JP4058475B2 - クレアチニン又はクレアチン測定方法及び測定試薬並びにmタンパク影響回避剤 - Google Patents

クレアチニン又はクレアチン測定方法及び測定試薬並びにmタンパク影響回避剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定方法及び測定試薬に関する。
本発明は、特に、化学、生命科学、分析化学及び臨床検査等の分野において有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
クレアチンは、腎臓でグリシンとアルギニンからトランスアミジナーゼによって合成されたグアニド酢酸が、肝臓でメチルトランスフェラーゼによって活性メチオニンからメチル基が転移されることにより合成される。このクレアチンは、血中に入り、その98%は骨格筋に、一部は神経に分布し、クレアチンキナーゼの作用によりクレアチンリン酸に合成され、エネルギー源として重要な役割を果たしている。クレアチンは、筋肉内で非酵素的に脱水されクレアチニンとなる。健常成人における体内総クレアチンプール量は100〜120gであり、このうち約1%が毎日合成され、同量が脱水されてクレアチニンとして尿中に排泄される。
また、血清中のクレアチンは、筋ジストロフィー、多発性筋炎、皮膚筋炎、ステロイドミオパチー、運動ニューロン疾患、筋萎縮症、甲状腺機能亢進症等の疾患で高値を示し、甲状腺機能低下症、肝障害等の疾患では低値を示す。
クレアチニンは、クレアチンの脱水物であり、生体内では筋、神経内でクレアチンリン酸から直接生成、又はクレアチンの脱水によって生成され、血中に出現し、腎糸球体から濾過された後、ほとんど尿細管では再吸収されずに尿中に排泄される。その尿中排泄量は、主として筋肉のクレアチン総量に比例し、成人では体重kg当たりほぼ一定で、食事性因子や運動、尿量等にほとんど影響されない。
また、血清中のクレアチニンは、糸球体腎炎、腎不全、鬱血性心不全、末端肥大症、巨人症等の疾患では高値を示し、尿崩症、筋ジストロフィー、多発性筋炎等の疾患では低値を示す。
このように、試料中のクレアチニン及びクレアチンは、腎臓疾患、筋肉疾患等の各種疾患と関係があり、その測定は臨床上重要とされている。
【0003】
この、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定方法としては、従来よりクレアチニンがアルカリ溶液中でピクリン酸と赤褐色の化合物を形成するJaffe反応を利用したアルカリピクリン酸法が用いられてきた。しかしながら、この方法は、非特異反応が多いことや薬剤の影響を受けること等により測定値に誤差を生じるという欠点があったため、この欠点を克服した種々の酵素的測定法が開発されている。
この酵素的測定法としては、例えば、試料中のクレアチニンを測定する場合には、クレアチニンデアミナーゼ又はクレアチニンアミドヒドロラーゼを利用した測定方法が挙げられる。
クレアチニンデアミナーゼを利用した測定方法の場合は、あらかじめ試料中に存在するアンモニアをグルタミン酸脱水素酵素(以下、GLDHと略す)により除去する。次いで、クレアチニンデアミナーゼを添加すると、クレアチニンからアンモニアが発生し、再びGLDHの作用により試料中のクレアチニン量に相当するNADPHの消費が起こる。クレアチニンデアミナーゼを添加した前後の吸光度差をエンドポイント法又はレートアッセイ法により測定する。
【0004】
【化1】
Figure 0004058475
【0005】
また、クレアチニンアミドヒドロラーゼ(クレアチニナーゼ)を利用した測定方法の場合は、まず試料中のクレアチニンをクレアチニンアミドヒドロラーゼ(クレアチニナーゼ)でクレアチンに変換させる。次いで、生じたクレアチンをクレアチンアミジノヒドロラーゼ(クレアチナーゼ)を用いてザルコシンに、このザルコシンを更にザルコシンオキシダーゼによって過酸化水素、ホルムアルデヒド及びグリシンに変換し、この過酸化水素又はホルムアルデヒドのどちらかを酵素的に測定する。過酸化水素を測定する場合はペルオキシダーゼを用いて発色試薬と混合して発色系に導き、生成した過酸化水素を測定するのが一般的である。
【0006】
【化2】
Figure 0004058475
【0007】
また、ホルムアルデヒドを測定する場合はホルムアルデヒド脱水素酵素を用いてギ酸を生成させ、この時に増加するNADHの吸光度を測定する。
【0008】
【化3】
Figure 0004058475
【0009】
また、ザルコシンオキシダーゼの代わりにザルコシンデヒドロケナーゼを用いて、生成する水素イオンを比色測定する方法もある。
また、あらかじめ試料中に存在する内因性のクレアチン及びザルコシンをクレアチンアミジノヒドロラーゼ(クレアチナーゼ)、ザルコシンオキシダーゼ、カタラーゼ又はペルオキシダーゼで分解消去しておき(第1反応)、その後に、クレアチニンアミドヒドロラーゼ(クレアチニナーゼ)を添加し、過酸化水素を生じさせ測定する(第2反応)方法もある。
【0010】
更に、クレアチニンアミドヒドロラーゼ(クレアチニナーゼ)を利用した方法として、従来から血清クレアチンキナーゼの測定に用いられてきた、クレアチンキナーゼ・ピルビン酸キナーゼ・乳酸脱水素酵素法をクレアチニン測定に応用したものがある。この方法の場合は、まず試料中のクレアチニンをクレアチニンアミドヒドロラーゼ(クレアチニナーゼ)でクレアチンに変換する。次いで、生じたクレアチンをクレアチンキナーゼによりクレアチンリン酸とする。この時に試薬中のATPがADPとなる。このADPをピルビン酸キナーゼによりATPとすると、試薬中のホスホエノールピルビン酸はピルビン酸となる。このピルビン酸を乳酸脱水素酵素の作用によりL−乳酸とし、同時に試薬中に添加したNADHは酸化されNADとなる。この時に減少するNADHの吸光度を測定する。
【0011】
【化4】
Figure 0004058475
【0012】
また、クレアチンの測定方法としては、クレアチンを加熱脱水してクレアチニンに変えた後のクレアチニン量と、脱水する前のクレアチニン量をJaffe反応を利用して測定し、両者の差からクレアチン量を得る方法が広く使用されていた。しかし、前記のようにJaffe反応に非特異反応が多いことや薬剤の影響を受けること等の欠点があったため、この欠点を克服した種々の酵素的測定法が開発されている。このクレアチンの酵素的測定法は、前記したクレアチニンの測定原理からクレアチニンアミドヒドロラーゼ(クレアチニナーゼ)を除くことによって行うことができる。
【0013】
これら試料中のクレアチニン又はクレアチンの酵素的測定法のうち、クレアチンアミジノヒドロラーゼを用いて、生じた過酸化水素を発色系に導いて測定する方法は、自動分析装置に対応した実用性の高い方法として臨床検査で広く使用されている。
【0014】
このような、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定方法においては、多発性骨髄腫を代表する形質細胞異常増殖症患者の血清中に出現するMタンパクと呼ばれる単クローン性免疫グロブリンによって測定に誤差を生じ、正確な測定結果が得られないことがあった。
すなわち、このMタンパクには強度の濁りを生成するpH(中性付近)があり、このpHとクレアチニン又はクレアチン測定試薬のpHが一致した場合に、このMタンパクに由来する濁りが生じ、吸光度が増加してしまうため、測定値に誤差が生じ、正確な測定値が得られなくなる。
また、このMタンパクのクレアチニン又はクレアチン測定への影響を防ぐ手段として、測定試薬中の塩濃度を増量することが一般的に行われている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の手段では、Mタンパクの影響は塩を添加することにより回避できるが、添加する塩の種類によっては、試薬中のクレアチンアミジノヒドロラーゼの活性を阻害してしまう場合があることを本発明者らは見出した。すなわち、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩又は硝酸塩が試薬中に存在することにより、クレアチンアミジノヒドロラーゼの活性が阻害されてしまい、正確なクレアチニンの測定が行えないことを見出した。
よって、本発明の課題は、試料中のMタンパクの影響を受けず、かつ試薬中のクレアチンアミジノヒドロラーゼの活性が大きな阻害を受けることなく正確にクレアチニン又はクレアチンを測定できる測定方法及び測定試薬を提供することである。また、更にクレアチニン又はクレアチン測定時の試料中に含まれるMタンパクの影響回避剤を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点の解決を目指して鋭意検討を行った結果、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩の共存下で測定を行うことにより、試料中のMタンパクのクレアチニン又はクレアチン測定値への影響を回避すること、かつクレアチンアミジノヒドロラーゼの活性が大きな阻害を受けないことを見出し、試料中のクレアチニン又はクレアチンを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬並びにMタンパクの影響回避剤を完成するに至った。
【0017】
本発明は、以下の発明を提供する。
(1)クレアチンアミジノヒドロラーゼを用いて試料中のクレアチニン又はクレアチンを測定する測定方法において、硫酸塩、ホウ酸塩又はクエン酸塩の共存下で測定を行うことを特徴とする、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定方法。
【0019】
硫酸塩、ホウ酸塩又はクエン酸塩が、試料中に含まれるMタンパクの影響を回避するために共存させるものである、前記(1)の試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定方法。
【0020】
)クレアチンアミジノヒドロラーゼを含む試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬において、硫酸塩、ホウ酸塩又はクエン酸塩を含有することを特徴とする、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬。
【0022】
硫酸塩、ホウ酸塩又はクエン酸塩が、試料中に含まれるMタンパクの影響を回避するために含有させるものである、前記()の試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬。
【0023】
硫酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩よりなる、クレアチンアミジノヒドロラーゼを用いたクレアチニン又はクレアチン測定時の試料中に含まれるMタンパクの影響回避剤。
)クレアチンアミジノヒドロラーゼを用いて試料中のクレアチニン又はクレアチンを測定する際に、硫酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩よりなるMタンパクの影響回避剤の共存下で測定を行うことを特徴とする、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定時のMタンパクの影響の回避方法。
(7)クレアチンアミジノヒドロラーゼを含む試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬において、硫酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩よりなる、Mタンパクの影響回避剤を含有することを特徴とする、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔1〕試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定方法及び測定試薬
本発明の測定方法及び測定試薬では、クレアチンアミジノヒドロラーゼを用いて生成した過酸化水素を測定することにより、試料中のクレアチニン又はクレアチン値を求めることができる。
【0025】
(1)試料
本発明の測定方法及び測定試薬において、試料とは、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定を行おうとするもののことであり、このようなものであれば特に限定されない。
【0026】
例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、髄液、唾液、汗等の体液;ヒト若しくは動物の腎臓、心臓、肺、脳等の臓器等の抽出液;骨格筋、骨髄、皮膚、又は神経組織等の抽出液;毛髪等の抽出液;ヒト又は動物の糞便の抽出液又は懸濁液;細胞の抽出液等が挙げられる。
【0027】
(2)クレアチンアミジノヒドロラーゼ
本発明においては、クレアチンアミジノヒドロラーゼ(クレアチナーゼ)を用いて試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定を行う。
ここで、クレアチンアミジノヒドロラーゼとは、次の式の反応を触媒する酵素である。このクレアチンアミジノヒドロラーゼとしては、どの様な起源、由来のものでもよく、例えば、アルカリゲネス属、アクチノバチルス属、アースロバクター属、コリネバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ミクロコッカス属、シュードモナス属等の微生物等から採取されたものを挙げることができる。また、これらの遺伝子を大腸菌等の微生物等に組み込む遺伝子組み換え技術により製造したもの、又は遺伝子の改変等により性質を改良したものも含まれる。
本発明は、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩若しくは硝酸塩の塩、又はハロゲンイオン、炭酸イオン、酢酸イオン、コハク酸イオン若しくは硝酸イオンにより、その活性が抑制されるクレアチンアミジノヒドロラーゼにおいて好適である。
【0028】
【化5】
Figure 0004058475
【0029】
また、クレアチンアミジノヒドロラーゼの濃度は、酵素の起源等によって最適濃度は異なるが、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、2,000〜200,000U/Lの範囲にあることが好ましく、20,000〜100,000U/Lの範囲が特に好ましい。
【0030】
(3)ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩
本発明のクレアチン又はクレアチニンの測定方法及び測定試薬においては、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩を共存又は含有させて、試料中のクレアチニンまたはクレアチンの測定を行う。
ここで、ハロゲン化物とは、ハロゲンとそれより陽性な元素又は基との化合物をいい、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等を挙げることができる。ハロゲン化物としては、特に、塩化物を挙げることができる。
フッ化物としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム等を挙げることができる。
また、塩化物としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等を挙げることができる。
また、臭化物としては、例えば、臭化ナトリウム、臭化マグネシウム、臭化リチウム、臭化カリウム、臭化カルシウム等を挙げることができる。
また、ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム等を挙げることができる。
【0031】
また、炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
また、酢酸塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等を挙げることができる。
また、コハク酸としては、例えば、コハク酸ナトリウム、コハク酸マグネシウム、コハク酸リチウム、コハク酸カリウム、コハク酸カルシウム等を挙げることができる。
また、硝酸塩としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸リチウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム等を挙げることができる。
【0032】
上記のハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩とは、ハロゲンイオン、炭酸イオン、酢酸イオン、コハク酸イオン、及び硝酸イオン以外の陰イオンと陽イオンとからなる塩をいう。
ここで、ハロゲンイオン、炭酸イオン、酢酸イオン、コハク酸イオン、及び硝酸イオン以外の陰イオンとしては、例えば、クエン酸イオン、又はグルコン酸イオン等の有機化合物よりなる酸基;あるいは硫酸イオン、亜硫酸イオン、ピロ亜硫酸イオン、亜二チオン酸イオン、チオ亜硫酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、ピロ亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、二リン酸イオン、ホウ酸イオン、シアン酸イオン、イソシアン酸イオン、又はケイ酸イオン等の無機化合物よりなる酸基を挙げることができる。
また、陽イオンとは、正の電荷を有するイオンであれば、特に限定されず、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン等のアルカリ金属イオン;ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、又はカルシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン、又はアルミニウムイオン等のその他の金属イオン;一級のアンモニウムイオン、二級のアンモニウムイオン、三級のアンモニウムイオン、又は四級のアンモニウムイオン等のアンモニウムイオン;あるいは炭素原子、ケイ素原子、ホウ素原子、窒素原子(アンモニウムイオン以外の場合において)、リン原子、若しくは硫黄原子等が正の電荷を帯びている原子、又は原子団等のその他の陽イオン等を挙げることができる。
このハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩の具体的な例としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸リチウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸リチウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム、リン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸カルシウム等を挙げることができる。
【0033】
また、本発明においては、吸光度、透過率等を測定する際にハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩を共存させる必要がある。これは、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩を共存させることにより、試料中にMタンパクが存在したとしても、Mタンパクによる濁りの生成が抑制できるため、吸光度の上昇により測定値に誤差が生じることを抑制できるからである。
また、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩の濃度は、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、10〜300mMの範囲にあることが好ましく、20〜200mMの範囲が特に好ましい。このハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩の濃度は、300mMを超えて含有させても問題はないが、その量までで充分な効果が得られる。
【0034】
また、本発明において、吸光度、透過率等を測定する際にハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩を共存させるためには、測定試薬自体にハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩を含有させてもよいし、又は試料にハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩を含有させてもよい。本発明においては、測定試薬自体にハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩を含有させる方法が好ましい。
更に、本発明の測定方法及び測定試薬において、測定試薬が1試薬よりなる場合は、測定試薬に含有させる上記のハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩の濃度は上記の範囲のものとすればよく、測定試薬が第1試薬及び第2試薬の2試薬よりなる場合には、試料と第1試薬を試料中のクレアチニン又はクレアチンを測定する際の各々の添加量の比で混合した際、及び試料と第1試薬及び第2試薬を試料中のクレアチニン又はクレアチンを測定する際の各々の添加量の比で混合した際に、この混合後の測定反応液中のハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩の濃度が上記の範囲となるように、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩を第1試薬に含有させる必要がある。
また、混合後の測定反応液中のハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩の濃度が上記濃度範囲に入るのであれば、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩は第1試薬と第2試薬の両方に含有させてもよい。
なお、上記の測定方法及び測定試薬において、測定試薬が3試薬以上の試薬から構成される場合も同様である。
【0035】
(4)測定に使用するその他の酵素
本発明においては、前記のクレアチンアミジノヒドロラーゼに、ザルコシンオキシダーゼを共存させて、試料中のクレアチンの測定を行うことができる。また、前記のクレアチンアミジノヒドロラーゼに、クレアチニンアミドヒドロラーゼ、及びザルコシンオキシダーゼを組み合わせて、試料中のクレアチニンを測定することができる。
また、これらの酵素は、どの様な起源、由来のものでもよく、例えば、以下のものを使用することができる。
【0036】
ザルコシンオキシダーゼとしては、例えば、アースロバクター属、アルカリゲネス属、バチルス属、コリネバクテリウム属、ミクロコッカス属、シュードモナス属等の微生物等から採取されたものを挙げることができる。また、これらの遺伝子を大腸菌等の微生物等に組み込む遺伝子組み換え技術により製造したもの、又は遺伝子の改変等により性質を改良したもの等も含まれる。
また、ザルコシンオキシダーゼの濃度は、酵素の起源等によっても最適濃度は異なるが、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、2,000〜40,000U/Lの範囲にあることが好ましく、5,000〜20,000U/Lの範囲が特に好ましい。
【0037】
また、クレアチニンアミドヒドロラーゼとしては、例えば、アースロバクター属、アルカリゲネス属、コリネバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ペニシリウム属、シュードモナス属等の微生物等から採取されたものを挙げることができる。また、これらの遺伝子を大腸菌等の微生物に組み込む遺伝子組み換え技術により製造したもの、又は遺伝子の改変等により性質を改良したもの等も含まれる。
また、クレアチニンアミドヒドロラーゼの濃度は、酵素の起源等によっても最適濃度は異なるが、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、20,000〜400,000U/Lの範囲にあることが好ましく、50,000〜200,000U/Lの範囲が特に好ましい。
【0038】
(5)過酸化水素の測定方法
本発明において、発生した過酸化水素を測定する方法としては、例えば、過酸化水素をペルオキシダーゼ活性を有する酵素及び発色試薬と混合して発色系に導き、酸化縮合反応により発色試薬から生成した色素の吸光度を測定する方法を挙げることができる。
ここで、ペルオキシダーゼ活性を有する酵素としては、ペルオキシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ブロムペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ等を挙げることができる。
また、酸化縮合反応に用いられる発色試薬としては、例えば、4−アミノアンチピリン等のカップラーに、フェノール若しくはフェノール誘導体、又はアニリン誘導体等の色原体を組み合わせたもの、若しくは自己発色型発色試薬等を用いることができる。
カップラーとしては、例えば、4−アミノアンチピリン又はその誘導体、フェニレンジアミン、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン等を挙げることができる。
また、色原体としては、例えば、フェノール;p−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、2,4,6−トリクロロフェノールなどのフェノール誘導体又はその塩;若しくは、N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン、N−エチル−N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリンなどのアニリン誘導体又はその塩等が挙げられる。
自己発色型発色試薬としては、例えば、3,3’−ジアミノベンジジン、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、o−トリジン、o−ジアニシジンなどのロイコ型発色試薬等が挙げられる。
本発明において、用いられるペルオキシダーゼは、西洋ワサビ又は微生物由来等のものを、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、20U/L以上の濃度で用いることが好ましい。
また、発色試薬の使用濃度は、カップラーと色原体とを組み合わせた発色試薬を用いる場合は、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、カップラーの濃度が20μM以上の濃度で、色原体の濃度が25μM以上の濃度で、適宜組み合わせればよい。自己発色型発色試薬を用いる場合は、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.3μM以上の濃度で用いることが好ましい。
また、過酸化水素を測定する方法として、過酸化水素にメタノール及びカタラーゼを作用させ、生成したホルムアルデヒドを化学的又は酵素的に比色測定してもよい。
【0039】
(6)クレアチニン又はクレアチン測定時のpH
本発明の測定方法及び測定試薬においては、測定時のpHが5〜10の範囲が好ましく、pH6.5〜8.5の範囲が特に好ましい。
また、前記のpH範囲となるように用いる緩衝液としては、前記のpH範囲に緩衝能がある従来公知の緩衝液を適宜使用することができる。
このような緩衝液としては、例えば、リン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、イミダゾール、グリシルグリシン、MES、Bis−Tris、ADA、ACES、Bis−Trisプロパン、PIPES、MOPSO、MOPS、BES、HEPES、TES、DIPSO、TAPSO、POPSO、HEPPS、HEPPSO、Tricine、Bicine、TAPS等の各緩衝液を挙げることができる。
【0040】
(7)試薬等の構成成分
本発明の測定方法及び測定試薬においては、前記の成分の他に、必要によりアスコルビン酸オキシダーゼ又はカタラーゼを含有させてもよい。また、公知の防腐剤、安定化剤、及び界面活性剤等を必要に応じて適宜含有させることができる。
【0041】
(8)試薬等の構成、及び構成成分の濃度等
本発明の測定方法及び測定試薬は、1ステップ法(1試薬系)で実施、構成してもよく、又は2ステップ法(2試薬系)等の多ステップ法(多試薬系)で実施、構成してもよい。
また、本発明の測定方法及び測定試薬が1ステップ法(1試薬系)である場合は、前記の構成成分の濃度、及びpH等は前記の範囲のものとすればよく、多ステップ法(多試薬系)である場合には、それらの試薬を試料中のクレアチニン又はクレアチンを測定する際の各々の添加量の比で混合した時に、前記の範囲の構成成分の濃度、及びpH等となるように各試薬の構成成分の濃度、及びpH等を定めればよい。
【0042】
(9)試料中のクレアチン又はクレアチニン測定の一例
次に、本発明のクレアチン又はクレアチニンの測定方法及び測定試薬を用いて試料中のクレアチニン又はクレアチンを測定する場合の一例をより具体的に説明すると、例えば、試料にクレアチニンアミドヒドロラーゼ(クレアチニナーゼ)を添加し、試料中のクレアチニンをクレアチンに変換させる。次いで、生じたクレアチンをクレアチンアミジノヒドロラーゼ(クレアチナーゼ)を用いてザルコシンに、このザルコシンを更にザルコシンオキシダーゼによって過酸化水素、ホルムアルデヒド及びグリシンに変換させる。この過酸化水素をペルオキシダーゼ及び発色試薬と混合して発色系に導き、酸化縮合反応により発色試薬から生成した色素の吸光度を測定することにより、クレアチニンの濃度を算出することができる。
また、試料中のクレアチンを測定する場合には、前記したクレアチニンの測定方法の一例からクレアチニンアミドヒドロラーゼ(クレアチニナーゼ)を除くことにより同様に行うことができる。
また、測定は、レートアッセイ法及びエンドポイント法のいずれの方法でも行うことができる。
【0043】
〔2〕クレアチニン又はクレアチン測定時の試料中に含まれるMタンパクの影響回避剤
本発明におけるクレアチニン又はクレアチン測定時の試料中に含まれるMタンパクの影響回避剤は、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩である。
【0044】
このハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩よりなるMタンパクの影響回避剤を、クレアチンアミジノヒドロラーゼを用いて試料中のクレアチニン又はクレアチンを測定する際に共存させることにより、試料中にMタンパクが含まれる場合であっても、測定値にこのMタンパクによる誤差が生じることを抑制でき、かつクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性が大きく阻害を受けることを防いで精度が高いクレアチニン又はクレアチン測定値を得ることができる。
【0045】
また、このハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩よりなるMタンパクの影響回避剤を、クレアチンアミジノヒドロラーゼを含む試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬に含有させることにより、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定において、試料中にMタンパクが含まれる場合であっても、測定値にこのMタンパクによる誤差が生じることを抑制でき、かつクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性が大きく阻害を受けることを防いで精度が高いクレアチニン又はクレアチン測定値を得ることができる。
【0046】
なお、前記のハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩としては、硫酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩が好適である。
【0047】
本発明のハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩よりなる、クレアチニン又はクレアチン測定時の試料中に含まれるMタンパクの影響回避剤の使用方法等の詳細については、前記の「〔1〕試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定方法及び測定試薬」の項に記載した通りである。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0049】
〔実施例1〕
(Mタンパクによる影響抑制効果の実証)
塩濃度を変化させた試薬を用いて、市販Mタンパクパネル血清を測定し、Mタンパクによる影響抑制の効果を確かめた。
【0050】
(1)試薬の調製
▲1▼本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pH7.4(20℃)に調整し、硫酸ナトリウム濃度が異なる5種類の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬を調製した。
【0051】
硫酸ナトリウム
0mM、5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、50mM
クレアチンアミジノヒドロラーゼ(微生物由来)
40,000U/L
ザルコシンオキシダーゼ(微生物由来) 10,500U/L
カタラーゼ(微生物由来) 200,000U/L
N−(2−カルボキシエチル)−N−エチル−m−
トルイジン塩酸塩 1.5mM
アスコルビン酸オキシダーゼ 4,000U/L
グッド緩衝液 20mM
【0052】
▲2▼対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
前記▲1▼本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の硫酸ナトリウムを下記濃度の塩化ナトリウムに変えること以外は、前記▲1▼の試薬成分及び濃度で対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製を行った。
塩化ナトリウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、100mM
【0053】
▲3▼クレアチニン測定用第2試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pH7.8(20℃)に調整し、クレアチニン測定用第2試薬を調製した。
【0054】
クレアチニンアミドヒドロラーゼ(微生物由来) 400,000U/L
4−アミノアンチピリン 4mM
ペルオキシダーゼ(西洋ワサビ由来) 15,000U/L
グッド緩衝液 20mM
アジ化ナトリウム 0.15%
【0055】
(2)クレアチニン測定時のタイムコース
日立製作所社製7170形自動分析装置にてクレアチニン測定時のタイムコースを確認した。市販Mタンパクパネル血清(THE BINDING SITE社製;ロット番号:K193512)〔クレアチニンは含まれていないか、又は含まれているとしても極く低濃度である〕4μLを試料として、前記(1)の▲1▼で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬210μLに添加して、混和後37℃で5分間反応させた後、前記(1)の▲3▼で調製したクレアチニン測定用第2試薬70μLを添加し、37℃で5分間反応させた。主波長546nm及び副波長700nmにおけるタイムコースの変化をみた。また、第1試薬を前記(1)の▲2▼で調製した対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬に変えて同様の測定を行い、タイムコースの変化をみた。
【0056】
なお、上記の7種類の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬又は同じく7種類の対照・塩酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と、上記のMタンパクパネル血清、クレアチニン測定用第2試薬とを各々上記の添加量で混合した後の各反応液中の硫酸ナトリウム又は塩酸ナトリウムの濃度を表1に示した。
【0057】
【表1】
Figure 0004058475
【0058】
(3)測定結果
本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬及びクレアチニン測定用第2試薬を用いてMタンパクパネル血清を試料として測定した時のタイムコースの変化を図1に、対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬及びクレアチニン測定用第2試薬を用いてMタンパクパネル血清を試料として測定した時のタイムコースを図2に示した。
【0059】
また、図1及び図2において、横軸はタイムコースのポイント数(1ポイント:18秒)を表し、縦軸はクレアチニン測定における吸光度を表す。
【0060】
【図1】
【0061】
【図2】
【0062】
図1及び図2から明らかなように、硫酸ナトリウムも塩化ナトリウムも含有しない場合に比べて、本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定試薬では、硫酸ナトリウムを前記第1試薬に15mM以上含有する場合に、対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定試薬では、塩化ナトリウムを前記第1試薬に40mM以上含有する場合に、それ未満の濃度における吸光度の上昇、すなわち濁りの生成が抑制され、反応タイムコースが改善しているのが明らかである。
このように、クレアチニン測定試薬に含有させる塩濃度を増加させ、一定濃度以上の塩の共存下で測定を行うことにより、Mタンパクの影響を回避できることが分かる。
【0063】
〔実施例2〕
(塩の種類による影響の確認)
塩の種類によるクレアチニンの測定への影響を確かめた。
【0064】
(1)試薬の調製
▲1▼本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムの濃度を50mMとすること以外は、実施例1の(1)で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分、及び濃度で調製を行った。
【0065】
▲2▼本発明・硫酸マグネシウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを硫酸マグネシウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0066】
▲3▼対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを塩化ナトリウムに変えること、及び塩化ナトリウム濃度を100mMとすること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0067】
▲4▼対照・塩化マグネシウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを塩化マグネシウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0068】
▲5▼クレアチニン測定用第2試薬の調製
実施例1の(1)で調製したクレアチニン測定用第2試薬と同じ試薬成分、及び濃度で調製を行った。
【0069】
(2)クレアチニンの測定
日立製作所社製7170形自動分析装置にてクレアチニンの測定を行った。5mg/dLのクレアチニン水溶液4μLを試料とし、これに前記(1)の▲1▼で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬210μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた後、前記(1)の▲5▼で調製した第2試薬70μLを添加し、37℃で5分間反応させた。主波長546nm及び副波長700nmにおけるタイムコースの変化をみた。また、第1試薬を前記(1)の▲2▼〜▲4▼で調製したクレアチニン測定用第1試薬にそれぞれ変えて同様に測定を行い、タイムコースの変化をみた。
【0070】
(3)測定結果
前記本発明及び対照のクレアチニン測定用第1試薬及びクレアチニン測定用第2試薬を用いてクレアチニン水溶液を測定したときのタイムコースの変化を図3に示した。
【0071】
また、図3において、横軸はタイムコースのポイント数(1ポイント:18秒)を表し、縦軸はクレアチニン測定における吸光度を表す。
【0072】
【図3】
【0073】
図3から明らかなように、本発明のクレアチニン測定試薬では、50mMの硫酸ナトリウムを含有させた場合も50mMの硫酸マグネシウムを含有させた場合のいずれも、塩を含有させない場合に比べてタイムコースの上昇がみられている。これに対し、対照のクレアチニン測定試薬では、100mM塩化ナトリウムを含有させた場合及び50mMの塩化マグネシウムを含有させた場合には、タイムコースの遅れがみられているのが明らかである。
【0074】
〔実施例3〕
(試料のクレアチニンの測定)
クレアチニン測定試薬を用いて、試薬中の塩濃度を変化させて試料中のクレアチニンの測定を行った。
【0075】
(1)試薬の調製
▲1▼本発明・クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムの濃度を下記濃度に変えること以外は、実施例1の(1)で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分、及び濃度で調製を行った。
硫酸ナトリウム
0mM、40mM、60mM、80mM、100mM
【0076】
▲2▼対照・クレアチニン測定用第1試薬の調製
前記▲1▼の本発明・クレアチニン測定用第1試薬の硫酸ナトリウムを下記濃度の塩化ナトリウムに変えること以外は、前記▲1▼の試薬成分及び濃度で対照・クレアチニン測定用第1試薬の調製を行った。
塩化ナトリウム
50mM、75mM、100mM、150mM、200mM
【0077】
▲3▼クレアチニン測定用第2試薬の調製
実施例1の(1)で調製したクレアチニン測定用第2試薬と同じ試薬成分、及び濃度で調製を行った。
【0078】
(2)クレアチニンの測定
日立製作所社製7170形自動分析装置にてクレアチニンの測定を行った。5mg/dLのクレアチニン水溶液4μLを試料として前記(1)の▲1▼で調製した本発明・クレアチニン測定用第1試薬210μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた後、前記(1)の▲3▼で調製したクレアチニン測定用第2試薬70μLを添加し、37℃で5分間反応させた。主波長546nm及び副波長700nmにおけるタイムコースの変化をみた。
【0079】
なお、上記の各々5種類の本発明及び対照のクレアチニン測定用第1試薬を、上記のクレアチニン水溶液、クレアチニン測定用第2試薬と各々上記の添加量で混合した後の各反応液中の硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウムの濃度を表2に示した。
【0080】
【表2】
Figure 0004058475
【0081】
(3)測定結果
本発明・クレアチニン測定用第1試薬及びクレアチニン測定用第2試薬を用いてクレアチニン水溶液を測定したときのタイムコースの変化を図4に、対照・クレアチニン測定用第1試薬及びクレアチニン測定用第2試薬を用いてクレアチニン水溶液を測定した時のタイムコースを図5に示した。
【0082】
また、図4及び図5において、横軸はタイムコースのポイント数(1ポイント:18秒)を表し、縦軸はクレアチニン測定における吸光度差を表す。
【0083】
【図4】
【0084】
【図5】
【0085】
図4及び図5から明らかなように、本発明のクレアチニン測定試薬による測定では、塩(硫酸ナトリウム)を添加、含有させない場合(0mM)に比べて、硫酸ナトリウム濃度がいずれの場合もタイムコースの遅れはみられない。これに対し、対照のクレアチニン測定試薬による測定では、塩化ナトリウム濃度が増加するにつれて、タイムコースの遅れがみられているのが明らかである。このように、塩化ナトリウムに代えて硫酸ナトリウムを含有させることにより、タイムコースの遅れが改善されることが分かる。
【0086】
〔比較例1〕
(塩によるクレアチンアミジノヒドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼ活性への影響の確認)
1試薬系のクレアチニン測定試薬を用いて、反応液中に塩を含有させた場合のクレアチンアミジノヒドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼの活性への影響を確認した。
【0087】
(1)試薬の調製
▲1▼本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定試薬の調製
硫酸ナトリウム濃度を50mMに変えること以外は、実施例1の(1)の▲1▼で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分、及び濃度で第1試薬を調製した。また、実施例1の(1)の▲3▼で調製したクレアチニン測定用第2試薬と同じ試薬成分、及び濃度で第2試薬を調製した。この第1試薬と第2試薬を3:1で混合して本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定試薬を調製した。
【0088】
▲2▼本発明・硫酸マグネシウム含有クレアチニン測定試薬の調製
硫酸ナトリウムを硫酸マグネシウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0089】
▲3▼対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定試薬の調製
硫酸ナトリウムを塩化ナトリウムに変えること、及び塩化ナトリウム濃度を100mMとすること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0090】
▲4▼対照・塩化マグネシウム含有クレアチニン測定試薬の調製
硫酸ナトリウムを塩化マグネシウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0091】
(2)クレアチンアミジノヒドロラーゼ及びザルコシンオキシダーゼによる反応のタイムコース確認
日立製作所社製7170形自動分析装置にてクレアチンアミジノヒドロラーゼ及びザルコシンオキシダーゼによる反応のタイムコースを確認した。131mg/dLのクレアチン水溶液4μLを試料として、前記(1)の▲1▼で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定試薬210μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた。主波長546nm及び副波長700nmにおけるタイムコースの変化をみた。また、試薬を前記(1)の▲2▼〜▲4▼で調製したクレアチニン測定用試薬に変えて同様の測定を行い、タイムコースの変化をみた。この時の反応は、次の式(2)、(3)及び(4)で示される。
【0092】
【化6】
Figure 0004058475
【0093】
(3)ザルコシンオキシダーゼによる反応のタイムコース確認
79mg/dLのザルコシン水溶液4μLを試料とすること以外は、前記(2)と同様の操作を行い、ザルコシンオキシダーゼによる反応のタイムコースの変化をみた。この時の反応は、次の式(3)及び(4)で示される。
【0094】
【化7】
Figure 0004058475
【0095】
(4)測定結果
本発明及び対照のクレアチニン測定試薬を用いてクレアチン水溶液を測定した時のクレアチンアミジノヒドロラーゼ及びザルコシンオキシダーゼによる反応のタイムコースの変化を図6に、ザルコシン水溶液を測定した時のザルコシンオキシダーゼによる反応のタイムコースの変化を図7に示した。
【0096】
また、図6において、横軸はタイムコースのポイント数(1ポイント:18秒)を表し、縦軸はクレアチンアミジノヒドロラーゼ及びザルコシンオキシダーゼによる反応における吸光度を表す。
【0097】
【図6】
【0098】
また、図7において、横軸はタイムコースのポイント数(1ポイント:18秒)を表し、縦軸はザルコシンオキシダーゼによる反応における吸光度を表す。
【0099】
【図7】
【0100】
図6から明らかなように、本発明のクレアチニン測定試薬を用いた場合には、クレアチンアミジノヒドロラーゼ及びザルコシンオキシダーゼによる反応のタイムコースは、50mMの硫酸ナトリウムを含有させた場合も50mMの硫酸マグネシウムを含有させた場合のいずれも、塩を含有させない場合に比べてタイムコースの上昇がみられている。これに対し、対照のクレアチニン測定試薬では、100mM塩化ナトリウムを含有させた場合及び50mMの塩化マグネシウムを含有させた場合には、タイムコースの遅れがみられているのが明らかである。
また、図7から明らかなように、本発明のクレアチニン測定試薬を用いた場合には、ザルコシンオキシダーゼによる反応のタイムコースは、いずれの塩を含有させた場合も遅れがみられていないのが明らかである。
これらの結果より、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、すなわち塩化物の塩によるクレアチンアミジノヒドロラーゼ及びザルコシンオキシダーゼによる反応のタイムコースの遅れは、塩化物、塩素イオンによってクレアチンアミジノヒドロラーゼの活性が阻害を受けることにより生じるものであり、ザルコシンオキシダーゼの活性が阻害を受けることによるものではないことが明らかである。
以上のことより、クレアチンアミジノヒドロラーゼは、塩化物、塩素イオンにより阻害を受けることが確かめられた。
【0101】
〔比較例2〕
(塩によるクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性への影響の確認)
クレアチンを基質とし、クレアチンアミジノヒドロラーゼの作用により生成した尿素をDAB(p−ジメチルベンズアルデヒド)と混合して発色系に導き、酸化縮合反応により生成した黄色色素の吸光度を測定することによる、クレアチンアミジノヒドロラーゼ活性測定法を用いて、反応液中に塩を添加した場合の活性値への影響を確認した。なお、酵素活性の定義は下記条件下で1分間に1μMの尿素を生成する酵素活性を1U(Unit、単位)とする。
【0102】
(1)試薬の調製
▲1▼クレアチン溶液
0.149gのクレアチン1水和物を50mMグッド緩衝液(pH7.5)80mLに溶解し、その後この緩衝液を100mLになるまで加え、100mLの10mMクレアチン溶液を調製した。また、0.0149gのクレアチン1水和物を上記と同様の操作を行い、100mLの1mMクレアチン溶液を調製した。
【0103】
▲2▼DAB溶液
2.0gのp−ジメチルベンズアルデヒドを100mLのジメチルスルホキシドに溶解させた後、濃塩酸15mLを混合し、DAB溶液を調製した。
【0104】
▲3▼酵素溶液
クレアチンアミジノヒドロラーゼ酵素標品を、あらかじめ氷冷した50mMグッド緩衝液(pH7.5)で2.0〜3.0U/mLとなるように希釈して調製した。
【0105】
(2)クレアチンアミジノヒドロラーゼの活性測定
クレアチンアミジノヒドロラーゼの活性測定を行った。前記(1)の▲1▼で調製したクレアチン溶液1.0mLを37℃で5分間予備加温した後、前記(1)の▲3▼で調製した酵素溶液0.1mLを混合し、37℃で10分間反応させた。その後、前記(1)の▲2▼で調製したDAB溶液2.0mLを混合し、25℃で20分間放置し、435nmにおける吸光度を測定した(ODtest)。
盲検値の測定は、上記クレアチン溶液1.0mLを37℃で10分間放置後、前記DAB溶液2.0mLを混合し、更に上記酵素溶液0.1mLを混合した。これを25℃で20分間放置後、435nmにおける吸光度を測定した(ODblank)。
なお、クレアチンアミジノヒドロラーゼの活性値は、以下の計算式により算出した。
U/mL=△OD(ODtest−ODblank)×9.65×希釈倍率(前記(1)の▲3▼の希釈倍率)
【0106】
(3)測定結果
硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムを添加した場合のクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性値を表3に示した。
【0107】
【表3】
Figure 0004058475
【0108】
表3から明らかなように、基質として10mMクレアチン溶液を用いた場合のクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性値は、塩を含有、共存しない場合を100%とした場合に、硫酸ナトリウム含有、共存での相対活性は89.4%であるのに対して、塩化ナトリウム含有、共存での相対活性は48.0%であった。また、基質として1mMクレアチン溶液を用いた場合のクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性値は、塩を含有、共存しない場合を100%とした場合に、硫酸ナトリウム含有、共存での相対活性は93.8%であるのに対し、塩化ナトリウム含有、共存の場合の相対活性は28.1%であった。このように、硫酸ナトリウムはクレアチンアミジノヒドロラーゼの活性に影響を与えていないが、塩化ナトリウムはクレアチンアミジノヒドロラーゼの活性を低下させてしまうことが分かる。すなわち、塩素イオン、塩化物が共存することにより、クレアチンアミジノヒドロラーゼ活性は阻害を受けることが確かめられた。
【0109】
〔実施例4〕
(Mタンパクによる影響抑制効果の実証)
塩濃度を変化させた試薬を用いて、市販Mタンパクパネル血清を測定し、Mタンパクによる影響抑制の効果を確かめた。
【0110】
(1)試薬の調製
▲1▼本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムの濃度を下記濃度に変えること以外は、実施例1の(1)で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分、及び濃度で調製を行った。
硫酸ナトリウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM
【0111】
▲2▼本発明・クエン酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度のクエン酸ナトリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分、及び濃度で調製を行った。
クエン酸ナトリウム
0mM、6.7mM、13mM、20mM、26mM、33mM
【0112】
▲3▼本発明・リン酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度のリン酸ナトリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分、及び濃度で調製を行った。
リン酸ナトリウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
【0113】
▲4▼本発明・ホウ酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度のホウ酸ナトリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
ホウ酸ナトリウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
【0114】
▲5▼対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の塩化ナトリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
塩化ナトリウム
0mM、20mM、40mM、60mM、80mM、100mM
【0115】
▲6▼対照・炭酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の炭酸ナトリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
炭酸ナトリウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
【0116】
▲7▼対照・炭酸カリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の炭酸カリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
炭酸カリウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
【0117】
▲8▼対照・炭酸リチウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の炭酸リチウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
炭酸リチウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
【0118】
▲9▼対照・酢酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の酢酸ナトリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
酢酸ナトリウム
0mM、20mM、40mM、60mM、80mM、100mM
【0119】
▲10▼対照・酢酸マグネシウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の酢酸マグネシウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
酢酸マグネシウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
【0120】
▲11▼対照・酢酸カリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の酢酸カリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
酢酸カリウム
0mM、20mM、40mM、60mM、80mM、100mM
【0121】
▲12▼対照・硝酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の硝酸ナトリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
硝酸ナトリウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
【0122】
▲13▼対照・硝酸カリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の硝酸カリウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
硝酸カリウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
【0123】
▲14▼対照・硝酸カルシウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムを下記濃度の硝酸カルシウムに変えること以外は、前記▲1▼の本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
硝酸カルシウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
【0124】
▲15▼クレアチニン測定用第2試薬の調製
実施例1の(1)で調製したクレアチニン測定用第2試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0125】
(2)クレアチニン測定時のタイムコース
日立製作所社製7170S形自動分析装置にてクレアチニン測定時のタイムコースを確認した。市販Mタンパクパネル血清(THE BINDING SITE社製;ロット番号:K193516)〔クレアチニンは含まれていないか、又は含まれているとしても極く低濃度である〕4μLを試料とし、これに前記(1)の▲1▼で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬210μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた後、前記(1)の▲15▼で調製したクレアチニン測定用第2試薬70μLを添加し、37℃で5分間反応させた。主波長546nm及び副波長700nmにおけるこれらの反応のタイムコースの変化を見た。
また、第1試薬を前記(1)の▲2▼〜▲14▼で調製したクレアチニン測定用第1試薬にそれぞれ替えて同様に測定を行い、タイムコースの変化をみた。
【0126】
(3)測定結果
前記、本発明又は対照のクレアチニン測定用第1試薬及びクレアチニン測定用第2試薬を用いてMタンパクパネル血清を試料として測定した時のタイムコースの変化を図8〜21に示した。
【0127】
なお、図8〜21において、横軸はタイムコースのポイント数(1ポイント:18秒)を表し、縦軸はクレアチニン測定における吸光度を表す。また、「Ac」は酢酸イオンを表す。
【0128】
【図8】
【0129】
【図9】
【0130】
【図10】
【0131】
【図11】
【0132】
【図12】
【0133】
【図13】
【0134】
【図14】
【0135】
【図15】
【0136】
【図16】
【0137】
【図17】
【0138】
【図18】
【0139】
【図19】
【0140】
【図20】
【0141】
【図21】
【0142】
図8〜21から明らかなように、塩を含有しない場合(0mM)に比べて、本発明のクレアチニン測定試薬においては、前記第1試薬での塩の濃度が、クエン酸ナトリウムでは6.7mM以上、硫酸ナトリウム及びリン酸ナトリウムでは10mM以上、ホウ酸ナトリウムでは20mM以上の場合に、また、対照のクレアチニン測定試薬では、前記第1試薬での塩の濃度が、酢酸マグネシウム、硝酸カルシウムでは10mM以上、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムでは20mM以上、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムでは30mM以上、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムでは40mM以上の場合に、その濃度未満の濃度における吸光度の上昇、すなわち濁りの生成が抑制され、反応タイムコースが改善しているのが明らかである。
このように、クレアチニン測定試薬に含有させる塩濃度を増加させ、一定濃度以上の塩の共存下で測定を行うことにより、Mタンパクの影響を回避できることが分かる。
【0143】
〔実施例5〕
(塩の種類による影響の確認)
塩の種類によるクレアチニンの測定への影響を確かめた。
【0144】
(1)試薬の調製
▲1▼本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
硫酸ナトリウムの濃度を下記濃度に変えること以外は、実施例4の(1)で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
硫酸ナトリウム
0mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM
実施例4の(1)で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0145】
▲2▼本発明・クエン酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した本発明・クエン酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0146】
▲3▼本発明・リン酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した本発明・リン酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0147】
▲4▼本発明・ホウ酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した本発明・ホウ酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0148】
▲5▼対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・塩化ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0149】
▲6▼対照・炭酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・炭酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0150】
▲7▼対照・炭酸カリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・炭酸カリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0151】
▲8▼対照・炭酸リチウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・炭酸リチウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0152】
▲9▼対照・酢酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・酢酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0153】
▲10▼対照・酢酸マグネシウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・酢酸マグネシウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0154】
▲11▼対照・酢酸カリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・酢酸カリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0155】
▲12▼対照・硝酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・硝酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0156】
▲13▼対照・硝酸カリウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・硝酸カリウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0157】
▲14▼対照・硝酸カルシウム含有クレアチニン測定用第1試薬の調製
実施例4の(1)で調製した対照・硝酸カルシウム含有クレアチニン測定用第1試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0158】
▲15▼クレアチニン測定用第2試薬の調製
実施例1の(1)で調製したクレアチニン測定用第2試薬と同じ試薬成分及び濃度で調製を行った。
【0159】
(2)クレアチニンの測定
日立製作所社製7170S形自動分析装置にてクレアチニンの測定を行った。5mg/dLのクレアチニン水溶液4μLを試料とし、これに前記(1)の▲1▼で調製した本発明・硫酸ナトリウム含有クレアチニン測定用第1試薬210μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた後、前記(1)の▲15▼で調製した第2試薬70μLを添加し、37℃で5分間反応させた。主波長546nm及び副波長700nmにおけるこれらの反応のタイムコースの変化を見た。
また、第1試薬を前記(1)の▲2▼〜▲14▼で調製したクレアチニン測定用第1試薬にそれぞれ替えて同様に測定を行い、タイムコースの変化をみた。
【0160】
(3)測定結果
前記本発明又は対照のクレアチニン測定用第1試薬及びクレアチニン測定用第2試薬を用いてクレアチニン水溶液を測定したときのタイムコースの変化を図22〜35に示した。
【0161】
なお、図22〜35において、横軸はタイムコースのポイント数(1ポイント:18秒)を表し、縦軸はクレアチニン測定における吸光度を表す。また、「Ac」は酢酸イオンを表す。
【0162】
【図22】
【0163】
【図23】
【0164】
【図24】
【0165】
【図25】
【0166】
【図26】
【0167】
【図27】
【0168】
【図28】
【0169】
【図29】
【0170】
【図30】
【0171】
【図31】
【0172】
【図32】
【0173】
【図33】
【0174】
【図34】
【0175】
【図35】
【0176】
図22〜35から明らかなように、本発明のクレアチニン測定試薬では、いずれの濃度の硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムを含有させた場合も、塩を含有させない場合(0mM)に比べてタイムコースの上昇がみられている。
これに対し、対照のクレアチニン測定試薬では、いずれの濃度の塩を含有させた場合でもタイムコースの遅れがみられているのが明らかである。更に、対照のクレアチニン測定試薬では、塩の濃度が増加するに従ってタイムコースの遅れが増加しているのが明らかである。
【0177】
〔実施例6〕
(塩によるクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性への影響の確認)
比較例2と同じクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性測定法を用いて、反応液中に塩を含有させた場合の活性値への影響を確認した。なお、酵素活性の定義は下記条件下で1分間に1μMの尿素を生成する酵素活性を1U(Unit、単位)とする。
【0178】
(1)試薬の調製
▲1▼クレアチン溶液
0.149gのクレアチン一水和物を50mMグッド緩衝液(pH7.5)80mLに溶解し、その後この緩衝液を100mLになるまで加え、100mLの10mMクレアチン溶液を調製した。
【0179】
▲2▼DAB溶液
比較例2の(1)と同様にしてDAB溶液を調製した。
【0180】
▲3▼酵素溶液
クレアチンアミジノヒドロラーゼ酵素標品を下記のものに変えること以外は、比較例2の(1)と同様にして酵素溶液を調製し、各々酵素溶液A、酵素溶液B及び酵素溶液Cとした。
酵素標品A(キッコーマン社製:製品番号C2−AT、リコンビナント大腸菌由来)
酵素標品B(東洋紡積社製:製品番号CRH−221、微生物由来)
酵素標品C(東洋紡績社製:製品番号CRH−211、アクチノバチルス属由来)
【0181】
(2)クレアチンアミジノヒドロラーゼの活性測定
クレアチンアミジノヒドロラーゼの活性測定を行った。前記(1)の▲1▼で調製したクレアチン溶液1.0mLずつを37℃で5分間予備加温した後、前記(1)の▲3▼で調製した酵素溶液A〜Cを各々0.1mLずつ混合し、37℃で10分間反応させた。その後、前記(1)の▲2▼で調製したDAB溶液を2.0mLずつ混合し、25℃で20分間放置し、435nmにおける吸光度(ODtest)を測定した。
盲検値の測定は、上記クレアチン溶液1.0mLを37℃で10分間放置後、前記DAB溶液2.0mLを混合し、更に上記酵素溶液0.1mLを混合した。これを25℃で20分間放置後、435nmにおける吸光度(ODblank)を測定した。
なお、反応液中に含有させた各種類の塩及び濃度は、表4〜6に示すとおりである。
また、クレアチンアミジノヒドロラーゼの活性値は、以下の計算式により算出した。
U/mL=△OD(ODtest−ODblank)×9.65×希釈倍率(前記(1)の▲3▼の希釈倍率)
【0182】
(3)測定結果
各種類の塩を含有させた場合のクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性値を表4〜6に示した。
【0183】
【表4】
Figure 0004058475
【0184】
【表5】
Figure 0004058475
【0185】
【表6】
Figure 0004058475
【0186】
表4〜6から明らかなように、基質として10mMクレアチン溶液を用いた場合のクレアチンアミジノヒドロラーゼ活性値は、塩を含有しない場合を100%とした場合に、酵素溶液Aでは、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム含有での相対活性は各々88.6%、78.6%、98.6%、92.1%であるのに対して、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、コハク酸カリウム含有での相対活性は各々40.0%、54.3%、25.7%、23.6%、2.1%、3.6%であった。
【0187】
また、酵素溶液Bでは、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム含有での相対活性は各々92.1%、89.0%、98.4%、92.9%であるのに対して、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、コハク酸カリウム含有での相対活性は各々46.5%、66.9%、7.1%、25.2%、3.1%、2.4%であった。
【0188】
更に、酵素溶液Cでは、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム含有での相対活性は各々116.3%、82.5%、128.1%、119.4%であるのに対して、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、コハク酸カリウム含有での相対活性は各々54.4%、56.3%、19.4%、43.1%、1.9%、4.4%であった。
【0189】
このように、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムはクレアチンアミジノヒドロラーゼの活性に大きな影響を与えていないが、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、コハク酸カリウムはクレアチンアミジノヒドロラーゼの活性を大きく低下させてしまうことが分かる。
【0190】
すなわち、塩素イオン、臭素イオン等のハロゲンイオン、炭酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン又はコハク酸イオンが共存することにより、クレアチンアミジノヒドロラーゼ活性は大きく阻害を受けることが確かめられた。
【0191】
【発明の効果】
本発明の測定方法及び測定試薬並びにMタンパクの影響回避剤は、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及び硝酸塩以外の塩を共存、含有させることにより、クレアチニン又はクレアチンの測定値へのMタンパクによる誤差が生じることを抑制することができ、かつ、クレアチンアミジノヒドロラーゼ活性が大きな阻害を受けることを防いで、測定反応のタイムコースの遅れを防止しこれにより再現性の低下を防いで、精度が高いクレアチニン又はクレアチン測定値が得られるものである。
そして、これにより、疾患の診断等の場において、正確なクレアチン又はクレアチン測定値を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】硫酸塩によるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図2】塩化物の塩によるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図3】塩の種類によるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図4】本発明のクレアチニン測定方法及び測定試薬において、試薬中の塩濃度を変化させた場合の影響を示した図である。
【図5】対照のクレアチニン測定方法及び測定試薬において、試薬中の塩濃度を変化させた場合の影響を示した図である。
【図6】塩の種類によるクレアチンアミジノヒドロラーゼ及びザルコシンオキシダーゼによる反応への影響を示した図である。
【図7】塩の種類によるザルコシンオキシダーゼによる反応への影響を示した図である。
【図8】硫酸ナトリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図9】クエン酸ナトリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図10】リン酸ナトリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図11】ホウ酸ナトリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図12】塩化ナトリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図13】炭酸ナトリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図14】炭酸カリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図15】炭酸リチウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図16】酢酸ナトリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図17】酢酸マグネシウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図18】酢酸カリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図19】硝酸ナトリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図20】硝酸カリウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図21】硝酸カルシウムによるMタンパクの影響回避効果を示した図である。
【図22】硫酸ナトリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図23】クエン酸ナトリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図24】リン酸ナトリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図25】ホウ酸ナトリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図26】塩化ナトリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図27】炭酸ナトリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図28】炭酸カリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図29】炭酸リチウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図30】酢酸ナトリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図31】酢酸マグネシウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図32】酢酸カリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図33】硝酸ナトリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図34】硝酸カリウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。
【図35】硝酸カルシウムによるクレアチニン測定への影響を示した図である。

Claims (7)

  1. クレアチンアミジノヒドロラーゼを用いて試料中のクレアチニン又はクレアチンを測定する測定方法において、硫酸塩、ホウ酸塩又はクエン酸塩の共存下で測定を行うことを特徴とする、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定方法。
  2. 硫酸塩、ホウ酸塩又はクエン酸塩が、試料中に含まれるMタンパクの影響を回避するために共存させるものである、請求項1記載の試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定方法。
  3. クレアチンアミジノヒドロラーゼを含む試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬において、硫酸塩、ホウ酸塩又はクエン酸塩を含有することを特徴とする、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬。
  4. 硫酸塩、ホウ酸塩又はクエン酸塩が、試料中に含まれるMタンパクの影響を回避するために含有させるものである、請求項3記載の試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬。
  5. 硫酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩よりなる、クレアチンアミジノヒドロラーゼを用いたクレアチニン又はクレアチン測定時の試料中に含まれるMタンパクの影響回避剤。
  6. クレアチンアミジノヒドロラーゼを用いて試料中のクレアチニン又はクレアチンを測定する際に、硫酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩よりなるMタンパクの影響回避剤の共存下で測定を行うことを特徴とする、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定時のMタンパクの影響の回避方法。
  7. クレアチンアミジノヒドロラーゼを含む試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬において、硫酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩よりなる、Mタンパクの影響回避剤を含有することを特徴とする、試料中のクレアチニン又はクレアチンの測定試薬。
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