JP2013087096A - 抗菌組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧品(医薬部外品を含む)、医薬品及び食品には、防腐防黴剤として、パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)、安息香酸類、サリチル酸類等が用いられることがある。近年、消費者の安全志向の高まりと相まって、上記したような防腐防黴剤を配合していない、もしくはその配合量を低減させた化粧品、医薬品の需要が高まっている。本発明は、そのままでも抗菌及び洗浄の用途に使えるほか、化粧品、医薬品及び食品などに配合して使用することができる抗菌性が増強され、かつ透明性に優れた抗菌組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】モノエステル含量が80%以上のグリセリン中鎖脂肪酸エステルと、HLBが15以上の親水性ノニオン系界面活性剤を含有し、平均粒子径が150nm以下のO/Wエマルジョンとすることで課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は抗菌組成物並びに該抗菌組成物を配合した化粧料、医薬品及び食品に関する。本発明の目的は、親水性ノニオン系界面活性剤を用いグリセリン中鎖脂肪酸エステルを平均粒子径が150nm以下のO/Wエマルジョンとすることにより、抗菌性が増強し、かつ透明性に優れた抗菌組成物、並びに該抗菌組成物を配合した化粧品、医薬品及び食品を提供することにある。
化粧品(医薬部外品を含む)、医薬品及び食品には、防腐防黴剤として、パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)、安息香酸類、サリチル酸類等が用いられることがある。化粧品、医薬品及び食品は、その組成自体、微生物の栄養源に富むものであり、また水分活性の高いものも多いため、カビや細菌などの微生物に冒されやすい。特に、化粧品、医薬品は食品に比べて遥かに使用期間が長く、数年間にわたることを前提としなければならない。さらに、化粧品、医薬品(外用剤)は、使用中に手指などからの2次汚染も引き起こしやすい。以上の観点から、化粧品、医薬品を長期間、微生物から保護することを目的として古くから防腐防黴剤が用いられてきた。しかし、上述した防腐防黴剤は皮膚刺激性が高いことが知られており、そのため、それぞれに使用濃度の上限が設定されている。例えば、パラベンや安息香酸塩の使用制限濃度は1%、安息香酸やサリチル酸の使用制限濃度は0.2%とされている。また、化粧品で最も広く使用されるパラベンはもともと抗菌スペクトルが狭く、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌等の細菌類には比較的良好な抗菌性を示すものの、酵母及びカビ類には効果が弱いという問題があった。また、化粧水などの透明な剤形にパラベンを用いるには、パラベンを可溶化する必要があり、高HLBのノニオン系界面活性剤と併用すると、パラベンの抗菌性が著しく低下するという問題も有している。また、安息香酸やサリチル酸は、酸性側では抗菌性を有するものの、酸性以外のpH域では抗菌性が低下するなどの問題も有している。
近年、消費者の安全志向の高まりと相まって、上記したような防腐防黴剤を配合していない、もしくはその配合量を低減させた化粧品、医薬品の需要が高まっている。
上記の要件を満たす有望な素材として、食品用の乳化剤としても用いられるグリセリン中鎖脂肪酸エステルが挙げられる。グリセリン中鎖脂肪酸エステルは、古くから抗菌性を有することが知られており、食品あるいは化粧品用の抗菌剤として使用されてきた実績がる。しかし、グリセリン中鎖脂肪酸エステルは単独で大腸菌、黄色ブドウ球菌等の細菌類には良好な抗菌性を示すものの、酵母及びカビ類には抗菌性が低いという問題があった。これを解決するために、グリセリン中鎖脂肪酸エステルとジグリセリン脂肪酸エステル類を組合せて用いることによって抗菌性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法でも抗菌性は不十分であり、また、本法ではグリセリン中鎖脂肪酸エステルの可溶化を改善するものではなく、透明剤形への使用は適さなかった。
グリセリン中鎖脂肪酸モノエステルと炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールとを含有することにより、1,2−アルカンジオールが本来有する抗菌活性を増強する方法も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、抗菌性は向上するものの、グリセリン中鎖脂肪酸エステルの可溶化を改善するものではなく、やはり透明剤形に対しては使用適性が合うものではなかった。
特開2001−19608号公報 特許第4091566号公報
本発明は、そのままでも抗菌及び洗浄の用途に使えるほか、化粧品、医薬品及び食品などに配合して使用することができる抗菌性が増強され、かつ透明性に優れた抗菌組成物を提供することを目的とする。
係る実情に鑑み、本発明者らが鋭意検討をした結果、親水性ノニオン系界面活性剤を用いグリセリン中鎖脂肪酸エステルを平均粒子径が150nm以下のO/Wエマルジョンとすることにより、グリセリン中鎖脂肪酸エステルの持つ抗菌活性を増強し、かつ化粧水などに配合した際に白濁せず透明性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、そのままでも抗菌及び洗浄の用途に使えるほか、化粧品、医薬品及び食品などに配合して使用することができる、抗菌性が増強され、かつ透明性に優れた抗菌組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る抗菌組成物は、モノエステル含量が80%以上のグリセリン中鎖脂肪酸エステルと、HLBが15以上の親水性ノニオン系界面活性剤を含有し、平均粒子径が150nm以下のO/Wエマルジョンであることを特徴とする。
本発明におけるグリセリン中鎖脂肪酸エステルとは、グリセリン脂肪酸エステルのうち、脂肪酸の炭素数が8〜12のものを指し、具体的には、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリルが挙げられる。これらの中でもカプリル酸グリセリルが該抗菌組成物の抗菌力、水溶液の透明性の両面から好適である。これらのうちの一種を単独で使用することもでき、二種以上を混合して使用することもできる。
さらに、本発明におけるグリセリン中鎖脂肪酸エステルは、モノエステル含量が80%以上であれば良く、製法は特に限定しない。モノエステル含量の分析は、常法に従いグリセリン中鎖脂肪酸エステルをアセチル化もしくはTMS化を行った後、ガスクロマトグラフ測定を行い、モノエステルに相当するピーク面積を算出するなどして行うことができる。
一般にグリセリン中鎖脂肪酸エステルは、グリセリンと中鎖脂肪酸を加熱し、エステル化反応を為し、蒸留操作により、副生成物となるグリセリン、ジエステル、トリエステルを除き、モノエステル含量90%以上のものを得る。例えば、モノカプリル酸グリセリルは、「サンソフトNo.700P−2−C」(HLB7.2)(太陽化学製)などが市販品として例示できる。また、モノカプリン酸グリセリルは、「サンソフトNo.760−C」(HLB6.5)(太陽化学製)などが、モノラウリン酸グリセリルは、「サンソフトNo.750−C」(HLB5.3)(太陽化学製)などが例示できる。なお、モノエステル含量が80%未満であると、親水性の低いジエステル、トリエステルが多くなる。そのため、親水性ノニオン系界面活性剤を用いてO/Wエマルジョンを調製しても平均粒子径は150nmを超えるため、化粧料などに添加した際には透明性を損ない、併せて抗菌力も低下する。
なお、HLBとは親水性と親油性のバランスを示すものであり、本発明においてはアトラス法による算出法(式1)により定義した。

(式1) HLB=20(1−S/A)
S:多価アルコール脂肪酸エステルのけん化価
A:原料脂肪酸の中和価
本発明におけるグリセリン中鎖脂肪酸エステルは、親油性の界面活性剤に分類され、単独では、水にほとんど溶解せず白濁した状態となる。本発明における親水性ノニオン系界面活性剤とは、HLBが15以上であり、高い親水性を有することを必要とする。親水部に電荷を有する官能基を持たず、例えば、ポリグリセリン、ショ糖、ポリオキシエチレンなどからなるものを指す。好ましくは、HLBが15以上であるポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル(シュガーエステル)を用いることが望ましい。一般にポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸をアルカリ触媒存在下で加熱し、エステル化したものである。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は特に限定するものではないが、好ましくミリスチン酸、ラウリン酸及び、イソステアリン酸などが挙げられる。また、ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖を基材とし、1分子中にある8つのヒドロキシル基を脂肪酸でエステル化したものである。ポリグリセリン脂肪酸エステルには、例えば、ミリスチン酸デカグリセリル(「サンソフトQ−14S−C」、太陽化学製、HLB15.7)、モノラウリン酸デカグリセリル((「サンソフトQ−12S−C」、太陽化学製、HLB16.1)などが挙げられる。また、ショ糖脂肪酸エステルには、例えば、第一工業製薬製「DKエステルF−160」(HLB15)などが挙げられる。これらのうちの一種を単独で使用することも、また、二種以上を混合して使用することもできる。
本発明における親水性ノニオン系界面活性剤は、さらに好ましくは、平均重合度が10〜100で全ポリグリセリン中の環状物の割合が30%未満であるポリグリセリンと、ラウリン酸及び/又はミリスチン酸とのモノエステル化物であるポリグリセリン脂肪酸エステル、又は、HLBが18以上のショ糖脂肪酸モノエステルが好適である。例えば、前者には、ミリスチン酸デカグリセリル(「サンソフトQ−14Y−C」、太陽化学製、HLB16.7)、モノラウリン酸デカグリセリル(「サンソフトQ−12Y−C」、太陽化学製、HLB17.1)などが挙げられる。また、後者には例えば、第一工業製薬製「DKエステルSS」(HLB約19)などが挙げられる。これらのうちの一種を単独で使用することもでき、二種以上を混合して使用することもできる。
本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステルの構成成分であるポリグリセリンには水酸基価から算出した平均重合度が10から100量体のものが、より好ましく用いられる。これよりも平均重合度が低いポリグリセリンを用いた場合、合成されたポリグリセリン脂肪酸エステルは、親水性が十分ではなく、該抗菌組成物の平均粒子径は150nmを超えるため、化粧料などに添加した際には透明性を損ない、併せて抗菌力も低下する。また、ポリグリセリンの重合度が100量体より高いものを用いて合成されたポリグリセリン脂肪酸エステルは遊離のポリグリセリンの含量が顕著に多くなり、ポリグリセリン脂肪酸エステル自体の親水性は十分ではないため、これを用い調製された該抗菌組成物は、平均粒子径が150nmを超えるため好ましくない。
ここで言うポリグリセリンの平均重合度とは、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度である。詳しくは、(式2) 及び(式3) から算出した平均重合度である。
(式2)平均重合度=(112.2×103−18×水酸基価)/(74×水酸基価−56.1×103)
(式3)水酸基価=(a−b)×28.05/試料の採取量(g)
a:空試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:本試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
上記(式2) 中の水酸基価は社団法人日本油化学会編「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法(I)1996年度版」に準じて(式3)で算出される。
本発明において、環状体含有量とは液体クロマトグラフ−質量分析計(LC/MS)で検出されるグリセリン環状体の含有量のことを言う。
本発明における抗菌組成物は、平均粒子径が150nm以下のO/Wエマルジョンであることを特徴とする。より好ましくは、平均粒子径が130nm以下であり、さらに好ましくは、平均粒子径が100nm以下である。平均粒子径が150nmを越えると、化粧料などに添加した際には透明性を損ない、併せて抗菌力も低下する。
平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値(体積基準)の50%での粒子径を意味する。
本発明における抗菌組成物は、モノエステル含量80%以上のグリセリン中鎖脂肪酸エステルと、HLBが15以上の親水性ノニオン系界面活性剤の重量比が1:0.5〜1:4の範囲で含有することが好ましい。さらに好ましくは1:0.5〜1:1の割合で含有することが望ましい。
本発明における抗菌組成物は、1,3−ブチレングリコール又はジプロピレングリコールの少なくとも1つを含有することが好ましい。これらの物質は、該抗菌組成物のO/Wエマルジョンの単なる親水媒体としての機能のみならず、平均粒子径が150nm以下の微細なエマルジョンの形成において、グリセリン中鎖脂肪酸エステルに対する親水性ノニオン系界面活性剤の重量比を減じるのに有効であり、且つ、該抗菌組成物の抗菌性向上においても有効である。
該抗菌組成物の抗菌性は、親水性界面活性剤を用いグリセリン中鎖脂肪酸エステルを平均粒子径が150nm以下のO/Wエマルジョンとすることにより、グリセリン中鎖脂肪酸エステルの持つ抗菌活性を増強し、単独のグリセリン中鎖脂肪酸エステルでは、抗菌効果を発現し難い真菌類、例えばクロコウジカビに対しても抗菌効果を示す特徴を有する。
本発明における抗菌組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、1,3−ブチレングリコール及び/又はジプロピレングリコール以外の親水成分を配合してもよい。親水成分となるものは、特に限定するものではないが、具体的には、水、エタノール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。
該抗菌組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の成分以外に他の成分を含有してもよい。他の成分としては、本発明の組成物の安定性向上、製品価値を向上させる観点から、例えば、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤などが挙げられる。
本発明の抗菌組成物の調製方法は、特に限定するものではないが、例えば、グリセリン中鎖脂肪酸エステルと親水性ノニオン系界面活性剤を60〜70℃で攪拌混合し、次いで1,3−ブチレングリコール又はジプロピレングリコールを加え、60〜70℃で攪拌混合することによって得ることが出来る。なお、ここでいう攪拌とは、手撹拌やプロペラ撹拌などの比較的弱い撹拌力を示すもので、強分散性のホモミキサーやコロイドミル、高圧乳化装置等の特別な乳化装置を必要とするものではない。
上述した本発明に係る抗菌組成物は、そのままでも抗菌及び洗浄の用途に使えるほか、化粧品、医薬品及び食品などに配合して使用することができる。化粧品では、透明性の面から、具体的には化粧水、美容液、養毛・育毛料などの透明剤形に好ましく使われるが、抗菌性向上の観点から、透明剤形に限定するものではなく、乳液、クリーム、ファンデーション、シャンプー、ボディソープ、洗顔料、マスカラ、ネールエナメル、口紅、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ヘアローション、ヘアフォームなどに、医薬品では、うがい薬、軟膏などの医薬品、さらに飲料や惣菜などの食品に好適に用いることができる。
本発明に係る抗菌組成物を用いて化粧品、医薬品又は食品を調製する場合、本発明の効果が損なわれない範囲内で化粧品、医薬品又は食品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。例えば、化粧品や医薬品(医薬部外品を含む)の場合、界面活性剤、増粘剤、溶剤、保湿剤、収斂剤、脂肪分解促進剤、高分子化合物、紫外線吸収剤、抗炎症剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、ビタミン類、色素、香料等の任意成分を配合することができる。また食品の場合は、多糖類、甘味料、動植物油、着色料、ガムベースなどを例示することができる。
化粧品、医薬品又は食品を調製する場合、本発明に係る抗菌組成物の配合量は特に限定されないが、該抗菌組成物中のグリセリン中鎖脂肪酸エステルを含む界面活性剤の合計濃度が最終製品中に0.1〜3%の濃度で含有することが好ましい。より好ましくは、該抗菌組成物中の界面活性剤の合計濃度が最終製品中に0.3〜2%の濃度で含有する。3%を超えて配合したとしてもそれ以上の効果が望めない。また、0.1%未満の場合は、抗菌効果が劣るために好ましくない。
以下、本発明の態様を実施例によりさらに詳細に記載し開示するが、この実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。
(抗菌組成物の調製)
表1に実施例となる抗菌組成物の各配合を、表2に比較例となる組成物の各配合を示した。調製方法は、グリセリン中鎖脂肪酸エステルと親水性ノニオン系界面活性剤とを60〜70℃で溶解し、次いで1,3−ブチレングリコール又はジプロピレングリコールを加え、60〜70℃で攪拌混合を行った後、室温まで冷却し調製した。
(抗菌組成物の水溶性及び粒度分布測定)
上記組成物の水溶性は、水溶液中のグリセリン中鎖脂肪酸エステル濃度が1%になるように精製水にて希釈し、目視にて水溶液の透明性を確認した。粒度分布測定は、レーザー回折型粒度分布測定装置(ベックマン コールター社製 Laser Diffraction Particle Size Analyzer LS13 320)を用い測定した。平均粒子径は、粒度分布における積算値(体積基準)の50%での粒子径(即ち中位径あるいはメディアン径)とした。水溶性と平均粒子径を表1の下段に記載した。比較例が白濁するのに対し、実施例は何れも優れた水溶性を示し、水溶液は透明で且つ、エマルジョンの平均粒子径は150nm以下となった。
(抗菌組成物の実施例)
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(抗菌組成物の比較例)
Figure 2013087096
(防腐効力試験1)
本発明品及び比較品を、水溶液中のグリセリン中鎖脂肪酸エステル濃度が1%になるように精製水にて希釈し、その水溶液を用いて細菌類及び真菌類の防腐効力試験を行った。試験は、各水溶液に各指標菌を10〜10個/mlとなるように接種し、菌数の経時変化を、7日目、14日目、21日目毎に測定し、抗菌性を評価した。指標菌には、大腸菌、黄色ブドウ球菌、及びクロコウジカビを用いた。表3に大腸菌を用いた実施例及び比較例の試験結果を示した。同様に表4には黄色ブドウ球菌を用いた実施例及び比較例の試験結果を、表5にはクロコウジカビを用いた試験結果を示した。大腸菌、黄色ブドウ球菌共に、実施例及び比較品の何れの試験区も7日後には、菌数は大幅に減少し検出限界以下であった。しかしクロコウジカビでは、実施例では21日後には、菌数は大幅に減少し検出限界以下となった一方、比較例では菌数は減る傾向にはあるものの、21日後でも検出限界以下にはならなかった。
Figure 2013087096
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(防腐効力試験2)
本発明品及び比較品を、グリセリン中鎖脂肪酸エステル濃度が1%になるように下記組成の化粧水を調製し、細菌類及び真菌類の防腐効力試験を行った。試験は、各化粧水に各指標菌を10〜10個/mlとなるように接種し、菌数の経時変化を、7日目、14日目、21日目毎に測定し、抗菌性を評価した。指標菌には、大腸菌、黄色ブドウ球菌、及びクロコウジカビを用いた。表6に大腸菌を用いた実施例及び比較例の試験結果を示した。同様に表7には黄色ブドウ球菌を用いた実施例及び比較例の試験結果を、表8にはクロコウジカビを用いた試験結果を示した。大腸菌、黄色ブドウ球菌共に、実施例及び比較品の何れの試験区も7日後には、菌数は大幅に減少し検出限界以下であった。しかしクロコウジカビでは、実施例では21日後には、菌数は大幅に減少し検出限界以下となった一方、比較例では菌数は減る傾向にはあるものの、21日後でも検出限界以下にはならなかった。
(化粧水組成)
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2%
1,3−ブチレングリコール 3.0%
エチルアルコール 1.0%
香料 適量
精製水、本発明品又は比較品 残部
(調製方法) 60℃で均一になるまで混合し、調製した。
Figure 2013087096
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(防腐効力試験3)
本発明品及び比較品を、グリセリン中鎖脂肪酸エステル濃度が1%になるようにO/Wクリームを調製し、そのO/Wクリームを用いて細菌類及び真菌類の防腐効力試験を行った。試験は、各O/Wクリームに各指標菌を10〜10個/mlとなるように接種し、菌数の経時変化を、7日目、14日目、21日目毎に測定し、抗菌性を評価した。指標菌には、大腸菌、黄色ブドウ球菌、及びクロコウジカビを用いた。表9に大腸菌を用いた実施例及び比較例の試験結果を示した。同様に表10には黄色ブドウ球菌を用いた実施例及び比較例の試験結果を、表11にはクロコウジカビを用いた試験結果を示した。大腸菌、黄色ブドウ球菌共に、実施例及び比較品の何れの試験区も7日後には、菌数は大幅に減少し検出限界以下であった。しかしクロコウジカビでは、実施例では21日後には、菌数は大幅に減少し検出限界以下となった一方、比較例では菌数は減る傾向にはあるものの、21日後でも検出限界以下にはならなかった。
(O/Wクリーム組成)
(A成分)
グリセリン 3.3%
オレイン酸グリセリル(サンソフトO−30S−C) 0.5%
デカグリセリルモノオレート(サンソフトQ−17Y―C) 1.6%
キサンタンガム 0.4%
精製水 残余
(B成分)
パーム核油 9.0%
カプリル酸/カプリン酸 トリグリセリド 8.0%
ジグリセリンモノカプレート(サンソフトQ−10D−C) 0.4%
(C成分)
本発明品又は比較品 グリセリン中鎖脂肪酸エステル濃度がO/Wクリーム中の1%になるよう
(調製方法)
A、B、をそれぞれ70℃に加熱混合し、Bをホモミキサーにかけながら、Aを投入する。品温が30℃以下になるまで冷却した後、Cを投入し撹拌混合する。
以上の結果より、本発明の実施例となる抗菌組成物1〜9は、比較例1〜8よりも水相に希釈した際の透明性に優れ、さらには単品では抗菌性が発現されない真菌であるクロコウジカビに対しても抗菌性を有するようになり、抗菌性の大幅な向上が示された。
Figure 2013087096
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本発明によりそのままでも抗菌及び洗浄の用途に使えるほか、化粧品、医薬品及び食品などに配合して使用することができ、また抗菌性が増強されかつ透明性に優れた抗菌組成物を提供することができ産業上貢献大である。

Claims (7)

  1. モノエステル含量が80%以上のグリセリン中鎖脂肪酸エステルと、HLBが15以上の親水性ノニオン系界面活性剤を含有し、平均粒子径が150nm以下のO/Wエマルジョンであることを特徴とする抗菌組成物。
  2. モノエステル含量80%以上のグリセリン中鎖脂肪酸エステルと、HLBが15以上の親水性ノニオン系界面活性剤の重量比が1:0.5〜1:4の範囲で含有することを特徴とする請求項1記載の抗菌組成物。
  3. 前記グリセリン中鎖脂肪酸エステルがカプリル酸グリセリルであることを特徴とする請求項1又は2記載の抗菌組成物。
  4. 前記の親水性ノニオン系界面活性剤がポリグリセリン脂肪酸エステル又はショ糖脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の抗菌組成物。
  5. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、(A)のポリグリセリンと(B)の脂肪酸のモノエステル化物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の抗菌組成物。
    (A)ポリグリセリンの平均重合度が10〜100であり、かつ全ポリグリセリン中における環状物の割合が30%以下であるポリグリセリン
    (B)ラウリン酸及び/又はミリスチン酸からなる脂肪酸
  6. 該抗菌組成物が1,3−ブチレングリコール又はジプロピレングリコールの少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の抗菌組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の抗菌組成物を配合してなることを特徴とする化粧品、医薬品又は食品。
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