JP2010100540A - 脂溶性カテキンの製造方法 - Google Patents

脂溶性カテキンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カテキンまたはプロアントシアニジンなどの活性を保ちつつこれらの化合物を脂溶性にすることが可能な、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンの製造方法の提供。
【解決手段】カテキンまたはプロアントシアニジンと、式(I)

(式中、Rは、炭化水素基を示し;Rは、水素または炭化水素基を示し;Rは、水素または炭化水素基を示し;Rは、水酸基を示し、あるいはRおよびRは、一緒になってケト基を示す)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カテキンおよびプロアントシアニジンの脂溶性を簡便な方法で向上させることによって、脂溶性カテキンおよび脂溶性プロアントシアニジンを製造する方法に関する。
カテキンは緑茶の主成分であり、抗酸化作用、コレステロール低下作用、抗菌作用などを有するとされ、健康維持に好影響を与えることが一般によく知られている。一方でカテキンは水溶性化合物であり、生体吸収性が悪いことも知られている。従ってカテキンが健康に良い影響を与えている主原因と考えられる抗酸化作用については、疎水領域では殆ど見受けることができない。そのため、脂溶性を高めるための研究が様々な形で行われている(例えば、非特許文献1および2参照)。
水溶性の高いカテキン分子の脂溶性を向上させるための方法としては、例えば、脂肪酸などの脂溶性化合物とカテキンを、有機合成試薬を用いて結合させる方法が挙げられる(特許文献1参照)。
また抗菌作用の向上を目指して、さまざまな置換基を持つカテキン誘導体を、有機合成試薬を用いて合成する方法が考案されている(例えば、特許文献2および3参照)。さらに有機合成試薬を用いてアルキル鎖を持つカテキン誘導体を合成して、脂溶性とラジカル消去活性が向上することを示した報告もある(例えば、非特許文献3参照)。
しかしながら、上述した脂溶性カテキン誘導体の製造例はいずれも有機合成試薬を用いた化学反応によるものであり、これにより得られた脂溶性カテキン誘導体がたとえ優れた機能を有していても、安全性などの問題から食品として使用することが困難であった。また上述した製造例は有機合成試薬を用いるため、製品製造におけるコストが高いという欠点も有していた。
特開2001−253879号公報 特開2002−255810号公報 特開2005−179333号公報 Park,K.−D.,Park,Y.−S.,Cho,S.−J.,Sun,W..−S.,Kim,S.−H.;Jung,D.−H.,Kim,J.−H.,Antimicrobial activity of 3−O−acyl−(−)−epicatechin and 3−O−acyl−(+)−catechin derivatives. Planta Medica,2004,70,272−276 Matsubara,K.,Saito,A.,Tanaka,A.,Nakajima,N.,Akagi,R.,Mori,M.,Mizushina,Y.,Epicatechin conjugated with fatty acid is a potent inhibitor of DNA polymerase and angiogenesis. Life Sciences,2007,80,1578−1585 Tanaka T.,Kusano R.,Kouno I.,Synthesis and antioxidant activity of novel amphipathic derivatives of tea polyphenol. Bioorg.Med.Chem.Lett.1998,8,1801−1806
簡易な手法で、カテキンまたはプロアントシアニジンなどの活性を保ちつつこれらの化合物を脂溶性にすることが可能な、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンの製造方法が求められていた。さらに得られた脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンが食品としても安全に用いることが可能な、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンの製造方法が求められていた。
本発明者らは、カテキンまたはプロアントシアニジンを脂溶性化する方法について種々の検討を行った。その結果驚くべきことに、カテキンやプロアントシアニジンと、天然からあるいは合成して得られた脂肪族鎖を有する化合物(アルデヒド、ケトン、アルコールなど:以下これらをまとめて「アルデヒド類」と記載する場合がある)とを反応させることにより、極めて容易に脂溶性カテキンや脂溶性プロアントシアニジンを製造できることが分かった。
本発明者らはこれらの知見に基づいてさらに鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1]カテキンまたはプロアントシアニジンと、式(I)
(式中、
は、炭化水素基を示し;
は、水素または炭化水素基を示し;
は、水素または炭化水素基を示し;
は、水酸基を示し、あるいは
およびRは、一緒になってケト基を示す)
で表される化合物(以下、化合物(I)と記載する)とを反応させることを特徴とする、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンの製造方法;
[2]混合後、さらに80℃〜120℃で加熱することを特徴とする、[1]に記載の方法;
[3]さらに酸を加えることを特徴とする、[1]または[2]に記載の方法;
[4]酸が、クエン酸である、[3]に記載の方法;
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法で製造される、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジン;
[6][1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法で製造され、疎水性基が炭素−炭素結合により結合していることを特徴とする、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジン;
などに関する。
本発明の製造方法によれば、カテキンまたはプロアントシアニジンの活性を保ちつつ、脂溶性を高めたカテキン誘導体またはプロアントシアニジン誘導体を、極めて容易に製造することができる。
本発明の製造方法により得られる脂溶性カテキンおよび脂溶性プロアントシアニジンは生体吸収性が高くなるので、本発明により生体吸収性の高いカテキンやプロアントシアニジンを低コストで提供することができる。このような脂溶性カテキンや脂溶性プロアントシアニジンは、日常生活における健康増進に極めて有用である。
また本発明の製造方法によれば、特殊な試薬や装置を使うことがないので、不純物が極めて少なく、かつ食品として適用可能性が高く、また安全性の高い脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンを製造することができる。
以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明は、カテキンまたはプロアントシアニジンと、化合物(I)とを反応させることを特徴とする、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジン(以下、これらをまとめて「脂溶性カテキン誘導体」と記載する場合がある)の製造方法を提供する。
本発明における「カテキン」とは、公知のカテキン類(例、茶カテキンなど)全てを含む。さらに本発明における「カテキン」は、上記のカテキンを自体公知の方法で誘導体化した一連のポリフェノールも含む。ここで「誘導体化」とは、例えばメチル化、エステル化、アセトン付加、酸化的二量体化など、公知のカテキン類を化学修飾することを通じて、その機能を改善することをいう。
特に茶の渋み成分である茶カテキンとしては、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどが挙げられる。また酸化的二量体化されたカテキンとしては、紅茶のテアシネンシン類やテアフラビン類が挙げられる。
また「プロアントシアニジン」とは、カテキン類がC−4位とC−8位との間で炭素−炭素結合した構造を持つ二量体〜重合体すべてを含む。さらに本発明における「プロアントシアニジン」は、上記のプロアントシアニジンを自体公知の方法で誘導体化した一連のポリフェノールも含む。ここで「誘導体化」とは、例えばメチル化、エステル化など、公知のプロアントシアニジンを化学修飾することを通じて、その機能を改善することをいう。
特に食品に含まれるプロアントシアニジンとしては、プロシアニジンB−1、プロシアニジンB−2、プロシアニジンB−3、プロシアニジンB−4、プロシアニジンC−1、プロデルフィニジンB−1、プロデルフィニジンB−2などが挙げられる。
本明細書中、「炭化水素基」としては、例えば、鎖状飽和炭化水素基(例、アルキル基など)、鎖状不飽和炭化水素基(例、アルケニル基など)、環式飽和炭化水素基(例、シクロアルキル基など)、環式不飽和炭化水素基(例、シクロアルケニル基など)等が挙げられる。
「アルキル基」としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、例えば、C3−30アルキル基(例、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、1−メチルプロピル、ペンチル、イソペンチル、1,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,2,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、3−メチルヘキシル、オクチル、1−イソプロピル−3−メチルブチル、3−メチル−1−(1−メチルエチル)ブチル、2−エチルヘキシル、デシルおよび4−プロピルペンチル、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラコサニル等)が挙げられる。
「アルケニル基」としては、直鎖状もしくは分岐鎖状であって、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の二重結合などの不飽和基を有するものが挙げられ、具体的には、C3−30アルケニル基(例、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、2,6−ジメチル−ヘプタ−1,5−ジエン−1−イル、3−フェニルプロペニル,3−(p−ヒドロキシフェニル)プロペニル,ゲラニル−ゲラニル、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデセニル、スクアレニル等)が挙げられる。
さらに当該基は、天然に存在する二重結合を有する鎖状不飽和炭化水素(例、ヘミテルペン、モノテルペン、ジテルペン、テスタテルペン、トリテルペン等)の任意の水素原子を除去して誘導される基であってもよい。
「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル(すなわち、C3−6シクロアルキル)、シクロへプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどのC3−30シクロアルキル基が挙げられる。またこれらに加えて、ステロイドなどの天然のシクロアルカン化合物の任意の水素原子を除去して誘導される基であってもよい。
「シクロアルケニル基」としては、前記したシクロアルキル基に1個以上の二重結合などの不飽和基を有するものが挙げられ、具体的には、シクロプロペニル、シクロブチリル、シクロペンチニル、シクロヘキシニル、シクロへプチニル、シクロオクチニル、ビシクロ[2.2.2]オクチニルなどのC3−30シクロアルケニル基が挙げられる。またこれらに加えて、コレステリル、オレアノイル基といった天然のシクロアルケニル化合物の任意の水素原子を除去して誘導される基であってもよい。
本発明の化合物(I)としては、α,β−不飽和アルデヒド、α,β−不飽和ケトン、分子内に不飽和結合を有するアルデヒド、分子内に不飽和結合を有するアルコールなどが挙げられ、具体的には、2−ヘキセナール、2−ノネナール、シンアムアルデヒド、フェルラアルデヒド、p−クマルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ゲラニアール、ゲラニオール、ファルネサール、ファルネソール、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデセナール、フィトール、3−ノネン−2−オンが好ましく、シトラール、シトロネラール、ゲラニオール、フィトールが特に好ましい。
本発明における、カテキンまたはプロアントシアニジンと化合物(I)との「反応」に際しては、どのような方法によってもよく、当業者であれば適宜適切な混合方法を選択することができる。例えば、カテキンまたはプロアントシアニジンを適当な溶媒に溶解させ、ここに化合物(I)を添加してもよいし、化合物(I)を適当な溶媒に溶解させ、ここにカテキンまたはプロアントシアニジンを添加してもよい。また化合物(I)自体にカテキンまたはプロアントシアニジンを加えて、無溶媒系で反応させてもよい。なお上記溶媒としては、アセトン、水、メタノール、エタノール、酢酸エチルなどが挙げられるが、特に限定されない。
また本発明の反応においては、80℃〜120℃で加熱することが好ましい。80℃〜120℃に加熱することで、カテキンまたはプロアントシアニジンと化合物(I)との反応が進行し、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンを短時間で製造することができる。一方で加熱することなく室温で静置することによっても脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンを製造することも可能である。この方法によれば、加熱装置を用いることなく低コストで脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンを製造することが可能である。
さらに本発明の反応においては、さらに酸を加えることが好ましい。酸を加えることで、カテキンまたはプロアントシアニジンと化合物(I)との反応が進行し、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンを短時間で製造することができる。
当該酸としては、当業者であれば適切な酸を適宜選択することができるが、このような酸としては、例えば、酢酸、酪酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、アスコルビン酸、塩酸、リン酸、硫酸などが挙げられるが、なかでもクエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、コハク酸が好ましく、クエン酸が最も好ましい。
本発明における「脂溶性カテキン」とは、自体公知のカテキンの活性(たとえば、抗酸化作用、コレステロール低下作用、抗菌作用など)を有しつつ、本発明の方法により脂溶性が向上した上記カテキンの全てを意味する。
また本発明における「脂溶性プロアントシアニジン」とは、自体公知のプロアントシアニジンの活性(たとえば、抗酸化作用、コレステロール低下作用、抗菌作用など)を有しつつ、本発明の方法により脂溶性が向上した上記カテキンの全てを意味する。
本発明により製造される脂溶性カテキンおよび脂溶性プロアントシアニジンは新規化合物であり、カテキンまたはプロアントシアニジンの芳香環に炭化水素基が炭素−炭素結合するという特徴を有する。芳香環に炭化水素基(疎水性基)が結合することで、カテキンおよびプロアントシアニジンは疎水性(脂溶性)を獲得する。すなわち本発明は、上記本発明の方法で製造した脂溶性カテキンおよび脂溶性プロアントシアニジンであって、カテキンの芳香環に炭化水素基が炭素−炭素結合するという特徴を有する脂溶性カテキンおよび脂溶性プロアントシアニジンを提供するものである。ここで炭化水素基としては、化合物(I)の基として示した炭化水素基が挙げられる。炭化水素基として好ましくは、アルキル基である。
本発明により製造される脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンとしては、具体的には、
8−〔6−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−4−プロピル−7,9−ジヒドロキシ−2H,8H−ピラ〔2,3−h〕〔1〕ベンゾピラン−2−イル〕−(+)−カテキン、
8,7−O−〔(1S,3S,4R)−8−ヒドロキシメンタン−1(7−O),3(8)−ジイル〕−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート、
8,7−O−〔(1R,3R,4S)−8−ヒドロキシメンタン−1(7−O),3(8)−ジイル〕−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート、
6,5−O−〔8−ヒドロキシメンタン−1(5−O),3(6)−ジイル〕−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート、
8−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−8,9−ジヒドロ−2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)−9−(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−2H,10H−ピラ〔2,3−h〕〔1〕ベンゾピラン、
6,5−O−8,7−O−ビスメンタン−3(6,8),8(5−O,7−O)−ジイル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート、
8−ゲラニル−(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート、
(−)−エピガロカテキン−3−O−(2−ゲラニル−3,4,5−トリヒドロキシ)ベンゾエート
などが挙げられる。
本発明の反応を、茶カテキンの有効成分の一つである(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレートを例にして説明する。
(式中、Rは、飽和または不飽和の炭化水素基であり、R’は、水素あるいは飽和または不飽和の炭化水素基であり、R’’は、水素あるいは水酸基である。)
上記式は、(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(上記化学式(I)の化合物)のA環8位、A環6位またはガロイル基の炭素が、アルデヒド、ケトン(上記化学式(II)の化合物)またはアルコール(上記化学式(III)の化合物)から生じたカルボカチオン(上記化学式(IV)の化合物)と炭素−炭素結合を新たに形成する反応を示す。
なお、Rで示す炭化水素基が不飽和である場合(具体的には、炭化水素基中に二重結合が存在する場合)、A環のフェノール性水酸基あるいは反応の過程で生成する新たなカルボカチオンがその二重結合と反応して、さまざまな構造の誘導体を生成させる。このような反応としては、例えば以下の反応が挙げられるが、これに限定されない。
さらにRで示す炭化水素基が不飽和である場合(具体的には、炭化水素基中に二重結合が存在する場合)、以下の様に反応の過程で生成する新たな二重結合やカルボカチオンに別のカテキン分子が結合することもある。
この反応によっても、様々な脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンを製造しうる。なお上記の反応は本発明の脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンの製造例の一例であって、これらに限定されるものではない。
本発明の脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンは、従来のカテキンまたはプロアントシアニジンよりも生体吸収性が高いと考えられるため、健康食品や特定保健用食品の有効成分として極めて有用である。
次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
実施例1:(+)−カテキンとトランス−2−ヘキセナールとの反応によるカテキン誘導体(化合物1)の製造
(+)−カテキン2.1gとトランス−2−ヘキセナール4.0gを10mlのアセトンに溶かし均一に混合した。ロータリーエバポレータでアセトンを留去した後、室温で1週間放置した。反応混合物をエタノールで置換したSephadex LH−20カラム(内径3cm、長さ15cm)に付し、エタノール、90%エタノール、80%エタノール、70%エタノールで順次溶出し、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(以下TLC)(展開溶媒、クロロホルム−メタノール−水、80:20:1,v/v)で確認しながらフラクション(以下、「Fr.」と記載する)1〜6を順に分画した。
そのうちTLC上でほぼ単一のスポットが観察されたFr.3(636mg)を、50%メタノールで置換したクロマトレックスODSカラム(内径3cm,高さ30cm)に付し、50%、55%、60%、65%、80%メタノールで順次溶出して、黄褐色の粉末として化合物1を115mg単離した。化合物1の物理恒数は以下の通りであった。
[α] 29 −59.4°(c=0.1,MeOH),
IR(dry film)νmaxcm−1:3389,1692,1616,1449,
UV(MeOH)λmaxnm(ε):280(7280),
MALDI−TOF−MS m/z:683[M+Na],699[M+K]
Anal.Calcd for C363612・9/4HO:C,61.67;H,5.82.Found:C,61.73;H,5.76.
H−NMR(500MHz,acetone−d)δ:0.42(3H,t,J=7.3,Ha−6”),0.69(3H,t,J=7.3,Hb−6”),0.98(1H,m,Ha−5”),1.06(1H,m,Ha−5”),1.16(1H,m,Hb−5”),1.18(1H,m,Ha−4”),1.29(1H,m,Hb−5”),1.31(1H,m,Hb−4”),1.55(1H,m,Ha−4”),1.72(1H,m,Hb−4”),1.93(2H,m,H−2”),2.56(2H,m,Ha−4,Hb−4),2.78(1H,m,Hb−3”),2.80(1H,m,Ha−3”),2.94(2H,m,Ha−4’,Hb−4’),3.92(2H,m,Ha−3,Hb−3),4.00(2H,m,Ha−3’,Hb−3’),4.55(1H,d,J=8.24,H−2),4.55(1H,d,J=8.24,H−2),4.59(1H,d,J=7.8,H−2),4.63(1H,d,J=7.8,H−2),5.50(1H,dd,J=2.52,11.7,H−1”),5.53(1H,dd,J=2.52,11.7,H−1”),6.03(2H,s,H−6,H−6’),6.76(4H,m,B−ring H−5,5’,6,6’),6.90(2H,m,B−ring H−2,2’),7.64(1H,s,OH−7),7.72(1H,s,OH−7),7.89(4H,m,B−ring OH−3,3’4,4’),8.33(1H,s,OH−5’),8.34(1H,s,OH−5’),8.40(1H,s,OH−5),8.40(1H,s,OH−5).
13C−NMR(500MHz,acetone−d)δ:13.95(Ca−6”),14,24(Cb−6”),20.88(Ca−5”),21.20(Cb−5”),28.80(Ca−4,Cb−4),28.91(Ca−4’,Cb−4’),30.04(Cb−3”),30.20(Ca−3”),31.11(Ca−2”),31.47(Cb−2”),37.57(Ca−4”),38.02(Cb−4”),67.84,67.91(Ca−3’,Cb−3’),68.32,68.55(Ca−3,Cb−3),70.55,71.46(Ca−1”,Cb−1”),82.31,83.00(C−2,C−2’),95.89,96.06,96.92,97.02(Ca−6,Cb−6,Ca−6’,Cb−6’),101.00,101.01,102.27,102.70(Ca−4,Ca−4’,Cb−4,Cb−4),105.12,105.48(C−8,C−8),107.39,107.67(C−8a,C−8a’),114.89,115.170,115.24(B−ring C−2,2’),115.24,115.51,115.59,115.61(B−ring C−5,5’),119.62,119.66,119.86,119.89(B−ring C−6,6’),131.64,131.75,131.99,132.12(B−ring C−1,1’),145.68,145.52,145.54,145.55,145.58,145.65(galloyl C−3,3’,4,4’),153.06,153.16(Ca−8a’,Cb−8a’),153.30(C−8a),153.91,153.92(Ca−5’,Cb−5’),155.86,156.04(C−7,C−7’),156.35(C−5).
実施例2:(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレートとシトラールとの反応によるカテキン誘導体(化合物2〜5)の製造
(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート2.0gとシトラール4.1gを10mlのアセトンで溶かし均一に混合した。ロータリーエバポレータでアセトンを除去した後、100℃のオイルバス上で24時間加熱した。反応物は実施例1と同様のSephadex LH−20カラム(内径3cm、高さ15cm)を用いてFr.1〜3に分画した。Fr.1はシトラールであった。
Fr.2は実施例1と同様にクロマトレックスODSカラム(内径3cm,高さ30cm)で分離して、化合物2(52.2mg)を得た。
Fr.3も同様にクロマトレックスODSカラム(内径3cm,高さ30cm)で分離して、化合物3(70.5mg),化合物4(68.4mg),化合物5(30.6mg)をそれぞれ得た。化合物2〜5の物理恒数は下記の通りであった。
化合物2:赤褐色の粉末。
[α] 29 −248.31°(c=0.1,MeOH).
IR(dry film)νmaxcm−1:3390,1694,1615,1537,1448.
UV(MeOH)λmaxnm(ε):276(10050).
MALDI−TOF−MS m/z:633[M+Na],649[M+K]
Anal.Calcd for C323412・2HO:C,59.44;H,5.92.Found:C,59.58;H,6.12.
H−NMR(500MHz,acetone−d)δ:0.85(3H,s,H−9’),0.95(3H,s,H−8’),1.29(1H,m,H−5b’),1.29(3H,s,H−10’),1.52(1H,brd,J=14.9,H−5a’),1.58(1H,dd,J=4.8,12.3,H−4b’),1.65(1H,brd,J=12.6,H−6’),1.73(1H,dt,J=3.0,12.8,H−2b’),1.90(2H,brd,J=12.8,H−2a’,H−4a’),2.95(1H,dd,J=2.2,17.3,H−4b),3.09(1H,m,H−4a,overlapped),3.43(1H,brs,OH−7’),3.64(1H,brd,J=2.3,H−1’),5.15(1H,brs,H−2),5.485(1H,brs,H−3),6.01(1H,s,H−6),6.67(2H,s,B−ringH−2,6),7.02(2H,s,galloyl H−2,6),8.36(1H,brs,OH−5).
13C−NMR(500MHz,acetone−d)δ:22.32(C−5’),25.73(C−9’),26.53(C−4),27.38(C−1’),28.97(C−8’,10’),39.41(C−2’),40.92(C−4’),54.69(C−6’),69.38(C−3),72.10(C−7’),75.00(C−3’),78.50(C−2),96.27(C−6),98.67(C−4a),104.24(C−8),106.68(B−ring C−2,6),110.00(galloyl C−2,6),121.66(galloyl C−1),129.92(B−ring C−1),133.34(B−ring C−4),138.72(galloyl C−4),145.82(galloyl C−3,5),146.29(B−ring C−3,5),152.32(C−8a),155.62(C−5),156.90(C−7),165.96(ester carbonyl).
化合物3:赤褐色の粉末。
[α]D29 −135.69°(c=0.1,MeOH).
IR(dry film)νmaxcm−1:3405,1693,1618,1537,1449.
UV(MeOH)λmaxnm(ε):276(9450).
MALDI−TOF−MS m/z:633[M+Na],649[M+K]
Anal.Calcd for C323412・2HO:C,58.62;H,6.00.Found:C,58.63;H,6.19.
H−NMR(500MHz,acetone−d)δ:1.05(3H,s,H−8’),1.21(3H,s,H−9’),1.27(3H,s,H−10’),1.53(2H,d,J=12.8,H−4’),1.60(1H,d,J=2.52,H−2’),1.60(1H,t,J=3.0,H−5’),1.71(1H,dd,J=3.0,15.1,H−6’),1.86(1H,dd,J=3.0,15.1,H−5’),1.91(1H,m,H−2’),2.95(1H,brd,J=18,H−4),3.10(1H,dd,J=5.3,18.0,H−4),3.51(1H,d,J=2.5,H−1’),4.99(1H,brs,H−2),5.51(1H,d,J=5.3,H−3),6.05(1H,s,H−6),6.71(2H,s,B−ring H−2,6),7.15(2H,s,galloyl H−2,6).
13C−NMR(500MHz,acetone−d)δ:22.464(C−4’),25.93(C−8’),27.30(C−1’),27.74(C−4),28.88(C−10’),29.89(C−9’ overlapped acetone),39.31(C−2’),40.75(C−5’),54.12(C−6’),69.24(C−3),73.42(C−7’),74.96(C−3’),80.41(C−2),96.60(C−6),99.54(C−4a),104.70(C−8),107.55(B−ring C−2,6),110.21(galloyl C−2,6),121.59(galloyl C−1),129.26(B−ring C−1),133.80(B−ring C−4),138.85(galloyl C−4),145.84(galloyl C−3,5),146.26(B−ring C−3,5),153.03(C−8a),155.69(C−5),156.89(C−7),166.42(ester carbonyl).
化合物4:黄褐色の粉末。
[α]D29 −79.18°(c=0.1,MeOH).
IR(dry film)νmaxcm−1:3409,1692,1618,1536,1448.
UV(MeOH)λmaxnm(ε):276(9880).
MALDI−TOF−MS m/z:633[M+Na],649[M+K]
Anal.Calcd for C323412・3/2HO:C,60.28;H,5.85.Found:C,60.20;H,5.94.
H−NMR(500MHz,acetone−d)δ:1.00(3H,s,H−8’),1.28(3H,s,H−10’),1.394(2H,m,H−4’),1.44(3H,s,H−9’),1.87(2H,d,J=1.6,13.0,H−2’),2.00(1H,m,H−6’),2.09(2H,m,H−5’),2.77(1H,t,J=1.6,H−1’),2.98(2H,d,J=3.4,H−4),5.03(1H,brs,H−2),5.51(1H,dd,J=1.4,3.4,H−3),6.07(1H,s,H−8),6.63(2H,s,B−ring H−3,5),6.98(2H,s,galloyl H−3,5).
13C−NMR(500MHz,acetone−d)δ:23.96(C−9’),26.21(C−4),28.91(C−1’),29.15(C−10’,overlapped acetone),29.89(C−8’,overlapped acetone),30.55(C−5’),35.71(C−1’),38.01(C−4’),47.23(C−6),69.05(C−3),74.48(C−3’),78.17(C−2),84.09(C−7’),98.70(C−8),101.11(C−4a),106.63(B−ring C−2,6),109.82(galloyl C−2,6),110.00(C−6),121.91(galloyl C−1),130.69(B−ring C−1),133.04(B−ring C−4),138.63(galloyl C−4),145.83(galloyl C−3,5),146.17(B−ring C−3,5),155.09(C−8a),155.82(C−5),155.96(C−7),166.11(ester carbonyl).
化合物5:黄褐色の粉末。
[α]D29 +52.17°(c=0.1,MeOH).
IR(dry film)
νmaxcm−1:3389,1692,1614,1536,1446.
UV(MeOH)λmaxnm(ε):281(13170).
MALDI−TOF−MS m/z:615[M+Na]
Anal.Calcd for C323211・5/2HO:C,60.28;H,5.85.Found:C,60.25;H,5.96.
H−NMR(500MHz,acetone−d)δ:1.30(3H,s,H−4’),1.57(3H,d,J=0.7,H−9’),1.63(3H,d,J=0.7,H−10’),1.67(2H,t,J=8.2,H−5’),2.1(2H,t,J=8.2,H−6’),2.87(1H,dd,J=2.2,17.4,H−4),3.02(1H,dd,J=4.8,17.4,H−4),5.05(1H,s,H−2),5.11(1H,m,H−7’),5.41(1H,d,J=10,H−2’),5.54(1H,m,H−3’),6.07(1H,s,H−8),6.59(1H,s,B−ring H−2,6),6.63(1H,d,J=10,H−1’),7.01(2H,s,galloyl H−2,6).
13C−NMR(500MHz,acetone−d6)δ:17.59(C−9’),23.35(C−6’),25.76(C−10’),26.31(C−4),26.45(C−4’),41.65(C−5’),69.01(C−3),78.18(C−2),79.05(C−3’),96.03(C−8’),99.77(C−4a),103.86(C−6),106.63(B−ring C−2,6),109.87(galloyl C−2,6),118.25(C−1’),121.65(galloyl C−5),124.85(C−2’),125.08(C−7’),130.38(B−ring C−1),131.80(C−8’),133.10(B−ring C−4),138.73(galloyl C−4),145.82(galloyl C−3,5),146.17(B−ring C−3,5),152.82(C−7),153.17(C−5),156.40(C−8a),165.95(ester carbonyl).
実施例3:(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレートとシトロネラールとの反応によるカテキン誘導体(化合物6〜7)の製造
(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート2.0gとシトロネラール4.0gを10mlのアセトンで溶かし均一に混合した。アセトンを留去した後、80℃の湯浴上で5時間加熱した。その反応物を実施例1と同様にSephadex LH−20カラム(内径3cm、高さ15cm)でFr.1〜4に分画した。そのうちFr.2をさらにクロマトレックスODSカラムによって分離精製し、TLC上で単一スポットとして検出される化合物6(377mg)を赤褐色粉末として分離した。化合物6は赤褐色の粉末として得られ、MALDI−TOF−MSでm/z=753に[M+Na]のピークを示し、元素分析は次の通りであった。Anal.Calcd for C425011・3/2HO:C,66.56;H,7.05.Found:C,66.59;H,7.03の結果を合わせて考えると、エピガロカテキン−3−O−ガレート1分子とシトロネラール2分子が結合している化合物であることが分かった。赤外吸収スペクトルの結果は、IR(dry film)νmaxcm−1:3401,2921,2865,1693,1608,1536,1453であり、予想と矛盾しなかった。しかし化合物6は分離困難な異性体の混合物であり、通常のスペクトル解析では構造を解明することができなかった。そこでフロログルシノールとシトロネラールの反応で得られる化合物7との13C−NMRスペクトルの比較により構造を検討した。
化合物7は、次の通り合成した。シトロネラール0.4gとフロログルシノール2gをナスフラスコに入れ、MeOHで溶かした後で溶媒を除去した。混合物は80℃の湯浴上で5時間加熱した。反応生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(内径4.3cm、高さ30cm)に付し、2%、4%、6%、8%、10%メタノールを含むクロロホルムで順次溶出して化合物7(210mg)を白色粉末として得た。化合物7の物理恒数は次の通りであった。
MALDI−TOF−MS m/z:263[M+H],285[M+Na]
H−NMR(500MHz,acetone−d)δ:0.62(1H,ddd,J=11.5,11.5,11.5,H−2’),0.90(3H,d,J=6.6,H−10’),1.01(3H,s,H−9’),1.08(1H,m,H−4’),1.11(1H,m,H−5’),1.28(3H,s,H−8’),1.34(1H,m,H−6’),1.57(1H,m,H−3’),1.81(1H,m,H−4’),1.82(1H,m,H−5’),2.37(1H,dt,J=2.75,11.5,H−1’),3.19(1H,br d,J=11.5,H−2’),5.76(1H,d,J=2.5,H−5),5.92(1H,d,J=2.5,H−3),7.94(1H,s,4−OH),8.17(1H,s,2−OH).
13C−NMR(500MHz,acetone−d)δ:19.20(C−9’),22.96(C−10’),28.03(C−8’),28.65(C−5’),33.42(C−3’),36.15(C−1’),36.33(C−4’),40.04(C−2’),50.25(C−6’),77.00(C−7’),96.35(C−5),96.56(C−3),105.19(C−1),156.43(C−6),157.44(C−4),158.08(C−2)
このスペクトルデータに加え,二次元NMRスペクトルの解析により、化合物7の構造を決定した。化合物7の13C−NMRスペクトルは、カテキンのB環、C環およびガロイル基由来のシグナルが認められないことを除いて、化合物6のものと非常に良く類似していた。
このことから化合物6の構造を結論づけた。化合物6はA環に結合したモノテルペンユニット中に複数存在するメチン炭素の配置が異なる異性体の混合物である。
実施例4:(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCg)と天然由来の各種アルデヒドとの反応
(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCg)と天然由来の各種アルデヒド類との反応を、上記した反応と同様の条件で検討した。
各種アルデヒドとして用いた化合物及び混合物は、ペリルアルデヒド、シトロネラール、trans−2−ヘキセナール、シトラール、シンナムアルデヒド、2−ノネナール、3−ノネン−2−オン、アクロレイン(対照)、クマリン(対照)およびロガニン(対照)である。
エピガロカテキン−3−O−ガレート 2mgをサンプル管にとり、5μlの各種アルデヒドをそれぞれ加えて、アセトンで溶かし混合した。クマリンとロガニンについては、固体であるため4mgを量りとって用いた。その後各サンプルについて、窒素気流中でアセトンを留去してからサンプル管を密閉し、3日間室温で静置した後、反応の進行の有無(カテキン誘導体合成の有無)をTLC及びHPLCで確認した。
その後、サンプル管を80℃のオイルバスで5時間加熱した。各サンプルに対して再度TLC及びHPLCを実施し、反応が進行しているかをTLC及びHPLCで改めて確認した。その結果、アクロレイン、クマリン、ロガニンを除くすべてのアルデヒド類を用いた場合、室温で静置しただけでEGCgとの反応生成物が検出され、また加熱により当該反応生成物が増加することが観察された。室温反応後の順相TLCを図1に示す。図1中、レーンEはEGCgを示す。また図1中のレーン1〜10はEGCgと各種アルデヒドとの反応生成物をそれぞれ示すが、用いた各種アルデヒドとしては、レーン1はペリルアルデヒドであり、レーン2はシトロネラールであり、レーン3はtrans−2−ヘキセナールであり、レーン4はシトラールであり、レーン5はシンナムアルデヒドであり、レーン6は2−ノネナールであり、レーン7は3−ノネン−2−オンであり、レーン8はアクロレインであり、レーン9はクマリンであり、レーン10はロガニンである。
図1で示されるように、EGCgより上に極性の低い誘導体が生成していることが確認できた。
実施例5:反応生成物の水−オクタノール分配
反応生成物の水−オクタノール分配について検討した。2mlのエッペンドルフチューブにエピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCg)1mgと各種アルデヒド類(ペリルアルデヒド、シトロネラール、trans−2−ヘキセナール、シトラール、シンナムアルデヒド、2−ノネナール、3−ノネン−2−オンおよびレモングラスオイル)をそれぞれ5μl加え、アセトンで溶解した。窒素気流下で溶媒を除去後、それぞれを湯浴で80℃5時間加熱した。反応混合物に20mMリン酸緩衝液(pH=7.5)とn−オクタノールを750μlずつ加えて25℃で激しく攪拌し、遠心分離し分配した後、水層100μlを取り出し、水で1mlに希釈して紫外可視吸収スペクトルを測定した。オクタノール層は、100μlをEtOHで希釈し1mlにして同様に測定した。測定波長はエピガロカテキン−3−O−ガレートの吸収極大波長である280nmとした。3回測定した平均値をもとにしてオクタノールの吸光度/水層の吸光度を求めた。結果を表1に示す。
各種アルデヒド類との反応によって、エピガロカテキンガレートの脂溶性が向上したことが示された。
この実験に加えて、反応生成物の順相薄層クロマトグラフィー上での移動度がエピガロカテキン−3−O−ガレートに比べて大きいことや、逆相高速液体クロマトグラフィーでの溶出がエピガロカテキン−3−O−ガレートに比べて大きく遅れることも分かった。これらの事実からも、本発明の反応によってエピガロカテキンガレートの疎水性が向上したことが示された。
実施例6:酸性条件下での反応
2mlエッペンドルフチューブにアセトンで溶かしたエピガロカテキン−3−O−ガレート1mgと、各種アルデヒド類(シトラール、シトロネラール、3−ノネン−2−オン、またはゲラニオール)をそれぞれ15μl加えた。これらをそれぞれ2組用意し、一組にはクエン酸1mgを加えてから軽く振り混ぜ、溶媒を除去したのちに100℃で5時間加熱した。残りの一組はクエン酸を加えずに同様に処理した。エピガロカテキン−3−O−ガレート1mgとクエン酸1mgとの混合物も同様に処理してコントロールとした。
反応混合物をメタノールに溶解し、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール−水、80:20:1、v/v、発色:塩化鉄(III)試薬)で分析した結果を図2に示す。図2中、レーン1〜4はクエン酸を加えずに反応させたものを示し、1がシトラール、2がシトロネラール、3が3−ノネン−2−オン、4がゲラニオールとの反応を示す。一方レーン1c〜4cはクエン酸を加えたもので、1cがシトラール、2cがシトロネラール、3cが3−ノネン−2−オン、4cがゲラニオールとの反応である。エピガロカテキン−3−O−ガレートとクエン酸を混合して加熱したものもTLCの中央にEcとして示している。
いずれの化合物との反応でもクエン酸を加えることで反応が速く進行することが分かった。エピガロカテキン−3−O−ガレートとゲラニオールでは室温ではクエン酸が共存しない場合ほとんど反応が進行しないが、クエン酸共存下で加熱すると極性の低い化合物の生成が確認された。
実施例7:(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレートとゲラニオールとの反応によるカテキン誘導体(化合物8、9)の製造
(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート2.0gにゲラニオール4.0g、クエン酸0.5gを加え、これらを少量のアセトンに溶かし、窒素気流を吹き付けてアセトンをできるだけ留去した。次いでオイルバスで100℃、5時間還流した。生成物はSephadex LH−20カラム(内径3cm、高さ25cm、溶媒エタノール)を用いてFr.1〜5に分画した。さらにFr.3を下クロマトレックスODSカラム(50%、60%、70%、80%、90%、100%MeOH)によって分離精製した。その結果化合物8と9をそれぞれ39.3mgと16.5mg単離した。化合物8および9の物理恒数はそれぞれ次の通りであった。
化合物8:褐色の粉末。
MALDI−TOF−MS m/z:617[M+Na]
Anal.Calcd for C323411・2HO:C,60.95;H,6.07.Found:C,60.95;H,6.09.
H−NMR(500MHz,acetone−d)δ:1.52(3H,brd,J=0.92,H−9’),1.58(3H,brd,J=1.2,H−10’),1.68(3H,brd,J=1.2,H−4’),1.86(2H,t,J=7.2,H−5’),1.99(2H,m,H−6’),2.89(1H,dd,J=2.5,17.6,H−4),3.03(1H,dd,J=4.8,17.6,H−4),3.56(1H,dd,J=6.0,14.0,H−1’),3.64(1H,dd,J=7.6,14.0,H−1’),5.05(1H,m,H−2,overlapped),5.05(1H,m,H−7’,overlapped),5.12(1H,dt,J=1.2,6.0,H−2’),5.55(1H,m,H−3),5.98(1H,d,J=2.3,H−8),6.04(1H,d,J=2.3,H−6),6.60(2H,brs,B−ring H−2,6),6.93(1H,brs,galloyl H−6).
13C−NMR(500MHz,acetone−d)δ: 16.32(C−4’),17.65(C−9’),29.49(C−1’),23.62(C−1’),25.52(C−10’),26.50(C−4),27.42(C−6’),40.49(C−5’),68.98(C−3),77.89(C−2),95.73(C−8),96.34(C−6),99.08(C−4a),106.65(B−ring C−2,6),110.41(galloyl C−6),121.11(galloyl C−1),124.06(galloyl C−2),124.89(C−2’),125.29(C−7’),130.58(B−ring C−1),131.81(C−8’),133.05(B−ring C−4),134.26(C−3’),137.38(galloyl C−4),142.79(galloyl C−5),144.75(galloyl C−3),146.12(B−ring C−3,5),156.94(C−8a),157.36(C−5),157.6(C−7),167.02(galloyl carbonyl).
化合物9:褐色の粉末。
MALDI−TOF−MS m/z:617[M+Na]
Anal.Calcd for C323411・2HO:C,60.95;H,6.07.Found:C,61.03;H,6.10.
H−NMR(500MHz,acetone−d)δ:1.53(3H,brd,J=0.9,H−9’),1.59(3H,brd,J=1.1,H−10’),1.70(3H,brd,J=1.1,H−4’),1.94(2H,m,H−5’),2.00(2H,m,H−6’),2.90(1H,dd,J=2.1,15.0,H−4a),3.02(1H,m,H−4b),3.32(1H,dd,J=6.5,14.0,H−1a’),3.42(1H,dd,J=7.6,14.0,H−1b’),5.07(1H,m,H−2,overlapped),5.07(1H,m,H−7’,overlapped),5.34(1H,m,H−2’),5.54(1H,m,H−3),6.10(1H,s,H−6),6.66(2H,brs,B−ring H−2,6),7.01(1H,brs,galloyl H−2,6).
13C−NMR(500MHz,acetone−d)δ:16.28(C−4’),17.66(C−9’),22.54(C−1’),25.77(C−10’),26.70(C−4),27.46(C−6’),40.48(C−5’),69.20(C−3),77.87(C−2),96.16(C−6),98.89(C−4a),106.54(B−ring C−2,6),107.76(C−8),109.95(galloyl C−6),121.81(galloyl C−1),124.91(C−2’),125.33(C−7’),130.92(B−ring C−1),131.33(C−8’),132.92(B−ring C−4),134.13(C−3’),138.67(galloyl C−4),145.81(galloyl C−3,5),146.19(B−ring C−3,5),154.37(C−8a),154.54(C−5),154.77(C−7),166.10(galloyl carbonyl).
実施例8:カテキン誘導体のラジカル消去能(抗酸化作用)の測定(1)
(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレートと各種アルデヒド類との反応生成物について、水とトリグリセライド分配後のオクタノール層のジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカル消去活性を比較した。トリグリセライドとしては構成脂肪酸の85%をオレイン酸が占めるツバキ油を用いた。
(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート2mgを2mlエッペンドルフチューブにとり、5μlの各種アルデヒド及び関連化合物を加え、さらにアセトン0.1mlに溶かして均一にした後、アセトンを窒素気流下で除去した。各反応は、室温で3日間静置するか、または80℃の水浴上で5時間加熱する2つの条件下でそれぞれ行った。反応後、各チューブに20mMリン酸緩衝液(pH7.5)0.75mlとツバキ油0.75mlとを加えてよく攪拌し、次いで遠心分離した。得られた油層20μlに、980μlのn−オクタノールを加えて希釈し、そのうち100μlを用いてDPPHラジカル消去活性試験を行った。
DPPH溶液としては、DPPHを1.5mg正確に量りとり、その試料に19mlのエタノールを加えて溶解させ、完全に溶けた状態のものを使用した。活性試験には96穴マイクロプレートを用いた。なおn−オクタノール980μlとツバキ油20μlの混合物にエタノール50μlを加えたものをブランクとした。さらに、ブランクのエタノールの代わりにDPPH溶液50μlを加えたものをコントロールとした。被験試料溶液を、それぞれ25、50、75または100μlずつマイクロプレートに入れ、そこにDPPH溶液を50μl加え、次いで25℃で30分攪拌してからマイクロプレートリーダーを用いて490nmにおける吸光度を測定した。コントロールの吸光度と比べて測定溶液の吸光度が何%下がったかによって試料のDPPH消去能を算出した。なおすべての測定は3回重複で行い、それらの平均値を消去活性とした。表2に油層100μlを用いた場合の消去活性を示す。
水とトリグリセライドで分配したとき、エピガロカテキン−3−O−ガレートはほとんど油層に移行しないため油層のラジカル消去活性は低いが、エピガロカテキン−3−O−ガレートと各種アルデヒド類との反応生成物は油層に移行できるようになっていた。
また表2で示されるように、これらの反応生成物はDPPH消去活性を示すことが分かった。特に室温での反応生成物、加熱して得られる反応生成物共に活性が強かったのはシトラールとレモングラスオイルを用いた場合であり、レモングラスの精油成分のほとんどがシトラールであることから、シトラールとエピガロカテキン−3−O−ガレートとが反応して生成した化合物は、エピガロカテキン−3−O−ガレートよりも油に溶けやすい性質を持っていることが分かった。エピガロカテキン−3−O−ガレート自体は、加熱した場合であっても油層において著しいDPPH活性を示さなかったことから、改めて油層には溶けにくいことが分かった。
実施例9:カテキン誘導体のラジカル消去能(抗酸化作用)の測定(2)
(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレートと、実施例2および3で得られた化合物2〜6とをそれぞれ2mgずつエッペンドルフチューブに取り、いったんアセトンに溶解した後、窒素気流下で溶媒留去した。それぞれのチューブにpH7.5の20mMリン酸緩衝液0.75mlとツバキ油0.75mlを加えてよく攪拌した後、遠心分離した。油層は実施例5と同様の操作でDPPH消去活性を比較した。結果を表3に示す。
表3で示されるように、エピガロカテキン−3−O−ガレートとシトラールまたはシトロネラールとの反応により得られた化合物のうち、化合物4と5が特に強いDPPH消去活性を示した。このことからシトラールがA環の6位に結合したカテキン誘導体が、A環の8位にシトラールが結合したカテキン誘導体よりもDPPH消去活性が強いことが示唆された。
本発明の製造方法によれば、カテキンまたはプロアントシアニジンの活性を保ちつつ、脂溶性を高めたカテキン誘導体またはプロアントシアニジン誘導体を、極めて容易に製造することができる。
(−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCg)と天然由来の各種アルデヒドとを混合した各サンプルを、薄層クロマトグラフィーに付した結果を示す図である。 (−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCg)と天然由来の各種アルデヒドとを混合した各サンプルを、酸性条件下で薄層クロマトグラフィーに付した結果を示す図である。

Claims (5)

  1. カテキンまたはプロアントシアニジンと、式(I)

    (式中、
    は、炭化水素基を示し;
    は、水素または炭化水素基を示し;
    は、水素または炭化水素基を示し;
    は、水酸基を示し、あるいは
    およびRは、一緒になってケト基を示す)
    で表される化合物とを反応させることを特徴とする、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジンの製造方法。
  2. 混合後、さらに80℃〜120℃で加熱することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. さらに酸を加えることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 酸が、クエン酸である、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法で製造される、脂溶性カテキンまたは脂溶性プロアントシアニジン。
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