JP2013085923A - 吸水性樹脂の含水ゲルの漏れのない吸水性樹脂入りバンドおよびその製造法 - Google Patents

吸水性樹脂の含水ゲルの漏れのない吸水性樹脂入りバンドおよびその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸水性樹脂入りバンドを使用するときに、吸水性樹脂の粉末やその含水ゲルの漏れのない吸水性樹脂入りバンドおよびその製造法を提供する。
【解決手段】 縫製により2区画以上の袋部が形成され、各袋部の中に吸水性樹脂が封入された、袋状の通気性の布帛のバンドであって、該布帛と吸水性樹脂との間に合成繊維製などの不織布が存在することを特徴とする吸水性樹脂入りバンドであり、吸水性樹脂の粉末または吸水性樹脂の粉末を含むシートが入った不織布の袋を、通気性の布帛からなるバンドに入れた後、縫製により区画を形成するバンドの製造法である。

【選択図】図1

Description

本発明は、吸水性樹脂入りバンドに関する。詳しくは縫製により2区画以上の袋部が形成されて各袋部の中に吸水性樹脂が封入されたバンドに関する。
人体の首部を保冷するものとして、吸水性樹脂の粉末を中に入れたネッククーラーが販売されている。これを水に浸漬すると中の吸水性樹脂が吸水膨潤してゲルとなり、ゲル中の水が通気性布帛を通って徐々に蒸発するのでネッククーラー自体の温度が下がり、これを首部に巻くと首部を保冷することができる。すなわち、首部の頸動脈中の血液を保冷すると、適度に冷やされた血液は体全体に回り体の温度を下げることができる。このようなものとして、冷却用ネックバンドを幅方向に二分するように長手方向に縫製してその中に吸水性樹脂を入れて首部を冷却するバンド(たとえば、特許文献1)や、不透水性布地からなる袋体内に吸水ポリマーを含むシート状吸水体を挟みこみ、不透水性布地とシート状吸水体とをステッチ縫合して平面視で複数のエリアに分割した吸水パッド(たとえば、特許文献2)がある。
登録実用第3019831号公報 特許第439160号公報
しかしながら、これらの袋状の布帛のバンドをミシンにより縫製して区画を形成したとき、ミシン針により布帛を形成する繊維が切断されることがあり、使用時縫い目の箇所の穴が拡大され、縫い目から吸水性樹脂の含水ゲルが漏れ、不快感が生じるという問題が発生することがある。バンドを含水させて使用するときに、吸水性樹脂の含水ゲルの漏れのない吸水性樹脂入りバンドが求められている。
本発明の目的は、バンドを使用するときに、吸水性樹脂の粉末やその含水ゲルの漏れのない吸水性樹脂入りバンドを提供することである。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究の結果、袋状の布帛のバンドをミシンにより縫製するときに、不織布を間に入れると含水ゲルの漏れがないことを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、縫製により2区画以上の袋部が形成され、各袋部の中に吸水性樹脂が封入された、袋状の通気性の布帛のバンドであって、該布帛と吸水性樹脂との間に不織布が存在することを特徴とする吸水性樹脂入りバンドである。
さらに本発明は、上記不織布が合成繊維製であることを特徴とする。
また本発明は、吸水性樹脂の粉末または吸水性樹脂の粉末を含むシートが入った不織布の袋を、通気性の布帛からなるバンドに入れた後、縫製により区画を形成する吸水性樹脂入りバンドの製造法である。
また本発明は、吸水性樹脂入りバンドが人体の保冷バンドまたは保冷バンダナである。
また本発明は、吸水性樹脂入りバンドが汗取りバンドである。
本発明によれば、縫製により2区画以上の袋部が形成されて各袋部の中に吸水性樹脂が封入された、袋状の通気性の布帛のバンドにおいて、該布帛と吸水性樹脂との間に不織布が存在するので、縫製した縫い目から吸水性樹脂の粉末や含水ゲルの漏れが抑制される。不織布はそれを構成する繊維が不規則に絡まっているので、ミシンの針で不織布の繊維が切断して穴が開いたとしても使用時にネッククーラーを引っ張るなどすると不規則に絡まっている繊維が動き穴を塞いでしまい、吸水性樹脂の粉末や含水ゲルの漏れが抑制されることになる。
また、バンド使用時にバンドに日光が当たってもヌメリの発生が抑制できる。吸水性樹脂は乾燥状態では紫外線により分解されることは起こりにくいが、その含水ゲルは紫外線により徐々に分解される。分解すると水可溶性成分となりヌメリ感をもたらし、バンドを使用するときの不快感になる。通常バンド使用時にはこのようなことは発生しにくいが、使用後日光に当てて乾燥したりすると極端に日光が当たることになり次回使用時のヌメリ感になる場合がある。この場合には、本発明のバンドを用いると、水を含んだ吸水性樹脂の分解を遅らせることができる。これは不織布中の不規則に配列された繊維がバンドの中に入った紫外線を吸収したり、乱反射してさらに吸水性樹脂に入ることを少なくするためと考えられる。
本発明によれば、上記不織布の繊維が合成繊維であるので、高速ミシンにより縫製されても布帛を構成する糸の切断が抑制される。高速ミシンで縫製するとミシン針と糸との間の摩擦が大きくなり、したがって摩擦熱が大きくなり針の温度が上昇して布帛を構成する糸が切れやすくなる。不織布を構成する合成繊維は摩擦熱により自身が溶融し摩擦熱を奪うので針の温度上昇を防ぎ、摩擦熱による布帛を構成する糸の切断を抑制することができる。一方、不織布を構成する繊維が溶融して穴が開いても不織布の繊維は不規則に絡まっているので、不織布を引っ張るなどすると穴は塞がり吸水性樹脂の粉末や含水ゲルの漏れがない。
本発明によれば、吸水性樹脂の粉末または吸水性樹脂の粉末を含むシート(以下吸水シートという場合がある)が入った不織布の袋を布帛のバンドに入れた後、縫製により区画を形成するので、効率的にバンドを製造できる。逆に先に縫製により区画を形成してから吸水性樹脂の粉末または吸水シートを入れると作業が煩雑になるとともに大きい吸水シートを入れることができない。工業的製法としては先に吸水性樹脂の粉末または吸水シートを入れてから縫製すると簡単でバンドが早く製造できる。
本発明の吸水性樹脂入りバンドは、含水させて人体の頭、首、腕などに巻いて用いれば、装身用保冷バンドまたは保冷バンダナとして使用できる。また、含水させずに額、首などに巻いて用いれば、汗を吸収する汗取りバンドとして使用できる。
本発明における一つの実施態様の吸水性樹脂入りバンドの概念図である。
以下、本発明の実施の形態につき、説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本発明の吸水性樹脂入りバンドは、少なくとも通気性の布帛からなる袋、吸水性樹脂、不織布により構成される。
袋を形成する通気性の布帛としては、柔軟性を有する編布、織布が好ましく使用でき、従来保冷バンドに用いられる通気性の布帛が使用できる。不織布は用いることができるが、人体に接する最外層の布帛としては皮膚に対する感触が十分でない場合があったり、引張強度に劣る場合があり、使用しづらい。
通気性の布帛の材質としては、たとえば綿、麻、羊毛、絹、セルロース、パルプなどの天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポバールなど及びその変性物などの合成樹脂又は繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維など及びこれらの混合素材が適用できる。好ましいのは吸水性のある天然繊維、およびそれらと他の繊維の混合素材である。また、これらの繊維を変性または組み合わせた高吸水性繊維、マイクロファイバーなども特に好ましく適用できる。
上記布帛と吸水性樹脂の間に存在する不織布としては、工業的に使用されている不織布が使用できる。不織布の繊維素材としては、合成繊維(ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリオレフィン繊維など)、半合成繊維(アセテート、レーヨンなど)、天然繊維(綿、絹、羊毛など)、炭素繊維、およびこれらの混合品(混紡品など)などの繊維素材が適用できる。これらの中でも合成繊維からなる不織布が好ましい。合成繊維からなる不織布を用いると、不織布を構成する合成繊維はミシン針と糸との間の摩擦熱により溶融し摩擦熱を奪うので針の温度上昇を防ぎ、摩擦熱による布帛を構成する糸の切断を抑制することができる。
不織布は乾式法、湿式法のいずれの方法でも、またスパンレース法、サーマルボンド法、スパンボンド法、ニードルパンチ法などいずれの方法で製造されたものでも使用できる。これらの方法により繊維は不規則に絡まり、縫製により発生する針穴の拡大が抑制され、本発明の効果が発揮できる。
不織布の目付量は、10g/m2以上100g/m2以下が好ましい。10g/m2以上であると吸水性樹脂またはそのゲルが不織布と絡み合い通過しにくく、縫製したときに布帛に発生する針穴からのゲルの漏れを抑制できる。100g/m2以下であると不織布が柔軟であり、保冷バンドとして用いたときに、かさばらず使用時に違和感がない。より好ましくは15g/m2以上50g/m2以下であり、特に好ましくは15g/m2以上30g/m2以下である。
また、上記素材の短繊維または長繊維を集めて圧縮したフェルトはウェブが豊富であり、本発明の不織布として使用できる。フェルトは織フェルト、プレスフェルト、ニードルパンチフェルトなど、一般にフェルトと称されるものであり、たとえば、「産業用繊維資材ハンドブック」(日本繊維機械学会、362頁〜381頁)に記載されているものが使用できる。
また、上記の通気性の布帛や不織布のフラジール法による通気度は0.1cm/cm・s以上であるのが好ましく、0.3cm/cm・s以上であるのがより好ましい。また、30cm/cm・s以下であるのが好ましく、20cm/cm・s以下であるのがより好ましい。0.1cm/cm・s以上であると、バンドの含水ゲルの水分が布を通して徐々に気化する気化速度が早く人体を保冷することができる。また、汗などを早く吸収することができる。0.3cm/cm・s以上であると水の気化速度や汗の吸収速度がさらに早くなる。30cm/cm・s以下であると、吸水前の吸水性樹脂粉末が外部に抜け出ることが少ない。
本発明におけるバンド中の含水ゲルを形成する吸水性樹脂としては、天然系でも合成系でも特に限定はないが、安価で、安全性、耐久性、吸水倍率や吸水速度などの吸水特性に優れ、かつ、腐敗の心配の無いものが好ましい。
このようなものとして特に合成系の吸水性樹脂が挙げられ、吸水・膨潤するものであれば特に限定されるものではないが、たとえば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、変性ポリエチレンオキサイド架橋体、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合架橋体、(メタ)アクリロイルアルカンスルホン酸塩共重合架橋体、架橋カルボキシメチルセルロース塩、カチオン性モノマーの架橋重合体などが挙げられる。これらのうち、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、および、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物が、吸水膨潤特性、保水性、安全性や経済性などが特に良好であるため好ましい。
これらの吸水性樹脂は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。上記吸水性樹脂は、所定形状に造粒されていてもよく、また、不定形破砕状、球状、鱗片状、繊維状、棒状、塊状、粉末状など、種々の形状であってもよいが、吸水性能を向上させるために、粉末状であることがより好ましい。
粒子の平均粒子径について特に限定はないが、好ましくは30〜850μmであり、より好ましくは60〜400μmである。30μmより大きいと通気性基材から吸水性樹脂の粉末が漏れにくくなり、850μmより小さいと含水ゲルを作成するときの吸水速度が良好である。粒度分布は特に限定はないが、好ましくは30〜850μmの範囲の粒子が95質量%以上になるような粒度分布である。ここで平均粒子径は質量平均粒子径を意味し、質量平均粒子径は、架橋重合体の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が質量基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒子径を求める方法により測定する。たとえば、通常の篩振とう法が適用できる。
上記吸水性樹脂の吸水倍率は重量で100〜1000倍であるのが好ましい。吸水倍率は下記の方法で測定できる。
<吸水性樹脂の吸水倍率の測定法>
ナイロン製の網袋(250メッシュ)に吸水性樹脂の試料(サンプル量;Xg)を入れ、これを袋ごと過剰の水に浸す。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、質量(Yg)を測定して下式より吸水倍率を求める。[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量(Zg)をブランクとして差し引く。]
吸水倍率=(Y−Z)/X
また、吸水性樹脂の吸水速度は、好ましくは5〜200秒であり、より好ましくは5〜100秒である。吸水速度が5秒以上であると、空気中の湿度の影響で吸水性樹脂同士のブロッキングなどが生じにくくなり、使う前に「ままこ」がないので使いやすい。吸水速度が200秒以下であると、含水した時の吸水速度が十分に速くまた水の蒸散速度も速いので冷却速度も速く好ましい。
吸水性樹脂の吸水速度は下記の方法で測定できる。
<吸水性樹脂の吸水速度の測定法>
1.100mLのガラスビーカーに水道水を50mL入れ、マグネットスターラー〔直径(中央部8mm、両端7mm)、長さ30mmのフッ素樹脂コーテイングされたもの〕を用いて600rpmで攪拌する。
2.試料2.00試験サンプルを渦中に一度に投入し、投入した時から渦が消えて液面が水平になった時点までの時間(秒)を測定し、吸水速度とする。
また、吸水性樹脂としては、低分子の水可溶性成分、たとえば、アクリル酸のオリゴマーなどの低分子などは少ない方が好ましい。これらの水可溶性成分は、含水ゲルを手で触ったときに、ヌメリ感を与え感触がよくない。吸水性樹脂中の水可溶性成分が10%以下であるとヌメリ感が少なく、5%以下であるとさらに少なく感じ、1%以下のものが、触った時にヌメリ感がないので特に好ましい。水可溶性成分の測定法は、特開2005−445公報などに記載された重量測定法や電滴法などの方法で測定できる。
水可溶性成分は水ではなく蒸発しにくいので、保冷バンドとして使用したときに、布帛の表面に出てきて残りやすい。そのため、布帛表面の水分量が多くなることがあるが、そのような状態は皮膚にヌメリ感を与え、本発明のバンドには適さない。
また、吸水性樹脂の粉末の代りに、吸水性樹脂の粉末を通気性基材に固定したシート(吸水シート)を用いることができ、公知の吸水シートを使用することができる。吸水シートにしたものを用いると吸水性樹脂の粉末が吸水シートに均一に存在するので、粉末を用いる場合よりも偏りが少なくなるので好ましい。
吸水シートにする場合には、上記の吸水性樹脂の粉末と共に、水不溶性吸水・保水材を同時に含ませてもよい。水不溶性吸水・保水材としては、吸水して膨潤する吸水性樹脂以外のもの、たとえば、パルプ、吸水性繊維、ヤシガラ、モミガラ、木くず、木粉、木綿、オガクズ、ワラ、ヤシ殻活性炭などの有機系水不溶性吸水・保水材やパーライト、ロックウール、多孔質セラミック、バーミキュライト、軽石などの無機系水不溶性吸水・保水材が挙げられる。
吸水シートの構成として好ましいものは、布(特に好ましくは不織布)、紙などの通水性基材の片面または両面に粘着剤やバインダー樹脂を用いて吸水性樹脂粉末を固定化したものであり、特に好ましいものは、紙や不織布などの通水性基材でサンドイッチ状に挟んだ後、エンボス加工法、ニードルパンチ法で吸水性樹脂を一体化したもの;プラスチックフィルムの片面に粘着剤やバインダー樹脂を用いて吸水性樹脂粉末水を固定させ、そのまままたは片面に上記通水性基材を被せたもの、たとえば、セロハンやビニールの粘着テープを用いて、粘着面に吸水性樹脂粉末を散布しそのまままたは不織布などの通水性基材を被せて圧着ロールで固定したものなどが挙げられる。これらの吸水シートは、吸水性樹脂粉末の吸水による膨潤を妨げにくいため、多くの水を吸収して保水することができる。特に好ましいものは、エンボス加工法で吸水性樹脂が不織布や紙に挟まれて固定されたものである。
吸水シートの大きさは特に限定がない。吸水シートをバンド内に設置する場合は、バンドの大きさに合わせてカッティングして1枚で設置しても折り曲げて入れても数枚重ねて設置してもよい。
吸水性樹脂の使用量は、粉末であれ吸水シートであれ、バンドにおいて好ましくは10〜120g/m2、より好ましくは30〜100g/m2であり、特に好ましくは40〜80g/m2である。使用量が10g/m2以上であると、バンドの保水性が良好であり人体を保冷できる。120g/m2以下であると、バンドが吸水したとき膨らみすぎず、また性能と経済面のコストパフォーマンスが良好である。
吸水性樹脂入りバンドは、布帛からなる袋に吸水性樹脂の粉末またはその吸水シートが入れられたバンドであり、縫製により2区画以上の袋部が形成されて各袋部の中に吸水性樹脂が封入されている。吸水性樹脂が分割された各々の空間に単位広さ当たり均等に吸水性樹脂が充填されているのが良い。これによって、吸水性樹脂が袋内の一側に偏るのを防止できる。吸水シートを用いる場合は、吸水シートをバンドに入れて周囲を縫製などにより閉じ、吸水シートが出ないようにしておくのが好ましく、バンドの幅方向に二分するように長手方向に縫製して吸水シートをバンドに固定するのがより好ましい。
バンドの製法は、一部が開口した通気性袋を作成しておき、開口から吸水性樹脂の粉末または吸水シートを入れた後、開口を閉じてもよいし、通気性基材上に吸水性樹脂の粉末または吸水シートを置いた後、上から通気性基材を被せて袋を形成してもよい。本発明においては、不織布は吸水性樹脂と布帛との間にあり、不織布を通して縫製されることが必要である。袋が通気性の布帛と不織布が積層したもので形成され、その中に吸水性樹脂の粉末または吸水シートを入れた後、縫製してもよく、または不織布で形成した袋に吸水性樹脂の粉末または吸水シートを入れた後、通気性の布帛の袋に入れ縫製してもよい。好ましいのは、吸水シートを入れた不織布の袋を通気性の布帛からなる袋に入れてから縫製する方法であり、経済上有利である。
縫製は、通常の家庭用または工業用ミシンによるミシン掛けがよく、生産効率面から、高速工業用ミシンによる縫製が好ましい。縫製糸は、綿、絹や合成繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレンなど)が使用できる。縫製糸の太さなどは用途によって変えて用いられる。
バンドの大きさは、装着する部位や子供、大人により決まるが、好ましくは巾1cm〜15cm、長さ15cm〜150cmであり、より好ましくは巾2cm〜10cm、長さ20cm〜90cmであり、形状は特に限定はなく、帯状や三角形などがある。三角形のものとは、二等辺三角のようなもので長い底辺部が帯状になっているものは特にバンダナと称する。またスカーフの一部などとしても、ファッション性を有し若者に好まれ用いられる。
本発明の吸水性樹脂入りバンドは、含水させて人体の頭、首、腕などに巻いて保冷する装身用保冷バンドまたは保冷バンダナとして好適に使用できる。装身用保冷バンド又は保冷バンダナとして使用する場合には、吸水性樹脂の入ったバンドを1〜15分間、
1〜25℃の水に浸けた後使用する。好ましくは3〜20℃である。また、含水させない場合は、汗取りバンドとして額や首などに用いれば、汗を吸収することができる。
以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説明するがこれに限定されるものではない。
(実施例1、比較例1)
吸水性樹脂として、平均粒径200μm、吸水量100g/g、水可溶性成分含量2.0%の架橋されたポリアクリル酸ソーダを準備した。
巾40cm、長さ70cmのティッシュペーパーの上に、上記の吸水性樹脂と繊維状パルプ(重量比で1/2)の合計量を150g/mになるように均一に散布し、その上に同じサイズのティッシュペーパーを置いて、その上からエンボス加工を施し一体化した。これを巾4cm、長さ36cmになるようにスリットして吸水シートを作成した。同様に作成して、この吸水シート(A)を200本用意した。
また、目付量が19g/mのエステルの不織布を用い、上記の吸水シートが1本入る程度の偏平状の袋を作成し、上記の吸水シートを1本づつ入れた不織布の袋入りの吸水シート(B)を100本作成した。
図1に、本発明における一つの実施態様の吸水性樹脂入りバンドの概念図を示した。図1に示すように、綿織物(通気度は16cm3/cm2・sec)で作成した幅5cm、長さ86cmの袋状のバンド1の中央に長さ38cmの袋部2をミシンで縫製して作成した。その袋部2の中に、上記の吸水シート(B)3を入れ側面および長さ方向中央4をミシンで縫製して、本発明のバンドを作成した。
また、吸水シート(B)に替えて吸水シート(A)を入れて同様に縫製して比較のバンドを作成した。
上記のようなバンドをそれぞれ100本づつ試作した。
上記に作成したバンドを、20℃で3分間水に浸漬して、吸水膨潤させた保冷用バンドを作成した。膨潤した部分の真ん中を二つに折り、膨潤した部分の両方を握って軽く手で押さえて、バンドの長さ方向中央に縫製した縫い目からゲルが漏れているかどうかを肉眼でチエックした。
吸水シート(A)を入れたバンドには10本のバンドにゲル漏れがみられたが、吸水シート(B)で作成したバンドにはゲル漏れがみられなかった。
(実施例2、比較例2)
吸水シート(A)を入れたバンド、吸水シート(B)を入れたバンドを、20℃で3分間水に浸漬して、吸水膨潤させた保冷用バンドを作成した。二つのバンドを、ビルの屋上に直接日光や雨に暴露されるようにして並べて置いた。5日後の状況をチエックした。この間の昼間(11時〜13時)の温度は約30℃を超えており、1時間程度の雨が3回降った。これは高い温度でバンドの水分が乾燥され、3回の雨で含水されたことになる。3回目の雨が止んだ後5時間後にバンドを観察したところ、吸水シート(A)を入れたバンドには表面にヌメリ感があったが、吸水シート(B)を入れたバンドにはヌメリ感がみられなかった。吸水シート(B)を入れたバンドは強い日光が当たっても、不織布により吸水性樹脂の水と光による分解が抑制されていることがわかる。
1 バンド
2 袋部
3 吸水シート
4 長さ方向中央のミシンの縫い目

Claims (5)

  1. 縫製により2区画以上の袋部が形成され、各袋部の中に吸水性樹脂が封入された、袋状の通気性の布帛のバンドであって、該布帛と吸水性樹脂との間に不織布が存在することを特徴とする吸水性樹脂入りバンド。
  2. 前記不織布が合成繊維製であることを特徴とする請求項1記載の吸水性樹脂入りバンド。
  3. 吸水性樹脂の粉末または吸水性樹脂の粉末を含むシートが入った不織布の袋を、通気性の布帛からなるバンドに入れた後、縫製により区画を形成することを特徴とする請求項1または2記載の吸水性樹脂入りバンドの製造法。
  4. 人体の保冷バンドまたは保冷バンダナであることを特徴とする請求項1または2記載の吸水性樹脂入りバンド。
  5. 汗取りバンドであることを特徴とする請求項1または2記載の吸水性樹脂入りバンド。
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