JP2013079221A - 8−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−o−ガレート - Google Patents

8−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−o−ガレート Download PDF

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Abstract

【課題】より強力な作用を有する茶カテキン誘導体の提供。
【解決手段】茶カテキン誘導体として、下記式で表される8−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレートをアンジオテンシンI変換酵素阻害剤。

【選択図】なし

Description

本発明は、8−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(本明細書では、8-dMA-EGCgと略称する)に関する。
茶カテキンの主要成分は、エピカテキン(Epicatechin、EC) 、そのヒドロキシ体のエピガロカテキン (Epigallocatechin、EGC)、及びそれらの没食子酸エステルであるエピカテキンガレート (Epicatechin gallate、没食子酸エピカテキン、ECg) とエピガロカテキンガレート(Epigallocatechin gallate、没食子酸エピガロカテキン、EGCg)の4つであり、中でも、EGCgの含有量が最も多い(例えば、非特許文献1参照)。
茶カテキンは、血圧上昇抑制作用、血中コレステロール調節作用、体脂肪蓄積抑制作用、血糖上昇抑制作用、抗酸化作用、老化抑制作用、抗ガン作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、虫歯予防作用、抗アレルギー作用、消臭作用などを有することが明らかにされており、このことから、高血圧や動脈硬化などの成人病や生活習慣病の予防に効果があると考えられている(例えば、非特許文献1参照)。
Foods Food Ingredients J.Jpn.,Vol.209(3) (2004), p260-266.
本発明は、より強力な作用を有する茶カテキン誘導体を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、下記式で表される化合物またはその塩である。
また、本発明の別の実施形態は、上記式で表される化合物またはその塩を含有するアンジオテンシンI変換酵素阻害剤、ラジカル消去剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤である。
さらに、本発明の別の実施形態は、上記式で表される化合物またはその塩を含有する飲食品、医薬、試薬、または化粧品であってもよい。
本発明によって、より強力な作用を有する茶カテキン誘導体を提供することが可能になった。
本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的に実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
(1)8−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(8-dMA-EGCg)の製造方法
8-dMA-EGCgは、以下の構造式を有する。
8-dMA-EGCgは、例えば、以下の手順により合成することができる。まず、テアビゴTM (DSM Nutritional Products社、主成分は(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート)のような緑茶抽出物をアセトンに溶解し、炭酸カリウムと臭化プレニルを加えて反応させ、その後、HPLCなどを用いて、8−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレートを分離し、精製できる。なお、8-dMA-EGCgは、ナトリウム塩やカリウム塩などの塩であっても構わない。
(2)8-dMA-EGCg及びその塩の活性および有用性
8-dMA-EGCg及びその塩は、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有する。従って、血圧低下作用、腎臓保護作用などを有するため、例えば高血圧、心不全、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症などの予防および治療に有効である。
また、8-dMA-EGCg及びその塩は、ラジカル消去活性を有する。従って、細胞死抑制効果などを有するため、例えば虚血時および虚血後組織損傷が原因となる種々の疾病(例えば、心筋梗塞、脳卒中、虚血性大腸炎など)の予防および治療に有効である。
さらに、8-dMA-EGCg及びその塩は、ラジカル消去活性とともに活性酸素除去活性を有し、従って、抗酸化作用を有する。活性酸素は、体内で、様々な疾患を引き起こしたり、悪化させたりすることが知られており、例えば、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、白内障、肝炎、腎炎、ベーチェット病、悪性関節リウマチ、川崎病、アトピー、アレルギー疾患、糖尿病などの成人病、腫瘍、老化などが知られている。したがって、8-dMA-EGCg及びその塩は、これらの疾患に対する予防や治療に有効である。
(3)8-dMA-EGCg及びその塩の使用方法
8-dMA-EGCg及びその塩は、組成物として用いられるが、例えば、飲食品組成物、薬品組成物(医薬組成物及び試薬組成物)、または化粧品組成物などに用いられ、それぞれ、当業者に周知の方法を用いて、飲食品、薬品(医薬及び試薬)、化粧品を製造するのに用いられる。
8-dMA-EGCgまたはその塩を添加して作る飲食品としては、特に制限はない。簡便性からは、添加物として、既存の飲食品に添加するのが好ましい。なお、飲食品を製造するに当たって、通常用いられる他の添加物などを使用してもよい。また、8-dMA-EGCg及びその塩は、サプリメント、栄養補助食品、健康補助食品、機能性食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品などとして用いることも可能であるが、特に、サプリメントや補助食品として用いることが好ましい。例えば、チョコレート、ビスケット、ガム、キャンディー、クッキー、グミ、打錠菓子等の菓子類;シリアル;粉末飲料、清涼飲料、乳飲料、栄養飲料、炭酸飲料、ゼリー飲料等の飲料;アイスクリーム、シャーベットなどの冷菓が挙げられる。また、特定保健用食品や栄養補助食品等の場合であれば、粉末、顆粒、カプセル、シロップ、タブレット、糖衣錠等の形態のものであってもよい。
8-dMA-EGCgまたはその塩を含有する医薬としては、上記疾患を対象にすることができる。医薬の製造は、当業者に周知の方法を用いればよく、形状は特に限定されず、錠剤、カプセル、袋詰め、シロップ、坐薬、瓶詰め、および軟膏等であってもよい。投与方法も限定されず、経口であっても非経口であっても、全身投与であっても局部投与であってもよい。
8-dMA-EGCgまたはその塩を含有する試薬は、in vitroまたはin vivoにおける、様々な研究用試薬として用いることができる。その目的は限定されず、例えば、医薬開発であってもよく、基礎研究であってもよい。また、用いる対象も限定されず、例えば、細胞から抽出したものであっても、細胞であっても、生体であってもよい。
8-dMA-EGCgまたはその塩を含有する化粧品として、その形状は特に制限されず、乳化剤、ゲル、ローションまたは粉末等が挙げられる。その化粧料には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他の成分を使用することができる。
==EGCg及びEGCg誘導体の製造==
<EGCg及びEGCg誘導体の構造式>
EGCg:(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
8-dMA-EGCg:8−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
対照化合物A:(−)−エピガロカテキン−3−O−(2−ジメチルアリル−3,4,5−トリヒドロキシ)ベンゾエート
対照化合物B:2’−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
EGCg及びEGCg誘導体は、以下の工程で合成した。
テアビゴTM (137.5 mg、EGCg≧94%)をアセトン(3.0 mL)に溶解し、炭酸カリウム(62.2 mg、0.45 mmol)と臭化プレニル(17.6 μL、0.15 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。その後、ODS-HPLCにより分離・精製を行い、収率2.4%で(−)−エピガロカテキン−3−O−(2−ジメチルアリル−3,4,5−トリヒドロキシ)ベンゾエート(対照化合物A)(3.8 mg)を、収率2.8%で8-dMA-EGCg(4.4 mg)を、収率2.3%で2’−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(対照化合物B)(3.7 mg)を得た。またこの時、85.6 mg (62.2 %)のEGCgを回収した。
以下に、HPLCの条件、及び各EGCg誘導体に対するNMRの結果を示す。
<HPLCの条件>
カラム: Mightysil RP-18GP 20×250mm
検出波長: 210nm
流速: 5.0mL/min
溶媒: H2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
グラディエント:
保持時間:
<NMRの結果>
8-dMA-EGCg:
1H-NMR (500MHz, CD3OD): 1.63 (3H, bs), 1.66 (3H, bs), 2.83 (1H, dd, J = 17.3, 2.5), 2.99 (1H, dd, J = 17.3, 4.5), 3.23 (1H, dd, J = 14.0, 6.5), 3.37 (1H, dd, J = 14.0, 7.5), 4.96 (1H, bs), 5.26 (1H, m), 5.51 (1H, m), 5.99 (1H, s), 6.53 (2H, s), 6.93 (2H, s)
13C-NMR (125MHz, CD3OD): 18.0, 22.9, 26.0, 27.0, 70.0, 78.4, 96.3, 99.3, 106.9, 106.9, 108.6, 110.3, 110.3, 121.6, 125.3, 130.8, 131.2, 133.6, 139.8, 146.3, 146.3, 146.6, 146.6, 154.2, 154.6, 154.8, 167.8
MS (ESI) m/z : 525.3 (M-)
対照化合物A:(−)−エピガロカテキン−3−O−(2−ジメチルアリル−3,4,5−トリヒドロキシ)ベンゾエート
1H-NMR (500MHz, CD3OD): 1.54 (3H, bs), 1.60 (3H, bs), 2.86 (1H, dd, J = 17.5, 2.5), 2.99 (1H, dd, J = 17.5, 4.5), 3.42 (1H, dd, J = 14.0, 7.0), 3.49 (1H, dd, J = 14.0, 6.5), 4.94 (1H, m), 4.95 (1H, bs), 5.53 (1H, m), 5.92 (1H, d, J = 2.3), 5.94 (1H, d, J = 2.3), 6.49 (2H, s), 6.75 (1H, s)
13C-NMR (125MHz, CD3OD): 18.0, 25.9, 26.0, 26.8, 69.9, 78.6, 95.9, 96.5, 99.6, 106.9, 106.9, 110.7, 121.5, 124.5, 125.3, 130.8, 131.2, 133.8, 138.5, 143.5, 145.1, 146.6, 146.6, 157.3, 157.8, 157.9, 169.0
MS (ESI) m/z : 525.3 (M-)
対照化合物B:2’−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
1H-NMR (500MHz, CD3OD): 1.70 (3H, bd, 1.0), 1.73 (3H, bs), 2.85 (1H, dd, J = 17.5, 2.0), 2.90 (1H, dd, J = 17.5, 4.0), 3.35 (1H, br), 3.37 (1H, br), 5.13 (1H, m), 5.15 (1H, bs), 5.56 (1H, m), 5.93 (1H, d, J = 2.3), 5.95 (1H, d, J = 2.3), 6.66 (1H, s), 6.94 (2H, s)
13C-NMR (125MHz, CD3OD): 18.0, 25.3, 25.9, 27.6, 68.9, 75.7, 95.9, 96.5, 99.3, 107.5, 110.3, 110.3, 118.7, 121.6, 125.5, 128.7, 131.3, 133.8, 139.7, 144.4, 144.9, 146.3, 146.3, 157.7, 157.9, 157.9, 167.6
MS (ESI) m/z : 525.4 (M-)
==アンジオテンシンI変換酵素阻害の測定==
600mM NaClを含む400mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.3)に溶解した4.7mM基質(Hippuryl-L-His-L-Leu)溶液50μLに、EGCg又はEGCg誘導体の試料溶液25μL(それぞれの反応液中での濃度が各25、50、100μM/5.00%(v/v)DMSOとなるように濃度調整したもの)を加えた後、0.025 U/mLのACE(シグマアルドリッチジャバン(株)製ウサギ肺由来)50μLを添加し、37℃で60分間反応させて、その25μLを取り出し、0.45M NaOH100μLを加えて反応を停止させた。反応後の溶液25μLを取り出し、そこにo−フタルアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)の0.4%(w/v)メタノール溶液50μLを加え、37℃で10分間加熱した後、2M HCl 30μLを加えた。超純水で希釈し,励起波長355nm、蛍光波長460nmで蛍光を測定した。これらの吸光度からACE阻害活性(%)を以下の式にて算出し、得られた値をプロットして得られたグラフから、IC50(50%阻害時の濃度(μM))を推定した。
ACE阻害活性(%)= [(A−B) / A] × 100
A: (試料溶液を添加せずにACE溶液を添加したものにおける吸光度)-(試料溶液を添加せずにACE溶液を添加しなかったものにおける吸光度)
B: (試料溶液を添加およびACE溶液を添加したものにおける吸光度)-(試料溶液を添加し、ACE溶液を添加しなかったものにおける吸光度)
==抗酸化能試験==
抗酸化能の指標として、EGCg及びEGCg誘導体のDPPHラジカル消去活性およびSOD様活性を調べた。
[DPPHラジカル消去活性測定]
濃度400μMのDPPH/エタノール、0.2Mの2-(N-morpholino)ethanesulfonic acid(MES) buffer (pH6.0)/エタノール、20%エタノール水をそれぞれ20 mLずつ混和し、最後にジメチルスルホキシドとエタノールにより希釈した試料液40μL(それぞれの反応液中での濃度が1.0-10.0μM/1.00%(v/v)DMSOとなるように濃度調整したもの)をそれぞれ添加し、60分間室温で反応させた後、波長520nmの吸光度を測定した。
これらの吸光度からラジカル消去活性を、ラジカル消去率(%)として以下の式にて算出し、得られた値をプロットして得られたグラフから、IC50(50%消去時の濃度(μM))を推定した。
ラジカル消去率(%)= [(A−B) / A] × 100
A: (試料溶液を添加せずにDPPH溶液を添加したものにおける吸光度)-(試料溶液を添加せずにDPPH溶液を添加しなかったものにおける吸光度)
B: (試料溶液を添加およびDPPH溶液を添加したものにおける吸光度)-(試料溶液を添加し、DPPH溶液を添加しなかったものにおける吸光度)
[SOD様活性測定]
任意に希釈した800μLの試料溶液(それぞれの反応液中での濃度が2.5-10.0μM/5.00%(v/v)DMSO/100mMリン酸緩衝液(pH7.4)となるように濃度調整したもの)に対し、10 mMのキサンチンを含有する25 mMの水酸化ナトリウム水溶液100μLおよび5.0 mMのニトロブルーテトラゾリウムを含有するリン酸緩衝液(pH7.4)300μLと50ユニット/mLのキサンチンオキシダーゼを含有する100mMリン酸緩衝液(pH7.4)の酵素液100μLを加え、30分間37℃で反応させた。その後、660mMドデシル硫酸ナトリウム溶液250μL添加して反応を停止し、波長560nmの吸光度を測定した。
SOD様活性を、酵素阻害率(%)として、以下の式にて算出し、得られた値をプロットして得られたグラフから、IC50(50%阻害時の濃度(μM))を推定した。
酵素阻害率(%)= [(A−B) / A] × 100
A: (試料溶液を添加せずに酵素液を添加したものにおける吸光度)-(試料溶液を添加せずに酵素液を添加しなかったものにおける吸光度)
B: (試料溶液を添加および酵素液を添加したものにおける吸光度)-(試料溶液を添加し、酵素液を添加しなかったものにおける吸光度)
==実験結果==
表1に、EGCg及びEGCg誘導体のACE阻害活性(ACEと記載)、DPPHラジカル消去活性(DPPHと記載)SOD様活性(SODと記載)について、IC50値(μM)を示す。
[表1]
8-dMA-EGCgは、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性、DPPHラジカル消去活性、SOD様活性のいずれにおいても、EGCgより強い活性を有していた。一方、(−)−エピガロカテキン−3−O−(2−ジメチルアリル−3,4,5−トリヒドロキシ)ベンゾエート(対照化合物A)は、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性については、EGCgより強い活性を有していたが、抗酸化活性は、EGCgと同等か、若干弱い活性を示した。2’−ジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(対照化合物B)は、いずれの活性においても、EGCgより弱い活性を有していた。
参考例
ここでは、EGCgに対し、ジメチルアリルに関連した上記以外の置換基を導入しても、抗酸化活性が弱くなることを示す。このことから、8-dMA-EGCgの場合のように、置換基を導入しても活性が強くなるというのは、当業者にとって予想外の結果であることがわかる。
==EGCg誘導体の製造==
<EGCg及びEGCg誘導体の構造式>
対照化合物C:6,8−ジジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
対照化合物D: 7,8−(11,11−ジメチルピラノ)−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
対照化合物E:(5,6),(7,8)−ビス[((11,11),(14,14)−ジメチルピラノ)]−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
これらのEGCg誘導体は、以下の工程で合成した。
テアビゴTM (137.5 mg、EGCg≧94%)をアセトン(3.0 mL)に溶解し、炭酸カリウム(124.4 mg、0.9 mmol)と臭化プレニル(17.6 μL、0.15 mmol)を加え、室温で22.5時間撹拌した。その後、順層シリカゲルを用いたオープンカラムクロマトグラフィー(10%MeOH/EtOAc)により大まかに分離を行い、3つの画分を得た。その後、ODS-HPLCにより分離・精製を行い、収率6.2%で6,8−ジジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(対照化合物C)(11.1 mg)を合成した。
テアビゴTM (2.75 g、EGCg≧94%)をアセトン(60.0 mL)に溶解し、炭酸カリウム(832.3 mg、6.0 mmol)と臭化プレニル(2.5 mL、21.0 mmol)を加え、室温で1.0時間撹拌した。その後、順層シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2、3%MeOH/CH2Cl2、5%MeOH/CH2Cl2、10%MeOH/CH2Cl2、MeOH)により大まかに分離を行い、8つの画分を得た。その後、ODS-HPLCにより分離・精製を行い、収率3.9%で7,8−(11,11−ジメチルピラノ)−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(対照化合物D)(123.2 mg)を、収率5.8%で(5,6),(7,8)−ビス[((11,11),(14,14)−ジメチルピラノ)]−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(対照化合物E)(205.1 mg)を得た。
以下に、HPLCの条件、及び各EGCg誘導体に対するNMRの結果を示す。
<HPLCの条件>
対照化合物C: 6,8−ジジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
カラム: Mightysil RP-18GP 20×250mm
検出波長: 210nm
流速: 5.0mL/min
溶媒: H2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
グラディエント:
保持時間:40.0分
対照化合物D:7,8−(11,11−ジメチルピラノ)−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
カラム: Mightysil RP-18GP 20×250mm
検出波長: 210nm
流速: 5.0mL/min
溶媒: H2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
グラディエント:
保持時間:40.0分
対照化合物E:(5,6),(7,8)−ビス[((11,11),(14,14)−ジメチルピラノ)]−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
カラム: Mightysil RP-18GP 20×250mm
検出波長: 210nm
流速: 5.0mL/min
溶媒: H2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
グラディエント:
保持時間:61.9分
<NMRの結果>
対照化合物C: 6,8−ジジメチルアリル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
1H-NMR (500MHz, CD3OD): 1.33 (3H, bs), 1.57 (3H, bs), 1.61 (6H, bs), 2.61-2.77 (5H, overlapping), 2.88 (1H, dd, J = 13.6, 10.4), 4.88-4.91 (1H, overlapping), 4.97 (1H, bs), 5.04 (1H, m), 5.37 (1H, m), 6.55 (2H, s), 6.96 (2H, s)
13C-NMR (125MHz, CD3OD): 18.1, 18.2, 25.6, 25.7, 26.1, 37.1, 37.1, 69.7, 79.8, 106.7, 106.7, 109.4, 110.4, 110.4, 119.5, 119.5, 119.6, 119.6, 121.3, 129.6, 134.0, 135.3, 135.6, 139.8, 146.3, 146.3, 146.9, 146.9, 167.8, 169.1, 169.1, 169.1
MS (ESI) m/z: 593.1 (M-)
対照化合物D: 7,8−(11,11−ジメチルピラノ)−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
1H-NMR (500MHz, CD3OD): 1.25 (3H, bs), 1.30 (3H, bs), 1.74-1.77 (2H, overlapping), 2.63 (1H, ddd, J = 15.0, 8.5, 7.0), 2.73 (1H, ddd, J = 15.0, 8.5, 6.5), 2.86 (1H, dd, J = 17.5, 2.5), 3.01 (1H, dd, J = 17.5, 5.0), 4.99 (1H, bs), 5.55 (1H, m), 5.88 (1H, s), 6.54 (2H, s), 6.92 (2H, s)
13C-NMR (125MHz, CD3OD): 17.7, 26.5, 26.8, 27.3, 33.6, 69.7, 74.9, 78.2, 96.9, 99.6, 101.8, 106.7, 106.7, 110.2, 110.2, 121.5, 131.0, 133.6, 139.7, 146.2, 146.2, 146.7, 146.7, 154.0, 154.2, 155.4, 167.7
MS (ESI) m/z: 525.0 (M-)
対照化合物E: (5,6),(7,8)−ビス[((11,11),(14,14)−ジメチルピラノ)]−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート
1H-NMR (500MHz, CD3OD): 1.20 (3H, bs), 1.23 (3H, bs), 1.27 (3H, bs), 1.31 (3H, bs), 1.66 (2H, bt J = 6.8), 1.74 (2H, m), 2.50 (2H, bt, J = 6.8), 2.65 (1H, ddd, J = 17.0, 7.3, 6.6), 2.75 (1H, ddd, J = 17.0, 6.7, 6.6), 2.79 (1H, dd, J = 17.8, 1.0), 2.93 (1H, dd, J = 17.8, 5.1), 4.88-4.95 (1H, overlapping), 5.52 (1H, m), 6.54 (2H, s), 6.92 (2H, s)
13C-NMR (125MHz, CD3OD): 17.8, 17.8, 26.8, 26.9, 27.0, 27.0, 27.4, 33.4, 33.5, 69.9, 74.8, 74.8, 78.1, 99.4, 101.3, 102.7, 106.6, 106.6, 110.2, 110.2, 121.5, 131.1, 133.5, 139.7, 146.2, 146.2, 146.6, 146.6, 151.5, 151.6, 151.8, 167.8
MS (ESI) m/z: 593.6 (M-)
==実験結果==
DPPHラジカル消去活性は、実施例と同様に測定した。結果(IC50値(μM))を以下の表2に示す。
[表2]
このように、EGCgに対し、ジメチルアリル関連のいずれの置換基を導入しても、抗酸化活性が弱くなることがわかる。

Claims (9)

  1. 下記式で表される化合物またはその塩。
  2. 下記式で表される化合物またはその塩を含有するアンジオテンシンI変換酵素阻害剤。
  3. 下記式で表される化合物またはその塩を含有するラジカル消去剤。
  4. 下記式で表される化合物またはその塩を含有する活性酸素除去剤。
  5. 下記式で表される化合物またはその塩を含有する抗酸化剤。
  6. 下記式で表される化合物またはその塩を含有する飲食品。
  7. 下記式で表される化合物またはその塩を含有する医薬。
  8. 下記式で表される化合物またはその塩を含有する試薬。
  9. 下記式で表される化合物またはその塩を含有する化粧品。
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