JP2002255810A - 新規抗菌剤、新規カテキン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

新規抗菌剤、新規カテキン誘導体およびその製造方法

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JP2002255810A
JP2002255810A JP2001052945A JP2001052945A JP2002255810A JP 2002255810 A JP2002255810 A JP 2002255810A JP 2001052945 A JP2001052945 A JP 2001052945A JP 2001052945 A JP2001052945 A JP 2001052945A JP 2002255810 A JP2002255810 A JP 2002255810A
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catechin
hydrogen atom
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Hiroshi Hojo
寛 北條
Fumio Nanjo
文雄 南条
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TOKYO FOOD TECHNO KK
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TOKYO FOOD TECHNO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然に存在するカテキン類と比較して、細
菌、かび、酵母などに対して格段に優れた抗菌作用を有
する新規抗菌剤、新規カテキン誘導体およびその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 式(I)で表されるカテキン誘導体また
はその塩を有効成分とする抗菌剤。 【化1】 [式中、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、−C
H(SCH)Rを示す。但し、双方が水素原子であ
ることはない。Rは水素原子、置換されてもよいアル
キル基、アシル基を示す。R、R、Rはそれぞれ
独立して、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシロキ
シ基を表す。Rは置換されていてもよいアルキル基を
示す。R、Rはそれぞれ独立して水素原子、置換さ
れてもよいアルキル基、アシル基を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細菌、かび、酵母
などに対して優れた抗菌作用を有する新規抗菌剤、新規
カテキン誘導体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】茶の葉や茎などに存在し、以下の化学式
で表される天然のカテキン類は、グラム陰性細菌(特開
昭61−106510号公報)、食中毒菌(特開平2−
276562号公報)、植物病原細菌(特開平2−11
7608号公報)、抗生物質耐性ブドウ球菌(特開平3
−246227号公報)などに対し抗菌作用を有するこ
とが知られているが、その抗菌活性は十分満足できるも
のではない。また、上記のカテキン類は、かびや酵母な
どの真菌に対してはほとんど効果を示さない。
【0003】
【化5】 [式中、Rは水素原子または水酸基、Rは水素原子
または以下の式で表わされるガロイル基を示す。]
【0004】
【化6】
【0005】ところで、天然のカテキン類から誘導体を
合成する試みは、多種多様の目的でこれまでに数多くな
されている。例えば、米国特許第4,760,088号
には、以下の化学式で表される(−)−エピカテキンア
ルキルスルフィドが示され、これらは細菌やかびに対し
て抗菌性を有することが記載されている。
【0006】
【化7】 [式中、Rは−(CHCH、−(CH
、−(CHCH、−(CH11
、−(CH15CHのいずれかを示す。]
【0007】これらの化合物は、樹皮などより得られる
カテキン類の重合物(縮合タンニン)を、アルキルチオ
ールを用いてチオール分解することにより合成される。
【0008】Bioorg.Med.Chem.Let
t.,8(1998),1801−1806には、
(−)−エピガロカテキンガレートをホルムアルデヒド
および各種チオール(thiol)と反応させ、以下の
化学式で表されるカテキン誘導体を合成する方法が記載
されている。
【0009】
【化8】 [式中、Rは−C17、−CH、−CH
CH=CH、−CH COCH、−C16
33、−C1837のいずれかを示す。]
【0010】これらの化合物の構造的特徴は、(−)−
エピガロカテキンガレートの6位および8位にホルムア
ルデヒドが結合し、さらにそのホルムアルデヒドに由来
する炭素に、各種チオールがスルフィド結合しているこ
とである。
【0011】上記の文献において、これらの化合物を合
成した目的は、カテキン類に置換基を付与することで疎
水性を持たせ、疎水性環境でも有効な抗酸化剤を得るこ
とである。上記の文献には、これらの化合物の内、数種
類については有効な抗酸化活性を有することが報告され
ているが、細菌、かび、酵母などに対する抗菌作用につ
いては全く記載されておらず、そのことを示唆する記載
もない。
【0012】また、これらの化合物を合成する際に使用
されるホルムアルデヒドは、発癌性が指摘されているな
ど、毒性が極めて高いので、これらの化合物を抗酸化剤
として医薬品や食品に適用する際には、生成物からホル
ムアルデヒドを完全に除く必要がある。従って、カテキ
ン誘導体においては、ホルムアルデヒドを試薬として使
用することなく合成することができるものが望まれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、天然
に存在するカテキン類と比較して、細菌、かび、酵母な
どに対して格段に優れた抗菌作用を有する新規抗菌剤、
新規カテキン誘導体およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために各種カテキン誘導体を合成し、その抗
菌作用を調べたところ、細菌はもとより、かびや酵母な
どの真菌に対しても顕著な抗菌作用を有する新規カテキ
ン誘導体を見出した。本発明はこれらの知見を基に完成
されたものであり、本発明の抗菌剤は、請求項1記載の
通り、式(I)で表されるカテキン誘導体またはその塩
を有効成分とするものである。
【0015】
【化9】 [式中、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、−C
H(SCH)Rを示す。但し、双方が水素原子であ
ることはない。Rは水素原子、置換されてもよいアル
キル基、アシル基を示す。R、R、Rはそれぞれ
独立して、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシロキ
シ基を表す。Rは置換されていてもよいアルキル基を
示す。R、Rはそれぞれ独立して水素原子、置換さ
れてもよいアルキル基、アシル基を示す。]
【0016】また、請求項2記載の抗菌剤は、請求項1
記載の抗菌剤において、式(I)中のRが式(i)で
表されるアシル基であるものである。
【0017】
【化10】 [式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原
子、置換されていてもよいアルキル基、アシル基を示
す。]
【0018】また、請求項3記載の抗菌剤は、請求項1
記載の抗菌剤において、式(I)中のRが水素原子で
あるものである。
【0019】また、請求項4記載の抗菌剤は、請求項1
記載の抗菌剤において、式(I)中のRが直鎖アルキ
ル基であるものである。
【0020】また、請求項5記載の抗菌剤は、請求項4
記載の抗菌剤において、式(I)中のRが炭素数1〜
10の直鎖アルキル基であるものである。
【0021】また、請求項6記載の抗菌剤は、請求項1
記載の抗菌剤において、式(I)中のRとRがそれ
ぞれ独立して−CH(SCH)Rであり、各々のR
がそれぞれ独立して炭素数3〜6の直鎖アルキル基で
あるものである。
【0022】また、請求項7記載の抗菌剤は、請求項1
記載の抗菌剤において、式(I)中のRとRがそれ
ぞれ独立して−CH(SCH)Rで、各々のR
それぞれ独立して直鎖アルキル基であり、各々のR
炭素数の合計が6〜12であるものである。
【0023】また、請求項8記載の抗菌剤は、請求項1
記載の抗菌剤において、式(I)中のRとRのいず
れか一方が水素原子で、他方が−CH(SCH)R
であり、Rが炭素数6〜9の直鎖アルキル基であるも
のである。
【0024】また、請求項9記載の抗菌剤は、請求項1
乃至8のいずれかに記載の抗菌剤において、抗菌剤が抗
真菌剤であるものである。
【0025】また、請求項10記載の発明は、式(I
I)で表されるカテキン誘導体またはその塩である。
【0026】
【化11】 [式中、R11、R21はそれぞれ独立して水素原子、
−CH(SCH)Rを示す。但し、双方が水素原子
であることはない。Rは置換されていてもよいアルキ
ル基を示す。但し、R11が−CH(SCH)R
21とRが水素原子の場合、Rはメチル基ではな
い。なお、式中、R、R、R、R、R、R
は請求項1と同意義である。]
【0027】また、請求項11記載の発明は、酸性条件
下で式(III)で表される化合物またはその塩にR
CHO(Rは請求項10と同意義である。)で表され
るアルデヒドとメタンチオールまたはその塩とを反応さ
せることによる請求項10記載のカテキン誘導体または
その塩の製造方法である。
【0028】
【化12】 [式中、R、R、R、R、R、Rは請求項
10と同意義である。]
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌剤は、式(I)で表
されるカテキン誘導体またはその塩を有効成分とするも
のである。
【0030】
【化13】 [式中、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、−C
H(SCH)Rを示す。但し、双方が水素原子であ
ることはない。Rは水素原子、置換されてもよいアル
キル基、アシル基を示す。R、R、Rはそれぞれ
独立して、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシロキ
シ基を表す。Rは置換されていてもよいアルキル基を
示す。R、Rはそれぞれ独立して水素原子、置換さ
れてもよいアルキル基、アシル基を示す。]
【0031】置換されていてもよいアルキル基における
アルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分
岐鎖状のものが望ましい。具体的には、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペン
チル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−
ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられ
る。アルキル基の置換基としては、水酸基、メトキシ基
やエトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基、カル
ボキシル基、メトキシカルボニル基やエトキシカルボニ
ル基などの炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、後
述の如きアシル基、フッ素原子や塩素原子や臭素原子な
どのハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、4
級アンモニウム基、スルフォニル基、フェニル基などの
アリール基、ピリジル基などの複素環基などが挙げられ
る。
【0032】アシル基は、脂肪族アシル基であってもよ
いし、芳香族アシル基であってもよい。脂肪族アシル基
としては、炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のもの
が望ましい。具体的には、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバ
レリル基、ピバロイル基などが挙げられる。芳香族アシ
ル基としては、式(i)で表されるもののほか、ベンゾ
イル基やトルオイル基などが挙げられる。
【0033】
【化14】 [式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原
子、置換されていてもよいアルキル基、アシル基を示
す。]
【0034】アルコキシ基としては、炭素数1〜6の直
鎖状または分岐鎖状のものが望ましい。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、プロピキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基
などが挙げられる。
【0035】アシロキシ基は、脂肪族アシロキシ基であ
ってもよいし、芳香族アシロキシ基であってもよい。脂
肪族アシロキシ基としては、炭素数2〜5の直鎖状また
は分岐鎖状のものが望ましい。具体的には、アセトキシ
基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブ
チルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ
基、ピバロイルオキシ基などが挙げられる。芳香族アシ
ロキシ基としてはベンゾイルオキシ基やトルオイルオキ
シ基などが挙げられる。
【0036】式(I)で表されるカテキン誘導体は、ベ
ンゾピラン環の2位と3位、Rおよび/またはR
不斉炭素が存在するので、単一のジアステレオマーやジ
アステレオマー混合物として、また、光学活性体やラセ
ミ体として存在することができる。また、式(I)で表
されるカテキン誘導体は、多形(polymorphi
sm)を示すことができる。互変異性体として存在する
こともできる。水和物などの溶媒和物として存在するこ
ともできる。本発明においては、式(I)で表されるカ
テキン誘導体についてのいかなる立体異性体、光学異性
体、多形体、互変異性体、溶媒和物、およびこれらの任
意の混合物などをも包含するものである。
【0037】式(I)で表されるカテキン誘導体の塩と
しては、アルカリ金属塩(例えばリチウムやナトリウム
やカリウムなどとの塩)、アルカリ土類金属塩(例えば
カルシウムやマグネシウムなどとの塩)、アルミニウム
塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩(例えばトリエチ
ルアミンやモルホリンやピペリジンやトリエタノールア
ミンなどとの塩)など、薬理学上許容されうるものが挙
げられる。
【0038】式(I)で表されるカテキン誘導体は、酸
性条件下で式(III)で表される化合物またはその塩
にRCHO(Rは前述の通り。)で表されるアルデ
ヒドとメタンチオールまたはその塩とを反応させること
により製造される。
【0039】
【化15】 [式中、R、R、R、R、R、Rは前述の
通り。]
【0040】式(I)で表されるカテキン誘導体を製造
するための諸条件、即ち、上記反応時における各化合物
のモル比、反応系のpH、反応時間、反応温度などは適
宜調節することができるが、望ましい条件としては下記
の条件を挙げることができる。
【0041】(A)反応系における各化合物のモル比
は、式(III)で表される化合物1モルに対してアル
デヒド1モル〜50モル、望ましくは5モル〜30モル
である。また、式(III)で表される化合物1モルに
対してメタンチオール1モル〜100モル、望ましくは
10モル〜50モルである。 (B)反応系のpHは0〜7、望ましくは0〜3であ
る。pH調節剤としては、塩酸や硫酸や燐酸などの無機
酸や、酢酸やクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が挙げら
れる。 (C)反応温度は0℃〜60℃、望ましくは15℃〜4
5℃である。 (D)反応時間は10分〜50時間、望ましくは1時間
〜24時間である。
【0042】式(I)で表されるカテキン誘導体を製造
する際の反応経路としては、下記のスキームに示す経路
が推測される。なお、以下のスキームは、式(III)
で表される化合物として(+)−カテキンを選択し、ア
ルデヒドとしてプロパナールを選択した場合のものであ
る。
【0043】
【化16】
【0044】式(I)で表されるカテキン誘導体を製造
するために使用する式(III)で表される化合物にお
けるベンゾピラン環の2位と3位の立体配置は、それぞ
れR配置またはS配置のいずれであってもよい。式(I
II)で表される化合物の具体例としては、(−)−エ
ピカテキン((−)−epicatechin:式(I
II)において、R、R、R、Rは水素原子を
示し、R、Rは水酸基を示し、2位および3位の立
体配置は2R、3Rを表す。)、(−)−カテキン
((−)−catechin:式(III)において、
、R、R、Rは水素原子を示し、R、R
は水酸基を示し、2位および3位の立体配置は2S、3
Rを表す。)、(+)−カテキン((+)−catec
hin:式(III)において、R、R、R、R
は水素原子を示し、R、Rは水酸基を示し、2位
および3位の立体配置は2R、3Sを表す。)、(+)
−エピカテキン((+)−epicatechin:式
(III)において、R、R 、R、Rは水素原
子を示し、R、Rは水酸基を示し、2位および3位
の立体配置は2S、3Sを表す。)、(−)−エピカテ
キンガレート((−)−epicatechin ga
llate:式(III)において、Rはガロイル基
を示し、R、Rは水酸基を示し、R、R、R
は水素原子を示し、2位および3位の立体配置は2R、
3Rを表す。)、(−)−カテキンガレート((−)−
catechin gallate:式(III)にお
いて、Rはガロイル基を示し、R、Rは水酸基を
示し、R、R、Rは水素原子を示し、2位および
3位の立体配置は2S、3Rを表す。)、(+)−カテ
キンガレート((+)−catechin galla
te:式(III)において、Rはガロイル基を示
し、R、Rは水酸基を示し、R、R、Rは水
素原子を示し、2位および3位の立体配置は2R、3S
を表す。)、(+)−エピカテキンガレート((+)−
epicatechin gallate:式(II
I)において、Rはガロイル基を示し、R、R
水酸基を示し、R、R、Rは水素原子を示し、2
位および3位の立体配置は2S、3Sを表す。)、
(−)−エピガロカテキン((−)−epigallo
catechin:式(III)において、R
、Rは水素原子を示し、R、R、R は水酸
基を示し、2位および3位の立体配置は2R、3Rを表
す。)、(−)−ガロカテキン((−)−galloc
atechin:式(III)において、R、R
は水素原子を示し、R、R、Rは水酸基を示
し、2位および3位の立体配置は2S、3Rを表
す。)、(+)−ガロカテキン((+)−galloc
atechin:式(III)において、R、R
は水素原子を示し、R、R、Rは水酸基を示
し、2位および3位の立体配置は2R、3Sを表
す。)、(+)−エピガロカテキン((+)−epig
allocatechin:式(III)において、R
、R、Rは水素原子を示し、R、R、R
水酸基を示し、2位および3位の立体配置は2S、3S
を表す。)、(−)−エピガロカテキンガレート
((−)−epigallocatechin gal
late:式(III)において、Rはガロイル基を
示し、R、R、Rは水酸基を示し、R、R
水素原子を示し、2位および3位の立体配置は2R、3
Rを表す。)、(−)−ガロカテキンガレート((−)
−gallocatechin gallate:式
(III)において、Rはガロイル基を示し、R
、Rは水酸基を示し、R、Rは水素原子を示
し、2位および3位の立体配置は2S、3Rを表
す。)、(+)−ガロカテキンガレート((+)−ga
llocatechin gallate:式(II
I)において、Rはガロイル基を示し、R、R
は水酸基を示し、R、Rは水素原子を示し、2
位および3位の立体配置は2R、3Sを表す。)、
(+)−エピガロカテキンガレート((+)−epig
allocatechin gallate:式(II
I)において、Rはガロイル基を示し、R、R
は水酸基を示し、R、Rは水素原子を示し、2
位および3位の立体配置は2S、3Sを表す。)、
(−)−エピアフゼレキン((−)−epiafzel
echin:式(III)において、R、R
、R、Rは水素原子を示し、Rは水酸基を示
し、2位および3位の立体配置は2R、3Rを表
す。)、(−)−アフゼレキン((−)−afzele
chin:式(III)において、R、R、R
、Rは水素原子を示し、Rは水酸基を示し、2
位および3位の立体配置は2S、3Rを表す。)、
(+)−アフゼレキン((+)−afzelechi
n:式(III)において、R、R、R、R
は水素原子を示し、Rは水酸基を示し、2位およ
び3位の立体配置は2R、3Sを表す。)、(+)−エ
ピアフゼレキン((+)−epiafzelechi
n:式(III)において、R、R、R、R
は水素原子を示し、Rは水酸基を示し、2位およ
び3位の立体配置は2S、3Sを表す。)、(−)−エ
ピアフゼレキンガレート((−)−epiafzele
chin gallate:式(III)において、R
はガロイル基を示し、R、R、R、Rは水素
原子を示し、Rは水酸基を示し、2位および3位の立
体配置は2R、3Rを表す。)、(−)−アフゼレキン
ガレート((−)−afzelechin galla
te:式(III)において、Rはガロイル基を示
し、R、R、R、Rは水素原子を示し、R
水酸基を示し、2位および3位の立体配置は2S、3R
を表す。)、(+)−アフゼレキンガレート((+)−
afzelechin gallate:式(III)
において、Rはガロイル基を示し、R、R
、Rは水素原子を示し、Rは水酸基を示し、2
位および3位の立体配置は2R、3Sを表す。)、
(+)−エピアフゼレキンガレート((+)−epia
fzelechin gallate:式(III)に
おいて、Rはガロイル基を示し、R、R、R
は水素原子を示し、Rは水酸基を示し、2位およ
び3位の立体配置は2S、3Sを表す。)などがある。
これらの化合物の中では、植物などの天然物に広く分布
し、大量に調製可能であるという点で、(+)−カテキ
ン、(±)−カテキン、(−)−エピカテキンが式
(I)で表されるカテキン誘導体の製造において最も好
適である。
【0045】式(I)で表されるカテキン誘導体を製造
するために使用するRCHO(R は前述の通り。)
で表されるアルデヒドは、製造目的化合物の種類、その
使用目的および求められる機能などを考慮して適宜選択
すればよい。選択したアルデヒドが水に溶けにくい場合
には、メタノール、エタノール、アセトニトリルなどの
各種有機溶媒を適宜選択して反応系に加えてもよい。有
機溶媒の中では、アセトニトリルを使用することが望ま
しい。
【0046】式(I)で表されるカテキン誘導体の各種
溶媒への親和性は、選択するアルデヒドの種類により変
化する。例えば、RとRがそれぞれ独立して−CH
(SCH)Rである化合物の場合において、各々の
が炭素数1〜4の無置換のアルキル基(例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、イオン
性の置換基(例えばカルボキシル基、アミノ基、スルフ
ォニル基など)により置換されたアルキル基、極性基
(例えば水酸基など)により置換されたアルキル基など
である化合物は、水系での使用に適したものである。従
って、このような化合物を製造する場合、原料とするア
ルデヒドは、上記のようなアルキル基をRに有するも
のが望ましい。また、RとRのいずれか一方が水素
原子で、他方が−CH(SCH)R である化合物の
場合において、Rが炭素数1〜10の無置換のアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基など)、上記のようなイオン性
の置換基により置換されたアルキル基、上記のような極
性基により置換されたアルキル基などである化合物も、
水系での使用に適したものである。従って、このような
化合物を製造する場合、原料とするアルデヒドは、上記
のようなアルキル基をRに有するものが望ましい。
【0047】一方、RとRがそれぞれ独立して−C
H(SCH)Rである化合物の場合において、各々
のRが炭素数5〜10の無置換のアルキル基(例えば
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基など)である化合物は、油系での使用
や樹脂などに添加しての使用に適したものである。従っ
て、このような化合物を製造する場合、原料とするアル
デヒドは、上記のようなアルキル基をRに有するもの
が望ましい。
【0048】式(I)で表されるカテキン誘導体を製造
するために使用するメタンチオールは、ナトリウム塩な
どのような塩の形態であってもよい。
【0049】以上の方法により製造された式(I)で表
されるカテキン誘導体が油溶性を示す場合は、この性質
を利用し、得られた反応液に水と混和しない有機溶媒、
例えば、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチル
ケトンなどを加えて抽出を行うことで、反応系から目的
の化合物を含む画分を分離することができる。
【0050】また、製造されたカテキン誘導体が水溶性
を示す場合は、反応液を合成吸着樹脂やイオン交換樹脂
を担体としたクロマトグラフィーで処理することで、反
応系から目的の化合物を含む画分を分離することができ
る。
【0051】さらに、目的の化合物を含む画分からは、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相系化学修飾
型シリカゲル(例えばオクタデシルシラン系など)カラ
ムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、
合成吸着樹脂クロマトグラフィー、分配クロマトグラフ
ィー、分取薄層クロマトグラフィーなどの方法を適宜選
択することによりにより、さらに高純度に目的の化合物
を得ることができる。
【0052】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体は、天然のカテキン類の中で特に抗菌作用が強い
(−)−エピガロカテキンガレートと比較しても、格段
に優れた抗菌作用を有し、とりわけ、天然のカテキン類
がほとんど抗菌活性を示さないかびや酵母などの真菌に
対して優れた抗菌活性を示す。
【0053】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体においては、RとRにおける−CH(SCH
のR、即ち、置換されていてもよいアルキル基の
炭素数が抗菌活性と相関性を有しているようであり、優
れた抗菌作用を有する化合物としては、式(I)におい
て、RとRがそれぞれ独立して−CH(SCH
であり、各々のRがそれぞれ独立して炭素数3〜
6の直鎖アルキル基である化合物が挙げられる。このよ
うな化合物は、各々のRの炭素数の合計が6〜12で
あるが、この範囲の炭素数が優れた抗菌作用に寄与して
いるようである。従って、一方のRの炭素数が3〜6
でなくとも、他方のRの炭素数との合計が6〜12と
なる化合物は、上記の化合物と同様に優れた抗菌作用を
発揮する。また、Rが−CH(SCH)Rであ
り、Rが水素原子である化合物や、Rが水素原子で
あり、Rが−CH(SCH)Rである化合物の場
合、Rが6〜9の直鎖アルキル基である化合物が優れ
た抗菌作用を発揮する。
【0054】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体の中で、水系での使用に適した化合物としては、前述
のように、RとRがそれぞれ独立して−CH(SC
)Rである場合において、各々のRが炭素数1
〜4の無置換のアルキル基、イオン性の置換基により置
換されたアルキル基、極性基により置換されたアルキル
基などである化合物、RとRのいずれか一方が水素
原子で、他方が−CH(SCH)Rである場合にお
いて、Rが炭素数1〜10の無置換のアルキル基、イ
オン性の置換基により置換されたアルキル基、極性基に
より置換されたアルキル基などである化合物が挙げられ
る。
【0055】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体の中で、油系での使用や樹脂などに添加しての使用に
適した化合物としては、前述のように、RとRがそ
れぞれ独立して−CH(SCH)Rである場合にお
いて、各々のRが炭素数5〜10の無置換のアルキル
基である化合物が挙げられる。
【0056】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体やその塩の使用方法としては、それ自体を対象物に直
接添加することも投与することもできるが、適当な溶剤
や液状担体を用いて液剤、乳剤、水和剤、水溶剤、懸濁
剤などに製剤化して、また、適当な固形担体を用いて錠
剤、顆粒剤、粉剤、粒剤、微粉剤、ペースト剤などに製
剤化して対象物に添加することも投与することもでき
る。また、上記製剤には、必要に応じて、界面活性剤、
乳化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、可溶化剤、分散剤、増
粘剤、緩衝剤、pH調整剤、抗酸化剤、還元剤、金属固
定剤、保存剤、芳香剤、甘味剤、着色剤、安定剤、ゲル
化剤などを添加することもできる。
【0057】上記製剤化に際して用いられる溶剤や液状
担体は、本発明の式(I)で表されるカテキン誘導体や
その塩を溶解または分散可能な液体であれば特に制限は
ないが、例えば、水、N,N−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの極性溶
媒、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、sec
−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n
−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノー
ル、n−オクタノール、フェノール、ベンジルアルコー
ルなどのアルコール類、グリセリン、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブ
チレングリコールなどの多価アルコール類、エチレング
リコールエチルエーテル、ジエチレングリコールエチル
エーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどの
エーテルアルコール類、石油エーテル、ジエチルエーテ
ル、ジフェニルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロ
ヘキサノン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン
類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、エチレングリコールアセテート、ジエチレングリコ
ールアセテートなどのエステル類、ケロシン、鉱油、ス
ピンドル油、ホワイトオイル、パラフィン、ラノリンな
どのパラフィン系またはナフテン系の炭化水素、ペンタ
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂
肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、クメン、アニソール、ナフタレンなどの芳香
族炭化水素、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホル
ム、トリクロロエチレン、モノクロロベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素、大豆油、ゴマ油、菜種油、オリーブ
油、ヒマシ油などの植物性油脂などから1種または2種
以上を選択して使用することができる。
【0058】上記製剤化に際して用いられる固形担体と
しては、カオリナイト群、パイロフィライト群、モンモ
リロナイト群、アタバルジャイト群などで代表されるク
レー類、タルク、雲母、葉ロウ石、パーライト、軽石、
バーミュキュライト、石こう、炭酸カルシウム、ドロマ
イト、珪藻土、マグネシウム石灰、燐石灰、ゼオライ
ト、無水珪酸、合成珪酸カルシウムなどの無機物質、米
糠、もみ殻、稲藁、カカオ脂、大豆粉、タバコ粉、クル
ミ粉、小麦粉、木粉、コルク、澱粉、結晶セルロース、
ブドウ糖、乳糖、マンニトール、でんぷん、カルナパロ
ウなどの植物性有機物質、牛脂、豚脂、馬脂、蜜ロウ、
ゼラチンなどの動物性有機物質、クロマン樹脂、石油樹
脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル、ケトン樹脂、エス
テルガム、コーパルガム、ダンマルガムなどの合成高分
子化合物や天然高分子化合物、尿素などから1種または
2種以上を選択して使用することができる。
【0059】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体やその塩を乳剤や可溶化剤に製剤化する際には、界面
活性剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性
剤、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤の何れを
も使用することができる。陰イオン界面活性剤として
は、例えば、長鎖脂肪酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、トール油
脂肪酸塩などのカルボン酸塩、直鎖アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、高級アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグ
ニンスルホン酸塩、石油スルホン酸塩、N−アシルアル
キルタウリン塩、n−パラフィンスルホン酸塩、スルホ
コハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、イセチ
オン酸塩などのスルホン酸塩、直鎖第1級アルコール硫
酸塩、ポリオキシエチレン付加直鎖アルコール硫酸塩、
硫酸化油などの硫酸塩、ポリオキシエチレン付加直鎖ア
ルコールリン酸塩、ポリオキシエチレン付加アルキルフ
ェノールリン酸塩などのリン酸塩やポリリン酸塩、フッ
化炭化水素基を含有するこれら陰イオン界面活性剤など
を挙げることができる。陽イオン界面活性剤としては、
例えば、動植物脂肪酸、トール油由来の第一級アミンま
たは合成脂肪酸の第1級、第2級、第3級アミンなどの
直鎖アミンとその塩、直鎖ジアミン、直鎖ポリアミンと
それらの塩、直鎖第4級アンモニウム塩、ポリオキシエ
チレン付加直鎖アミン、ポリオキシエチレン付加直鎖第
4級アンモニウム塩、N−アルキルジメチルアミンオキ
シドなどを挙げることができる。両性界面活性剤として
は、例えば、β−N−アルキルアミノプロピオン酸、N
−アルキル−β−イミノジプロピオン酸、イミダゾリン
カルボン酸塩、N−アルキルベタイン、アミンオキシ
ド、スルホベタインなどを挙げることができる。非イオ
ン界面活性剤としては、例えば、アルキルフェノールの
エチレンオキシド付加物、直鎖アルコールのエチレンオ
キシド付加物、ポリオキシプロピレングリコールのポリ
オキシエチレン付加物、直鎖メルカプタンのポリオキシ
エチレン付加物、天然脂肪酸のグリセリルエステルやポ
リグリセリルエステル、プロピレングリコールの脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン付加ソルビトールの脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレントール油脂肪酸エステル、アル
カノールアミン−脂肪酸縮合物、アセチレン第3級グリ
コール、ポリオキシエチレン付加シリコーン、N−アル
キルピロリドン、アルキルポリグリコシドなどを挙げる
ことができる。これら界面活性剤は、1種または2種以
上を適宜選択して使用することができる。
【0060】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体やその塩の製剤化に際しては、乳化、分散、湿潤、展
着、拡散、結合、崩壊性調節、有効成分安定化、流動性
改良、防錆、凍結防止、酸化防止などの目的でその他の
補助剤を使用することもできる。例えば、酸化防止剤と
しては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,2′−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール]などのフェノール系酸化防止剤、アル
キルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p
−フェニレンジアミンなどの芳香族アミン系酸化防止
剤、亜リン酸トリフェニルなどの亜リン酸エステル系酸
化防止剤、トコフェロール、ノルジヒドログアイアレチ
ン酸などの天然抗酸化剤、アスコルビン酸、エリソルビ
ン酸などのレダクトン系抗酸化剤などが挙げられる。
【0061】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体やその塩は、医薬品、医薬部外品、食品、化粧品、衣
料品、農薬、建材、塗料、雑貨などに使用することがで
きる。
【0062】医薬品として使用する場合、製剤形態は特
に制限されず、その目的や使用方法に応じて、例えば、
液剤、注射剤、点眼剤、錠剤、シロップ剤、散剤、懸濁
剤、乳剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、カプセル剤、軟膏
剤、硬膏剤、眼軟膏剤、坐剤、トローチ剤、パップ剤、
リニメント剤、ローション剤、含そう剤、洗口剤、エア
ゾール剤、スプレー剤、クリーム剤、油剤、チュアブル
剤などとして投与することことができる。投与に際して
は、本発明の式(I)で表されるカテキン誘導体やその
塩は、賦形剤、担体、結合材、安定剤、緩衝剤、矯味
剤、粘稠剤、懸濁化剤、水性溶剤、非水性溶剤、乳化
剤、崩壊剤、湿潤剤、芳香剤、甘味剤、着色剤、酸化防
止剤、溶解補助剤、単シロップ、脂肪、脂肪油、製油、
ラノリン、ワセリン、パラフィン、ろう、樹脂、プラス
チック、また、他の薬効成分と混合して使用することが
できる。本発明の式(I)で表されるカテキン誘導体や
その塩の医薬品としての投与量は特に限定されず、使用
目的、体重、投与形態などに応じて適宜決定するが、1
回につき体重1kgあたり1mg〜100mgの投与が
望ましい。また、本発明の式(I)で表されるカテキン
誘導体やその塩を飼料や飲水に添加して投与する場合の
添加濃度は、飼料や飲水に対し0.0001重量%〜
0.1重量%とすることが望ましい。
【0063】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体やその塩は、即席食品類、嗜好飲料類、小麦粉製品、
菓子類、基礎調味料、複合調味料・食品類、油脂類、乳
・乳製品、冷凍食品、水産加工品、畜産加工品、農産加
工品、惣菜類、健康食品類、酒類などの食品に添加する
こともできる。その際には、本発明の式(I)で表され
るカテキン誘導体やその塩、または、これを含有する製
剤を食品として使用可能な各種原料に混合し、さらに必
要に応じて各種の添加剤を添加して、この分野で通常知
られた慣用的な方法を用いて加工製造することができ
る。本発明の式(I)で表されるカテキン誘導体やその
塩を上記のような食品に添加する場合の添加濃度は特に
限定されないが、食品に対し0.0001重量%〜0.
1重量%とすることが望ましい。
【0064】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体やその塩は、農薬として使用することもできる。この
場合、製剤形態は特に制限されることはなく、その目的
や使用方法に応じて各種の形態、例えば、液剤、水和
剤、散剤、懸濁剤、乳剤、粉剤、粉粒剤、粒剤、糊錠剤
などとして使用することができる。その際、本発明の式
(I)で表されるカテキン誘導体やその塩は、賦形剤、
固形担体、結合剤、安定剤、緩衝剤、懸濁化剤、水性溶
剤、非水性溶剤、乳化剤、酸化防止剤、溶解補助剤、界
面活性剤、樹脂、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、植物生育調
整剤などと混合して使用することができる。農薬として
本発明の式(I)で表されるカテキン誘導体やその塩を
使用する場合の使用量は特に限定されず、対象となる作
物、使用目的、使用時期、使用条件、環境条件、使用形
態などに応じて適宜決定する。例えば、乳剤や水和剤の
ように液状で使用する場合には、本発明の式(I)で表
されるカテキン誘導体やその塩の使用濃度は、0.00
001重量%〜1重量%が望ましく、0.0001重量
%〜0.1重量%がより望ましい。
【0065】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体やその塩、または、これを含有する製剤を化粧品に添
加することもできる。添加対象となる化粧品の種類とし
ては、石けん、ボディーシャンプー、洗顔クリーム、各
種化粧水、クリーム、乳液、パック、おしろい、ファン
デーション、口紅、頬紅、アイシャドー、アイライナ
ー、マスカラ、眉墨、マニキュア、シャンプー、ヘアリ
ンス、整髪料、パーマネントウェーブ剤、育毛剤、染毛
剤、香水、歯磨き、浴用剤、脱毛剤、制汗・脱臭剤、日
焼け止め、ニキビ用製品などを挙げることができる。こ
れら化粧品への本発明の式(I)で表されるカテキン誘
導体やその塩の添加は、水性溶剤、非水性溶剤、固形担
体、結合剤、安定剤、緩衝剤、粘稠剤、懸濁化剤、乳化
剤、芳香剤、着色剤、酸化防止剤、溶解補助剤、脂肪、
脂肪油、製油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、ろ
う、樹脂、プラスチック、紫外線防御剤、抗炎症剤、美
白剤、保湿剤、洗浄剤などと組み合わせて行うことがで
きる。本発明の式(I)で表されるカテキン誘導体やそ
の塩の化粧品への添加量は特に限定されず、化粧品の種
類、使用目的、使用形態などに応じて適宜決定するが、
通常0.00001重量%〜1重量%が望ましく、0.
0001重量%〜0.1重量%がより望ましい。
【0066】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体やその塩を、各種繊維、例えば、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン、ポリ
エチレン/ポリエステル複合繊維、ポリエチレン/ポリ
プロピレン複合繊維などの合成繊維、綿、羊毛、麻など
の天然繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維などの半合
成繊維、各種繊維の混紡品、混繊品などに塗布、印刷、
噴霧、練混などの方法で結合、吸着、混合させれば、こ
れらの繊維に抗菌性や静菌性を付与することができる。
その際、本発明の式(I)で表されるカテキン誘導体や
その塩の上記のような繊維に対する使用濃度は特に限定
されず、繊維の種類、使用目的、使用形態、使用状況な
どに応じて適宜決定するが、被処理繊維に対して1平米
当たり0.0001g〜1gが望ましく、0.01g〜
1gがより望ましい。
【0067】本発明の式(I)で表されるカテキン誘導
体やその塩をポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフ
タレート、エチレンー酢酸ビニル共重合体などの樹脂に
塗布、印刷、噴霧、練混などの方法で結合、吸着、混合
させれば、これらの樹脂に抗菌性や静菌性を付与するこ
とができる。また、抗菌性や静菌性を付与した樹脂を押
出成形、射出成形、圧縮成形などの方法により、目的の
形態に成形することができる。また、発泡処理を行え
ば、抗菌性や静菌性を付与した樹脂を発泡体として成形
することができる。これらの樹脂加工品は建築資材、産
業資材、包装資材、電気製品、玩具、食品容器、台所用
品、日常雑貨などに使用することができる。その際、本
発明の式(I)で表されるカテキン誘導体やその塩の上
記のような樹脂に対する使用量は特に限定されず、樹脂
の種類、使用目的、使用形態、使用状況などに応じて適
宜決定するが、樹脂に対して0.00001重量%〜1
重量%が望ましく、0.0001重量%〜0.1重量%
がより望ましい。
【0068】なお、前述のように、本発明の式(I)で
表されるカテキン誘導体やその塩は、抗菌剤として非常
に有効であるが、天然のカテキン類の用途として知られ
ている消臭剤、ホルムアルデヒド吸収剤、抗酸化剤、各
種酵素阻害剤、インフルエンザウイルスなどのウイルス
不活化剤、抗癌剤、血糖値上昇抑制剤、血中コレステロ
ール上昇抑制剤、歯垢形成抑制剤、洗浄剤などとして
も、天然のカテキン類と同等またはそれ以上の効果が期
待でき、上記のいずれの用途においても、天然のカテキ
ン類の代わりに使用したり、天然のカテキン類と併用す
ることが可能である。
【0069】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を説明するが、
かかる説明によって本発明が何ら限定されるものでな
い。
【0070】実施例1 ナスフラスコに、アセトニトリル160ml、純水30mlおよ
び12N-塩酸6.65mlをスターラーバーと共に入れて混和し
た。次いで、撹拌しながら15%メチルメルカプタンナト
リウム水溶液10ml(0.0214モル)およびプロパナール1162
mg(0.02モル)を加えて混和した後、(+)−カテキン29
0mg(0.001モル)を加え、室温で90分間反応させた。反応
終了後、反応液を分液漏斗に移し、酢酸エチル500mlを
加え、酢酸エチル層と分離する水層を取り除いた。残っ
た酢酸エチル層に純水100mlを加えてよく混合してから
放置し、水層を取り除いた。さらにこの操作を2回繰り
返した後、酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムにより
脱水した。一晩放置後、無水硫酸マグネシウムをろ去し
て得られるろ液を、ロータリーエバポレーターで減圧濃
縮して、淡黄色の油状残留物を得た。得られた油状残留
物を以下に示した条件の分取HPLCに付し、本発明の
カテキン誘導体を含む3つの画分を分取した。
【0071】分取HPLC条件 カラム:資生堂カプセルパックC18UG20×250mm 移動層:アセトニトリル:水(v/v)=30:70〜98:2に
よるリニアグラジエント カラム温度:室温(25℃) 検出波長:280nm 流速:10ml/min
【0072】それぞれの画分をロータリーエバポレータ
ーで減圧濃縮後に凍結乾燥し、本発明のカテキン誘導体
である(+)−8(1−メチルチオプロピル)カテキン
(以下化合物1)を87mg(0.00023モル、収率23%)、
(+)−6(1−メチルチオプロピル)カテキン(以下
化合物2)を64mg(0.00017モル、収率17%)、(+)−
6,8−ビス−(1−メチルチオプロピル)カテキン
(以下化合物3)を224mg(0.00048モル、収率48%)得
た。
【0073】得られた化合物1〜3の構造を、1H-NMRス
ペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定した。以
下に化合物1〜3の構造式を示す。またこれら化合物の
FAB-MSスペクトルを示す。
【0074】化合物1の構造式:
【化17】
【0075】化合物1のFAB-MSスペクトル(マトリック
ス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:m/
z=401[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=377[M-H]-
【0076】化合物2の構造式:
【化18】
【0077】化合物2のFAB-MSスペクトル(マトリック
ス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:m/
z=401[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=377[M-H]-
【0078】化合物3の構造式:
【化19】
【0079】化合物3のFAB-MSスペクトル(マトリック
ス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:m/
z=489[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=465[M-H]-
【0080】実施例2 プロパナールに代えてブタナール1442mg(0.02モル)を加
える以外は実施例1と同様に合成反応および分取を行
い、本発明のカテキン誘導体である(+)−8(1−メ
チルチオブチル)カテキン(以下化合物4)を71mg(0.0
0018モル、収率18%)、(+)−6(1−メチルチオブ
チル)カテキン(以下化合物5)を55mg(0.00014モル、
収率14%)、(+)−6,8−ビス−(1−メチルチオ
ブチル)カテキン(以下化合物6)を224mg(0.00048モ
ル、収率48%)得た。
【0081】得られた化合物4〜6の構造を、1H-NMRス
ペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定した。以
下に化合物4〜6の構造式を示す。またこれら化合物の
FAB-MSスペクトルを示す。
【0082】化合物4の構造式:
【化20】
【0083】化合物4のFAB-MSスペクトル(マトリック
ス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:m/
z=415[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=391[M-H]-
【0084】化合物5の構造式:
【化21】
【0085】化合物5のFAB-MSスペクトル(マトリック
ス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:m/
z=415[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=391[M-H]-
【0086】化合物6の構造式:
【化22】
【0087】化合物6のFAB-MSスペクトル(マトリック
ス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:m/
z=517[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=493[M-H]-
【0088】実施例3 プロパナールに代えてペンタナール1723mg(0.02モル)を
加える以外は実施例1と同様に合成反応および分取を行
い、本発明のカテキン誘導体である(+)−8(1−メ
チルチオペンチル)カテキン(以下化合物7)を81mg
(0.0002モル、収率20%)、(+)−6(1−メチルチオ
ペンチル)カテキン(以下化合物8)を53mg(0.00013モ
ル、収率13%)、(+)−6,8−ビス−(1−メチル
チオペンチル)カテキン(以下化合物9)を288mg(0.00
055モル、収率55%)得た。
【0089】得られた化合物7〜9の構造を、1H-NMRス
ペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定した。以
下に化合物7〜9の構造式を示す。またこれら化合物の
FAB-MSスペクトルを示す。
【0090】化合物7の構造式:
【化23】
【0091】化合物7のFAB-MSスペクトル(マトリック
ス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:m/
z=429[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=405[M-H]-
【0092】化合物8の構造式:
【化24】
【0093】化合物8のFAB-MSスペクトル(マトリック
ス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:m/
z=429[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=405[M-H]-
【0094】化合物9の構造式:
【化25】
【0095】化合物9のFAB-MSスペクトル(マトリック
ス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:m/
z=545[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=521[M-H]-
【0096】実施例4 プロパナールに代えてヘキサナール2003mg(0.02モル)を
加える以外は実施例1と同様に合成反応および分取を行
い、本発明のカテキン誘導体である(+)−8(1−メ
チルチオヘキシル)カテキン(以下化合物10)を109m
g(0.00026モル、収率26%)、(+)−6(1−メチルチ
オヘキシル)カテキン(以下化合物11)を67mg(0.000
16モル、収率16%)、(+)−6,8−ビス−(1−メ
チルチオヘキシル)カテキン(以下化合物12)を242m
g(0.00044モル、収率44%)得た。
【0097】得られた化合物10〜12の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物10〜12の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0098】化合物10の構造式:
【化26】
【0099】化合物10のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=443[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=419[M-H]-
【0100】化合物11の構造式:
【化27】
【0101】化合物11のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=443[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=419[M-H]-
【0102】化合物12の構造式:
【化28】
【0103】化合物12のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=573[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=549[M-H]-
【0104】実施例5 プロパナールに代えてヘプタナール2284mg(0.02モル)を
加える以外は実施例1と同様に合成反応および分取を行
い、本発明のカテキン誘導体である(+)−8(1−メ
チルチオヘプチル)カテキン(以下化合物13)を122m
g(0.00028モル、収率28%)、(+)−6(1−メチルチ
オヘプチル)カテキン(以下化合物14)を83mg(0.000
19モル、収率19%)、(+)−6,8−ビス−(1−メ
チルチオヘプチル)カテキン(以下化合物15)を232m
g(0.00040モル、収率40%)得た。
【0105】得られた化合物13〜15の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物13〜15の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0106】化合物13の構造式:
【化29】
【0107】化合物13のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=457[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=433[M-H]-
【0108】化合物14の構造式:
【化30】
【0109】化合物14のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=457[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=433[M-H]-
【0110】化合物15の構造式:
【化31】
【0111】化合物15のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=601[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=577[M-H]-
【0112】実施例6 プロパナールに代えてオクタナール2284mg(0.02モル)を
加える以外は実施例1と同様に合成反応および分取を行
い、本発明品である(+)−8(1−メチルチオオクチ
ル)カテキン(以下化合物16)を126mg(0.00028モ
ル、収率28%)、(+)−6(1−メチルチオオクチ
ル)カテキン(以下化合物17)を90mg(0.00020モル、
収率20%)、(+)−6,8−ビス−(1−メチルチオ
オクチル)カテキン(以下化合物18)を255mg(0.0004
2モル、収率42%)得た。
【0113】得られた化合物16〜18の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物16〜18の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0114】化合物16の構造式:
【化32】
【0115】化合物16のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=471[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=447[M-H]-
【0116】化合物17の構造式:
【化33】
【0117】化合物17のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=471[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=447[M-H]-
【0118】化合物18の構造式:
【化34】
【0119】化合物18のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=629[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=605[M-H]-
【0120】実施例7 プロパナールに代えてノナナール2845mg(0.02モル)を加
える以外は実施例1と同様に合成反応および分取を行
い、本発明のカテキン誘導体である(+)−8(1−メ
チルチオノニル)カテキン(以下化合物19)を139mg
(0.00030モル、収率30%)、(+)−6(1−メチルチ
オオノニル)カテキン(以下化合物20)を88mg(0.000
19モル、収率19%)、(+)−6,8−ビス−(1−メ
チルチオノニル)カテキン(以下化合物21)を241mg
(0.00038モル、収率38%)得た。
【0121】得られた化合物19〜21の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物19〜21の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0122】化合物19の構造式:
【化35】
【0123】化合物19のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=485[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=461[M-H]-
【0124】化合物20の構造式:
【化36】
【0125】化合物20のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=485[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=461[M-H]-
【0126】化合物21の構造式:
【化37】
【0127】化合物21のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=657[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=633[M-H]-
【0128】実施例8 プロパナールに代えてデカナール3125mg(0.02モル)を加
える以外は実施例1と同様に合成反応および分取を行
い、本発明のカテキン誘導体である(+)−8(1−メ
チルチオデシル)カテキン(以下化合物22)を139mg
(0.00029モル、収率29%)、(+)−6(1−メチルチ
オオデシル)カテキン(以下化合物23)を86mg(0.000
18モル、収率18%)、(+)−6,8−ビス−(1−メ
チルチオデシル)カテキン(以下化合物24)を232mg
(0.00035モル、収率35%)得た。
【0129】得られた化合物22〜24の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物22〜24の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0130】化合物22の構造式:
【化38】
【0131】化合物22のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=499[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=475[M-H]-
【0132】化合物23の構造式:
【化39】
【0133】化合物23のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=499[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=475[M-H]-
【0134】化合物24の構造式:
【化40】
【0135】化合物24のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=685[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=661[M-H]-
【0136】実施例9 (+)−カテキンに代えて(−)−エピガロカテキンガ
レート458mg(0.001モル)を加える以外は実施例1と同様
に合成反応および分取を行い、本発明のカテキン誘導体
である(−)−8(1−メチルチオプロピル)エピガロ
カテキンガレート(以下化合物25)を169.4mg(0.0003
1モル、収率31%)、(−)−6(1−メチルチオプロピ
ル)エピガロカテキンガレート(以下化合物26)を71
mg(0.00013モル、収率13%)、(−)−6,8−ビス−
(1−メチルチオプロピル)エピガロカテキンガレート
(以下化合物27)を190mg(0.0003モル、収率30%)得
た。
【0137】得られた化合物25〜27の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物25〜27の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0138】化合物25の構造式:
【化41】
【0139】化合物25のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=569[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=545[M-H]-
【0140】化合物26の構造式:
【化42】
【0141】化合物26のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=569[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=545[M-H]-
【0142】化合物27の構造式:
【化43】
【0143】化合物27のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=657[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=633[M-H]-
【0144】実施例10 (+)−カテキンに代えて(−)−エピガロカテキンガ
レート458mg(0.001モル)を加える以外は実施例2と同様
に合成反応および分取を行い、本発明のカテキン誘導体
である(−)−8(1−メチルチオブチル)エピガロカ
テキンガレート(以下化合物28)を157mg(0.00028モ
ル、収率28%)、(−)−6(1−メチルチオブチル)
エピガロカテキンガレート(以下化合物29)を62mg
(0.00011モル、収率11%)、(−)−6,8−ビス−
(1−メチルチオブチル)エピガロカテキンガレート
(以下化合物30)を225mg(0.00034モル、収率34%)得
た。
【0145】得られた化合物28〜30の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物28〜30の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0146】化合物28の構造式:
【化44】
【0147】化合物28のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=583[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=559[M-H]-
【0148】化合物29の構造式:
【化45】
【0149】化合物29のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=583[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=559[M-H]-
【0150】化合物30の構造式:
【化46】
【0151】化合物30のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=685[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=661[M-H]-
【0152】実施例11 (+)−カテキンに代えて(−)−エピガロカテキンガ
レート458mg(0.001モル)を加える以外は実施例3と同様
に合成反応および分取を行い、本発明のカテキン誘導体
である(−)−8(1−メチルチオペンチル)エピガロ
カテキンガレート(以下化合物31)を201mg(0.00035
モル、収率35%)、(−)−6(1−メチルチオペンチ
ル)エピガロカテキンガレート(以下化合物32)を86
mg(0.00015モル、収率15%)、(−)−6,8−ビス−
(1−メチルチオペンチル)エピガロカテキンガレート
(以下化合物33)を193mg(0.00028モル、収率28%)得
た。
【0153】得られた化合物31〜33の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物31〜33の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0154】化合物31の構造式:
【化47】
【0155】化合物31のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=597[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=573[M-H]-
【0156】化合物32の構造式:
【化48】
【0157】化合物32のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=597[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=573[M-H]-
【0158】化合物33の構造式:
【化49】
【0159】化合物33のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=713[M+Na]+、陰イオンモ ード:m/z=689[M-H]-
【0160】実施例12 (+)−カテキンに代えて(−)−エピガロカテキンガ
レート458mg(0.001モル)を加える以外は実施例4と同様
に合成反応および分取を行い、本発明のカテキン誘導体
である(−)−8(1−メチルチオヘキシル)エピガロ
カテキンガレート(以下化合物34)を188mg(0.00032
モル、収率32%)、(−)−6(1−メチルチオヘキシ
ル)エピガロカテキンガレート(以下化合物35)を71
mg(0.00012モル、収率12%)、(−)−6,8−ビス−
(1−メチルチオヘキシル)エピガロカテキンガレート
(以下化合物36)を237mg(0.00033モル、収率33%)得
た。
【0161】得られた化合物34〜36の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物34〜36の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0162】化合物34の構造式:
【化50】
【0163】化合物34のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=611[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=587[M-H]-
【0164】化合物35の構造式:
【化51】
【0165】化合物35のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=611[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=587[M-H]-
【0166】化合物36の構造式:
【化52】
【0167】化合物36のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=741[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=717[M-H]-
【0168】実施例13 (+)−カテキンに代えて(−)−エピガロカテキンガ
レート458mg(0.001モル)を加える以外は実施例5と同様
に合成反応および分取を行い、本発明のカテキン誘導体
である(−)−8(1−メチルチオヘプチル)エピガロ
カテキンガレート(以下化合物37)を217mg(0.00036
モル、収率36%)、(−)−6(1−メチルチオヘプチ
ル)エピガロカテキンガレート(以下化合物38)を84
mg(0.00014モル、収率14%)、(−)−6,8−ビス−
(1−メチルチオヘプチル)エピガロカテキンガレート
(以下化合物39)を202mg(0.00027モル、収率27%)得
た。
【0169】得られた化合物37〜39の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物37〜39の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0170】化合物37の構造式:
【化53】
【0171】化合物37のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=625[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=601[M-H]-
【0172】化合物38の構造式:
【化54】
【0173】化合物38のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=625[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=601[M-H]-
【0174】化合物39の構造式:
【化55】
【0175】化合物39のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=769[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=745[M-H]-
【0176】実施例14 (+)−カテキンに代えて(−)−エピガロカテキンガ
レート458mg(0.001モル)を加える以外は実施例6と同様
に合成反応および分取を行い、本発明のカテキン誘導体
である(−)−8(1−メチルチオオクチル)エピガロ
カテキンガレート(以下化合物40)を185mg(0.00030
モル、収率30%)、(−)−6(1−メチルチオオクチ
ル)エピガロカテキンガレート(以下化合物41)を62
mg(0.0001モル、収率10%)、(−)−6,8−ビス−
(1−メチルチオオクチル)エピガロカテキンガレート
(以下化合物42)を279mg(0.00036モル、収率36%)得
た。
【0177】得られた化合物40〜42の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物40〜42の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0178】化合物40の構造式:
【化56】
【0179】化合物40のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=639[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=615[M-H]-
【0180】化合物41の構造式:
【化57】
【0181】化合物41のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=639[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=615[M-H]-
【0182】化合物42の構造式:
【化58】
【0183】化合物42のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=797[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=773[M-H]-
【0184】実施例15 (+)−カテキンに代えて(−)−エピガロカテキンガ
レート458mg(0.001モル)を加える以外は実施例7と同様
に合成反応および分取を行い、本発明のカテキン誘導体
である(−)−8(1−メチルチオノニル)エピガロカ
テキンガレート(以下化合物43)を221mg(0.00035モ
ル、収率35%)、(−)−6(1−メチルチオノニル)
エピガロカテキンガレート(以下化合物44)を101mg
(0.00016モル、収率16%)、(−)−6,8−ビス−
(1−メチルチオノニル)エピガロカテキンガレート
(以下化合物45)を217mg(0.00027モル、収率27%)得
た。
【0185】得られた化合物43〜45の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物43〜45の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0186】化合物43の構造式:
【化59】
【0187】化合物43のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=653[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=629[M-H]-
【0188】化合物44の構造式:
【化60】
【0189】化合物44のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=653[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=629[M-H]-
【0190】化合物45の構造式:
【化61】
【0191】化合物45のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=825[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=801[M-H]-
【0192】実施例16 (+)−カテキンに代えて(−)−エピガロカテキンガ
レート458mg(0.001モル)を加える以外は実施例8と同様
に合成反応および分取を行い、本発明のカテキン誘導体
である(−)−8(1−メチルチオデシル)エピガロカ
テキンガレート(以下化合物46)を213mg(0.00033モ
ル、収率33%)、(−)−6(1−メチルチオデシル)
エピガロカテキンガレート(以下化合物47)を77mg
(0.00012モル、収率12%)、(−)−6,8−ビス−
(1−メチルチオデシル)エピガロカテキンガレート
(以下化合物48)を208mg(0.00025モル、収率25%)得
た。
【0193】得られた化合物46〜48の構造を、1H-N
MRスペクトルとFAB-MSスペクトルの解析により決定し
た。以下に化合物46〜48の構造式を示す。またこれ
ら化合物のFAB-MSスペクトルを示す。
【0194】化合物46の構造式:
【化62】
【0195】化合物46のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=667[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=643[M-H]-
【0196】化合物47の構造式:
【化63】
【0197】化合物47のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=667[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=643[M-H]-
【0198】化合物48の構造式:
【化64】
【0199】化合物48のFAB-MSスペクトル(マトリッ
クス:ニトロベンジルアルコール):陽イオンモード:
m/z=853[M+Na]+、陰イオンモード:m/z=829[M-H]-
【0200】実施例17 実施例1〜6で製造した化合物3,6,9,12,15,18の
各10mgを、ジメチルスルホキサイド(DMSO)5ml中
で完全に溶解した後、これらの溶液に滅菌水5mlを加え
た。次いで、50%DMSO水溶液を用いて、上記溶液を
所定の濃度に希釈した。これら希釈液各10μlを、Mu
eller−Hintonブイヨン(メルク社製)85μ
lと共に滅菌済みの96穴マイクロプレートのウェルに入
れた。次に、これらのウェルにBacilluscereus (JCM215
2)、B. circulans (IFO13626)、B. subtilis(IAM1211
8)、Staphylococcus aureus (IAM1011)、S. xylosus (A
TCC29971)およびEnterococcusfaecalis (JCM5803)の菌
液(約1×10個/ml)5μlをそれぞれ接種した。
35℃で24時間培養後、生育の有無を目視により観察し、
各化合物の最小発育阻止濃度を求めた。各化合物および
対照として用いた(+)−カテキンの最小発育阻止濃度
を表1に示す。
【0201】
【表1】
【0202】表1から明らかなように、本発明の(+)
−カテキン誘導体はいずれも(+)−カテキンと比べて
優れた抗菌活性を有している。その中では特に、処理区
2〜5に用いた化合物の抗菌活性が高い。
【0203】実施例18 実施例4〜8で製造した化合物10,11,13,14,16,1
7,19,20,22,23の各10mgを、ジメチルスルホキサイ
ド(DMSO)5ml中で完全に溶解した後、これらの溶
液に滅菌水5mlを加えた。次いで、50%DMSO水溶液を
用いて、上記溶液を所定の濃度に希釈した。これら希釈
液各10μlを、Mueller−Hintonブイヨン
(メルク社製)85μlと共に滅菌済みの96穴マイクロプ
レートのウェルに入れた。次に、これらのウェルにBaci
lluscereus (JCM2152)、B. circulans (IFO13626)、B.
subtilis(IAM12118)、Staphylococcus aureus (IAM101
1)、S. xylosus (ATCC29971)およびEnterococcusfaecal
is (JCM5803)の菌液(約1×10個/ml)5μlをそ
れぞれ接種した。35℃で24時間培養後、生育の有無を目
視により観察し、各化合物の最小発育阻止濃度を求め
た。各化合物および対照として用いた(+)−カテキン
の最小発育阻止濃度を表2に示す。
【0204】
【表2】
【0205】表2から明らかなように、本発明の(+)
−カテキン誘導体はいずれも(+)−カテキンと比べて
優れた抗菌活性を有している。その中では特に、処理区
15〜22に用いた化合物の抗菌活性が高い。
【0206】実施例19 実施例1〜8で製造した化合物3,6,9,12,15,18,2
1,24の各20mgに1mlのジメチルスルホキサイド(DMS
O)を加えて撹拌溶解させた。これら試料溶液1mlを60
℃に冷却した滅菌済み変法サブロー寒天培地(抗生物質
培地13 、BBL社製)99mlに加え、よく混ぜ合わせた。こ
の試料混合培地を滅菌済みのシャーレに注いだ後に冷却
固化させ、試料濃度200μg/mlの平板寒天培地を
作製した。対照として試料溶液のかわりにDMSOのみ
を混合した平板寒天培地(コントロール)も作製した。
以上のように作製した平板寒天培地の中央部にかび(As
pergillus nigar (IAM3001)、Penicilliumcitrinum (IA
M7316)、Rhizopus oryzae (IAM6061)、Cladosporiumhar
barum (IAM5059))の胞子液(胞子数1×10個/m
l)1μlを接種し、30℃で培養した。それぞれのかびの
生育速度に応じてA. nigarを接種したプレートは培養48
時間後に、P.citrinumを接種したプレートは培養72時間
後に、R. orizaeを接種したプレートは培養24時間後
に、C.harbarumを接種したプレートは培養2週間後にコ
ロニーの直径をノギスで測定した。得られた測定値か
ら、生育阻害度を下記の式で表す計算式により求めた。 生育阻害度(%)=(1-(試料含有培地に生育したコロニ
ーの直径/対照培地に生育したコロニーの直径))×100 各化合物および対照として同時に行った(+)−カテキ
ンの生育阻害度を表3に示す。
【0207】
【表3】
【0208】表3から明らかなように、本発明の(+)
−カテキン誘導体はかび4株に対し、対照として試験し
た(+)−カテキンと比べて優れた抗菌活性を有してい
ることがわかる。
【0209】実施例20 実施例1〜8で製造した化合物1,2,4,5,7,8,10,
11,13,14,16,17,19,20,22,23の各20mgに1mlの
ジメチルスルホキサイド(DMSO)を加えて撹拌溶解
させた。これら試料溶液1mlを60℃に冷却した滅菌済み
変法サブロー寒天培地(抗生物質培地13 、BBL社製)99
mlに加え、よく混ぜ合わせた。この試料混合培地を滅菌
済みのシャーレに注いだ後に冷却固化させ、試料濃度2
00μg/mlの平板寒天培地を作製した。対照として
試料溶液のかわりにDMSOのみを混合した平板寒天培
地(コントロール)も作製した。以上のように作製した
平板寒天培地の中央部にかび(Aspergillus nigar (IAM
3001)、Penicilliumcitrinum (IAM7316)、Rhizopus ory
zae (IAM6061)、Cladosporiumharbarum (IAM5059))の
胞子液(胞子数1×10個/ml)1μlを接種し、30
℃で培養した。それぞれのかびの生育速度に応じてA. n
igarを接種したプレートは培養48時間後に、P.citrinum
を接種したプレートは培養72時間後に、R. orizaeを接
種したプレートは培養24時間後に、C.harbarumを接種し
たプレートは培養2週間後にコロニーの直径をノギスで
測定した。得られた測定値から、生育阻害度を下記の式
で表す計算式により求めた。 生育阻害度(%)=(1-(試料含有培地に生育したコロニ
ーの直径/対照培地に生育したコロニーの直径))×100 各化合物および対照として同時に行った(+)−カテキ
ンの生育阻害度を表4に示す。
【0210】
【表4】
【0211】表4から明らかなように、本発明の(+)
−カテキン誘導体はかび4株に対し、対照として試験し
た(+)−カテキンと比べて優れた抗菌活性を有してい
ることがわかる。
【0212】実施例21 実施例9〜16で製造した化合物27,30,33,36,39,
42,45,48の各20mgに1mlのジメチルスルホキサイド
(DMSO)を加えて撹拌溶解させた。これら試料溶液
1mlを60℃に冷却した滅菌済み変法サブロー寒天培地
(抗生物質培地13 、BBL社製)99mlに加え、よく混ぜ合
わせた。この試料混合培地を滅菌済みのシャーレに注い
だ後に冷却固化させ、試料濃度200μg/mlの平板
寒天培地を作製した。対照として試料溶液のかわりにD
MSOのみを混合した平板寒天培地(コントロール)も
作製した。以上のように作製した平板寒天培地の中央部
にかび(Aspergillus nigar (IAM3001)、Penicilliumci
trinum (IAM7316)、Rhizopus oryzae (IAM6061)、Clado
sp oriumharbarum (IAM5059))の胞子液(胞子数1×1
個/ml)1μlを接種し、30℃で培養した。それぞ
れのかびの生育速度に応じてA. nigarを接種したプレー
トは培養48時間後に、P.citrinumを接種したプレートは
培養72時間後に、R. orizaeを接種したプレートは培養2
4時間後に、C.harbarumを接種したプレートは培養2週間
後にコロニーの直径をノギスで測定した。得られた測定
値から、生育阻害度を下記の式で表す計算式により求め
た。 生育阻害度(%)=(1-(試料含有培地に生育したコロニ
ーの直径/対照培地に生育したコロニーの直径))×100 各化合物および対照として同時に行った(−)−エピガ
ロカテキンガレートの生育阻害度を表5に示す。
【0213】
【表5】
【0214】表5から明らかなように、本発明の(−)
−エピガロカテキンガレート誘導体はかび4株に対し、
対照として試験した(−)−エピガロカテキンガレート
と比べて優れた抗菌活性を有していることがわかる。
【0215】実施例22 実施例9〜16で製造した化合物25,26,28,29,31,
32,34,35,37,38,40,41,43,44,46,47の各20mg
に1mlのジメチルスルホキサイド(DMSO)を加えて
撹拌溶解させた。これら試料溶液1mlを60℃に冷却した
滅菌済み変法サブロー寒天培地(抗生物質培地13 、BBL
社製)99mlに加え、よく混ぜ合わせた。この試料混合培
地を滅菌済みのシャーレに注いだ後に冷却固化させ、試
料濃度200μg/mlの平板寒天培地を作製した。対
照として試料溶液のかわりにDMSOのみを混合した平
板寒天培地(コントロール)も作製した。以上のように
作製した平板寒天培地の中央部にかび(Aspergillus ni
gar (IAM3001)、Penicilliumcitrinum (IAM7316)、Rhiz
opus oryzae (IAM6061)、Cladosporiumharbarum (IAM50
59))の胞子液(胞子数1×10個/ml)1μlを接
種し、30℃で培養した。それぞれのかびの生育速度に応
じてA. nigarを接種したプレートは培養48時間後に、P.
citrinumを接種したプレートは培養72時間後に、R. ori
zaeを接種したプレートは培養24時間後に、C.harbarum
を接種したプレートは培養2週間後にコロニーの直径を
ノギスで測定した。得られた測定値から、生育阻害度を
下記の式で表す計算式により求めた。 生育阻害度(%)=(1-(試料含有培地に生育したコロニ
ーの直径/対照培地に生育したコロニーの直径))×100 各化合物および対照として同時に行った(−)−エピガ
ロカテキンガレートの生育阻害度を表6に示す。
【0216】
【表6】
【0217】表6から明らかなように、本発明の(−)
−エピガロカテキンガレート誘導体はかび4株に対し、
対照として試験した(−)−エピガロカテキンガレート
と比べて優れた抗菌活性を有していることがわかる。
【0218】実施例23 実施例9〜16で製造した化合物27,30,33,36,39,
42,45,48の各20mlに10mlのジメチルスルホキサイド
(DMSO)を加えて撹拌溶解した。これら試料溶液液
各5μlを、変法サブロー液体培地(抗生物質培地13 、B
BL社製)90μlと共に滅菌済みの96穴マイクロプレート
のウェルに入れ、最終試料濃度100μg/mlの液体
培地を作製した。次に、これらのウェルにCandida.albi
cans (JCM1542)、Candida. utilis (OUT6020)、Pichiam
embranaefaciens (IAM04911)、Saccharomyces. cerevis
iae (IAM04274)の菌液(約5×10個)5μlをそれぞ
れ接種した。30℃で48時間培養後、生育の有無を目視に
より観察した。各化合物の抗菌性と対照として同時に行
った(−)−エピガロカテキンガレートの最小発育阻止
濃度(MIC)測定結果を表7に示す。
【0219】
【表7】
【0220】表7から明らかなように、本発明の(−)
−エピガロカテキンガレート誘導体は酵母4株に対し、
対照として試験した(−)−エピガロカテキンガレート
と比べて優れた抗菌活性を有していることがわかる。
【0221】製剤例1〜12 以下に示す表8、表9の処方に従って水系での使用に適
した抗菌製剤を作製した。なお、表中の単位は重量%で
ある。
【0222】
【表8】
【0223】
【表9】
【0224】製剤例13〜16 抗菌製剤 以下に示す表10の処方に従って油系での使用に適した
抗菌製剤を作製した。なお、表中の単位は重量%であ
る。
【0225】
【表10】
【0226】 処方例1:口腔用トローチ 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 デキストリン 5.0 クエン酸 0.2 アスパルテーム 0.1 塩化リゾチーム 0.1 アラビアゴム 7.0 香料 0.2 製剤例1の抗菌製剤 0.2 乳糖 100に調整
【0227】 処方例2:軟膏 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 白色ワセリン 25.0 ステアリルアルコール 22.0 プロピレングリコール 12.0 ラウリル硫酸ナトリウム 15.0 パラオキシ安息香酸エチル 0.25 パラオキシ安息香酸プロピル 0.15 製剤例13の抗菌製剤 1.0 精製水 100に調整
【0228】 処方例3:農薬用水和剤 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 ホワイトカーボン 10.0 リグニンスルホン酸塩 5.0 カルボキシメチルセルロース 2.0 実施例6の化合物18 20.0 カオリナイトクレー 100に調整
【0229】 処方例4:化粧水 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 ポリオキシエチレン(12)ポリオキシプロピレン テトラデシルエーテル 1.0 1,3−ブチレングリコール 4.0 グリセリン 3.0 プロピレングリコール 2.0 イソステアリンアルコール 0.1 エタノール 15.0 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.3 製剤例2の抗菌製剤 0.1 精製水 100に調整
【0230】 処方例5:薬用化粧料 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 エタノール 60.0 流動パラフィン 2.0 ポリオキシエチレン(20)セシルエーテル 0.5 香料 0.3 製剤例14の抗菌製剤 0.1 精製水 100に調整
【0231】 処方例6:洗顔クリーム 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 ステアリン酸 20.0 パルミチン酸 8.0 ミリスチン酸 10.0 セタノール 3.0 ラノリン 1.0 グリセリン 16.0 水酸化カリウム 7.0 香料 適量 製剤例1の抗菌製剤 0.1 精製水 100に調整
【0232】 処方例7:ローション 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 流動パラフィン(軽質) 15.0 オリーブ油 8.0 オクチルドデカノール 7.0 サンスクリーン剤 3.5 モノステアリン酸ソルビタン 4.0 モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 6.0 プロピレングリコール 5.0 香料 適量 製剤例7の抗菌製剤 0.1 精製水 100に調整
【0233】 処方例8:アクネローション 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 チオキソロン 0.01 ホモスルファミン 0.5 d−カンフル 0.02 1−メントール 0.05 1,3−ブチレングリコール 5.0 エタノール 15.0 香料 適量 製剤例2の抗菌製剤 0.5 精製水 100に調整
【0234】 処方例9:粉歯磨剤 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 ソルビトール 20.0 マンニトール 20.0 キシリトール 10.0 リンゴ酸ナトリウム 5.0 コーンスターチ 5.0 水酸化アルミニウム 31.1 4A型ゼオライト 2.0 ミリスチルリン酸 1.5 1−アルギニン 1.0 フッ化ナトリウムサッカリンナトリウム 0.2 多孔質デキストリン 2.2 香料 1.0 実施例4の化合物12 1.0
【0235】 処方例10:練歯磨剤 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 リン酸水素カルシウム 50.0 ラウリル硫酸ナトリウム 2.0 サッカリンナトリウム 0.1 グリセリン 12.0 ソルビトール 23.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 カラギーナン 0.7 パラオキシ安息香酸エチル 0.005 香料 適量 製剤例7の抗菌製剤 1.0 精製水 100に調整
【0236】 処方例11:液体歯磨剤 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 エチルアルコール 10.0 グリセリン 10.0 塩化セチルピリジニウム 0.05 トラネキサム酸 0.1 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.5 ステビア 0.1 食用色素 適量 香料 適量 製剤例8の抗菌製剤 1.0 精製水 100に調整
【0237】 処方例12:口中清涼剤 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 スペアミント油 0.1 キシリトール 20.0 ショ糖脂肪酸エステル 1.5 塩化セチルピリジニウム 0.05 製剤例1の抗菌製剤 1.0 精製水 100に調整
【0238】 処方例13:チューイングガム 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 ガムベース 25.0 砂糖 51.9 水飴 10.0 ブドウ糖 10.0 軟化剤 2.0 香料 1.0 製剤例13の抗菌製剤 0.1
【0239】 処方例14:キャンディー 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 砂糖 20.0 水飴 20.0 実施例11の化合物33 0.01 水 100に調整
【0240】 処方例15:果汁飲料 以下の配合にて常法により作製した(単位:重量%)。 製剤例8の抗菌製剤 0.1 蜜柑果汁 100に調整
【0241】
【発明の効果】本発明の式(I)で表されるカテキン誘
導体は、細菌に対して顕著な抗菌作用を有し、その効果
は天然に存在するいずれのカテキン類よりも優れてい
る。また、このカテキン誘導体は、天然に存在するカテ
キン類が抗菌効果を示さないかびや酵母などの真菌に対
しても優れた抗菌作用を有する。本発明の式(I)で表
されるカテキン誘導体は、天然に存在するカテキン類な
どを原料として、これとRCHO(Rは置換されて
いてもよいアルキル基である。)で表されるアルデヒド
とメタンチオールとを酸性条件下で反応させることによ
り、簡単に製造することができる。原料となるカテキン
類に特段の制限はなく、天然物から安価にかつ大量に調
製可能な(+)−カテキンなどを利用することができ
る。また、本発明の式(I)で表されるカテキン誘導体
は、原料となるカテキン類やアルデヒドを適宜選択する
ことによって、対象物や使用方法に最も適した化合物を
得ることができる。このように本発明は、細菌、かび、
酵母などに対する抗菌剤として極めて有効で、かつ幅広
い用途に適用可能な新規抗菌剤、新規カテキン誘導体お
よびその製造方法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/10 A61P 31/10 4H011 // A23G 3/00 101 A23G 3/00 101 3/30 3/30 A23L 2/44 A61K 7/00 M A61K 7/00 Y N D 7/16 7/16 7/18 7/18 7/50 7/50 C07D 311/62 C07D 311/62 A23L 2/00 P 2/18 Fターム(参考) 4B014 GB06 GB13 GK10 GL03 4B017 LC10 LG04 LK06 LL07 4C062 FF44 4C083 AA122 AB032 AB222 AB292 AB442 AB472 AC022 AC072 AC092 AC102 AC122 AC132 AC182 AC242 AC302 AC442 AC482 AC582 AC622 AC692 AC782 AC842 AC862 AC902 AD222 AD242 AD272 AD512 AD532 BB48 CC04 CC23 CC41 DD17 DD22 DD23 DD31 EE32 4C086 AA01 AA03 BA08 MA01 MA04 NA14 ZB35 4H011 AA01 AA02 BA01 BB08 BC07 BC18 BC19 DA02 DC01 DC05 DH10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)で表されるカテキン誘導体また
    はその塩を有効成分とする抗菌剤。 【化1】 [式中、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、−C
    H(SCH)Rを示す。但し、双方が水素原子であ
    ることはない。Rは水素原子、置換されてもよいアル
    キル基、アシル基を示す。R、R、Rはそれぞれ
    独立して、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシロキ
    シ基を表す。Rは置換されていてもよいアルキル基を
    示す。R、Rはそれぞれ独立して水素原子、置換さ
    れてもよいアルキル基、アシル基を示す。]
  2. 【請求項2】 式(I)において、Rが式(i)で表
    されるアシル基である請求項1記載の抗菌剤。 【化2】 [式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原
    子、置換されていてもよいアルキル基、アシル基を示
    す。]
  3. 【請求項3】 式(I)において、Rが水素原子であ
    る請求項1記載の抗菌剤。
  4. 【請求項4】 式(I)において、Rが直鎖アルキル
    基である請求項1記載の抗菌剤。
  5. 【請求項5】 式(I)において、Rが炭素数1〜1
    0の直鎖アルキル基である請求項4記載の抗菌剤。
  6. 【請求項6】 式(I)において、RとRがそれぞ
    れ独立して−CH(SCH)Rであり、各々のR
    がそれぞれ独立して炭素数3〜6の直鎖アルキル基であ
    る請求項1記載の抗菌剤。
  7. 【請求項7】 式(I)において、RとRがそれぞ
    れ独立して−CH(SCH)Rで、各々のRはそ
    れぞれ独立して直鎖アルキル基であり、各々のRの炭
    素数の合計が6〜12である請求項1記載の抗菌剤。
  8. 【請求項8】 式(I)において、RとRのいずれ
    か一方が水素原子で、他方が−CH(SCH)R
    あり、Rが炭素数6〜9の直鎖アルキル基である請求
    項1記載の抗菌剤。
  9. 【請求項9】 抗菌剤が抗真菌剤である請求項1乃至8
    のいずれかに記載の抗菌剤。
  10. 【請求項10】 式(II)で表されるカテキン誘導体
    またはその塩。 【化3】 [式中、R11、R21はそれぞれ独立して水素原子、
    −CH(SCH)Rを示す。但し、双方が水素原子
    であることはない。Rは置換されていてもよいアルキ
    ル基を示す。但し、R11が−CH(SCH)R
    21とRが水素原子の場合、Rはメチル基ではな
    い。なお、式中、R、R、R、R、R、R
    は請求項1と同意義である。]
  11. 【請求項11】 酸性条件下で式(III)で表される
    化合物またはその塩にRCHO(Rは請求項10と
    同意義である。)で表されるアルデヒドとメタンチオー
    ルまたはその塩とを反応させることによる請求項10記
    載のカテキン誘導体またはその塩の製造方法。 【化4】 [式中、R、R、R、R、R、Rは請求項
    10と同意義である。]
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