JP2013099027A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のモータのいずれかに異常が発生して複数のモータを停止させた場合において、モータの異常を示す異常検出信号が制御装置に入力されなくても、異常が発生していないモータを駆動することを目的とする。
【解決手段】停止回路300は、インバータ140,150の自己保護回路から異常検出信号を受けた場合、インバータ140,150のスイッチング動作を停止させ、モータジェネレータMG1,MG2の駆動の停止を示すダイアグ情報を出力する。ダイアグ情報が制御装置200に入力されて異常検出信号が制御装置200に入力されない場合、制御装置200は、インバータ140からモータジェネレータMG1に供給された電流の値と、インバータ150からモータジェネレータMG2に供給された電流の値とに応じて、モータジェネレータMG1,MG2のいずれか一方を駆動する。
【選択図】図1
【解決手段】停止回路300は、インバータ140,150の自己保護回路から異常検出信号を受けた場合、インバータ140,150のスイッチング動作を停止させ、モータジェネレータMG1,MG2の駆動の停止を示すダイアグ情報を出力する。ダイアグ情報が制御装置200に入力されて異常検出信号が制御装置200に入力されない場合、制御装置200は、インバータ140からモータジェネレータMG1に供給された電流の値と、インバータ150からモータジェネレータMG2に供給された電流の値とに応じて、モータジェネレータMG1,MG2のいずれか一方を駆動する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に搭載されたモータを制御するモータ制御装置に関する。
電気自動車、ハイブリッド自動車及び燃料電池自動車等の車両のように、モータの駆動力によって走行する車両が知られている。このような車両は、電源装置の出力電圧を調整するコンバータと、コンバータの出力電圧を交流電圧に変換してモータに供給するインバータとを備える。このような車両においては、所定の異常が発生した場合に、フェールセーフとして退避走行を行うようにしたものがある。
例えば下記の特許文献1には、エンジン(内燃機関)と、主に発電機として使用されるモータジェネレータMG1と、主に車輪を駆動するモータジェネレータMG2とを備えたハイブリッド自動車において、モータジェネレータMG1用のインバータに異常があると判定された場合、モータジェネレータMG2によって退避走行を行う技術が開示されている。
また、下記の特許文献2には、モータを駆動する駆動システムの演算CPU(Central Processing Unit)と、駆動システムを監視する監視CPUとを備えた電気自動車システムが開示されている。この電気自動車システムにおいては、監視CPUが駆動システムに異常があると判断した場合は走行を停止し、演算CPUが監視CPUに異常があると判断した場合は走行を継続する。
また、下記の特許文献3には、エンジンと、モータジェネレータMG1と、モータジェネレータMG2とを備えたハイブリッド自動車において、モータジェネレータMG2を制御する第2のCPUに異常が生じた場合、モータジェネレータMG1を制御する第1のCPUによってモータジェネレータMG2を制御する技術が開示されている。
ところで、車両には、各種センサの出力等に基づいて当該車両の異常を検知する車載式故障診断装置(車載式ダイアグノーシス装置)が搭載されている。この車載式故障診断装置は、車両における各種の異常を検出し、検出された異常内容を示すダイアグ情報を出力する。
また、インバータに自己保護回路が設けられている場合がある。インバータに設けられた自己保護回路は例えば電流センサを含んで構成され、センサ出力に過電流が検出されたことに応じて異常検出信号FINVを出力する。例えば、モータジェネレータMG1とモータジェネレータMG2とを備えた車両において、モータジェネレータMG1用のインバータで過電流が検出されて異常検出信号FINVが出力された場合、インバータのスイッチング素子を保護するために、モータジェネレータMG1用のインバータのスイッチング動作を停止させ、また、制御のバランスを保つために、モータジェネレータMG2用のインバータのスイッチング動作も停止させる。この場合、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報と、モータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報とが制御装置に出力される。また、異常が発生したインバータの自己保護回路から制御装置に異常検出信号FINVが出力される。モータジェネレータMG1,MG2を停止させた後に退避走行を行うため、制御装置は、異常が発生したインバータを異常検出信号FINVに基づいて特定し、異常が発生したインバータとは異なるインバータのスイッチング動作を復帰させる。上記の例では、モータジェネレータMG1用のインバータに異常が発生し、モータジェネレータMG1用のインバータの自己保護回路から異常検出信号FINVが出力されているため、制御装置はモータジェネレータMG2用のインバータのスイッチング動作を復帰させることでモータジェネレータMG2を駆動する。これにより、異常が発生していないモータジェネレータMG2によって退避走行が可能となる。
しかしながら、断線等の故障によって異常検出信号FINVが制御装置に入力されない場合、モータジェネレータMG1,MG2のいずれのインバータに異常が発生したのかが不明となる。この場合、制御装置は、モータジェネレータMG1,MG2のダイアグ情報に基づいてモータジェネレータMG1,MG2の両方に異常があると判定し、車両の状態をReady−Off状態(走行不可の状態)へ遷移させてしまう。すなわち、異常検出信号FINVが制御装置に入力されない場合、制御装置は、モータジェネレータMG1,MG2のいずれのインバータに異常が発生しているのか判定することができないため、異常が発生していないインバータがあるにもかかわらず、異常が発生していないインバータのスイッチング動作を復帰させて退避走行を行うことができない。上記の例では、モータジェネレータMG2用のインバータに異常が発生していないにもかかわらず、制御装置はモータジェネレータMG2用のインバータのスイッチング動作を復帰させることができないため、異常が発生していないモータジェネレータMG2によって退避走行を行うことができない。
上記の特許文献に記載の技術では、インバータの異常検出信号FINVが制御装置に入力されない場合の対処方法について考慮されていない。従って、インバータの異常検出信号FINVが制御装置に入力されず、モータジェネレータMG1,MG2のいずれのインバータに異常が発生したのかが不明な場合、異常が発生していないモータがあるにもかかわらず、異常が発生していないモータによって退避走行を行うことができない。
本発明の目的は、複数のモータのいずれかに異常が発生して複数のモータを停止させた場合において、モータの異常を示す異常検出信号が制御装置に入力されなくても、異常が発生していないモータを駆動することが可能なモータ制御装置を提供することである。
本発明は、電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換して車両に搭載された第1のモータに供給する第1のインバータと、前記電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換して前記車両に搭載された第2のモータに供給する第2のインバータと、前記第1のインバータの異常を検出した場合に第1の異常検出信号を出力し、前記第2のインバータの異常を検出した場合に第2の異常検出信号を出力する異常検出部と、前記第1の異常検出信号又は前記第2の異常検出信号を前記異常検出部から受けた場合、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの動作を停止させることで前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動を停止させ、前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動の停止を示す停止情報を出力する停止処理部と、前記停止情報及び前記第1の異常検出信号を受けた場合、前記第2のインバータを動作させることで前記第2のモータを駆動し、前記停止情報及び前記第2の異常検出信号を受けた場合、前記第1のインバータを動作させることで前記第1のモータを駆動し、前記停止情報を前記停止処理部から受けて前記第1の異常検出信号及び前記第2の異常検出信号を前記異常検出部から受けていない場合、前記第1のインバータから前記第1のモータに供給された電流と予め設定された過電流閾値とを比較し、前記第2のインバータから前記第2のモータに供給された電流と前記過電流閾値とを比較し、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータのうち前記過電流閾値未満の電流を供給したインバータを動作させることで、前記第1のモータ又は前記第2のモータのいずれか一方を駆動する制御部と、を有することを特徴とするモータ制御装置である。
また、本発明に係るモータ制御装置であって、前記異常検出部は、前記第1のインバータのスイッチング素子に流れる電流が前記過電流閾値以上となる場合に前記第1の異常検出信号を出力し、前記第2のインバータのスイッチング素子に流れる電流が前記過電流閾値以上となる場合に前記第2の異常検出信号を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明は、電源から供給される直流電圧を調整するコンバータと、前記コンバータによって調整された直流電圧を交流電圧に変換して車両に搭載された第1のモータに供給する第1のインバータと、前記コンバータによって調整された直流電圧を交流電圧に変換して前記車両に搭載された第2のモータに供給する第2のインバータと、前記コンバータによって調整された直流電圧が予め設定された過電圧閾値以上となる場合に異常検出信号を出力する異常検出部と、前記異常検出信号を前記異常検出部から受けた場合、前記コンバータ、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの動作を停止させることで前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動を停止させ、前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動の停止を示す停止情報を出力する停止処理部と、前記停止情報及び前記異常検出信号を受けた場合、前記コンバータの動作を停止させた状態で、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータのいずれか一方を動作させることで前記第1のモータ又は前記第2のモータのいずれか一方を駆動し、前記停止情報を前記停止処理部から受けて前記異常検出信号を前記異常検出部から受けていない場合、前記コンバータによって調整された直流電圧と前記過電圧閾値とを比較し、前記コンバータによって調整された直流電圧が前記過電圧閾値以上となる場合、前記コンバータの動作を停止させた状態で、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータのいずれか一方を動作させることで前記第1のモータ又は前記第2のモータのいずれか一方を駆動する制御部と、を有することを特徴とするモータ制御装置である。
本発明によると、第1のインバータ又は第2のインバータの異常に応じて第1のモータ及び第2のモータを停止させた場合に異常検出信号が制御装置に入力されなくても、第1のモータ又は第2のモータに供給された電流に応じて、異常が発生していないモータを駆動することができる。
また、本発明によると、コンバータによって調整された電圧の異常に応じて第1のモータ及び第2のモータを停止させた場合に異常検出信号が制御装置に入力されなくても、コンバータによって調整された電圧に応じて、異常が発生していないモータを駆動することができる。
図1を参照して、本発明の実施形態に係るモータ制御装置について説明する。本実施形態に係るモータ制御装置は、駆動源としてモータを備える電気自動車、ハイブリッド自動車又は燃料電池自動車に搭載される。図1には一例としてハイブリッド自動車の概略構成を示す。
図1に示す車両は、一例として、直流電源100と、システムリレーSMRB,SMRP,SMRGと、コンバータ110と、コンデンサ122と、電圧センサ124と、インバータ140,150と、電流センサ141,142,151,152と、制御装置200と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン(内燃機関)ENGと、停止回路300とを備える。
エンジンENGは、ガソリン等の燃料の燃焼エネルギーを源として駆動力を発生する。エンジンENGが発生する駆動力は2つの経路に分割される。一方は、図示しない減速機を介して車輪を駆動する駆動軸に伝達する経路であり、他方は、モータジェネレータMG1へ伝達する経路である。
モータジェネレータMG1,MG2は、例えば三相交流同期型モータであり、直流電源100に蓄えられた電力とエンジンENGの駆動力とによって駆動される。モータジェネレータMG1は、エンジンENGによって駆動される発電機として機能し、また、エンジンENGに対して電動機として動作してエンジンENGを始動し得るモータである。モータジェネレータMG2は、車両の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するためのモータである。なお、モータジェネレータMG1が「第1のモータ」の一例に相当し、モータジェネレータMG2が「第2のモータ」の一例に相当する。
直流電源100は図示しない蓄電装置を含んで構成され、電源ライン120とアースライン130との間に直流電圧を出力する。
システムリレーSMRB,SMRP,SMRGは、直流電源100からインバータ140,150に対する電力供給経路を導通又は遮断する。具体的には、システムリレーSMRBは、直流電源100の正極と電源ライン120との間に接続されている。システムリレーSMRGは、直流電源100の負極とアースライン130との間に接続されている。システムリレーSMRPは、直流電源100の負極とアースライン130との間に抵抗R1を介して接続されている。システムリレーSMRB,SMRP,SMRGはそれぞれ、制御装置200からの信号SEによって導通又は遮断される。
コンバータ110は一例として昇降圧チョッパ回路によって構成され、リアクトルL1と、スイッチング素子Q31,Q32と、ダイオードD31,D32とを含む。コンバータ110は、直流電源100から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサ122に供給する。具体的には、コンバータ110は、制御装置200からスイッチング制御信号Scnvを受けると、スイッチング制御信号Scnvによってスイッチング素子Q32がオンされた期間に応じて直流電源100からの直流電圧を昇圧してコンデンサ122に供給する。また、コンバータ110は、制御装置200からスイッチング制御信号Scnvを受けると、コンデンサ122から供給された直流電圧を降圧して直流電源100に充電する。
電源ライン120とアースライン130との間には、コンデンサ122が接続されている。コンデンサ122は、コンバータ110からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ140とインバータ150とに供給する。電圧センサ124は、コンバータ110の出力電圧VH(コンデンサ122の両端の電圧)を検出して制御装置200に出力する。コンバータ110の出力電圧VHは、インバータ140,150の入力電圧に相当する。
モータジェネレータMG1にはインバータ140が接続されている。インバータ140は、U相アームを構成するスイッチング素子Q11,Q12と、V相アームを構成するスイッチング素子Q13,Q14と、W相アームを構成するスイッチング素子Q15,Q16とを含む。また、各スイッチング素子Q11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD11〜D16がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q11〜Q16は、一例としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。スイッチング素子Q11〜Q16は、対応の駆動回路T11〜T16によって、制御装置200からのスイッチング制御信号SG11〜SG16にそれぞれ対応してオン/オフ制御(スイッチング制御)される。なお、インバータ140が「第1のインバータ」の一例に相当する。
モータジェネレータMG1は、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通に接続されて構成された三相永久磁石モータである。U相コイルの他端がスイッチング素子Q11,Q12の中間点に接続され、V相コイルの他端がスイッチング素子Q13,Q14の中間点に接続され、W相コイルの他端がスイッチング素子Q15,Q16の中間点に接続されている。
インバータ140の各相アームとモータジェネレータMG1の各相コイルとを結ぶ配線には、少なくとも2相において電流センサ141,142がそれぞれ設けられている。U,V,W相の電流の和はゼロであるため、2相に電流センサ141,142を設けることによって各相の電流を検出することができる。電流センサ141,142は、モータジェネレータMG1に流れる電流を検出して電流検出値を制御装置200に出力する。
モータジェネレータMG2にはインバータ150が接続されている。インバータ150はインバータ140と同様の構成を有する。インバータ150は、スイッチング素子Q21〜Q26と、ダイオードD21〜D26とを含む。スイッチング素子Q21〜Q26は一例としてIGBTである。スイッチング素子Q21〜Q26は、対応の駆動回路T21〜T26によって、制御装置200からのスイッチング制御信号SG21〜SG26にそれぞれ対応してオン/オフ制御(スイッチング制御)される。なお、インバータ150が「第2のインバータ」の一例に相当する。
モータジェネレータMG2は、モータジェネレータMG1と同様に、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通に接続されて構成された三相永久磁石モータである。インバータ150の各相の中間点は、モータジェネレータMG2のU相コイルの他端、V相コイルの他端及びW相コイルの他端とそれぞれ接続されている。インバータ150の各相アームとモータジェネレータMG2の各相コイルとを結ぶ配線には、少なくとも2相において電流センサ151,152がそれぞれ設けられている。電流センサ151,152は、モータジェネレータMG2に流れる電流を検出して電流検出値を制御装置200に出力する。
インバータ140は、制御装置200からのスイッチング制御信号SG11〜SG16に基づいてコンバータ110からの出力電圧VHを三相交流電圧に変換してモータジェネレータMG1に供給する。これにより、モータジェネレータMG1は、トルク指令値によって指定された要求トルクを発生するように駆動される。また、インバータ140は、ハイブリッド自動車の回生制動時に、モータジェネレータMG1が発電した交流電圧を制御装置200からのスイッチング制御信号SG11〜SG16に基づいて直流電圧に変換し、変換した直流電圧を直流電源100に供給する。なお、回生制動とは、ハイブリッド自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速させることも含む。
インバータ150は、制御装置200からのスイッチング制御信号SG21〜SG26に基づいてコンバータ110からの出力電圧VHを三相交流電圧に変換してモータジェネレータMG2に供給する。これにより、モータジェネレータMG2は、トルク指令値によって指定された要求トルクを発生するように駆動される。また、インバータ150は、ハイブリッド自動車の回生制動時に、モータジェネレータMG2が発電した交流電圧を制御装置200からのスイッチング制御信号SG21〜SG26に基づいて直流電圧に変換し、変換した直流電圧を直流電源100に供給する。
また、図示しない運転操作部が設けられている。運転操作部は、アクセルペダル、ブレーキペダル及びギアチェンジレバー等を備え、ユーザの運転操作に応じた運転操作指令を制御装置200に出力する。運転操作指令には一例としてトルク指令値が含まれる。
また、インバータ140には、スイッチング素子Q11〜Q16を過電流から保護するための図示しない自己保護回路が設けられている。同様に、インバータ150にも、スイッチング素子Q21〜Q26を過電流から保護するための図示しない自己保護回路が設けられている。例えば、自己保護回路は、インバータ140の各スイッチング素子Q11〜Q16及びインバータ150の各スイッチング素子Q21〜Q26に内蔵されている。インバータ140,150に設けられた自己保護回路は例えば電流センサを含んで構成され、センサ出力に過電流が検出されたことに応じて異常検出信号FINVを出力する。例えば、インバータ140,150に設けられた自己保護回路は、電流センサによって検出された電流検出値と予め設定された過電流閾値とを比較し、電流検出値が過電流閾値以上となる場合に異常検出信号FINVを出力する。
また、インバータ140,150に設けられた自己保護回路は、電流センサの代わりに温度センサを含んで構成され、センサ出力に過熱が検出されたことに応じて異常検出信号FINVを出力してもよい。例えば、インバータ140,150に設けられた自己保護回路は、温度センサによって検出された温度検出値と予め設定された過熱閾値とを比較し、温度検出値が過熱閾値以上となる場合に異常検出信号FINVを出力する。
以下の説明において、モータジェネレータMG1に接続されたインバータ140の自己保護回路から出力された異常検出信号を異常検出信号GFINVと称し、モータジェネレータMG2に接続されたインバータ150の自己保護回路から出力された異常検出信号を異常検出信号MFINVと称する場合がある。インバータ140の自己保護回路は、異常検出信号GFINVを制御装置200と停止回路300とに出力する。同様に、インバータ150の自己保護回路は、異常検出信号MFINVを制御装置200と停止回路300とに出力する。なお、駆動回路T11〜T16及び駆動回路T21〜T26のそれぞれが自己保護回路の機能を備えていてもよい。本実施形態において、インバータ140,150に設けられた自己保護回路が「異常検出部」の一例に相当する。また、異常検出信号GFINVが「第1の異常検出信号」の一例に相当し、異常検出信号MFINVが「第2の異常検出信号」の一例に相当する。
停止回路300は、インバータ140の自己保護回路から異常検出信号GFINVを受けた場合、インバータ140の遮断を指示する遮断信号をインバータ140の駆動回路T11〜T16に出力する。インバータ140の駆動回路T11〜T16は、停止回路300からの遮断信号に応答してスイッチング素子Q11〜Q16のスイッチング動作を停止させる。これにより、過電流(過熱)によるスイッチング素子Q11〜Q16の損傷を防止する。スイッチング素子Q11〜Q16のスイッチング動作が停止することで、モータジェネレータMG1の駆動が停止する。さらに、停止回路300は、異常検出信号GFINVを受けた場合、制御バランスを保ちインバータ150のスイッチング素子Q21〜Q26を保護するために、インバータ150の遮断を指示する遮断信号をインバータ150の駆動回路T21〜T26に出力する。インバータ150の駆動回路T21〜T26は、停止回路300からの遮断信号に応答してスイッチング素子Q21〜Q26のスイッチング動作を停止させる。これにより、過電流(過熱)によるスイッチング素子Q21〜Q26の損傷を防止する。スイッチング素子Q21〜Q26のスイッチング動作が停止することで、モータジェネレータMG2の駆動が停止する。
同様に、停止回路300は、インバータ150の自己保護回路から異常検出信号MFINVを受けた場合、インバータ150の遮断を指示する遮断信号をインバータ150の駆動回路T21〜T26に出力する。インバータ150の駆動回路T21〜T26は、停止回路300からの遮断信号に応答してスイッチング素子Q21〜Q26のスイッチング動作を停止させる。さらに、停止回路300は、異常検出信号MFINVを受けた場合、制御バランスを保ちインバータ140のスイッチング素子Q11〜Q16を保護するために、インバータ140の遮断を指示する遮断信号をインバータ140の駆動回路T11〜T16に出力する。インバータ140の駆動回路T11〜T16は、停止回路300からの遮断信号に応答してスイッチング素子Q11〜Q16のスイッチング動作を停止させる。
以上のように、異常検出信号GFINV,MFINVのいずれかが停止回路300に入力された場合、停止回路300は、インバータ140のスイッチング素子Q11〜Q16とインバータ150のスイッチング素子Q21〜Q26との両方を停止させる。これにより、インバータ140,150の制御のバランスを保ち、過電流(過熱)によるスイッチング素子Q11〜Q16,Q21〜Q26の損傷を防止する。
また、停止回路300は、モータジェネレータMG1のインバータ140のスイッチング動作を停止させた場合、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報を制御装置200に出力する。同様に、停止回路300は、モータジェネレータMG2のインバータ150のスイッチング動作を停止させた場合、モータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報を制御装置200に出力する。本実施形態では、異常検出信号GFINV,MFINVのいずれかが停止回路300に入力された場合、停止回路300はインバータ140,150の両方のスイッチング動作を停止させ、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報とモータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報とを制御装置200に出力する。なお、停止回路300が「停止処理部」の一例に相当し、ダイアグ情報が「停止情報」の一例に相当する。
制御装置200は、運転操作指令や車速等に基づいて、コンバータ110、インバータ140及びインバータ150のスイッチング動作を制御することにより、モータジェネレータMG1,MG2を制御する。また、車両がハイブリッド自動車の場合、制御装置200は、エンジンENG及びモータジェネレータMG1,MG2を制御する。例えば、制御装置200は、トルク指令値及びモータジェネレータMG1,MG2の回転数を受け、電圧センサ124から出力電圧VHを受け、電流センサ141,142,151,152から電流検出値を受ける。
モータジェネレータMG1を駆動する場合、制御装置200は、出力電圧VH、トルク指令値及びモータジェネレータMG1の電流検出値に基づいて、インバータ140のスイッチング素子Q11〜Q16のスイッチング動作を制御するためのスイッチング制御信号SG11〜SG16を生成し、スイッチング制御信号SG11〜SG16をインバータ140に出力する。また、モータジェネレータMG1の駆動を禁止する場合、制御装置200は、インバータ140のスイッチング素子Q11〜Q16のそれぞれがスイッチング動作を停止するようにスイッチング制御信号SG11〜SG16を生成し、スイッチング制御信号SG11〜SG16をインバータ140に出力する。また、モータジェネレータMG1の回生制動を制御する場合、制御装置200は、モータジェネレータMG1によって発電された交流電圧を直流電圧VHに変換するように、スイッチング制御信号SG11〜SG16を生成し、スイッチング制御信号SG11〜SG16をインバータ140に出力する。
また、モータジェネレータMG2を駆動する場合、制御装置200は、出力電圧VH、トルク指令値及びモータジェネレータMG2の電流検出値に基づいて、インバータ150のスイッチング素子Q21〜Q26のスイッチング動作を制御するためのスイッチング制御信号SG21〜SG26を生成し、スイッチング制御信号SG21〜SG26をインバータ150に出力する。また、モータジェネレータMG2の駆動を禁止する場合、制御装置200は、インバータ150のスイッチング素子Q21〜Q26のそれぞれがスイッチング動作を停止するようにスイッチング制御信号SG21〜SG26を生成し、スイッチング制御信号SG21〜SG26をインバータ150に出力する。また、モータジェネレータMG2の回生制動を制御する場合、制御装置200は、モータジェネレータMG2によって発電された交流電圧を直流電圧VHに変換するように、スイッチング制御信号SG21〜SG26を生成し、スイッチング制御信号SG21〜SG26をインバータ150に出力する。
また、制御装置200は、システムリレーSMRB,SMRP,SMRGをオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSMRB,SMRP,SMRGに出力する。
モータジェネレータMG1,MG2が停止回路300によって停止させられた場合、制御装置200は、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報とモータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報とを停止回路300から受ける。また、インバータ140に異常が発生した場合、制御装置200は、異常検出信号GFINVをインバータ140の自己保護回路から受ける。同様に、インバータ150に異常が発生した場合、制御装置200は、異常検出信号MFINVをインバータ150の自己保護回路から受ける。
制御装置200は、モータジェネレータMG1,MG2のダイアグ情報を受けた場合、異常が発生していないモータジェネレータの駆動を復帰させる。これにより、異常が発生していないモータジェネレータによって退避走行を行う。以下、インバータ140,150のいずれかに異常が発生した場合において、断線等の故障が発生しないで異常検出信号FINVが自己保護回路から制御装置200に正常に入力された場合と、断線等の故障が発生して異常検出信号FINVが自己保護回路から制御装置200に入力されない場合とに分けて、制御装置200の動作について説明する。
まず、図2を参照して、断線等の故障が発生しないで異常検出信号FINVが自己保護回路から制御装置200に正常に入力された場合について説明する。一例として、モータジェネレータMG1のインバータ140に過電流(又は過熱)が発生した場合について説明する。上述したように、インバータ140に設けられた自己保護回路が過電流(又は過熱)を検出した場合、その自己保護回路は異常検出信号GFINVを制御装置200と停止回路300とに出力する。停止回路300は、インバータ140の自己保護回路から異常検出信号GFINVを受けた場合、インバータ140の遮断を指示する遮断信号をインバータ140の駆動回路T11〜T16に出力し、インバータ150の遮断を指示する遮断信号をインバータ150の駆動回路T21〜T26に出力する。インバータ140の駆動回路T11〜T16は、停止回路300からの遮断信号に応答してスイッチング素子Q11〜Q16のスイッチング動作を停止させる。同様に、インバータ150の駆動回路T21〜T26は、停止回路300からの遮断信号に応答してスイッチング素子Q21〜Q26のスイッチング動作を停止させる。そして、停止回路300は、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報とモータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報とを制御装置200に出力する。制御装置200は、異常が発生したインバータ140の自己保護回路から異常検出信号GFINVを受け、モータジェネレータMG1,MG2の駆動の停止を示すダイアグ情報を受けると、異常が発生して異常検出信号GFINVを出力したインバータ140とは別のインバータ150のスイッチング動作を復帰させることで、異常が発生していないモータジェネレータMG2を駆動する。これにより、異常が発生していないモータジェネレータMG2によって退避走行が可能となる。なお、モータジェネレータMG1のインバータ140に異常が発生せず、モータジェネレータMG2のインバータ150に異常が発生した場合、制御装置200は、異常が発生していないモータジェネレータMG1を駆動する。これにより、異常が発生していないモータジェネレータMG1によって退避走行が可能となる。
次に、図3及び図4を参照して、断線等の故障が発生して異常検出信号が自己保護回路から制御装置200に入力されない場合について説明する。一例として、モータジェネレータMG1のインバータ140に異常が発生した場合について説明する。
インバータ140に過電流(又は過熱)が発生した場合、インバータ140に設けられた自己保護回路は過電流(又は過熱)を検出し(ステップS01)、異常検出信号GFINVを制御装置200と停止回路300とに出力する(ステップS02)。例えば図3に示すように、インバータ140の自己保護回路から制御装置200に異常検出信号GFINVを送るための配線が断線している場合、異常検出信号GFINVは制御装置200に入力されない。
停止回路300は、上述したように、インバータ140の自己保護回路から異常検出信号GFINVを受けた場合、インバータ140のスイッチング動作を停止させることでモータジェネレータMG1の駆動を停止させ、インバータ150のスイッチング動作を停止させることでモータジェネレータMG2の駆動を停止させる(ステップS03)。
そして、停止回路300は、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報とモータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報とを制御装置200に出力する(ステップS04)。制御装置200は、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報とモータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報とを検出する(ステップS05)。
断線等の故障によって異常検出信号GFINVが自己保護回路から制御装置200に入力されない場合、インバータ140,150のいずれに異常が発生したのかが不明であるため、制御装置200は、異常が発生したインバータ140を異常検出信号FINVに基づいて特定することができない。すなわち、制御装置200は、異常が発生していないインバータ150を異常検出信号に基づいて特定し、インバータ150のスイッチング動作を復帰させることができない。
そこで、本実施形態においては、制御装置200は、インバータ140,150に過去に流れた電流の値(電流値の履歴)に基づいて、異常が発生したインバータを特定する。すなわち、制御装置200は、インバータ140,150の電流値の履歴に基づいて、異常が発生していないインバータ150を選択する(ステップS06)。例えば、制御装置200は、電流センサ141,142,151,152から過去に出力された電流検出値と予め設定された過電流閾値とを比較し、電流検出値が過電流閾値以上となったインバータを特定する。すなわち、制御装置200は、過電流閾値以上の電流を供給したインバータを特定する。電流検出値が過電流閾値以上となったインバータが、過電流が発生したインバータである。一例として、電流センサ141又は電流センサ142からの電流検出値が過電流閾値以上となり、電流センサ151,152からの電流検出値が過電流閾値未満となった場合、インバータ140が、過電流が発生したインバータであり、インバータ150は、過電流が発生していないインバータである。この場合、制御装置200は、異常が発生していないインバータとしてインバータ150を選択する。このように、制御装置200は、モータジェネレータMG1,MG2のダイアグ情報を検出した場合、インバータ140,150の電流値の履歴に基づいて、異常が発生していないインバータを選択する。なお、制御装置200は、インバータ140,150のそれぞれの自己保護回路から電流検出値を受けて、各自己保護回路が検出した電流検出値に基づいて、過電流が発生したインバータ140を特定し、過電流が発生していないインバータ150を選択してもよい。または、制御装置200は、インバータ140,150のそれぞれの自己保護回路から温度検出値を受けて、各自己保護回路が検出した温度検出値に基づいて、過熱が発生したインバータ140を特定し、過熱が発生していないインバータ150を選択してもよい。
そして、異常が発生していないモータジェネレータによって退避走行を行う(ステップS07)。すなわち、制御装置200は、異常が発生したインバータ140とは別のインバータ150のスイッチング動作を復帰させることで、異常が発生していないモータジェネレータMG2を駆動する。これにより、異常が発生していないモータジェネレータMG2によって退避走行が可能となる。
以上のように、断線等の故障が発生して異常検出信号FINVがインバータ140,150の自己保護回路から制御装置200に入力されない場合であっても、制御装置200は、モータジェネレータMG1,MG2に過去に供給された電流の値(電流値の履歴)に基づいて、異常が発生していないインバータ(モータジェネレータ)を特定し、異常が発生していないインバータ(モータジェネレータ)の駆動を復帰させることができる。これにより、異常検出信号FINVが制御装置200に入力されない場合であっても、異常が発生していないモータジェネレータによって退避走行が可能となる。
モータジェネレータMG2のインバータ150に過電流(又は過熱)が発生し、モータジェネレータMG1のインバータ140に過電流(又は過熱)が発生していない場合、インバータ140のスイッチング動作を復帰させることでモータジェネレータMG1を駆動して退避走行を行えばよい。
なお、インバータ140の自己保護回路が過電流(又は過熱)を検出した場合、インバータ140の自己保護回路がスイッチング素子Q11〜Q16のスイッチング動作を停止させ、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報を制御装置200に出力してもよい。同様に、インバータ150の自己保護回路が過電流(又は過熱)を検出した場合、インバータ150の自己保護回路がスイッチング素子Q21〜Q26のスイッチング動作を停止させ、モータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報を制御装置200に出力してもよい。例えば、インバータ140の自己保護回路とインバータ150の自己保護回路とが相互に制御信号を送受信することにより、インバータ140の自己保護回路及びインバータ150の自己保護回路のうちの一方によるスイッチング素子の停止処理に同期して、他方の自己保護回路がスイッチング素子の停止処理を行うようにしてもよい。すなわち、インバータ140の自己保護回路によるスイッチング素子Q11〜Q16の停止処理に同期して、インバータ150の自己保護回路がスイッチング素子Q21〜Q26の停止処理を行うようにしてもよい。同様に、インバータ150の自己保護回路によるスイッチング素子Q21〜Q26の停止処理に同期して、インバータ140の自己保護回路がスイッチング素子Q11〜Q16の停止処理を行うようにしてもよい。制御装置200は、インバータ140の自己保護回路から出力されたダイアグ情報に基づいて、インバータ140のスイッチング動作の停止(モータジェネレータMG1の停止)を検出する。同様に、制御装置200は、インバータ150の自己保護回路から出力されたダイアグ情報に基づいて、インバータ150のスイッチング動作の停止(モータジェネレータMG2の停止)を検出する。なお、インバータ140,150の自己保護回路がスイッチング素子のスイッチング動作を停止させる場合、インバータ140,150の自己保護回路が「異常検出部」及び「停止処理部」の一例に相当する。
断線等の故障が発生しないで異常検出信号FINVがインバータ140又はインバータ150の自己保護回路から制御装置200に正常に入力された場合、制御装置200は、異常が発生したインバータを異常検出信号FINVに基づいて特定し、異常が発生していないインバータのスイッチング動作を復帰させる。これにより、異常が発生していないモータジェネレータによって退避走行が可能となる。
一方、断線等の故障によって異常検出信号FINVがインバータ140又はインバータ150の自己保護回路から制御装置200に入力されない場合、制御装置200は、電流センサ141,142,151,152から過去に出力された電流検出値に基づいて、異常が発生したインバータを特定し、異常が発生していないインバータのスイッチング動作を復帰させる。これにより、異常が発生していないモータジェネレータによって退避走行が可能となる。なお、制御装置200は、インバータ140,150のそれぞれの自己保護回路から電流検出値(又は温度検出値)を受けて、各自己保護回路が検出した電流検出値(又は温度検出値)に基づいて、過電流(又は過熱)が発生したインバータを特定し、過電流(又は過熱)が発生していないインバータのスイッチング動作を復帰させてもよい。
次に、図5から図7を参照して、変形例に係るモータ制御装置について説明する。上述した実施形態では、モータジェネレータMG1,MG2に供給される電流の値に基づいて、異常が発生していないインバータ(モータジェネレータ)を選択する場合について説明した。別の例として、インバータ140,150に出力される出力電圧VHに基づいて、退避走行可能なモータジェネレータを選択してもよい。変形例に係るモータ制御装置の構成は、図1に示すモータ制御装置の構成と同じである。
変形例においては、電圧センサ124は、出力電圧VHに過電圧が検出されたことに応じて異常検出信号OVHを制御装置200と停止回路300とに出力する。例えば、電圧センサ124は、出力電圧VHと予め設定された過電圧閾値とを比較し、出力電圧VHが過電圧閾値以上となる場合に異常検出信号OVHを出力する。なお、電圧センサ124が「異常検出部」の一例に相当する。
以下、出力電圧VHに過電圧が検出された場合において、断線等の故障が発生しないで異常検出信号OVHが電圧センサ124から制御装置200に正常に入力された場合と、断線等の故障が発生して異常検出信号OVHが電圧センサ124から制御装置200に入力されない場合とに分けて、制御装置200及び停止回路300の動作について説明する。
まず、図5を参照して、断線等の故障が発生しないで異常検出信号OVHが電圧センサ124から制御装置200に正常に入力された場合について説明する。上述したように、電圧センサ124が過電圧を検出した場合、異常検出信号OVHを制御装置200と停止回路300とに出力する。停止回路300は、電圧センサ124から異常検出信号OVHを受けた場合、コンバータ110の遮断を指示する遮断信号をコンバータ110に出力し、インバータ140の遮断を指示する遮断信号をインバータ140の駆動回路T11〜T16に出力し、インバータ150の遮断を指示する遮断信号をインバータ150の駆動回路T21〜T26に出力する。コンバータ110は、停止回路300からの遮断信号に応答してスイッチング素子Q31,Q32のスイッチング動作を停止させる。また、インバータ140の駆動回路T11〜T16は、停止回路300からの遮断信号に応答してスイッチング素子Q11〜Q16のスイッチング動作を停止させる。同様に、インバータ150の駆動回路T21〜T26は、停止回路300からの遮断信号に応答してスイッチング素子Q21〜Q26のスイッチング動作を停止させる。これにより、インバータ140,150のそれぞれのスイッチング素子を過電圧から保護する。また、出力電圧VHが過電圧となっている場合、コンバータ110に異常が発生していることがあるため、コンバータ110のスイッチング動作を停止させる。そして、停止回路300は、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報と、モータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報と、コンバータ110の停止を示すダイアグ情報とを制御装置200に出力する。制御装置200は、電圧センサ124から異常検出信号OVHを受け、モータジェネレータMG1,MG2の駆動の停止を示すダイアグ情報を受けると、コンバータ110のスイッチング動作を停止させた状態で、インバータ140又はインバータ150のスイッチング動作を復帰させる。例えば、制御装置200は、コンバータ110及びインバータ140のスイッチング動作を停止させた状態で、インバータ150のスイッチング動作を復帰させることでモータジェネレータMG2を駆動する。コンバータ110のスイッチング動作が停止しているため、コンバータ110による昇圧は行われず、モータジェネレータMG2は直流電源100の放電によって駆動される。
以上のように、モータジェネレータMG1,MG2のダイアグ情報と異常検出信号OVHとが制御装置200に入力されているが、インバータ140,150の異常検出信号GFINV,MFINVが制御装置200に入力されていない場合、インバータ140,150に異常は発生しておらず、出力電圧VHが過電圧になっていると判断することができる。すなわち、モータジェネレータMG1,MG2のダイアグ情報が出力された理由は、インバータ140,150の異常に起因するものではなく、出力電圧VHが過電圧になっていることに起因するものであることが分かる。インバータ140,150に異常が発生していないため、例えば一旦停止させたインバータ150のスイッチング動作を復帰させてモータジェネレータMG2を駆動することで、モータジェネレータMG2によって退避走行が可能となる。
次に、図6及び図7を参照して、断線等の故障が発生して異常検出信号OVHが電圧センサ124から制御装置200に入力されない場合について説明する。
電圧センサ124が過電圧を検出した場合(ステップS10)、異常検出信号OVHを制御装置200と停止回路300とに出力する(ステップS11)。例えば図6に示すように、電圧センサ124から制御装置200に異常検出信号OVHを送るための配線が断線している場合、異常検出信号OVHは制御装置200に入力されない。
停止回路300は、上述したように、電圧センサ124から異常検出信号OVHを受けた場合、コンバータ110のスイッチング動作を停止させ、インバータ140のスイッチング動作を停止させることでモータジェネレータMG1の駆動を停止させ、インバータ150のスイッチング動作を停止させることでモータジェネレータMG2の駆動を停止させる(ステップS12)。
そして、停止回路300は、コンバータ110の停止を示すダイアグ情報と、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報と、モータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報とを制御装置200に出力する(ステップS13)。制御装置200は、コンバータ110の停止を示すダイアグ情報と、モータジェネレータMG1の駆動の停止を示すダイアグ情報と、モータジェネレータMG2の駆動の停止を示すダイアグ情報とを検出する(ステップS14)。
上述したように、モータジェネレータMG1,MG2のダイアグ情報が制御装置200に入力された場合に、インバータ140,150の異常検出信号GFINV,MFINVが制御装置200に入力されず、異常検出信号OVHが制御装置200に入力されていれば、インバータ140,150に異常が発生しておらず、出力電圧VHが過電圧になっていると判断できる。しかしながら、モータジェネレータMG1,MG2のダイアグ情報が制御装置200に入力され、断線等の故障によって異常検出信号OVHが電圧センサ124から制御装置200に入力されない場合、モータジェネレータMG1,MG2のダイアグ情報が発生した理由が、インバータ140,150の異常に起因するものなのか、出力電圧VHが過電圧になっていることに起因するものなのか、異常検出信号OVHに基づいて判断することができない。従って、制御装置200は、インバータ140又はインバータ150のスイッチング動作を復帰させることができず、モータジェネレータMG1又はモータジェネレータMG2を駆動することができない。
そこで、変形例においては、制御装置200は、電圧センサ124から過去に出力された出力電圧VHの履歴に応じて、インバータ140又はインバータ150のスイッチング動作を復帰させることで、モータジェネレータMG1又はモータジェネレータMG2を駆動する(ステップS15)。すなわち、制御装置200は出力電圧VHと予め設定された過電圧閾値とを比較し、出力電圧VHが過電圧閾値以上となった場合、インバータ140,150に異常がないと判断し、コンバータ110のスイッチング動作を停止させた状態で、インバータ140又はインバータ150のスイッチング動作を復帰させる。例えば、制御装置200は、インバータ150のスイッチング動作を復帰させることでモータジェネレータMG2の駆動を復帰させる。これにより、モータジェネレータMG2によって退避走行が可能となる。
以上のように、断線等の異常が発生して異常検出信号OVHが電圧センサ124から制御装置200に入力されない場合であっても、制御装置200は、電圧センサ124から過去に出力された出力電圧VHの履歴に基づいて、インバータ140,150に異常が発生していないと判断し、例えばインバータ150(モータジェネレータMG2)の駆動を復帰させることができる。これにより、異常検出信号OVHが制御装置200に入力されない場合であっても、異常が発生していないモータジェネレータによって退避走行が可能となる。
上述した制御装置200は、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現され、例えば電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。具体的には、制御装置200の機能は、記録媒体に記録されたプログラムがメモリに読み出されてCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより実行されることによって実現される。上記のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されることも可能であるし、データ信号として通信により提供されることも可能である。なお、制御装置200は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、制御装置200は、物理的に1つの装置により実現されてもよいし、複数の装置により実現されてもよい。
100 直流電源、110 コンバータ、120 電源ライン、124 電圧センサ、130 アースライン、140,150 インバータ、141,142,151,152 電流センサ、200 制御装置、300 停止回路、D11〜D16,D21〜D26,D31,D32 ダイオード、Q11〜Q16,Q21〜Q26,Q31,Q32 スイッチング素子、T11〜T16,T21〜T26 駆動回路、MG1,MG2 モータジェネレータ、ENG エンジン。
Claims (3)
- 電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換して車両に搭載された第1のモータに供給する第1のインバータと、
前記電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換して前記車両に搭載された第2のモータに供給する第2のインバータと、
前記第1のインバータの異常を検出した場合に第1の異常検出信号を出力し、前記第2のインバータの異常を検出した場合に第2の異常検出信号を出力する異常検出部と、
前記第1の異常検出信号又は前記第2の異常検出信号を前記異常検出部から受けた場合、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの動作を停止させることで前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動を停止させ、前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動の停止を示す停止情報を出力する停止処理部と、
前記停止情報及び前記第1の異常検出信号を受けた場合、前記第2のインバータを動作させることで前記第2のモータを駆動し、前記停止情報及び前記第2の異常検出信号を受けた場合、前記第1のインバータを動作させることで前記第1のモータを駆動し、前記停止情報を前記停止処理部から受けて前記第1の異常検出信号及び前記第2の異常検出信号を前記異常検出部から受けていない場合、前記第1のインバータから前記第1のモータに供給された電流と予め設定された過電流閾値とを比較し、前記第2のインバータから前記第2のモータに供給された電流と前記過電流閾値とを比較し、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータのうち前記過電流閾値未満の電流を供給したインバータを動作させることで、前記第1のモータ又は前記第2のモータのいずれか一方を駆動する制御部と、
を有することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1に記載のモータ制御装置であって、
前記異常検出部は、前記第1のインバータのスイッチング素子に流れる電流が前記過電流閾値以上となる場合に前記第1の異常検出信号を出力し、前記第2のインバータのスイッチング素子に流れる電流が前記過電流閾値以上となる場合に前記第2の異常検出信号を出力する、
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 電源から供給される直流電圧を調整するコンバータと、
前記コンバータによって調整された直流電圧を交流電圧に変換して車両に搭載された第1のモータに供給する第1のインバータと、
前記コンバータによって調整された直流電圧を交流電圧に変換して前記車両に搭載された第2のモータに供給する第2のインバータと、
前記コンバータによって調整された直流電圧が予め設定された過電圧閾値以上となる場合に異常検出信号を出力する異常検出部と、
前記異常検出信号を前記異常検出部から受けた場合、前記コンバータ、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの動作を停止させることで前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動を停止させ、前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動の停止を示す停止情報を出力する停止処理部と、
前記停止情報及び前記異常検出信号を受けた場合、前記コンバータの動作を停止させた状態で、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータのいずれか一方を動作させることで前記第1のモータ又は前記第2のモータのいずれか一方を駆動し、前記停止情報を前記停止処理部から受けて前記異常検出信号を前記異常検出部から受けていない場合、前記コンバータによって調整された直流電圧と前記過電圧閾値とを比較し、前記コンバータによって調整された直流電圧が前記過電圧閾値以上となる場合、前記コンバータの動作を停止させた状態で、前記第1のインバータ又は前記第2のインバータのいずれか一方を動作させることで前記第1のモータ又は前記第2のモータのいずれか一方を駆動する制御部と、
を有することを特徴とするモータ制御装置。
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- 2011-10-28 JP JP2011237253A patent/JP2013099027A/ja active Pending
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