JP2000236897A - 酵素阻害物質の測定方法及び測定試薬 - Google Patents

酵素阻害物質の測定方法及び測定試薬

Info

Publication number
JP2000236897A
JP2000236897A JP11084499A JP8449999A JP2000236897A JP 2000236897 A JP2000236897 A JP 2000236897A JP 11084499 A JP11084499 A JP 11084499A JP 8449999 A JP8449999 A JP 8449999A JP 2000236897 A JP2000236897 A JP 2000236897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalase
enzyme
reagent
hydrogen peroxide
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11084499A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozo Nomoto
昭三 野本
Tomohiro Saito
知弘 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shino Test Corp
Original Assignee
Shino Test Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shino Test Corp filed Critical Shino Test Corp
Priority to JP11084499A priority Critical patent/JP2000236897A/ja
Publication of JP2000236897A publication Critical patent/JP2000236897A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】試料中のカタラーゼ様酵素阻害物質を簡便、迅
速かつ正確に測定することができる、測定方法及び測定
試薬を提供する。 【構成】(a)カタラーゼ様酵素と試料中のカタラーゼ
様酵素の阻害物質とを接触させる工程;(b)過酸化水
素とカタラーゼ様酵素を反応させる工程;及び(c)過
酸化水素を光学的に測定する工程;を含む、試料中のカ
タラーゼ様酵素の阻害物質測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中のカタラー
ゼ様酵素の阻害物質を測定するための測定方法及び測定
試薬である。本発明は、特に、化学、生命科学、食品、
環境科学及び臨床検査等の分野において有用なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カタラーゼ様酵素の阻害物質の代表的な
ものとしては、アジ化ナトリウム等のアジ化物が知られ
ている。このアジ化ナトリウムは、抗菌剤や防腐剤とし
て広く使用されている物質である。また、最近では自動
車のエアバッグのガス発生剤としても利用されている
等、身近な物質として知られている。しかし、このアジ
化ナトリウムは、有害な物質であるので、環境中のアジ
化ナトリウムを正確に測定する必要がある。
【0003】従来より、アジ化物の測定方法としては、
スペクトル分析、フローインジェクション法、イオンク
ロマトグラフィー法、高速クロマトグラフィー法等が知
られているが、これらの測定方法はいずれも操作が煩雑
であって、測定の再現性が悪い等の問題点を有してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術における問題点に鑑み、試料中のカタラーゼ様酵素
の阻害物質を簡便、迅速かつ正確に測定することができ
る測定方法及び測定試薬の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、鋭意検討を行った結果、(a)カタ
ラーゼ様酵素と試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質と
を接触させる工程;(b)過酸化水素とカタラーゼ様酵
素を反応させる工程;及び(c)過酸化水素を光学的に
測定する工程により、試料中のカタラーゼ様酵素の阻害
物質を簡便かつ正確に測定できることを確認して、本発
明を完成するに至った。
【0006】従って、本発明は、(a)カタラーゼ様酵
素と試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質とを接触させ
る工程;(b)過酸化水素とカタラーゼ様酵素を反応さ
せる工程;及び(c)過酸化水素を光学的に測定する工
程;を含む、試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定
方法である。
【0007】また、本発明の測定方法においては、カタ
ラーゼ様酵素の阻害物質がアジ化物であることが好適で
ある。
【0008】更に、本発明の測定方法においては、過酸
化水素が生成させたものであることが好適である。
【0009】また、本発明は、カタラーゼ様酵素、過酸
化水素を光学的測定に導く物質、及び過酸化水素又は過
酸化水素を生成させる物質を含む、試料中のカタラーゼ
様酵素の阻害物質測定試薬である。
【0010】そして、本発明の測定試薬においては、カ
タラーゼ様酵素の阻害物質がアジ化物であることが好適
である。
【0011】
【発明の実施の形態】〔1〕 カタラーゼ様酵素の阻害
物質測定方法 (1)カタラーゼ様酵素 本発明における、カタラーゼ様酵素とは、カタラーゼ様
活性を有する酵素であり、下記式(1)に示される過酸
化水素の分解反応を触媒するものである。
【0012】
【化1】
【0013】例えば、カタラーゼ、NADペルオキシ
ダーゼ、NADPペルオキシダーゼ、脂肪酸ペルオキ
シダーゼ、シトクロムペルオキシダーゼ、ヨージドペル
オキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、クロリ
ドペルオキシダーゼ等を挙げることができる。
【0014】(2)カタラーゼ様酵素の阻害物質 本発明におけるカタラーゼ様酵素の阻害物質とは、カタ
ラーゼ様酵素の活性を低下又は喪失させる物質をいう。
すなわち、補欠分子族やカタラーゼ様酵素が持っている
金属イオンに結合してその活性を低下又は喪失させる物
質、カタラーゼ様酵素のタンパク質部分に結合してその
活性を低下又は喪失させる物質等のことである。
【0015】例えば、アジ化ナトリウム、アジ化カリウ
ム、アジ化カルシウム、アジ化水素、アジ化リチウム、
アジ化臭素などのアジ化物;シアン化ナトリウム、シア
ン化カリウム、シアン化水素、シアン化カルシウムなど
のシアン化物;フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フ
ッ化水素、フッ化リチウムなどのフッ化化合物;硫化水
素、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等が挙げら
れる。
【0016】本発明においては、前記のカタラーゼ様酵
素の阻害物質が、アジ化ナトリウム、アジ化カリウム、
アジ化カルシウム、アジ化水素、アジ化リチウム、アジ
化臭素等のアジ化物であることが好ましい。
【0017】(3)試料 本発明における試料とは、前記したカタラーゼ様酵素の
阻害物質を含有することが推測され、その試料中のカタ
ラーゼ様酵素の阻害物質の有無の判定、又はカタラーゼ
様酵素の阻害物質の量、濃度の測定を行おうとするもの
のことであり、このようなものであれば特に限定されな
い。
【0018】例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血
漿、尿、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水などの
体液;ヒト若しくは動物の脳、肝臓などの臓器、毛髪、
皮膚、爪、筋肉、又は神経組織などの抽出液;ヒト又は
動物の糞便の抽出液又は懸濁液;細胞の抽出液;植物の
抽出液;穀物、野菜、果物、魚介類、肉類又は加工食品
などの食品、水、茶、コーヒー、牛乳、又は果汁などの
飲料、そして、飲料水、河川水、湖沼水、海水、又は土
壌の懸濁液などの環境分析用試料等が挙げられる。
【0019】(4)カタラーゼ様酵素と試料中のカタラ
ーゼ様酵素の阻害物質とを接触させる工程(第1の工
程) 本発明におけるカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法の
第1の工程においては、カタラーゼ様酵素とカタラーゼ
様酵素の阻害物質の含有が疑われる試料(以下、阻害物
質疑含有試料と略す)とを接触させ、前記の試料中に含
有されるカタラーゼ様酵素の阻害物質を前記のカタラー
ゼ様酵素と反応させる。
【0020】本発明の測定方法において、カタラーゼ様
酵素の濃度は、0.1〜10,000,000単位/L
の範囲にあることが好ましく、1〜5,000,000
単位/Lの範囲が特に好ましい。また、反応時間に関し
ては、カタラーゼ様酵素と試料中のカタラーゼ様酵素阻
害物質が充分に反応できる時間であればよく、20秒〜
30分の範囲にあることが好ましく、30秒〜15分の
範囲が特に好ましい。更に、反応温度に関しては、カタ
ラーゼ様酵素が失活しない程度の温度であればよい。す
なわち、凍結や、高温によりカタラーゼ様酵素のタンパ
ク質が変性しない程度の温度であればよく、10〜50
℃の範囲にあることが好ましく、15〜45℃の範囲が
特に好ましい。
【0021】(5)過酸化水素とカタラーゼ様酵素を反
応させる工程(第2の工程) 本発明におけるカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法の
第2の工程においては、過酸化水素とカタラーゼ様酵素
を反応させ、下記式(2)に示される過酸化水素の分解
反応を行わせる。
【0022】
【化2】
【0023】ここで、カタラーゼ様酵素と反応させる過
酸化水素は、過酸化水素自体を添加したものを用いる
か、又は生成させた過酸化水素を用いればよい。
【0024】また、本発明において過酸化水素をそのま
ま添加することに何ら問題はないが、試薬安定性、過酸
化水素の安全性の見地から判断して、生成させた過酸化
水素を用いることが特に好ましい。この過酸化水素を生
成させる方法としては、例えば、過酸化水素を生成する
酸化酵素等とその酸化酵素等の基質となる物質を組み合
わせて、過酸化水素を生成させる方法等が挙げられる。
この酸化酵素等と酸化酵素等の基質の組み合わせを、表
1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】また、過酸化水素を多段階の反応を用いて
生成させてもよい。この多段階の反応を用いて過酸化水
素を生成させる方法としては、例えば、酸化酵素等の基
質を生成する酵素と該酵素の基質となる物質を組み合わ
せて、酸化酵素等の基質を生成させ、生成した基質と酸
化酵素等を組み合わせることにより、過酸化水素を生成
させる2段階の反応を用いる方法が挙げられる。更に、
この2段階の反応に、酸化酵素等の基質を生成する酵素
の基質となる物質を生成する酵素等を組み合わせて3段
階以上の反応を用いて過酸化水素を生成させてもよい。
この多段階の反応を用いて過酸化水素を生成させる例と
して、2段階及び3段階の反応に用いられる、酸化酵素
の基質を生成する酵素、酸化酵素及び酸化酵素の基質の
組み合わせを、表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】本発明の測定方法において、過酸化水素の
濃度は、0.001〜100mMの範囲にあることが好
ましく、0.01〜10mMの範囲が特に好ましい。ま
た、反応時間に関しては、過酸化水素とカタラーゼ様酵
素が充分に反応できる時間であればよく、30秒〜30
分の範囲にあることが好ましく、1〜15分の範囲が特
に好ましい。更に、反応温度に関しては、カタラーゼ様
酵素が失活しない程度の温度であればよい。すなわち、
凍結や、高温によりカタラーゼ様酵素のタンパク質が変
性しない程度の温度であればよく、10〜50℃の範囲
にあることが好ましく、15〜45℃の範囲が特に好ま
しい。
【0029】(6)過酸化水素を光学的に測定する工程
(第3の工程) 本発明におけるカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法の
第3の工程においては、過酸化水素を光学的に測定す
る。過酸化水素を光学的に測定する方法としては、例え
ば、過酸化水素をペルオキシダーゼ及び発色試薬と混
合、接触させて発色系に導き、酸化縮合反応により発色
試薬から生成した色素の発色の有無、色調の変化、透過
率、又は吸光度などの測定など比色系による測定等を挙
げることができる。また、過酸化水素から酵素反応、又
は他の化学反応等により導いた物質の紫外部の透過率、
又は吸光度などの測定等を行う方法により行ってもよ
い。この酸化縮合反応に用いられる発色試薬としては、
例えば、4−アミノアンチピリン(4−AA)等のカッ
プラーに、フェノール誘導体、又はアニリン誘導体等の
色原体を組み合わせたもの、若しくは自己発色型発色試
薬等を用いることができる。カップラーとしては、例え
ば、4−アミノアンチピリン(4−AA)又はその誘導
体、フェニレンジアミン、3−メチル−2−ベンゾチア
ゾリノンヒドラゾン(MBTH)等が挙げられる。色原
体としては、例えば、フェノール、p−クロロフェノー
ル、2,4−ジクロロフェノール、2,4−ジブロモフ
ェノール、2,4,6−トリクロロフェノールなどのフ
ェノール誘導体又はその塩;若しくは、N−エチル−N
−スルホプロピル−m−アニシジン、N−エチル−N−
スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホプロ
ピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−スルホプロピ
ル−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−ス
ルホプロピル−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル
−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−エチル−
N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−ア
ニシジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−ス
ルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒド
ロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシア
ニリン、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)
−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(2
−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチ
ルアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−
スルホプロピル)−m−トルイジン、N−スルホプロピ
ルアニリンなどのアニリン誘導体又はその塩等が挙げら
れる。自己発色型発色試薬としては、例えば、3,3’
−ジアミノベンジジン、3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸、3,3’,5,5’−テトラメチル
ベンジジン、o−トリジン、o−ジアニシジンなどのロ
イコ型発色試薬等が挙げられる。
【0030】本発明の測定方法において、用いられるペ
ルオキシダーゼは、西洋ワサビ又は微生物由来等のもの
を、20単位/L以上の濃度で用いることが好ましい。
また、発色試薬の使用濃度は、カップラーと色原体とを
組み合わせた発色試薬を用いる場合は、カップラーの濃
度が20μM以上の濃度で、色原体の濃度が25μM以
上の濃度で、適宜組み合わせればよい。自己発色型発色
試薬を用いる場合は、0.3μM以上の濃度で用いるこ
とが好ましい。また、反応時間に関しては、ペルオキシ
ダーゼが充分に反応できる時間であればよく、30秒〜
30分の範囲にあることが好ましく、1〜15分の範囲
が特に好ましい。更に、反応温度に関しては、ペルオキ
シダーゼが失活しない程度の温度であればよい。すなわ
ち、凍結や、高温によりペルオキシダーゼのタンパク質
が変性しない程度の温度であればよく、10〜50℃の
範囲にあることが好ましく、15〜45℃の範囲が特に
好ましい。また、過酸化水素を光学的に測定する方法と
して、NADペルオキシダーゼやNADPペルオキ
シダーゼ等により、NADH又はNADPHを消費さ
せ、残存するNADH又はNADPHの紫外部の吸光度
を測定してもよい。
【0031】カタラーゼ様酵素の阻害物質は、カタラー
ゼの補欠分子族やカタラーゼが持っている金属イオンに
結合したり、カタラーゼ様酵素のタンパク質部分に結合
すること等により、カタラーゼ様酵素の活性を低下又は
喪失させる。すなわち、試料中にカタラーゼ様酵素の阻
害物質が存在していると、これかカタラーゼ様酵素の活
性を低下又は喪失させてしまい、前記第2の工程におけ
る過酸化水素の分解反応が阻害される。
【0032】ここで、カタラーゼ様酵素の活性が低下又
は喪失させられることにより、分解が妨げられた過酸化
水素の量は、試料中のカタラーゼ様酵素阻害物質の濃度
に比例する。すなわち、測定反応液中に残存する過酸化
水素の濃度は、試料中のカタラーゼ様酵素阻害物質の濃
度に比例するので、この過酸化水素の濃度を測定するこ
とにより、試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質の濃度
が決定される。
【0033】(7)作用 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法
は、2試薬系又は3試薬系等の多試薬系で実施してもよ
く、又は1試薬系で実施してもよい。例えば、3試薬系
で実施する場合、試薬成分は3つに分けて構成される。
まず第1試薬にカタラーゼ様酵素の阻害物質疑含有試料
を接触させる。次に、この第1試薬と試料の混合液に第
2試薬を接触させる。これにより、カタラーゼ様酵素の
活性を阻害させ、また過酸化水素とカタラーゼ様酵素を
反応させて、過酸化水素の分解反応を行わせる。更に、
この測定反応液に第3試薬を添加して、過酸化水素にペ
ルオキシダーゼ、カップラー及び色原体が作用して色素
が生成される。ここで、生成した色素は、カタラーゼ様
酵素により分解されずに残存した過酸化水素が、ペルオ
キシダーゼによるカップラーと色原体の酸化縮合反応の
基質として消費された結果によるもので、測定反応液中
に残存する過酸化水素の量に比例して生じる。この色素
を比色系で測定する。
【0034】また、第1試薬に酸化酵素等の過酸化水素
を生成させる物質を添加した場合は、この第1試薬にカ
タラーゼ様酵素の阻害物質疑含有試料を接触させ、この
第1試薬と試料の混合液に酸化酵素等の基質となる物質
を含む第2試薬を接触させると、酸化酵素等とその基質
となる物質からの過酸化水素の生成、カタラーゼ様酵素
の阻害、及び過酸化水素とカタラーゼ様酵素の反応によ
る過酸化水素の分解反応が行われる。更に、この測定反
応液に第3試薬を添加すると、酸化酵素等により生成さ
れた過酸化水素のうち、カタラーゼ様酵素に分解されな
かった過酸化水素にペルオキシダーゼ、カップラー及び
色原体が作用して生ずる発色反応等が行われ、生成した
色素を比色系で測定することができる。また、第1試薬
に酸化酵素等の基質となる物質を添加した場合は、この
第1試薬にカタラーゼ様酵素の阻害物質疑含有試料を接
触させ、この第1試薬と試料の混合液に酸化酵素等の過
酸化水素を発生させる物質を含む第2試薬を接触させる
と、酸化酵素等とその基質となる物質からの過酸化水素
の生成、カタラーゼ様酵素の阻害、及び過酸化水素とカ
タラーゼ様酵素の反応による過酸化水素の分解反応が行
われる。更に、この測定反応液に第3試薬を添加する
と、酸化酵素等により生成された過酸化水素のうち、カ
タラーゼ様酵素に分解されなかった過酸化水素にペルオ
キシダーゼ、カップラー及び色原体が作用して生ずる発
色反応等が行われ、生成した色素を比色系で測定するこ
とができる。この3試薬系における試薬成分の構成例
を、表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】また、2試薬系で実施する場合、試薬成分
は2つに分けて構成される。まず第1試薬にカタラーゼ
様酵素の阻害物質疑含有試料を接触させる。次に、この
第1試薬と試料の混合液に第2試薬を接触させる。これ
により、カタラーゼ様酵素の活性を阻害させ、また過酸
化水素とカタラーゼ様酵素を反応させて、過酸化水素の
分解反応を行わせる。そして、反応液中のカタラーゼ様
酵素により分解されなかった過酸化水素にペルオキシダ
ーゼ、カップラー及び色原体が作用して生成する色素を
比色系で測定する。
【0037】ここで、第1試薬に酸化酵素等の過酸化水
素を生成させる物質を添加した場合は、この第1試薬に
カタラーゼ様酵素の阻害物質疑含有試料を接触させ、こ
れに酸化酵素等の基質となる物質を含む第2試薬を接触
させると、酸化酵素等とその基質となる物質からの過酸
化水素の生成、カタラーゼ様酵素の阻害、過酸化水素と
カタラーゼ様酵素の反応による過酸化水素の分解反応、
並びに酸化酵素等により生成された過酸化水素のうち、
カタラーゼ様酵素に分解されなかった過酸化水素にペル
オキシダーゼ、カップラー及び色原体が作用して生ずる
発色反応等が行われ、生成した色素を比色系で測定する
ことができる。また、第1試薬に酸化酵素等の基質とな
る物質を添加した場合は、この第1試薬にカタラーゼ様
酵素の阻害物質疑含有試料を接触させ、これに酸化酵素
等の過酸化水素を発生させる物質を含む第2試薬を接触
させると、酸化酵素等とその基質となる物質からの過酸
化水素の生成、カタラーゼ様酵素の阻害、過酸化水素と
カタラーゼ様酵素の反応による過酸化水素の分解反応、
並びに酸化酵素等により生成された過酸化水素のうち、
カタラーゼ様酵素に分解されなかった過酸化水素にペル
オキシダーゼ、カップラー及び色原体が作用して生ずる
発色反応等が行われ、生成した色素を比色系で測定する
ことができる。この2試薬系における試薬成分の構成例
を、表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】更に、これらの測定の手法には、用手法又
は自動分析装置などの装置による方法のいずれをも用い
ることができる。
【0040】(8)カタラーゼ様酵素の阻害物質測定時
のpH 本発明において、カタラーゼ様酵素の阻害物質測定時の
測定反応液のpHは、pH5.0〜10.0の範囲にあ
ることが好ましく、pH5.5〜8.0の範囲が特に好
ましい。
【0041】カタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法が2
試薬系以上である場合には、それらの試薬を測定時の所
定の混合比率で混合した時に、前記の範囲のpHとなる
ように各試薬のpHを定めればよい。
【0042】(9)緩衝剤 緩衝剤は前記のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定時のp
H範囲に緩衝能がある緩衝剤を適宜用いることが好まし
い。
【0043】このような緩衝剤としては、例えば、リン
酸緩衝液、Tris、イミダゾール、グリシルグリシ
ン、MES、Bis−Tris、ADA、ACES、B
is−Trisプロパン、PIPES、MOPSO、M
OPS、BES、HEPES、TES、DIPSO、T
APSO、POPSO、HEPPS、HEPPSO、T
ricine、Bicine、TAPS等を挙げること
ができる。
【0044】(10)その他の成分 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定に用
いる試薬には、更に、安定化剤、活性化剤、防腐剤、ア
スコルビン酸等の干渉物質の影響抑制剤、又は他の試薬
成分等を含有させてもよい。
【0045】(11)安定化剤、活性化剤 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定に用
いる試薬には、安定化剤、活性化剤として補酵素、補欠
分子族、界面活性剤、マグネシウムイオンなどの金属等
を含有させてもよい。また、本発明の試料中のカタラー
ゼ様酵素の阻害物質測定に用いる試薬には、トライトン
X−405(日光ケミカルズ)等の界面活性剤を試薬安
定性向上のために添加してもよい。
【0046】(12)防腐剤 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定に用
いる試薬には、例えば、安息香酸、ヒビテン・グルコネ
ート液(アイ・シー・アイ ファーマ)等の合成抗菌
剤、又はエリスロマイシン等の抗生物質を防腐剤として
添加してもよい。
【0047】(13)測光方法 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法
は、過酸化水素の光学的な測定に用いるペルオキシダー
ゼによる酸化縮合反応等の反応終了後に吸光度を測定す
るエンドポイント法、又は単位時間当たりの吸光度変化
を測定するレート法のいずれにおいても実施することが
できる。
【0048】(14)吸光度の測定波長 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法
において、過酸化水素を光学的に測定する場合の測定波
長としては、例えば、可視部に吸収を有する色素の吸光
度を測定する場合には、生成した色素が吸収を持つ波長
の範囲内のものであればよく、380〜800nmの範
囲である。また、過酸化水素を紫外部に吸収を持つ物質
へ導いて測定する場合には、その物質が吸収を持つ波長
の範囲内のものであればよく、250〜400nmの範
囲であればよい。
【0049】また、生成した色素等が吸収を持たない波
長を副波長として用い、二波長分析により吸光度の測定
を行うこともできる。
【0050】本発明における、試料中のカタラーゼ様酵
素の阻害物質測定方法の一例をより具体的に例示する
と、室温或いは20〜40℃に加温、更に好ましくは2
5〜37℃に加温したカタラーゼ様酵素、色原体、過酸
化水素又は酸化酵素等の過酸化水素を生成させる物質及
び酸化酵素等の基質となる物質を含む試薬と、カタラー
ゼ様酵素の阻害物質を含有すると推測される試料を混合
して、試料添加後20秒〜30分、更に好ましくは30
秒〜15分の間温度一定条件下で加温した後、ペルオキ
シダーゼ及びカップラーを含む試薬を添加する。測定反
応液中の色原体は過酸化水素の存在下、ペルオキシダー
ゼによりカップラーと酸化縮合反応により色素を生成す
る。測定反応液中の過酸化水素はカタラーゼ様酵素によ
り分解されるが、カタラーゼ様酵素の阻害物質の濃度に
応じて本酵素は阻害されるので、測定反応液中の過酸化
水素の残存量はカタラーゼ様酵素の阻害物質濃度と比例
関係にある。従って、酸化縮合反応により生成した色素
等の吸光度からカタラーゼ様酵素の阻害物質の濃度を算
出することができる。
【0051】なお、本来、酵素の活性値は、活性測定方
法により異なるものであり、また、同じ活性測定方法、
同じ酵素であっても、その酵素の由来、あるいは精製度
等により異なるものである。よって、先に記載した各酵
素の濃度範囲を外れる酵素濃度(酵素活性値)であるか
らといって、本発明の効果が得られないというものでは
ない。
【0052】〔2〕 カタラーゼ様酵素の阻害物質測定
試薬 (1)本発明の測定試薬 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定試薬
は、カタラーゼ様酵素、過酸化水素を光学的測定に導く
物質、及び過酸化水素又は過酸化水素を生成させる物質
を含むものである。
【0053】本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害
物質測定試薬においても、前記の測定方法の場合と同様
に、カタラーゼ様酵素の阻害物質としては、特にアジ化
物が好適である。
【0054】なお、本発明の試料中のカタラーゼ様酵素
の阻害物質測定試薬における、カタラーゼ様酵素、カタ
ラーゼ様酵素の阻害物質、試料、カタラーゼ様酵素の阻
害物質測定時のpH、緩衝剤、及びその他の試薬の構成
成分等については、前記「〔1〕カタラーゼ様酵素の阻
害物質測定方法」の項での記載と同様である。
【0055】(1)試薬の構成成分 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定試薬
には、緩衝剤、安定化剤、活性化剤、防腐剤、干渉物質
の影響抑制剤、又は他の試薬成分等を含有させることが
できる。
【0056】(2)試薬の構成 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定試薬
は、2試薬以上に試薬成分を分けて構成してもよいが、
1試薬のものでもよい。
【0057】(3)試薬の形状 本発明の試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定試薬
の形状としては、液状試薬、凍結乾燥製剤、試験片又は
フィルム方式などの担体を用いるもの等、どのような形
状のものであってもよい。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に詳
述するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0059】〔実施例1〕 (本発明のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法及び測
定試薬による試料中のアジ化ナトリウムの測定)本発明
のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法及び測定試薬に
て、アジ化ナトリウムを含有した試料中のアジ化ナトリ
ウムを測定した。
【0060】(1)カタラーゼ阻害物質測定試薬の調製 第1試薬(A)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.8(20℃)に調整した。試薬成分 濃度 グッド緩衝剤 50mM N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン (HDAOS) 0.75mM グリセロールキナーゼ 150単位/L グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ 3,000単位/L アデノシン三リン酸二ナトリウム 0.5mM カタラーゼ 50,000単位/L
【0061】第1試薬(A’)の調製 第1試薬(A)のカタラーゼの濃度を50,000単位
/Lから100,000単位/Lに変えること以外は、
前記の試薬成分及び濃度で第1試薬(A’)の調製を
行った。
【0062】第2試薬(B)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.8(20℃)に調整した。なお、
第2試薬中のアジ化ナトリウムは、カタラーゼの活性を
完全に喪失させ、エンドポイント法でのより正確な測定
を行うために添加した。試薬成分 濃度 グッド緩衝剤 50mM 4−アミノアンチピリン 0.75mM ペルオキシダーゼ 600単位/L アジ化ナトリウム 0.1%
【0063】(2)グリセリン水溶液中のアジ化ナトリ
ウム濃度の測定 検量線作成用アジ化ナトリウム含有試料の調製 アジ化ナトリウムを濃度2%(w/v)になるように精
製水に溶解した。さらにこの水溶液1mLと精製水1m
Lとを混合した。この2倍希釈の操作を繰り返し、水溶
液のアジ化ナトリウム濃度が1%、0.5%、0.25
%、0.125%、0.0625%、0.0313%、
0.0156%、0.00781%、0.00390
%、0.0195%の検量線作成用アジ化ナトリウム含
有試料の調製を行った。
【0064】測定用第1混合液の調製 グリセリン130mgを精製水で50mLにメスアップ
したグリセリン水溶液を調製した。この水溶液を、上記
で調製した2〜0.00195%の各々のアジ化ナト
リウム含有試料と500μLずつ等量混合し、アジ化ナ
トリウム濃度が1%、0.5%、0.25%、0.12
5%、0.0625%、0.0313%、0.0156
%、0.00781%、0.00390%、0.001
95%、0.000975%のアジ化ナトリウム及びグ
リセリンを含有する溶液を調製し、これをアジ化ナトリ
ウム濃度測定用の第1混合液とした。
【0065】アジ化ナトリウム濃度の測定 試料中のアジ化ナトリウム濃度の測定は、以下に示す手
順で日立7150形自動分析装置により行った。前記
(1)の第1試薬(A)または(A’)250μLにア
ジ化ナトリウムを含有する第1混合液3μLを添加し、
37℃で5分間加温した。第1混合液添加5分後に前記
(1)の第2試薬(B)125μLを添加し、これを第
2混合液(測定反応液)とした。この第2混合液の37
℃、5分後の600nmにおける吸光度を測定した。こ
の吸光度からアジ化ナトリウム濃度測定の検量線を作成
し、その結果を図1に示した。
【0066】
【図1】
【0067】これにより、本発明のアジ化ナトリウム濃
度測定方法及び測定試薬は、水溶液中のアジ化ナトリウ
ムを測定出来、また、検量線からアジ化ナトリウム濃度
未知試料中のアジ化ナトリウム濃度を測定する事が可能
であることが確かめられた。
【0068】〔実施例2〕 (本発明のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法及び測
定試薬による試料中のアジ化ナトリウムの測定)本発明
のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法及び測定試薬に
て、アジ化ナトリウムを含有した試料中のアジ化ナトリ
ウムを測定した。
【0069】(1)カタラーゼ阻害物質測定試薬の調製 第1試薬(C)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.9(20℃)に調製した。試薬成分 濃度 グッド緩衝剤 50mM N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン (HDAOS) 0.75mM グルコースオキシダーゼ 20,000単位/L ムタロターゼ 35単位/L カタラーゼ 500,000単位/L
【0070】第1試薬(C’)の調製 第1試薬(C’)のカタラーゼの濃度を500,000
単位/Lから1000,000単位/Lに変えること以
外は、前記の試薬成分及び濃度で第1試薬(C’)の
調製を行った。
【0071】第2試薬(D)の調製 下記の試薬成分をそれそれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.9(20℃)に調製した。なお、
第2試薬中のアジ化ナトリウムは、カタラーゼの活性を
完全に喪失させ、エンドポイント法でのより正確な測定
を行うために添加した。試薬成分 濃度 グッド緩衝剤 50mM 4−アミノアンチピリン 0.75単位/L ペルオキシダーゼ 600単位/L アジ化ナトリウム 0.1%
【0072】(2)グルコース水溶液中のアジ化ナトリ
ウム濃度の測定 検量線作成用アジ化ナトリウム含有試料の調製 アジ化ナトリウムを濃度2%(w/v)になるように精
製水に溶解した。この水溶液を1mLと精製水1mLと
を混合した。この2倍希釈の操作を繰り返し、水溶液の
アジ化ナトリウム濃度が1%、0.5%、0.25%、
0.125%、0.0625%、0.0313%、0.
0156%、0.00781%、0.00390%、
0.00195%の検量線作成用アジ化ナトリウム含有
試料の調製を行った。
【0073】測定用第1混合液の調製 グルコース150mgを精製水で50mLにメスアップ
したグルコース水溶液を調製した。この水溶液を、上記
で調製した2〜0.0195%の各々のアジ化ナトリ
ウム含有試料と500μLずつ等量混合し、アジ化ナト
リウム濃度が1%、0.5%、0.25%、0.125
%、0.0625%、0.0313%、0.0156
%、0.00781%、0.00390%、0.001
95%、0.000975%のアジ化ナトリウム及びグ
ルコースを含有する溶液を調製し、これをアジ化ナトリ
ウム濃度測定用の第1混合液とした。
【0074】グルコース水溶液中のアジ化ナトリウム
濃度の測定 試料中のアジ化ナトリウム濃度の測定は以下に示す手順
で日立7150形自動分析装置により行った。前記
(1)の第1試薬(C)又は(C’)250μLにアジ
化ナトリウムを含有する第1混合液5μLを添加し、3
7℃で5分間加温した。第1混合液添加5分後に前記
(1)の第2試薬(D)125μLを添加し、これを第
2混合液(測定反応液)とした。この第2混合液の37
℃、5分後の600nmにおける吸光度を測定した。こ
の吸光度からアジ化ナトリウム濃度測定の検量線を作製
し、その結果を図2に示した。
【0075】
【図2】
【0076】これにより、本発明のアジ化ナトリウム濃
度測定方法及び測定試薬は、水溶液中のアジ化ナトリウ
ムを測定でき、また、検量線からアジ化ナトリウム濃度
未知試料中のアジ化ナトリウム濃度を測定する事が可能
であることが確かめられた。
【0077】〔実施例3〕 (本発明のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法及び測
定試薬による食品試料中のアジ化ナトリウム濃度の測
定)食品、すなわち飲料中のアジ化ナトリウム濃度の測
定を行った。
【0078】(1)試料 試料の種類 食品試料として下記の5種類の市販飲料を用いた。 試料1:ミネラルウォーター(ペットボトル入り) 試料2:緑茶(市販のティーバックを湯にて抽出し調製
したもの) 試料3:麦茶(缶入り飲料) 試料4:紅茶(市販のティーバックを湯にて抽出し調製
したもの) 試料5:果汁飲料(缶入りオレンジジュース・果汁45
%)
【0079】アジ化ナトリウムの添加 前記の試料1〜試料4については、1%、0.5%及
び0.1%(w/v)の濃度になるように、また試料5
については、1%、及び0.5%(w/v)の濃度とな
るように、アジ化ナトリウムを添加した。
【0080】(2)アジ化ナトリウム濃度の測定 測定用第1混合液の調製 グリセリン130mgを精製水で50mLにメスアップ
したグリセリン水溶液を調製した。この水溶液を、前記
(1)ので調製した、アジ化ナトリウムを含有する試
料と500μLずつ等量混合し、試料1〜試料4につい
ては、アジ化ナトリウム濃度が0.5%、0.25%及
び0.05%のアジ化ナトリウム及びグリセリンを含有
する溶液を、試料5については、アジ化ナトリウム濃度
が0.5%及び0.25%のアジ化ナトリウム及びグリ
セリンを含有する溶液を調製し、これをアジ化ナトリウ
ム濃度測定用の第1混合液とした。
【0081】アジ化ナトリウム濃度の測定 以下の操作は、日立7150形自動分析装置により行っ
た。実施例1の(1)で調製した第1試薬(A)または
(A’)250μLに上記の第1混合液3μLを添加
し、37℃で5分間加温した。第1混合液添加5分後に
実施例1の(1)で調製した第2試薬(B)125μL
を添加し、第2混合液(測定反応液)とした。この第2
混合液の37℃、5分後の600nmにおける吸光度を
測定した。これと平行して実施例1の(2)と同様の操
作を行い、この吸光度からアジ化ナトリウム濃度測定用
の検量線を作成した。
【0082】上記操作により作成した検量線から食品試
料中のアジ化ナトリウム濃度を求めた。その結果を図3
及び表5に示した。
【0083】
【図3】
【0084】
【表5】
【0085】これより、本発明のカタラーゼ様酵素阻害
物質測定方法及び測定試薬は、食品分野等において試料
中のアジ化ナトリウム濃度の測定を行えることが確かめ
られた。
【0086】〔実施例4〕 (本発明のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法及び測
定試薬による食品試料中のアジ化ナトリウム濃度の測
定)食品、すなわち飲料中のアジ化ナトリウム濃度の測
定を行った。
【0087】(1)試料 試料の種類 食品試料として下記の5種類の市販飲料を用いた。 試料1:ミネラルウォーター(ペットボトル入り) 試料2:緑茶(市販のティーバックを湯にて抽出し調製
したもの) 試料3:麦茶(缶入り飲料) 試料4:紅茶(市販のティーバックを湯にて抽出し調製
したもの)
【0088】アジ化ナトリウムの添加 前記の試料1〜試料4につき、1%、0.5%及び
0.1%(w/v)の濃度になるようにアジ化ナトリウ
ムを添加した。
【0089】(2)アジ化ナトリウム濃度の測定 測定用第1混合液の調製 グルコース150mgを精製水で50mLにメスアップ
したグルコース水溶液を調製した。この水溶液を、前記
(1)ので調製した、アジ化ナトリウムを含有する試
料と500μLずつ等量混合し、アジ化ナトリウム濃度
が0.5%、0.25%及び0.05%のアジ化ナトリ
ウム及びグルコースを含有する溶液を調製、これをアジ
化ナトリウム濃度測定用の第1混合液とした。
【0090】アジ化ナトリウム濃度の測定 以下の操作は、日立7150形自動分析装置により行っ
た。実施例2の(1)で調製した第1試薬(C)または
(C’)250μLに上記の第1混合液5μLを添加
し、37℃で5分間加温した。第1混合液添加5分後に
実施例2の(1)で調製した第2試薬(D)125μL
を添加し、第2混合液(測定反応液)とした。この第2
混合液の37℃、5分後の600nmにおける吸光度を
測定した。これと平行して実施例2の(2)と同様の操
作を行い、この吸光度からアジ化ナトリウム濃度測定の
検量線を作成した。
【0091】上記操作により作成した検量線から食品試
料中のアジ化ナトリウム濃度を求めた。その結果を図4
及び表6に示した。
【0092】
【図4】
【0093】
【表6】
【0094】これより、本発明のカタラーゼ様酵素阻害
物質測定方法及び測定試薬は、食品分野等において試料
中のアジ化ナトリウム濃度の測定を行えることが確かめ
られた。
【0095】従って、本発明のカタラーゼ様酵素阻害物
質測定方法及び測定試薬は、化学、生命科学、食品、環
境科学及び臨床検査等の分野において、カタラーゼ様酵
素阻害物質の測定方法及び測定試薬として問題なく用い
ることができることが確かめられた。
【0096】
【発明の効果】本発明の、試料中のカタラーゼ様酵素の
阻害物質測定方法及びカタラーゼ様酵素の阻害物質測定
試薬は、簡便、迅速、かつ正確にカタラーゼ様酵素の阻
害物質を測定することができるという効果を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料中のアジ化ナトリウム濃度測定用の検量線
を示した図である。
【図2】試料中のアジ化ナトリウム濃度測定用の検量線
を示した図である。
【図3】試料中のアジ化ナトリウム濃度の測定結果を示
した図である。
【図4】試料中のアジ化ナトリウム濃度の測定結果を示
した図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カタラーゼ様酵素と試料中のカタ
    ラーゼ様酵素の阻害物質とを接触させる工程; (b)過酸化水素とカタラーゼ様酵素を反応させる工
    程;及び (c)過酸化水素を光学的に測定する工程;を含む、試
    料中のカタラーゼ様酵素の阻害物質測定方法。
  2. 【請求項2】 カタラーゼ様酵素の阻害物質がアジ化物
    である、請求項1に記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 過酸化水素が生成させたものである、請
    求項1又は請求項2に記載の測定方法。
  4. 【請求項4】 カタラーゼ様酵素、過酸化水素を光学的
    測定に導く物質、及び過酸化水素又は過酸化水素を生成
    させる物質を含む、試料中のカタラーゼ様酵素の阻害物
    質測定試薬。
  5. 【請求項5】 カタラーゼ様酵素の阻害物質がアジ化物
    である、請求項4に記載の測定試薬。
JP11084499A 1999-02-19 1999-02-19 酵素阻害物質の測定方法及び測定試薬 Withdrawn JP2000236897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11084499A JP2000236897A (ja) 1999-02-19 1999-02-19 酵素阻害物質の測定方法及び測定試薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11084499A JP2000236897A (ja) 1999-02-19 1999-02-19 酵素阻害物質の測定方法及び測定試薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000236897A true JP2000236897A (ja) 2000-09-05

Family

ID=13832349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11084499A Withdrawn JP2000236897A (ja) 1999-02-19 1999-02-19 酵素阻害物質の測定方法及び測定試薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000236897A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013081458A (ja) * 2011-09-30 2013-05-09 Shino Test Corp 測定試薬の安定化方法
EP3473715A4 (en) * 2016-06-21 2020-01-15 PHC Holdings Corporation CATALASE INHIBITOR AND ANALYTE MEASUREMENT METHOD USING A CATALASE INHIBITOR

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013081458A (ja) * 2011-09-30 2013-05-09 Shino Test Corp 測定試薬の安定化方法
EP3473715A4 (en) * 2016-06-21 2020-01-15 PHC Holdings Corporation CATALASE INHIBITOR AND ANALYTE MEASUREMENT METHOD USING A CATALASE INHIBITOR
US10702503B2 (en) 2016-06-21 2020-07-07 Phc Holdings Corporation Catalase inhibitor and method for measuring analyte using catalase inhibitor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0823943B1 (en) Determination of glycated proteins
JPS6258718B2 (ja)
JP6446875B2 (ja) 生体成分の測定方法および測定用組成物
JP6569193B2 (ja) 生体成分の測定方法および測定用組成物
JP6435605B2 (ja) 生体成分の測定方法および測定用組成物
JPS6324900A (ja) グルコ−ス定量用安定化液体酵素組成物、それを用いる試薬キット及び定量方法
JP6459268B2 (ja) 生体成分の測定方法および測定用組成物
JP6703721B1 (ja) アミノ酸の測定方法、及びそのためのキット
JP5017614B2 (ja) 試料中の測定対象物質の測定方法及び測定試薬、非特異的発色を抑制する方法、並びに非特異的発色抑制剤
JPH04229192A (ja) 安定な水性nadh試薬及びキット
JP4639287B2 (ja) 酵素的測定試薬の安定化方法
JP3797603B2 (ja) 試薬組成物の安定化方法
EP0100217A2 (en) Process for quantitative determination of substrate treated with oxidase
JP2000236897A (ja) 酵素阻害物質の測定方法及び測定試薬
JP5216968B2 (ja) テトラゾリウム化合物を色原体として用いる試料中の測定対象物質の測定方法及び測定試薬、非特異的発色を抑制する方法、並びに非特異的発色抑制剤
JP6585244B1 (ja) γ−アミノ酪酸の測定方法、及びそのためのキット
JPS59140899A (ja) オキシダ−ゼによる基質の新規定量法
JP2994831B2 (ja) コレステロールの定量法および定量用試薬
EP1136564B1 (en) Reagent for glutamic-pyruvic transaminase assay
JP2862817B2 (ja) 液状濃縮酵素試薬
JP4058475B2 (ja) クレアチニン又はクレアチン測定方法及び測定試薬並びにmタンパク影響回避剤
JP2000253898A (ja) 物質または酵素の定量方法および定量試薬
JP4797349B2 (ja) ビタミンb6酵素を用いた試薬の安定化法およびその試薬
JP6047778B2 (ja) 測定対象物質の測定方法及び測定試薬、並びにビリルビンに由来する影響の回避方法
JP4544598B2 (ja) 液状試薬および保存方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060509