JP2013081393A - 米の加熱調理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた香気・風味と抗酸化性のあるメラノイジンを生じる米の加熱調理方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る米飯の加熱調理方法は、米粒を水中に浸漬した後、水切りして加熱することにより米飯を加熱調理する方法であって、米粒を浸漬した水のpHを6.5以上10.0以下に調整すると共に、加熱調理後の米飯の水分含有率が39%〜65%になるような加熱状態に調節して、水切り後の米粒を加熱することを特徴とする。また、本発明の米飯の加熱調理方法は、米粒温度が55℃から65℃に至るまでに要する時間が5分以上となる第1加熱工程と、少なくとも20分で60℃から90℃まで温度上昇させる第2加熱工程を有する。加熱調理の際は、米粒に対する重量比が0.1%〜10.0%のグルコースと、バリン、グリシン、トレオニンを添加する。また、25℃よりも低温で貯蔵された玄米を0〜20%の歩合で搗精し、搗精後1カ月以内に、米の40〜100重量%であって0〜40℃に調整された水に浸漬した後に加熱調理することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、香気・風味が優れ、健康に良い成分を有する米飯を加熱調理する方法に関する。
米は、ウルチ米とモチ米に大別される。モチ米はデンプン粒結合型デンプン合成酵素Iの機能が欠損しているため、アミロースを全く含まず、アミロペクチンのみを含む。アミロース及びアミロペクチンはともに還元糖の一種であるグルコースがグルコシド結合によって重合した高分子であるが、デンプン構造が異なる。これにより、ウルチ米とモチ米には様々な物性・加工特性の違いがある。
ウルチ米は、日本を含め世界中で広く利用されており、炊く、煮る、蒸す、炒める、あるいはそれらを組み合わせた様々な調理方法(米粒の形を残した調理法)や、米粉麺や米粉パン、あるいは団子や煎餅などの菓子類、日本酒や甘酒などの飲料など、様々な加工品を作製する方法が開発されている。このうち、日常的に主食として食べるための調理技術に関しては、日本では、炊き干し法が一般的である。炊き干し法は、水加減と火加減を調節することで米粒を煮た後に蒸し、テクスチャーの優れた米飯を作る調理法であり、一般家庭でも該調理法を簡便に実現できるガス式又は電気式の自動炊飯器が開発されている(特許文献1参照)。ただし、炊き干し法による米飯の食味は概して淡泊であり、香り・風味に大きな特徴はなく、日本における米消費量低下の大きな原因の一つと考えられる。
一方、モチ米はその多くが餅や赤飯、あるいは菓子類などの加工食品に利用され、ハレの日など特別な日にのみ摂食されることが多い。すなわち、ウルチ米のように味付け等をせずにそのまま日常的に摂食することはモチ米ではほとんどなされておらず、そのための調理方法も日本では確立していない。
特開2001−46224号公報 特開2010−63572号公報 特開2008−18096号公報 特表2007−532712号公報
高宮和彦ら編「色から見た食品のサイエンス」、株式会社サイエンスフォーラム、2004年2月13日 化学と生物9、pp.85-96、社団法人日本農芸化学会、1971年 貝沼やす子、福田靖子、「竹炭による米飯の性状改善効果」日本調理科学会誌35:139-147、2002年 小林健治、土佐典照、原安夫、堀江修二、「電解水による炊飯特性の検討」日本食品科学工学会誌43:930-938、1996年 農林水産省消費・安全局、消費者の部屋通信12月号:8-9、2010年 Awazuhara et al、Distribution and characterization of enzymes causing starch degradation in rice (Oryza sativa cv. koshihikari)., J Agric. Food Chem. 48、pp.245-52、2000年
本発明が解決しようとする課題は、米(特にモチ米)を味付けしなくてもおいしく食することができる米飯の加熱調理方法を提供することである。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、精米方法や水浸漬方法、加熱方法を最適化することで、甘味の質と量を制御するとともにpHや水分活性を調節し、還元糖とアミノ酸によるメイラード反応を促進させることで優れた香気・風味と抗酸化性のあるメラノイジンを有する米飯を生成できることを見いだした。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、具体的には、
米粒を水中に浸漬した後、水切りして加熱することにより米飯を加熱調理する方法であって、
米粒を浸漬した水のpHを6.5以上10.0以下に調整すると共に、
加熱調理後の米飯の水分含有率が39%〜65%になるような加熱状態に調節して、水切り後の米粒を加熱することを特徴とする。
米粒を浸漬した水のpHは6.5以上10.0以下であれば十分においしい米飯を提供することができるが、6.8以上、好ましくは7.1以上であれば更においしい米飯を提供することができる。米粒を浸漬した水のpHは、pH調整剤を用いたり適切な米粒を選択したりすることで調整することができる。
また、加熱調理後の米飯の水分含有率は、加熱前の浸漬水量によって、あるいは蒸気加熱にあっては蒸気量・打ち水量によって調節することができる。
本発明の米飯の加熱調理方法にあっては、加熱時において、米粒に対するグルコースの重量比が0.1%〜10.0%になるように、グルコースを添加したり、バリン、グリシン、トレオニンの少なくとも1つのアミノ酸を添加したりすることが好ましい。グルコースやアミノ酸を単独で添加しても良く、両方を添加しても良い。
グルコースは、メイラード反応の基質の一つであり米粒の主成分(デンプン)から生じるものである。また、バリン、グリシン、トレオニンもメイラード反応基質であり米粒に含まれるアミノ酸である。従って、これらのいずれかを加熱時に添加することによりメイラード反応を促進することができる。
また、本発明の米飯の加熱調理方法では、蒸気加熱することが好ましく、これにより加熱調理後の水分含有率を低く抑えることができる。この場合、糊化温度が低く糖化しやすいモチ米を利用することが好ましいが、ウルチ米を蒸気加熱する場合は別途処理を行うことにより十分に糊化させることができる。
また、本発明の米飯の加熱調理方法は、更に、55℃から65℃に至るまでに要する時間が5分以上、好ましくは20分以上となる第1加熱工程と、少なくとも20分で60℃から90℃まで温度上昇させる第2加熱工程を備えることが好ましい。
60℃は米粒に含まれる糖化酵素(アミログルコシダーゼ)の至適温度であることから、60℃付近となる時間を長くすることにより加熱調理後の米粒に含まれる還元糖を増加させることができる。
また、25℃よりも低温で貯蔵された玄米を0〜20%の歩合で搗精し、搗精後1ヶ月以内に、好ましくは2週間以内に、米の40〜100重量%であって0〜40℃の温度範囲に調整された水に浸漬した後に加熱調理することが好ましい。
本発明の米飯の加熱調理方法では、メイラード反応を促進するための条件、すなわち基質の種類と量、加熱温度と時間、pH、水分活性を制御することで、優れた香気・風味を有する米飯を提供することができる。また、メイラード反応により抗酸化作用を有するメラノイジンを多く生じさせることができるため、健康維持増進を図ることができる。
本発明の実施例1の結果を示す図であり、(a)は品種・栽培年と搗精歩合の違いによる米粒中の遊離糖含有率の変化を示す図、(b)は搗精歩合の違いによる米粒中の糖化酵素活性の変化を示す図。 本発明の実施例2の結果を示す図であり、水浸漬温度と水浸漬時間の違いによる遊離糖の割合が、品種や精米・貯蔵方法によって異なることを示す図。 本発明の実施例3の結果を示す図であり、(a)はグルコース含有率に影響する米飯の温度変化が、加熱方法の違いによりどのように推移するかを示す図、(b)は75wで加熱した時の加熱時間とグルコース含有率の関係を示す参考図。 (a)は本発明の実施例4〜6の結果を示す図であり、浸漬水の量と加熱方法の違いによる遊離糖の含有率の変化が、精米・貯蔵方法によって異なることを示す図、(b)は本発明の実施例7の結果を示す図であり、加熱調理方法による米飯の褐色化の違い(メイラード反応の進行程度)を示す図。 (a)は本発明の実施例9の結果を示す図であり、重曹添加量が米飯の黄化・褐色化に及ぼす影響を示すための写真、(b)は本発明の実施例10の結果を示す図であり、弱アルカリ性条件下でグルコース添加量が米飯の黄化・褐色化に及ぼす影響を示すための写真。 本発明の実施例11〜12の結果を示す図であり、重曹、グルコース、グリシン、バリン添加により生成した香気成分を示すGC-MS分析の図。
本発明の米調理方法は、米を加熱した後に得られる米飯においてメラノイジンを生じさせるようにした調理方法を含む。メラノイジンは、アミノ酸・タンパク質等のアミノ化合物と還元糖等のカルボニル化合物が複雑な反応(アミノ・カルボニル反応)を経て生じる最終生成物であり、褐色色素である。この生成反応は、1912年にL.C.Maillardにより見出され、メイラード反応と呼ばれている。メラノイジンは醤油や味噌など長期間熟成させた発酵食品、あるいはパンやコーヒーなど高温で加熱・焙煎した食品に含まれ、抗酸化性をはじめとして様々な生理機能性を有することが知られている。メラノイジンの化学構造は明らかになっていないが、多数の着色物質による集合体と考えられ、その含有率は波長400nmにおける吸光度と高い相関があることが知られている(非特許文献1参照)。
また、メイラード反応の過程では、アミノ酸と還元糖の種類、加熱温度によってカラメル・チョコレートなどの甘い香りやポップコーンのような香ばしい香りが生じることが単純化されたモデル実験系により明らかにされている(非特許文献2参照)。これまで米飯の調理過程でメイラード反応に着目した例は少なく、局所的におこげを生成する炊飯器(特許文献2参照)や、炊飯後長時間保温する際に生じる不快な黄変・酸化を抑制する炊飯器(特許文献3参照)が開発されたのみである。しかしながら、上述の醤油、味噌、パン、コーヒーを始め、ローストした肉など様々な食品において、メイラード反応により独特の優れた香気・風味が付与されることから、メイラード反応の制御は米の加熱調理においても重要であると考え、本発明を着想した。
メイラード反応には未解明な部分が多く、特に食品などの複雑な成分から構成される不均一系において該反応を制御することは容易ではない。ただし、メイラード反応がpHや水分活性、酸素及び金属の存在、加熱温度及び加熱時間に影響を受けること、二酸化硫黄等により反応が阻害されること等が示されており(特許文献4参照)、これらの条件をうまく調整すれば、メイラード反応により生じるメラノイジンや香気成分の量と質を変えることができると推察される。
米の加熱調理においてpHやpHに影響するミネラルに関する知見は限られている。日本の水道水基準pH5.8〜8.6よりも高いpHの水として、竹炭浸漬液(pH8.6〜9.6、非特許文献3参照)や飲用アルカリ性電解水(pH9〜10、非特許文献4参照)を使用したところ、米飯が柔らかくなり溶出物が増えることが明らかにされた。また、硬水に多く含まれるカルシウムやマグネシウムは米飯を黄化させ、カルシウムは米飯を硬くするとされる(非特許文献5参照)。しかしながら、香気や風味に及ぼす影響は不明であった。
一方、本発明者は後述するように、食品添加物として認められている重曹を適量用いることで米粒浸漬水のpHを弱アルカリ性に高め、その濃度に応じてメイラード反応を著しく促進させうることを見出した。また、米粒に含まれる脂肪は貯蔵中に分解され脂肪酸を生じることが知られているが、本発明者は後述するように、25℃以上では精米後の貯蔵時間とともに米粒浸漬水のpHが低下することを認めた。
従って、pHを調節することでメイラード反応を促進する場合、重曹や他のアルカリ剤(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びリン酸類のカリウム又はナトリウム塩のうち1種以上を含む)、上記の弱アルカリ性水等を使用するとともに、米粒の保存履歴に注意することが有効である。
また、日常的に調理して摂食することを考えた場合、出来るだけ簡便な手法によってメイラード反応を促進することが望まれる。本発明者は、水分活性(水分含有率)及び加熱温度・時間を適宜の値に設定すると、米飯におけるメラノイジン含有率の有効な指標である褐変化が促進されることを見出した。水分活性を調整するためには、蒸し器を使って加熱調理を行うと良く、実際に蒸し器を使った加熱調理によって得られるモチ米飯の水分含有率を調べると、39.0%程度であった。
代表的な米調理加工食品の水分含有率は、飯:65.0%、赤飯:58.0%、餅:44.5%(四訂日本食品標準成分表、科学技術庁資源調査会編、1982年(後述の表1参照))であることを考慮すると、蒸し器を使った加熱調理で得られるモチ米飯の水分含有率は低く抑えられていることが分かる。これは、例えば、水浸漬を十分に行った後、加熱前に余分な水分を十分に除去するとともに、低い蒸気発生量で加熱し、通常加熱中に加えられる打ち水を控えることで達成できる。また、加熱中に打ち水を適度に加えた場合、加熱後の水分含有率は例えば49.0%程度にまでなり、その際には褐変化は抑制される。
メイラード反応を進める前提条件として、十分な量の還元糖とアミノ酸・タンパク質等のアミノ化合物が米粒に含有されている必要がある。アミノ酸・タンパク質等のアミノ化合物を増やすためには、作物栽培分野で既知である技術、例えば登熟期の窒素施肥量を増やすなどイネの栽培方法を工夫することで実現できる。一方、それらの代謝・蓄積量が変化した突然変異体を利用することも可能である。還元糖含有率を高めるためには、米に内在する糖化酵素の働きを利用することが重要であるが、糖化酵素の活性は、栽培環境や品種の違いにも影響を受ける。従って、調理に用いる米の品種・栽培履歴の選択は重要である。
また、タンパク質含有率は搗精歩合を高めると低下する。さらに、後述するように、搗精歩合を高めると収穫時点で多く含まれるスクロースの含有率を減らすことができ、品種・栽培条件により異なるが、搗精歩合4%で約4割が、8%で約8割が、20%で約9割が除かれる。このことから、スクロースなどの強い甘味を好む場合は4%程度の低い搗精歩合で、グルコースなどの上品な甘味を好む場合は8〜20%の比較的高い搗精歩合で精米すると良い。
一方、本発明者は、後述するように、搗精後の時間経過とともにαアミラーゼ活性やアミログルコシダーゼ活性が低下する傾向を見いだした。また、高い貯蔵温度でpHが低下する傾向を見いだした(後述の表2参照)。このことから、常に低温で貯蔵し、搗精後1カ月以内に、更に好ましくは2週間以内に調理加工することが望ましい。
また、米を水に浸漬している間にも糖化反応は進行する。60℃程度までの範囲で水浸漬温度が高いほど、また浸漬時間が長いほど還元糖は増加するが、生成した還元糖の一部は浸漬水中に溶出する。そのため、浸漬水の量を加減することも重要になる。具体的には、水浸漬前の米重量に対し、一般に最大で約3割の水が吸水されることから、米の少なくとも3割の重量の水で浸漬すれば還元糖の溶出による損失を抑えられると考えられる。ただし、吸水ムラを防ぐためには4割程度の水に浸漬することが好ましい。
強い甘味を呈するスクロースは、水浸漬中や加熱中に増加することはなく、一部は水浸漬・加熱中に分解される。しかし、上品な甘味のみを求める場合には、その要求度合いに応じて多めの水に浸漬しスクロースを溶出させると良い。なお、浸漬温度が高いと、浸漬水に混入した微生物の活動により腐敗が進行するため、浸漬温度を高くする場合は滅菌処理が必要である。
米の調理加工過程において、還元糖含有率に最も影響を及ぼす要因の一つが加熱方法である。特許文献1にあるように、また非特許文献6に示されるように、40℃、60℃をそれぞれ至適温度とするαアミラーゼ、アミログルコシダーゼの活性の利用を図ることが有効であると考えられている。
本発明者は、糖化酵素の影響が現れやすいことが知られているモチ米を使って水分含有率39.0%における種々の加熱パターンを調べた結果、米飯温度が約60℃となる加熱では4時間までは加熱時間に比例して、その後8時間までは緩やかに還元糖が増加することを見いだした(8時間以降12時間までは微増した)。ただし、約60℃で2時間加熱するよりも、約60℃で1時間加熱したのち約90℃まで1時間かけて加熱した方が還元糖は多く生成した。このことから、還元糖含有率はアミログルコシダーゼの至適温度のみに左右される訳ではないことが分かる。
また、蒸気発生量が少ない蒸し器により60℃程度の比較的低温で加熱を続けると、表層にある一部の米粒で乾燥が進み、テクスチャーの低下と不均一化が生じることが明らかになった。また、過度の加熱継続は、過酸化物やアクリルアミドなど有害な物質を生成する恐れがある。一方、加熱が不十分な場合にはデンプンの糊化(α化)が不足し、消化性・テクスチャーが著しく悪化する。そのため、どの程度の加熱温度・加熱時間が最適であるか、また米飯の水分含有率はどの程度が最適であるか、見極めておく必要がある。
以上の点を考慮して、本発明者は、テクスチャーに著しい変化をもたらすことなく、米飯の温度と水分含有率を比較的長時間低く維持できる蒸し器を使って、ウルチ米及びモチ米を加熱調理する方法を明らかにした。本発明に係る調理方法を開発するにあたり、特に考慮した加熱条件は以下の2点である。
(1)甘味が少な目ではあるがテクスチャーが良い加熱条件
米飯温度を約60℃で20分間維持したのち40分間で90℃程度まで上に凸の曲線を描くように温度を上げる。しかる後に100℃で1〜3時間加熱するが、その間できるだけ低い蒸気発生量にて加熱する。
(2)テクスチャーは固めでやや劣るが上品な甘味が比較的強い加熱条件
1時間で約60℃まで上に凸の曲線を描くように温度を上げる。次の1時間で90℃程度まで上に凸の曲線を描くように温度を上げる。しかるのちに100℃で1〜3時間加熱するが、その間できるだけ低い蒸気発生量にて加熱する。
以下、上記加熱調理条件の作用を確認するために行ったいくつかの実施例について説明する。但し、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
精米方法による遊離糖含有率と糖化酵素活性の違いを調べた。
平成20年産コシヒカリと平成21年産朝紫の玄米を、それぞれ家庭用精米機(TWINBIRD社製MR-D510)を用いて搗精し、粉砕機で微粉末にした。コシヒカリは、0%、8%、20%の歩合で、朝紫は0%、4%の歩合でそれぞれ搗精した。搗精後、10倍容の80%エタノールにて遊離糖を抽出したのち濃縮し、抽出液中のグルコースとスクロース濃度をHPLCを用いて定量した。その結果を図1(a)に示す。
図1(a)に示すように、グルコース含有率はいずれの品種、搗精歩合においても0.04%以下と低かったのに対し、スクロース含有率は玄米(搗精歩合0%)で0.68〜0.80%と高く、搗精歩合が高くなるにつれ著しく減少した。このことから、玄米のスクロース含有率は品種や収穫年度により異なるが、搗精歩合によって大きく変化することが明らかになった。
次に、平成21年産ココノエモチを上記と同様の精米機を用い、0%、8%、32%の歩合で搗精し、粉砕した。搗精後、Megazyme社のαアミラーゼ活性測定キット及びインターナショナル社製F-kitを用い、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/sonota/070622/01.htm)に準じて、αアミラーゼ活性とアミログルコシダーゼ活性を測定した。その結果、搗精歩合が高くなるにつれ、αアミラーゼ活性は急激に低下し、アミログルコシダーゼ活性は緩やかに低下した(図1(b))。
水浸漬中の遊離糖含有率の変化を調べた。
玄米を低温(4℃)で貯蔵し、精米後1カ月又は2カ月室温で保存した平成20年産ヒメノモチ30g、及び精米後1カ月間室温で保存した平成21年産滋賀羽二重糯30gを、それぞれ15gの水に4℃、25℃、37℃にて12時間、又は25℃にて1時間浸漬した。その後、米を浸漬した水を遠心チューブに回収し、Eppendorf社製の高速微量遠心機にて4℃・14,000rpmの条件で10分間遠心分離した。そして、上清に含まれるグルコースとスクロース濃度を、HPLCを用いて定量した。
その結果、精米後1カ月室温保存したヒメノモチ及び滋賀羽二重糯は、いずれも水浸漬温度が高いほど、及び水浸漬時間が長いほど浸漬水に溶出したグルコース量が増加した(図2参照)。
一方、精米後2カ月室温保存したヒメノモチでは、1カ月室温保存したヒメノモチと比べて溶出したグルコース量がやや少なく、水浸漬温度が25℃の時に浸漬水に溶出したグルコース量が最大となった。
以上の結果より、精米後1カ月までは糖化酵素の活性が高く、酵素反応が水浸漬温度や水浸時間によく応答したが、精米後2カ月になると糖化酵素の活性が低下し、水浸漬温度に対する応答が鈍くなったことが示唆された。
一方、スクロース量は、精米後1カ月室温保存した試料及び2カ月室温保存した試料のいずれにおいても水浸漬温度が高くなると漸減した。このことから、スクロース量は糖化酵素の作用は受けず、分解酵素の作用をわずかに受けると考えられた。
また、浸漬水中のスクロース量は25℃で1時間水浸漬した場合でも高く、全般的に平成20年産ヒメノモチに比べて平成21年産滋賀羽二重糯で高くなる傾向がみられた。これらのことから、グルコース、スクロースともに、品種や収穫年度、精米・貯蔵方法や水浸漬方法によって浸漬水中に溶出する量が異なることが分かった。
加熱条件の違いによるグルコース含有率の変化を調べた。
精米後1年間室温で貯蔵した平成20年産ハクトモチ90gを、90gの水に浸漬し室温にて一晩吸水させた後、直径18cmのステンレス製ザルに移し余分な水を15分間かけて除いた。続いて、600ミリリットルの水を入れた二段式蒸し鍋の上段にザルを載せ、パナソニック社製IH調理器KZ-PH30Pを使って、以下に示す(1)〜(6)の条件で加熱した。ただし一部の条件については、1.5リットルの水又は予備加熱により70℃に加温した温水600ミリリットルを使用した。
(1)150w・2時間 / 700w・20分
(2)150w・2時間 (水1.5リットル) / 700w・20分
(3)75w・2時間 (70℃温水) / 700w・20分
(4)75w・1時間 (70℃温水) / 150w・1時間 / 700w・20分
(5)700w・5分 / 15分静置 / 150w・40分 / 260w・60分 (以下、(5)の条件を「SRT」ともいう。)
(6)700w・20分
上記の(6)の加熱条件は米飯の加熱に通常用いられる短時間加熱法の条件である。図3(a)に(1)〜(6)の条件で加熱したときの米飯の温度変化を示す(なお、図3(a)に示す(1)〜(4)の凡例では「700w・20分」の記載を省略した)。
加熱後、速やかに-20℃で冷凍保存し、80℃通風乾燥機により一晩乾燥させた。そして、乾燥させた米飯を粉砕機で微粉末にした後、10倍容の80%エタノールにて遊離糖を抽出し、抽出液中のグルコース濃度を、インターナショナル社製F-kitにより定量した。その結果、(6)の条件で加熱したものはグルコース含有率が0.02%であったのに対し、(1)の条件では0.10%、(2)と(5)の条件では0.14%であった。また、(3)の条件では0.16%、(4)の条件では0.19%であった。
このように、加熱条件の違いによりグルコース含有率は著しく変化した。これは、温度変化パターンに起因すると考えられる。つまり、図3(a)に示すように、グルコース含有率が最も低い(6)の加熱条件では、加熱開始からすぐに100℃近くまで温度上昇したのに対して、(1)〜(5)の条件では徐々に温度が上昇している。すなわち、60℃付近の温度帯を通過する時間が長いか、60℃から90℃に至るまでの時間が長かった。
一方、加熱後の米飯のテクスチャーは、全体の加熱時間が短いほど、あるいは高温で経過する割合が大きいほど良好であった。
なお、図3(b)は70℃に予備加熱した温水600ミリリットルを使用し75wで加熱を継続した時の加熱時間と米飯中のグルコース含有率との関係を示す参考図である。図3(b)から、低出力で加熱して米飯温度を60℃付近に維持すると、時間の経過と共にグルコース含有率が増えるが、400分を超える頃からグルコース含有率の増加率が低下することが分かる。
以上より、加熱時の温度変化パターンが適切になるように加熱出力や加熱時間を設定する必要がある。
精米・貯蔵方法、水浸漬条件、加熱条件が遊離糖含有率に及ぼす影響を総合的に調べた。
精米後1年間室温で貯蔵したY社の平成20年産ヒメノモチと、玄米を低温(4℃)で貯蔵し精米後1週間経過したH社の平成20年産ヒメノモチを、それぞれ90gずつ、45g又は90gの水に浸漬し、室温にて一晩吸水させた。続いて、実施例3の標準的な器具・手順を用い、700wで20分間加熱した。
加熱後、速やかに-20℃で冷凍保存し、80℃で通風乾燥機により一晩乾燥させた。乾燥させた米飯は粉砕機で微粉末にした後、10倍容の80%エタノールにて遊離糖を抽出し濃縮した。抽出液中のグルコースとスクロース濃度を、HPLCを使い定量した。その結果、浸漬水量がコメの半分である45gの場合は精米後経過日数の長短又は精米方法の違いに関わらずグルコース含有率、スクロース含有率ともに0.1%程度であった。これに対して、浸漬水量がコメと等量の場合は精米後経過日数が短くてもグルコース含有率は0.03%程度しかなく、スクロースは検出されなかった(図4(a)参照)。
以上の結果より、強火による短時間加熱法では糖化酵素が失活しやすいため、精米後の経過日数や精米方法の違いは加熱後の遊離糖含有率に影響しないことが示唆された。また、浸漬水量が多くなると、遊離糖含有率のうち特にスクロース含有率が低下することが分かった。
実施例4と同様の器具・手順を用い、実施例3で示した(5)の条件によりモチ米の加熱調理を行った。その結果、実施例4における強火による短時間加熱法の場合と比べ、いずれの場合もグルコース含有率が著しく増加した(図4(a)参照)。特に糖化酵素の活性が高いと考えられる精米後経過日数の短い試料の場合には、0.31%程度と高かったことから、精米後経過日数が短いことの重要性が指摘された。スクロース含有率については実施例4と同様の結果が得られ、浸漬水量が多いほど溶出して失われる量が多くなった。
玄米を低温(4℃)で貯蔵し、精米後1週間経過したH社の平成20年産ヒメノモチ90gを、90gの水に浸漬し室温にて一晩吸水させた。その後、実施例4と同様の器具・手順を用い、75wで20分間又は75wで2時間の条件で加熱をし、実施例4と同様に分析を行った。その結果、グルコース含有率は、75w・20分の加熱条件では実施例5の結果に及ばないものの、75w・2時間の加熱条件では0.39%まで増加した。一方、スクロース含有率は、いずれの加熱条件でも実施例4及び実施例5と同様に低かった(図4(a)参照)。
以上より、精米・貯蔵方法、水浸漬条件、加熱条件のいずれもが遊離糖含有率に影響を及ぼしたが、特に加熱条件の違いによりグルコース生成量は大きく異なった。
加熱条件がメラノイジン生成量と香気・風味に及ぼす影響を調べた。
玄米を低温(4℃)で貯蔵し精米後4カ月間経過したH社の平成20年産ヒメノモチ90gを90gの水に浸漬し室温にて一晩吸水させた。その後、実施例4と同様の器具・手順を用い、700wで20分間加熱した後、260wで3時間まで加熱した。又は上述の(5)の加熱条件に準じた加熱を行ったが260w加熱時間は3時間まで延長した。260wの加熱開始時(0h)及び開始後1〜3時間(1〜3h)に、米飯の一部を-20℃で冷凍保存し、80℃通風乾燥機により一晩乾燥させた。米飯粒をバラバラにした後、コニカミノルタ社製分光測色計CM-5を用いて、褐色化程度を測定した(測定条件:D65光源、10°視野、直径30mmペトリ皿・正反射光除去)。また、加熱中もしくは加熱後の米飯を試食するとともに、生成する香りを官能検査により比較した。
その結果を図4(b)に示す。700wで20分加熱の場合には、その後の260w加熱時間が長いほど赤方向の色度a*はやや増加し3時間後に4.08となる一方で、明度L*は変化せず黄方向の色度b*は微増する傾向にあった。SRT加熱((5)の加熱)の場合には、260w加熱時間が長いほど赤方向の色度a*は急増し、3時間後に8.36となる一方で、明度L*は低下し黄方向の色度b*は高くなった。このようにSRT加熱では褐色化が著しく進行し、メラノイジン生成が促進された。一方、700w・20分加熱の場合には甘味や好ましい香り・風味は認められなかったのに対し、SRT加熱では260w加熱が進むにつれ上品な甘味と好ましい香り・風味が認められた。
下記の表1は、上記実施例において得られる米飯の水分含有率と、ウルチ米の精白米、モチ米の調理加工品における水分含有率を比較したものである。この表に示すように、上記実施例で得られるモチ米の米飯(SRT)はその他に比べて水分含有率が低いことが分かる。また、加熱中に水を噴霧することにより、水分含有率が上昇することから、加熱中の水噴霧量によって水分含有率を調整できることが分かる。
精米の貯蔵条件が浸漬水のpHに及ぼす影響を調べた。
玄米を低温(4℃)で貯蔵し精米後1カ月未満のP社の平成20年産滋賀羽二重糯を4℃、25℃、35℃で1年間貯蔵した。途中、1、3、5、7カ月目に一部採取し4℃で保存した。2倍容のpH指示薬(メチルレッド・ブロモチモールブルー)を加えて混合し、上清の色調を観察するとともにpHメーター(HORIBA社製)にて上清のpHを測定した。その結果、下記の表2に示すように、貯蔵温度が高いほど時間経過とともにpHが低下し、上清の色調は青緑色から赤黄色に変化することが認められた。
重曹添加量が米粒浸漬水のpHとメイラード反応に及ぼす影響を調べた。
精米後1年未満低温(4℃)で貯蔵したP社の平成21年産滋賀羽二重糯45gに対し水18gとグルコース0.58gを加え室温にて一晩吸水させた。その際、重曹を0、50、150、350mg添加した。実施例4と同様の器具・手順を用い、実施例3で示した(5)の条件により加熱した。加熱前後の米粒の写真を撮り、色調を比較したものを図5(a)に示す。重曹添加量が増えるにつれ黄化又は褐色化が進行しメイラード反応が促進されたことが推察された。
なお、精米後約1年半低温(4℃)で貯蔵したH社の平成20年産ヒメノモチ45gを、グルコース0.5g(又は50mg)、アミノ酸の1種バリン50mg、重曹100mg、150mg、200mg、250mgとともに室温にて一晩18gの水に浸漬した結果、浸漬水のpHはそれぞれ、6.7、7.1、8.6、8.9となり、重曹添加量に応じて浸漬水のpHは上昇した。また、実施例4と同様の器具・手順を用い、実施例3で示した(6)の条件により加熱したあとの米飯のpHを測定したところ、それぞれ8.3、9.0、9.4、10.0となり、加熱によりpHは更に上昇することが確認された。
弱アルカリ性条件下でグルコース添加量がメイラード反応に及ぼす影響を調べた。
精米後1年未満低温(4℃)で貯蔵したP社の平成21年産滋賀羽二重糯45gに対し水18gと重曹350mgを加え室温にて一晩吸水させた。その際、グルコースを0g、0.2g、0.58g又はスクロース(ショ糖)を0.58g添加した。実施例4と同様の器具・手順を用い、700w・20分加熱した後、さらに260w・60分の条件で加熱した。加熱前後と途中の米粒の写真を撮り、色調を比較したものを図5(b)に示す。スクロースを添加しても色調の変化は見られなかったが、還元糖であるグルコースの添加量が増えるにつれ黄化又は褐色化が進行しメイラード反応が促進されたことが推察された。
米飯加熱調理時のメイラード反応においてアミノ酸の種類の違いが香気成分の生成に及ぼす影響を調べた。
玄米を低温(4℃)で貯蔵し精米後1カ月未満のR社の平成22年産滋賀羽二重糯45gに対し水18gを加え室温にて一晩吸水させた。その際、以下に示す(2)〜(5)の条件で添加物を加えた。
(1)添加物なし
(2)重曹0.25g
(3)重曹0.25gとグルコース0.5g
(4)重曹0.25gとグリシン0.5g
(5)重曹0.25gとグルコース0.5gとグリシン0.5g
実施例4と同様の器具・手順を用い、700w・20分 / 260w・40分の条件で加熱した。加熱後すみやかに直径9cm・高さ9cmの円筒型ガラス瓶に移し、ヘッドスペースの香気成分を50℃で1時間SPMEファイバー(75um Carboxen/PDMS)に吸着させ、株式会社島津製作所製GCMS-QP2010plus(カラムDB-WAX)にて定法に準じて分析した。その結果を図6の(1)〜(5)に示す。重曹を添加すると炭酸煎餅様の香ばしい香気が生じたが、分析の結果アセトールが多く生じていた。グリシンを添加すると甘い乳製品様の香気が生じたが、分析の結果ジメチルピラジンが多く生じていた。なお、四訂日本食品標準成分表(1982)によると、精白米45g当たり、グリシンは0.14g含まれる。
玄米を低温(4℃)で貯蔵し精米後1カ月未満のR社の平成22年産滋賀羽二重糯45gに対し水18gを加え室温にて一晩吸水させた。その際、以下に示す(6)〜(10)の条件で添加物を加えた。その後、全て700w・20分で加熱した後、一部については260wで加熱した。260wでの加熱時間を下記のカッコ内に示す。
(6)グルコース0.5gとバリン0.5g(260w・40分)
(7)重曹0.25gとグルコース0.5gとバリン0.5g(260w・0分)
(8)重曹0.25gとグルコース0.5gとバリン0.5g(260w・20分)
(9)重曹0.25gとグルコース0.5gとバリン0.5g(260w・40分)
(10)重曹0.25gとグルコース0.5gとトレオニン0.5g(260w・40分)
加熱後、実施例11に準じて分析した。その結果を図6の(6)〜(9)に示す。バリンを添加すると甘い卵焼き様の香気が生じたが、分析の結果イソブタナールが多く生じており、その生成量は加熱時間とともに増大することが認められた。一方、トレオニンを添加するとメープルシロップ様の好ましい香気が認められた。なお、四訂日本食品標準成分表(1982)によると、精白米45g当たり、バリンは0.19g、トレオニンは0.11g含まれる。
玄米を低温(4℃)で貯蔵し精米後1カ月未満のR社の平成22年産滋賀羽二重糯45gに対し水18g、重曹0.25g、グルコース0.5gを加え室温にて一晩吸水させた。その際、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、フェニルアラニン、ロイシン、アラニン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン、チロシン、リジン、システイン、セリン、イソロイシン、グルタチオンのうちいずれかのアミノ酸又はトリペプチド1種を0.5g加えた。実施例11に準じて700w・20分/260w・40分加熱し、生じる香気を比較した。その結果、それぞれ特徴的な香気を生じたが、特に極めて好ましい香気は認められず、優れた香気を生じさせるためには加熱調理条件の最適化が必要であると考えられた。

Claims (5)

  1. 米粒を水中に浸漬した後、水切りして加熱することにより米飯を加熱調理する方法であって、
    米粒を浸漬した水のpHを6.5以上10.0以下に調整すると共に、
    加熱調理後の米飯の水分含有率が39%〜65%になるような加熱状態に調節して、水切り後の米粒を加熱することを特徴とする米飯の加熱調理方法。
  2. 加熱時において、米粒に対するグルコースの重量比が0.1%〜10.0%になるように、グルコースを添加することを特徴とする請求項1に記載の米の加熱調理方法。
  3. 加熱時において、バリン、グリシン、トレオニンの少なくとも1つのアミノ酸を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の米の加熱調理方法。
  4. 米粒温度が55℃から65℃に至るまでに要する時間が5分以上となる第1加熱工程と、少なくとも20分で60℃から90℃まで温度上昇させる第2加熱工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の米の加熱調理方法。
  5. 25℃よりも低温で貯蔵された玄米を0〜20%の歩合で搗精し、搗精後1カ月以内に、米の40〜100重量%であって0〜40℃の温度範囲に調整された水に浸漬した後に加熱調理することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の米の加熱調理方法。
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