JP2013098356A - 積層型インダクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高いQ特性が得られる積層型インダクタを提供すること。
【解決手段】 積層された複数の絶縁層と、前記絶縁層を介して積層された複数の内部導体層とからなる略直方体形状をなす積層体を備え、前記内部導体層は、螺旋状に接続してコイル構造を有する積層型インダクタにおいて、前記コイル構造のコイル軸が、前記積層体の底面に対して平行であり、かつ、前記積層体の対向する端面に形成した一対の外部電極の対向方向に対して垂直であるように構成され、前記内部導体層の断面のエッジ部が丸みを帯びていることによって、高いQ値を得ることができる。特に、前記内部導体層の幅Wと厚みTの比T/Wが、0.23〜0.45の範囲であって、前記エッジ部の角度θが40°〜70°の範囲であることにより、高いQ値を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層型インダクタに関し、特に、高周波抵抗による損失を低減させ、Q値の高い積層型インダクタに関する。
積層型インダクタ100は、複数の内部導体層が絶縁層を介して積層され、複数の内部導体層が螺旋状に接続されたコイル構造(図示せず)を有する積層体を備えている。この積層体には図2のように5面端子である外部電極2が対向して形成されている。即ち、外部電極2が対向する2つの端面と、それぞれの端面に隣接する4つの面の端部に回りこむように形成された積層型インダクタ100である。そして、複数の内部導体層から成るコイル構造の一端は引出部分を介して一方の外部電極2に接続され、コイル構造の他端は別の引出部分を介して他方の外部電極2に接続されている。
従来の積層型インダクタ100では、図3に示すように、各内部導体層4の断面が扁平でかつ中央部分は平坦であり、両端のエッジ部5が鋭い先細りの形状となっている。このために、内部導体層4の断面の両エッジ部5に、電界が集中することが知られている。このような内部導体層4の形状では、高周波抵抗が増大するために、抵抗損失が大きくなってしまう。そのため、この種の内部導体層断面構造を有する従来の積層型インダクタでは要求される高いQ値(quality factor)、例えば、1GHzにおけるQ値が40以上を実現できていない。
このような課題に対して、特許文献1には、積層型チップ部品(積層型インダクタ)において、3層以上の導体パターンを積層し、その少なくとも一部において、導体パターンは、中間導体層の上側および下側に該中間導体層より幅の狭い外側導体層を形成した構成が開示されている。具体的構成例としては、導電ペーストおよび絶縁ペーストのスクリーン印刷により、少なくとも同一層内において導体層および絶縁体層が略同じ厚みとなるように形成することが記載されている。これにより、おのおのの内部導体層の断面が略円形となり、内部導体層の抵抗損失を低減し、Q値を高くすることができる積層型インダクタが開示されている。(特許文献1)
特開2003−257740号公報
しかしながら、特許文献1に記載の内部導体層形成方法を、絶縁体シート上に導電体パターンを印刷しこれらを積層して積層型インダクタを形成するシート積層工法に適用しようとすると、各絶縁体シート上に形成される内部導体層が厚くなるため、積層形成時のプレス圧力が絶縁体層に均一に伝わりにくくなる。そのため、内部導体層の断面両端エッジ部が、やはり鋭い先細り形状となってしまう。また、内部導体層付近において絶縁体層間での層間剥離を生じるおそれもある。
その結果、高周波抵抗による損失を低減させた、Q値の高い積層型インダクタが得られないという問題があった。
本発明に係る積層型インダクタでは、積層された複数の絶縁層と、前記絶縁層を介して積層された複数の内部導体層とからなる略直方体形状をなす積層体を備え、前記内部導体層は、螺旋状に接続されたコイル構造を有しており、前記コイル構造のコイル軸が、前記積層体の底面に対して平行であり、かつ、前記積層体の対向する端面に形成した一対の外部電極の対向方向に対して垂直となるようにされており、かつ、前記内部導体層の断面のエッジ部が丸みを帯びるようにされていることにより、高周波抵抗による損失が低減し、高いQ値を得ることができる。
好ましくは、前記内部導体層の幅Wと厚みTの比T/Wが0.23〜0.45の範囲であって、前記エッジ部の角度θが40°〜70°の範囲であるときに、高いQ値を得ることができる。
前記外部電極はL字形状とされ、これにより底面部が規定されていることにより、積層インダクタを実装基板上に実装するに際し、積層インダクタの底面もしくは上面を実装基板に対向させて実装することが可能となり、実装時の素子搭載自由度が向上することによって、高周波抵抗による損失が低減し、高いQ値を得る効果が顕著に現れる。
上述のように本発明の積層型インダクタによれば、積層された複数の絶縁層と、前記絶縁層を介して積層された複数の内部導体層とからなる略直方体形状をなす積層体を備え、前記内部導体層は、螺旋状に接続してコイル構造をしており、前記コイル構造のコイル軸が、前記積層体の底面に対して平行であり、かつ、前記積層体対向する端面に形成した一対の外部電極の対向方向に対して垂直となるようにされており、かつ、前記内部導体層の断面のエッジ部が丸みを帯びるようにされているので、高周波抵抗による損失を低減させ、Q値の高い積層型インダクタを実現できる。
本発明の実施形態に係る積層型インダクタを示した概略構成図である。 従来技術に係る5面端子である外部電極を備えた積層型インダクタの概略構成図である。 従来技術に係る積層型インダクタの断面図である。 本発明の実施形態に係る端面における外部電極を示した概略構成図である。 本発明の実施形態に係る積層型インダクタの製造方法を示した分解図である。 本発明の実施形態に係るL字状の端子形状である外部電極を備えた積層型インダクタの概略構成図である。 本発明の実施形態に係る積層型インダクタの図1のZ−Z断面図である。 内部導体層の電極形状の測定方法を示した図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。また、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
本発明の実施形態に係る電子部品の一例として、積層型インダクタ1を図1に示す。図1(a)および図1(b)は、異なる角度からの積層型インダクタ1を斜視した概略構成図である。図1に示された積層型インダクタ1は、略直方体形状の外形を有し、その長手方向において対向する一対の端面1a、1bおよび実装時に実装基板に対向する底面1cを有する。なお、上記積層型インダクタ1の外形形状は略立方体形状であってもよい。
この積層型インダクタ1には、内部に設けたコイル構造3の両端部とおのおの電気的に接続した一対の外部電極2を有している。各外部電極2は、端面1a、1bと底面1cとで構成する角部Cを挟んで形成されており、底面1cに形成する底面部2aと、端面1a、1bに形成する端面部2bとで構成している。
各外部電極2の底面部2aと端面部2bとは連続的に形成しており、それにより、各外部電極2は、角部Cを挟んで底面1cと隣り合う端面1a、1bの一部と底面1cの一部とを連続的に覆う断面L字状の端子形状となっている。すなわち、各外部電極2はL字形状に形成されている。
図4に示すように、端面1a、1bにおける外部電極2の端面部2bは、底面1c側の角部Cから延びる略四角形状を呈している。また、端面1a、1bには、角部Cの稜線方向(図のX方向)において、端面部2bを挟む位置に略等幅dの一対のギャップ部gと、底面1cに対面する頂面1d側のギャップ部Gとが形成されており、これらのギャップ部Gおよび一対のギャップ部gには外部電極2の端面部2bが形成されていない。
(グリーン積層型インダクタの製造方法)
続いて、積層型インダクタ1を作製する手順について説明する。
図5(a)に示すように、まず、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に絶縁体ペーストを塗布してシート化し、絶縁体シート7を複数枚用意する。さらに、絶縁体シート7を用いて、絶縁体シート14、15、16、17を作製する。まず、絶縁体シート7に形成したL字状貫通孔8、9を形成し、これらL字状貫通孔8、9に導体ペーストを印刷充填して絶縁体シート14を作製する。次に、絶縁体シート7にL字状貫通孔8、9と貫通ビアホール10(a)を形成し、これらL字状貫通孔8、9と貫通ビアホール10(a)を導体ペーストで印刷充填するとともに引き出し電極11を印刷形成して絶縁体シート15を作製する。なお、貫通ビアホール10(a)は、コイルパターン12を連結させるためのものである。また、絶縁体シート7にL字状貫通孔8、9を形成し、これらL字状貫通孔8、9に導体ペーストで印刷充填するとともに引き出し電極13を印刷形成して絶縁体シート16を作製する。さらに、上記絶縁体シート14に貫通ビアホール10(b)を形成し、この貫通ビアホール10(b)を導体ペーストで印刷充填するとともにコイルパターン12を印刷形成して絶縁体シート17を作製する。なお、図示するように、各絶縁体シート14、15、16、17には、複数のL字状貫通孔8、9、複数の貫通ビアホール10(a)、10(b)、複数の引き出し電極パターン11、13、複数のコイルパターン12を、複数個の積層型インダクタを同時に作製するように形成する。
このとき、外部電極用の導体ペーストを充填したL字状貫通孔8と引き出し電極パターン11は電気的に接続されており、また、外部電極用の導体ペーストを充填したL字状貫通孔9と引き出し電極パターン13とは電気的に接続されているものとする。なお、導体ペーストを充填した貫通ビアホール10(a)、10(b)と引き出し電極パターン11、13とコイルパターン12とは、各絶縁シートにおいて、1回の工程で同時に形成してもよく、または、複数回の工程に分けて形成してもよい。
上記L字状貫通孔8、9や貫通ビアホール10(a)、10(b)の形成方法としては、レーザー加工のほかにドリル加工、メカパンチング加工など、最適な工法で実施すればよい。導体ペーストを充填したL字状貫通孔8、9の幅についても特に限定はされず、コイルパターン12の外径サイズに適宜対応した幅であれば、特に限定されない。
絶縁体シート17は、上述のように絶縁体シート14を加工することに代えて絶縁体シート7にL字状貫通孔8、9および貫通ビアホール10(b)を形成し、これらL字状貫通孔8、9および貫通ビアホール10(b)に導体ペーストを充填し、次いで、コイルパターン12を印刷することによって得てもよい。
コイルパターン12としては、1種類以上から構成されているものとし、コイルの巻き数(インダクタンス値)によって適宜変更できる。これに伴い、貫通ビアホール10(b)の位置は、巻き数に応じてコイルパターン12の周回上で適宜変更できる。上記コイルパターン12は、L字状貫通孔8、9および貫通ビアホール10(b)を導体ペーストで充填するときに、同時に印刷によって形成しても構わない。
また、上記コイルパターン12は、焼成後の内部導体層の断面のエッジ部が丸みを帯びるように、具体的には内部導体層の幅Wと厚みTの比T/Wが、0.23〜0.45の範囲であって、エッジ部の角度θが40°〜70°となるように形成するとよい。このように内部導体層の幅Wと厚みTの比T/Wやエッジ部の角度θを所定の範囲内に維持するには、導体ペースト材料や形成条件あるいはシート加圧条件や焼成条件によって維持することができる。特に導体ペースト材料の導電粉の粒子径や粒子形状あるいは導電粉と有機ビヒクルとの混合割合などによって維持できる。
以下では、各絶縁体シートの製造方法について詳しく説明する。
積層型インダクタの作製に用いられる上述の絶縁体シートは、まず、ドクターブレードなどによってPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に絶縁体ペーストを塗布形成し、乾燥する。絶縁体ペーストは、絶縁体材料(非磁性セラミック組成物)と有機ビヒクルとを混練して作製する。絶縁体材料は、非磁性セラミック組成物として、35質量%(wt%)〜75質量%(wt%)の硼珪酸系ガラス粉末のマトリクス中に、5質量%(wt%)〜40質量%(wt%)のα−石英粉末と、5質量%(wt%)〜60質量%(wt%)の珪酸亜鉛粉末とが混合・分散されており、前記硼珪酸系ガラスはSiOおよびBの含有率がそれぞれ、SiOが70質量%(wt%)〜90質量%(wt%)、Bが10質量%(wt%)〜30質量%(wt%)を用いることができる。絶縁体材料としては、低誘電率であることから硼珪酸系ガラス系が好ましいが、低温焼成が可能であることから、チタン酸系複合酸化物、ジルコン酸系複合酸化物、あるいはこれらの混合物を用いることもできる。有機ビヒクルには、例えば有機バインダとしてエチルセルロースを溶剤としてのテルピネオールに溶解したものを用いることができる。有機バインダとしては、この他にメタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体等の易熱分解性の有機バインダが使用可能である。溶剤としてはアルコール、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、トリクロロエチレンまたはこれらの混合物などの有機溶剤や水などが使用可能である。絶縁体ペーストの混合比率は、例えば、非磁性セラミック組成物100質量部に対し、有機バインダとしてエチルセルロース10質量部、溶剤としてテルピネオール140質量部とすることができる。非磁性セラミック組成物に対する、有機バインダおよび溶剤の比率は特に限定されず、通常の比率、例えば、非磁性セラミック組成物100質量部に対しバインダは5〜15質量部程度、溶剤は100〜200質量部程度とすればよい。この非磁性セラミック組成物と、有機ビヒクルとをライカイ機で3時間混練したものを用いことができる。
前記導体ペーストとして、Cu粉を50質量部〜95質量部と、有機ビヒクルとしてバインダを1質量部〜20質量部、分散剤を0質量部〜10質量部、溶剤を1質量部〜30質量部とからなる導体ペーストを、3本ロール等を用いて混合することにより作製する。本実施形態では、導電粉としてCuを用いたが、Cu合金、Ag、Ag合金、Ni等を用いることができる。
そして、図5(b)に示すように、各絶縁体シート7、14、15、16、17を順次積層し、プレスすることで、グリーン積層型インダクタ基板を作製する。このグリーン積層型インダクタ基板を個片に切断することでグリーン積層型インダクタを得る。なお、図1に示されたコイルの巻き数は1回であるが、複数回の巻き数とすることでインダクタンス値に応じた設計としても構わない。また、絶縁体シート上に形成するコイルパターン12もこれに限定するものではない。貫通ビアホール10(a)、10(b)の位置も巻き数に応じてコイルパターン12の周回上であればこれに限定するものではない。
上述のとおりに準備した各絶縁体シート7、14、15、16、17をPETフィルムから剥離し、剥離積層工法や熱圧着積層工法によって積層し、さらに等方加圧工程(たとえば、40℃、100N/mm、30秒保持)を経て、グリーン積層型インダクタ基板を形成する。グリーン積層型インダクタ基板は、ダイシングソーまたは押し切り切断機などにより、個片に切断し、図6のようなグリーン積層型インダクタを得る。
上記グリーン積層型インダクタは、固化乾燥(110℃〜150℃)後にバレル研磨を施し、グリーン積層型インダクタの角に面取り加工を施す。例えば、曲率半径rの曲面Rを形成する。バレル研磨としては、バレル漕中にグリーン積層型インダクタ、研磨用メディア、研磨液等を入れ、回転、振動などにより、相対運動を生じさせることで上記グリーン積層型インダクタを研磨加工した。研磨用メディアは必ずしも入れる必要はなく、研磨液についても特に制限されず、グリーン積層型インダクタに含まれるバインダが難溶である水等を用いてもよい。
(焼成と電極めっき処理)
バレル研磨したグリーン積層型インダクタを、所定温度にて脱バインダおよび焼成を行い、例えば、縦1.0mm×横0.5mm×厚み0.5mm形状の積層型インダクタ1を得る。脱バインダおよび焼成の雰囲気は、電極組成と絶縁体シート組成に対して最適な条件であれば、特に限定はされない。例えば還元雰囲気が好ましい。仮に焼成後の外部電極表面が酸化した場合は、湿式バレル研磨を追加実施することで、酸化皮膜を除去すればよい。湿式バレル研磨方法は、上述したバレル研磨方法同様、バレル容器内に焼成した積層型インダクタ1、研磨用メディア、研磨液などを加えた状態で回転および振動させておこなう。
上記焼結した積層型インダクタ1は、例えば、無電解めっき、もしくは電気めっき法により、外部電極2上に、はんだ食われを防止としてNiめっき層を2μm形成し、次いで、はんだ付け性を高めるためにSnめっき層を4μm形成する。
以上の説明では、外部電極2がL字状の端子形状に形成したものを積層型インダクタ1として例示したが、このL字状の外部電極とすることにより、積層型インダクタを実装基板上に実装するに際し、積層型インダクタの底面を実装基板に対向させて実装することが可能となる。先に述べたコイル構造のコイル軸が、実装面に対して平行でありかつ、前記積層体の対向する端面に形成した一対の外部電極の対向方向に対して垂直となるように構成(実装)できるので、高周波抵抗による損失が低減し、高いQ値を得る効果が顕著に現れる。図2に示すような5面端子である外部電極を備えた積層型インダクタ、即ち、外部電極が対向する2つの端面と、それぞれの端面に隣接する4つの面の端部に回りこむように形成された積層型インダクタであっても、積層型インダクタの表面上にマーキングなどを施すことによってコイル軸の方向を明確に出来るように構成すれば、先に述べたコイル構造のコイル軸が、実装面に対して平行でありかつ、前記積層体の対向する端面に形成した一対の外部電極の対向方向に対して垂直となるように実装できるようになり同様の効果を得ることができる。
上述した製造方法により製造した積層型インダクタは、内部導体層の幅Wの平均は55μm〜65μmの範囲にあり、内部導体層の厚みTの平均は15μm〜26μmの範囲であり、内部導体層の幅Wと厚みTの比T/Wが0.23〜0.45の範囲の形状を有している。また、内部導体層の断面のエッジ部5が、丸みを帯びており、前記エッジ部の角度θが40°〜70°の範囲の形状を有している。
(電極形状の測定方法)
図7に図1に示す積層型インダクタのZ−Z断面図を示す。内部導体層4の測定箇所は、図7において各内部導体層4の断面のうち、底面側に近いエッジ部5を測定する。図8に、内部導体層4の電極形状の測定方法を示す。電極形状の測定方法は、内部導体層4の両エッジ部5を直線18で結ぶ(図8(a))。次に、各エッジ部5から10μmの位置において直線18に対する垂線19を引く(図8(b))。この垂線19と、導体と絶縁層の界面とが交わる交点から、この交点を接点20とする接線21を引き、両接線21の交わる角度を測定してエッジ部5の角度θとする(図8(c))。
絶縁体ペーストの非磁性セラミック組成物には硼珪酸系ガラスとして、SiO:80質量%(wt%)、B:18質量%(wt%)、KO:2質量%(wt%)を含む粉末65質量%(wt%)、ZnSiO(珪酸亜鉛)粉末15質量%(wt%)、α−石英粉末20質量%(wt%)含むものを用いた。また導体ペーストとして、Cu粉と有機質ビヒクルとを、質量比80:20の割合で混合させペースト化した。前記実施形態に示した製造方法に従い図6に示されるグリーン積層型インダクタを用意した。本実施形態にかかる積層型インダクタの特性評価として、電極形状と周波数が1GHzでのQ値をそれぞれ調べた。その結果を表1に示す。ここで、内部導体層を螺旋状に接続してコイル構造とした時のコイル軸が、積層体の底面(実装基板面)に対して平行であり、かつ対向する端面に形成された外部電極の対向方向に対して垂直であるときを、コイル軸が横方向と呼び、コイル軸が底面に対して垂直方向の場合を、コイル軸が縦方向と呼ぶ。
Figure 2013098356
表1から明らかなように、実施例1〜実施例5によるコイル軸が横方向の積層型インダクタにおいては、内部導体層の断面のエッジ部に丸みを帯びさせることにより、高周波抵抗による損失が低減され、高いQ値が得られた。特に、前記内部導体層の幅Wに対する導体厚みTの比T/Wが0.23〜0.45の範囲であり、前記エッジ部の角度θが40°〜70°の範囲の本実施形態において、Q値が40以上と優れたQ値が得られた。これは、コイル軸が横方向となる構成とした場合、内部導体層断面の底面側エッジ部に電界が集中し、このことによりエッジ部での高周波抵抗による損失が増大するが、本発明に係る積層型インダクタにおいては、前記エッジ部に丸みを帯びさせているので、高周波抵抗が低減され、よって1GHzにおけるQ値が40以上と向上したものと考えられる。
一方、比較例1、比較例2に示されるように、内部導体層のコイル軸が底面に対して垂直である、コイル軸が縦方向の積層型インダクタ構成では、内部導体層断面のエッジ部に丸みを帯びさせても、1GHzにおけるQ値は実用の目安となる40に満たない。この比較例のように、コイル軸が縦方向となる構成では、電界は内部導体層断面のエッジ部には集中しなくなるので、高周波抵抗による損失の低減効果が十分ではなくなる。このために、Q値が40未満となり好ましくない。
また、比較例3に示されるように、コイル軸が横方向であり、かつ内部導体層の幅Wに対する厚みTの比T/Wが0.23〜0.45の範囲であっても、エッジ部の角度θが40未満の場合には、内部導体層の断面のエッジ部が丸みを帯びない為に、高周波抵抗が増加し、Q値が40未満となり好ましくない。
また、比較例4に示されるように、コイル軸が横方向であっても、内部導体層の幅Wに対する厚みTの比T/Wが0.23未満の場合には、エッジ部の角度θが40°未満となり内部導体層の断面のエッジ部が丸みを帯びない為に、高周波抵抗が増加し、Q値が40未満となり好ましくない。
さらに比較例5に示されるように、コイル軸が横方向であっても、内部導体層の幅Wに対する厚みTの比T/Wが0.45を超える場合には、内部導体層付近の絶縁層の界面が剥離し、外部電極用のめっき液が浸透することによって、内部導体層間あるいは外部導体間においてショートし、Q値が得られない。
本実施形態による積層型インダクタにおいては、内部導体層の印刷工程や製造工程において等方加圧工程を経るために、内部導体層を塗り重ねることがないので内部導体層の断面形状は全体的に扁平状になる傾向がある。よって、製造の容易性および製造コストの点から、内部導体層の断面エッジ部の角度θは、70°以下の構成とすることが好ましい。
上述した本実施形態に係る積層型インダクタにおいて、積層された複数の絶縁層と、前記絶縁層を介して積層された複数の内部導体層とからなる略直方体形状をなす積層体を備え、前記内部導体層は、螺旋状に接続してコイル構造をしており、前記コイル構造のコイル軸が、前記積層体の底面に対して平行であり、かつ、前記積層体の対向する端面に形成した一対の外部電極の対向方向に対して垂直であり、内部導体層の断面のエッジ部が丸みを帯びていることにより、高いQ値が得られることが分かる。特に、内部導体層の幅Wと厚みTの比T/Wが、0.23〜0.45の範囲であって、前記エッジ部の角度θが40°〜70°の範囲であるときに、高いQ値が得られる。
上記のように高周波抵抗による損失を低減し、Q値の高いコイル構造を実現できることから、積層体内に螺旋状の内部導体層を備える積層型LCフィルタなどの積層型電子部品においても利用の可能性がある。
1、100 積層型インダクタ
1a、1b 端面
1c 底面
1d 頂面
2 外部電極
2a 底面部
2b 端面部
3 コイル構造
4 内部導体層
5 エッジ部
6 実装基板
18 直線
19 垂線
20 接点
21 接線
θ エッジ部の角度

Claims (3)

  1. 積層された複数の絶縁層と、前記絶縁層を介して積層された複数の内部導体層とからなる略直方体形状をなす積層体を備え、前記内部導体層は、螺旋状に接続してコイル構造を有する積層型インダクタにおいて、前記コイル構造のコイル軸が、前記積層体の底面に対して平行であり、かつ、前記積層体の対向する端面に形成した一対の外部電極の対向方向に対して垂直であるように構成され、前記内部導体層の断面のエッジ部が丸みを帯びていることを特徴とする積層型インダクタ。
  2. 前記内部導体層の幅Wと厚みTの比T/Wが、0.23〜0.45の範囲であって、前記エッジ部の角度θが40°〜70°であることを特徴とする請求項1記載の積層型インダクタ。
  3. 前記外部電極はL字形状とされ、これにより底面部が規定されていることを特徴とする、請求項1乃至2に記載の積層型インダクタ。
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