JP2013093312A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式充填法を用いて作製された正極板における活物質の充填量や充填密度のばらつきが抑制されたクラッド式鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】湿式充填法により作製されたクラッド式正極板を備えた鉛蓄電池であって、前記クラッド式正極板は、化成後の正極活物質中に0.02質量%以上のアンチモンを含有している。
【選択図】なし

Description

この発明は、湿式充填法により作製されたクラッド式正極板を備えた鉛蓄電池に関するものである。
フォークリフト用電池等のサイクル用途の電池で使用されているクラッド式正極板は、ガラス繊維等からなる多孔性の円筒形チューブの中心に鉛合金製の芯金を通し、その周囲に活物質原料を充填し、化成等の工程を経て製造されるものである。チューブ内へ活物質原料を充填する方法としては、振動を加えながら鉛酸化物を充填する乾式充填法と、鉛酸化物を希硫酸等で混練してペースト状(又はスラリー状)にし、得られたペースト(又はスラリー)をチューブ内へ充填する湿式充填法とが挙げられるが(特許文献1)、乾式充填法では充填作業の際に鉛酸化物の粉じんが発生するため、作業環境の面では湿式充填法の方がよいとされている。
湿式充填法には、ペースト状(又はスラリー状)の活物質原料をチューブに充填するためのノズルをチューブの奥まで挿入し、引き出しながら充填する方法や、チューブ下端部のみに挿入したノズルからペースト状(又はスラリー状)の活物質原料を勢いよく吐出して余剰水分をチューブから排出しながら充填する方法等がある。いずれの方法でも、チューブ内に均一に活物質原料を充填し、かつノズル内に活物質原料が固着しないように、ペースト状(又はスラリー状)の活物質原料の流動性制御が重要である。
このような湿式充填法を用いてクラッド式正極板を作製する場合は、正極活物質原料ペースト(又はスラリー)の流動性が低下すると、充填量のばらつきや充填密度の不均一化が起こりやすくなる。また、正極活物質原料ペースト(又はスラリー)の密度が低い場合は、ペースト(又はスラリー)の固液分離が起こりやすいので、充填量のばらつきや充填密度の不均一化が起こりやすくなる。
特開平8−171906号公報
そこで本発明は、上記現状に鑑み、湿式充填法を用いて作製された正極板における活物質の充填量や充填密度のばらつきが抑制されたクラッド式鉛蓄電池を提供すべく図ったものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、クラッド式正極板を湿式充填法を用いて作製する際、正極活物質原料ペースト(以下スラリー状のものも含む。)にアンチモン(Sb)を配合すると、高い流動性を保ったまま固液分離しにくいペーストが得られ、これにより正極板への充填量や充填密度にばらつきが生じにくくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明に係る鉛蓄電池は、湿式充填法により作製されたクラッド式正極板を備えた鉛蓄電池であって、前記クラッド式正極板は、化成後の正極活物質中に0.02質量%以上のアンチモンを含有していることを特徴とする。なお、化成とは、SBA用語定義によれば、極板を適当な電解液中で電解して正極板・負極板にそれぞれの極性を付与することをいう。例えば、鉛蓄電池では、乾燥された充填板を希硫酸の中で電解し、酸化及び還元によって正極板の鉛酸化物を二酸化鉛、負極板のそれを海綿状鉛に変化させることである。本明細書中における化成後とは、使用できる(放電できる)ようになった状態から後であることを示し、製品として使用、未使用にはかかわらない。
前記化成後の正極活物質のアンチモン含有量の上限は、0.8質量%未満であることが好ましい。
本発明は、前記化成後の正極活物質の密度が3.2〜3.6g/cmである場合に特に有効である。
前記クラッド式正極板の芯金は、Pb−Sb系合金からなるものであってもよい。
本発明に係る鉛蓄電池の製造方法もまた、本発明の一つである。すなわち本発明に係る鉛蓄電池の製造方法は、湿式充填法による鉛蓄電池の製造方法であって、化成後の正極活物質におけるアンチモン含有量が0.02質量%以上になるようにアンチモン化合物を添加して、ペースト状又はスラリー状の正極活物質原料を調製する工程を有することを特徴とする。
本発明は、上述した構成よりなるので、流動性が高く固液分離しにくい正極活物質原料ペーストを得ることができ、湿式充填法によりクラッド式正極板を作製するに際し、活物質の充填量や充填密度のばらつきを抑制することができる。そして、その結果、正極活物質が均一な密度で充填された寿命性能に優れたクラッド式鉛蓄電池を高い歩留まりで提供することを可能とする。
クラッド式正極板の上部と下部とにおける正極活物質の質量差(化成後)の測定方法を示す図である。
以下に本発明に係る鉛蓄電池の実施形態について説明する。
本発明に係る鉛蓄電池は、例えば、二酸化鉛を活物質の主成分とする正極板と、鉛を活物質の主成分とする負極板と、これら極板の間に介在する不織布状又は多孔性のセパレータとからなる極板群を備えたものであり、当該極板群が希硫酸を主成分とする電解液に浸漬されてなるものである。
前記正極板は、湿式充填法により作製されたクラッド式のものであり、ガラス繊維等からなる多孔性の円筒形チューブと、鉛合金からなる芯金との間にペースト状の活物質原料を充填することにより形成される。一方、前記負極板は、Pb−Sb系合金やPb−Ca系合金等からなる格子体を備えたものであり、当該格子体にペースト状の活物質原料を充填することにより形成される。これらのチューブ、芯金、格子体、負極活物質原料ペースト、セパレータ、電解液等としては特に限定されず、目的・用途に応じて適宜公知のものから選択して用いることができる。
本発明におけるクラッド式正極板は、正極活物質(化成後)中に0.02質量%以上のアンチモンを含有しているものである。アンチモン含有量(化成後)が0.02質量%以上になるように正極活物質原料ペーストにアンチモンを配合すれば、高い流動性を保ったまま固液分離しにくいペーストが得られ、これにより正極板への充填量や充填密度にばらつきが生じにくくなる。そして、正極活物質の充填密度が均一となる結果、得られる鉛蓄電池の寿命性能も向上し、また、充填量のばらつきが抑制されることにより、安定した性能のクラッド式鉛蓄電池を高い歩留まりで製造することができる。なお、アンチモン含有量(化成後)が0.02質量%未満であると、このような効果は甚だ不充分なものとなる。
なお、正極活物質原料ペースト中の固体粒子が凝集すると、粒子に捕捉されずに自由に動くことができる水分が多くなり、流動性が高まるが、固液分離しやすくなるので、均一な充填が困難になる。従って、正極活物質原料ペーストの性状としては、単に柔らかかったり、流動性があったりするだけでは不充分であり、流動性があるとともに固液分離しにくいことが重要である。
一方、正極活物質のアンチモン含有量の上限は、化成後において、0.8質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%である。アンチモン含有量(化成後)が0.8質量%以上であると、自己放電の増加によりJIS D5303−1に規定された容量保存特性を満たしにくくなるとともに、正極活物質の利用率が低下し、また、0.5質量%(化成後)を超えてアンチモンを含有させても、充填量や充填密度のばらつき抑制効果のより一層の伸びは得られにくくなる。
なお、正極活物質原料ペーストにアンチモンを配合すると、上述のように、正極板への充填密度が均一化され、その結果、得られる鉛蓄電池の寿命性能も向上するが、一方で、アンチモンは負極板の水素過電圧を低下させて、水素ガス発生を伴う自己放電を増加させ、その結果、放置後の鉛蓄電池の放電性能を低下させるという負の要因ともなる。しかし、正極活物質(化成後)のアンチモン含有量を0.8質量%未満にすることにより、放置後の放電性能の低下を許容範囲内にとどめ、かつ正極活物質の利用率を維持することが可能となる。このため、正極活物質(化成後)のアンチモン含有量が0.02質量%以上0.8質量%未満であれば、相反する性能である寿命性能と放置後の放電性能とを両立することも可能となる。
正極活物質原料ペーストにアンチモンを配合するには、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、硫酸アンチモン等のアンチモン化合物を用いることが好ましい。
クラッド式正極板においては、活物質を有効利用するために活物質密度を低下させると活物質にクラックが生じやすく、その結果、得られる鉛蓄電池の寿命性能や放電性能が低下することがある。しかし、本発明者らは、正極活物質中にアンチモンを配合しておくと、クラックが生じても寿命性能や放電性能は低下せず、このため、活物質密度を低下させて活物質の有効利用することが可能になることを見出した。また、正極活物質密度が低い場合も、ペーストが固液分離しやすくなるので、充填量や充填密度にばらつきが生じやすくなるが、正極活物質原料ペーストにアンチモンを配合しておくと、活物質密度が低い場合であっても、固液分離しにくいペーストが得られるので、正極板への充填量や充填密度のばらつきを抑えて、得られる鉛蓄電池の寿命性能や歩留まりを向上させることが可能となる。このため、本発明は、正極活物質の密度(化成後)が3.2〜3.6g/cmと低い場合に特に有効である。正極活物質の密度(化成後)が3.2g/cm未満であると、ペーストにアンチモンを配合しても充分な寿命性能は得られず、一方、正極活物質の密度(化成後)が3.6g/cmを超えると、活物質の利用率が不充分である上、ペーストにアンチモンを配合しても寿命性能の向上効果は限定的なものとなる。
前記クラッド式正極板の芯金としては特に限定されず、例えば、Pb−Ca系合金製やPb−Sb系合金製の芯金を用いることができるが、Pb−Sb系合金製の芯金を用いた場合であっても、正極活物質の密度(化成後)が3.2〜3.6g/cmの範囲内であれば、正極活物質中にアンチモンを配合することにより、鉛蓄電池の寿命性能を向上させることができる。なお、正極活物質の密度(化成後)が3.2〜3.6g/cmの範囲外であっても、正極活物質(化成後)中に0.02質量%以上のアンチモンが含有されていれば、高い流動性を保ったまま固液分離しにくいペーストが得られることに変わりない。このため、正極活物質の密度(化成後)は目的に応じて任意に設定することができる。
正極板への活物質原料ペーストの充填密度の上下差が大きく、規定値よりも密度の低い箇所がある場合は、そこが局所的に劣化する可能性がある。これを防ぐためには、充填密度が最も低くなる箇所でも規定値以上の値となるように正極板全体への活物質原料ペーストの充填量を増やさなければならない。これに対して、本発明に係るクラッド式鉛蓄電池は、正極板への活物質原料ペーストの充填密度にばらつきが生じにくいので、高形の鉛蓄電池であっても、正極板の上下方向にわたり均一な密度になるよう正極活物質原料ペーストを充填することが可能である。このように活物質(原料)が上下差なく均一に充填できれば、性能を確保したまま原料の削減も可能となる。従って、本発明に係るクラッド式鉛蓄電池は、上下差が生じやすい、例えばH(チューブの高さ)とR(チューブの半径)との比H/Rが48以上である場合等に好適である。なお、本発明はH/R比によらずに用いることができ、H/R比が小さいクラッド式鉛蓄電池にも良好に適用することができる。
本発明に係る鉛蓄電池の製造方法としては特に限定されないが、例えば、まず、鉛合金からなる格子体にペースト状の活物質原料を充填することにより作製した負極板と、湿式充填法により作製した正極活物質中にアンチモンを含むクラッド式正極板とを、セパレータを介して交互に組み合わせて未化成の極板群を作製する。次いで、当該未化成の極板群を電槽に挿入した後、極板群の溶接(なお、モノブロック電池の場合は引き続きセル間の接続も行う。)、及び、蓋の接着を行い、端子溶接して組立てを完了してから、希硫酸を主成分とする電解液を注液し、電槽化成を行う。このようにして本発明に係る鉛蓄電池を製造することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
<試験1>
(サンプル1)
Sb(三酸化アンチモン)を添加して湿式充填用の正極活物質原料ペーストを調製し、芯金としてPb−Sb系合金(4質量%Sb)からなるものを使用して、ベント形鉛蓄電池用のクラッド式正極板(チューブ高さ(H):300mm、チューブ半径(R):4.8、参考)H/R=300/4.8=62.5)を従来よりも低密度となるように作製した。なお、化成は、正極活物質の理論容量の280%の電気量になるように、定電流で40時間行った。得られたクラッド式正極板の正極活物質中のアンチモン含有量は、化成後において、0.2質量%である。
(サンプル2)
従来のベント形鉛蓄電池用のクラッド式正極板(チューブ高さ(H):300mm、チューブ半径(R):4.8)を試験に供した。なお、当該従来品であるクラッド式正極板は、正極活物質原料ペーストへのアンチモン配合の有無と正極活物質密度の違いを除けば、サンプル1と同様にして作製されたものである。
(サンプル3)
Sbを添加せずに湿式充填用の正極活物質原料ペーストを調製したこと以外は、サンプル1と同様にしてクラッド式正極板を作製した。なお、得られたクラッド式正極板の正極活物質中のアンチモン含有量は、化成後において、0.003質量%である。
各サンプルにつき10枚の正極板を用意して、正極活物質の全質量(化成後)を測定し、そのばらつきを調べた。なお、正極活物質原料ペーストの充填量の違いは、ペーストの詰まり具合(充填量のばらつきや充填密度の不均一化)を把握するに際しては、未化成及び既化成のどちらの状態で測定してもかまわないが、試験1及び下記試験2においては、既化成状態で正極活物質の質量を測定することにより確認した。得られた結果を表1に示した。なお、表1において、「正極活物質密度」は、同一ロットの極板の既化成活物質密度(平均値)を表し、「正極活物質質量(化成後)の標準偏差の比」は、サンプルNo.2のロットの極板の標準偏差を1としたときの相対値を表す。
表1に示すように、正極活物質原料ペーストの活物質密度が低く、正極板への充填量にばらつきが生じやすい場合であっても、正極活物質中にアンチモンを配合することにより、充填量のばらつきを抑制することができた。
<試験2>
正極活物質原料ペーストへのアンチモン添加量を変えたこと以外は、試験1と同様にして、各サンプルのクラッド式正極板を作製し、得られたクラッド式正極板について、(1)クラッド式正極板の上部と下部とにおける正極活物質の質量差(化成後)、(2)相対寿命サイクル数、及び、(3)放置試験後容量維持率を測定した。また、対比として乾式充填法により作製したクラッド式正極板も用意し、同じ評価を行った。更に、水酸化ナトリウムを添加量を変えて正極活物質原料ペーストへ配合したクラッド式正極板も用意し、同じ評価を行った。
(1)クラッド式正極板の上部と下部とにおける正極活物質の質量差(化成後)としては、図1に示すように、チューブの上下両端からそれぞれ25〜75mmの間の50mmの領域に充填された正極活物質の質量(化成後)を測定し、上部の質量から下部の質量を引いて得られた値(g)を評価した(n=10)。
(2)相対寿命サイクル数は、各サンプルのクラッド式正極板を用いて、公称電圧が2Vで、5時間率定格容量が200Ahで、電解液比重が1.28(20℃)であるベント形のクラッド式鉛蓄電池を組み立てて、これを供試電池として用い(n=2)、以下の条件下において寿命サイクル数を測定し、電池No.1を100とする相対値で表した。
周囲温度:15℃
放電:1CA−1分の放電と、30秒の休止とを1.2Vになるまで繰り返す。
充電:準定電圧充電
(3)放置試験後容量維持率は、JIS D5303−1に準拠して測定した(n=3)。
得られた結果を表2に示した。なお、表2において、「正極活物質密度」は、化成後の極板における活物質密度を表し、「含有量」は、化成後の極板におけるSbの含有量(分析値)又はNaの含有量(分析値)を表し、「上下の正極活物質質量差(化成後)」は、化成後の極板における極板上部の質量と極板下部の質量との差分(極板上部質量−極板下部質量)を表す。いずれの結果も平均値による。
表2に示すように、クラッド式正極板の上部−下部での正極活物質の質量差(化成後)は、正極活物質密度が低下すると、湿式充填の場合は負の方向に増大し、乾式充填の場合は正の方向に増大した。すなわち、湿式充填の場合は、上部−下部での正極活物質の質量差(化成後)がゼロ〜マイナスとなり、乾式充填の場合は、上部−下部での正極活物質の質量差(化成後)がプラスになり、このことから、湿式充填か、乾式充填かを知ることができる。
また、湿式充填の場合は、ペーストへのアンチモン配合によって上部−下部での正極活物質の質量差(化成後)が縮小し、寿命性能も向上した。しかし、アンチモン含有量(化成後)が0.02質量%未満である場合の上部−下部での正極活物質の質量差(化成後)は、寿命性能に影響しなかった。一方、アンチモン含有量(化成後)が0.8質量%を超える場合は放置後の容量減少が顕著になった。
更に、ペーストに水酸化ナトリウムを配合した場合は、上部−下部での正極活物質の質量差(化成後)は縮小するが、Na含有量が多いほど寿命性能が低下した。
<試験3>
正極活物質密度を変えたこと以外は、試験2と同様にして供試電池を作製し(n=2)、(1)正極活物質利用率の変化、及び、(2)相対寿命サイクル数を測定した。
(1)正極活物質利用率は、化成後に0.2CA完全放電を5サイクル繰り返し、5サイクル目の容量から算出した。また、(2)相対寿命サイクル数は、電池No.13を100として、試験2と同様にして算出した。得られた結果を表3に示した。なお、表3において、「正極活物質密度」は、化成後の極板における活物質密度を表し、「Sb含有量」は、化成後の極板におけるSb含有量(分析値)を表し、「正極活物質利用率の変化」は、活物質密度の変化に伴う正極活物質利用率の変化を、電池No.13の正極活物質利用率を平均したものを基準とし、各正極活物質密度における正極活物質利用率を平均した値から差し引いた値として表す。いずれの結果も平均値による。
表3に示すように、化成後の極板における活物質密度が3.2g/cm未満であるか又は3.6g/cmを超える場合は、正極活物質中にアンチモンが配合されていても寿命性能向上効果は限定的であった。また、アンチモンを0.8重量%にまで添加し過ぎると正極活物質の利用率が低下した。

Claims (5)

  1. 湿式充填法により作製されたクラッド式正極板を備えた鉛蓄電池であって、
    前記クラッド式正極板は、化成後の正極活物質中に0.02質量%以上のアンチモンを含有していることを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記化成後の正極活物質のアンチモン含有量は、0.8質量%未満である請求項1記載の鉛蓄電池。
  3. 前記化成後の正極活物質の密度は、3.2〜3.6g/cmである請求項1又は2記載の鉛蓄電池。
  4. 前記クラッド式正極板は、Pb−Sb系合金からなる芯金を備えている請求項1、2又は3記載の鉛蓄電池。
  5. 湿式充填法による鉛蓄電池の製造方法であって、
    化成後の正極活物質におけるアンチモン含有量が0.02質量%以上になるようにアンチモン化合物を添加して、ペースト状又はスラリー状の正極活物質原料を調製する工程を有することを特徴とする鉛蓄電池の製造方法。
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