JP2013095432A - 発泡樹脂製トレイおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】開口部の強度を改善でき、なおかつラップ包装の作業性を悪化させることもない発泡樹脂製トレイを提供すること。
【解決手段】発泡樹脂製トレイは、発泡樹脂シートからなり、底部と、底部の周縁から立ち上がり上縁開口を形成する側壁部と、側壁部の上縁開口から外方へ向かって延びる平坦なフランジ部とを備え、フランジ部はその一部に側壁部の上縁開口を取り囲むように隆起する隆起部が形成され、隆起部はその表面にシボが形成されてなる。
【選択図】図5
【解決手段】発泡樹脂製トレイは、発泡樹脂シートからなり、底部と、底部の周縁から立ち上がり上縁開口を形成する側壁部と、側壁部の上縁開口から外方へ向かって延びる平坦なフランジ部とを備え、フランジ部はその一部に側壁部の上縁開口を取り囲むように隆起する隆起部が形成され、隆起部はその表面にシボが形成されてなる。
【選択図】図5
Description
この発明は、発泡樹脂製トレイおよびその製造方法に関し、詳しくは強度が改善された発泡樹脂製トレイとその製造方法に関する。
この発明に関連する先行技術としては、底部と側壁部からなる容器本体と、該容器本体の開口部に着脱可能に取り付けられる蓋とからなる包装用容器であって、前記容器本体は、開口部にフランジが延設され、対向する一部の側壁部のフランジに上向きに膨出する起立部が形成され、該起立部は、長手方向中央の起立部中央部とその両端部の起立部端部とからなり、前記起立部中央部の頂部は長手方向に略水平とされ、前記起立部端部は容器本体コーナー部に向けて前記フランジに対して30〜70度の角度で傾斜しており、閉蓋時の前記起立部頂部と蓋下面との間隔が0〜3mmであることを特徴とする包装用容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来より、生鮮食料品店等の小売店で食品を包装し陳列するための包装用容器として発泡樹脂からなる発泡樹脂製トレイが使用されている。
発泡樹脂製トレイの使用方法としては、食品を載せた後に剛性を備えた透明蓋を嵌め込む方法や、蓋の代わりにラップで直接包装する方法などがある。
ラップで直接包装する場合、比較的強いテンションでラップを引っ張りながら食品を発泡樹脂製トレイごと包装する。
この際、ラップは発泡樹脂製トレイの開口部で折り返されることとなり、開口部には強い力が加わる。
このため、場合によっては発泡樹脂製トレイの開口部に皺が生じたり、開口部が折れ曲がったりすることがある。
発泡樹脂製トレイの開口部に皺や折れ曲がりが生じると、商品としての見栄えが悪くなるだけでなく、開口部とラップとの間に隙間が生じて密閉状態が維持できなくなる恐れもある。
発泡樹脂製トレイの使用方法としては、食品を載せた後に剛性を備えた透明蓋を嵌め込む方法や、蓋の代わりにラップで直接包装する方法などがある。
ラップで直接包装する場合、比較的強いテンションでラップを引っ張りながら食品を発泡樹脂製トレイごと包装する。
この際、ラップは発泡樹脂製トレイの開口部で折り返されることとなり、開口部には強い力が加わる。
このため、場合によっては発泡樹脂製トレイの開口部に皺が生じたり、開口部が折れ曲がったりすることがある。
発泡樹脂製トレイの開口部に皺や折れ曲がりが生じると、商品としての見栄えが悪くなるだけでなく、開口部とラップとの間に隙間が生じて密閉状態が維持できなくなる恐れもある。
発泡樹脂製トレイの開口部の強度を向上させるには、発泡樹脂製トレイの開口部に外方に張り出すフランジ部を形成することなどが考えられる。
しかしながら、単にフランジ部を形成しただけでは、ラップ包装を行う際にラップが平坦なフランジ部に不要に貼り付いて滑り難くなるため、ラップ包装の作業性が悪化するという別の問題が生じる。
しかしながら、単にフランジ部を形成しただけでは、ラップ包装を行う際にラップが平坦なフランジ部に不要に貼り付いて滑り難くなるため、ラップ包装の作業性が悪化するという別の問題が生じる。
この発明は以上のような事情を考慮してなされたもので、開口部の強度を改善でき、なおかつラップ包装の作業性を悪化させることもない発泡樹脂製トレイとその製造方法を提供するものである。
この発明は、発泡樹脂シートからなり、底部と、底部の周縁から立ち上がり上縁開口を形成する側壁部と、側壁部の上縁開口から外方へ向かって延びる平坦なフランジ部とを備え、フランジ部はその一部に側壁部の上縁開口を取り囲むように隆起する隆起部が形成され、隆起部はその表面にシボが形成されてなることを特徴とする発泡樹脂製トレイを提供するものである。
この発明によれば、上縁開口から延びるフランジ部と上縁開口を取り囲むように形成された隆起部とにより上縁開口の強度が向上し、ラップ包装の際に上縁開口に皺が生じたり上縁開口が折れ曲がったりすることを防止できる。
また、フランジ部に形成された隆起部により、ラップ包装の際にラップが隆起部によって持ち上げられ平坦なフランジ部に不要に貼り付くことを防止できるだけでなく、隆起部の表面に形成されたシボによりラップが隆起部に強く貼り付くことも防止でき、開口部におけるラップの滑りを確保してスムーズなラップ包装作業が可能になる。
また、フランジ部に形成された隆起部により、ラップ包装の際にラップが隆起部によって持ち上げられ平坦なフランジ部に不要に貼り付くことを防止できるだけでなく、隆起部の表面に形成されたシボによりラップが隆起部に強く貼り付くことも防止でき、開口部におけるラップの滑りを確保してスムーズなラップ包装作業が可能になる。
この発明による発泡樹脂製トレイは、発泡樹脂シートからなり、底部と、底部の周縁から立ち上がり上縁開口を形成する側壁部と、側壁部の上縁開口から外方へ向かって延びる平坦なフランジ部とを備え、フランジ部はその一部に側壁部の上縁開口を取り囲むように隆起する隆起部が形成され、隆起部はその表面にシボが形成されてなることを特徴とする。
この発明による発泡樹脂製トレイにおいて、発泡樹脂シートとは、多数の気泡を内包する熱可塑性の樹脂シートを意味する。このような発泡樹脂シートとしては、例えば、ポリスチレン系発泡樹脂シート、ポリエチレン系発泡樹脂シート、ポリプロピレン系発泡樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート(PET)系発泡樹脂シートなどの発泡樹脂シートが挙げられる。なかでも高発泡倍率で断熱性と強度に優れ、成形性も良好なポリスチレン系発泡樹脂シートが好ましい。
ポリスチレン系発泡樹脂シートとしては、従来公知のポリスチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンメタクリル酸共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体などの単独あるいは混合樹脂などと、公知の発泡剤と気泡調整剤を押出機で加熱溶融混練し、発泡に適する温度に調節されたダイからシート状に押し出して発泡させるか、あるいは一旦円筒状に押し出して発泡させた後、任意のラインで切開して長尺のシート状に成形したものを用いることができる。
また、この発明による発泡樹脂製トレイにおいて、シボとはトレイの表面に凹凸によって形成された模様を意味し、当該模様が規則性を有するか否かは問わない。したがって、シボには凹凸によって形成された皮革模様、木目、岩目、砂目、なし地、幾何学模様など様々な模様が含まれる。
この発明による発泡樹脂製トレイにおいて、底部はその表面に複数の畝状の溝が互いに平行に形成されていてもよい。
このような構成によれば、食品を収容した際に当該食品が底部上で滑りにくくなり、トレイ内で食品が片寄って見栄えが悪くなることを防止できる。
また、底部に複数の畝状の溝が形成されることにより、収容した食品は底部上で部分的に支持されることとなり、当該食品から何らかの汁が滲み出たとしても溝を介してトレイの縁へ流動させることができる。このため、収容した食品が滲み出た汁に浸かり続けるような状態になることを防止でき、衛生的であるばかりでなく食品の劣化を抑制できる。
このような構成によれば、食品を収容した際に当該食品が底部上で滑りにくくなり、トレイ内で食品が片寄って見栄えが悪くなることを防止できる。
また、底部に複数の畝状の溝が形成されることにより、収容した食品は底部上で部分的に支持されることとなり、当該食品から何らかの汁が滲み出たとしても溝を介してトレイの縁へ流動させることができる。このため、収容した食品が滲み出た汁に浸かり続けるような状態になることを防止でき、衛生的であるばかりでなく食品の劣化を抑制できる。
この発明による発泡樹脂製トレイにおいて、側壁部はその表面にシボが形成されていてもよい。
このような構成によれば、隆起部から側壁部へかけてシボが連続することとなり、美感に優れた食品用トレイを提供できる。
このような構成によれば、隆起部から側壁部へかけてシボが連続することとなり、美感に優れた食品用トレイを提供できる。
この発明による発泡樹脂製トレイにおいて、フランジ部は、フランジ部の端から下方へ屈曲する屈曲部を経て外方へ張り出す補助フランジ部を有していてもよい。
このような構成によれば、フランジ部の強度が向上するだけでなく、ラップ包装する際にラップとの接触箇所が増加し、密封状態をより良好に維持できるようになる。
このような構成によれば、フランジ部の強度が向上するだけでなく、ラップ包装する際にラップとの接触箇所が増加し、密封状態をより良好に維持できるようになる。
この発明は、別の観点からみると、この発明による上述の発泡樹脂製トレイを製造するための方法であって、発泡樹脂製トレイに対応したキャビティを形成する一対の雄型と雌型からなり、雄型は前記発泡樹脂製トレイの隆起部と対応する部分がシボの形成された平坦面とされてなる真空成形用の金型を用い、予熱した発泡樹脂シートを前記一対の雄型と雌型で挟みつつ真空引きして隆起部の表面にシボを形成する工程を備えた発泡樹脂製トレイの製造方法を提供するものでもある。
この発明による上記製造方法によれば、発泡樹脂シートを真空成形によって成形する際に当該発泡樹脂シートが雄型の隆起部と対応する部分であるシボの形成された平坦面に強く密着するようになり、平坦面のシボが隆起部の表面に再現性よく転写される。
これは次のような理由によると考えられる。つまり、雄型のうち隆起部と対応する部分が平坦面ではなく曲面で形成され、該曲面にシボが形成されている場合、発泡樹脂シートは隆起部と対応する部分で曲面に沿って延伸させられ、延伸させられた分だけ肉厚が薄くなる。このため、発泡樹脂シートは雄型の隆起部と対応する部分で雄型の表面に十分に密着しなくなり、曲面に形成されたシボは十分に再現(転写)されないこととなる。
しかし、この発明による上記製造方法のように、雄型の隆起部と対応する部分を平坦面とすれば、当該部分で発泡樹脂シートの延伸が抑えられるので、発泡樹脂シートは十分な圧力で雄型の隆起部対応部分に密着するようになり、シボが隆起部に再現性よく形成されるようになる。
しかし、この発明による上記製造方法のように、雄型の隆起部と対応する部分を平坦面とすれば、当該部分で発泡樹脂シートの延伸が抑えられるので、発泡樹脂シートは十分な圧力で雄型の隆起部対応部分に密着するようになり、シボが隆起部に再現性よく形成されるようになる。
なお、この発明による上記製造方法で用いられる金型において、シボの形成された平坦面とは、所定の模様またはパターンを形成する細かな凹凸が表面に形成されているものの、全体としては実質的に平坦をなす面を意味し、全く凹凸のない平滑な面を意味するものではない。
以下、図面に基づいてこの発明の実施形態に係る発泡樹脂製トレイとその製造方法、並びに、その製造方法に用いられる金型について説明する。
本発明の実施形態に係る発泡樹脂製トレイについて図1〜8に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係る発泡樹脂製トレイの斜視図、図2は図1に示される発泡樹脂製トレイの平面図、図3は図2のA−A矢視断面図、図4は本発明の実施形態に係る発泡樹脂製トレイに食品を収容しラップ包装した状態を示す説明図、図5は図4のB部拡大図である。
図1〜3に示されるように、本発明の実施形態に係る発泡樹脂製トレイ1は、発泡ポリスチレンからなり、底部2と、底部2の周縁から立ち上がり上縁開口3aを形成する側壁部3と、側壁部3の上縁開口3aから外方へ向かって延びる平坦なフランジ部4とを備えている。図示しないが、発泡樹脂製トレイ1の表面(内面)は熱可塑性の樹脂フィルムで被覆されている。
フランジ部4はその一部に側壁部3の上縁開口3aを取り囲むように隆起する隆起部5が形成されている。
また、図3に示されるように、フランジ部4の端には一旦緩やかに下方へ屈曲する屈曲部4aを経て再び外方へ張り出す補助フランジ部4bが形成されている。屈曲部4aと補助フランジ部4bはフランジ部4の強度を向上させる。
フランジ部4はその一部に側壁部3の上縁開口3aを取り囲むように隆起する隆起部5が形成されている。
また、図3に示されるように、フランジ部4の端には一旦緩やかに下方へ屈曲する屈曲部4aを経て再び外方へ張り出す補助フランジ部4bが形成されている。屈曲部4aと補助フランジ部4bはフランジ部4の強度を向上させる。
図1および図2に示されるように、隆起部5、側壁部3および底部2の周縁2aにはシボ6が形成されている。本実施形態においてシボ6は鋳物の表面を模したような凹凸によって形成されている。
また、底部2の周縁2aを除く領域には複数の畝状の溝7が平行に形成されている。複数の畝状の溝7は収容する物品を載置する載置部8を構成している。
また、底部2の周縁2aを除く領域には複数の畝状の溝7が平行に形成されている。複数の畝状の溝7は収容する物品を載置する載置部8を構成している。
図4に示されるように、載置部8の上には、例えば、食肉などの食品10が載置され、ラップ11で発泡樹脂製トレイ1ごと包装される。
この際、図5に示されるように、ラップ11はフランジ部4の端、すなわち補助フランジ部4bで折り返され、発泡樹脂製トレイ1の開口部9(図1および図2参照)には強い力が加わる。
この際、図5に示されるように、ラップ11はフランジ部4の端、すなわち補助フランジ部4bで折り返され、発泡樹脂製トレイ1の開口部9(図1および図2参照)には強い力が加わる。
しかし、本実施形態に係る発泡樹脂製トレイ1では、フランジ部4と隆起部5が側壁部3の上縁開口3aを補強するように作用する。このため、本実施形態に係る発泡樹脂製トレイ1は開口部9の強度が改善され、上縁開口3aに皺が生じたり、上縁開口3aが折れ曲がったりすることを防止できる。これは、見栄えの向上と良好な密封状態の確保に繋がる。
また、図5に示されるように、ラップ11は隆起部5、屈曲部4aおよび補助フランジ部4bの3箇所で支持されているため、強固な密封状態を作り出すことができる。特に、補助フランジ部4bは他の部分よりも薄く形成されており、ラップ11と高い圧力で密着するため折り返し易く、強固な密封状態を作り出す上でも有利に作用する。
また、図5に示されるように、ラップ11は隆起部5、屈曲部4aおよび補助フランジ部4bの3箇所で支持されているため、強固な密封状態を作り出すことができる。特に、補助フランジ部4bは他の部分よりも薄く形成されており、ラップ11と高い圧力で密着するため折り返し易く、強固な密封状態を作り出す上でも有利に作用する。
なお、ラップ包装の際、ラップ11は上述の通り隆起部5、屈曲部4a、補助フランジ部4bの3箇所で支持されるため、平坦なフランジ部4には接触しない。すなわち、ラップ11は隆起部5によって持ち上げられた状態となる。
このため、ラップ包装の際に平坦で比較的面積の広いフランジ部4にラップ11が不要に貼り付いてラップ包装の作業性を悪化させることを防止できる。
しかも、上述の通り、隆起部5はその表面にシボ6が形成されているため、ラップ11は折り返しの起点となる隆起部5にも貼り付き難く、ある程度の滑りが確保されるため、ラップ包装の作業性は極めて良好なものとなる。
このため、ラップ包装の際に平坦で比較的面積の広いフランジ部4にラップ11が不要に貼り付いてラップ包装の作業性を悪化させることを防止できる。
しかも、上述の通り、隆起部5はその表面にシボ6が形成されているため、ラップ11は折り返しの起点となる隆起部5にも貼り付き難く、ある程度の滑りが確保されるため、ラップ包装の作業性は極めて良好なものとなる。
また、図4に示されるように、食品10は畝状の溝7が形成された載置部8上に載置されるため、載置部8上で部分的に支持された状態となる。
このため、食品10から汁が滲み出たとしても、その汁を溝7を介して底部2の周縁2aへ流動させることができ、食品10が汁に浸かったままの状態となることを防止できる。これは衛生的であり、食品10の劣化抑制にもなる。
このため、食品10から汁が滲み出たとしても、その汁を溝7を介して底部2の周縁2aへ流動させることができ、食品10が汁に浸かったままの状態となることを防止できる。これは衛生的であり、食品10の劣化抑制にもなる。
上述のような構成よりなる発泡樹脂製トレイ1の製造方法について図6に基づいて説明する。図6は本発明の実施形態に係る発泡樹脂製トレイの製造方法を示す説明図である。
図6に示されるように、成形機20は、成形前の発泡樹脂シート30を加熱する加熱炉21と、加熱された発泡樹脂シート30を上下から挟み付ける一対の雄型23と雌型24からなる金型22と、成形された発泡樹脂シート30から個々の発泡樹脂製トレイ1を切り出すカッター(図示せず)とから主に構成されている。
図示しないが、雄型23と雌型24はそれぞれ真空ポンプに接続され、表面に形成された多数の微細な真空引き孔から真空引きを行うことができるように構成されている。また、雄型23と雌型24はシリンダ機構27,28にてそれぞれ昇降可能に構成されている。
図示しないが、雄型23と雌型24はそれぞれ真空ポンプに接続され、表面に形成された多数の微細な真空引き孔から真空引きを行うことができるように構成されている。また、雄型23と雌型24はシリンダ機構27,28にてそれぞれ昇降可能に構成されている。
成形機20には原料としてポリスチレン系発泡樹脂シート(PSPシート)をロール状に巻き取った原反ロールR1と、熱可塑性樹脂フィルムをロール状に巻き取ったフィルムロールR2がそれぞれセットされる。
原反ロールR1とフィルムロールR2からそれぞれ繰り出された発泡樹脂シート30と熱可塑性樹脂フィルム40は、互いに対向するように配され所定の温度に加熱された一対の熱ロール29a,29bを通る際に熱溶着されて一体となる。熱可塑性樹脂フィルム40と一体になった発泡樹脂シート30は加熱炉21に通されて加熱され可塑化と二次発泡が始まる。
原反ロールR1とフィルムロールR2からそれぞれ繰り出された発泡樹脂シート30と熱可塑性樹脂フィルム40は、互いに対向するように配され所定の温度に加熱された一対の熱ロール29a,29bを通る際に熱溶着されて一体となる。熱可塑性樹脂フィルム40と一体になった発泡樹脂シート30は加熱炉21に通されて加熱され可塑化と二次発泡が始まる。
加熱炉21から出た熱可塑性樹脂フィルム40と発泡樹脂シート30は、一対の雄型23と雌型24の間に通され、雄型23と雌型24に挟まれる。この際、雄型23と雌型24によって真空引きが行われ、熱可塑性樹脂フィルム40と一体になった発泡樹脂シート30は速やかに雄型23と雌型24に形状に倣って速やかに成形される。
その後、雄型23と雌型24の嵌合が解かれ、冷却により形状を安定させた後、図示しないカッターで個々の発泡樹脂製トレイ1に切り出すことにより一連の工程が終了する。
その後、雄型23と雌型24の嵌合が解かれ、冷却により形状を安定させた後、図示しないカッターで個々の発泡樹脂製トレイ1に切り出すことにより一連の工程が終了する。
上述の製造方法で用いた金型22について図7および図8に基づいて説明する。図7は個々の金型の構成を示す説明図、図8は図7に示される金型のC部拡大図である。
図7に示されるように、上述の製造方法で用いた金型22は、一対の雄型23と雌型24とから構成されている。
図8に示されるように雄型23は、発泡樹脂製トレイ1の隆起部5(図3参照)と対応する部分がシボ26の形成された平坦面25とされている。
このため、雄型23と雌型24で発泡樹脂シート30(図6参照)を挟み付けた際に、発泡樹脂シート30が隆起部5と対応する部分で延伸させられずに済み、当該部分において発泡樹脂シート30の肉厚の減少を抑えることができる。
発泡樹脂シート30の肉厚が適正に維持されることから、発泡樹脂シート30は、隆起部5と対応する部分において雄型23の表面に強く圧着し、平坦面25に形成されたシボ26は発泡樹脂製トレイ1のシボ6(図1、図2および図5参照)として再現性よく転写される。
図8に示されるように雄型23は、発泡樹脂製トレイ1の隆起部5(図3参照)と対応する部分がシボ26の形成された平坦面25とされている。
このため、雄型23と雌型24で発泡樹脂シート30(図6参照)を挟み付けた際に、発泡樹脂シート30が隆起部5と対応する部分で延伸させられずに済み、当該部分において発泡樹脂シート30の肉厚の減少を抑えることができる。
発泡樹脂シート30の肉厚が適正に維持されることから、発泡樹脂シート30は、隆起部5と対応する部分において雄型23の表面に強く圧着し、平坦面25に形成されたシボ26は発泡樹脂製トレイ1のシボ6(図1、図2および図5参照)として再現性よく転写される。
なお、シボ26の形成には、エッチングに代表される化学的除去法、或いはサンドブラストに代表される物理的除去法を利用でき、一定の所望のパターンを得るうえでは化学的除去法が再現性の観点から好ましい。
化学的除去法では、雄型23の表面に感光性耐薬品皮膜を層状に形成した後、所望のパターンを介して露光し、現像処理することにより所望パターンの耐薬品皮膜層を形成する。
その後、酸又はアルカリ液による化学的或いは電気化学的浸食作用を雄型23の露出部に作用させることにより露出部を溶解し、不要となった耐薬品皮膜層を除去すると所望パターンのシボ26が形成された雄型23を得ることができる。
化学的除去法では、雄型23の表面に感光性耐薬品皮膜を層状に形成した後、所望のパターンを介して露光し、現像処理することにより所望パターンの耐薬品皮膜層を形成する。
その後、酸又はアルカリ液による化学的或いは電気化学的浸食作用を雄型23の露出部に作用させることにより露出部を溶解し、不要となった耐薬品皮膜層を除去すると所望パターンのシボ26が形成された雄型23を得ることができる。
1 発泡樹脂製トレイ
2 底部
2a 周縁
3 側壁部
3a 上縁開口
4 フランジ部
4a 屈曲部
4b 補助フランジ部
5 隆起部
6,26 シボ
7 溝
8 載置部
9 開口部
10 食品
11 ラップ
20 成形機
21 加熱炉
22 金型
23 雄型
24 雌型
25 平坦面
27,28 シリンダ機構
29a,29b 熱ロール
30 発泡樹脂シート
40 熱可塑性樹脂フィルム
R1 原反ロール
R2 フィルムロール
2 底部
2a 周縁
3 側壁部
3a 上縁開口
4 フランジ部
4a 屈曲部
4b 補助フランジ部
5 隆起部
6,26 シボ
7 溝
8 載置部
9 開口部
10 食品
11 ラップ
20 成形機
21 加熱炉
22 金型
23 雄型
24 雌型
25 平坦面
27,28 シリンダ機構
29a,29b 熱ロール
30 発泡樹脂シート
40 熱可塑性樹脂フィルム
R1 原反ロール
R2 フィルムロール
Claims (5)
- 発泡樹脂シートからなり、底部と、底部の周縁から立ち上がり上縁開口を形成する側壁部と、側壁部の上縁開口から外方へ向かって延びる平坦なフランジ部とを備え、フランジ部はその一部に側壁部の上縁開口を取り囲むように隆起する隆起部が形成され、隆起部はその表面にシボが形成されてなることを特徴とする発泡樹脂製トレイ。
- 底部はその表面に複数の畝状の溝が互いに平行に形成されてなる請求項1に記載の発泡樹脂製トレイ。
- 側壁部はその表面にシボが形成されてなる請求項1又は2に記載の発泡樹脂製トレイ。
- フランジ部は、フランジ部の端から下方へ屈曲する屈曲部を経て外方へ張り出す補助フランジ部を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡樹脂製トレイ。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡樹脂製トレイを製造するための方法であって、発泡樹脂製トレイに対応したキャビティを形成する一対の雄型と雌型からなり、雄型は前記発泡樹脂製トレイの隆起部と対応する部分がシボの形成された平坦面とされてなる真空成形用の金型を用い、予熱した発泡樹脂シートを前記一対の雄型と雌型で挟みつつ真空引きして隆起部の表面にシボを形成する工程を備えた発泡樹脂製トレイの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011237533A JP2013095432A (ja) | 2011-10-28 | 2011-10-28 | 発泡樹脂製トレイおよびその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017186084A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-12 | 中央化学株式会社 | 包装用容器 |
WO2020039907A1 (ja) * | 2018-08-23 | 2020-02-27 | シーピー化成株式会社 | 包装用容器 |
-
2011
- 2011-10-28 JP JP2011237533A patent/JP2013095432A/ja active Pending
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WO2020039907A1 (ja) * | 2018-08-23 | 2020-02-27 | シーピー化成株式会社 | 包装用容器 |
JP2020029294A (ja) * | 2018-08-23 | 2020-02-27 | シーピー化成株式会社 | 包装用容器 |
CN111295341A (zh) * | 2018-08-23 | 2020-06-16 | Cp化成株式会社 | 包装用容器 |
JP7244045B2 (ja) | 2018-08-23 | 2023-03-22 | シーピー化成株式会社 | 包装用容器 |
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