JP2013081458A - 測定試薬の安定化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】芳香族環にアルコキシ基を有する色原体の保存中の自然着色を回避し、該色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上させることにより、誤差のない正確な測定を行うことができる方法を提供する。
【解決手段】酵素的測定試薬において、芳香族環にアルコキシ基を有する色原体とペルオキシダーゼとを互いに共存させないように別々の試薬に含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、酵素的測定試薬を用いた試料中の特定成分の測定における、測定試薬の安定化方法及び色原体の自然着色抑制方法に関するものである。
本発明は、特に、化学、生命科学、分析化学及び臨床検査等の分野において有用なものである。
血液、尿などの生体試料中に含まれる特定成分を測定することは、疾病の診断において大変有用なものであり、臨床検査においては酵素学的測定法が普及し、様々な測定方法が開発されている。このような方法としては、例えば、酸化酵素を用いて、特定成分から直接又は間接的に、酸化性物質である過酸化水素を生成させ、これをペルオキシダーゼ及び被酸化性発色試薬と混合、接触させて発色系に導き、酸化縮合反応により被酸化性発色試薬から生成した色素を光学的に測定することにより生成した過酸化水素の測定を行い、これにより生体試料中に含まれる特定成分を測定する方法を挙げることができる。
例えば、コレステロール、尿酸、及びブドウ糖等の測定に、それぞれコレステロールオキシダーゼ、ウリカーゼ、及びグルコースオキシダーゼ等の酸化酵素を働かせて過酸化水素を生成させ、この生成した過酸化水素をペルオキシダーゼ及び被酸化性発色試薬と混合、接触させて発色系に導き、酸化縮合反応により被酸化性発色試薬から生成した色素を光学的に測定することにより測定し、これより各特定成分を正確に測定することができる。
従来、この方法に用いられる被酸化性発色試薬としては、例えば、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMBZ)、又は3,3’−ジアミノベンジジン(DAB)等の自己発色型発色試薬、若しくはフェノール又はその誘導体あるいはアニリン誘導体等の水素供与体である色原体と、その縮合対象物として、4−アミノアンチピリン等のカップラーとを組み合わせたものが用いられてきた。
また、これらの被酸化性発色試薬のうち、自己発色型発色試薬は、長期保存により発色試薬自身が着色し、試薬ブランクの上昇が生じることが知られている。これに対して、水素供与体(色原体)とカップラーとを組み合わせた被酸化性発色試薬は、水素供与体(色原体)とカップラー(4−アミノアンチピリン等)を別々の試薬に含有させて保存することにより、保存中に色原体とカップラーとの酸化縮合反応が生じることによる発色試薬の着色を避け、試薬ブランクの上昇を抑えられることが知られている。
また、前記の色原体は、生体試料中のビリルビンやアスコルビン酸等の還元性物質の影響を受け易いことも知られている(例えば、非特許文献1参照。)。このため、還元性物質の影響を受け難い色原体として、芳香族環(ベンゼン環)に電子吸引性基であるアルコキシ基を有するアニリン誘導体(例えば、HDAOS等)が広く使用されている(例えば、特許文献1参照。)
ところが、還元性物質の影響を受け難い色原体には、アジ化物等の成分混入により色原体の着色を生じたり(例えば、特許文献2参照。)、保存中に自然着色を生じ易いという問題があった。自然着色の問題については、芳香族環にアルキル基を有するアニリン誘導体を用いて自然着色を回避するという方法が提示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この方法は色原体自体を着色が生じにくい物に変えるというものであって、色原体が保存中に自然着色してしまうという問題の根本的な解決には至っていない。
このように、アニリン誘導体等の色原体には、保存中に自然着色してしまうことにより、測定に用いる波長によっては、反応吸光度に影響を与え、試料中の特定成分を正確に測定できないという問題がある。このため、この問題を解決する方法が望まれていた。
特開平10−165198号公報 特開2000−28533号公報 特開2003−230400号公報
臨床化学 8巻,1号,63〜72頁,1980年
従って、本発明の課題は、芳香族環にアルコキシ基を有する色原体の保存中の自然着色を回避し、該色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上させることにより、誤差のない正確な測定を行うことができる方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題の解決を目指して鋭意検討を行った結果、芳香族環にアルコキシ基を有する色原体の保存中の自然着色が、色原体とペルオキシダーゼが共存する事によって生じる事を見出した。本来、色原体はカップラーとの結合によって、初めて可視部の波長に吸収を持つ色素を形成し発色するものであるが、本発明者による更なる検討の結果、色原体とペルオキシダーゼの共存による色原体自身の着色は、水素受容体との色素形成とは構造も色調も全く異なる物であることが分かった。
通常、この様な色原体の自然着色については、ハイドロサルファイトやN−アセチルシステイン等の還元剤を添加する事で抑制することができる。しかしながら、色原体(水素供与体)とカップラー(水素受容体)との色素形成が酸化反応である為、ここに還元剤を添加すると本来検出すべき酸化反応、即ち色素の形成を阻害してしまうという問題があった。
このため、本発明のように、芳香族環にアルコキシ基を有する色原体の自然着色(自己着色)の原因であるペルオキシダーゼを発色剤と共存させないという手段を講ずる事により、自然着色の問題を解決し、該色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上させ、誤差のない正確な測定を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
(1)色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを含有する酵素的測定試薬であって、前記色原体が、芳香族環の2位、3位、5位又は6位のうち少なくとも1つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体である酵素的測定試薬において、前記色原体とペルオキシダーゼとが互いに共存しないように別々の試薬に含有されていることを特徴とする、酵素的測定試薬の安定化方法。
(2)酵素的測定試薬の安定化が、色原体の自然着色を防止することによるものである、前記(1)記載の酵素的測定試薬の安定化方法。
(3)色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを含有する酵素的測定試薬であって、前記色原体が、芳香族環の2位、3位、5位又は6位のうち少なくとも1つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体である酵素的測定試薬において、前記色原体とペルオキシダーゼとが互いに共存しないように別々の試薬に含有されていることを特徴とする、色原体の自然着色の防止方法。
本発明によれば、色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを含有する酵素的測定試薬であって、前記色原体が、芳香族環の2位、3位、5位又は6位のうち少なくとも1つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体である酵素的測定試薬において、前記色原体とペルオキシダーゼとが互いに共存しないように別々の試薬に含有させることにより、色原体が自然着色するのを防ぐことができるものである。そして、前記色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上させ、誤差のない正確な測定を行うことができるものである。
本発明および対照試薬の保存2日後及び7日後の吸光度を示した図である。 対照試薬から本発明試薬のスペクトルを差引いた差のスペクトルを示した図である。 本発明および対照試薬の保存2日後及び7日後の吸光度を示した図である。 対照試薬から本発明試薬のスペクトルを差引いた差のスペクトルを示した図である。 保存90日後の対照試薬のスペクトルから保存90日後の本発明試薬のスペクトルを差引いた差のスペクトルを示した図である。 保存360日後の対照試薬のスペクトルから保存360日後の本発明試薬のスペクトルを差引いた差のスペクトルを示した図である。 保存90日後の対照試薬のスペクトルから保存90日後の本発明試薬のスペクトルを差引いた差のスペクトルを示した図である。 保存360日後の対照試薬のスペクトルから保存360日後の本発明試薬のスペクトルを差引いた差のスペクトルを示した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔1〕 酵素的測定試薬
(1)被酸化性発色試薬
本発明において用いられる被酸化性発色試薬とは、酸化酵素の作用により生成した過酸化水素を測定することにより特定成分を測定する場合に、ペルオキシダーゼの作用により過酸化水素と酸化縮合させ色素を生成させるための、色原体とカップラーの組み合わせからなる試薬のことをいう。
本発明において色原体とは、芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体であり、酸化縮合の反応時に水素を放出する水素供与体のことをいい、ペルオキシダーゼの作用により酸化され、後記の4−アミノアンチピリン等のカップラーとともに酸化縮合し色素を生成するものをいう。本発明においては、色原体として、芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しており、かつ、カップラーとの酸化縮合反応により色素を生成できるアニリン誘導体であれば、いずれのアニリン誘導体でも使用することができる。
なお、本発明における芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体としては、例えば、下記の一般式(I)(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子又は置換若しくは非置換のアルキル基、R5は、水素原子又はフッ素原子、R3、R4、R6及びR7は、水素原子又は置換若しくは非置換のアルコキシ基であり、R3、R4、R6及びR7のうち少なくとも1つの基は置換若しくは非置換のアルコキシ基を表す)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2013081458
一般式(I)中、R1及びR2が置換若しくは非置換のアルキル基の場合、該アルキル基としては、例えば、直鎖又は分枝状の炭素数が1〜5のアルキル基又は炭素数が1〜5のアミノアルキル基等を挙げることができ、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
また、R3、R4、R6及びR7のアルコキシ基としては、例えば、直鎖又は分枝状の炭素数が1〜5のアルコキシ基を挙げることができ、より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
なお、置換アルキル基及び置換アルコキシル基における置換基としては、例えば、置換数1〜3の、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、置換若しくは非置換のアミノ基、アミド基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、シリル基等
を挙げることができる。
本発明における、芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体としては、例えば、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、
N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン(HDAPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン(DAPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリン(FDAOS)、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリン(FDAPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン(ADOS)、N−(2−カルボキシエチル)−N−エチル−3,5−ジメトキシアニリン(CEDB)、又はN−(2−カルボキシエチル)−N−エチル−3−メトキシアニリン(CEMO)等を挙げることができる。
また、色原体の濃度は、特に限定されないが、試料と酵素的測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.05〜20mMの範囲にあることが好ましく、0.1〜5mMの範囲にあることが特に好ましい。
カップラーとは、ペルオキシダーゼの作用により酸化され、前記の色原体とともに酸化縮合し色素を生成するものであれば特に限定されず、例えば、4−アミノアンチピリン又はその誘導体、フェニレンジアミン、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)等を挙げることができる。
また、カップラーの濃度は、特に限定されないが、試料と酵素的測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.05〜20mMの範囲にあることが好ましく、0.1〜5mMの範囲が特に好ましい。
(2)酸化酵素
本発明において、酸化酵素とは、生体成分から直接又は間接的に、酸化性物質である過酸化水素を生成させる反応を触媒する物質をいう。
ここで、酸化酵素としては、例えば、コレステロールオキシダーゼ、ウリカーゼ、グルコースオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、又はピルビン酸オキシダーゼ等を挙げることができる。
また、本発明において、酸化酵素の濃度は、特に限定されないが、試料と酵素的測定試薬を混合した後の測定反応液中において、7〜800単位/Lの範囲にあることが好ましい。
(3)ペルオキシダーゼ
本発明において、ペルオキシダーゼとしては、いずれの由来のものも使用でき、例えば、ヒト若しくはウシなどの動物由来のもの、西洋ワサビなどの植物由来のもの、細菌若しくはカビなどの微生物由来のもの等を挙げることができる。
なお、このペルオキシダーゼとしては、微生物等のペルオキシダーゼの遺伝子を大腸菌等の微生物等に組み込む遺伝子組み換え技術により調製したもの、又は遺伝子の改変等により性質を改良した微生物等から調製したペルオキシダーゼ等も含まれる。
また、ペルオキシダーゼの濃度は、特に限定されないが、試料と酵素的測定試薬を混合した後の測定反応液中において、20単位/L以上であることが好ましい。
(4)測定における他の構成成分
本発明においては、前記の成分の他に、測定反応に使用する成分、基質、色素、公知の防腐剤、又は安定化剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
(5)測定時のpH
本発明において、酵素的測定試薬による測定反応液測定時のpH範囲は、使用する酵素等により適宜設定すればよい。
また、前記のpH範囲となるように使用する緩衝液としては、前記のpH範囲に緩衝能がある従来公知の緩衝液を適宜使用することができる。
このような緩衝液として使用できるものとしては、例えば、リン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、グリシルグリシン、MES、Bis−Tris、ADA、ACES、Bis−Trisプロパン、PIPES、MOPSO、MOPS、BES、HEPES、TES、DIPSO、TAPSO、POPSO、HEPPS、HEPPSO、Tricine、Bicine、TAPS、CHES、CAPSO、若しくはCAPS又はこれらの塩等の各緩衝剤を挙げることができる。
〔2〕 酵素的測定試薬の安定化方法
本発明における酵素的測定試薬は、前記した色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを含有する従来より公知の2試薬系以上の複数試薬系のものであり、例えば、生体成分に酸化酵素を作用させて直接又は間接的に過酸化水素を生成させ、得られた過酸化水素を、ペルオキシダーゼ並びに色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬と混合し、生成した発色物を測定する従来公知の酵素的測定試薬のことをいう。
本発明における酵素的測定試薬の安定化方法は、前記色原体とペルオキシダーゼとを互いに共存しないように別々の試薬に含有させることにより実施することができる。
なお、色原体とカップラーとは、試薬保存中に酸化縮合反応が生じないように、別々の試薬に含有させて保存することが望ましい。
これらのことから、本発明における酵素的測定試薬の安定化方法における被酸化性発色試薬とペルオキシダーゼ、酸化酵素の組み合わせとしては、例えば、次のものを挙げることができる。
(1)第1試薬:色原体
第2試薬:ペルオキシダーゼ、酸化酵素、4−アミノアンチピリン
(2)第1試薬:色原体、酸化酵素
第2試薬:ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン
(3)第1試薬:ペルオキシダーゼ、酸化酵素、4−アミノアンチピリン
第2試薬:色原体
(4)第1試薬:ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン
第2試薬:色原体、酸化酵素
(5)第1試薬:色原体
第2試薬:ペルオキシダーゼ、酸化酵素
第3試薬:4−アミノアンチピリン
(6)第1試薬:色原体、酸化酵素
第2試薬:ペルオキシダーゼ
第3試薬:4−アミノアンチピリン
(7)第1試薬:色原体
第2試薬:4−アミノアンチピリン、酸化酵素
第3試薬:ペルオキシダーゼ
本発明においては、前記したように、色原体とペルオキシダーゼとが互いに共存しないように別々の試薬に含有させることにより、色原体が自然着色するのを防ぐことができるものであり、そして、前記色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上させ、誤差のない正確な測定を行うことができる。
〔3〕 色原体の自然着色の防止方法
本発明における、色原体の自然着色を防止する方法は、色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを含有する酵素的測定試薬であって、前記色原体が、芳香族環の2位、3位、5位又は6位のうち少なくとも1つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体である酵素的測定試薬において、前記色原体とペルオキシダーゼとが互いに共存しないように別々の試薬に含有させることによるものである。
この前記色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬において、前記色原体とペルオキシダーゼとを互いに共存させないように別々の試薬に含有させることにより、色原体の自然着色を防止して発色試薬の保存安定性を向上させ、誤差のない正確な測定を行うことができる。
また、本発明における色原体の自然着色を防止する方法を実施する際の試薬の構成成分等は、前記した通りである。
以下、実施例により本発明をより具体的に詳述するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
(本発明による試薬保存中における色原体の着色抑制効果の確認−1)
芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)を含有する尿酸測定試薬を調製し、これをペルオキシダーゼを共存させた試薬(対照試薬)、及びペルオキシダーゼを共存させない試薬(本発明試薬)とに分け、保存中の試薬着色について比較を行った。
1.酵素的測定試薬の調製
(1)本発明・尿酸測定用第1試薬の調製
表1に記載の7種類の色原体をそれぞれ1.0mMと、下記の測定試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを8.0(20℃)に調整して、7種類の本発明・尿酸測定用第1試薬をそれぞれ調製した。
グッド緩衝液 10mM
トライトンX−100 5.0g/L
ゲンタマイシン硫酸塩 10mg/L
(2)対照・尿酸測定用第1試薬の調製
1000単位/Lのペルオキシダーゼを含有させること以外は組成が上記(1)の本発明・第1試薬と同じである、ペルオキシダーゼを含有する対照・尿酸測定用第1試薬を調製した。
(3)尿酸測定用第2試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを6.5(20℃)に調整し、尿酸測定用第2試薬を調製した。
グッド緩衝液 100mM
4−アミノアンチピリン 1.97mM
ウリカーゼ 800単位/L
ペルオキシダーゼ 1000単位/L
ゲンタマイシン硫酸塩 10mg/L
2.安定性検討のための試薬の保存
上記1の(1)で調製した7種類の本発明・尿酸測定用第1試薬及び上記1の(2)で調製した7種類の対照・尿酸測定用第1試薬をそれぞれ密栓し、37℃にて7日間保存した。
3.保存した試薬の安定性の確認
保存開始時及び、保存2日後、並びに7日後に、7種類の本発明及び対照尿酸測定用第1試薬の各々が着色しているか否かを各試薬の吸光度測定により確認した。
各試薬の吸光度測定は、日立製作所製7180型自動分析装置を用いて行った。精製水3.3μLに各第1試薬200μLずつを加え、37℃・5分後の546nmにおける吸光度を測定した。
4.測定結果
上記3の測定結果を表1及び図1に示した。
なお、表1のカッコ内の数値は、本発明及び対照尿酸測定用第1試薬の保存2日後及び7日後の吸光度からそれぞれ、保存開始時の吸光度を差し引いた値である。すなわち、本発明及び対照尿酸測定用第1試薬の保存2日後及び7日後における、保存開始時に対する546nmの吸光度上昇(色原体着色)の値を示したものである。
Figure 2013081458
表1及び図1から明らかなように、対照の尿酸測定用第1試薬では、保存2日後で既に吸光度の上昇、すなわち色原体の着色が見られており、保存7日後では更に吸光度が上昇していることが分かる。これに対して、本発明の尿酸測定用第1試薬では、保存2日後及び7日後においても、ほとんど吸光度の上昇が見られていないことが分かる。
これらの結果から、芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)をペルオキシダーゼと共存しないように別々の試薬に含有させることによって、試薬保存中に色原体が自然着色するのを抑えることができ、前記色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上できることが確かめられた。
〔実施例2〕
(本発明による試薬保存中における色原体の着色抑制効果の確認−2)
芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)を含有する尿酸測定試薬を調製し、これをペルオキシダーゼを共存させた試薬(対照試薬)、及びペルオキシダーゼを共存させない試薬(本発明試薬)とに分け、保存中の試薬着色について比較を行った。
1.酵素的測定試薬の調製
(1)本発明・尿酸測定用第1試薬の調製
実施例1の1の(1)の本発明・尿酸測定用第1試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
(2)対照・尿酸測定用第1試薬の調製
実施例1の1の(2)の対照・尿酸測定用第1試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
(3)尿酸測定用第2試薬の調製
実施例1の1の(3)の尿酸測定用第2試薬と同様にして、第2試薬を調製した。
2.安定性検討のための試薬の保存
上記1の(1)で調製した7種類の本発明・尿酸測定用第1試薬及び上記1の(2)で調製した7種類の対照・尿酸測定用第1試薬をそれぞれ密栓し、37℃にて30日間保存した。
3.保存した試薬の安定性の確認
保存30日後に、7種類の本発明及び対照尿酸測定用第1試薬の吸光度、及び紫外・可視部吸収スペクトルの測定を行った。
各試薬の吸光度測定は、日本分光製V−650分光光度計を用いて行い、350〜800nmの吸光度を測定することにより行った。
4.測定結果
上記3の測定結果を表2〜4及び図2に示した。
Figure 2013081458
Figure 2013081458
Figure 2013081458
表2〜4から明らかなように、対照の尿酸測定用第1試薬では、保存30日後の吸光度がどの波長においても上昇、すなわち色原体の着色が生じていることが分かる。これに対して、本発明の尿酸測定用第1試薬では、保存30日後においても、ほとんど吸光度の上昇が見られていないことが分かる。特に酵素的測定試薬における発色試薬の検出波長として一般に用いられている400〜600nmにおける吸光度上昇、即ち着色が生じていないことが分かる。
また、図2から明らかなように、対照の尿酸測定用第1試薬では本発明試薬の吸収スペクトル差引き後のスペクトルにおいて、可視部の吸収が増大、すなわち色原体の着色が生じていることが分かる。
これらの結果から、芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)をペルオキシダーゼと共存しないように別々の試薬に含有させることによって、試薬保存中に色原体が自然着色するのを抑えることができ、前記色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上できることが確かめられた。
〔実施例3〕
(本発明による試薬保存中における色原体の着色抑制効果の確認−3)
芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)を含有する総コレステロール測定試薬を調製し、これをペルオキシダーゼを共存させた試薬(対照試薬)、及びペルオキシダーゼを共存させない試薬(本発明試薬)とに分けた。これらの試薬を37℃で保存し、保存中の試薬着色について比較を行った。
1.酵素的測定試薬の調製
(1)総コレステロール測定用第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを6.9(20℃)に調整し、総コレステロール測定用第1試薬を調製した。
グッド緩衝剤 40mM
4−アミノアンチピリン 0.44mM
エマルゲン1108(花王) 5g/L
コレステロールエステラーゼ 200単位/L
ペルオキシダーゼ 1000単位/L
ケーソンCG 130mg/L
(2)本発明・総コレステロール測定用第2試薬の調製
表2に記載の7種類の色原体をそれぞれ1.0mMと、下記の測定試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを8.5(20℃)に調整して、7種類の本発明・総コレステロール測定用第2試薬をそれぞれ調製した。
グッド緩衝液 20mM
エマルゲン1108(花王) 5g/L
コレステロールオキシダーゼ 330単位/L
ケーソンCG 130mg/L
(3)対照・総コレステロール測定用第2試薬の調製
1600単位/Lのペルオキシダーゼを含有させること以外は組成が上記(2)の本発明・第2試薬と同じである、ペルオキシダーゼを含有する対照・総コレステロール測定用第2試薬を調製した。
2.安定性検討のための試薬の保存
上記1の(2)で調製した7種類の本発明・総コレステロール測定用第2試薬及び上記1の(3)で調製した7種類の対照・総コレステロール測定用第2試薬をそれぞれ密栓し、37℃にて30日間保存した。
3.保存した試薬の安定性の確認
保存開始時及び、保存2日後、並びに7日後に、7種類の本発明及び対照総コレステロール測定用第2試薬の各々が着色しているか否かを各試薬の吸光度測定により確認した。
各試薬の吸光度測定は、日立製作所製7180型自動分析装置を用いて行った。精製水3.3μLに各第2試薬200μLずつを加え、37℃・5分後の546nmにおける吸光度を測定した。
4.測定結果
上記3の測定結果を表5及び図3に示した。
なお、表5のカッコ内の数値は、本発明及び対照総コレステロール測定用第2試薬の保存2日後及び7日後の吸光度からそれぞれ、保存開始時の吸光度を差し引いた値である。すなわち、本発明及び対照総コレステロール測定用第2試薬の保存2日後及び7日後における、保存開始時に対する546nmの吸光度上昇(色原体着色)の値を示したものである。
Figure 2013081458
表5及び図3から明らかなように、対照の総コレステロール測定用第2試薬では、保存2日後で既に吸光度の上昇、すなわち色原体の着色が見られており、保存7日後では更に吸光度が上昇していることが分かる。これに対して、本発明の総コレステロール測定用第2試薬では、保存2日後及び7日後においても、ほとんど吸光度の上昇が見られていないことが分かる。
表5及び図3から明らかなように、本発明の総コレステロール測定用第2試薬では、保存2日後、7日後の吸光度上昇が対照の総コレステロール測定用第2試薬に比べ著しく低いことが分かる。従って、吸光度上昇、即ち着色が見られないことが分かる。
これらの結果から、芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)をペルオキシダーゼと共存しないように別々の試薬に含有させることによって、試薬保存中に色原体が自然着色するのを抑えることができ、前記色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上できることが確かめられた。
〔実施例4〕
(本発明による試薬保存中における色原体の着色抑制効果の確認−4)
芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)を含有する総コレステロール測定試薬を調製し、これをペルオキシダーゼを共存させた試薬(対照試薬)、及びペルオキシダーゼを共存させない試薬(本発明試薬)とに分け、保存中の試薬着色について比較を行った。
1.酵素的測定試薬の調製
(1)総コレステロール測定用第1試薬の調製
実施例3の1の(1)の総コレステロール測定用第1試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
(2)本発明・総コレステロール測定用第2試薬の調製
実施例3の1の(2)の本発明・総コレステロール測定用第2試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
(3)対照・総コレステロール測定用第2試薬の調製
実施例3の1の(3)の本発明・総コレステロール測定用第2試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
2.安定性検討のための試薬の保存
上記1の(2)で調製した7種類の本発明・総コレステロール測定用第2試薬及び上記1の(3)で調製した7種類の対照・総コレステロール測定用第2試薬をそれぞれ密栓し、37℃にて30日間保存した。
3.保存した試薬の安定性の確認
保存30日後に、7種類の本発明及び対照総コレステロール測定用第2試薬の吸光度、及び紫外・可視部吸収スペクトルの測定を行った。
各試薬の吸光度測定は、日本分光製V−650分光光度計を用いて行い、350〜800nmの吸光度を測定することにより行った。
4.測定結果
上記3の測定結果を表6〜8及び図4に示した。
Figure 2013081458
Figure 2013081458
Figure 2013081458
表6〜8から明らかなように、対照の総コレステロール測定用第2試薬では、保存30日後の吸光度がどの波長においても上昇、すなわち色原体の着色が生じていることが分かる。これに対して、本発明の総コレステロール測定用第2試薬では、保存30日後においても、ほとんど吸光度の上昇が見られていないことが分かる。特に酵素的測定試薬における発色試薬の検出波長として一般に用いられている400〜600nmにおける吸光度上昇、即ち着色が生じていないことが分かる。
また、図4から明らかなように、対照の総コレステロール測定用第2試薬では本発明試薬の吸収スペクトル差引き後のスペクトルにおいて、可視部の吸収が増大、すなわち色原体の着色が生じていることが分かる。
これらの結果から、芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)をペルオキシダーゼと共存しないように別々の試薬に含有させることによって、試薬保存中に色原体が自然着色するのを抑えることができ、前記色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上できることが確かめられた。
〔実施例5〕
(本発明による試薬保存中における色原体の着色抑制効果の確認−5)
芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)を含有する尿酸測定試薬を調製し、これをペルオキシダーゼを共存させた試薬(対照試薬)、及びペルオキシダーゼを共存させない試薬(本発明試薬)とに分け、保存中の試薬着色について比較を行った。
1.酵素的測定試薬の調製
(1)本発明・尿酸測定用第1試薬の調製
実施例1の1の(1)の本発明・尿酸測定用第1試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
(2)対照・尿酸測定用第1試薬の調製
実施例1の1の(2)の対照・尿酸測定用第1試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
(3)尿酸測定用第2試薬の調製
実施例1の1の(3)の尿酸測定用第2試薬と同様にして、第2試薬を調製した。
2.安定性検討のための試薬の保存
上記1の(1)で調製した7種類の本発明・尿酸測定用第1試薬及び上記1の(2)で調製した7種類の対照・尿酸測定用第1試薬をそれぞれ密栓し、5℃にて保存した。
3.保存した試薬の安定性の確認
保存90日後及び360日後に、7種類の本発明及び対照尿酸測定用第1試薬の各々が着色しているか否かを各試薬の吸光度測定により確認した。
各試薬の吸光度測定は、東芝メディカルシステムズ製TBA−120FR自動分析装置を用いて行った。精製水3.3μLに各第1試薬160μLずつを加え、37℃5分後の340nm、380nm、404nm、416nm、450nm、476nm、500nm、524nm、548nm、572nm、604nm、628nm、660nm、700nm、748nm、804nmにおける吸光度を測定した。
4.測定結果
上記3の測定結果を表9〜11、図5及び図6に示した。
Figure 2013081458
Figure 2013081458
Figure 2013081458
表9〜11から明らかなように、対照の尿酸測定用第1試薬では、保存90日後及び360日後の吸光度がどの波長においても上昇、すなわち色原体の着色が生じていることが分かる。これに対して、本発明の尿酸測定用第1試薬では、保存90日後及び360日後においても、ほとんど吸光度の上昇が見られていないことが分かる。特に酵素的測定試薬における発色試薬の検出波長として一般に用いられている400〜600nmにおける吸光度上昇、即ち着色が生じていないことが分かる。
また、図5及び図6から明らかなように、対照の尿酸測定用第1試薬では本発明試薬の吸収スペクトル差引き後のスペクトルにおいて、可視部の吸収が増大、すなわち色原体の着色が生じていることが分かる。
これらの結果から、芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)をペルオキシダーゼと共存しないように別々の試薬に含有させることによって、試薬保存中に色原体が自然着色するのを抑えることができ、前記色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上できることが確かめられた。
〔実施例6〕
(本発明による試薬保存中における色原体の着色抑制効果の確認−6)
芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)を含有する総コレステロール測定試薬を調製し、これをペルオキシダーゼを共存させた試薬(対照試薬)、及びペルオキシダーゼを共存させない試薬(本発明試薬)とに分け、保存中の試薬着色について比較を行った。
1.酵素的測定試薬の調製
(1)総コレステロール測定用第1試薬の調製
実施例3の1の(1)の総コレステロール測定用第1試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
(2)本発明・総コレステロール測定用第2試薬の調製
実施例3の1の(2)の本発明・総コレステロール測定用第2試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
(3)対照・総コレステロール測定用第2試薬の調製
実施例3の1の(3)の本発明・総コレステロール測定用第2試薬と同様にして、第1試薬を調製した。
2.安定性検討のための試薬の保存
上記1の(2)で調製した7種類の本発明・総コレステロール測定用第2試薬及び上記1の(3)で調製した7種類の対照・総コレステロール測定用第2試薬をそれぞれ密栓し、5℃にて保存した。
3.保存した試薬の安定性の確認
保存90日後及び360日後に、7種類の本発明及び対照総コレステロール測定用第2試薬の各々が着色しているか否かを各試薬の吸光度測定により確認した。
各試薬の吸光度測定は、東芝メディカルシステムズ製TBA−120FR自動分析装置を用いて行った。精製水3.3μLに各第1試薬160μLずつを加え、37℃5分後の340nm、380nm、404nm、416nm、450nm、476nm、500nm、524nm、548nm、572nm、604nm、628nm、660nm、700nm、748nm、804nmにおける吸光度を測定した。
4.測定結果
上記3の測定結果を表12〜14、図7及び図8に示した。
Figure 2013081458
Figure 2013081458
Figure 2013081458
表12〜14から明らかなように、対照の総コレステロール測定用第2試薬では、保存90日後及び360日後の吸光度がどの波長においても上昇、すなわち色原体の着色が生じていることが分かる。これに対して、本発明の総コレステロール測定用第2試薬では、保存90日後及び360日後においても、ほとんど吸光度の上昇が見られていないことが分かる。特に酵素的測定試薬における発色試薬の検出波長として一般に用いられている400〜600nmにおける吸光度上昇、即ち着色が生じていないことが分かる。
また、図7及び図8から明らかなように、対照の総コレステロール測定用第2試薬では本発明試薬の吸収スペクトル差引き後のスペクトルにおいて、可視部の吸収が増大、すなわち色原体の着色が生じていることが分かる。
これらの結果から、芳香族環の2位、3位、5位又は6位の少なくとも一つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体(色原体)をペルオキシダーゼと共存しないように別々の試薬に含有させることによって、試薬保存中に色原体が自然着色するのを抑えることができ、前記色原体を発色試薬として用いる酵素的測定試薬の保存安定性を向上できることが確かめられた。

Claims (3)

  1. 色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを含有する酵素的測定試薬であって、前記色原体が、芳香族環の2位、3位、5位又は6位のうち少なくとも1つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体である酵素的測定試薬において、前記色原体とペルオキシダーゼとが互いに共存しないように別々の試薬に含有されていることを特徴とする、酵素的測定試薬の安定化方法。
  2. 酵素的測定試薬の安定化が、色原体の自然着色を防止することによるものである、請求項1記載の酵素的測定試薬の安定化方法。
  3. 色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを含有する酵素的測定試薬であって、前記色原体が、芳香族環の2位、3位、5位又は6位のうち少なくとも1つにアルコキシ基が結合しているアニリン誘導体である酵素的測定試薬において、前記色原体とペルオキシダーゼとが互いに共存しないように別々の試薬に含有されていることを特徴とする、色原体の自然着色の防止方法。
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