦点とX線検出器の中心とを結んだ中心軸は、図27に示すように、そのX線焦点とX線検出器とを被検体の周囲に回転させる際の回転中心を通っている。この場合、最大画像再構成領域または最大撮影視野は、X線焦点から、チャネル方向におけるX線検出器の両端へ扇形になるように照射されるX線ビームの2辺に接する円になる(たとえば、特許文献1参照)。
このようなX線CT装置において、最大画像再構成領域、または最大撮影視野を広げる場合には、X線検出器の広がり角度またはチャネル方向のX線の照射角度を広げる必要がある。しかし、この場合には、大幅な改造が必要である。そして、特に、近年、治療機や手術台のままX線CT撮影を行う場合は、大きな撮影視野が要求される場合が増えて来ており、このようなX線幾何学系、X線データ収集系では、撮影視野の大きさが限られるため、柔軟性という観点からは、問題である。
一方で、たとえば、特許文献2には、X線CT装置において、X線検出器を通常の位置にずらすことによって、比較的大きな撮影視野の撮影を可能とする技術が開示されている。
特開2006−102299号公報 特開2005−6772号公報
X線CT装置の普及とともに、様々な用途でX線CT装置が使用されるようになって来ている。治療機、手術台との複合機システムなどの用途も増えて来ており、広い撮影視野のニーズが顕在化してきている。
そこで、本発明の目的は、大きな撮影視野に適用可能な撮影視野の大きさを自由度が高く制御できるX線CT装置を提供することにある。
本発明の第1の観点におけるX線CT装置は、X線発生装置と、前記X線発生装置に対してX線を検出するX線検出器とからなるX線データ収集系を、その間にある回転中心のまわりに回転運動をさせながら、その間にある被検体を透過したX線投影データを収集するX線データ収集手段と、前記X線データ収集手段によって収集された前記X線投影データを画像再構成して断層像を得る画像再構成手段とを含むX線CT装置において、前記X線CT装置は、撮影視野を設定する撮影視野設定手段と、前記撮影視野設定手段によって設定された撮影視野を含む撮影視野となるように、前記X線発生装置のX線焦点と前記X線検出器の中心とを結ぶX線データ系の中心軸と前記回転中心との位置関係を調整可能な撮影視野調整手段とをさらに含むことを特徴とする。
上記第1の観点におけるX線CT装置では、前記撮影視野設定手段によって設定された撮影視野を含む撮影視野となるように、前記X線発生装置のX線焦点と前記X線検出器の中心とを結ぶX線データ系の中心軸と前記回転中心との位置関係を調整可能な撮影視野調整手段と有することにより、様々な撮影視野に対応することができ、かつ撮影視野を拡大する際の自由度が高いX線CT装置を提供することができる。
本発明の第2の観点におけるX線CT装置は、第1の観点のX線CT装置において、前記撮影視野設定手段によって設定された撮影視野に応じて、データ収集角度範囲を制御可能なデータ収集角度範囲制御手段とをさらに含むことを特徴とする。
上記第2の観点におけるX線CT装置では、撮影視野に応じた適切な画像再構成を行うことができるX線CT装置を提供することができる。
本発明の第3の観点におけるX線CT装置は、第1または第2の観点のX線CT装置において、前記撮影視野設定手段において、前記設定された撮影視野が、標準撮影視野に含まれる場合は、前記X線データ収集系の中心軸を前記回転中心が通るように、前記X線データ収集系の中心軸と前記回転中心との位置関係が調整され、前記設定された撮影視野が、標準視野よりも大きい場合は、前記X線データ系の中心軸を前記回転中心に対してずらすことにより、前記X線データ系の対称軸と前記回転中心との位置関係が調整されることを特徴とする。
上記第3の観点におけるX線CT装置では、撮影視野に応じて適切にX線データ収集系を配置することができるX線CT装置を提供することができる。
本発明の第4の観点におけるX線CT装置は、X線発生装置と、前記X線発生装置に対してX線を検出するX線検出器とからなるX線データ収集系を、その間にある回転中心のまわりに回転運動をさせながら、その間にある被検体を透過したX線投影データを収集するX線データ収集手段と、前記X線データ収集手段によって収集された前記X線投影データを画像再構成して断層像を得る画像再構成手段と、を含むX線CT装置において、前記回転中心が、前記X線発生装置のX線焦点と前記X線検出器の中心とを結ぶX線データ収集系の中心軸に対して、前記回転中心がずれるように配置されており、前記X線CT装置は、撮影視野を設定する撮影視野設定手段と、前記撮影視野設定手段によって設定された撮影視野に応じて、データ収集角度範囲を制御可能なデータ収集角度範囲制御手段とをさらに含むことを特徴とする。
上記第4の観点におけるX線CT装置では、広い撮影視野で撮影可能なX線CT装置において、適切な画像再構成を行うことができるX線CT装置を提供することができる。
本発明の第5の観点におけるX線CT装置は、第3または第4の観点のX線CT装置において、前記回転中心が通る前記X線データ収集系の中心軸を基準軸とした場合、前記X線発生装置のX線焦点の位置が、前記基準軸に対して、前記撮影視野と同一面上垂直方向にずれていることを特徴とする。
上記第5の観点におけるX線CT装置では、X線焦点をずらすことにより、広い撮影視野を得ることができる。
本発明の第6の観点におけるX線CT装置は、第3または第4の観点のX線CT装置において、前記回転中心が通る前記X線データ収集系の中心軸を基準軸とした場合、前記X線検出器の位置が、前記基準軸に対して、前記撮影視野と同一面上垂直方向にずれていることを特徴とする。
上記第6の観点におけるX線CT装置では、X線検出器をずらすことにより、広い撮影視野を得ることができる。
本発明の第7の観点におけるX線CT装置は、第3または第4の観点のX線CT装置において、前記回転中心が通る前記X線データ収集系の中心軸を基準軸とした場合、前記X線データ系の中心軸が、前記基準軸に対して、前記撮影視野と同一面上垂直方向にずれていることを特徴とする。
上記第7の観点におけるX線CT装置では、X線焦点とX線検出器とを両方ずらすことにより、広い撮影視野を得ることができる。
本発明の第8の観点におけるX線CT装置は、第2または第4の観点のX線CT装置において、前記データ収集角度範囲制御手段において、前記設定された撮影視野が、前記X線発生装置のX線焦点と前記X線検出器の回転方向の幅により定まるX線ビーム形状の内部に含まれる場合は、データ収集角度範囲を、略180°+ファンビームに制御され、前記設定された撮影視野が、前記X線ビーム形状の外側に及ぶ場合は、データ収集範囲を略360°に制御されることを特徴とする。
上記第8の観点におけるX線CT装置では、広い撮影視野で撮影可能なX線CT装置において、適切な画像再構成を行うことができるX線CT装置を提供することができる。
本発明の第9の観点におけるX線CT装置は、第1から第8の観点のいずれかのX線CT装置において、前記画像再構成手段は、前記X線データ収集系の中心軸と前記回転中心との位置関係に応じて、異なる画像再構成の係数を用いていることを特徴とする。
上記第4の観点におけるX線CT装置では、広い撮影視野で撮影可能なX線CT装置において、適切な画像再構成を行うことができるX線CT装置を提供することができる。
本発明によれば、X線CT装置において、大きな撮影視野が撮影可能で、かつ、撮影視野の大きさを自由度が高く制御できるX線CT装置を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
[装置構成]
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置の構成ブロック図である。
図1に示すように、このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、図1に示すように、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などのデータ処理を実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ5と、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。
本実施形態において、撮影条件の入力は、この入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶される。図7に、撮影条件入力画面の例を示す。撮影条件入力画面14Aには、所定の入力を行うための入力ボタン14aが表示されている。図7においてはスキャンのタブが選択されている画面である。タブをP−Reconを選択すると図7の下に描かれているように入力用の表示が切り換わる。入力ボタン14aの上方には断層像14bが表示され、下方には再構成領域14cが表示されている。また、必要とあれば右上に表示されているように、呼吸信号や心拍信号などの生体信号を表示してもよい。
撮影テーブル10は、図1に示すように、被検体を乗せて、走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は、撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降およびテーブル直線移動される。
走査ガントリ20は、図1に示すように、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、ビーム形成X線フィルタ28と、多列X線検出器24とデータ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りに回転するようにX線管21などを制御する回転部コントローラ26と、制御信号などを、前記操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御コントローラ29とを具備している。
ここでビーム形成X線フィルタ28は、図2に示すように、撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルタである。このため本実施形態においては、円形または楕円形に近い断面形状の被検体の体表面の被曝を少なくできるようになっている。また、走査ガントリ傾斜コントローラ27により、走査ガントリ20はz方向の前方および後方に、±約30度程度傾斜できる。
X線管21と多列X線検出器24は、図2に示すように、回転中心ICの回りを回転する。鉛直方向をy方向とし、水平方向をx方向とし、これらに垂直なテーブルおよびクレードル進行方向をz方向とするとき、X線管21および多列X線検出器24の回転平面は、xy平面である。また、クレードル12の移動方向は、z方向である。
図2(a)および図2(b)は、X線管21と多列X線検出器24の幾何学的配置をxy平面またはyz平面から見た図である。また、図3は、それらの図の鳥瞰図である。
X線管21は、図2、図3に示すように、コーンビームCBと呼ばれるX線ビームを発生する。なお、コーンビームCBの中心軸方向がy方向に平行なときを、ビュー角度0度とする。
多列X線検出器24は、z方向にJ列、例えば256列のX線検出器列を有する。また、各X線検出器列は、チャネル方向にIチャネル、例えば1024チャネルのX線検出器チャネルを有する。
図2、図3に示すように、X線管21のX線焦点から放射されたX線ビームは、ビーム形成X線フィルタ28によって、再構成領域Pの中心では、より多くのX線が照射されるように、再構成領域Pの周辺部では、より少ないX線が照射されるように、X線線量を空間的に制御される。その後、再構成領域Pの内部に存在する被検体にX線が吸収され、その被検体を透過したX線が多列X線検出器24でX線検出器データとして収集される。
また、図2(b)、図3に示すように、X線管21のX線焦点から放射されたX線ビームは、X線コリメータ23により断層像のスライス厚方向に制御される。つまり、回転中心軸ICにおいてX線ビーム幅がDとなるように制御される。そして、回転中心軸IC近辺に存在する被検体にX線が吸収され、その被検体を透過したX線は、多列X線検出器24でX線検出器データとして収集される。
このように、X線が被検体に照射されることによって収集された投影データは、多列X線検出器24からデータ収集装置(DAS)25へ出力されてA/D変換される。そして、スリップリング30を経由してデータ収集バッファ5に入力される。その後、そのデータ収集バッファ5に入力されたデータは、記憶装置7のプログラムにより中央処理装置3で処理され、断層像に画像再構成される。その後、その断層像がモニタ6の表示画面に表示される。なお、本実施形態では多列X線検出器24を適用した場合であるが、フラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の2次元X線エリア検出器を適用することもできるし、1列のX線検出器を適用することができる。
なお、X線管21およびX線コントローラ22は、その時点までに出力されたX線出力の履歴に応じたX線管の負荷量を、常時、中央処理装置3のソフトウェアまたはX線コントローラ22のソフトウェアが管理している。これによりX線管21の出力できる最大X線出力条件は、それまでにX線管21の出力の履歴に応じて時々刻々と変化する。このようなX線管負荷管理理機能により、X線管21の破損などがないようにX線管21を防御し、守ることができる。
X線管移動機構41は、たとえば、駆動モータ(図示無し)を有し、その駆動モータがX線管21をチャネル方向(x軸方向)に動かす。また、X線検出器移動機構42は、たとえば、駆動モータ(図示無し)を有し、その駆動モータが多列X線検出器24をチャネル方向(x軸方向)に動かすことができる。いずれのX線管移動機構41もX線検出器移動機構42も制御コントローラ29により、ズレ量、移動タイミング、移動方向などが制御される。そして、図7に示すように、モニタ6上に表示されるX線CT撮影条件入力画面において、撮影領域または画像再構成領域の大きさが入力されると、それに応じたX線管移動機構41またはX線検出器移動機構42のズレ量、移動タイミング、移動方向などが決められて、制御される。
なお、X線検出器移動機構42では、多列X線検出器24にデータ収集装置(DAS)25が機構的に一体化している場合は、多列X線検出器24とデータ収集装置(DAS)25の両方を一体化した機構物として移動させる。
[動作の概要]
(X線CT装置の動作フローチャート)
図4は、本実施形態のX線CT装置についての動作の概要を示すフローチャートである。
ステップP1では、被検体をクレードル12に乗せ、位置合わせを行う。
ここでは、クレードル12の上に乗せられた被検体は各部位の基準点に走査ガントリ20のスライスライト中心位置を合わせられる。
ステップP2では、スカウト像(スキャノ像、X線透視像ともいう。)収集を行う。
ここでは、スカウト像は通常0度,90度のビュー角度位置で撮影される。なお、部位によっては、例えば、頭部のように、90度スカウト像のみの場合であってもよい。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。スカウト像の撮影の詳細については、図5で後述する。
ステップP3では、スカウト像上に撮影する断層像の位置、大きさを表示させながら撮影条件設定を行う。
本実施形態では、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンなどの複数のスキャンパターンを有している。コンベンショナルスキャンとは、クレードル12をz軸方向に所定の間隔で移動するごとにX線管21および多列X線検出器24を回転させて投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルスキャンとは、X線管21と多列X線検出器24からなるX線データ収集系が回転しながらクレードル12を一定速度で移動させ、投影データを収集する撮影方法である。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21および多列X線検出器24からなるX線データ収集系を回転させながらクレードル12の速度を可変させて投影データを収集する撮影方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21および多列X線検出器24からなるX線データ収集系を回転させながらクレードル12を加速・減速させて、z軸の正方向またはz軸の負方向に往復移動させて投影データを収集するスキャン方法である。これらの複数の撮影を設定すると、1回分の全体としてのX線線量情報の表示を行う。また、シネスキャンにおいては、走査ガントリ20内の回転部15のX線データ収集系の回転数または撮影時間を図7に示すようなモニタ6に表示されているユーザインターフェースに入力するとその被検体または関心領域における入力された回転数分、または入力された時間分に相当すると予測されるX線線量情報が、図7に示すように、モニタ6上の画面に表示される。
なお、断層像撮影条件設定においては、X線CT装置の自動露出機構を用いることにより、被検体の被曝を最適化することもできる。
ステップP4では、断層像撮影を行う。この断層像撮影およびその画像再構成の詳細については図5で後述する。
ステップP5では、画像再構成された断層像を表示する。
ステップP6では、3次元画像表示を行う。
ここでは、z方向に連続に撮影された断層像を3次元画像として用いて、3次元画像表示を行う。
[断層像撮影およびスカウト像撮影における動作の概略]
以下より、断層像撮影(図4のステップP4)、スカウト像撮影(図4のステップP2)を実施する際の動作概略について示す。
(断層像撮影およびスカウト像撮影の動作フローチャート)
図5は、本発明の実施形態において、X線CT装置100を用いて断層像撮影およびスカウト像撮影を実施する際の動作の概略を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、X線データ収集を行う。
ここでヘリカルスキャンによってデータ収集を行う場合には、X線管21と多列X線検出器24とを被検体の回りに回転させ、かつ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながら、X線検出器データのデータ収集動作を行う。そして、ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線検出器データD0(view,j,i)(j=1〜ROW,i=1〜CH)にz方向座標位置Ztable(view)を付加させる。このようにヘリカルスキャンにおいては、一定速度の範囲のX線検出器データ収集を行う。
また、可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおいては、一定速度の範囲のデータ収集に加えて、加速時、減速時においてもX線検出器データ収集を行うものとする。
このz方向座標位置は、X線投影データ(X線検出器データ)に付加させても良いし、また、別ファイルとしてX線投影データと関連付けて用いても良い。ヘリカルシャトルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン時にX線投影データを3次元画像再構成する場合に、このz方向座標位置の情報は用いられる。また、ヘリカルスキャンまたはコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャン時に用いることにより、画像再構成された断層像の精度改善、画質改善を実現することもできる。
このz方向座標位置は、撮影テーブル10のクレードル12の位置制御データを用いても良いし、撮影条件設定時に設定された撮影動作から予測される各時刻におけるz方向座標位置を用いることもできる。
また、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンによってX線データ収集を行う場合には、撮影テーブル10上のクレードル12を、あるz方向位置に固定させたまま、X線データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。そして、必要に応じて、次のz方向位置に移動した後に、再度X線データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。
また、スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行うものとする。
上記の通常のヘリカルスカウトスキャンでは、1回の撮影テーブル10上のクレードル12の直線移動では、1方向分のスカウト像しか収集できないため、操作効率の点、X線被曝の点で十分でない場合がある。このため、以下のヘリカルスカウトスキャンにより、操作効率、X線被曝の点を改善する。
ヘリカルスカウトスキャンでは、被検体を低被曝量になるように撮影する。そして、撮影して得られたz方向に連続な断層像、つまり、3次元画像を、図13(a),図13(b)に示すように、断層像に対して、例えば0度方向(y軸方向)、90度方向(x軸方向)への再投影処理を行うことで、スカウト像を画像再構成する。または、任意の方向のスカウト像を画像再構成できる。通常、0度方向(AP方向,y軸方向)と90度方向(RL方向,x軸方向)の2回、2方向のスカウト像撮影を行うのだが、これにより、1回のヘリカルスカウトスキャンにより、0度方向(AP方向,y軸方向)のスカウト像のみならず、90度方向(RL方向,x軸方向)のスカウト像まで撮影後、画像再構成できてしまう。
また、この時のヘリカルスカウトスキャンにおいては、通常のスカウト像撮影と同等のX線照射、または、被検体のX線被曝になるように撮影を実施できる。そのための工夫としては、以下の(1)〜(5)に示すような方策が考えられる。
(1)速いヘリカルピッチによる撮影
(2)断層像の画像空間の空間フィルタ処理による画質改善
(3)断層像のX線投影データ空間の空間フィルタ処理による画質改善
(4)少ないビュー数によるX線管電流低減
(5)少ない画像再構成マトリクスによるX線管電流低減
これらの工夫により、X線照射線量を従来の1回分のスカウト像撮影なみ、またはそれ以下のX線照射線量にすることができる。
また、従来のスカウト像は、ファン状のX線ビームによるスカウト像であり、画像の歪みも大きかったが、ヘリカルスカウトスキャンによるスカウト像では、平行なX線ビームによるスカウト像で、画像の歪みも小さくなる。
ステップS2では、図5に示すように、前処理を行う。
ここでは、X線検出器データD0(view,j,i)に対して前処理を行い、投影データに変換する。図6にステップS2の前処理について具体的な処理を示す。ステップS21では、オフセット補正を行い、ステップS22では、対数変換を行い、ステップS23では、X線線量補正を行い、ステップS24では感度補正を行う。
スカウト像撮影の場合においては、その前処理されたX線検出器データを、チャネル方向の画素サイズおよびクレードル12の直線移動方向であるz方向の画素サイズをモニタ6の表示画素サイズに合わせて表示すれば、スカウト像として完成する。
ステップS3では、図5に示すように、ビームハードニング補正を行う。
ここでは、前処理された投影データD1(view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行う。このステップS3のビームハードニング補正では、ステップS2の前処理において、ステップS24の感度補正が行なわれた投影データをD1(view,j,i)とし、ステップS3のビームハードニング補正の後のデータをD11(view,j,i)とすると、ステップS3のビームハードニング補正は、以下の(数式1)に示すように、例えば多項式形式で表わされる。なお、本実施形態においては、乗算演算は“●”で表している。
Figure 2008125909
・・・(数式1)
この時、検出器の各j列ごとに独立したビームハードニング補正を行なえるため、撮影条件で各X線データ収集系の管電圧が異なっていれば、各列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。
ステップS4では、zフィルタ重畳処理を行う。
ここでは、ビームハードニング補正された投影データD11(view,j,i)に対して、z方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行う。
すなわち、各ビュー角度、各X線データ収集系における前処理後、ビームハードニング補正された多列X線検出器D11(view,j,i)(i=1〜CH,j=1〜ROW)の投影データに対し、列方向に、例えば、下記の(数式2),(数式3)に示すような、列方向フィルタサイズが5列のフィルタをかける。
[数2]
(w(i),w(i),w(i),w(i),w(i))、
・・・(数式2)
Figure 2008125909
その補正された検出器データD12(view,j,i)は、以下の(数式4)のようになる。
Figure 2008125909
なお、チャネルの最大値をCH,列の最大値をROWとすると、以下の(数式5),(数式6)に示すようになる。
Figure 2008125909
・・・(数式5)
Figure 2008125909
・・・(数式6)
また、列方向フィルタ係数を各チャネルごとに変化させると、画像再構成中心からの距離に応じてスライス厚を制御できる。一般的に、断層像では、再構成中心に比べ周辺部の方が、スライス厚が厚くなる。このため、フィルタ係数を中心部と周辺部で変化させて、スライス厚を周辺部でも画像再構成中心部でもほぼ一様にすることができる。例えば、列方向フィルタ係数を中心部と周辺部で変化させて、列方向フィルタ係数を中心部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅を広く変化させると共に、周辺部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅をせまく変化させることにより、スライス厚を周辺部と画像再構成中心部との両方においてほぼ一様にすることができる。
このように、多列X線検出器24の中心部チャネルと周辺部チャネルとのそれぞれにおいて列方向フィルタ係数を制御することにより、スライス厚を中心部と周辺部とのそれぞれにおいて制御できる。列方向フィルタでスライス厚を弱干厚くすると、アーチファクト、ノイズともに大幅に改善される。これによりアーチファクト改善具合、ノイズ改善具合も制御できる。つまり、3次元画像再構成された断層像つまり、xy平面内の画質が制御できる。また、その他の実施形態として、列方向(z方向)フィルタ係数を逆重畳(デコンボリューション)フィルタにすることにより、薄いスライス厚の断層像を実現することもできる。
ステップS5では、再構成関数重畳処理を行う。
すなわち、X線投影データを周波数領域に変換するフーリエ変換(Fourier Transform)を行い、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。再構成関数重畳処理S5では、zフィルタ重畳処理後の投影データをD12とし、再構成関数重畳処理後の投影データをD13、重畳する再構成関数をKernel(j)とすると、再構成関数重畳処理は以下の(数式7)に示すように表わされる。なお、本実施形態においては、重畳(コンボリューション)演算を“*”で表している。
Figure 2008125909
つまり、再構成関数kernel(j)は、検出器の各j列ごとに独立した再構成関数重畳処理を行なえるため、各列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
ステップS6では、3次元逆投影処理を行う。
ここでは、再構成関数重畳処理した投影データD13(view,j,i)に対して、3次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y,z)を求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面である。xy平面に3次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[実施形態1]
実施形態1は、X線発生装置とX線検出器からなるX線データ収集系が、X線データ収集系の対称軸(X線データ系の回転中心が通るX線データ系の中心軸である基準軸)に垂直な方向に移動することにより、撮影視野、画像再構成視野を拡大できるX線CT装置である。
本実施形態のX線CT装置においては、図9に示すように、半径r2による撮影視野を含むように、X線管21及び多列X線検出器24の位置を、基準軸Aに対して撮影視野と同一面上垂直方向に移動可能になっている。そして、前記移動したことにより、X線データ収集系の中心軸Bが回転中心に対してずれた構造となる。
図14は、データ収集系を移動した場合において、大きな撮影視野で撮影を実施する際の流れを示すフロー図である。
上記のステップL1においては、例えば、スカウト像の撮影条件(プロトコル)を設定する際に、図8に示すように、撮影条件入力画面14sの撮影領域設定のユーザインターフェースにおいて、撮影領域の視野の大きさを設定する。また、14eの再構成領域表示のユーザインターフェースにおいて、再構成領域の視野の大きさが表示される。
上記のステップL2においては、例えば、標準のスカウト像撮影視野が50cmの所に、スカウト像撮影視野60cmの撮影条件が入力されたとすると、「スカウト像撮影の撮影視野は標準視野よりも大きい」と判断して、ステップL3に行く。もし、スカウト像撮影視野50cmの撮影条件が入力されたとすると、「スカウト像撮影の撮影視野は標準視野の大きさである」と判断し、通常の処理としてステップL7に行く。
上記のステップL3においては、X線発生装置であるX線管21と多列X線検出器24からなるX線データ収集系を、X線管移動機構41とX線検出器移動機構42とのそれぞれが移動させる。例えば、図9に示すように、移動距離dsだけ動かす。
この場合に、モニタ6に表示される撮影領域設定のユーザインターフェースにおいて入力された撮影領域の半径をr2とすると、以下の(数式8)に示す関係が成り立つ。
Figure 2008125909
・・・(数式8)
ただし、r1は、ずらされていない通常のX線データ収集系の位置における最大撮影視野の半径とする。また、γは、X線データ収集系のX線ビームの広がり角度の半分の角度である。そして、FCDは、Focus Center Distanceである。そして、この(数式8)より、以下に示すように、(数式9)が導かれる。
Figure 2008125909
そして、これにより、X線データ収集系の移動距離dsは、定められる。
撮影領域設定のユーザインターフェースにおいて入力された撮影領域視野の大きさ半径r2より、このように定められた距離dsを中央処理装置3が求め、制御コントローラ29を通して、更に回転部コントローラ26を通して、X線管移動機構41とX線検出器移動機構42を制御する。
また、上記のステップL4について説明する。図15に示す通り、通常のスカウトスキャンによるスカウト像においては、求められている60cmの撮影視野に対応したスカウト像表示範囲sc2までは到達せず、一部の領域が欠けたスカウト像表示範囲sc1までしか表示を行うことはできない。これは、図12(b)に示すように、X線データ収集系を、上記のようにして定めた移動距離dsだけずらしたため、望まれるスカウト像表示範囲sc2までのスカウト像表示ができないためである。つまり、図12(b)に示す斜線部分は、スカウト像表示範囲sc1では表示できない部分となる。
この対策として考えられるものは、スカウト像撮影としてヘリカルスカウトスキャンを行い、一度、図13(a)または図13(b)に示すように、画像再構成領域全体の断層像を画像再構成しておく。ヘリカルスカウトスキャンは、ヘリカルスキャンなので、z方向に連続した断層像が画像再構成できるため、図16に示すような3次元画像G(x,y,z)が画像再構成される。この3次元画像G(x,y,z)を、AP方向(0度方向,y軸方向)に、以下の(数式10)に示すように、再投影処理を行うと、AP方向のスカウト像となる。また、RL方向(90度方向,x軸方向)に、以下の(数式11)に示すように再投影処理を行うと、RL方向のスカウト像となる。ただし、AP方向(0度方向,y軸方向)のスカウト像をS0(x,z)とし、RL方向(90度方向,x軸方向)のスカウト像をS90(y,z)とする。また、Nは、断層像のマトリクスサイズN画素×N画素とする。
Figure 2008125909
Figure 2008125909
このようにして、ヘリカルスカウトスキャンにおいては、1回のヘリカルスカウトスキャンでAP方向(0度方向,y軸方向)、RL方向(90度方向,x軸方向)のみならず、任意の方向のスカウト画像が得られる。
また、上記のステップL5においては、ステップL4で得られたAP方向(0度方向,y軸方向)、RL方向(90度方向,x軸方向)のスカウト像、またはこれらのうちの少なくとも1つのスカウト像を用いて、本スキャンの撮影条件(プロトコル)を設定する。
また、上記のステップL6における本スキャンとしては、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)、シネスキャン、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャン、心電同期スキャンなどすべてのスキャンモードについてスキャンが可能である。
この場合に、図9に示す半径r2の撮影領域視野のモードと、半径r3の撮影領域視野のモードについて考えると、以下のようになる。なお、半径r3は、以下の(数式12)にて示される。
[数12]
r3=r1−ds・cosγ=FCD・sinγ−ds・cosγ
・・・(数式12)
ファン角+180度の回転においては、半径r3の撮影視野の撮影が、360度の回転においては半径r2および半径r3の撮影視野の撮影が実現できる。
半径r3の小さな撮影視野の内部においては、X線データ収集系をずらさない通常の状態と同様に、常に半径r3の撮影視野の内部の全画素に対して360度分の方向にX線ビームが透過している。このため、ハーフスキャンであるファン角+180度の回転分のX線投影データだけでもX線投影データがハーフスキャン分あるので画像再構成を行うことができる。
しかし、これに対してハーフスキャンであるファン角+180度の回転分のX線投影データだけでは、半径r2の大きな撮影視野の内部の画素に対しては、全画素において360度分の方向にX線ビームが通過している。
このため、以下の(1),(2)に示すようにすることで、撮影および画像再構成が行える。
(1)ファン角+180度分のX線データ収集においては、小さな半径r3の視野内の撮影および画像再構成が行える。
(2)360度分のX線データ収集においては、大きな半径r2の視野内の撮影および画像再構成が行える。
また、上記のステップL7においては、ステップL6で得られたX線投影データの画像再構成を行う。上記の(1)に示すような半径r3の撮影視野の内部においては、(i)ファン角+180度分のX線投影データの画像再構成を行うハーフ画像再構成の場合でも、(ii)360度分のX線投影データの画像再構成を行うフル画像再構成の場合でも、撮影視野内の画像再構成領域の全画素について、360度方向のX線投影データが存在しているので、通常の画像再構成が行える。
なお、この場合のファン角+180度のX線投影データを画像再構成するハーフ画像再構成の場合は、対向ビューデータも含めて考えることにより、画像再構成領域内の全画素において360度分の方向についてX線ビームが通過していることになる。
また、上記の(2)に示すように、半径r2の撮影視野の場合について、図17は、各方向におけるX線ファンビームが、どの撮影領域または画像再構成領域を含んでいるかを示している。図17に示すように、半径r3の内部の部分においては、常に全領域を透過するX線ビームが存在している。しかし、半径r2〜r3の範囲においては、常に全領域を透過するX線ビームは存在しておらず、片側の領域のみを透過するX線ビームしか存在していない。
本実施形態においては、X線ファンビームをファンパラ変換によりX線平行ビームデータに変換している。図18(a)においては、X線平行ビームデータが、どの撮影領域または画像再構成領域を含んでいるかを示している。図17の場合と同様に、半径r3の内部の部分においては、常に全領域をX線ビームが含んでいる。半径r2〜r3の範囲においては、常に全領域をX線ビームが含んでおらず、片側の領域のみをX線ビームが含んでいる。
図18(b)においては、各々のX線平行ビームデータに対向するX線平行ビームデータを合わせて記載している。対向するX線平行ビームを合わせることにより、半径r3の内部の領域も、半径r2〜r3の間の領域においても、常に全領域をX線ビームが含むことができるようになる。
つまり、半径r2〜r3の間の領域においては、360度分のX線投影データにより、通常のハーフスキャン分のX線投影データに相当する180度分のX線投影データが得られることになる。
図19(a)に示すように、X線データ収集系を180度回転させた場合は、半径r2〜r3の範囲は、180度分X線投影データが存在しないことがわかる。
図19(b)に示すように、X線データ収集系を360度回転させた場合は、半径r3の内側、半径r2〜r3の範囲内の両方で360度分X線投影データが存在することがわかる。
また、これらのX線投影データを画像再構成する方法を以下に示す。
1.対向ビューと組合せてS/Nを改善する方法
2.対向ビューと組合せて分解能を改善する方法
「1.対向ビューと組合せてS/Nを改善する方法」については、図20(a)に示すように、半径r3の撮影領域内部についてはX線ビームとを加算できるため、S/Nを改善させることができる。
「2.対向ビューと組合せてS/Nを改善する方法」については、図20(b)に示すように、X線ビームとその対向ビューについて、各X線ビームのチャネル方向の間隔Pに対して、X線ビームとその対向ビューをチャネル方向に間隔ΔP(ただし、ΔP=1/2P)でずれて入るように、あらかじめX線データ収集系の回転中心に対して、X線データ収集系を±1/4P、つまり、±1/2ΔPずつずらして配置しておく。これにより、撮影領域半径r3の内側においては、断層像内の高分解能化が実現できる。なお、上記においては、平行なX線ビームの場合について説明したが、実際のX線ファンビームの状態では、図21に示すように、X線データ収集系の回転中心を通るX線ビームと、その対向X線ビームの間隔がΔPになるようにすれば良い。
上記の「1.対向X線ビームと組合せてS/Nを改善する方法」における逆投影処理については、図22に示すフローチャートのような処理の流れとなる。
まず、ステップB1では、第iビューのX線投影データ収集を行う。
ステップB2では、第iビューの対向ビームの第jビューのX線投影データ収集は行われたかを判断し、YESであればステップB3へ行き、NOであればステップB1へ戻る。
ステップB3では、第iビューと第jビューのX線投影データの加算処理を行う。
ステップB4では、S/Nを改善された逆投影処理を行う。
このステップB3の処理においては、以下のように半径r3の撮影領域内部とその外側で半径r2〜r3の領域についてのX線投影データの加算処理は、以下の(数式13)〜(数式15)のように行われる。なお、この時の第iビューのX線投影データをD(i,ch)とし、その対向するX線ビームをD(j,ch)とし、加算処理されたX線投影データをDa(i,ch)とする。
具体的には、半径r3の内側の撮影領域の場合には、以下のように処理する。
Figure 2008125909
また、半径r2〜r3の間の撮影領域でD(i,ch)が存在するチャネルの場合には、以下のように処理する。
Figure 2008125909
また、半径r2〜r3の間の撮影領域でD(j,ch)が存在するチャネルの場合には、以下のように処理する。
Figure 2008125909
なお、(数式14),(数式15)においては、各々のチャネルにおいて、D(i,ch)またはD(j,ch)の片方しか存在しない。
上記の2つの対向ビームと組合せて分解能を改善する方法における逆投影処理においては、図23のフローチャートに示すような処理の流れとなる。
まず、ステップB11では、第iビューのX線投影データ収集を行う。
ステップB12では、第iビューの対向ビームの第jビューのX線投影データ収集は行われたかを判断し、YESであればステップB3へ行き、NOであればステップB1へ戻る。
ステップB13では、第iビューと第jビューのX線投影データの高分解能化処理を行う。
ステップB14では、高分解能化された逆投影処理を行う。
このステップB14の処理においては、以下のような処理により、倍のチャネル数のX線投影データになるように処理を行う。なお、この処理においては、半径r3の内側の撮影領域の処理と、半径r2〜r3の間の撮影領域の処理に分かれ、以下の(数式16)〜(数式21)のように処理を行う。なお、この時の第iビューのX線投影データをD(i,ch)、第jビューのX線投影データをD(j,ch)、高分解能化処理されたX線投影データをDr(i,ch)とする。
具体的には、半径r3の内側の撮影領域の場合には、以下のように処理する。
Figure 2008125909
Figure 2008125909
半径r2〜r3の間の撮影領域の場合でD(i,ch)が存在するチャネルの場合には、以下のように処理する。
Figure 2008125909
Figure 2008125909
半径r2〜r3の間の撮影領域の場合でD(j,ch)が存在するチャネルの場合には、以下のように処理する。
Figure 2008125909
Figure 2008125909
[実施形態2]
実施形態2においては、X線発生装置をX線データ収集系の対称軸(X線データ系の回転中心が通るX線データ系の中心軸からなる基準軸)に垂直な方向にdxだけ移動することで、大きな撮影視野、画像再構成視野を拡大できるX線CT装置である。
本実施の形態のX線CT装置においては、図10に示すように、半径r2による撮影視野を含むように、X線管21の位置を、基準軸Aに対して撮影視野と同一面上垂直方向に移動可能となっている。そして、前記移動したことにより、X線データ収集系の中心軸Bが回転中心に対してずれた構造となる。
図24は、X線発生装置であるX線管21を移動させた場合、つまりX線焦点を移動させた場合の大きな撮影視野について撮影する流れを示すフロー図である。
ステップL21,ステップL22については、実施形態1と同様に行う。
ステップL23においては、X線発生装置であるX線管21をX線管移動機構41により移動させる。例えば、図10に示すように、移動距離dxだけX線管21を動かす。これにより、X線焦点もdxだけ動く。この場合に、モニタ6に表示される撮影条件設定のユーザインターフェース画面において入力された撮影領域を、半径r2とすると、以下の(数式22)の関係が成り立つ。
Figure 2008125909
・・・(数式22)
ただし、r1は、図27に示すような、ずらされていない通常のX線焦点位置における最大撮影視野の半径とする。また、γは、X線データ収集系のX線ビームの広がり角度の半分の角度とする。この(数式22)より、以下の(数式23)が導かれる。
Figure 2008125909
・・・(数式23)
これにより、X線焦点の移動距離dxは、定められる。
モニタ6に表示される撮影領域設定のユーザインターフェース画面において入力された撮影領域視野の半径r2より、以上により求められたdxを中央処理装置3で求め、制御コントローラ29を通して、更に回転部コントローラ26を通して、X線管移動機構41を制御して、X線管21を移動させる。
そして、ステップL24からステップL34までについては、実施形態1と同様に動作させればよい。
[実施形態3]
実施形態3は、X線検出器24をX線データ収集系の対称軸(X線データ系の回転中心が通るX線データ系の中心軸からなる基準軸)に垂直な方向にddだけ移動することにより、大きな撮影視野、画像再構成視野を拡大できるX線CT装置である。
本実施の形態のX線CT装置においては、図11に示すように、半径r2による撮影視野を含むように、多列X線検出器24の位置を、基準軸Aに対して撮影視野と同一面上垂直方向に移動可能となっている。そして、前記移動したことにより、X線データ収集系の中心軸Bが回転中心に対してずれた構造となる。
図25は、多列X線検出器24を移動させた場合の大きな撮影視野について撮影する流れを示すフロー図である。
ステップL41,ステップL42は、実施形態1と同様に行う。
ステップL43においては、X線検出器である多列X線検出器24をX線検出器移動機構42により移動させる。例えば、図11に示すように、多列X線検出器24を移動距離ddだけ動かす。この場合に、モニタ6に表示される撮影条件設定のユーザインターフェース画面において入力された撮影領域を半径r2とすると、以下の(数式24)の関係が成り立つ。
Figure 2008125909
・・・(数式24)
ただし、r1は、図27に示すような、ずらされていない通常のX線焦点位置における最大撮影視野の半径とする。また、γは、X線データ収集系のX線ビームの広がり角度の半分とする。この(数式24)より、以下の(数式25)が導かれる。
Figure 2008125909
・・・(数式25)
モニタ6に表示される撮影条件設定のユーザインターフェース画面において、入力された撮影領域視野の半径r2より、以上に求められたddを中央処理装置3で求め、制御コントローラ29を通して更に回転部コントローラ26を通して、X線検出器移動機構42を制御して、X線管21を移動させる。
そして、ステップL44からステップL54までは、実施形態1と同様に動作させればよい。
[実施形態4]
実施形態4は、あらかじめX線発生装置とX線検出器からなるX線データ収集系が、X線データ収集系の対称軸(X線データ系の回転中心が通るX線データ系の中心軸からなる基準軸)に垂直に移動させた状態で固定されたX線データ収集系により、撮影視野、画像再構成視野を拡大できるX線CT装置である。
実施形態1においては、モニタ6に表示される撮影条件設定のユーザインターフェースにおいて入力された撮影領域半径r2に応じて、X線データ収集系の移動量dsを最適に変更してきたが、本実施形態4においては、ある移動量ds0に固定されたX線データ収集系により拡大された撮影視野、画像再構成視野を持つX線CT装置である。
図26は、X線データ収集系を固定した場合において撮影する流れを示すフロー図である。
ステップL61では、スカウト像撮影条件設定を行う。
ステップL62では、ヘリカルスカウトスキャンによるスカウト像撮影を行う。
ステップL63では、本スキャン撮影条件設定を行う。
ステップL64では、本スキャンを行う。
ステップL65では、X線データ収集系の位置を考慮した画像再構成を行う。
ステップL66では、断層像撮影を行う。
ステップL67では、3次元画像表示を行うかを判断し、YESであればステップL68へ行き、NOであれば終了する。
ステップL68では、3次元画像表示を行う。
[実施形態5]
実施形態5は、あらかじめX線発生装置であるX線管21が、X線データ収集系の対称軸(X線データ系の回転中心が通るX線データ系の中心軸からなる基準軸)に垂直に移動させた状態で固定されたX線データ収集系により、撮影視野、画像再構成視野を拡大できるX線CT装置である。
実施形態2においては、モニタ6に表示される撮影条件設定のユーザインターフェースにおいて入力された撮影領域半径r2に応じて、X線焦点の移動距離dxを最適に変更してきたが、本実施形態5は、ある移動量ds0に固定されたX線データ収集系により拡大された撮影視野、画像再構成視野を持つX線CT装置である。
本実施形態は、実施形態4と同様にして撮影を実施することができる。
[実施形態6]
実施形態6においては、あらかじめ多列X線検出器24がX線データ収集系の対称軸(X線データ系の回転中心が通るX線データ系の中心軸からなる基準軸)に垂直に移動させた状態で固定されたX線データ収集系により、撮影視野、画像再構成視野を拡大できるX線CT装置である。
実施形態3においては、モニタ6に表示される撮影条件設定のユーザインターフェースにおいて入力された撮影領域半径r2に応じて、多列X線検出器24の移動距離ddを最適に変更してきたが、本実施形態6は、ある移動量ds0に固定されたX線データ収集系により拡大された撮影視野、画像再構成視野を持つX線CT装置である。
本実施形態は、実施形態4,実施形態5と同様にして撮影を実施することができる。
[実施形態7]
実施形態7においては、実施形態2,実施形態3,実施形態5,実施形態6のように、X線発生装置であるX線管21のみ、または多列X線検出器24のみをX線データ収集系の中心線から移動させてX線データ収集する、または、あらかじめ、ずらしておいてX線データ収集する場合に、X線検出器コリメータのない多列X線検出器24を用いることによりX線捕捉効率が改善する。この時にX線捕捉効率が改善するトレードオフとして、黒い影のようなアーチファクトが発生する可能性がある。これを捕捉するために、X線散乱補正を行う。
図5に示す画像再構成の概略動作のフロー図において、例えば、ステップS3のビームハードニング補正の後に、以下の(数式26),(数式27)に示すように、チャネル方向のX線散乱補正処理を行う。ビームハードニング補正後のデータをD11(view,j,i)、チャネル方向X線散乱補正後のデータをD11sx(view,j,i)、“*”は重畳(コンボリューション)演算とする。
Figure 2008125909
Figure 2008125909
・・・(数式27)
なお、この場合は、チャネル方向のX線散乱補正である。
列方向の散乱X線補正も同様に行うとすると、以下の(数式28),(数式29)に示すようになる。
Figure 2008125909
Figure 2008125909
・・・(数式29)
また、同様に列方向のみのX線散乱補正も同様に行うことはできる。
[本実施形態の作用・効果]
以上のように、本実施形態のX線CT装置100は、X線焦点からX線を照射するX線管21と、被検体において撮影される撮影領域を介して、X線管21に相対しており、このX線管21によってX線焦点から照射されたX線をX線検出面にて検出する多列X線検出器24と、このX線管21と多列X線検出器24とが撮影領域の周囲で旋回するように、X線管21と多列X線検出器24とを回転中心ICを軸にして回転させる回転部15と、この回転部15によってX線管21と多列X線検出器24とが撮影領域の周囲に回転させられた状態において、X線管21がX線を撮影領域へ照射し、その撮影領域を透過したX線を多列X線検出器24が検出するスキャンを実施し、その撮影領域についてのX線投影データを収集するように、X線管21と多列X線検出器24と回転部15とを制御すると共に、そのスキャンの実施によって収集されたX線投影データに基づいて、その撮影領域についての画像を画像再構成する中央処理装置3とを有する(図1参照)。そして、さらに、図9に示すように、回転部15がX線管21と多列X線検出器24とを回転させる回転面を含むxy面において、X線管21のX線焦点と多列X線検出器24のX線検出面中心とを結ぶ直線が、撮影領域にて回転部15がX線管21と多列X線検出器24とを回転させる回転中心以外を通過するように、X線管21と多列X線検出器24とのそれぞれを移動するX線管移動機構41とX線検出器移動機構42とを含む(図1参照)。また、X線管移動機構41とX線検出器移動機構42とのそれぞれに、X線管21と多列X線検出器24とのそれぞれを移動させる動作を操作する移動操作信号を、オペレータからの指令に基づいて、中央処理装置3に入力する入力装置2とを含む(図1参照)。そして、中央処理装置3は、その入力装置2から移動操作信号が入力された際には、X線管移動機構41にX線管を移動させることと、X線検出器移動機構42に多列X線検出器24を移動させることとの少なくとも一方を実施した後に、前述したスキャンを実施する。
つまり、本実施形態は、被検体において撮影される撮影視野を含む撮影領域の周囲を回転するようにX線管21のX線焦点からX線を照射し、その撮影領域を透過したX線を多列X線検出器24で検出するスキャンを実施することによって、撮影視野についての画像を画像再構成するX線CT装置100であって、その撮影視野の面積が変動するように、X線焦点と多列X線検出器24とのいずれか一方について移動させた後に、上記のスキャンを実施する。
よって、本実施形態は、様々な撮影視野に対応することが容易に可能であるため、撮影効率を向上させることができる。すなわち、以上のX線CT装置100によれば、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンまたはヘリカルスキャンまたは可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおいて、大きな撮影視野を持たせる。または撮影視野の大きさを制御できるX線CT装置を実現できる効果がある。
なお、本実施形態における画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による3次元画像再構成法でもよい。さらに、他の3次元画像再構成方法でもよい。または2次元画像再構成でも良い。
本実施形態においては、多列X線検出器24に円弧型の多列X線検出器を用いているが、平面型のフラットパネルに代表されるマトリクス構造の2次元X線エリア検出器を用いても同様に効果を出すことができる。
本実施形態では、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)の場合について記載しているが、シネスキャンの場合についても同様に効果を出すことができる。
本実施形態は、ヘリカルスキャンの場合について記載しているが、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンの場合についても同様に効果を出すことができる。
また、本実施形態では、X線CT装置のX線自動露出機構を用いていない場合について記載しているが、X線CT装置のX線自動露出機構を用いた場合についても同様に効果を出すことができる。
本実施形態は、走査ガントリ20が傾斜していない場合について記載しているが、走査ガントリ20が傾斜した、いわゆるチルト・スキャンの場合でも同様な効果を出すことができる。
本実施形態は、生体信号にX線データ収集が同期しない場合について記載しているが、生体信号、特に、心拍信号に同期させても同様な効果を出すことができる。
また、本実施形態では、多列X線検出器を持ったX線CT装置について書かれているが、1列のX線検出器のX線CT装置においても同様の効果を出せる。
なお、本実施形態においては、撮影テーブル10のクレードル12をz方向に動かすことにより、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンを実現している。また、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンの各z方向スキャン位置の間の移動を実現している。しかし、走査ガントリ20または走査ガントリ20内の回転部15を撮影テーブル10のクレードル12に対して動かすことによっても、相対的に同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態では、各列ごとに係数の異なった列方向(z方向)フィルタの係数を各チャネルの前処理された、またはビームハードニング補正されたX線投影データの列方向に重畳することにより、画質のばらつきを調整することによって、各列において均一なスライス厚とし、アーチファクトを抑制し、ノイズ低減された画質を実現している。これには、様々なz方向フィルタ係数が考えられるが、いずれにおいても同様の効果を出すことができる。
本実施形態では、医用X線CT装置を元について記載されているが、産業用X線CT装置、または、他の装置と組合わせたX線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などにおいても利用できる。
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置を示すブロック図である。 図2において、図2(a)は、X線発生装置(X線管)および多列X線検出器をxy平面で見た説明図である。図2(b)は、X線発生装置(X線管)および多列X線検出器をyz平面で見た説明図である。 図3は、X線発生装置(X線管)および多列X線検出器の鳥瞰図を示す図である。 図4は、被検体撮影の流れを示すフロー図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るX線CT装置の画像再構成の概略動作を示すフロー図である。 図6は、前処理の詳細を示すフロー図である。 図7は、X線CT装置の撮影条件入力画面を示す図である。 図8は、X線CT装置の撮影条件入力画面を示す図である。 図9は、X線焦点とX線検出器が移動した場合を示す図である。 図10は、X線焦点のみ移動した場合を示す図である。 図11は、X線検出器のみ移動した場合を示す図である。 図12において、図12(a)は、通常のスカウト像を示す図である。図12(b)は、X線焦点とX線検出器を移動させた場合のスカウト像を示す図である。 図13において、図13(a)は、ヘリカルスカウトスキャンによる0度方向(y軸方向)のスカウト像を示す図である。図13(b)は、ヘリカルスカウトスキャンによる90度方向(x軸方向)のスカウト像を示す図である。 図14は、X線データ収集系を移動した場合の大きな撮影視野での撮影の流れを示すフロー図である。 図15は、腹部のスカウト像撮影の例を示す図である。 図16は、AP方向およびRL方向のスカウト像の画像再構成を示す図である。 図17において、各方向におけるX線ファンビームデータの逆投影処理を示す図である。 図18において、図18(a)は、各方向におけるX線平行ビームデータの逆投影処理を示す図である。図18(b)は、各方向におけるX線平行ビームデータとその対向ビューを用いた逆投影処理を示す図である。 図19において、図19(a)は、180度分のX線平行ビーム投影データの存在する範囲を示す図である。図19(b)は、360度分のX線平行ビーム投影データの存在する範囲を示す図である。 図20において、図20(a)は、対向ビューと組合せて各チャネルのS/Nを上げる方法を示す図である。図20(b)は、対向ビューと組合せてチャネル方向の分解能を上げる方法を示す図である。 図21は、対向するX線データ収集系のX線ビームのずらし量を示す図である。 図22は、S/Nを改善したX線逆投影方法を示すフロー図である。 図23は、高分解能化したX線逆投影方法を示すフロー図である。 図24は、X線焦点を移動した場合の大きな撮影視野での撮影の流れを示すフロー図である。 図25は、X線検出器を移動した場合の大きな撮影視野での撮影の流れを示すフロー図である。 図26は、固定されたX線データ収集系による撮影の流れを示すフロー図である。 図27は、X線焦点とX線検出器が移動する前の状態を示す図である。
符号の説明
1…操作コンソール
2…入力装置
3…中央処理装置
5…データ収集バッファ
6…モニタ
7…記憶装置
10…撮影テーブル
12…クレードル
15…回転部
20…走査ガントリ
21…X線管
22…X線コントローラ
23…コリメータ
24…多列X線検出器
25…データ収集装置(DAS)
26…回転部コントローラ
27…走査ガントリ傾斜コントローラ
28…ビーム形成X線フィルタ
29…制御コントローラ
30…スリップリング
41…X線管移動機構
42…X線検出器移動機構
dp…X線検出器面
P…画像再構成領域
pp…投影面
IC…回転中心(ISO)
CB…X線ビーム(コーンビームX線)
BC…ビーム中心軸
D…回転中心軸上での多列X線検出器幅

Claims (9)

  1. X線発生装置と、前記X線発生装置に対してX線を検出するX線検出器とからなるX線データ収集系を、その間にある回転中心のまわりに回転運動をさせながら、その間にある被検体を透過したX線投影データを収集するX線データ収集手段と、
    前記X線データ収集手段によって収集された前記X線投影データを画像再構成して断層像を得る画像再構成手段と
    を含むX線CT装置において、
    前記X線CT装置は、
    撮影視野を設定する撮影視野設定手段と、
    前記撮影視野設定手段によって設定された撮影視野を含む撮影視野となるように、前記X線発生装置のX線焦点と前記X線検出器の中心とを結ぶX線データ系の中心軸と前記回転中心との位置関係を調整可能な撮影視野調整手段と
    をさらに含むことを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記撮影視野設定手段によって設定された撮影視野に応じて、データ収集角度範囲を制御可能なデータ収集角度範囲制御手段と
    をさらに含むことを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のX線CT装置において、
    前記撮影視野設定手段において、前記設定された撮影視野が、標準撮影視野に含まれる場合は、前記X線データ収集系の中心軸を前記回転中心が通るように、前記X線データ収集系の中心軸と前記回転中心との位置関係が調整され、前記設定された撮影視野が、標準視野よりも大きい場合は、前記X線データ系の中心軸を前記回転中心に対してずらすことにより、前記X線データ系の対称軸と前記回転中心との位置関係が調整されることを特徴とするX線CT装置。
  4. X線発生装置と、前記X線発生装置に対してX線を検出するX線検出器とからなるX線データ収集系を、その間にある回転中心のまわりに回転運動をさせながら、その間にある被検体を透過したX線投影データを収集するX線データ収集手段と、
    前記X線データ収集手段によって収集された前記X線投影データを画像再構成して断層像を得る画像再構成手段と、
    を含むX線CT装置において、
    前記回転中心が、前記X線発生装置のX線焦点と前記X線検出器の中心とを結ぶX線データ収集系の中心軸に対して、前記回転中心がずれるように配置されており、
    前記X線CT装置は、
    撮影視野を設定する撮影視野設定手段と、
    前記撮影視野設定手段によって設定された撮影視野に応じて、データ収集角度範囲を制御可能なデータ収集角度範囲制御手段と
    をさらに含むことを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載のX線CT装置において、前記回転中心が通る前記X線データ収集系の中心軸を基準軸とした場合、前記X線発生装置のX線焦点の位置が、前記基準軸に対して、前記撮影視野と同一面上垂直方向にずれていることを特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項3または請求項4に記載のX線CT装置において、前記回転中心が通る前記X線データ収集系の中心軸を基準軸とした場合、前記X線検出器の位置が、前記基準軸に対して、前記撮影視野と同一面上垂直方向にずれていることを特徴とするX線CT装置。
  7. 請求項3または請求項4に記載のX線CT装置において、前記回転中心が通る前記X線データ収集系の中心軸を基準軸とした場合、前記X線データ系の中心軸が、前記基準軸に対して、前記撮影視野と同一面上垂直方向にずれていることを特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項2または請求項4に記載のX線CT装置において、
    前記データ収集角度範囲制御手段において、前記設定された撮影視野が、前記X線発生装置のX線焦点と前記X線検出器の回転方向の幅により定まるX線ビーム形状の内部に含まれる場合は、データ収集角度範囲を、略180°+ファンビームに制御され、前記設定された撮影視野が、前記X線ビーム形状の外側に及ぶ場合は、データ収集範囲を略360°に制御されることを特徴とするX線CT装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに一項に記載のX線CT装置において、
    前記画像再構成手段は、前記X線データ収集系の中心軸と前記回転中心との位置関係に応じて、異なる画像再構成の係数を用いていることを特徴とするX線CT装置。
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