JP2013207831A - 電動車両 - Google Patents

電動車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2013207831A
JP2013207831A JP2012071425A JP2012071425A JP2013207831A JP 2013207831 A JP2013207831 A JP 2013207831A JP 2012071425 A JP2012071425 A JP 2012071425A JP 2012071425 A JP2012071425 A JP 2012071425A JP 2013207831 A JP2013207831 A JP 2013207831A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
control
value
abnormality
inverter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012071425A
Other languages
English (en)
Inventor
Noritake Mitsuya
典丈 光谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012071425A priority Critical patent/JP2013207831A/ja
Publication of JP2013207831A publication Critical patent/JP2013207831A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】複数の電動機および複数の電力変換器を搭載した電動車両において、過電流発生による自己保護機能によって各電力変換器が停止した後の再起動時に、各電流検出器の異常を判定する。
【解決手段】ECU170は、コンバータ200およびインバータ210,220のいずれかで過電流による自己保護停止が発生すると、コンバータ200およびインバータ210,220の各々を一旦停止させる。ECU170は、過電流による自己保護停止後に、電流フィードバック制御によるMG1,MG2のモータ制御を再開するリトライ制御を実行する。リトライ制御では、電流フィードバック制御における電流上限ガード値が段階的に上昇されるとともに、各段階において、電流フィードバック制御中のセンサ出力値および制御情報に基づいて、MG1の電流センサ211およびMG2の電流センサ221の異常有無が個別に判定される。
【選択図】図3

Description

この発明は電動車両に関し、より特定的には、電流制御された電動機によって車両駆動力を発生する電動車両に関する。
電動機によって車両駆動力を発生するように構成された、電気自動車、ハイブリッド自動車および燃料電池自動車等の電動車両では、電動機の出力トルク制御が、電流制御によって実行されることが一般的である。電動機の電流は、インバータに代表される、複数の電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」とも称する)によって構成された電力変換器によって制御される。
このような電力変換器には、通常、過電流に対する自己保護機能として、過電流の発生時に全スイッチング素子のスイッチング動作を停止させるための自己保護回路が設けられる。
特開2005−341731号公報(特許文献1)には、このような過電流自己保護によって電力変換器(トラクションインバータ)が停止された場合に、車両停止させることなく通常走行に復帰するための電動機制御(リトライ制御)が記載される。特許文献1によるリトライ制御では、並列配置された2個の直流電源からトラクションインバータへ電力を供給するように構成された電気自動車におけるリトライ制御が記載される。
また、特開2008−245372号公報(特許文献2)には、複数のインバータを搭載した電動車両において、複数のインバータの一部のインバータに過電流が発生した場合の退避走行のための制御が記載されている。具体的には、一方のインバータに過電流が発生した場合に、当該一方のインバータを停止させるとともに、他方のインバータの駆動により走行モータまたは発電機を駆動させることによって車両の安全な退避走行を行なうことが記載されている。
特開2005−130615号公報(特許文献3)には、複数のモータジェネレータを駆動する複数の駆動装置(インバータ)を過電圧破壊から保護するための制御が記載されている。具体的には、モータジェネレータMG1,MG2について、一方が回生モードであり他方が力行モードにあるときにおける、インバータ遮断の制御が記載されている。
また特開2007−267544号公報(特許文献4)には、車両駆動用電動機に対して交流電圧を出力するインバータ回路を再起動する際の制御が記載されている。具体的には、インバータ回路が保護動作により停止した後の再起動において、走行中の車両の乗り心地を悪化させないように電動機の出力を制御するためのインバータ制御が記載されている。
さらに、特開2009−201194号公報(特許文献5)には、回転に伴って逆起電力を発生する回転電機を駆動制御するシステムにおいて、過電流形成に伴うゲート遮断時に短絡故障の発生部位を特定するための異常検出装置が記載されている。具体的には、過電流検出に応答した対応のインバータのゲート遮断をする際に、遮断中のセンサ系の検出に基づいて短絡部位の特定を行なうことが記載されている。
特開2005−341731号公報 特開2008−245372号公報 特開2005−130615号公報 特開2007−267544号公報 特開2009−201194号公報
複数の電動機が搭載された電動車両では、電動機をそれぞれ駆動制御する複数の電力変換器のいずれかで過電流によって自己保護回路が作動した場合には、一旦、全ての電力変換器が、全スイッチング素子をオフすることにより、強制的に停止される。その後、車両停止させることなく各電力変換器を再起動することによって、特許文献1のようなリトライ制御により車両走行が継続される。
過電流の発生には種々の原因が想定されるが、原因の一つとして、電流検出器の異常が挙げられる。特に、電流検出器が実際の電流値よりも低い検出器を出力している場合には、ハードウェアを含めた電流制御系そのものは正常に動作していても、過電流が生じてしまう。このような異常で過電流が発生している場合には、異常が発生している電流検出器を不使用とすることにより、一部の電動機を駆動して走行(退避走行)を継続できる可能性がある。
一方で、電流検出器に異常が生じている場合には、リトライ制御中に正常な電流制御が行なわれても、同様の過電流が再現される可能性が高い。このため、リトライ制御中に、過電流を再現させることなく、電流検出器の異常をどのように判定するかが課題となる。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、複数の電動機および複数の電力変換器を搭載した電動車両において、過電流発生による自己保護によって各電力変換器が停止した後の再起動時に、各電流検出器の異常を判定することである。
この発明のある局面では、電動車両は、複数の電動機と、複数の電動機のそれぞれを駆動制御するための複数の電力変換器と、複数の電動機にそれぞれ対応して設けられた複数の電流検出器と、制御装置とを含む。制御装置は、複数の電流検出器による検出値に基づいて、複数の電動機の電流をフィードバック制御するように複数の電力変換器の動作を制御する。制御装置は、停止制御部と、リトライ制御部とを含む。停止制御部は、複数の電力変換器のいずれかで過電流による自己保護停止が発生したときに複数の電力変換器の各々を停止させる。リトライ制御部は、停止制御部による停止の後に、車両走行を継続した状態で電力変換器の再起動によって電流制御を再開する。リトライ制御部は、再開された電流制御における電流指令値の上限ガード値を段階的に上昇させるとともに、上限ガード値のそれぞれの段階において、複数の電流検出器の検出値に基づいて複数の電流検出器の各々の異常有無を判定するように構成される。
好ましくは、リトライ制御部は、再開された電流制御における制御応答性を、自己保護停止が発生する前よりも低く設定する。
また好ましくは、制御装置は、複数の電動機のそれぞれのトルク指令値に応じて、複数の電動機のそれぞれの電流指令値を設定するための電流指令生成部を含む。電流指令生成部は、上限ガード値のそれぞれの段階において、上限ガード値を超えない範囲内で電流指令値を生成する。
あるいは好ましくは、制御装置は、リトライ制御部によっていずれかの電流検出器の異常が検出された場合には、異常が検出された電流検出器に対応する電力変換器を停止させて、残りの電力変換器に対応する電動機を用いた退避走行を実行する。
この発明によれば、複数の電動機および複数の電力変換器を搭載した電動車両において、過電流発生による自己保護によって各電力変換器が停止した後の再起動時に、各電流検出器の異常を判定することができる。
本発明の実施の形態による電動車両の代表例として示されるハイブリッド車両の全体構成を説明するブロック図である。 図1のハイブリッド車両におけるエンジンおよび電動機間の回転数の関係を示す共線図である。 図1に示した電動機を駆動するための電気システムの構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態によるハイブリッド車両における電動機制御を説明するための機能ブロック図である。 電流センサ異常時の電流挙動を説明する概念図である。 図4に示したリトライ制御部による制御動作を説明するための第1のフローチャートである。 図4に示したリトライ制御部による制御動作を説明するための第2のフローチャートである。 電流上限ガード値の設定を説明するための概念図である。 リトライ制御中における電流センサ異常時の電流挙動を説明する概念図である。 電流上限ガード値の段階的な設定と検出可能な電流センサ異常との対応関係を説明するための概念図である。
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態による電動車両の代表例として示されるハイブリッド車両の全体構成を説明するブロック図である。
図1を参照して、ハイブリッド車両は、エンジン100と、第1モータジェネレータ110(以下、単に「MG1」とも称する)と、第2モータジェネレータ120(以下、単に「MG2」とも称する)と、動力分割機構130と、減速機140と、バッテリ150と、ECU(Electronic Control Unit)170とを備える。MG1およびMG2は、「複数の電動機」に対応する。
図1に示すハイブリッド車両は、エンジン100およびMG2のうちの少なくとも一方からの駆動力により走行する。エンジン100、MG1およびMG2は、動力分割機構1
30を介して接続されている。エンジン100が発生する動力は、動力分割機構130により、2経路に分割される。一方は減速機140を介して駆動輪190を駆動する経路である。もう一方は、MG1を駆動させて発電する経路である。
エンジン100は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する「内燃機関」である。エンジン100は、ECU170からの指令に従って、停止あるいは起動される。エンジン起動後には、エンジン100がECU170によって定められた動作点(トルク・回転数)で動作するように、燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量制御などのエンジン制御が実行される。エンジン100には、図示しないクランクシャフトのクランク角度やエンジン回転数等、エンジン100の運転状態を検出する各種センサが設けられている。これらのセンサ出力は、必要に応じてECU170へ伝達される。
MG1およびMG2の各々は、代表的には三相の交流回転電機である。MG1は、動力分割機構130により分割されたエンジン100の動力により発電する。MG1により発電された電力は、車両の走行状態や、バッテリ150のSOC(State Of Charge)に
応じて使い分けられる。たとえば、通常走行時では、MG1により発電された電力はそのままMG2を駆動させる電力となる。一方、バッテリ150のSOCが予め定められた値よりも低い場合、MG1により発電された電力は、後述するインバータにより交流から直流に変換される。その後、後述するコンバータにより電圧が調整されてバッテリ150に蓄えられる。
MG1が発電機として作用している場合、MG1は負のトルクを発生している。ここで、負のトルクとは、エンジン100の負荷となるようなトルクをいう。MG1が電力の供給を受けて電動機として作用している場合、MG1は正のトルクを発生する。ここで、正のトルクとは、エンジン100の負荷とならないようなトルク、すなわち、エンジン100の回転をアシストするようなトルクをいう。なお、MG2についても同様である。代表的には、エンジン100の起動時に、MG1はエンジン100をモータリングするための正のトルクを出力する。
MG2は、バッテリ150に蓄えられた電力およびMG1により発電された電力のうちの少なくとも一方の電力によりトルクを発生する。MG2のトルクは、減速機140を介して駆動輪190に伝えられる。これにより、MG2はエンジン100をアシストしたり、MG2からの駆動力により車両を走行させたりする。
ハイブリッド車両の回生制動時には、減速機140を介して駆動輪190によりMG2が駆動され、MG2が発電機として作動する。これによりMG2は、制動エネルギを電力に変換する回生ブレーキとして作動する。MG2により発電された電力は、バッテリ150に蓄えられる。
動力分割機構130は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車から構成される。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤが自転可能であるように支持する。サンギヤはMG1の回転軸に連結される。キャリアはエンジン100のクランクシャフトに連結される。リングギヤはMG2の回転軸および減速機140に連結される。
エンジン100、MG1およびMG2が、遊星歯車からなる動力分割機構130を介して連結されることで、エンジン100、MG1およびMG2の回転数は、図2に示すように、共線図において直線で結ばれる関係になる。
図1に示すハイブリッド車両は、発進時や低車速時等のエンジン100の効率が悪い運
転領域では、基本的には、エンジン100を停止してMG2による駆動力のみによって走行する。そして、通常走行時には、エンジン100を効率の高い領域で作動させるとともに、動力分割機構130によりエンジン100の動力を2経路に分ける。一方の経路に伝達された動力は、駆動輪190を駆動する。他方の経路に伝達された動力は、MG1を駆動して発電を行なう。このとき、MG2は、MG1の発電電力を用いてトルクを出力することによって、駆動輪190の駆動を補助する。また、高速走行時には、さらにバッテリ150からの電力をMG2に供給することでMG2のトルクを増大させることにより、駆動輪190に対して駆動力の追加を行なう。
一方、減速時には、駆動輪190により従動するMG2が発電機として機能して回生制動による発電を行なう。回生発電によって回収された電力は、バッテリ150に充電される。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車を運転するドライバによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両減速(または加速の中止)させることを含む。
バッテリ150は、複数の二次電池セル(図示せず)により構成された組電池である。バッテリ150の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ150には、MG1およびMG2が発電した電力の他、車両の外部電源から供給される電力によって充電されてもよい。
エンジン100、MG1およびMG2は、ECU170により制御される。なお、ECU170は複数のECUに分割するようにしてもよい。ECU170は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニットにより構成
され、当該メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、各センサによる検出値を用いた演算処理を行なうように構成される。あるいは、ECUの少なくとも一部は、電子回路等のハードウェアにより所定の数値・論理演算処理を実行するように構成されてもよい。
図3には、図1に示したMG1,MG2を駆動するための電気システムの構成が示される。
図3を参照して、ハイブリッド車両には、コンバータ200と、MG1を駆動制御するための第1インバータ210と、MG2を駆動制御するための第2インバータ220と、SMR(System Main Relay)250とが設けられる。
SMR250は、バッテリ150とコンバータ200との間に設けられる。SMR250が開放されると、バッテリ150が電気システムから遮断される。一方、SMR250が閉成されると、バッテリ150が電気システムに接続される。これにより、バッテリ150の出力電圧に応じた直流電圧VLがコンバータ200へ供給される。直流電圧VLは、電圧センサ182により検出される。電圧センサ182の検出結果は、ECU170に送信される。
SMR250の状態は、ECU170により制御される。たとえば、ハイブリッド車両のシステム起動を指示するパワーオンスイッチ(図示せず)のオン操作に応答して、SMR250が閉成される一方で、パワーオンスイッチのオフ操作に応答して、SMR250は開放される。
コンバータ200は、リアクトルと、直列接続された2個の電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」とも称する)Q1,Q2と、各スイッチング素子
に対応して設けられた逆並列ダイオードと、リアクトルとを含む。電力用半導体スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、電力用バイポーラトランジスタ等を適
宜採用することができる。
リアクトルは、バッテリ150の正極側に一端が接続され、スイッチング素子Q1,Q2の接続点に他端が接続される。各スイッチング素子Q1,Q2のオンオフは、ECU170により制御される。以下では、スイッチング素子Q1を上アーム素子とも称し、スイッチング素子Q2を下アーム素子とも称する。
コンバータ200と、第1インバータ210および第2インバータ220との間の直流電圧VH(以下、システム電圧VHとも称する)は、電圧センサ180により検出される。電圧センサ180の検出結果は、ECU170に送信される。
コンバータ200は、ECU170からの制御信号SCVに従ったスイッチング素子Q1および/またはQ2のオンオフ制御により、直流電圧VLおよびVHの間で双方向の直流電圧変換を実行するように構成されている。
コンバータ200による電圧変換比(VH/VL)は、スイッチング素子Q1,Q2のデューティ比に応じて制御される。基本的には、スイッチング素子Q1およびQ2は、各スイッチング周期内で相補的かつ交互にオンオフするように制御される。このようにすると、コンバータ200の制御動作を特に切換えることなく、バッテリ150の充電および放電のいずれにも対応して、直流電圧VHを制御することができる。なお、直流電圧VHを直流電圧VLから昇圧する必要がない場合には、スイッチング素子Q1およびQ2をオンおよびオフにそれぞれ固定することにより、VH=VL(電圧変換比=1.0)とすることもできる。
第1インバータ210は、一般的な三相インバータで構成され、並列接続されたU相アーム、V相アームおよびW相アームを含む。U相アーム、V相アームおよびW相アームは、各々、直列に接続された2個のスイッチング素子(上アーム素子および下アーム素子)を有する。各スイッチング素子には、逆並列ダイオードが接続される。
MG1は、星型結線されたU相コイル、V相コイルおよびW相コイルを固定子巻線として有する。各相コイルの一端は、中性点112で互いに接続される。各相コイルの他端は、第1インバータ210の各相アームのスイッチング素子の接続点とそれぞれ接続される。
第1インバータ210は、ECU170からの制御信号SIV1に従ったスイッチング素子のオンオフ制御により、MG1の各相コイルの電流または電圧を制御する。第1インバータ210は、直流電圧VHを交流電圧に変換してMG1に供給する電力変換動作と、MG1により発電された交流電力を直流電力(直流電圧VH)に変換する電力変換動作との双方向の電力変換を実行可能である。
電流センサ211は、MG1に流れる電流を検出するように設けられる。電流センサ211によって検出されたモータ電流MCRT(1)は、ECU170へ出力される。モータ電流MCRT(1)は、MG1の三相電流iu,iv,iwを包括的に示すものである。三相電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図3に示すように電流センサ211は2相分のモータ電流(たとえば、V相電流およびW相電流)を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)201は、MG1のロータ回転角を検出し、検出した回転角θ(1)をECU170へ送出する。ECU170では、回転角θ(1)に基づきMG1の回転数および角速度ωe(rad/s)を算出できる。
第2インバータ220は、第1インバータ210と同様に、一般的な三相インバータで構成される。MG2は、MG1と同様に、星型結線されたU相コイル、V相コイルおよびW相コイルを固定子巻線として有する。各相コイルの一端は、中性点122で互いに接続される。各相コイルの他端は、第2インバータ220の各相アームのスイッチング素子の接続点とそれぞれ接続される。
第2インバータ220は、ECU170からの制御信号SIV2に従ったスイッチング素子のオンオフ制御により、MG2の各相コイルの電流または電圧を制御する。第2インバータ220についても、直流電圧VHを交流電圧に変換してMG2に供給する電力変換動作と、MG2により発電された交流電力を直流電力(直流電圧VH)に変換する電力変換動作との双方向の電力変換を実行可能である。
MG1に対して回転角センサ201および電流センサ211が設けられるのと同様に、MG2には、回転角センサ202および電流センサ221が設けられる。回転角センサ202によって検出されたMG2の回転角θ(2)および電流センサ221によって検出されたモータ電流MCRT(2)は、ECU170へ出力される。なお、回転角センサ201,202については、回転角θ(1),θ(2)をECU170にてモータ電圧や電流から直接演算することによって、配置を省略してもよい。
ECU170は、車両走行に要求される出力(車両駆動トルク、発電トルク等)を発生するために設定される動作指令値(代表的にはトルク指令値)に従ってMG1,MG2が動作するように、制御信号SIV1,SIV2を生成する。制御信号SIV1,SIV2は、第1インバータ210および第2インバータ220へ出力される。より具体的には、ECU170は、モータ電流MCRT(1),MCRT(2)のフィードバック制御によって、制御信号SIV1,SIV2を生成する。
ECU170は、直流電圧VHを電圧指令値に制御するように、制御信号SCVを生成する。制御信号SCVは、コンバータ200へ出力される。電圧指令値は、MG1,MG2の動作状態に応じて設定される。より具体的には、ECU170は、直流電圧VHのフィードバック制御によって、制御信号SCVを生成する。
コンバータ200、第1インバータ210および第2インバータ220の各々は、過電流に対する自己保護機能を有する。たとえば、第1インバータ210に過電流が発生すると、自己保護回路(図3に図示せず)が作動することにより、第1インバータ210が強制的に停止される。これにより、第1インバータ210を構成する各スイッチング素子がオフされる。すなわち、第1インバータ210において、過電流による自己保護停止が発生する。このとき、異常検出信号FIV1が、第1インバータ210からECU170へ出力される。
コンバータ200および第2インバータ220にも、第1インバータ210と同様の自己保護回路が設けられる。コンバータ200で過電流による自己保護停止が発生すると、異常検出信号FCVが、コンバータ200からECU170へ出力される。また、第2インバータ220で過電流による自己保護停止が発生すると、異常検出信号FCVが、第2インバータ220からECU170へ出力される
図3の構成において、「複数の電動機」に対応するMG1,MG2にそれぞれ設けられた電流センサ211,221は「複数の電流検出器」に対応する。さらに、第1インバー
タ210および第2インバータ220は、「複数の電力変換器」に対応する。また、ECU170は、「制御装置」に対応する。
図4は、本発明の実施の形態によるハイブリッド車両における電動機制御を説明するための機能ブロック図である。図示した各機能ブロックについては、当該ブロックに相当機能を有する回路(ハードウェア)をECU170に構成してもよいし、予め設定されたプログラムに従ってECUがソフトウェア処理を実行することにより実現してもよい。
図4を参照して、自己保護回路250は、コンバータ200、第1インバータ210および第2インバータ220にそれぞれ内蔵された、自己保護回路を包括的に示すものである。
ECU170は、論理ゲート305と、インバータ制御部310,320と、コンバータ制御部330と、電流指令生成部360と、リトライ制御部400とを含む。
自己保護回路250が発生した異常検出信号FCV,FIV1,FIV2は、論理ゲート305に入力される。論理ゲート305は、異常検出信号FCV,FIV1,FIV2のいずれかが発生されると、シャットダウン信号CSDを発生する。シャットダウン信号CSDは、インバータ制御部310,320およびコンバータ制御部330の各々に伝達される。
コンバータ制御部330は、電圧センサ180によって検出された直流電圧VHを電圧指令値VHrに一致させるようにするように、電圧フィードバック制御を行なう。具体的には、コンバータ制御部330は、直流電圧VHの検出値および電圧指令値VHrに基づいて、コンバータ200による電圧変換比(VH/VL)を算出するとともに、この電圧変換比に従ったデューティ比でスイッチング素子Q1,Q2がオンオフするように、制御信号SCVを生成する。一方で、コンバータ制御部330は、シャットダウン信号CSDを受けると、コンバータ200を停止する。これにより、スイッチング素子Q1,Q2がオフされて、コンバータ200のスイッチング動作が停止される。
電流指令生成部360は、MG1のトルク指令値Tcom(1)に基づいて、MG1の電流フィードバック制御における電流指令値Icom(1)を生成する。同様に、電流指令生成部360は、MG2のトルク指令値Tcom(2)に基づいて、MG2の電流フィードバック制御における電流指令値Icom(2)を生成する。トルク指令値Tcom(1),Tcom(2)は、車両走行に要求される出力(車両駆動トルク、回生制動トルク等)を発生するように設定される。電流指令値Icom(1),Icom(2)は、三相電流に基づく、座標変換値(d軸、q軸電流)あるいは電流実効値等によって示される。電流フィードバック制御には、MG1,MG2のロータ回転角θ(1),θ(2)を用いた座標変換(代表的には、dq軸変換)を伴う制御演算を用いることが一般的である。
インバータ制御部310は、MG1のモータ電流MCRT(1)のフィードバック制御により、第1インバータ210の制御信号SIV1を生成する。たとえば、モータ電流MCRT(1)に基づいて得られた電流値と、電流指令値Icom(1)との偏差に応じて、第1インバータ210の各相の電圧指令が演算される。さらに、パルス幅変調(PWM)に従って、各相電圧指令に従った交流電圧が第1インバータ210からMG1へ出力されるように、制御信号SIV1が生成される。
一方で、インバータ制御部310は、シャットダウン信号CSDを受けると、第1インバータ210を停止する。これにより、第1インバータ210は、全スイッチング素子がオフされることにより、スイッチング動作が停止される。
同様に、インバータ制御部320は、MG2のモータ電流MCRT(2)のフィードバック制御により、第2インバータ220の制御信号SIV2を生成する。たとえば、モータ電流MCRT(2)に基づいて得られた電流値と、電流指令値Icom(2)との偏差に応じて、第2インバータ220の各相の電圧指令が演算されるとともに、パルス幅変調(PWM)に従って、各相電圧指令に従った交流電圧が、第2インバータ220からMG2へ出力されるように、制御信号SIV2が生成される。
インバータ制御部320は、シャットダウン信号CSDを受けると、第2インバータ220を停止する。これにより、第2インバータ220は、全スイッチング素子がオフされることにより、スイッチング動作が停止される。
このように、コンバータ200、第1インバータ210および第2のインバータのいずれかで過電流による自己保護停止が発生すると、論理ゲート305からのシャットダウン信号CSDに応答して、コンバータ200、第1インバータ210および第2インバータ220の全ては、一旦停止されることになる。すなわち、論理ゲート305は、「停止制御部」に対応する。
リトライ制御部400は、過電流による自己保護停止によって、コンバータ200、第1インバータ210、および第2インバータ220が停止した後の再起動を制御する。本実施の形態による電動車両では、リトライ制御部400によってMG1,MG2を制御するリトライ制御において、電流センサ211,221の異常有無を判定する。
ここで図5を用いて、本実施の形態において検出しようとする電流センサの異常について、説明する。
図5を参照して、電流センサ211,221において、実際の電流値(実電流値)Imaに対する、センサ出力の電流値(センサ電流値)Imsの比を「センサゲイン」と表現する。センサゲインが異常になると、電流センサ211,221は、実電流値を正しく検出することができなくなる。なお、実電流値Imaおよびセンサ電流値Imsは、電流指令値Icom(Icom(1)およびIcom(2)を総称するもの)と比較される、三相電流に基づいて得られた電流値(d軸、q軸電流等)を示すものとする。
図5には、電流センサのセンサゲインが過小である異常時の電流波形が示される。図5に示されるように、時刻t0の段階において、実電流値Imaは電流指令値Icomを超えている。しかしながら、電流センサ(センサゲイン)の異常によって、センサ電流値Imsが電流指令値Icomより低いため、モータ電流を増加させるように、インバータ制御部310,320による電流フィードバック制御が動作する。
このため、時刻t0以降においてもモータ電流は増加し、時刻txにおいて、実電流値Imaは、自己保護回路が作動する過電流判定値Ifdに達する。この結果、電力変換器(インバータ,コンバータ)において、過電流による自己保護停止が発生する。このようにして、ハードウェアを含めた電流制御系そのものは正常に動作していても、電流センサの異常によって、過電流が生じてしまう。
図5のような電流センサの異常時には、リトライ制御によってMG1,MG2の制御を再開しても、同様の過電流が再現される可能性が高い。特に、リトライ制御中においても、過電流発生までの時間が短いと、電流センサの異常有無を判定する時間的余裕を確保することなく、再び、自己保護停止が発生してしまうことになる。
したがって、リトライ制御部400は、リトライ制御中に、過電流を再現を回避した上で、上記のような電流センサ211,221の異常有無を判定するための機能を有するように構成される。
再び図4を参照して、リトライ制御部400は、シャットダウン信号CSDにより、コンバータ200、第1インバータ210および第2インバータ220が過電流による自己保護停止によって停止されたことを検知する。そして、リトライ制御部400は、リトライ制御中には、電流フィードバック制御の電流指令値の上限ガード値Igdを設定する。さらに、リトライ制御部400は、電流上限ガード値Igdが設定された下での電流フィードバック制御中の挙動に基づいて、電流センサ211,221の個々について異常有無を判定する。電流フィードバック制御における挙動は、第1インバータ210および第2インバータ220の制御情報(デューティ比設定、直流電圧VH、MG回転数等)によって把握される。
リトライ制御部400は、リトライ制御中にMG1の電流センサ211の異常を検出した場合には、異常検出信号FDG(1)を発生する。また、リトライ制御部400は、リトライ制御中にMG2の電流センサ221の異常を検出した場合には、異常検出信号FDG(2)を発生する。
次に、図6〜図10を用いて、リトライ制御部400による制御動作を詳細に説明する。
図6および図7には、リトライ制御部400による制御動作を説明するためのフローチャートが示される。図6および図7に示すフローチャートに従う制御処理がECU170によって実行されることにより、リトライ制御部400によるリトライ制御が実現される。
図6を参照して、ECU170は、ステップS50により、シャットダウン信号CSDが発生されたか否かを確認する。シャットダウン信号CSDの発生時(S50のYES判定時)には、ECU170は、ステップS100に処理を進めて。リトライ制御を実行する。一方で、シャットダウン信号CSDの非発生時(S50のNO判定時)には、リトライ制御は起動されない。
図7には、図6のS100によるリトライ制御の詳細な制御動作が示される。
図7を参照して、ECU170は、車両走行中にリトライ制御が開始されると、ステップS105により、車両走行を維持したままで、過電流によって自己保護停止されたコンバータ200、第1インバータ210および第2インバータ220を再起動する。
さらに、ECU170は、再起動に際して、リトライ制御中のテーブル値iを初期値(i=1)に設定する(ステップS110)。後述するように、テーブル値iは、初期値から最終値J(所定の整数,J≧2)までインクリメントされる。
ECU170は、ステップS120では、現在のテーブル値iに応じて電流上限ガード値Igdを設定する。
図8には、テーブル値iに対する電流上限ガード値Igdの設定態様が示される。
図8を参照して、電流上限ガード値Igdは、テーブル値iに応じて段階的に上昇するように設定される。さらに、ステップS120では、併せて、電流上限ガード値Igdに対応させて電流フィードバックの制御応答性についても、段階的に設定することが好ましい。具体的には、電流上限ガード値Igdが低くなる程、電流制御の応答性が低くなるよ
うに、制御ゲイン(PIゲイン等)を低く設定することが好ましい。たとえば、テーブル値iに対して、制御ゲインのマップを予め設定することが可能である。あるいは、制御ゲインではなく、制御周期毎での制御量変化の上限値を、通常よりも小さくすることによって、制御応答性を低くしてもよい。
再び図7を参照して、ECU170は、ステップS130により、トルク指令値の単位時間当たりの変化量に上限を設けるレート処理に従って、トルクガード値を決定する。そして、ECU170は、ステップS140により、トルクガード値の範囲内に制限して、現在の車両状態に応じた、今回の制御周期におけるトルク指令値Tcom(1),Tcom(2)を設定する。たとえば、車両状態としては、ドライバによるアクセル操作量および車速を考慮して、トルク指令値Tcom(1),Tcom(2)が設定される。
トルクガード処理により、ドライバがアクセルを急激に踏み込んだ場合にも、リトライ制御中には、トルク指令値Tcom(1),Tcom(2)の増加は緩やかなものとされる。トルク指令値Tcom(1),Tcom(2)の急変を防止することによって、車両駆動力の変動を防止することができる。
ECU170は、ステップS150により、トルク指令値Tcom(1),Tcom(2)に応じた電流指令値Icom(1),Icom(2)を設定するとともに、電流指令値Icom(1),Icom(2)を基準としたモータ電流MCRT(1),MCRT(2)のフィードバック制御を実行する。当該フィードバック制御の制御応答性については、ステップS120によって、テーブル値iに応じて変えることが好ましい。
ステップS130〜S150による電流フィードバック制御中に、ECU170は、ステップS160により、電流センサ211,221の異常有無を判定する。
たとえば、電流センサの検出値に基づく電流検出値と、MG1および第1インバータ110の制御情報から演算された電流理論値との比較に基づいて、電流センサ211,221の異常有無を判定できる。電流理論値は、第1インバータ210の制御情報(直流電圧VHおよび電圧指令値あるいはデューティ)およびMG1の制御情報(回転数等)から算出することができる。すなわち、これらの制御情報を変数として電流理論値を算出する演算式やマップを予め作成しておくとともに、算出された電流理論値と電流検出値との差が、算出誤差を考慮して設定された判定値よりも大きくなったときに、電流センサの異常を検出することが可能である。
あるいは、電流センサが二重に設けられている場合には、センサ間の検出値の比較に基づいて、電流センサ211,221の異常有無を判定してもよい。このように、電流センサの異常有無判定は、MG1に設けられた電流センサ211および、MG2に設けられた電流センサ221について、個別に実行することが可能である。
図9には、リトライ制御中における電流センサ異常時の電流挙動が示される。図9にも、図5と同様の電流センサのセンサゲイン異常が生じている場合の電流波形が示される。
図9を参照して、リトライ制御中には、電流上限ガード値Igdが、電流指令値Icomの上限値となる。したがって、時刻t0の段階において、実電流値Imaは電流指令値Icomを超えていることが、図5の場合と同様に、電流センサ(センサゲイン)の異常によって、モータ電流を増加させるように、インバータ制御部310,320による電流フィードバック制御が動作する。
しかしながら、電流上限ガード値Igdが設定されているため、電流フィードバック制
御により、センサ電流値Imsが電流上限ガード値Igdを超えることがない。したがって、電流上限ガード値Igdが低い間は、電流フィードバック制御を続行しても、実電流値Imaが、自己保護回路が作動する過電流判定値Ifdに達しない状態を継続することができる。これにより、ステップS160によって電流センサの異常判定を実行する時間的余裕が確保できる。
図9において、実線は、リトライ制御中の電流フィードバック制御の制御応答性が、自己保護停止の発生前(通常時)と同等、すなわち、図5の場合と同等である場合の電流波形である。一方で、点線は、リトライ制御中の電流フィードバック制御の制御応答性が、通常時よりも低く設定されたときの波形である。制御応答性を低くすると、電流変化が緩やかになることにより、電流センサの異常判定が容易になることが期待できる。
再び図7を参照して、ECU170は、テーブル値iに応じた電流上限ガード値Igdの設定後(S120)、一定の検出必要時間が経過するまで(S170のNO判定時)、ステップS130〜S160の処理を繰り返し実行する。検出必要時間は、ステップS160による判定を安定的に実行するのに必要な時間に対応させて予め設定される。
これにより、電流上限ガード値Igdが固定された状態での電流フィードバック制御を、検出必要時間が経過するまでの間継続することができる。電流フィードバック制御中に、ステップS160によっていずれかの電流センサで異常が検知されると(S160のYES判定時)、ECU170は、ステップS200に処理を進める。ECU170は、ステップS200では、異常が検出された電流センサを特定するための信号(ダイアグコード)を生成する。そして、異常が発生した電流センサを特定できたので、リトライ制御は終了される。
リトライ制御で得られた異常センサの特定情報は、以降での車両の退避走行に反映させることが好ましい。たとえば、異常が発生した電流サンサを不使用として、すなわち、MG1,MG2の一方についてはインバータを停止させた状態で、MG1,MG2の他方の出力をインバータで制御する態様にて、退避走行を実行することができる。
なお、MG1およびMG2の両方について電流センサの異常が検出されたときには、正常に制御できる電動機が存在しないため、退避走行についても禁止することが好ましい。また、電流センサ211,221のいずれにも異常が検出されなかった場合であっても、リトライ制御中にコンバータ200において過電流による自己保護停止が発生した場合には、退避走行を禁止することが好ましい。電流センサ以外の異常によって過電流が実際に生じていると推定されるためである。
ECU170は、いずれの電流センサでも異常が検知されないまま、検出必要時間が経過した場合には(S170のYES判定時)、ステップS180に処理を進めて、テーブル値iをインクリメントする。さらに、ECU170は、ステップS190により、インクリメントしたテーブル値iが(J+1)に達しているかどうかを判定する。
ECU170は、i≦Jのときには(S190のNO判定時)、更新後のテーブル値iに従って、ステップS120〜S170の処理を実行する。そして、検出必要時間が経過すると(S170のYES判定時)、再びステップS180によって、テーブル値iがインクリメントされる。一連の処理により、テーブル値iが初期値(1)から最終値(J)になるまで、段階的に電流上限ガード値Igdを上昇させるように、リトライ制御を実行できる。そして、電流上限ガード値Igdの各段階において、電流フィードバック制御を一定時間にわたって実行することによって、MG1,MG2の電流センサ211,221のそれぞれについて、異常有無を判定することが可能となる。
図10には、電流上限ガード値の段階的な設定と検出可能な電流センサ異常との対応関係を説明するための概念図が示される。
図10を参照して、符号401〜403には、センサゲインの異常時における、電流指令値Icomと実電流値Imaとの関係が示される。図中の電流Itは、センサゲインが正常なときの実電流値を示すものである。電流Itは、電流フィードバック制御によって、電流指令値と同等の値に制御される。
これに対して、符号401〜403には、センサゲインの異常により、センサ電流値が、実電流値よりも低くなるときの特性が示される。これらの場合には、センサ電流値に基づく電流フィードバック制御によって、実電流値は、電流指令値に従った電流Itよりも大きくなる。図10では、直線の傾きが大きいほど、センサゲインのずれが大きいことが理解される。すなわち、符号401、402、403の順に、センサゲインのずれが大きい。
このようなセンサゲインのずれによって、センサ電流値が電流指令値よりも低くなる一方で、上述した電流理論値の算出によって、実電流値に近い値を演算することが可能である。したがって、センサゲインが正常なときの電流It(It=Icom)と、電流理論値との差に基づいて、電流センサの異常を検出することができる。
たとえば、電流Itに対して、電流理論値の演算誤差を考慮したマージンを加えた判定電流Ithを設定することができる。そして、電流フィードバック制御中に、電流理論値が判定電流Ithを超えたときに、センサゲインの異常による電流センサの異常を検出することができる。
テーブル値i=1のときには、電流上限ガード値Igd=I1に設定される。このため、電流指令値Icomの上限もI1に制限される。符号401の場合には、Icom=I1での電流フィードバック制御により、実電流値が、自己保護回路が作動する過電流判定値Ifdよりも低く、かつ、判定電流Ithを超える領域まで上昇する。したがって、実電流値と電流理論値との比較によって、電流センサの異常(センサゲインの異常)を検出することができる。
一方、センサゲインのずれが符号401よりも小さい、符号402,403の場合には、Icom=I1での電流フィードバック制御時における実電流値が、判定電流Ithを超える領域ではないので、テーブル値i=1のときに、電流センサの異常を検出することができない。
テーブル値i=2に増加すると、電流上限ガード値Igd=I2に設定される。この状態で電流フィードバック制御を実行すると、符号402の場合にも、実電流値が、過電流判定値Ifdよりも低く、かつ、判定電流Ithを超える領域まで上昇する。したがって、電流センサの異常(センサゲインの異常)を検出することができる。一方、センサゲインのずれが符号402よりも小さい符号403の場合には、Icom=I2での電流フィードバック制御時における実電流値が判定電流Ithを超える領域ではないので、電流センサの異常を検出することができない。
また、符号401の場合には、Icom=I2での電流フィードバック制御時における実電流値が、過電流判定値Ifdに達するため、過電流による自己保護停止が作動する。このため、時間的余裕の面で電流センサの異常を検出することが困難である。
テーブル値i=3に増加すると、電流上限ガード値Igd=I3に設定される。この状態で電流フィードバック制御を実行すると、符号403の場合にも、実電流値が、過電流判定値Ifdよりも低く、かつ、判定電流Ithを超える領域まで上昇する。したがって、電流センサの異常(センサゲインの異常)を検出することができる。
また、符号401,402の場合には、Icom=I3での電流フィードバック制御時における実電流値が、過電流判定値Ifdに達するため、過電流による自己保護停止が作動する。このため、時間的余裕の面で電流センサの異常を検出することが困難である。
以上説明したように本発明の実施の形態による電動車両によれば、過電流の自己保護停止の発生後におけるリトライ制御において、電流上限ガード値を段階的に設定するとともに、各段階において電流フィードバック制御を実行する。これにより、過電流による自己保護停止が再度発生するまでに、一定時間電流フィードバック制御を継続することができる。この結果、電流フィードバック制御中のセンサ出力値に基づいて、MG1,MG2に設けられた電流センサ211,221の異常を個別に検出することができる。
さらに、リトライ制御によって異常が検出された電流センサを不使用として、電流センサが正常である一部の電動機(MG)のみを制御することによって、適切な退避走行を行なうことができる。
本実施の形態では、好ましい構成例として、インバータへの入力電圧(直流電圧VH)を可変制御可能なように、コンバータ200が配置される回路構成例を示したが、コンバータ200が配置されない回路構成に対しても本発明は適用可能である。
さらに、電動車両のパワートレーン構成についても、図1に例示したハイブリッド車両に限定されることはない。すなわち、複数の電力変換器によってそれぞれの電流が個別に制御される複数の電動機を搭載する電動車両であれば、図1とは異なるパワートレーン構成を有するハイブリッド車両、エンジンを搭載しない電気自動車、あるいは、エンジンの代わりに燃料電池を搭載する燃料電池車を含む電動車両全般に対して、本発明を適用することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、電流制御された電動機によって車両駆動力を発生する電動車両に関する電動車両に適用することができる。
100 エンジン、110 第1モータジェネレータ(MG1)、112,122 中性点、120 第2モータジェネレータ(MG2)、130 動力分割機構、140 減速機、150 バッテリ、180,182 電圧センサ、190 駆動輪、200 コンバータ、201,202 回転角センサ、210 第1インバータ、211,221 電流センサ、220 第2インバータ、250 自己保護部、305 論理ゲート、310,320 インバータ制御部、330 コンバータ制御部、360 電流指令生成部、400 リトライ制御部、CSD シャットダウン信号、FCV,FIV1,FIV2 異常検出信号、Icom(1),Icom(2) 電流指令値、Ifd 過電流判定値、Igd 電流上限ガード値、Ima 実電流値、Ims センサ電流値、Ith 判定電流
、MCRT(1),MCRT(2) モータ電流、Q1,Q2 スイッチング素子、SCV,SIV1,SIV2 制御信号、Tcom(1),Tcom(2) トルク指令値、VH 直流電圧、VHr 電圧指令値、i テーブル値。

Claims (4)

  1. 複数の電動機と、
    前記複数の電動機のそれぞれを駆動制御するための複数の電力変換器と、
    前記複数の電動機にそれぞれ対応して設けられた複数の電流検出器と、
    前記複数の電流検出器による検出値に基づいて、前記複数の電動機の電流をフィードバック制御するように前記複数の電力変換器の動作を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記複数の電力変換器のいずれかで過電流による自己保護停止が発生したときに前記複数の電力変換器の各々を停止させるための停止制御部と、
    前記停止制御部による停止の後に、車両走行を継続した状態で前記電力変換器の再起動によって電流制御を再開するためのリトライ制御部とを含み、
    前記リトライ制御部は、再開された前記電流制御における電流指令値の上限ガード値を段階的に上昇させるとともに、前記上限ガード値のそれぞれの段階において、前記複数の電流検出器の検出値に基づいて前記複数の電流検出器の各々の異常有無を判定するように構成される、電動車両。
  2. 前記リトライ制御部は、再開された前記電流制御における制御応答性を、前記自己保護停止が発生する前よりも低く設定する、請求項1記載の電動車両。
  3. 前記制御装置は、
    前記複数の電動機のそれぞれのトルク指令値に応じて、前記複数の電動機のそれぞれの前記電流指令値を設定するための電流指令生成部を含み、
    前記電流指令生成部は、前記上限ガード値のそれぞれの段階において、前記上限ガード値を超えない範囲内で前記電流指令値を生成する、請求項1記載の電動車両。
  4. 前記制御装置は、前記リトライ制御部によっていずれかの電流検出器の異常が検出された場合には、異常が検出された電流検出器に対応する前記電力変換器を停止させて、残りの電力変換器に対応する電動機を用いた退避走行を実行する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動車両。
JP2012071425A 2012-03-27 2012-03-27 電動車両 Pending JP2013207831A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012071425A JP2013207831A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 電動車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012071425A JP2013207831A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 電動車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013207831A true JP2013207831A (ja) 2013-10-07

Family

ID=49526453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012071425A Pending JP2013207831A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 電動車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013207831A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016123139A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 トヨタ自動車株式会社 インバータ
JP2017200382A (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 トヨタ自動車株式会社 自動車
KR101948976B1 (ko) * 2015-06-12 2019-02-15 가부시키가이샤 히타치 파워 디바이스 인버터 제어 회로
JP2019112063A (ja) * 2014-01-30 2019-07-11 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ マルチチャネルdcバスを有する車両推進システムおよび同システムを製造する方法
US10673358B2 (en) 2012-12-03 2020-06-02 General Electric Company Electric drive system and energy management method
JP2020150660A (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 電力機器の制御装置
WO2022097538A1 (ja) * 2020-11-06 2022-05-12 株式会社安川電機 電力変換システム

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10673358B2 (en) 2012-12-03 2020-06-02 General Electric Company Electric drive system and energy management method
US11374508B2 (en) 2012-12-03 2022-06-28 General Electric Company Electric drive system and energy management method
JP2019112063A (ja) * 2014-01-30 2019-07-11 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ マルチチャネルdcバスを有する車両推進システムおよび同システムを製造する方法
US10933754B2 (en) 2014-01-30 2021-03-02 General Electric Company Vehicle propulsion system with multi-channel DC bus and method of manufacturing same
US11351874B2 (en) 2014-01-30 2022-06-07 General Electric Company Vehicle propulsion system with multi-channel DC bus and method of manufacturing same
JP2016123139A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 トヨタ自動車株式会社 インバータ
KR101948976B1 (ko) * 2015-06-12 2019-02-15 가부시키가이샤 히타치 파워 디바이스 인버터 제어 회로
JP2017200382A (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 トヨタ自動車株式会社 自動車
US10081255B2 (en) 2016-04-28 2018-09-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle including electronic control unit configured to control inverter
JP2020150660A (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 電力機器の制御装置
WO2022097538A1 (ja) * 2020-11-06 2022-05-12 株式会社安川電機 電力変換システム
JP7489485B2 (ja) 2020-11-06 2024-05-23 株式会社安川電機 電力変換システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4665809B2 (ja) 電動機駆動制御システム
JP4788975B2 (ja) 回転電機制御システム及び車両駆動システム
US8040081B2 (en) Motor drive apparatus, hybrid drive apparatus and method for controlling motor drive apparatus
US20090195199A1 (en) Motor drive device
JP4985561B2 (ja) 車両駆動用モータの制御装置
JP6330782B2 (ja) ハイブリッド車両
US8912742B2 (en) Control device for rotating electric machine and method of controlling rotating electric machine
JP2013207831A (ja) 電動車両
JP5928326B2 (ja) 電動車両および電動車両の制御方法
JP2013103516A (ja) 車両および車両の制御方法
JP2010178595A (ja) 車両の制御装置
US10005454B2 (en) Hybrid vehicle
JP4780020B2 (ja) 電動車両、電動車両の制御方法、および電動車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体
JP2014233109A (ja) 電動車両の制御方法
US20170057491A1 (en) Hybrid vehicle
US9994215B2 (en) Hybrid vehicle
JP2011211839A (ja) 電動車両の駆動装置
JP2012110189A (ja) 電動車両の電気システムおよびその制御方法
JP6365054B2 (ja) 電動車両
JP2009060726A (ja) 車両の電源装置およびその制御方法
JP2018176970A (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法
JP2017047846A (ja) ハイブリッド車両
JP2017056774A (ja) ハイブリッド車両
JP2013055821A (ja) 電力装置
JP2017114209A (ja) ハイブリッド車両