JP4868847B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は鉛蓄電池、特に正極基板を備える鉛蓄電池に関するものである。
鉛を主成分とする鉛−カルシウム−錫系の合金からなる格子基板を正極板に用いた鉛蓄電池は以前からメンテナンスフリーのシール形鉛蓄電池として幅広く使われている。このシール形鉛蓄電池の寿命原因に正極の格子腐食と格子基板の伸び(グロス)がある。格子腐食は、格子内の導電性を悪くし、電池の内部抵抗を上げ、また格子自体の機械的強度を下げる。格子腐食量は電池の使用状況によって異なり様々である。例えば、据置用鉛蓄電池では、非常時におけるバックアップの放電以外は、常時浮動充電がかけられ格子腐食が進み、特に電流が集中する極板上部での格子腐食は顕著である。また格子腐食に伴う格子基板の伸び(グロス)も同時に起こるので格子と活物質の密着性の悪化、負極との短絡等で電池寿命となる。基板の格子体積は、それぞれの電池用途によって異なった格子体積設計となっており、従来品の格子体積はおおよそ1.0〜1.4cc/Ah程度であり、長寿命タイプ、高率放電タイプの蓄電池は大電流を流し、格子腐食の影響を受けやすいため、その分、格子体積を増加させた設計となっている。
シール形鉛蓄電池の正極板群全体の格子体積は1.0〜1.4cc/Ah程度である。通常格子基板は、耳付近に補強格子等があり多少上部の格子体積が大きい設計となっているが、その上下部での格子体積の差は殆んどなく、寿命後も上部は腐食が進んでいるが、下部での腐食は殆んど見られずしっかりしている場合が多い。
以上のようなことから格子腐食による短寿命を恐れ、比較的大きい格子体積設計としていたため、格子体積減量によるコストダウン化に踏み切れないでいた。また格子体積が大きい分、正極活物質を充填できないため、同容積内での高容量化が困難であった。
正極格子の腐食やグロス抑制、電圧降下の改善を目的として正極格子の上部1/3の鉛量を増やすこと(特許文献1)や、極板を4分割し、耳部に最も近い部分の鉛量を増やす(特許文献2)等が行われている。
特開平5−234595号公報 実開昭54−56130号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の方法は、主に過充電中の正極格子の腐食格や子グロス抑制、電圧降下の改善を目的とするものであり、高容量設計やコストダウンまでを視野に入れた改善ではない。また、特許文献1に記載の方法は、正極板1枚の高さ方向の上部1/3の部分に配置する横骨の体積を、横骨全体の体積の40%以上と多く配置するもので、特許文献2に記載の方法は極板格子1枚の親桟および縦桟の断面積を耳部から遠ざかるに従って小さくし、極板を4分割し、耳部に最も近い部分の桟の鉛量を増やし耳部に最も遠いところは桟の鉛量を減らしており、夫々の方法は正極板1枚に対して考慮し、複数枚で構成される極板群での鉛量に規制がない。
このような背景の下、正極板群上下各々において格子体積を最適化すること、即ち正極活物質のペースト充填量を正極板群全体で最適化することで格子基板への鉛量を削減し、また、活物質の充填空間を確保することにより同容積内での高容量電池設計を可能とした鉛蓄電池を提供することが望まれる。
そこで、本発明者らは、従来用途にコストダウンや高容量設計のための活物質充填空間確保の観点から、群全体としての格子体積を規制してその鉛量を少なくする等を行わなければ、現在の市場を満足するものではないと考えた。
本発明は、鉛を主成分とする鉛-カルシウム-スズ系の合金からなる基板に正極活物質ペーストを充填した正極板に、セパレータを介して負極板を積層した極板群を備えて成る鉛蓄電池において、極板群のうちの正極板群全体の上半分の格子体積を0.35〜0.45cc/Ah、下半分の格子体積を0.25〜0.35cc/Ahとし、合わせた正極板群全体の格子体積を0.80cc/Ah以下とすることを特徴とするものである。
また、鉛を主成分とする鉛-カルシウム-スズ系の合金からなる基板に正極活物質ペーストを充填した正極板に、セパレータを介して負極板を積層した極板群を備えて成る鉛蓄電池において、該基板が、少なくともカルシウムを0.02質量%以上0.05質量%
未満、スズを0.40〜4.0質量%、アルミニウムを0.04質量%以下、バリウムを0.002〜0.014質量%を含む鉛合金よりなり、極板群のうちの正極板群全体の上半分の格子体積を0.35〜0.40cc/Ah、下半分の格子体積を0.25〜0.30cc/Ahとし、合わせた正極板群全体の格子体積を0.70cc/Ah
以下としたことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、例えば、据置用鉛蓄電池では、非常時におけるバックアップの放電以外は、常時浮動充電がかけられ格子腐食が進むが、蓄電池容量と正極基板の体積の関係から基板の電気特性を損なわず、且つ基板の重量を低減させることでその分充填される活物質量を増やして高容量化が図れ、しかも寿命を向上させることができる。
正極板群全体の上半分の格子体積を0.35〜0.45cc/Ah、下半分の格子体積を0.25〜0.35cc/Ahとし、合わせた正極板群全体の格子体積を0.80cc/Ah以下とすることが好ましく、正極板群上半分の格子体積が0.35cc/Ah未満の場合、格子腐食による短寿命となってしまう。また、正極板群下半分の格子体積が0.25cc/Ah未満の場合、格子腐食による短寿命となってしまう。逆に、正極板群下半分の格子体積が0.35cc/Ahより大きい場合、本来の目的である格子鉛量削減分コストダウン、活物質を充填空間確保による高容量化が達成できない。
なお、正極板群上半分や上部とは極板耳部が取り付けてある部分を上とした場合であり、格子体積は耳部、足部を除いたものである。
また、正極板群上半分の格子体積と下半分の格子体を変化させるには、基板鋳造鋳型の彫り具合により調整(上部を下部より幅広く掘る)したり、上半分の横または/および縦枠骨の本数を下半分より増やしたりすることで可能である。
請求項2の発明によれば、Ca、Ba、AlおよびSnをある規制した範囲で添加することにより格子基板の耐食性、耐グロス性を向上させることができると共に、格子体積を更に低減させることが可能であり、さらに同容積内での高容量電池設計を可能(高容量化)とすることができる。
本発明は、格子基板へのCaの含有量を0.02質量%以上0.05質量%未満としたものである。Ca添加目的は機械的強度を高めるためであり、Ca含有量が0.02質量%未満では機械的強度が不十分である。また、Ca含有量を0.05質量%以上とすると耐食性を悪化させる。Caのより好ましい含有量の範囲は0.03〜0.045質量%である。
また、格子基板へのBaの添加も機械的強度を高めることが可能であり、その含有量は0.002〜0.014質量%である。Baの含有量が0.002質量%未満では機械的強度の向上が不足し、0.014質量%以上では格子耐食性が低下する。Baのより好ましい含有量の範囲は0.002〜0.010質量%である。
Snの添加は合金の湯流れ性と機械的強度を向上することができるとともに、電池とした場合に格子界面に溶出したSnが腐食層にドープされ、半導体効果で導電性を高める効果がある。Snの含有量は0.4〜4.0質量%とすることが好ましい。Snが0.4質量%未満では上記の効果(合金の湯流れ性や機械的強度の向上等)がいずれも不足し、また耐食性も低下する。またSnが4.0質量%を超えると結晶が粗大化し、見掛けの腐食以上に粒界腐食が進行する。Snのより好ましい含有量は0.6質量%以上である。
Alの添加は溶湯の酸化によるCaとBaの損失を抑制するためであり、その含有量は0.04質量%以下とすることが好ましい。Alが0.04質量%を超えるとAlがドロスとして析出し易くなる。
また、これらPb−Ca−Sn−Al−Ba鉛合金に更に0.005質量%以上0.070質量%以下の銀、0.01質量%以上0.10質量%以下のビスマス、0.001質量%以上0.050質量%以下のタリウムの少なくとも一種を添加した場合も同様に、耐食性、耐グロス性または機械的強度を向上させることが可能である。
よって、耐食性、耐グロス性に優れるPb−Ca系からなる格子基板を使用することで、正極板群全体の上半分の格子体積を0.35〜0.40cc/Ah、下半分の格子体積を0.25〜0.30cc/Ahとし、合わせた正極板群全体の格子体積を0.70cc/Ah以下とすることが可能である。この範囲とすることで、格子体積を更に減らすことが可能であるので鉛量の削減に繋がり、さらに同容積内での高容量電池設計を可能(高容量化)とすることができる。また、格子基板に耐食性合金を使用することにより鉛蓄電池のさらに寿命を向上させることができる。
なお、Ca、Ba、Sn、Al(銀、ビスマス、タリウムも含む)以外の残部は鉛および極微量の不可避の元素からなるものである。
耐食性合金を適用し、正極板群上下各々において格子体積を最適化することにより、格子鉛量削減分コストダウンが可能になり、活物質の充填空間確保により同容積内での高容量電池設計が可能となる。
本発明に使用される正極格子は鉛−カルシウム−スズ系合金から成り、正極板群全体の上半分の格子体積を0.35〜0.45cc/Ah、下半分の格子体積を0.25〜0.35cc/Ahとし、合わせた正極板群全体の格子体積を0.80cc/Ah以下とするものであり、このようにすることで格子鉛量削減分コストダウンが可能になり、活物質の充填空間確保により高容量の電池設計が可能となる。これは、格子鉛量削減分(
格子体積低減分)を活物質とすることで、実質使用される鉛量は削減することかできる( コストダウン) 。
また、格子鉛量を低減した分、活物質の充填空間確保が増加するので高容量の電池設計が可能となるのは当然であるが、従来と同容量の電池設計の場合は、格子鉛量削減分がコストダウンとなる。
まず、Pb−0.055%Ca−2.0%Sn−0.02%Al(%は質量%、以下同様)からなる鉛−カルシウム系合金の格子基板を、基板鋳造鋳型の彫り具合を調整(上部を下部より幅広く掘り、下部よりも格子数を多く設ける)し、表1に記載の通り正極板群上半分格子体積が全体で0.45cc/Ah、正極板群下半分格子体積が全体で0.35cc/Ah、正極板格子体積が0.8cc/Ahとなるように正極の格子基板を作製した。そして、所定量の水及び希硫酸を練合してなる活物質ペーストを格子基板に均一に充填してなる正極板を作製した。次に、前記正極板10枚と常法により作製した負極板11枚とをガラス繊維から成るセパレータを介して交互に積層して極板群を作製し、これを電槽内に組み込んだ。ここで、正極板群全体格子体積は1枚当たり0.080cc/Ahである。そして、同極性耳群を常法によりストラップ溶接すると同時に端子を形成し、電槽と蓋を接着した後、所定量の電解液を注液して封口した後、電槽化成を行って、2V、定格容量200Ahの制御弁式鉛蓄電池を得た(本発明1)。なお、該正極板格子は、縦230mm、幅140mmの基板で、縦中格子を7本、横中格子を26本、縦補強格子を極板上部から下方向へ80mmのものを4本設けた基板を用い、この正極板群の目の大きさは、活物質が脱落しない程度の大きさのものである。
この様な正極格子基板は、容量1Ah当り体積が0.8ccであるので、全体(200Ah)として160ccを秤量し、これを10等分して一枚当り16ccとし、これを予め0.45:0.35の体積割合に彫られた鋳型内に湯を流して固化し、上記形状の格子基板を得ることが出来る。
上記と同様の方法で、表1に記載の通り正極板群上半分格子体積が全体で0.35cc/Ah〜0.45cc/Ah、正極板群下半分格子体積が全体で0.25cc/Ah〜0.35cc/Ah、正極板群全体格子体積が全体で0.6cc/Ah〜0.8cc/Ahとなるように種々の正極の格子基板を作製し、2V、定格容量200Ahの種々の制御弁式鉛蓄電池を得た(本発明1〜6)。
なお、本実施例では活物質ペーストを格子基板に均一に充填した例を示したが、活物質ペーストを格子基板に分布させて充填しても良い。
(比較例)
表1に記載の通り正極板群上半分格子体積が全体で0.3〜0.5cc/Ah、正極板群下半分格子体積が全体で0.2〜0.4cc/Ah、正極板群全体格子体積が全体で0.5〜0.9cc/Ahとなるように種々の正極の格子基板を作製した以外は実施例1と同様の方法で2V、定格容量200Ahの種々の制御弁式鉛蓄電池を得た(比較例1〜14)。
表1は、上記方法で作製した種々の制御弁式鉛蓄電池の正極板群上半分格子体積、正極板群下半分格子体積、正極板群全体格子体積、寿命期間、初期容量、コストダウン、および総合評価を示したものである。寿命試験は、65℃水槽においてフロート充電の加速寿命試験を行った。寿命試験における寿命判定条件は25℃での容量試験において、20A(0.1CA)放電を行い、終止電圧1.8Vまで放電させ、放電時間が7時間を切った時点で寿命とした。
表1の判定基準として、寿命期間は7ヶ月以下を1ポイント、7〜8ヶ月を2ポイント、8〜9ヶ月を3ポイント、9〜10ヶ月を4ポイント、10ヶ月よりも寿命が長いものを5ポイントとした。また、初期容量については、0.1CA放電の定格容量に対して100%未満を1ポイント、100%以上105未満を2ポイント、105%以上110%未満を3ポイント、110%以上115%未満を4ポイント、115%以上を5ポイントとした。コストは正極板群全体の格子体積が0.9cc/Ah超過が1ポイント、0.8超過0.9以下cc/Ahが2ポイント、0.7超過0.8以下cc/Ahが3ポイント、0.6超過0.7以下cc/Ahが4ポイント、0.6cc/Ah以下が5ポイントとした。総合評価は寿命期間、初期容量およびコストのポイントを掛け合わせた値から判断した。ポイント数が20以下を×、20〜40を△、40〜50を○、50より上を◎とした。
表1から明らかな通り、本発明1〜6は比較例1〜14に比し制御弁式鉛蓄電池の総合評価で優れていることが分かる。比較例1〜4は正極板群上半分の格子体積が発明より多いため、寿命では有利であるが、その分コストがかかり、初期容量も低下する。比較例4に示すように、あまりにも下半分の格子体積を削ると寿命特性にも影響を及ぼす。
比較例5〜9では上半分の格子体積は本発明と同範囲ではあるが、下半分の格子体積により寿命特性、初期容量に影響を及ぼす。下半分の格子体積が0.25cc/Ahよりも小さい場合は寿命特性を悪くし、大きい場合は初期容量が劣る。
また、比較例10〜14では、寿命期間が極端に短い結果となった。これは、本発明1〜6に比し正極板群上半分の格子体積が小さい、即ち、格子が細いために電流が集中する極板上部での格子腐食により早期に寿命となったものである。本発明では、正極板群上下各々において格子体積を最適化することにより、格子鉛量削減分コストダウンが可能になり、活物質の充填空間確保により同容積内での高容量電池設計が可能となった。
次に、表2〜5に記載のように鉛−カルシウム−スズ系合金として、耐食性に優れるPb−C a−S n−Al−Baからなる格子基板の合金組成を種々変化させ、基板鋳造鋳型の彫り具合を変え(
上部を広幅に掘る) 作製した格子基板は正極板群上半分格子体積が0.40cc/Ah、正極板群下半分格子体積が0.30cc/Ah、正極板群全体格子体積が0.70cc/Ahとして格子基板を作製した以外は実施例1と同様に2V、定格容量200Ahの種々の制御弁式鉛蓄電池を得た。
なお、表2はCa含有率比較、表3はSn含有率比較、表4はAl含有率比較、表5はBa含有率比較であり、表中に記載の無い残部は極微量の不可避の不純物を含む鉛である。
表2には、上記方法で作製した種々の制御弁式鉛蓄電池の合金組成、寿命期間を示したものである。寿命試験は、実施例1と同様に65℃水槽においてフロート充電の加速寿命試験を行った。寿命試験における寿命判定条件は25℃での容量試験において20A(0.1CA)放電を行い終止電圧1.8Vまで放電させ、放電時間が7時間を切った時点で寿命とした。
表2〜5は、上記方法で作製した種々の制御弁式鉛蓄電池の合金組成、寿命期間を示したものである。
表2〜5から明らかな通り、種々の含有率比較(Ca、Sn、Al、Ba)において本発明は比較例に比し制御弁式鉛蓄電池を長寿命化できることが分かる。その中でも、本発明請求項2に記載の組成範囲が特に優れていることが分かる。
表2に示すようにCa含有率比較では、格子基板へのCaの含有量を0.02質量%以上0.05質量%未満が好ましく長寿命化することが可能である。本発明7の寿命期間が短いのは、Caの添加量が少ないため機械的強度が不十分であったからである。また、本発明10の寿命期間が短いのは、Caの添加量が多いため逆に耐食性を悪化させてしまったからである。
表3に示すようにSn含有率比較では、格子基板へのSnの含有量は0.4〜4.0質量%が好ましく長寿命化することが可能である。本発明11の寿命期間が短いのは、Snの添加量が少ないため機械的強度が不十分であったり、耐食性が悪化したりしたためである。また、本発明13の寿命期間が短いのは、Snの添加量が多いため結晶が粗大化し、見掛けの腐食以上に粒界腐食が進行したためである。
表4に示すようにAl含有率比較では、格子基板へのAlの含有量は0.04質量%以下が好ましく長寿命化することが可能である。本発明14の寿命期間が短いのは、Alの添加量が少ないため添加効果がみられなかった。また、本発明16の寿命期間が短いのは、従来Alの添加効果は溶湯の酸化によるCaとBaの損失を抑制するためであるが、Alの添加量が多いため、ドロスとして析出してしまった。
表5に示すようにBa含有率比較では、格子基板へのBaの含有量は0.002〜0.014質量%が好ましく長寿命化することが可能である。本発明17の寿命期間が短いのは、Baの添加量が少ないため機械的強度が不十分であったからである。また、本発明19の寿命期間が短いのは、Baの添加量が多いため格子耐食性が低下したためである。
次に、耐食性に優れた鉛−カルシウム−スズ系合金(Pb−0.04%Ca−1.0%Sn−0.02%Al−0.008%Ba)からなる格子基板を用い、基板鋳造鋳型の彫り具合(上部を広幅に掘る)を調整し、表6
に記載の通り正極板群上半分格子体積が0.3〜0.4 5cc/Ah、正極板群下半分格子体積が0.25〜0.5cc/Ah、正極板群全体格子体積が0.55〜0.95cc/Ahとなるように種々の格子基板を作製した以外は、実施例1と同様に2V、定格容量200Ahの種々の制御弁式鉛蓄電池を得た。
また、本実施例ではPb−Ca−Sn−Al合金からなる鉛−カルシウム−スズ系合金の格子基板を用いたが、これに、0.005
質量% 以上0.070 質量%以下の銀、0.01
質量%以上0.10質量%以下のビスマス、0.001質量%以上0.050質量%以下のタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を含む鉛−カルシウム−スズ系合金の格子基板を用いてもよい。
表6は、上記方法で作製した種々の制御弁式鉛蓄電池の正極板群上半分格子体積、正極板群下半分格子体積、正極板群全体格子体積、寿命期間を示したものである。寿命試験は、実施例1と同様に65℃水槽においてフロート充電の加速寿命試験を行った。寿命試験における寿命判定条件は25℃での容量試験において20A(0.1CA)放電を行い終止電圧1.8Vまで放電させ、放電時間が7時間を切った時点で寿命とした。
なお、表6の判定基準は表1の判断基準と同様に行った。
表6から明らかな通り、同基板体積構造(例えば本発明4と21:正極板群全体格子体積0.65Ah/cc)でも耐食性合金を使用した制御弁式鉛蓄電池(本発明21)と通常の鉛カルシウム合金(本発明4)では、耐食性合金を使用した本発明21がより寿命特性が優れているのが分かる。
また、本発明3(通常合金を使用した制御弁式鉛蓄電池)と本発明9(耐食性合金を使用した制御弁式鉛蓄電池)において、本発明9の正極板群全体の格子体積を0.05cc/Ah低減させても寿命特性が優れており、格子体積削減分、活物質の充填が可能であるので高容量化が可能となる。またコストも低減することが可能である。
本発明9と本発明20(夫々、耐食性合金を使用した制御弁式鉛蓄電池)において、本発明9は本発明20より基板上半分の格子体積を0.05cc/Ah低減させても寿命特性は夫々同等であり、格子体積削減分、活物質の充填が可能であるので高容量化が可能となる。またコストも低減することが可能である。
比較例15では格子体積が大きいため寿命特性は優れるが、活物質充填空間の確保ができないため、初期容量が小さく、また格子体積が大きいためコスト削減がでず総合評価では悪い結果となった。比較例17では正極板群上半分格子体積が小さいため、高耐食性合金を使用しても寿命特性では短寿命となってしまった。
以上の結果より、正極板群上下各々において格子体積を最適化することにより、格子鉛量削減分コストダウンが可能になり、活物質の充填空間確保により同容積内での高容量電池設計を可能とした鉛蓄電池を提供することができる。

Claims (2)

  1. 鉛を主成分とする鉛-カルシウム-スズ系の合金からなる基板に正極活物質ペーストを充填した正極板に、セパレータを介して負極板を積層した極板群を備えて成る鉛蓄電池において、極板群のうちの正極板群全体の上半分の格子体積を0.35〜0.45cc/Ah、下半分の格子体積を0.25〜0.35cc/Ahとし、合わせた正極板群全体の格子体積を0.80cc/Ah以下とすることを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 鉛を主成分とする鉛-カルシウム-スズ系の合金からなる基板に正極活物質ペーストを充填した正極板に、セパレータを介して負極板を積層した極板群を備えて成る鉛蓄電池において、該基板が、少なくともカルシウムを0.02質量%以上0.05質量%
    未満、スズを0.40〜4.0質量%、アルミニウムを0.04質量%以下、バリウムを0.002〜0.014質量%を含む鉛合金よりなり、極板群のうちの正極板群全体の上半分の格子体積を0.35〜0.40cc/Ah、下半分の格子体積を0.25〜0.30cc/Ahとし、合わせた正極板群全体の格子体積を0.70cc/Ah以下としたことを特徴とする請求項1記載の鉛蓄電池。
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