発明の実施の形態1.
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面斜視図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。その両側にはアーチランプAHが設けてある。アーチランプAHは、その内部に設けられた発光素子(これは後述の電飾装置の発光素子に相当する)の点滅を通じて所定の演出を行うものである。また、ゲーム表示部131の両側にもアーチランプAH’が設けてある。さらに内側、すなわちゲーム表示部131とアーチランプAH’の間にはサイドランプSLが設けてある。また、前記ゲーム表示部131の下側には、7セグLEDなどを搭載した表示部9Cが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴を含むリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたリジェクトボタン133の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
アーチランプAH、AH’の具体的構造について、図3及び図4を参照して説明を加える(図面では説明に必要最小限の要素について符号を付している)。
アーチランプAH、AH’は、LED基板541と、LED基板541の手前側に配置され複数の円柱形の拡散レンズ542Aが形成されたレンズ部材542と、拡散レンズ542Aにより拡散された光線を反射させるための複数の凹面反射鏡543と、凹面反射鏡543を正面側から覆い隠すレンズカバー545とを備えている。
凹面反射鏡543は、複数個、並列して形成されている。そして、各凹面反射鏡543の中央部に設けられた開口部から、拡散レンズ542Aが正面側に突出するようになっている。レンズカバー545は、透光性を有する着色カバーである。
上述のアーチランプAHは、光源であるLED素子541Aの点発光を拡散レンズ542Aにより拡散させ、凹面反射鏡543によって特定の方向(遊技者の方向)に反射させることにより、レンズカバー545が全体的に発光しているように見える構成となっている。
図5は、アーチランプAH’の縦断面図である(アーチランプAHの横断面図も同様の構成である)。凹面反射鏡543は、枠本体と一体形成されており、6つの凹面反射鏡543が形成されている。各凹面反射鏡543は、図6に示すように、正面視後方に凹んで湾曲する反射凹面543Aを有しているとともに、反射凹面543Aの中央部には、レンズ部材542の拡散レンズ542Aを挿通可能な開口部543Bが設けられている。
レンズ部材542は、方形板状の連結部542Cに、6個の円筒形の拡散レンズ542Aを突設したガラス又は透明なアクリル部材である。拡散レンズ542Aは、複数の凹面反射鏡543に形成された開口部543Bのピッチと同じピッチで設けられている。また、拡散レンズ542Aは、図6(B)に示すように、連結部542C側には、内部にLED素子541Aを収めることができる空間部542Dが形成され、空間部542Dの反対側の端面には、LED素子541Aが照射する照射光を、円柱の曲面方向に放射状に拡散させるための円錐形の反射凹部542Bが設けられている。
そして、レンズ部材542は、背面側から、反射凹部542Bが形成されている前端部を各凹面反射鏡543の開口部543Bに挿通させて、レンズ部材542の背面側には、図5に示すように、基板ケース546に収納されたLED基板541が固定される。こうして、レンズ部材542に設けられている各拡散レンズ542Aは、円柱の柱側面である曲面を上下方向とし柱端面を前後方向とした状態で、凹面反射鏡543の中央部に配置され、後方には光源であるLED素子541Aが位置するものとなる。
ここで、前記凹面反射鏡543の反射凹面543Aは、拡散レンズ542Aによって拡散された光を面全体で均一に特定の方向(例えば遊技者の目線方向)に向けて反射させることができるような曲率で形成されている。すなわち、図6(B)に示すように、LED素子541Aの照射光が拡散レンズ542Aの反射凹部542Bで反射して拡散され、凹面反射鏡543の反射凹面543Aに到達したとき、それらの光線が指向性をもって反射するようになっている。反射凹面543Aの曲率は、拡散レンズ542Aの反射凹面543Aにおける位置(開口部543Bの形成位置)、反射凹面543Aの凹底部から拡散レンズ542Aの前端部までの距離(拡散レンズ542Aの開口部からの突出距離)、拡散レンズ542Aの部材の屈折率、反射凹部542Bの形状等、各種の条件を勘案して設定する。
このように、LED素子541Aの点発光が、拡散レンズ542Aによって放射状に拡散されるとともに、凹面反射鏡543によって特定の方向(遊技者側)に向けて照射されるので、遊技機の前に座している遊技者がレンズカバー545を正面側からみると、レンズカバー545の内部が全体的に発光しているように見えるものとなる。レンズカバー545の内側面にも凸凹を形成することにより、LED素子541Aの点発光の拡散をより効果的にすることができる。
さらに、反射凹面543Aに、蛇皮模様の凹段部544を形成することにより、拡散レンズ542Aによって拡散された光を、反射凹面543Aで指向性をもって反射させると同時に、凹段部544によって乱反射させ、光をより広範囲に反射させることができる。具体的には、凹段部544の凹壁面や角部に照射された光が、反射凹面543Aによって光を反射する方向とは別の方向に反射されるものである。このよう形成した場合には、レンズカバー545の内部が全体的にぼわっと発光しているように見え、指向性を持たせた発光とはまた異なる趣の発光表示が可能となる。
なお、凹段部544の形状は蛇皮模様に限られず、水玉模様や格子状など種々の形状とすることができる。要は、反射光が反射凹面543Aで反射するのと異なる方向に行くような構成となっていればよい。また、図示した例では凹段部544の凹底面は反射凹面543Aと平行に形成されており、凹底面に照射された光は反射凹面543Aで反射されるのとほぼ同じ方向に反射されるようになっているが、凹段部544の形状や設置数によっては、凹底面が反射凹面543Aと平行にならないように形成し、凹底面に照射された光も反射凹面543Aで反射される光と異なる方向に反射するようにしてもよい。
反射凹面543Aの曲率設計によっては、拡散レンズ542Aを凹面反射鏡543の中心に位置させなくてもよい場合もある。つまり、拡散レンズ542Aを配置する位置は、拡散レンズ542Aによって拡散され反射凹面543Aに反射した反射光を特定の方向に向かわせることができる位置であれば、凹面反射鏡543の中心からずれていてもよいものである。
拡散レンズ542Aは、円柱形には限られず、多角柱形であってもよい。反射凹部542Bも円錐形には限られず、多角錐形であってもよい。要は、後方からの照射光を反射凹部542Bに反射させて柱側面方向に放射状に拡散することができるような形状であれば構わないものである。さらに、特に図示しないが、反射凹部542Bに凹凸を設けて、LED素子541Aの照射光を柱側面方向に乱反射させるようにしてもよい。あるいは、拡散レンズ542Aの周囲に、拡散レンズ542Aの内側からの光は通過させるものの、外部からの光を反射する反射透過層を設けてもよい。これらの構成と、凹面反射鏡543の凹段部544、レンズカバー545の内面の凹凸を適宜組み合わせることにより、光源の点発光をより効果的に拡散させることができるものとなる。
上記アーチランプによれば、遊技機の発光表示部に、光源の照射光を拡散させかつ特定の方向に指向性をもって反射させることができるアーチランプAHを用いてあるので、光源としてLEDを用いながら、あたかも面発光しているような発光表示を行わせることができる。
次に、他のサイドランプSLの具体的構造について、図8乃至図14を参照して説明を加える。図8(A)と(B)はそれぞれ異なる構成のサイドランプを示すが、両者は機能の点で同じであり、図8(A)と(B)どちらのサイドランプも、図1の遊技機に使用できる。
サイドランプSLは、大きく分けて、発光体基板41と、リフレクタ42とから構成されている。リフレクタ42が取り付けられる部材が樹脂製の枠のようになっており(これは「バリア」とよばれることがある)、このバリアが図3の金属枠の裏側に取り付けられている。こうすることでサイドランプSLは、アーチランプAH’のすぐ横かつ後方(斜め後ろ)の位置にくるようになる。
発光体基板41は、正面側が開放する基板ケース41Aに複数の発光ダイオード41Cを搭載した発光ダイオード基板41Bを収納したものである。図8(A)に示す発光体ユニット40は、発光ダイオード基板41Bに発光ダイオード41Cが縦2列に各列5個ずつ、合計10個設けられており、図8(B)に示す発光体ユニット40は、発光ダイオード基板41Bに発光ダイオード41Cが縦2列に各列3個ずつ、合計6個設けられている。
また、リフレクタ42は、方形枠状の枠体42Aに複数の仕切り板42Bを設けたものであり、発光体基板41の正面側に配置したとき、仕切り板42Bにより仕切られる複数の空間部に、発光ダイオード41Cが2個ずつ並列して位置するようになっている。図8(A)に示す発光体ユニット40は、リフレクタ42の仕切り板42Bが4枚設けてあり、仕切り板42Bにより仕切られる5つの空間部にそれぞれ発光ダイオード41Cが2個ずつ並列して位置するものである。図8(B)に示す発光体ユニット40は、リフレクタ42の仕切り板42Bが2枚設けてあり、仕切り板42Bにより仕切られる3つの空間部にそれぞれ発光ダイオード41Cが2個ずつ並列して位置するものである。
前記発光体基板41の基板ケース41Aには、ユニット固定部90のフック兼ネジ部92、背面ネジ孔96、及び受け片97にそれぞれ係止又は固定される係止部、固定部が設けられている。すなわち、基板ケース41Aの下端部には、フック兼ネジ部92のフック92Aと係合可能な係止部としての切り欠き片43が設けられ、基板ケース41Aの上端部には、ユニット固定部90に設置したとき背面ネジ孔96と合致する固定部としての基板ネジ孔46が設けられている。切り欠き片43は、基板ケース41Aの下端部に設けられた垂下片の一部を矩形に切り欠いたものであり、切り欠き部の横幅はフック兼ネジ部92のネジボス92Bの横幅よりもやや大きく形成されている。基板ネジ孔46は、基板ケース41Aを前後に貫通する孔である。また、基板ケース41Aの両側面部には、受け片97と係合可能な係止部としての張出片47が形成されている。張出片47は、基板ケース41Aの側板から横方向に張り出す薄板状の突起である。
一方、前記リフレクタ42には、ユニット固定部90の係止開口95及び共用係止片94とそれぞれ係合可能な係止部が設けられている。すなわち、リフレクタ42の下端部には、係止開口95と係合可能な係止部としての垂下片45が設けられ、リフレクタ42の上端部には、共用係止片94の垂下片94Aに係止可能な係止部としての係止爪44が設けられている。垂下片45は、リフレクタ42の下端部から下方に垂下する2つの突出片であり、2つの垂下片45のピッチは、ユニット固定部90の係止開口95のピッチと一致するように形成されている。係止爪44は、リフレクタ42の上端部から背面側に延設された突出片と、その先端から上方に突出する鈎状の爪部を有するフックである。
発光体ユニット40は、リフレクタ42をユニット取付部90の正面側から、発光体基板41をユニット取付部90の背面側からそれぞれ取り付け、基体9に固定されるようになっている。そして、副制御装置としてのサブ基板の制御に基づいて、LED41Cの点灯点滅の態様が変化し、種々の表示パターンの演出を行うことができるようになっている。
まず、発光体ユニット40を取り付ける場合には、図10に示すように、ユニット取付部90の正面側から、リフレクタ42の垂下片45を係止開口95に差し込み、係止開口95に係合させた垂下片45を支点にリフレクタ42の上部を回動させ、係止爪44を共用係止片94の垂下片94Aの下端部に引っ掛ける。係止爪44は弾性変形して爪部が垂下片94Aの背面に係止される(図13参照)。リフレクタ42は、係止爪44及び垂下片45によって、ユニット取付部90の開口部91に上下左右方向及び前後方向に移動不能に嵌り込む。
次に、図11に示すように、背面側から、発光体基板41をユニット取付部90にセットする。この際、発光体基板41の上部側面部がネジボス93Aと略当接し位置決めされる。すなわち、2つのネジボス93Aに挟まれて横方向(図11における左右方向)への移動が規制される。その位置で発光体基板41を下方にスライドさせることにより、張出片47が受け片97の受け部に入り込み、切り欠き片43の切り欠き部がフック92Aに嵌り込む(図13参照)。これにより、発光体基板41は下方向及び左右方向及び前後方向への移動が規制され、基体9に仮固定された状態となると共に、基板ネジ孔46が背面ネジ孔96と合致する。そして、背面ネジ孔96にネジを挿入し締結することにより(図14参照)、発光体基板41が基体9に固定される。
以上のようにして発光体ユニット40を基体9に取り付けると、図10に示すように、正面側から見て、ユニット取付部90をリフレクタ42が塞ぎ、その奥にLED基板41Bに取り付けられたLED41Cをのぞむことができる。発光体ユニット40を取り付けた基体9を上扉4に組み込むと、上パネル8の演出表示窓8Bの奥側に発光体ユニット40が位置し、LED41Cを点灯させると、演出表示窓8Bの、点灯したLED41Cの位置しているリフレクタの空間部分に該当する箇所が発光表示されるようになっている。このように、基体9に発光体ユニット40を取り付ける場合には、上パネル8の演出表示窓8Bは、絵柄などが表示された透光性を有する窓部とするのが望ましい。
図15は、リールユニット203を示す斜視図である。
各回転リール(回胴)40a〜40cがリールユニット203の主要部である。各回転リール(回胴)40a〜40cは、フレーム151にブラケット152を介して取り付けられている。各回転リール(回胴)40a〜40cはそれぞれドラム153の外周に帯154が貼られたものである。帯154の外周面には21個の図柄(図示せず)が描かれている。また、各ブラケット152にはステッピングモータ155が設けられており、各回転リール(回胴)40a〜40cはこれらステッピングモータ155a〜155cで駆動されて回転する。
図16(a)は、回胴40a〜40cの構造を示す斜視図である。
帯154の背後のドラム153内部にはランプケース156が設けられており、このランプケース156の3個の各部屋にはそれぞれバックランプ(発光素子、LED)157a,157b,157cが取り付けられている。これらバックランプ157a〜157cは図5(b)に示すように基板158に実装されており、この基板158がランプケース156の背面側に取り付けられている。また、ブラケット152にはフォトインタラプタ(インデックスセンサ)159が取り付けられている。フォトインタラプタとは、1つのケースの中に発光素子(発光ダイオードなど)と受光素子(フォトトランジスタ、フォトダイオードなど)を対向配置し、その間に検出用の溝を設け、当該検出溝間を物体が通過したことを非接触で検知するものである。このフォトインタラプタ159は、ドラム153に設けられたインデックス(遮蔽板)160がドラム153の回転に伴ってフォトインタラプタ159を通過するのを検出する。
各バックランプ(発光素子、LED)157a〜157cは図示しないランプ駆動回路によって個別に点灯制御される。各バックランプ157a〜157cの点灯により、帯154に描かれた図柄のうち、各バックランプ157の前部に位置する3個の図柄が背後から個別に照らし出され、図柄表示窓131にそれぞれ3個ずつの図柄が映し出される。
なお、図1に示した表示部9C(いわゆる中部スレーブ)にも7セグLEDや通常のLED(ドーム型LED、チップLED)などが搭載されている。表示部9Cも、LEDを備えている点で、アーチランプなどと共通する。
発光ダイオード41Cは、例えば、赤色・緑色・青色の三原色で発光する3つの発光素子がひとつにパッケージ化された多色発光ダイオードである。すなわち、発光ダイオード41Cは、後述の赤色で発光する赤発光素子LE−R、緑色で発光する緑発光素子LE−G及び青色で発光する青色発光素子LE−Bを含むものである。遊技者は、赤発光素子LE−R、緑発光素子LE−G及び青色発光素子LE−Bの点灯状況に応じて、それらが合成されたもの(色)を認識するようになっている。
この種の発光ダイオードは、他にもバックライトにも用いられることがある。バックライトは、例えば、リールユニット203に内蔵される3つの回胴の内部にそれぞれ設けられた3つの発光ユニットであり、これらの発光をゲーム表示部131を通じて遊技者に見せるものである。各発光ユニットには、上記した多色発光ダイオードがそれぞれ設けられている。
なお、多色発光ダイオードである発光ダイオード41Cに代えて、赤色・緑色・青色でそれぞれ発光する3つの発光素子(発光ダイオード)を用いることもできる。これら3つの発光素子を互いに近づけて配置することにより、多色発光ダイオードと同じ機能を奏するようにできる。また、3つの発光素子を一定の距離離して配置するようにしてもよい。この場合でも遠くにいる遊技者に対しては同様に機能するし、近くにいる遊技者に対しては多色発光ダイオードとは違った演出を提供することができる。
図17は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、当該ケースに収納された基板を取り外す際には痕跡が残るように、当該ケースには封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これら80〜82は前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理(入賞判定)を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
なお、ステッピングモータを「駆動する」とは、当該モータを上記励磁により回転させることとともに、所望の位置で停止させその位置を保持するために各相を励磁することも含むものとする。
スロットマシンでは、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
図18は、発明の実施の形態に係る遊技機の電飾制御系統のブロック図を示す。ここで制御対象となる電飾LEは、例えばアーチランプAH、AH’である。あるいは、サイドランプSL、リールのバックランプ157や中部スレーブの表示部9C似適用することもできる。以下では、アーチランプを例に取り説明を加える。
図17は、サブ基板20及びLED基板202を含む系統図を示す。図17の電飾LE以外の各要素は、例えばLED基板202の駆動回路(ドライバ、増幅器など)や、サブ基板20のCPUやメモリであり、予め用意された所定のプログラムをCPUが実行することで実現されるものである。あるいは、ICなどのハードウエアで構成することもできる。
210は、電飾LE(発光素子)を点灯させるための輝度情報を予め記憶する輝度情報記憶部である。後述の発光素子を点滅させるための赤色、緑色、青色のオンオフ情報を予め記憶している。輝度情報記憶部210は、例えばメモリであり、輝度情報はデジタルデータである。輝度情報は、予め定められた期間における時間と点灯又は消灯のいずれかの関係を示すものである(例えば点灯=1、消灯=0)。例えば、赤、緑、青、白、・・・のように発光させるための輝度情報は、(0,0,1)、(0,1,0)、(1,0,0)、(1,1,1)、・・・となる。ここで数字はそれぞれ(青色の点灯又は消灯、緑色の点灯又は消灯、赤色の点灯又は消灯)を意味する。なお、以下の説明では、(0,0,1)の「,」を省略する。
211は、輝度情報記憶部210の輝度情報を読み出して出力する輝度情報読出部である。輝度情報読出部211は、前記輝度情報を繰り返し読み出すことにより時間軸において周期的な輝度信号を出力する。
212は、動作状態が消費電力を抑制するパワーセーブモードであるかどうか判定するパワーセーブモード判定部である。
214は、パワーセーブモードでないとき輝度情報読出部211が出力する輝度情報をそのまま出力するとともに、パワーセーブモードであるとき輝度情報読出部211が出力する輝度情報を調べ、当該輝度情報が赤色、緑色及び青色のうち2以上を点灯させるものであるとき、輝度情報を赤色、緑色又は青色のいずれか1つのみを点灯させるものに変換し、変換した輝度情報を出力する輝度情報変換部である。
図18において、輝度情報変換部214は符号2141、2142−1乃至−3の要素を含む。
2141は、変換後の輝度情報による電飾装置LEの発光色が、変換前の輝度情報による発光色に近似するように予め定められた規則(テーブル)に従って、輝度情報読出部211の輝度情報の変換を行う色変換部である。色変換部2141は公知のテーブルルックアップ処理により、例えば図19に示すような変換を行う。なお、省エネの実現という点からは、必ずしも発光色に近似するように変換する必要はなく、変換前の点灯数に比べて変換後の点灯数が減少していればよい。
図19は、入力が3ビット、出力が3ビットの変換テーブルを示す。この変換テーブルはメモリ上に作成されている。このテーブルの変換前と変換後を比較するとわかるように、変換が行われるのは1乃至8のデータパターンのうち、白色、紫色、水色、黄色の4つである。すなわち次のような変換を行っている。
赤色の輝度情報、緑色の輝度情報及び青色の輝度情報がいずれも点灯であるとき、赤色の輝度情報のみ点灯に変更する。つまり入力が(111)であるとき、出力は(001)となる。
赤色の輝度情報と青色の輝度情報の両方が点灯であるとき、赤色の輝度情報のみ点灯に変更する。つまり入力が(101)であるとき、出力は(001)となる。
緑色の輝度情報と青色の輝度情報の両方が点灯であるとき、青色の輝度情報のみ点灯に変更する。つまり入力が(110)であるとき、出力は(100)となる。
赤色の輝度情報と緑色の輝度情報の両方が点灯であるとき、緑色の輝度情報のみ点灯に変更する。つまり入力が(011)であるとき、出力は(010)となる。
図19のような変換を行うのは次の理由による。
(1)点灯する発光素子の数を最小限の1にすることで消費電力を減らす。
(2)変換の前後における発色の違いにより生じる違和感を少なくする。
白色である(111)を赤色(001)に変換するのは、図17の制御対象であるアーチランプAHは、多くの場合に最も目立つ色である赤色で点灯しており、アーチランプの発光色は赤というイメージが遊技者に定着している。そこで、白色を赤色に変換することで違和感を軽減している。
白色以外の他の色、紫色、水色、黄色については、それぞれ色味の点で似ている赤色、青色、緑色に変換している。
2142−1は、パワーセーブモードであるとき色変換部2141で変換された赤色の色情報を選択して出力する選択部であり、2142−2は、パワーセーブモードであるとき色変換部2141で変換された緑色の色情報を選択して出力する選択部であり、2142−2は、パワーセーブモードであるとき色変換部2141で変換された青色の色情報を選択して出力する選択部である。パワーセーブモードでないときは、選択部2142−1乃至−3は、輝度情報読出部211が出力する輝度情報をそのまま出力する。
213−1は、輝度情報変換部214の出力(より具体的には選択部2142−1の出力)に基づき赤色発光素子LE−Rを点灯させる赤色点灯制御部であり、213−2は、輝度情報変換部214の出力(より具体的には選択部2142−2の出力)に基づき緑色発光素子LE−Gを点灯させる緑色点灯制御部であり、213−3は、輝度情報変換部214の出力(より具体的には選択部2142−3の出力)に基づき青色発光素子LE−Bを点灯させる青色点灯制御部である。
LEは、それぞれ赤色、緑色、青色で発光する赤色発光素子LE−R、緑色発光素子LE−G及び青色発光素子LE−Bを含む電飾装置である。電飾装置LEは、例えば図1のアーチランプAH、AH’のようなものに適用される。他にも、サイドランプSL、リールユニット203のバックライトや、いわゆる中部スレーブの表示部9Cに適用することもできる。
次に、図20を参照して、パワーセーブモード判定部212の動作について説明を加える。図20は、サブ基板20がメイン基板10から各種コマンドを受けていて、それらのうちの所定のものを一定時間受信しなかったときタイムアウトとし、一定時間遊技がなされていないとしてパワーセーブモードに移行する、というものである(他の移行タイミングについては後述する)。あるいは、遊技機の電源オン時あるいは設定変更の時に、図示しない節電スイッチなどにより遊技機をパワーセーブモードに設定するようにもできる。この場合はパワーセーブモード判定部212が節電スイッチの状態を読みに行き、これがオンであればパワーセーブモードと判断するようにもできる。
一定時間継続して遊技がなされていないときパワーセーブモードに移行する。遊技では、スタートスイッチ134を押下し、ストップボタン140で回胴の回転を停止するという一連の操作が行われている。そして、この一連の操作に基づき特定のコマンドがメイン基板10からサブ基板20へ送られる。そこで、サブ基板20(具体的にはパワーセーブモード判定部212)で特定のコマンドの受信状況を監視し、当該コマンドを一定期間受信しないときに少なくとも当該一定期間において遊技が行われなかったと判定してパワーセーブモードに移行する。図20のフローチャートはそのような処理を示している。
S100:パワーセーブモード判定部212が、輝度情報変換部214の動作を、変換を行わないノーマルモードに設定する。
これはデフォルトの設定である。
S101:パワーセーブモード判定部212が、図示しないタイマーをセットし、計時を開始する。
S102:パワーセーブモード判定部212が、サブ基板20で所定のコマンドを受信したかどうか判定する。受信したとき(YES)はS101に戻り、受信していないとき(NO)はS103へ進む。
コマンドの受信はサブ基板20のCPUがプログラムに従って行うので、同様にして実現されるパワーセーブモード判定部212へ、コマンドを受信したこと、受信したコマンドの種類を伝達することは容易である。これを受けてパワーセーブモード判定部212は判定を行う。
なお、所定のコマンドが具体的にどのようなものであるかについては、後述する(なお、後述のボーナス中特有の非遊技時表示モードに突入しランプ等を発光させながらも、所定時間遊技がされないときに単色で発光させるようにする場合は、前記所定のコマンドはベットコマンドである)。
S103:パワーセーブモード判定部212が、タイムアウトかどうか判定する。S101による計時が予め定めたしきい値を超えたとき、タイムアウトと判定する。タイムアウトでないとき(NO)はS101に戻り、タイムアウトのとき(YES)はS104へ進む。
S104:パワーセーブモード判定部212は、パワーセーブモードに移行し、輝度情報変換部214で変換処理を行わせるようにする。タイムアウトは、一定期間において遊技が行われなかったことを意味する。
S105:パワーセーブモード判定部212が、サブ基板20で所定のコマンドを受信したかどうか判定する。受信していないとき(NO)はS105に戻り、受信したとき(YES)はS106へ進む。
S106:パワーセーブモード判定部212は、パワーセーブモードを抜けてノーマルモードに移行し、輝度情報変換部214による変換処理を中止させる。所定のコマンドを受信したことは、遊技が行われたことを意味する。
次に、「所定のコマンド」について説明を加える。所定のコマンドは、遊技が行われていれば必ずメイン基板10からサブ基板20へ送信されるコマンドであり、好ましくは1回の遊技において必ず1回は送信されるコマンドである。
図21は、遊技における操作と、これにより生じる主要なコマンドを時間軸に沿って示したものである。
遊技者によるスタートスイッチ134の押下(時刻t1)で遊技が開始され、3つのストップボタン140それぞれの押下(時刻ts1の第1停止、時刻ts2の第2停止、時刻ts3の第3停止)がなされ、3つの回胴停止後に入賞判定がなされる(時刻t4)。
第1停止とは、最初に停止した停止回胴あるいはこれに対応したストップボタン140の操作を言う。同様に、第2停止とは、第1停止の次に停止した停止回胴あるいはこれに対応したストップボタン140の操作であり、第3停止とは、第2停止の次に停止した停止回胴(最後に停止した回胴)あるいはこれに対応したストップボタン140の操作のことを言う。
時刻t1のスタートスイッチ134の押下により、回胴の回転開始を示す回転開始コマンド(時刻t1c1)が送信され、次に当選役コマンド(時刻t1c2)が送信される(内部抽選手段1200により当選したときであるが、当選せずハズレのときにもその旨を送信するようにもでき、これも、発明の実施の形態に係る装置/方法においては、当選役コマンドに含めることができる)。
時刻ts1の第1停止により、第1停止時に所定の位置にある図柄を示す押下図柄コマンド(時刻ts1c1)が送信される。
第2停止及び第3停止についても、第1停止と同様に3つのコマンドが送信されるが、図面が煩雑になるのでそれらの表示は省略している。
そして、時刻t4の入賞判定により、ボーナス入賞、リプレイ入賞などの情報に関する作動情報コマンド、小役入賞によるメダル払出に関する払出コマンドが送信される。
前述の所定コマンドは、第1停止〜第3停止に係る押下図柄コマンド、滑りコマ数コマンド、停止図柄コマンド、作動情報コマンド、払出コマンドのいずれか、又は、これらの任意の組み合わせである。
図18の装置によれば、パワーセーブモードと判定されたときに輝度情報変換部214で輝度情報を赤色、緑色又は青色のいずれか1つのみを発光するものに変換するので、電飾の報知機能を維持しつつ消費電力を抑制することができる(1つ又は2つの発光素子を駆動する分の電流をカットできる)。
また、輝度情報変換部214は、変換後の輝度情報による発光色が、変換前の輝度情報による発光色に近似するように予め定められた規則(テーブル)に従って変換を行うので、遊技者に与える違和感を軽減できる。すなわち、白色を赤色に変換することで、アーチランプの発光色は赤という遊技者に定着しているイメージを崩すことがない。紫色、水色、黄色については、それぞれ色味の点で似ている赤色、青色、緑色に変換している。
図18の装置は、輝度情報の変換にテーブル(図19)を用いていたが、他にもソフトウエア(プログラム)、ハードウエアを用いて変換することができる。このとき、図22に示すように赤色、緑色、青色のそれぞれについて独立に処理を行うようにすることで、プログラムやハードウエアの構成を簡単にすることができる。テーブルを用いるよりもデータ量を減らすことができ、メモリを節約できる。
パワーセーブモードの他の移行タイミングについて簡単に説明する。パワーセーブモードは、非遊技時に使用されるという意味で、いわゆるデモ表示と同じようなものであるが、デモ表示においては単色しか発光させないような発光データを持てば、本発明の実施の形態を適用しなくても省エネを実現できる。ただし、例えばボーナス中のように店員に対しても報知をしたい状況下において、所定時間遊技がされないときにはパワーセーブモードに移行することとして、ボーナス中特有の非遊技時表示モードに突入し.ランプ等を発光させながらも、単色で発光させるようにする、という使い方はあり得る。当該モードにおいて図26乃至図28の処理が実行される。なお、この非遊技時表示モード時には、同時にスピーカーの音量や他のデバイスの輝度等も下げるようにしてもよい。
なお、この非遊技時表示モードの開始契機は、入賞判定処理(遊技状態の移行がある場合には遊技状態の移行処理、リプレイ処理や払い出し処理がある場合にはそれらの処理)が終わってから、所定時間内に次のベットコマンド(メダル投入あるいはクレジット投入による)が来なかった場合とし、終了契機も、ベットコマンドを受信したときである。
すなわち、発明の実施の形態は、上述のいわゆるデモ表示とともに、ボーナス中特有の非遊技時表示モードに突入した場合においても使用することができる。本明細書では、パワーセーブモードはボーナス中特有の非遊技時表示モードといった「デモ表示」について適用することを含むものとする。
また、図示しない節電スイッチなどにより遊技機をパワーセーブモードに設定するような場合について簡単に説明する。図26乃至図28の処理は、店側でいわゆる省電力モードを選択し、当該省電力モードで遊技を行う場合に当該処理が開始される。店側で、省電力モードではない通常モードを選択しているときは、図26乃至図28の処理は開始されない。
図22は、発明の実施の形態に係る変形例の電飾制御系統のブロック図を示す。図22において、図18に示した構成要素と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
2143−1は、パワーセーブモード用の赤色の輝度情報を生成する赤色輝度情報生成部である。
図23は、赤色輝度情報生成部2143−1の動作に係る真理値表を示す。この真理値表は図19のテーブルと等価であり、入力(青、緑、赤)に対する「赤の出力」を示している。赤色輝度情報生成部2143−1はこれに従って動作する。図23の左側はパワーセーブモードでないときのノーマルの赤の変換テーブル(真理値表)であり、右側はパワーセーブモードのときの赤の変換テーブルである。両者を比較するとわかるように、(011)のときのみ出力が異なっている。したがって、赤色輝度情報生成部2143−1は(011)のときに「赤の出力」を0にする、あるいは「赤の出力」を反転する、という処理を行うことになる。また、パワーセーブモードのときの真理値表において(010)と(011)のいずれにおいても「赤の出力」は0であるから、青=0(消灯)、緑=1(点灯)のときは常に「赤の出力」は0とする、ようにしてもよい。
2143−2は、パワーセーブモード用の緑色の輝度情報を生成する緑色輝度情報生成部である。
図24は、緑色輝度情報生成部2143−2の動作に係る真理値表を示す。この真理値表は図19のテーブルと等価であり、入力(青、緑、赤)に対する「緑の出力」を示している。緑色輝度情報生成部2143−2はこれに従って動作する。図24の左側はパワーセーブモードでないときのノーマルの緑の変換テーブル(真理値表)であり、右側はパワーセーブモードのときの緑の変換テーブルである。両者を比較するとわかるように、(110)と(111)のときに出力が異なっている。したがって、緑色輝度情報生成部2143−2は(110)と(111)のときに「緑の出力」を0にする、あるいは「緑の出力」を反転する、という処理を行うことになる。また、パワーセーブモードのときの真理値表において「青の入力」が1であるとき、すなわち(100)(101)(110)(111)のときはいずれも「緑の出力」は0であるから、青=1(点灯)のときは常に「緑の出力」は0とする、ようにしてもよい。
2143−3は、パワーセーブモード用の青色の輝度情報を生成する青色輝度情報生成部である。
図25は、青色輝度情報生成部2143−3の動作に係る真理値表を示す。この真理値表は図19のテーブルと等価であり、入力(青、緑、赤)に対する「青の出力」を示している。青色輝度情報生成部2143−3はこれに従って動作する。図25の左側はパワーセーブモードでないときのノーマルの青の変換テーブル(真理値表)であり、右側はパワーセーブモードのときの青の変換テーブルである。両者を比較するとわかるように、(101)と(111)のときに出力が異なっている。したがって、青色輝度情報生成部2143−3は(101)と(111)のときに「青の出力」を0にする、あるいは「青の出力」を反転する、という処理を行うことになる。また、パワーセーブモードのときの真理値表において「赤の入力」が1であるとき、すなわち(001)(011)(101)(111)のときはいずれも「青の出力」は0であるから、赤=1(点灯)のときは常に「赤の出力」は0とする、ようにしてもよい。
図26は、赤色輝度情報生成部2143−1の処理フローチャートである。これは、パワーセーブモードのときの真理値表において(010)と(011)のいずれにおいても「赤の出力」は0であるから、青=0(消灯)、緑=1(点灯)のときは常に「赤の出力」は0とする処理である。
S110:赤色輝度情報生成部2143−1は、入力された(青、緑、赤)の輝度データを調べ、緑色が1(点灯)であるかどうか判定する。点灯であれば(YES)S111に進み、点灯でなければ(NO)S112に進む。
S111:赤色輝度情報生成部2143−1は、青色が0(消灯)であるかどうか判定する。消灯であれば(YES)S113に進み、消灯でなければ(NO)S112に進む。
S112:赤色の輝度情報を変換する必要がないので、赤色輝度情報生成部2143−1は入力された赤色の輝度情報をそのまま出力する。
S113:赤色輝度情報生成部2143−1は、赤色の輝度情報を強制的に0とする。これにより輝度の変換が行われる。
図27は、緑色輝度情報生成部2143−2の処理フローチャートである。これは、パワーセーブモードのときの真理値表において「青の入力」が1であるとき、すなわち(100)(101)(110)(111)のときはいずれも「緑の出力」は0であるから、青=1(点灯)のときは常に「緑の出力」は0とする処理である。
S120:緑色輝度情報生成部2143−2は、入力された(青、緑、赤)の輝度データを調べ、青色が1(点灯)であるかどうか判定する。点灯であれば(YES)S122に進み、点灯でなければ(NO)S121に進む。
S121:緑色の輝度情報を変換する必要がないので、緑色輝度情報生成部2143−2は入力された緑色の輝度情報をそのまま出力する。
S122:緑色輝度情報生成部2143−2は、緑色の輝度情報を強制的に0とする。これにより輝度の変換が行われる。
図28は、青色輝度情報生成部2143−3の処理フローチャートである。これは、パワーセーブモードのときの真理値表において「赤の入力」が1であるとき、すなわち(001)(011)(101)(111)のときはいずれも「青の出力」は0であるから、赤=1(点灯)のときは常に「赤の出力」は0とする処理である。
S130:青色輝度情報生成部2143−3は、入力された(青、緑、赤)の輝度データを調べ、赤色が1(点灯)であるかどうか判定する。点灯であれば(YES)S132に進み、点灯でなければ(NO)S131に進む。
S131:青色の輝度情報を変換する必要がないので、青色輝度情報生成部2143−3は入力された青色の輝度情報をそのまま出力する。
S132:青色輝度情報生成部2143−3は、青色の輝度情報を強制的に0とする。これにより輝度の変換が行われる。
図26乃至図28の処理により図23乃至図25の真理値表(右側のもの)を実現できる。図26乃至図28の処理はいずれも簡単なロジックに基づくものであり、比較的少ないコマンドで実現できる。したがって、図19の変換テーブルを用いる場合よりも、より少ないデータ量で実現できると考えられる。
なお、上記例では、青、緑、赤の3つ全てが点灯しているときに、ただひとつの色を点灯させるようにしていた。例えば、(青、緑、赤)=111のときに(青、緑、赤)=001(赤)に変換していた。本発明の実施の形態はこれに限らず、2つの色を点灯させるようにしてもよい。例えば、赤と緑を点灯させるようにしてもよい。要するに、上記処理により、点灯していた発光素子の数をひとつでも少なく出来ればよい。この場合、後述の図30のように色変換テーブルを用いてテーブルルックアップ方式により処理を行うと任意のパターンに対応でき、簡単である。
図29は、図22の輝度情報変換部214をハードウエア(ロジックIC)で構成したときのブロック図を示す。図29の輝度情報生成部2143−1乃至−3と選択部2142−1乃至−3の各回路は次の処理を行う。
赤色輝度情報生成部2143−1と選択部2142−1により、入力が(011)のときに「赤の出力」を反転する。これにより赤の輝度情報は0になる。
緑色輝度情報生成部2143−2と選択部2142−2により、入力が(110)又は(111)のときに「緑の出力」を反転する。これにより緑の輝度情報は0になる。
青色輝度情報生成部2143−3と選択部2142−3により、入力が(101)又は(111)のときに「青の出力」を反転する。これにより青の輝度情報は0になる。
図29において、赤色輝度情報生成部2143−1は、赤色の輝度情報Rと、緑色の輝度情報Gと、青色の輝度情報Bの論理をインバータINVで反転させたものとの論理積を求める論理積ゲートAND1を備え、選択部2142−1は、論理積ゲートAND1の出力と赤色の輝度情報Rの排他的論理和を求める排他的論理和ゲートXOR1と、パワーセーブモードでないとき論理積ゲートAND1の出力をオフにする第1スイッチSW1とを備えるものである。
緑色輝度情報生成部2143−2は、緑色の輝度情報Gと、青色の輝度情報Bとの論理積を求める論理積ゲートAND2を備え、選択部2142−2は、論理積ゲートAND2の出力と緑色の輝度情報Gの排他的論理和を求める排他的論理和ゲートXOR2と、パワーセーブモードでないとき論理積ゲートAND2の出力をオフにする第2スイッチSW2とを備えるものである。
青色輝度情報生成部2143−3は、赤色の輝度情報Rと、青色の輝度情報Bとの論理積を求める論理積ゲートAND3を備え、選択部2142−3は、論理積ゲートAND3の出力と青色の輝度情報Bの排他的論理和を求める排他的論理和ゲートXOR3と、パワーセーブモードでないとき論理積ゲートAND3の出力をオフにする第3スイッチSW3とを備えるものである。
図29の回路により図23乃至図25の真理値表を実現できる。図29の回路は簡単なロジックであり、比較的少ないハードウエアで実現できる。したがって、図22及び図29の装置によれば、図19の変換テーブルを用いる場合よりも、より少ないデータ量で実現できると考えられる。
以上のように、図22の装置によれば、図18の装置と同じ効果を奏しつつ、その具体的な実装において処理プログラム又はハードウエアの構成をより簡単にすることができる。
次に変形例に説明を加える。図18及び図22はいずれも赤色、緑色、青色の三原色を用いた場合の装置であるが、本発明の実施の形態は、赤色、緑色、青色に加えて黄色の四色を用いた装置にも適用できる。図30は、変形例に係る遊技機の電飾制御系統のブロック図を示す。
図30において、図18に示した構成要素と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
214bは、パワーセーブモードでないとき輝度情報読出部211が出力する輝度情報をそのまま出力するとともに、パワーセーブモードであるとき輝度情報読出部211が出力する輝度情報を調べ、当該輝度情報が赤色、緑色、青色及び黄色のうち2以上を点灯させるものであるとき、輝度情報を赤色、緑色、青色又は黄色のいずれか1つのみを点灯させるものに変換し、変換した輝度情報を出力する輝度情報変換部である。
2141bは、変換後の輝度情報による電飾装置LEの発光色が、変換前の輝度情報による発光色に近似するように予め定められた規則(テーブル)に従って、輝度情報読出部211の輝度情報の変換を行う色変換部である。色変換部2141は公知のテーブルルックアップ処理により、例えば図31に示すような変換を行う。図31の説明は後述する。
2142−4は、パワーセーブモードであるとき色変換部2141bで変換された黄色の色情報を選択して出力する選択部である。
213−4は、輝度情報変換部214の出力(より具体的には選択部2142−4の出力)に基づき黄色発光素子LE−Yを点灯させる赤色点灯制御部である。
LE−Yは、黄色で発光する黄色発光素子である。
図31(a)は、入力が4ビット、出力が4ビットの変換テーブルを示す。この変換テーブルはメモリ上に作成されている。このテーブルからわかるように、変換が行われるのは1乃至10のデータパターンのうち、白色、紫色、水色、黄緑、橙の5つである。すなわち次のような変換を行っている。
赤色の輝度情報、緑色の輝度情報、青色の輝度情報及び黄色の輝度情報がいずれも点灯であるとき、赤色の輝度情報のみ点灯に変更する。つまり入力が(1111)であるとき、出力は(0010)となる。なお、色の順番は(青色、緑色、赤色、黄色)である。
赤色の輝度情報と青色の輝度情報の両方が点灯であるとき、赤色の輝度情報のみ点灯に変更する。つまり入力が(1010)であるとき、出力は(0010)となる。
緑色の輝度情報と青色の輝度情報の両方が点灯であるとき、青色の輝度情報のみ点灯に変更する。つまり入力が(1100)であるとき、出力は(1000)となる。
緑色の輝度情報と黄色の輝度情報の両方が点灯であるとき、緑色の輝度情報のみ点灯に変更する。つまり入力が(0101)であるとき、出力は(0100)となる。
赤色の輝度情報と黄色の輝度情報の両方が点灯であるとき、黄色の輝度情報のみ点灯に変更する。つまり入力が(0011)であるとき、出力は(0001)となる。
図31のような変換を行うのは、図19と同じ理由である(再掲)。
(1)点灯する発光素子の数を最小限の1にすることで消費電力を減らす。
(2)変換の前後における発色の違いにより生じる違和感を少なくする。
なお、入力が4ビットであればテーブルの行数は16であるが、図31(b)に示すケースについては次のように他の色又は発光素子で代替できるので、図31(a)のテーブルを用意すれば十分である。
赤色と緑色の同時発光による黄色は、図31(a)の符号8で代替でき、黄色の輝度情報のみをオンにすればよい(図31(b)の符号11と12)。
青色と黄色の同時発光による緑色は、図31(a)の符号6で代替でき、緑色の輝度情報のみをオンにすればよい(図31(b)の符号13)。
青色、赤色、黄色の同時発光による白色は、図31(a)の符号1で代替でき、赤色の輝度情報のみをオンにすればよい(図31(b)の符号14)。黄色、緑色、青色、緑色の同時発光による白色と、青色、緑色、赤色の同時発光による白色についても同じである(図31(b)の符号15と16)。
図30の装置は、図17の装置と同様の効果を奏する。
なお、上記例では、青、緑、赤、黄の4つ全てが点灯しているときに、ただひとつの色を点灯させるようにしていた。青、緑、赤、黄の任意のいずれかひとつを除いて3つの色を点灯させるようにしてもよい。また、2つ点灯させるようにしてもよい。例えば、(青、緑、赤、黄)=1110のときに(青、緑、赤、黄)=0110に変換する。要するに、上記処理により、点灯していた発光素子の数をひとつでも少なく出来ればよい。
なお、以上の説明では、各色を点灯=1又は消灯=0のいずれか一方の状態に制御していたが、本発明の実施の形態は100%の点灯状態に限らず、中間の点灯状態となるように制御してもよい。
例えば、赤を100%の輝度設定とするが、青を0%より大きく100%より小さい輝度(例えば50%の輝度)にするようにしてもよい。また、このようなやり方で赤紫の発光をさせるような発光のさせ方がある場合に、この赤紫を赤の100%発光ではなく、青の50%発光に補正するようにしてもよい(省エネの観点から言えば、輝度設定が50%のほうが省エネ効果は高い)。あるいは、色味を優先するために、青より色味の似ている赤を発光させるようにしてもよい。
また、色数が4つの場合において、パワーセーブモードでは、色数が3つ(赤、緑、青)に近い色に補正するようにしてもよい。例えば、4色のうちの黄色を消灯させるようにする。また、色味の再現性にこだわらないのであれば、色味の関係を無視して、予め定められた特定色に変換するようにしてもよい。
図32は比較例を示す。図18と比較すると、図32の特徴はパワーセーブモード用輝度情報記憶部215を備えることで、輝度情報読出部211の出力について輝度変換を行わないようにしている。
図32の装置は、図18の装置に比べてデータ量が多くなり、大きなメモリ領域を占有するという問題がある。
図32の場合、さまざまな演出パターン(電飾の点灯パターン)についてそれぞれパワーセーブモード用の輝度情報を持つことになるから、パワーセーブモード用輝度情報記憶部215の容量は、輝度情報記憶部210のそれと同じになる。演出パターンは、例えば、赤、赤、緑、緑、青、青、・・・というように点灯させるように輝度情報を時系列に配置したものであるから、そのデータ量は時系列を構成するデータの数に演出パターンの種類数を掛けたものになる。通常、このデータ量は大きなものになる(少なくとも図19のテーブルのデータ量よりはるかに大きくなる)。つまり、図32によれば、輝度情報に関して、図18の約2倍のメモリ領域を必要とすることになる。
したがって、データ量を節約するという点において、図18の装置は、図32の比較例に比べて優れていると言える。
発明の実施の形態2.
発明の実施の形態1では所定の規則により定められたテーブル(図19、図31)に基づき輝度変換を行っていた。発明の実施の形態2では、これに加えて発光素子の劣化の程度を加味して輝度変換を行う。
通常、各色の発光素子の消費電流はどれもほぼ同じであるから、省エネの点で問題となるのは点灯している発光素子の数であり、その発光色ではない。そこで発明の実施の形態1ではなるべく色味の近い発光素子を点灯させるようにしていた。もし、各色の発光素子の劣化の程度が相違し、寿命が大きく異なるのであれば、発光素子の寿命を均一にするために、上記規則に加えて、パワーセーブモードにおいて劣化しやすい発光素子は点灯させないという規則を設けることが好ましい。発明の実施の形態2はこのような規則を実現するための構成要素を付加したものである。
図33は、発明の実施の形態に係る遊技機の電飾制御系統のブロック図を示す。
図33において、図18に示した構成要素と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
2144は、パワーセーブモードにおいて劣化しやすい発光素子は点灯させないという規則に従って、色変換部2141で変換された各色の輝度情報を再度変換することで各発光素子の寿命を均一化する寿命均一化手段である。
2144aは、発光素子の発光色ごとに当該発光素子の劣化のしやすさの関係を予め記憶する劣化フラグテーブルである。
2144bは、劣化フラグテーブル2144aに基づき、色変換部2141により変換された輝度情報により点灯される発光素子が劣化しやすいかどうか判定する劣化判定部である。
2144cは、劣化判定部2144bにより劣化しやすいと判定されたとき、変換された輝度情報により点灯される発光素子を他の発光素子に変更する再変換部である。
図34は、寿命均一化手段2144の処理フローチャートを示す。図35(a)は劣化フラグテーブルの一例、図35(b)は再変換を行うための再変換テーブルの一例を示す。これらのテーブルは予めメモリ上に用意されている。
これらの図を参照して発明の実施の形態2の動作について説明を加える。
S140:色変換部2141が色変換を実行する。
この処理は、発明の実施の形態1で説明したものと同じである。
S141及びS142:劣化判定部2144bが、劣化フラグテーブル2144aに基づき、変換された色の発光素子が劣化しやすいかどうか判定する。図35(a)の例であれば、青色のときS142でYESとなり、赤色、緑色のときNOとなる。YESのときS143の処理を行う。
S143:再変換部2144cが、図35(b)のテーブルを用いて各色の輝度情報を再変換する。この例では青色を、赤色よりは色味が似ている緑色に変換する。
発明の実施の形態2によれば、寿命均一化手段を備えることにより、各発光素子の寿命を均一化することができる。遊技機がホールに設置された状態でどの程度パワーセーブモードになるかは客の入りに応じてケースバイケースであるが、比較的長時間になるときもあると推測される。このような場合、発明の実施の形態2を適用することで遊技機の保守が軽減されるので、経済的効果は大きい。
なお、図33において、最初の色変換において劣化を考慮するようにしてもよい。例えば、寿命均一化手段2144の処理内容を、色変換部2141に予め組み込むようにする。もし、青が最も劣化しやすいのであれば、青を点灯させないようなテーブルを予め作成しておく(このようなテーブルは、他の色に比べて青となるケースが少なくなるように設定されている。例えば、真理値表において青が1である数が、赤が1である数、緑が1である数のいずれよりも小さくなっている。なお、最初の色変換において劣化を考慮する場合は、図34のS141乃至S143の処理は不要である。
なお、光の原色を次々に点滅させていく、いわゆるレインボー演出がある。例えば、図19の変換前の1、2、3、・・・、7、1、2、3、・・・のように順番に発色させる場合において、それらを図19に従って変換を行うことにより、レインボー演出において、省エネを実現できる。図19の変換テーブルによれば省エネ時の減色によっても違和感をそれほど与えないようにできる。
以上の説明において、遊技機としてもっぱらスロットマシンを例にとったが、本発明の実施の形態はこれに限定されず、パチンコ機などの他の遊技機にも適用することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。