JP2013090585A - ハート形ケーキの製造方法及び電子レンジ加熱調理用ケーキ型 - Google Patents
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Abstract
【課題】上面の厚さの偏りが少なく見栄えのよいハート形ケーキを、電子レンジで製造できる、ハート形ケーキの製造方法及び電子レンジ加熱調理用ケーキ型を提供する。
【解決手段】このハート形ケーキの製造方法は、ケーキ用生地を上面が開口された有底のケーキ型10に入れて、電子レンジで加熱調理することにより、ハート形ケーキを製造するもので、ケーキ型10として、上面から見て、複数のハート形状の斜面どうしを接合した形状のものを用い、電子レンジで加熱調理した後、ケーキ型10から取り出して、斜面どうしの接合部をカットすることで、複数のハート形ケーキを製造することができる。
【選択図】図1
【解決手段】このハート形ケーキの製造方法は、ケーキ用生地を上面が開口された有底のケーキ型10に入れて、電子レンジで加熱調理することにより、ハート形ケーキを製造するもので、ケーキ型10として、上面から見て、複数のハート形状の斜面どうしを接合した形状のものを用い、電子レンジで加熱調理した後、ケーキ型10から取り出して、斜面どうしの接合部をカットすることで、複数のハート形ケーキを製造することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ケーキ用生地を上面が開口された有底のケーキ型に入れて、電子レンジで加熱調理することにより、ハート形ケーキを製造するハート形ケーキの製造方法、及び、電子レンジ加熱調理用ケーキ型に関する。
スポンジケーキ、パウンドケーキなどのいわゆるケーキ類は、小麦粉に、砂糖等の糖類、バター等の油脂、膨張剤、卵、水などを加え、必要に応じて生地成分の一部または全部を泡立ててケーキ用生地を調製し、これをオーブンなどで焼成して調理される。
また、ケーキは、円形状や長方形状等の様々な形状に形成されるが、ギフト用等として、ハート形に形成される場合がある。例えば、下記特許文献1には、硬質かつ可撓性を有する矩形の剛性樹脂製の薄板を2枚重ね合わせ、この薄板の一端側縁を互いに接着し、他端側縁を反転せしめて互いに突き合わせ、この突き合わせ部分を粘縁シールで固定したハート形の枠体をケーキ型として用いることにより、ハート形ケーキを作ることが記載されている。
更にハート形以外にもケーキ類等を様々な形状とするものとして、下記特許文献様2には、目玉焼、ホットケーキ等を焼くときの料理用枠が開示されており、その第9図には、8枚の花びら形状の輪郭をなす料理用枠が例示されている。
これらのケーキ用型は、オーブンなどによる加熱調理に用いられるもので、上下面が抜けた枠体形状をなしている。
ところで、オーブンなどによる調理は、加熱調理に時間がかかるため、近年、一般家庭向けのケーキ用プレミックスとして、電子レンジを用いて短時間調理するものが開発、販売されている。また、電子レンジ調理用の米粉を主体とするケーキ用プレミックスも開発され、市販されている。
例えば、下記特許文献3には、主成分として米粉を含んでなり、小麦粉及び小麦由来の成分を含まず、糖類、澱粉、食塩、乳成分、卵成分、油脂、無機塩類及びビタミン類から選ばれた1種又は2種以上をさらに配合した菓子用米粉組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1に示されるような、上面から見てハート形をなすケーキ型を、電子レンジ加熱調理に適するように有底にしたケーキ型、例えば図6に示すようなケーキ型を用いて、ケーキ用生地を入れて電子レンジで加熱調理すると、ハート形の下端の角部3(図6参照)に膨張した生地が集まって、その角部3の上面が盛り上がると共に、焦げ付きが生じ易くなることがわかった。
また、ハート形のV字形の凹部5(図6参照)では、逆に窪みが形成される傾向があり、ケーキの上面が凹凸になって見栄えが悪くなってしまうことがわかった。
したがって、本発明の目的は、上面における厚さの偏りが少なく、見栄えのよいハート形ケーキを、電子レンジ加熱調理により製造できるようにした、ハート形ケーキの製造方法、及び、電子レンジ加熱調理用ケーキ型を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のハート形ケーキの製造方法は、ケーキ用生地を上面が開口された有底のケーキ型に入れて、電子レンジで加熱調理することにより、ハート形ケーキを製造する方法であって、前記ケーキ型として、上面から見て、複数のハート形状の斜面どうしを接合した形状のケーキ型を用い、電子レンジで加熱調理した後、前記ケーキ型から取り出して、前記斜面どうしの接合部をカットすることを特徴とする。
上記発明によれば、上面から見て、複数のハート形状の斜面どうしを接合した形状のケーキ型を用いることにより、ケーキ型の側壁に、ハート形の下端のような角部がなくなるため、電子レンジで加熱調理したとき、膨張した生地がケーキ型の角部に集まって、その部分が盛り上がったり、焦げ付いたりすることを防止できる。また、ハート形のV字状の凹部が窪んでしまうことも防止でき、上面における厚さの偏りが少ないケーキを得ることができる。
本発明のハート形ケーキの製造方法においては、上面から見て、2つのハート形状の斜面どうしを、角部を反対向きにして接合した形状のケーキ型を用いてケーキを製造した後、前記斜面どうしの接合部をカットすることが好ましい。
これによれば、上面から見て、ハート形状を2つ接合したような形状のケーキ型を用いることにより、ハート形の下端のような角部がなくなり、電子レンジ加熱によるケーキの膨張が平均化して、上面における厚さの偏りを少なくできると共に、局部的な焦げ付きなどを防ぐことができ、2つのハート形ケーキを効率よく製造することができる。
本発明のハート形ケーキの製造方法においては、上面から見て、4〜8個のハート形状を、それらの角部を中心に向けて、両側の斜辺どうしを接合し、全体として花びら状の輪郭をなすように配列した形状をなすケーキ型を用い、電子レンジで加熱調理した後、前記ケーキ型から取り出して、前記斜辺どうしの接合部をカットすることが好ましい。
これによれば、上面から見て、全体として花びら状の輪郭をなすように配列した形状をなすケーキ型を用いることにより、ハート形の下端のような角部がなくなり、電子レンジ加熱によるケーキの膨張が平均化して、上面における厚さの偏りを少なくできると共に、局部的な焦げ付きなどを防ぐことができ、4〜8個のハート形ケーキを効率よく製造することができる。
本発明のハート形ケーキの製造方法においては、アミロース含量18%以上、かつ、澱粉損傷度が6%以下である米粉15〜30質量%と、油脂15〜25質量%と、糖類40〜68質量%と、膨張剤とを含有するケーキ用プレミックスに、卵と、水及び/又は牛乳とを添加混合して、ケーキ用生地を調製し、このケーキ用生地を所定の容器に充填して電子レンジで加熱調理することが好ましい。
これによれば、膨らみが良好で、ふんわりとして柔らかく、しっとり感があって舌触りが良好であり、風味も良好で、電子レンジで加熱調理した後、時間が経過しても食感が硬くなりにくいハート形ケーキを提供することができる。
一方、本発明の電子レンジ加熱調理用ケーキ型は、外周を囲む側壁と底壁とを有し、上面が開口されたケーキ型であって、上面から見て、複数のハート形状の斜面どうしを接合した形状をなすことを特徴とする。
上記発明によれば、上面から見て、複数のハート形状の斜面どうしを接合した形状をなし、ケーキ型の側壁に、ハート形の下端のような角部がなくなるため、ケーキ用生地を入れて、電子レンジで加熱調理するとき、膨張した生地がケーキ型の角部に集まって、その部分が盛り上がったり、焦げ付いたりすることを防止できる。また、ハート形のV字状の凹部が窪んでしまうことも防止でき、上面における厚さの偏りが少ないケーキを得ることができる。そして、電子レンジで加熱調理した後、ケーキをケーキ型から取り出して、斜面どうしの接合部をカットすることにより、ハート形ケーキを製造することができる。
本発明の電子レンジ加熱調理用ケーキ型においては、上面から見て、2つのハート形状の斜面どうしを、角部を反対向きにして接合した形状をなすことが好ましい。
これによれば、電子レンジで加熱調理してケーキを製造した後、ケーキ型からケーキを取出し、斜面どうしの接合部をカットすることによって、2つのハート形ケーキを効率よく製造することができる。
本発明の電子レンジ加熱調理用ケーキ型においては、上面から見て、4〜8個のハート形状を、それらの角部を中心に向けて、両側の斜辺どうしを接合し、全体として花びら状の輪郭をなすように配列した形状をなすことが好ましい。
これによれば、電子レンジで加熱調理してケーキを製造した後、ケーキ型からケーキを取出し、斜面どうしの接合部をカットすることによって、4〜8個のハート形ケーキを効率よく製造することができる。
本発明によれば、上面から見て、複数のハート形状の斜面どうしを接合した形状のケーキ型を用いることにより、ケーキ型の側壁に、ハート形の下端のような角部がなくなるため、電子レンジで加熱調理したとき、膨張した生地がケーキ型の角部に集まって、その部分が盛り上がったり、焦げ付いたりすることを防止できると共に、ハート形のV字状の凹部が窪んでしまうことも防止でき、上面における厚さの偏りが少ないハート形ケーキを製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明の電子レンジ加熱調理用ケーキ型、及び、ハート形ケーキの製造方法の一実施形態について説明する。
図1(A),(B)及び図2に示すように、電子レンジ加熱調理用ケーキ型10(以下、「ケーキ型10」という)は、底壁15と、この底壁15の周縁から所定高さで立設した側壁20と、この側壁20の上端周縁から外方に向けて延出されたフランジ部35と、前記底壁15及び前記側壁20で形成された凹部30とを有し、上面が開口した有底の箱状をなしている。前記フランジ部35は、ケーキ型10を把持したり、ケーキ型10を反転したときに同ケーキ型10を自立させたりする役割をなしている。
更に図1(B)のケーキ型の平面図に示すように、この実施形態における前記底壁15及び前記側壁20の輪郭は、2つのハート形状部25,25どうしが接合された形状をなしている。各ハート形状部25は、角部28と、角部28から斜め上方に向けてV字状に伸びる斜面27,27と、各斜面27の上端部から円弧状に膨出する膨出部26,26と、膨出部26,26の間に配置されたV字状の凹部29とを有する輪郭をなしている。そして、図2の想像線で示すように、ケーキ型10を上面から見たときに、底壁15及び側壁20の輪郭が、2つのハート形状部25,25の隣接する斜面27,27どうしを、各角部28を反対向きにして接合した形状をなしている。
上記ケーキ型10は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリブチレンテレフタート等の合成樹脂や、紙、ガラス、セラミックなどから形成することができる。
上記ケーキ型10には、ケーキ用生地が充填されて、電子レンジで加熱調理されるようになっている。このケーキ用生地は、例えばケーキ用プレミックスに、卵、水、牛乳等を適宜添加し混合することにより作成できる。
ケーキ用プレミックスとしては、特に限定されず、例えば小麦粉、米粉、澱粉などからなる澱粉質原料粉末に、油脂、糖類、膨張剤などを添加したものが用いられる。
ケーキ用プレミックスの好ましい一例としては、アミロース含量18%以上、かつ、澱粉損傷度が6%以下である米粉15〜30質量%と、油脂15〜25質量%と、糖類40〜68質量%と、膨張剤とを含有するものが挙げられる。
上記ケーキ用プレミックスにおいて、米粉のアミロース含量は18%以上が好ましいが、21%以上がより好ましく、25%以上が更に好ましい。米粉のアミロース含量が18%未満であると、もちもちとした食感になりやすい。なお、米粉のアミロース含量は、農林水産省告示第332号、標準計測方法に示されているアミロース含有率測定方法に準拠して測定した値を意味する。
また、米粉の澱粉損傷度は6%以下が好ましいが、3%以下であることがより好ましい。米粉の澱粉損傷度が6%を超えると、電子レンジによる加熱調理によって澱粉粒の崩壊が過剰となり、得られるケーキが十分に膨化できず、ボリューム感のあるケーキが得られがたく、べたつきのある食感になりやすい。なお、米粉の澱粉損傷度は、AACC法 76−31に定められている澱粉損傷度測定方法に準拠して測定した値を意味する。
更に、ケーキ用プレミックスに対する米粉の含有量は、15〜30質量%であることが好ましいが、18〜25質量%であることがより好ましい。米粉の含有量が15質量%未満であると、得られるケーキの食感が軟らかすぎ、ボリューム感のあるケーキが得られにくくなり、同含有量が30質量%を超えると、得られるケーキの食感が、調理してから時間の経過と共に硬くなりやすい。
また、ケーキ用プレミックスに対する油脂の含有量は、15〜25質量%であることが好ましいが、18〜23質量%であることがより好ましい。油脂の含有量が15質量%未満であると、ぼそぼそとした硬い食感のケーキとなり、同含有量が25質量%を超えると、油っぽく、食感が軟らかすぎるケーキとなる。なお、油脂としては、大豆、菜種、パーム等の植物油や、バター、ラード等の動物性油脂などを用いることができる。
更に、ケーキ用プレミックスに対する糖類の含有量は、糖類40〜68質量%であることが好ましいが、45〜60質量%であることがより好ましい。糖類の含有量が40質量%未満であると、ぼそぼそとした硬い食感のケーキになり、同含有量が68質量%を超えると、甘さが過剰で、食感が軟らかすぎるケーキとなる。なお、糖類としては、単糖類、二糖類、デキストリン等を用いることができる。
また、ケーキ用プレミックスに含有される膨張剤は、各種の市販ベーキングパウダー等を用いることができる。更に膨張剤は、ケーキ用プレミックスに1〜3質量%含有することが好ましく、1〜1.5質量%含有することがより好ましい。膨張剤の含有量が、1質量%未満であると、ボリューム感のあるケーキが得られにくく、3質量%を超えると、ケーキの形状がいびつになり、苦味や酸味が生じて風味に悪影響を生じる。
ケーキ用プレミックスには、その他、味付け剤、乳化剤、香料、着色料等の副原料を、必要に応じて含有させることができる。
次に上記のケーキ型10を用いた、本発明に係るハート形ケーキの製造方法について説明する。
まず、ボウル等の調理具内に、上記ケーキ用プレミックスを入れると共に、卵と、水及び/又は牛乳とを添加する。好ましくは、上記ケーキ用プレミックス100質量部に対し、卵を好ましくは50〜60質量部、水又は牛乳を好ましくは25〜35質量部添加する。そして、これらの原料を混合してケーキ用生地を調製する。
次いで、調製したケーキ用生地を、ケーキ型10の凹部30に所定量充填する。そして、このケーキ型10を電子レンジ内に配置して、同電子レンジにより所定時間で加熱調理することにより、ケーキ型10の凹部30の内周形状に沿った形状、すなわち、2つのハート形が接続された形状のケーキC(図2参照)を製造することができる。
このとき、このケーキ型10においては、図1(B)に示すように、ケーキ型10を上面から見たときに、その側壁20の内周は、2つのハート形状部25,25の斜面27,27どうしを、各角部28を反対向きにして接合した形状をなしているので、ケーキ型10の側壁20には、図6のケーキ型1における、ハート形の下端のような角部3をなくすことができる。
その結果、電子レンジによる加熱調理で膨張したケーキ用生地が、角部に集まって盛り上がることを防止することができると共に、ハート形のV字状の凹部29付近の上面が窪むことを防止することができるので、ケーキ用生地の膨張を平均化することが可能となり、ケーキCの上面における厚さの偏りを少なくして見栄えがよく、局部的な焦げ付きなども少ない、品質のよいケーキCを製造することができる。
そして、図2に示すように、ケーキ型10の凹部30からケーキCを取り出した後、図3(A)に示すように、同ケーキCの、2つのハート形の斜面どうしの接合部を、カットラインLに沿ってカットすることにより、図3(B)に示すように、ハート形をなした2つのケーキC1,C2を製造することができる。
なお、ケーキ用生地を作製するためのケーキ用プレミックスとして、上述したアミロース含量18%以上、かつ、澱粉損傷度が6%以下である米粉15〜30質量%と、油脂15〜25質量%と、糖類40〜68質量%と、膨張剤とを含有するものを用いることにより、良く膨らみ、ふんわりとして柔らかく、しっとり感があって舌触りが良好で、風味も良く、電子レンジで加熱調理した後、時間が経過しても食感が硬くなりにくいケーキC1,C2を得ることができる。
図4及び図5には、本発明の電子レンジ加熱調理用ケーキ型の、他の実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、この実施形態における電子レンジ加熱調理用ケーキ型10a(以下、「ケーキ型10a」という)は、その底壁15及び側壁20の輪郭が、4つのハート形状部25の角部28を中心に向けて、隣り合うハート形状部25の斜面27,27どうしを接合して、全体として花びら状をなす形状をなしている。
この実施形態においても、側壁の内周形状として、ハード形の角部のように突出した部分がなくなるので、電子レンジによる加熱調理で膨張したケーキ用生地が、角部に集まって盛り上がることを防止することができると共に、ハート形のV字状の凹部29付近の上面が窪むことを防止することができるので、ケーキ用生地の膨張を平均化することが可能となり、ケーキCaの上面における厚さの偏りを少なくして見栄えがよく、局部的な焦げ付きなども少ない、品質のよいケーキCaを製造することができる。
そして、図5(A)に示すように、電子レンジにより加熱調理されたケーキCaの、隣接するハート形の斜面どうしの接合部を、複数のカットラインLに沿って適宜カットすることによって、図5(B)に示すように、ハート形をなした4つのケーキCa1〜Ca4を製造することができる。
なお、以上説明した実施形態の他にも、複数のハート形の斜面どうしを適宜接合することにより、本発明に係るケーキ型を構成してもよく、図1〜3に示す実施形態及び図4,5に示す実施形態に限定されるものではない。例えば、2つのハート形の斜面どうしを、角部を反対向きにせずに接合したり、3つ以上のハート形の角部を交互に反対方向に向けて、隣接するものの斜面どうしを接合した形状にしてもよい。
[実施例1]
米粉23質量部と、砂糖52.8質量部と、植物油脂20質量部と、乳化剤3質量部と、膨張剤1.2質量部とを、ミキサー(「ハイフレックスグラル HF−GS−2J」 深江パウテック製)に投入し、5分間混合して、ケーキ用プレミックスを調製した。なお、米粉としては、アミロース含量28.1、澱粉損傷度2.2のものを用いた。
米粉23質量部と、砂糖52.8質量部と、植物油脂20質量部と、乳化剤3質量部と、膨張剤1.2質量部とを、ミキサー(「ハイフレックスグラル HF−GS−2J」 深江パウテック製)に投入し、5分間混合して、ケーキ用プレミックスを調製した。なお、米粉としては、アミロース含量28.1、澱粉損傷度2.2のものを用いた。
なお、上記アミロース含量及び澱粉損傷度の測定方法は、下記の通りである。
・米粉のアミロース含量測定方法
農林水産省告示第332号、標準計測方法に示されているアミロース含有率測定方法に準拠して測定した。すなわち、測定検体(米粉)に、エタノールと水酸化ナトリウム試液を加え加熱した。ついで酢酸試液、ヨウ素・ヨウ化カリウム試液を加え、測定液を調製した。当測定液を吸光度測定(620nmにて)し、アミロース標準溶液を同様の手法により測定した値と比較して、測定検体中のアミロース含量を算出した。
農林水産省告示第332号、標準計測方法に示されているアミロース含有率測定方法に準拠して測定した。すなわち、測定検体(米粉)に、エタノールと水酸化ナトリウム試液を加え加熱した。ついで酢酸試液、ヨウ素・ヨウ化カリウム試液を加え、測定液を調製した。当測定液を吸光度測定(620nmにて)し、アミロース標準溶液を同様の手法により測定した値と比較して、測定検体中のアミロース含量を算出した。
・米粉の澱粉損傷度測定方法
市販の「損傷澱粉測定キット/STARCH DAMAGE ASSAY KIT」(商品名、日本バイオコン株式会社製)を使用し、AACC法 76−31に定められている澱粉損傷度測定方法に準拠して測定した。すなわち、測定検体(米粉)に、損傷澱粉のみに作用するカビ由来 α−アミラーゼ試液を加え反応させ、損傷澱粉を分解した。損傷澱粉を分解した後、希硫酸試液を加えてカビ由来 α−アミラーゼ試液の反応を停止させた。次に、アミログルコシダーゼ試液を加え反応させ、損傷澱粉の分解物をグルコースに分解させて測定液を調製した。当測定液を吸光度測定(510nmにて)し、標準小麦粉(損傷澱粉含量の判っている小麦粉)を同様に測定した結果と比較して、澱粉損傷度を算出した。
市販の「損傷澱粉測定キット/STARCH DAMAGE ASSAY KIT」(商品名、日本バイオコン株式会社製)を使用し、AACC法 76−31に定められている澱粉損傷度測定方法に準拠して測定した。すなわち、測定検体(米粉)に、損傷澱粉のみに作用するカビ由来 α−アミラーゼ試液を加え反応させ、損傷澱粉を分解した。損傷澱粉を分解した後、希硫酸試液を加えてカビ由来 α−アミラーゼ試液の反応を停止させた。次に、アミログルコシダーゼ試液を加え反応させ、損傷澱粉の分解物をグルコースに分解させて測定液を調製した。当測定液を吸光度測定(510nmにて)し、標準小麦粉(損傷澱粉含量の判っている小麦粉)を同様に測定した結果と比較して、澱粉損傷度を算出した。
次に、上記ケーキ用プレミックス100gに、卵52g、牛乳30gを、プレミックスのダマがなくなるまで混ぜ合わせてケーキ生地を作成した。
このケーキ生地を、図1、2に示す形状のプラスチック製のケーキ型に入れ、電子レンジ(高周波出力600W)にて、2分30秒間加熱したのちプラスチック製容器から取り出し、図3に示したように、カットラインLに沿ってカットすることにより、2つのハート形ケーキを製造した。
このケーキは、上面における厚さの偏りが少なく、局部的な焦げ付きもなく、膨らみ具合も良好で、食感、風味も良好であった。
[実施例2]
実施例1において、ケーキ型として図4に示す形状のプラスチック製のケーキ型を用いた他は、実施例1と同様にして、すなわち、同様のケーキ生地を用いて、電子レンジ加熱調理により、ケーキを製造した。
実施例1において、ケーキ型として図4に示す形状のプラスチック製のケーキ型を用いた他は、実施例1と同様にして、すなわち、同様のケーキ生地を用いて、電子レンジ加熱調理により、ケーキを製造した。
そして、このケーキをケーキ型から取出し、図5に示したように、カットラインLに沿ってカットすることにより、4つのハート形ケーキを製造した。
このケーキは、上面における厚さの偏りが少なく、局部的な焦げ付きもなく、膨らみ具合も良好で、食感、風味も良好であった。
[比較例]
実施例1において、ケーキ型として図6に示す形状のプラスチック製のケーキ型を用いた他は、実施例1と同様にして、すなわち、同様のケーキ生地を用いて、電子レンジ加熱調理により、ケーキを製造した。
実施例1において、ケーキ型として図6に示す形状のプラスチック製のケーキ型を用いた他は、実施例1と同様にして、すなわち、同様のケーキ生地を用いて、電子レンジ加熱調理により、ケーキを製造した。
そして、このケーキをケーキ型から取出し、ハート形ケーキを製造した。
このケーキは、上面の角部が盛り上がり、V字状の凹部は窪み、上面における厚さの偏りが大きく、見栄えの悪い形状をなしていた。また、上面の角部において焦げ付きが発生していた。
1 ケーキ型(従来)
3 角部
5 V字状の凹部
10,10a 電子レンジ加熱調理用ケーキ型(ケーキ型)
15 底壁
20 側壁
25 ハート形状部
26 膨出部
27 斜面
28 角部
29 V字状の凹部
30 凹部
35 フランジ部
C,C1,C2,Ca,Ca1,Ca2,Ca3,Ca4 ケーキ
L カットライン
3 角部
5 V字状の凹部
10,10a 電子レンジ加熱調理用ケーキ型(ケーキ型)
15 底壁
20 側壁
25 ハート形状部
26 膨出部
27 斜面
28 角部
29 V字状の凹部
30 凹部
35 フランジ部
C,C1,C2,Ca,Ca1,Ca2,Ca3,Ca4 ケーキ
L カットライン
Claims (7)
- ケーキ用生地を上面が開口された有底のケーキ型に入れて、電子レンジで加熱調理することにより、ハート形ケーキを製造する方法であって、前記ケーキ型として、上面から見て、複数のハート形状の斜面どうしを接合した形状のケーキ型を用い、電子レンジで加熱調理した後、前記ケーキ型から取り出して、前記斜面どうしの接合部をカットすることを特徴とするハート形ケーキの製造方法。
- 上面から見て、2つのハート形状の斜面どうしを、角部を反対向きにして接合した形状のケーキ型を用いてケーキを製造した後、前記斜面どうしの接合部をカットする請求項1記載のハート形ケーキの製造方法。
- 上面から見て、4〜8個のハート形状を、それらの角部を中心に向けて、両側の斜辺どうしを接合し、全体として花びら状の輪郭をなすように配列した形状をなすケーキ型を用い、電子レンジで加熱調理した後、前記ケーキ型から取り出して、前記斜辺どうしの接合部をカットする請求項1記載のハート形ケーキの製造方法。
- アミロース含量18%以上、かつ、澱粉損傷度が6%以下である米粉15〜30質量%と、油脂15〜25質量%と、糖類40〜68質量%と、膨張剤とを含有するケーキ用プレミックスに、卵と、水及び/又は牛乳とを添加混合して、ケーキ用生地を調製し、このケーキ用生地を所定の容器に充填して電子レンジで加熱調理する請求項1〜3のいずれか1つに記載のハート形ケーキの製造方法。
- 外周を囲む側壁と底壁とを有し、上面が開口されたケーキ型であって、上面から見て、複数のハート形状の斜面どうしを接合した形状をなすことを特徴とする電子レンジ加熱調理用ケーキ型。
- 上面から見て、2つのハート形状の斜面どうしを、角部を反対向きにして接合した形状をなす請求項5記載の電子レンジ加熱調理用ケーキ型。
- 上面から見て、4〜8個のハート形状を、それらの角部を中心に向けて、両側の斜辺どうしを接合し、全体として花びら状の輪郭をなすように配列した形状をなす請求項5記載の電子レンジ加熱調理用ケーキ型。
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---|---|---|---|---|
WO2015011813A1 (ja) * | 2013-07-25 | 2015-01-29 | 昭和産業株式会社 | パン類の硬化抑制剤、パン類の硬化抑制方法、パン類の製造方法、パン類用ミックス粉及びパン類 |
JP2017185204A (ja) * | 2016-04-05 | 2017-10-12 | キョウワアグメント株式会社 | 起立補助装置 |
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2011
- 2011-10-25 JP JP2011233579A patent/JP2013090585A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015011813A1 (ja) * | 2013-07-25 | 2015-01-29 | 昭和産業株式会社 | パン類の硬化抑制剤、パン類の硬化抑制方法、パン類の製造方法、パン類用ミックス粉及びパン類 |
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