JP2013095955A - 高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法 - Google Patents

高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】{100}面がより高集積化されており、さらに、高い電気抵抗が付与されたFe系金属板を安定的に製造する方法を提供する。
【解決手段】Fe系金属よりなる母材金属板上にFe以外のフェライト生成元素を付着させ、母材金属板を、A点以上に加熱して母材金属板内にフェライト生成元素を拡散させて母材に合金化させ、ついで冷却することにより、Fe系金属板の板面に対するα−Fe相の面集積度について、{200}面集積度が30%以上99%以下、および、{222}面集積度が0.01%以上30%以下であるFe系金属板を得るにあたり、母材金属板として、ロールによる繰返し加工により、真歪みで0.5以上4.5以下の歪みが冷間圧延による歪みに付加されたものを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機、発電機、変圧器の磁心等の用途に好適であり、これらの磁心の小型化やエネルギー損失低減に貢献できる高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法に関する。
従来から電動機、発電機、変圧器等の磁心にはケイ素鋼板が用いられている。ケイ素鋼板に求められる特性は、交番磁界中で磁気的なエネルギー損失(鉄損)が少ないこと、実用的な磁界中で磁束密度が高いこと、の2つである。これらを実現するには、電気抵抗を高め、かつ、磁化容易方向であるα−Fe相の<100>軸を、使用する磁界方向に集積させることが有効とされている。
特に、圧延面内にα−Fe相の{100}面を高集積化すると、<100>軸が圧延面内に集積するようになるため、同じ磁界を印加された場合により高い磁束密度が得られるため、ケイ素鋼板の板面に平行に{100}面を高集積化することを目的とした技術が種々開発されている。
本発明者らも、先に特許文献1として次のような技術を提案している。
(a)α−γ変態系のFe系金属よりなる母材金属板の片面あるいは両面にフェライト生成元素を付着する工程と、
(b)該母材金属板を、室温から母材金属板のA点まで加熱して母材金属板内にフェライト生成元素を拡散させ、一部を母材に合金化させるとともに、合金化された領域でのα−Fe相の{200}面集積度を25%以上50%以下とし、かつ、{222}面集積度を40%以下とする工程と、
(c)母材金属板をA点以上の温度に加熱、保持して、フェライト生成元素と合金化されたα−Fe相の面集積度について、{200}面集積度を増加させるとともに{222}面集積度を低下させる工程と、
(d)母材金属板をA点未満の温度へ冷却し、合金化していない領域のγ−Fe相がα−Fe相へ変態する際に、該α−Fe相の{200}面集積度を高めて、{200}面集積度が30%以上99%以下となり、かつ、{222}面集積度が30%以下となるようにする工程とを有することを特徴とする高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
国際公開WO/2011/052654号明細書
特許文献1で開示した上記の方法では、フェライト生成元素が付着した母材金属板を加熱処理して、フェライト生成元素を内部に拡散させて、母材成分と合金化させる。その加熱の昇温過程において、その後の板内の{200}面集積度を高めるための芽となる{100}に配向したα粒を形成し、ついで、そのα粒の結晶方位を引き継ぐ形で板内に変態を進行させる。
その方法の一つの形態では、母材金属板のフェライト生成元素の拡散領域に、高度に歪みが蓄積された領域を形成して、母材金属板を加熱する昇温過程において{200}面集積度が増加するようにしている。
高度に歪みが蓄積された領域を形成する手段として、特許文献1では、(i)母材金属板を製造する際の冷間圧延を、圧下率を97%超99.99%以下の非常に高い圧下率で実施する方法、(ii)母材金属板に、ショットブラスト処理を施す方法や冷間圧延とショットブラスト処理を併用した処理を施す方法、(iii)冷間圧延の際に異周速圧延によってせん断歪みを0.2以上付与する方法、を開示している。
これらの方法では、何れも金属板の圧延ラインで通常に実施するのは困難であるという問題がある。また、非常に高い圧下率での冷間圧延では、厚い板の製造には圧下率を十分に取ることが困難であるなどの問題があり、ショットブラスト処理では、圧延された金属板の広い面積の全面を連続的に処理することは非常にコストや時間がかかることや処理後の表面粗さが悪化するなどの問題もある。
そこで、特許文献1に記載された技術において、フェライト生成元素の拡散領域に歪みが蓄積された領域を形成して、母材金属板を加熱する昇温過程において再結晶粒の{100}配向度を高めるようにする際、母材金属板に歪みを付与する手段として、通常の圧延ラインに適用ができ、種々の板厚の金属板に適用できるような手段を開発することが必要である。
本発明者らは、種々の板厚の金属板に適用できるような歪みの付与手段として、板厚を変えないで母材金属板に歪みを付与する手段が有利であると考え、種々検討した結果、レベラーのように、金属板をロールにより一方向に曲げ、次いで他方向に曲げる操作を繰り返すことにより、金属板に引張歪みと圧縮歪みを交互に繰返し付与することを着想した。
そして、その着想の基になされた本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) α−γ変態成分系のFe系金属よりなる鋳片から熱間圧延及び冷間圧延によって厚みを減少させて母材金属板を得る工程と、
冷間圧延後の加工歪みを有する母材金属板の片面あるいは両面にフェライト生成元素を付着させる工程と、
フェライト生成元素が付着した母材金属板を、A点まで加熱して、フェライト生成元素を母材金属板に拡散させ、合金化させる工程と、
母材金属板をさらにA点以上1300℃以下の温度に加熱、保持してフェライト生成元素を拡散させ、合金化された領域のα−Fe相の{200}面集積度を増加させるとともに{222}面集積度を低下させる工程と、
母材金属板をA点未満の温度へ冷却し、合金化していない領域のγ−Fe相がα−Fe相へ変態する際に、該領域の{200}面集積度を高めて、母材金属板の{200}面集積度が30%以上99%以下となり、かつ、{222}面集積度が0.01%以上30%以下となるようにする工程とを有し、
さらに、前記熱間圧延後、母材金属板の片面あるいは両面にフェライト生成元素を付着させる工程までの間に、母材金属板の表層に引張歪みと圧縮歪みを交互に付与する歪み付与工程を有し、
前記歪み付与工程で付与される累積の歪みが、真歪みで0.5以上4.5以下であり、母材金属板にフェライト生成元素を付着させる工程前に付与された累積の歪みが真ひずみで5以上9以下であることを特徴とする高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
(2) 前記歪み付与工程が、熱間圧延と冷間圧延の間に行われることを特徴とする(1)に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
(3) 前記歪み付与工程が、冷間圧延の途中で行われることを特徴とする(1)に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
(4) 前記歪み付与工程が、冷間圧延の後に行われることを特徴とする(1)に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
(5) 前記歪み付与工程において、複数のロールを、母材金属板を上下で挟むように母材金属板の移動方向に沿って互い違いに配置し、母材金属板を上下のロール間を通して移動させることにより、母材金属板の表層に引張ひずみと圧縮ひずみを交互に付与することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
(6) 前記歪み付与工程において、複数のロール1を、距離を置いて互い違いに配置して、先のロールで母材金属板の進行方向と反対方向に曲げ、ついで、後のロールで進行方向に曲げ戻すことにより、母材金属板の表層に引張ひずみと圧縮ひずみを交互に付与することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
(7) 前記歪み付与工程が、引張ひずみと圧縮ひずみの付与を1回で行うかまたは複数回繰り返して行うものであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
なお、引張歪みと圧縮歪みは正と負の異なる符号で表現されるが、本発明では、累積歪みは引張歪みと圧縮歪みのそれぞれの絶対値の和とする。
本発明によれば、歪みの付与の前後でFe系金属板の板厚が変わらないので、何度でも繰り返して歪みを付与できる。また、表層のフェライト生成元素金属を拡散させる部分に集中して歪みを付与できるので、効率がよい。さらに、コイルの状態を介して金属板を連続的に処理することができる。
この結果、種々の板厚を有し、圧延面内にα−Feの{200}面が高集積化したFe系金属板を、効率よく製造することができる。
{200}面集積度を高めたFe系金属板を得るための過程を説明する図である。 {200}面集積度を高めたFe系金属板の形態を説明する図である。 歪み付与工程の概略を説明するための図である。 レベラータイプの歪み付与方法における歪みの計算方法を説明するための図である。
まず、先の特許文献1で開示されている高い{200}面集積度が得られる方法の基本原理を図1に基づいて説明する。なお、図1では一方側での現象のみを模式的に示している。
(a)母材金属板の準備
α−γ変態成分系のFe系金属よりなり、予め母材表層部に高い加工歪みを付与された母材金属板を準備し、その金属板の片面あるいは両面に、フェライト生成元素を蒸着法などを利用して付着させる。(図1−aの状態参照)
以下、母材金属板として純鉄板を、フェライト生成元素としてAlを用いた場合を例に説明する。
(b)集合組織の芽の形成
フェライト生成元素としてAlの付着した母材純鉄板を、母材のA点まで加熱して再結晶させるとともに、純鉄板内の一部または全体にAlを拡散させ母材に合金化させる。
母材表層部に高い加工歪みが付与されている場合には、再結晶後に母材表層部に{100}に配向した集合組織が形成される。また、昇温につれてAlは鉄板内部に拡散して鉄と合金化されるが、合金化した領域ではα単相成分となり、その領域ではγ相からα相に変態していく。その際、再結晶の過程で形成された{100}集合組織の配向を引き継いで変態するため、合金化した領域でも{100}に配向した組織が形成される。(図1−bの状態)
(c)集合組織の保存、高集積化
純鉄板をさらにA点以上1300℃以下の温度に加熱、保持する。
Fe−Al合金化してα単相成分となっている領域は、γ変態しないα−Fe相であるために、{100}結晶粒はそのまま保存され、その領域の中で{100}粒が優先成長して{200}面集積度が増加する。また、α単相成分でない領域はα相からγ相に変態する。
保持時間を長くすると、{100}結晶粒は粒の食い合いによって優先的に粒成長する。この結果、{200}面集積度はさらに増加する。また、Alの拡散に伴い、Fe−Al合金化した領域ではγ相からα相に変態していく。その際、変態する領域に隣接する領域ではすでに{100}に配向したα粒となっており、γ相からα相に変態する際に、隣接するα粒の結晶方位を引き継ぐかたちで変態する。これらにより、保持時間が長くなるとともに{200}面集積度がさらに増加する。(図1−cの状態参照)
(d)集合組織の成長
純鉄板をA点未満の温度へ冷却する。この時、合金化していない内部の領域のγ−Fe相は、α−Fe相へ変態する。この内部の領域は、A点以上の温度域において既に{100}に配向したα粒となっている領域に隣接しており、γ相からα相に変態する際に、隣接するα粒の結晶方位を引き継いで変態する。このため、その領域でも{200}面集積度が増加する。(図1−dの状態参照)
この現象によって、合金化していない領域でも高い{200}面集積度が得られるようになる。
前の(c)の段階で、板全体にわたり合金化されるまでA点以上で保持された場合には、板全体にわたりすでに高い{200}面集積度の組織が形成されているので、冷却開始時の状態を保持したまま冷却される。
以上のような工程で高い{200}面集積度を有するFe系金属板が得られるが、本発明では、α−γ変態成分系のFe系金属よりなる鋳片から熱間圧延及び冷間圧延によって厚みを減少させて母材金属板を得る工程において、前記熱間圧延後、母材金属板の片面あるいは両面にフェライト生成元素を付着させる工程までの間に繰返し加工による歪み付与工程を設けるようにして、加工歪みを付与された母材金属板を準備する。(図1−aの状態参照)
歪み付与工程では、図3−a、bに示すように、金属板をロールにより一方向に曲げ、次いで他方向に曲げる操作を繰り返す加工を行うことにより、母材金属板の表層に引張歪みと圧縮歪みを交互に繰返し付与する。
歪み付与工程では、付与される累積の歪みを真歪みで0.5以上4.5以下とし、母材金属板にフェライト生成元素を付着させる工程前に付与された累積の歪みが、冷間圧延で付与された歪みとの合計で、真ひずみで5以上9以下となるようにする。
このように冷間圧延で付与された歪みと繰返し加工で付与された表層の歪みが重畳することにより、再結晶後の母材金属板の{100}配向度がより向上するようになる。
以上、本発明の基本的な原理について説明したが、さらに、本発明の製造方法を規定する個々の条件の限定理由及び本発明を実施するに当たり好ましい条件について説明する。なお、以下の記載において、元素の含有量の%は質量%を意味するものとする。
母材となるFe系金属板
(Fe系金属の基本的要件)
本発明では、まず、加工組織を有するFe系金属よりなる母材金属板の表層部あるいは板内に、{200}面集積度を高めるための芽となる{100}に配向した結晶粒を形成し、ついで、最終的には、その芽となるα粒の結晶方位を引き継ぐ形で板内にγ−α変態を進行させて、板全体の{200}面集積度を高める。
このため、母材金属板に用いるFe系金属は、α−γ変態成分系の組成を有する必要がある。母材金属板に用いるFe系金属が、加工組織を有しておれば、加熱によって回復・再結晶する際にき、また、α−γ変態系の成分であれば、フェライト生成元素を板内に拡散合金化することによって、α単相系成分の領域を形成することができる。
なお、α−γ変態系は、例えば、約600℃〜1000℃の範囲内にA点を有し、A点未満ではα相が体積比率で50%を超える主相となり、A点以上ではγ相が主相となる成分系である。
(母材金属板の組成)
本発明は、原理的に、α−γ変態系の成分を有する純鉄やFe合金に適用可能であり、特定の組成範囲のFe系金属に限定されるものではない。
α−γ変態系の成分代表的なものとして、純鉄(工業的に生産される比較的純度の高い鉄であって、純度が99.9%以上のものも含むものとする。)や普通鋼などの鋼などが例示される。
例えば、C:1ppm〜0.2%、残部Fe及び不可避不純物よりなる純鉄や鋼を基本とし、適宜、添加元素を含有させたものである。
その他、C:0.1%以下、Si:0.1〜2.5%を基本成分とするα−γ変態系成分のケイ素鋼でもよい。
また、その他の不純物としては、微量のMn、Ni、Cr、Al、Mo、W、V、Ti、Nb、B、Cu、Co、Zr、Y、Hf、La、Ce、N、O、P、Sなどが含まれる。
(母材金属板の厚み)
本発明における歪み付与の工程では、後述のように、冷間圧延の圧下率に依存しない。そのため非常に薄い母材金属板から板厚の厚い母材金属板にわたって歪を付与できるので、母材金属板の厚みは特に限定されるものではない。
しかし、例えば本発明によって製造されたFe系金属板を積層させて磁心として使用する場合には、10μm以上5mm以下が望ましい。厚みが10μm未満であると、積層枚数が増加して隙間が多くなり高い磁束密度が得られない。また、厚みが5mm超であると、拡散処理後の冷却後に{100}集合組織を十分に成長させられず、高い磁束密度が得られない。
繰返し加工による歪みの付与
本発明では、フェライト生成元素が付着した母材金属板を、加熱して再結晶させるとともに、母材金属板内の一部または全体にフェライト生成元素を拡散させ母材に合金化させる。その際、母材金属板に予め高い加工歪みを付与しておき、再結晶後に{100}に配向した集合組織が形成されるようにする。
冷間圧延のみで高い加工歪みを付与するためには、97%超99.99%以下の非常に高い圧下率で圧延する必要がある。
これに対し、本発明では、熱間圧延後、母材金属板の片面あるいは両面にフェライト生成元素を付着させる工程までの間に、冷間圧延とは別に、母材金属板の表層に引張歪みと圧縮歪みを交互に付与する歪み付与工程を設け、その工程で付与される歪と冷間圧延で付与される歪によって高い加工歪みが得られるようにする。
歪み付与工程では、母材金属板をロールにより一方向に曲げ、次いで反対方向に曲げ戻す操作を1回あるいは2回以上繰り返す加工を行う。
母材金属板を曲げることにより、一方の面の表層に引張り歪みが、他方の面の表層に圧縮歪みが付与されるため、1回の曲げと曲げ戻しで、金属板のそれぞれの面の表層に集中して圧縮歪みと引張り歪みを交互に付与することができる。母材金属板のぞれぞれの面の表層に、圧縮歪みと引張り歪みが重畳した歪みが必要な量蓄積されるまで曲げと曲げ戻す操作を1回あるいは複数回繰り返すようにする。
このようなロールによる加工歪みの付与を連続的に行うには、図3−aに示すように、複数のロール1を、レベラーと同様に、母材金属板を上下で挟むように母材金属板の通板ラインに沿って互い違い(ジグザグ状)に配置し、母材金属板を上下のロール間を通して移動させることにより、母材金属板のそれぞれの面に連続的に圧縮歪みと引張り歪みの両方を付与する方法(この方法をレベラータイプという場合がある。)と、図3−bに示すように、複数のロール1を、ルーパーと同様に、距離を置いて互い違いに配置して、先のロールで母材金属板の進行方向と反対方向に曲げ、ついで、後のロールで進行方向に曲げ戻し、この操作を以降のロールで順次繰り返すことにより、母材金属板のそれぞれの面に連続的に圧縮歪みと引張り歪みの両方を付与する方法(この方法をルーパータイプという場合がある。)がある。
それぞれの方法において付与される累積歪みは、ロールごとに付与される歪みの絶対値を求め、それらの合計値として求められる。具体的には真歪みで次のように計算される。
(i)レベラータイプの場合(図4参照)
累積歪みは、入側ロール1a及び出側ロール1bによりそれぞれ付与される歪みε1と、入側ロール1aと出側ロール1bの間の中間ロール1cにより付与される歪みε2の合計であり、ロール個数をnとすると次の1式で表される。
ε=2・ε1+(n−2)・ε2 ・・・(1)
金属板の板厚t、金属板2の通板ライン3に対する入側と出側ロールの突出量(ギャップ)h1、金属板の通板ラインに対する中間ロールの突出量(ギャップ)h2、ロール間隔Lとすると、1式は次の2式で表される。
Figure 2013095955
ここで、R=L/8h1、R=L/8h2である。
(ii)ルーパータイプの場合
ロールの半径をr、ロール個数をnとすると、次の3式で表される。
Figure 2013095955
ここで、R=r/2である。
このような繰返し加工で付与する累積歪みを真歪みで0.5以上4.5以下とする。累積歪みが0.5未満では冷間圧延の圧下率が従来と同様に高くなり過ぎすぎるため、歪付与工程を付加する効果が得られない。また、4.5超では拡散熱処理後の{200}面集積度が飽和するので好ましくない。好ましい範囲は2.7以上3.7以下である。
なお、個々のロールによる歪みは、0.002超とする。0.002以下では弾性域であるために、ロールの本数を増加しても歪みの蓄積ができない。
歪み付与工程による歪みは、最終的に、冷間圧延による歪みに加算される。そのため歪み付与工程は、熱間圧延後、母材金属板の片面あるいは両面にフェライト生成元素を付着させる工程までの間に実施すればよく、冷間圧延の前、冷間圧延の途中、あるいは、冷間圧延の後のいずれの時期に行ってもよい。
ただし、繰返し加工は、母材金属板の再結晶温度未満で行う必要がある。繰返し加工により歪みを付与しても、再結晶すると歪みを蓄積することができない。好ましい温度は回復の段階よりも低い400℃以下である。
以上のように、母材金属板にロールによる繰返し加工を加えることにより、母材金属板の表層に集中してひずみを付与できる。また、この方法では、加工の前後で板厚が変わらないので、何度でも繰返してひずみを付与することができる。
さらに、冷間圧延の歪みに加え、繰返し加工による表層の歪みを付加できるので、再結晶後に{100}配向した集合組織を得るために必要な冷延圧下率を低減できる。このため冷間圧延の負荷を低減することができる。また、高い冷間圧延率を必要としないので、板厚が厚い母材金属板にも歪みを付与することができる。
母材金属板に付与される累積歪み量
母材金属板に付与される累積歪み量は、冷間圧延による歪み量と歪み付与工程での繰返し加工による歪み量の合計で表される。母材金属板を加熱して再結晶させる際に母材表層部に{100}に配向した集合組織を形成させるためには、累積歪み量が真歪みで5以上必要である。また、その歪み量は大きい方が好ましいが、あまり大きくても{100}集合組織の形成に対する効果が飽和するため、上限は真歪みで9あれば十分である。
なお、冷間圧延による歪みεは、冷間圧延前の板厚をt、冷間圧延後の板厚をtとすると、次の4式で計算される。
ε=ln(t/t) ・・・(4)
フェライト生成元素
(フェライト生成元素の種類)
上記のようにして歪みが蓄積された母材金属板に、Fe以外のフェライト生成元素を拡散させ、鋼板厚み方向へ{100}化領域を増加させる。
そのために、α−γ変態系成分のFe系金属よりなる母材金属板の片面あるいは両面にフェライト生成元素を第二層として層状に付着させ、その元素が拡散して合金化した領域をα単相系の成分にして、α相に変態した領域以外にも、板内の{200}面集積度を高めるための{100}配向の芽として保存できるようにする。
そのようなフェライト生成元素として、Al、Cr、Ga、Ge、Mo、Sb、Si、Sn、Ti、V、W、Znの少なくとも1種を単独であるいは組み合わせて使用できる。
(フェライト生成元素の付着方法)
フェライト生成元素を層状で母材金属板の表面に付着させる方法としては、溶融めっきや電解めっきなどのめっき法、圧延クラッド法、PVDやCVDなどのドライプロセス、さらには粉末塗布など種々の方法を採用することができる。工業的に実施するための効率的にフェライト生成元素を付着させる方法としては、めっき法あるいは圧延クラッド法が適している。
フェライト生成元素の加熱前の付着厚みは、0.05μm以上、1000μm以下であることが望ましい。厚みが0.05μm未満では十分な{200}面集積度を得ることができない。また、1000μm超であると、付着したフェライト生成元素を表面に残留させる場合でもその厚みが必要以上に厚くなる。
加熱拡散処理
フェライト生成元素として例えばAlを付着させた母材金属板を、母材のA点まで加熱して再結晶させるとともに、母材金属板内の一部または全体にAlを拡散させ母材に合金化させる。
母材金属板が再結晶する際、高い加工歪みが付与されている場合には、再結晶後に{100}に配向した集合組織が形成される。また、昇温につれてAlは金属板内部に拡散して鉄と合金化されるが、合金化した領域ではα単相成分となり、その領域ではγ相からα相に変態していく。その際、表層部に形成された{100}集合組織の配向を引き継いで変態するため、合金化した領域でも{100}に配向した組織が形成される。
この結果、合金化された領域では、α−Fe相の{200}面集積度が25%以上50%以下となり、それに応じて{222}面集積度が1%以上40%以下となった組織が形成される。
母材金属板をさらにA点以上1300℃以下の温度に加熱、保持する。
すでに合金化されている領域ではγ変態しないα単相の組織となるため、{100}結晶粒はそのまま保存され、その領域の中で{100}粒が優先成長して{200}面集積度が増加する。また、α単相成分でない領域はγ変態する。
保持時間を長くすると、{100}結晶粒は粒の食い合いによって優先的に粒成長する。この結果、{200}面集積度はさらに増加する。また、Alの拡散に伴い、Fe−Al合金化した領域ではγ相からα相に変態していく。その際、変態する領域に隣接する領域ではすでに{100}に配向したα粒となっており、γ相からα相に変態する際に、隣接するα粒の結晶方位を引き継ぐかたちで変態する。これらにより、保持時間が長くなるとともに{200}面集積度が増加する。また、その結果として{222}面集積度は低下する(図2aの状態)。
なお、最終的に50%以上の高い{200}面集積度とするためには、保持時間を調整して、この段階において、α−Fe相の{200}面集積度が30%以上で、かつ、{222}面集積度が30%以下とするのが好ましい。
また、板全体が合金化されるまでA点以上で保持された場合には、板中心部までα単相組織となり、{100}に配向した粒組織が板中心に到達する。(図2cの状態)
昇温後の保持温度は、A点以上1300℃以下とするのが好ましい。1300℃を超える温度で加熱しても磁気特性に対する効果は飽和する。また、加熱保持時間は、保持温度に到達後直ちに冷却を開始(その場合、実質的には0.01秒以上保持される)してもよいし、600分以下の時間で保持して冷却を開始してもよい。600分を超えて保持しても効果が飽和する。
この条件を満たすと、{200}面配向の芽の高集積化がより進行し、より確実に冷却後にα−Fe相の{200}面集積度を30%以上とすることができる。
なお、上記方位面の面集積度の測定は、MoKα線によるX線回折で行うことができる。
詳細に述べると、各試料について、試料表面に対して平行なα−Fe結晶の11ある方位面({110}、{200}、{211}、{310}、{222}、{321}、{411}、{420}、{332}、{521}、{442})の積分強度を測定し、その測定値それぞれを、ランダム方位である試料の理論積分強度で除した後、{110}あるいは{222}強度の比率を百分率で求める。
その際、例えば、{110}強度比率では、以下の式4で表される。
{200}面集積度=[{i(110)/I(110)}/Σ{i(hkl)/I(hkl)}]×100
・・・ (4)
ただし、記号は以下のとおりである。
i(hkl): 測定した試料における{hkl}面の実測積分強度
I(hkl): ランダム方位をもつ試料における{hkl}面の理論積分強度
Σ: α−Fe結晶の11の方位面についての和
ここで、ランダム方位を持つ試料の積分強度は、試料を用意して実測して求めてもよい。
加熱拡散処理後の冷却
拡散処理後、Alが合金化されていない領域が残った状態で、冷却すると、合金化していない領域では、γからαへの変態の際に、すでに{100}に配向したα粒となって領域の結晶方位を引き継ぐかたちで変態し、{200}面集積度が増加し、α−Fe相の{200}面集積度が30%以上99%以下で、かつ、{222}面集積度が0.01%以上30%以下の集合組織を有する金属板が得られる(図2bの状態)。
また、図2cのように、板全体が合金化されるまでA点以上で保持され、{100}に配向した粒組織が板中心に到達した場合には、そのまま冷却して{100}に配向した粒組織が板中心まで到達した集合組織を得る。(図2dの状態)
これにより、フェライト生成元素が板全体に合金化され、α−Fe相の{200}面集積度が30%以上99%以下で、かつ、{222}面集積度が0.01%以上30%以下の集合組織を有する金属板が得られる。
{200}面集積度の値や母材金属板表面のフェライト生成元素の残留の状態は、A点以上の保持時間や保持温度により変化し、図2bでは、{100}に配向した粒組織が板中心までは到達せず、フェライト生成元素も表面に残留した状態にあるが、板中心まで{100}に配向した粒組織とし、表面の第二層の全部を合金化することもできる。
なお、拡散処理後の冷却の際、冷却速度は0.1℃/sec以上500℃/sec以下が好ましい。この温度範囲で冷却すると、{200}面配向の芽の成長がより進行する。
以下、実施例により、本発明の実施可能性及び効果について具体的に示す。
この実施例では、母材金属板として、質量%でC:0.0001%、Si:0.0001%、Al:0.0002%、および残部Fe及び不可避的不純物よりなる鋼板を用い、歪み付与工程における繰り返し加工を図3−aに示すレベラータイプの加工装置を用いて実施し、歪み付与工程の実施時期ごとに製造条件と{200}面集積度の関係について調べた結果を示す。
(実施例1−1)
この実施例では、歪み付与工程を熱間圧延と冷間圧延の間に実施した。
上記組成の鋼素材を用い、それを熱間圧延して2〜30の厚みの熱延板に仕上げた。
次にこの熱延板を、レベラータイプの加工装置を用いて繰り返し歪付与加工を行った。
加工装置のロールの間隔L、入側ロールのギャップh1、中間ロールのギャップh2を変化させて、入側と出側のロールで付与される歪量ε1と中間ロールで付与される歪量ε2を調整し、加工ロールの本数nを変化させて、1パスあたりの累積歪量を調整し、加工装置を通す繰り返しのパス数を調整して、繰返し加工による全体の累積歪み量εを調整した。
次に、繰返し加工によって歪が付与された熱延板を冷間圧延して、板厚が0.10〜1.00mmの冷延板を得た。
表1−1に、熱延板の板厚と繰返し加工の加工条件、冷間圧延後の板厚と冷間圧延により付加された歪み、及び繰返し加工と冷間圧延による累積の歪みを真歪みで示す。
なお、それぞれの歪みは前述のように計算して求めたが、以下の実施例でも同様とする。
以上のように歪が付与された冷延板の表面に、第二層として、Zn、Sn、Al、Si、Ti、Ga、Ge、Mo、V、Cr、As、Ni層を形成した。Snは電気めっき法、Zn、Alは溶融めっき法によって皮膜した。その他はイオンプレーティング(以下IP法)で行なった。
次に第二層を付着させた母材金属板に各種条件で熱処理を施す実験を行なった。熱処理にはゴールドイメージ炉を用い、プログラム制御により各種昇温速度、保持時間を制御した。昇温、保持の間は10-3Paレベルまで真空引きした雰囲気中で行なった。母材金属板の冷却時には、Arガスを導入して流量の調整によって冷却速度を制御した。
合金化されてない位置の{200}、{222}面集積度を評価するため、合金化されていない位置が評価面となるように、作製した試料の表面から所定の距離までの層を除去した試験片を作製した。板全体に合金化されている場合は、板厚の1/2tの位置とした。
集合組織の測定は前述したX線回折法による方法で行い、X線は、試験片の表面と、層を除去された試験片の所定の面からそれぞれ照射し、それぞれのα−Fe相の{200}、{222}面集積度を求めた。
表1−2に、母材金属板の条件や熱処理の条件、製造後において測定した{200}面集積度と{222}面集積度を示した。
表1−2に示すように、本発明例では、いずれもα−Fe相の{200}面集積度が30%以上、および、{222}面集積度が30%以下の製品金属板が得られていることが確認できる。
また、そのような金属板は、表1−1に示すように、繰返し加工による累積歪みが、真歪みで0.5以上4.5以下であり、母材金属板にフェライト生成元素を付着させる工程前に付与された累積の歪みが真ひずみで5以上9以下である。
これに対し、繰返し加工を行わなかった比較例1や、繰返し加工による累積歪み量と全累積歪み量がともに低い比較例2〜4では、本発明例のような高い{200}面集積度の金属板は得られなかった。また、フェライト生成元素による第二層を形成しなかった比較例5やフェライト生成元素でないNiにより第二層を形成した比較例6でも、高い{200}面集積度の金属板は得られなかった。さらに、加熱拡散処理時の保持温度が適当でない比較例7、8、同じく保持時間が非常に長い比較例9、加熱拡散処理終了時の冷却速度が適当でない比較例10、11も高い{200}面集積度の金属板は得られなかった。
Figure 2013095955
Figure 2013095955
(実施例1−2)
この実施例では、歪み付与工程を冷間圧延の途中に実施した。
板厚2.5〜30mmの熱延板を、冷間圧延して0.1〜10mmの中間の冷延板にした後、実施例1−1と同様に繰返し加工を実施し、さらに冷間圧延して、0.03〜1mmの冷延板に仕上げた。表2−1に、繰返し加工の条件、それぞれの段階での歪み量を示す。
その後、冷延板の表面に第二層として、Si、Al、Zn、Sn、Ti、Ga、Ge、Mo、V、Cr、As、Ni層を形成し、加熱拡散処理を行い、加熱拡散処理後の母材金属板の{200}、{222}面集積度を評価した。なお、Zn、Alの皮膜は溶融めっき法によって行い、その他の皮膜はイオンプレーティング(以下IP法)で行なった。
表2−2に、母材金属板の条件や熱処理の条件、製造後において測定した{200}面集積度と{222}面集積度を示した。
この実施例おいても、発明例では実施例1−1と同様の結果が得られた。また、比較例も実施例1−1と同様の結果となった。
Figure 2013095955
Figure 2013095955
(実施例1−3)
この実施例では、歪み付与工程を冷間圧延後に実施した。
板厚2.5〜30mmの熱延板を、冷間圧延して0.05〜1mmの冷延板に仕上げた後、実施例1−1と同様に繰返し加工を実施した。表3−1に、繰返し加工の条件、それぞれの段階での歪み量を示す。
その後、冷延板の表面に第二層として、Zn、Al、Si、Sn、Ti、Ga、Ge、Mo、V、Cr、As、Ni層を形成し、加熱拡散処理を行い、加熱拡散処理後の母材金属板の{200}、{222}面集積度を評価した。なお、Zn、Alの皮膜は溶融めっき法によって行い、その他の皮膜はイオンプレーティング(以下IP法)で行なった。
表3−2に、母材金属板の条件や熱処理の条件、製造後において測定した{200}面集積度と{222}面集積度を示した。
この実施例おいても、発明例では実施例1−1と同様の結果が得られた。また、比較例も実施例1−1と同様の結果となった。
Figure 2013095955
Figure 2013095955
この実施例では、母材金属板として、実施例1と同じ組成の鋼板を用い、歪み付与工程における繰り返し加工を、図3−bに示すルーパータイプの加工装置を用いて実施し、歪み付与工程の実施時期ごとに製造条件と{200}面集積度の関係について調べた結果を示す。なお、繰り返し加工以外の条件は、実施例1と同様とした。
歪み付与工程を冷間圧延前に実施した場合を〔表4−1〕、〔表4−2〕に、歪み付与工程を冷間圧延途中に実施した場合を〔表5−1〕、〔表5−2〕に、歪み付与工程を冷間圧延後に実施した場合を〔表6−1〕、〔表6−2〕にそれぞれ示す。
この実施例おいても、発明例では実施例1−1と同様の結果が得られた。また、比較例も実施例1−1と同様の結果となった。
Figure 2013095955
Figure 2013095955
Figure 2013095955
Figure 2013095955
Figure 2013095955
Figure 2013095955
この実施例では、母材にさまざまな組成のFe系金属を用い、製造条件と{200}面集積度の関係について調べた結果を示す。
この実施例では、表7に示す成分からなる板厚30mmの熱延板を用い、それを冷間圧延して5mmの中間の冷延板にした後、実施例1の発明例35と同じ条件で繰返し加工による歪み付与工程を実施し、さらに冷間圧延して、0.5mmの冷延板に仕上げた。その後、冷延板に第2層としてSiをめっきした後、実施例1の発明例8と同じ条件で加熱拡散熱処理を実施した。表8に繰返し加工と冷間圧延によって付与した累積の歪み量を示す。
加熱拡散処理後の金属板の{200}、{222}面集積度を評価した結果、表8に示すように、いずれの例でもα−Fe相の{200}面集積度が30%以上、および、{222}面集積度が30%以下の製品金属板が得られており、本発明が、α−γ変態系の様々なFe系金属で実現できることが確認できる。
Figure 2013095955
Figure 2013095955
本発明のFe系金属板は、ケイ素鋼板が使用されるような変圧器などの磁心等へ好適であり、これらの磁心の小型化やエネルギー損失低減に貢献できる。

Claims (7)

  1. α−γ変態成分系のFe系金属よりなる鋳片から熱間圧延及び冷間圧延によって厚みを減少させて母材金属板を得る工程と、
    冷間圧延後の加工歪みを有する母材金属板の片面あるいは両面にフェライト生成元素を付着させる工程と、
    フェライト生成元素が付着した母材金属板を、A点まで加熱して、フェライト生成元素を母材金属板に拡散させ、合金化させる工程と、
    母材金属板をさらにA点以上1300℃以下の温度に加熱、保持してフェライト生成元素を拡散させ、合金化された領域のα−Fe相の{200}面集積度を増加させるとともに{222}面集積度を低下させる工程と、
    母材金属板をA点未満の温度へ冷却し、合金化していない領域のγ−Fe相がα−Fe相へ変態する際に、該領域の{200}面集積度を高めて、母材金属板の{200}面集積度が30%以上99%以下となり、かつ、{222}面集積度が0.01%以上30%以下となるようにする工程とを有し、
    さらに、前記熱間圧延後、母材金属板の片面あるいは両面にフェライト生成元素を付着させる工程までの間に、母材金属板の表層に引張歪みと圧縮歪みを交互に繰返し付与する歪み付与工程を有し、
    前記歪み付与工程で付与される累積の歪みが、真歪みで0.5以上4.5以下であり、母材金属板にフェライト生成元素を付着させる工程前に付与された累積の歪みが、真ひずみで5以上9以下であることを特徴とする高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
  2. 前記歪み付与工程が、熱間圧延と冷間圧延の間に行われることを特徴とする請求項1に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
  3. 前記歪み付与工程が、冷間圧延の途中で行われることを特徴とする請求項1に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
  4. 前記歪み付与工程が、冷間圧延の後に行われることを特徴とする請求項1に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
  5. 前記歪み付与工程において、複数のロールを、母材金属板を上下で挟むように母材金属板の移動方向に沿って互い違いに配置し、母材金属板を上下のロール間を通して移動させることにより、母材金属板の表層に引張歪みと圧縮ひずみを交互に付与することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
  6. 前記歪み付与工程において、複数のロールを、距離を置いて互い違いに配置して、先のロールで母材金属板の進行方向と反対方向に曲げ、ついで、後のロールで進行方向に曲げ戻し、この操作を以降のロールで順次繰り返すことにより、母材金属板の表層に引張歪みと圧縮ひずみを交互に付与することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
  7. 前記歪み付与工程が、引張ひずみと圧縮ひずみの付与を1回で行うかまたは複数回繰り返して行うものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高い{200}面集積度を有するFe系金属板の製造方法。
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