JP5241264B2 - 制御弁式鉛蓄電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は制御弁式鉛蓄電池の製造方法、特に正極基板を備える制御弁式鉛蓄電池の製造方法に関するものである。
鉛−カルシウム系の鉛合金を正極基板として用いた鉛蓄電池は以前からメンテナンスフリーの制御弁式鉛蓄電池として幅広く使われている。制御弁式鉛蓄電池は、基板に活物質ペーストが充填された正極板と負極板を微細ガラス繊維を主体としたマット状セパレータを介して交互に積層した後、同極性同士の極板の耳部を溶接によって接続することにより極板群とし、これを電槽に収納し、この電槽に注液や排気用の開口部を有する蓋を溶着あるいは接着剤で接着し、この開口部から電解液を電解液量が極板群に含浸する程度として、電槽内に注入し、注液や排気用の開口部にゴム弁(制御弁)を覆い被せ充電して製造されるものである。
近年、制御弁式鉛蓄電池は充放電を繰り返すサイクル用途、および非常時に使用すべく、通常は微小電流で充電されるフロート用途や自動車用途など様々な分野で使用されている。これら制御弁式鉛蓄電池においては10年を超える長寿命性能や容積エネルギー密度の向上などが要求されている。容積エネルギー密度を向上させる為に、基板1枚当りの厚みを薄くする方法が知られている。基板の厚みを薄くするのは、電解液の極板内部への浸透拡散を容易にして活物質の利用率を高めようとすることが目的である。
一般的に制御弁式鉛蓄電池の極板群の正極板群全体の基板の格子体積は1.0
〜1.4cc/Ah程度である。ここで、Ahとは電池全体での定格容量と定義する。従来の正極基板の格子体積では、格子の占める体積が大きく正極活物質を十分に充填できないため、同容積内での高容量化が困難であるのが現状である。
その改善策として、活物質の充填空間確保により同容積内での高容量化をする方法として、鉛を主成分とする基板に正極活物質ペーストを充填した正極板に、セパレータを介して負極板を積層した極板群を備えて成る鉛蓄電池において、極板群のうちの正極板群全体の上半分の格子体積を0.35〜0.45cc/Ah、下半分の格子体積を0.25
〜 0.35cc/Ahとし、合わせた正極板群全体の格子体積を0.80cc/Ah以下とする方法(特許文献1)が提案されている。
しかし、基板を薄くした極板を大型電池に用いる場合、基板が大きいために、極板自体の強度が低下する。従って、工程流動の際に極板が撓み、極板が懸垂台から落下したり、撓みによって搬送ロボットが極板をうまく把持できないといった工程流動時での不都合が生じていた。
そこで、極板の変形防止の方法として、連結格子体に一体に形成される懸垂用捨て耳の上端位置を、格子体が互いに連結される部分の上端位置と同一またはそれより下方に形成する鉛蓄電池用連結格子基板が提案されている(特許文献2)。
特開2007−173129号公報 特開2006−173029号公報
特許文献1に記載の方法は、正極板群上下各々において基板の格子体積を最適化することにより、格子鉛量削減分コストダウンが可能になり、活物質の充填空間確保により同容積内での高容量電池設計を可能にすることを目的としたものである。しかし、前記方法では基板の厚みを薄くした大型極板の場合、極板自体の強度についての検討が成されておらず、工程流動の際に極板が撓み極板が懸垂台から極板が落下したり、撓みによって搬送ロボットが極板をうまく把持できない場合があった。
また、特許文献2に記載の方法は、懸垂時に懸垂用捨て耳に掛かる上向きの応力によっても連結される部分によって、連結格子基板が変形しようとする力に抗するには限度があり、前記同様、大型電池の場合では、前記するように工程流動の際に極板が撓み極板が懸垂台から極板が落下したり、撓みによって搬送ロボットが極板をうまく把持できない場合があった。
このような背景の下、大型電池に薄い基板を用いた場合において、活物質の充填空間確保により同容積内での高容量電池設計を可能にすると同時に、極板の撓みを抑制する方法について種々検討を行った。結果、熟成・乾燥工程において4塩基性硫酸鉛を75〜95質量%生成させることにより、高容量で且つ、大型極板でも撓み難い極板を作製することが可能であることを突き止めた。
なお、熟成・乾燥工程において4塩基性硫酸鉛を50%以上生成させることは種々公知であり、例えば、四塩基性硫酸鉛を50〜70質量%含む活物質層を有する正極板を作製し、鉛粉に対して1.0〜3.0質量%の炭素粉末を含有させることで密閉形鉛蓄電池の長寿命化をはかるとともに、炭素粉末を含有させて活物質の利用率を向上させるもの(特開2001−229920号公報)や、熟成初期段階で活物質に四塩基性硫酸鉛を生成させ、熟成終了後に4 塩基性硫酸鉛生成量を50質量%以上とすることで、活物質とペースト紙の結着力を向上させる(特開2007−220644号公報)ことが挙げられるが、夫々の効果は、利用率の向上やペースト紙の結着力の向上を目的とするものであり、極板の撓み防止について検討したものではない。
本発明は、鉛を主成分とする鉛−カルシウム系合金からなる基板に正極活物質ペーストを充填した正極板に、セパレータを介して負極板を積層した極板群を備えて成る鉛蓄電池において、前記極板群のうちの正極板群全体の基板の格子体積を0.55〜0.80cc/Ahとし、前記基板に正極活物質ペーストを充填した後、熟成・乾燥工程において4塩基性硫酸鉛を75〜95質量%生成させ、次いで、化成工程において化成を行うことを特徴とするものである。
また、化成工程において、放電を少なくとも3回以上行い、総充電容量から総放電容量を差し引いた実充電容量が正極活物質理論容量の230%以上であることを特徴とするものである。
本発明によれば、正極基板の格子の太さを細くし鉛合金からなる正極基板の格子体積を減らすことにより、その分、化学反応物質である活物質をより多く充填できるので、容積エネルギー密度の向上が可能である。従来、制御弁式鉛蓄電池の正極板群全体の基板の格子体積は1.0〜1.4cc/Ah程度であり、本発明では正極板群全体の基板の格子体積を0.55〜0.8cc/Ahと少なくし活物質の充填量を増加することにより、制御弁式鉛蓄電池の容量増加が見込める。
なお、正極板群全体の基板の格子体積を0.55〜0.8cc/Ah格子とするのは、格子体積が0.55cc/Ah未満の場合、極板撓み量が大きく、また工程流動性が悪い傾向にあるためである。逆に、格子体積が0.8cc/Ah超過の場合、格子鉛量削減分コストダウン、活物質を充填空間確保による高容量化を達成することが困難であるためである。
本発明において、正極板群全体の基板の格子体積を変化させる方法として、格子の太さを細くしたり、格子の本数を減らしたりする事により可能である。
また、本発明における正極板群全体の基板の格子体積とは、基板の耳部、足部を除いたものである。
また、正極活物質ペーストを基板に充填後、熟成・乾燥工程において4塩基性硫酸鉛を75〜95質量%生成させ、基板と活物質の密着性を向上させる。正極基板の格子体積を減少させることにより、格子と活物質の接触面積が低下し、密着性が悪化するが、4塩基性硫酸鉛を所望の量生成させることにより、これを緩和することが可能である。
更に、大型極板では工程流動時に撓みによる極板不良が出るが、4塩基性硫酸鉛を多く生成させることにより極板の撓み強度が上昇し工程流動改善に繋がる。4塩基性硫酸鉛の基板−活物質間密着性改善や極板の撓み強度UPの理由として、4塩基性硫酸鉛は化成した際、二酸化鉛へと変化するが3塩基性硫酸鉛に比べて化成時における体積膨張が小さいため、基板−活物質間や活物質同士間の密着性が3塩基性硫酸鉛に比べて良好であるからである。
なお、4塩基性硫酸鉛の生成量を75〜95質量%とするのは、4塩基性硫酸鉛の生成量が75質量%未満の極板は、基板−活物質間や活物質同士間の密着性が不十分なため、基板−活物質間や活物質同士間にクラックが入り早期容量低下を起こしたり、極板の撓み強度が不十分で工程流動が困難であったりと言った不具合が生じるためであり、4塩基性硫酸鉛の生成量が95質量%超過の極板は、熟成・乾燥後の活物質には純鉛や一酸化鉛、3塩基性硫酸鉛などが少なくとも5%程度含まれているため、いかなる熟成・乾燥条件でも極板を作製することが困難であるためである。
ここで、本発明において4塩基性硫酸鉛を75〜95質量%生成させる方法としては、熟成温度を変化させることで可能であるが、熟成時の湿度や時間を変化させても良く、また、極板の厚みによって熱伝達速度が異なるため、極板の厚みを変化させても良く、更にこれらを適宜変化させ4塩基性硫酸鉛の生成量を制御しても良い。
例えば、同一の基板を用いて熟成時の湿度や時間を同一とした場合、熟成温度を高くした方が4塩基性硫酸鉛の生成量を多くできることは周知であり、また、基板厚みが薄いものと厚いものとでは、厚い極板より薄い極板の方が熱伝達速度が速いため、熟成条件(熟成温度、湿度、時間)を同一とした場合、4塩基性硫酸鉛の生成量を多くできることは明白である。
一般的に、4塩基性硫酸鉛の生成量が多い場合(50質量%以上)、化成上がりが悪く初期容量が悪いと言われている。
そこで、請求項2に記載の発明によれば、化成工程において放電を最低3回以上行い、総充電容量から総放電容量を差し引いた実充電容量が正極活物質理論容量の230%以上充電すると4塩基性硫酸鉛でも化成がきちんと上がり、初期容量の低下もない。放電回数を多くすることにより、活物質内部への電解液拡散を促進させ、化成効率が向上する。塩基性硫酸鉛が多く生成されている極板は、3塩基性硫酸鉛が多く生成されている極板に比べ、化成上がりが悪く、これは結晶の大きさが3塩基性硫酸鉛に比べ4塩基性硫酸鉛の方が大きいため、通電がされ難いからである。
なお、本発明において、実充電容量とは電槽化成における総充電容量から総放電容量を差し引いた値と定義する。
なお、放電回数を少なくとも3回以上行うのは、前記するように化成上がりを良好にする為であり、本発明者等の予備試験から、3回未満では化成上がりが不完全な部分が多く存在してしまったからである。
但し、放電は連続で行うのではなく、充電と放電を交互に行うことが好ましい。また、各々の鉛蓄電池の化成時の放電深度は、定格容量の10〜30%程度の放電深度が好ましく、10%未満であると電解液拡散の効果が少なく、また30%超過の場合、正極板軟化など、極板にダメージを与える恐れがある。
また、実充電容量を正極活物質理論容量の230%以上とするのは、前記するように3塩基性硫酸鉛に比し4塩基性硫酸鉛の方が化成上がりが悪いためである。しかし、実充電容量を正極活物質理論容量の300%超過で行うと、電解液の減液量が増加し、また過充電により極板を傷める為、実充電容量を正極活物質理論容量の300%以下で行うことが好ましい。
制御弁式鉛蓄電池の正極板において、鉛を主成分とする鉛−カルシウム系合金からなる正極板群全体の基板の格子体積を0.55cc/Ah〜0.8cc/Ahとし、正極活物質ペーストを充填した後、熟成・乾燥工程において4塩基性硫酸鉛を75〜95質量%生成させることで、極板の撓みを防止して工程流動性を改善すると共に、格子鉛量削減分コストダウンが可能になり、活物質の充填空間確保により同容積内での高容量電池設計が可能である。
また、化成工程において放電を少なくとも3回以上行い、充電容量が正極活物質理論容量の230%以上充電することにより、化成上がりを良好にすることが可能である。
本発明の制御弁式鉛蓄電池は、鉛を主成分とする鉛−カルシウム系合金から成る正極基板と、鉛を主成分とする負極基板に、夫々正極活物質ペーストおよび負極活物質ペーストを充填し、熟成・乾燥を施した正極板又は負極板の所要数を、セパレータを介して交互に積層した後、同極性同士の極板の耳部を溶接によって接続することにより極板群とし、これを電槽に収納し、これに電解液を注入し電槽化成を施すものである。
この際、正極板群全体の基板の格子体積を0.55〜0.80cc/Ahとし、熟成・乾燥時に4塩基性硫酸鉛を75〜95質量%生成させることで、極板の撓みを防止して工程流動性を改善すると共に、格子鉛量削減分コストダウンが可能になり、活物質の充填空間確保により同容積内での高容量電池設計が可能とした制御弁式鉛蓄電池の製造方法である。
また、電槽化成の際に放電を少なくとも3回以上行い、充電容量が正極活物質理論容量の230%以上とすることで、4塩基性硫酸鉛を化成した際に見られる制御弁式鉛蓄電池の初期容量の低下が少なく、化成上がりが良好な制御弁式鉛蓄電池の製造方法である。
Pb−Ca系合金の正極基板(寸法は縦400mm×横150mm×厚み2.1mm)に公知の方法により作製した正極活物質ペーストを充填した後、熟成・乾燥を行って未化成の正極板を得た(本発明正極板1)。
次に、作製した複数枚の未化成の正極板と公知の方法で作製した複数枚の未化成の負極板とをガラス長繊維を抄造してなるガラスマットを介して交互に積層し、この積層体の同極板同士の極板耳をバーナー方式で溶接して極板群を得た。次いで、前記極板群をポリプロピレン製(PP製)の電槽内に挿入し、前記電槽に蓋をヒートシールし、前記蓋の液口から電槽内に比重1.21(20℃)の希硫酸(電解液)を極板群に含浸する程度注入し、
所定の条件で電槽化成を行って2V−1300Ahの制御弁式鉛蓄電池を製造した(本発
明電池1)。
なお、極板群のうちの正極板群全体の基板の格子体積を0.55cc/Ahとし、この正極基板の格子を形成する目の大きさは、活物質が脱落しない程度の大きさのものであり、本発明における正極板全体の基板の格子体積とは、基板の耳部、足部を除いたものである。
また、前記熟成は温度70℃、湿度98%の雰囲気で12時間行った後、温度70℃、湿度を90%の雰囲気で12時間の合計24時間行った。その後、乾燥は温度60℃、湿度10%の雰囲気で行った。この時の4塩基性硫酸鉛量は、X線回折法を用いて確認し、85質量%であった。
また、前記電槽化成は充電中に放電を3回行い(充電→放電→充電→放電→充電→放電→充電を交互に繰り返し)、充電容量が正極活物質理論容量の230%になるまで行った。前記充電は200Aの定電流充電、放電は100Aの定電流放電を行い、前記放電時の放電深度は、各々、制御弁式鉛蓄電池の定格容量の20%とした。また、今回は放電電流値を一定としたが、放電時間を一定として目標放電深度になるように放電電流値を変化させても良い。電槽化成終了後、初期容量試験として130A(0.1CA)で終止電圧1.8Vになるまで放電を行い回復充電を行った。
正極板群全体の基板の格子体積を0.60cc/Ah(本発明正極板2)とした以外は、実施例1と同様に2V−1300Ahの制御弁式鉛蓄電池を製造した(本発明電池2)。
正極板群全体の基板の格子体積を0.70cc/Ah(本発明正極板3)とした以外は、実施例1と同様に2V−1300Ahの制御弁式鉛蓄電池を製造した(本発明電池3)。
正極板群全体の基板の格子体積を0.80cc/Ah(本発明正極板4)とした以外は、実施例1と同様に2V−1300Ahの制御弁式鉛蓄電池を製造した(本発明電池4)。
(比較例1)
正極板群全体の基板の格子体積を0.50cc/Ah(比較例正極板1)とした以外は、実施例1と同様に2V−1300Ahの制御弁式鉛蓄電池を製造した(比較例電池1)。
(比較例2)
正極板群全体の基板の格子体積を0.85cc/Ah(比較例正極板2)とした以外は、実施例1と同様に2V−1300Ahの制御弁式鉛蓄電池を製造した(比較例電池2)。
表1に、上記方法で作製した種々の制御弁式鉛蓄電池の正極板全体の基板格子体積、極板の撓み量、工程流動性および初期容量比を示す。
なお、極板の撓み量の評価は、極板の長手方向の中心部を支点として固定し、両サイドが自重によりどれだけ下にたわむか変位を測定した。
また、工程流動性は極板の懸垂台から極板が落下したり、搬送ロボットの吸着部分に吸着しなかったりという不具合の有無を目視により確認し、不具合が無い場合は可、不具合が有る場合は不可と判断した。
極板の撓み量と工程流動性には相関が見られ、撓み量が大きければ、工程流動性不可、撓み量が小さければ工程流動性可という結果であった。
また、初期容量比は本発明正極板2/本発明電池2の放電容量を100%とした時の比率で表したものである。
表1に示すように、格子体積を0.55〜0.80cc/Ahとした本発明正極板1〜4は、極板撓み量が少なく工程流動性に優れると共に、格子体積が0.55〜0.80cc/Ahの基板を用いて作製した制御弁式鉛蓄電池(本発明電池1〜本発明電池4)は、初期容量比においても優れる結果であった。
しかし、格子体積を0.50cc/Ahとした比較例正極板1は撓み量が大きく工程流動性が困難なものであった。また、比較例正極板2は極板撓み量は少ないものの、基板の格子体積が大きいため、他のものに比べ正極活物質ペーストが充填できず、初期容量比が低下する結果となった。
次に、4塩基性硫酸鉛の生成量を種々変化させ、極板撓み量および工程流動性について検討を行った。
Pb−Ca系合金の正極基板(寸法は縦400mm×横150mm×厚み2.1mm、格子体積0.70cc/Ah)に公知の方法により作製した正極活物質ペーストを充填した後、熟成は温度60℃、湿度98%の雰囲気で12時間行った後、温度60℃、湿度を90%の雰囲気で12時間の合計24時間行い、その後、乾燥は温度60℃、湿度10%の雰囲気で行って、未化成の正極板を得た(本発明正極板5)。
熟成温度を80℃とした以外は実施例5と同様に未化成の正極板を得た(本発明正極板6)。
(比較例3)
熟成温度を40℃とした以外は実施例5と同様に未化成の正極板を得た(比較例正極板3)。
(比較例4)
熟成温度を50℃とした以外は実施例5と同様に未化成の正極板を得た(比較例正極板4)。
なお、本発明において4塩基性硫酸鉛の生成量は熟成温度を変化させることでおこなったが、熟成時の湿度や時間を変化させても良く、また、極板の厚みによって熱伝達速度が異なるため、極板の厚みを変化させても良く、更にこれらを適宜変化させ4塩基性硫酸鉛の生成量を制御しても良い。
例えば、同一の基板を用いて熟成時の湿度や時間を同一とした場合、熟成温度を高くした方が4塩基性硫酸鉛の生成量を多くできることは周知であり、また、基板厚みが薄いものと厚いものとでは、厚い極板より薄い極板の方が熱伝達速度が速いため、熟成条件(熟成温度、湿度、時間)を同一とした場合、4塩基性硫酸鉛の生成量を多くできることは明白である。
表2に、得られた各々の正極板(本発明正極板3、5〜6、比較例正極板3〜4)について熟成温度の違いによる4塩基性硫酸鉛量、極板撓み量、工程流動性について示した。
なお、4塩基性硫酸鉛量は、夫々作製した正極板をX線回折法によって測定した。
また、極板の撓み量の評価は、極板の長手方向の中心部を支点として固定し、両サイドが自重によりどれだけ下にたわむか変位を測定した。
また、工程流動性は極板の懸垂台から極板が落下したり、搬送ロボットの吸着部分に吸着しなかったりという不具合の有無を目視により確認し、不具合が無い場合は可、不具合が有る場合は不可と判断した。
表2に示すように、4塩基性硫酸鉛量が75質量%以上である本発明正極板3および5〜6は、極板撓み量が少なく、また、工程流動性に優れていることが分る。しかし、4塩基性硫酸鉛量が75質量%未満である比較例正極板3〜4は極板撓み量が多く、工程流動性が困難なものであった。
次に、化成条件を種々変化させ、放電回数および実充電容量を変化させ、未化成活物質量の検討を行った。
電層化成時の放電回数および実充電容量を表3に示すように放電回数3回以上、実充電容量230%以上と種々変化させた以外は、実施例1と同様に2V−1300Ahの制御弁式鉛蓄電池を製造した(本発明電池3、7〜11)。
なお、電槽化成は充電中に充電・放電を交互に所定回数繰り返し(充電→放電→・・・充電)、充電容量が正極活物質理論容量の230〜300%になるまで行
った。前記充電は200Aの定電流充電、放電は100Aの定電流放電を行い、充電時間を調整することで行った。
また、この時の正極未化成時の4塩基性硫酸鉛の生成量は全て85%であった。
電槽化成時の放電回数または/および実充電容量を表3に示すように種々変化させ、本発明規定外とした以外は、実施例1と同様に2V−1300Ahの制御弁式鉛蓄電池を製造した(比較例電池5〜10)。
なお、電槽化成は充電中に充電・放電を交互に所定回数繰り返し(充電→放電→・・・充電)、充電容量が正極活物質理論容量の220〜300%になるまで行
った。前記充電は200Aの定電流充電、放電は100Aの定電流放電を行い、充電時間を調整することで行った。
また、この時の正極未化成時の4塩基性硫酸鉛の生成量は全て85%であった。
表3に、得られた各々の制御弁式鉛蓄電池(本発明電池3、7〜11および比較例電池5〜10)について放電回数、実充電容量、未化成活物質量について示した。
なお、実充電容量は電槽化成における総充電容量から総放電容量を差し引いた値である。
また、未化成活物質量は夫々作製した正極板をX線回折法によって測定した。判定は、未化成活物質量が5.0質量%未満のものを可とし、未化成活物質量が5.0質量%以上のものを不可とした。
表3に示すように、放電回数を3回以上、充電容量が正極活物質理論容量の230%以上とした本発明電池3および本発明電池7〜11は未化成活物質量が少なく良好な結果であった。この結果より、本発明電池3および本発明電池7〜11は、化成上がりがよく、初期放電容量が大きい傾向にあると言うことが言える。
しかし、放電回数が3回未満である比較例電池8〜10は、充電容量が正極活物質理論容量の230%以上としても未化成活物質量が5質量%以上であり未化成部分が多い結果であった。実充電容量を増加することで未化成活物質量を低減することは可能であるが、実充電容量を300%以上行う場合、電解液の減液量が多くなり、補液等の必要があるほか、化成時間等がかかるため製造工程上好ましくない。
また、実充電容量が230%未満である場合、放電回数を増加させることで未化成活物質量を低減させることが可能であるが、4回以上行っても未化成活物質量の低減量は少なく、工程が煩雑になり好ましくない。
以上の結果より、正極板群全体の基板の格子体積を0.55〜0.80cc/Ahとし、熟成・乾燥工程における4塩基性硫酸鉛を75〜95質量%生成させることで、極板撓み量が少なく工程流動性に優れると共に、初期容量比においても優れる制御弁式鉛蓄電池を提供することが可能である。
また、電槽化成において放電を少なくとも3回以上行い、充電容量が正極活物質理論容量の230%以上とすることにより、化成上がりが良好で初期放電容量が大きい制御弁式鉛蓄電池を提供することが可能である。

Claims (2)

  1. 鉛を主成分とする鉛−カルシウム系合金からなる基板に正極活物質ペーストを充填した正極板に、セパレータを介して負極板を積層した極板群を備えて成る鉛蓄電池において、前記極板群のうちの正極板群全体の基板の格子体積を0.55〜0.80cc/Ahとし、前記基板に正極活物質ペーストを充填した後、熟成・乾燥工程において4塩基性硫酸鉛を75〜95質量%生成させ、次いで、化成工程において化成を行うことを特徴とする制御弁式鉛蓄電池の製造方法。
  2. 前記化成工程において、放電を少なくとも3回以上行い、総充電容量から総放電容量を差し引いた実充電容量が正極活物質理論容量の230%以上であることを特徴とする請求項1に記載の制御弁式鉛蓄電池の製造方法。
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