JP2013079177A - ガラスフィルム及びガラスロール - Google Patents

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【課題】巻き取り時の破断を効果的に抑制しつつ、良好にロール状に巻き取ることが可能なガラスフィルムを提供する。
【解決手段】ガラスフィルム1の巻き取り方向Aに平行な一対の端面1aとこれらの端面1aにそれぞれ連なる表裏面の縁部1bとに化学処理を施し、機械的強度を向上させたことで、ガラスフィルム巻き取り時の破断を効果的に抑制しつつ、良好にロール状に巻き取ることが可能となった。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚みが300μm以下のロール状に巻き取り可能なガラスフィルム及びそのガラスロールに係り、詳しくは巻き取り方向に平行な一対の端面の周辺を強化するための技術に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル等の各種ディスプレイに用いられるガラス基板や、各種カバーガラスとして用いられるガラス基板は、本体デバイスの薄型軽量化やフレキシブル化に伴って、薄肉化が推進されている。
この種のガラス基板は、厚みが薄くなるにつれて可撓性が高くなり、とりわけ厚みが300μm以下になると、ロール状に巻き取ることが容易になる。このため、可撓性を有するガラスフィルムは、洗浄工程、プラスチックフィルムとのラミネート工程、及び成膜工程等の各種工程においてロールtoロール(一方のロールからガラスフィルムを巻き外して他方のロールに巻き取っていく途中で各種処理を行う態様)で取り扱うことができ、上記の各種デバイスを効率的に生産できるという利点がある。
しかしながら、ロールtoロールにて上記のような工程を行う場合、ガラスフィルムの巻き取り時に、巻き取り方向に作用する張力によってガラスフィルムには引張応力が負荷される。この場合、ガラスフィルムの巻き取り方向と平行な一対の端面は、耳部等の不要部分が切断された後の切断面である関係上、この切断後の両端面及びそれらに連なる表裏面の縁部には、マイクロクラック等が発生している。そのため、ガラスフィルムの巻き取り時には、上記の引張応力に起因してマイクロクラック等に応力集中が発生し、ガラスフィルムの破断原因になるという問題があった。
また、成形されたガラスフィルムの幅方向での厚みの均一性が著しく悪いガラスフィルムの巻き取りを行うような場合や、巻き取り時にガラスフィルムを巻き取るコア(芯体)の中心軸と巻き取り方向とが直交しない場合、ガラスフィルムがコアにらせん状に巻き取られるという事態を招く。このような場合には、巻き出されるガラスフィルムの巻き出し方向の中心軸と、巻き取られるガラスフィルムの巻き取り方向の中心軸とがズレるために、ガラスフィルムの幅方向にねじれの力が作用し、ガラスフィルムの幅方向一端側には引張応力が作用するため、ガラスフィルムの両端面(両切断面)及びそれらの端面にそれぞれ連なる表裏面の縁部に存在するマイクロクラックに応力集中が発生しやすい状態となる。このため、マイクロクラックを起点としたガラスフィルムの破断の問題は一層顕著となる。
上記のような問題に対して、特許文献1には、研磨剤を含んだ弾性体を回転するホイールのリム部に形成し、そのリム部をガラス基板端面の長手方向に沿う角部に当接させて研磨することにより、面取りを施し、機械的強度を高めることでガラス基板の破断を抑制する技術が開示されている。
特開2009−280452号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用のものであって、例えば、板厚が300μm以下程度まで薄肉化が推進されているのが実情である。このような薄肉のガラス基板(ガラスフィルム)に対して、同文献に開示のように、研磨による手法を採用していたのでは、面取りを施すことは極めて難しく、上記の端面及び縁部に存するマイクロクラック等の除去が困難となる。
しかも、同文献に開示のように、面取りを施したガラスフィルムを、仮にロール状に巻き取ったとしても、研磨による面取り加工を施しただけでは、上記の端面及び縁部にマイクロクラック等が残存する。そのため、同文献に開示の技術では、マイクロクラック等に応力集中が発生してガラスフィルムの破断原因になるという問題を的確に解決することができない。
上記事情に鑑みなされた本発明の課題は、巻き取り時の破断を効果的に防止しつつ、良好にロール状に巻き取ることが可能なガラスフィルム及びガラスロールを提供することである。
上記課題を解決するために創案された本発明は、厚みが300μm以下のロール状に巻き取り可能なガラスフィルムであって、巻き取り方向に平行な一対の端面と、これらの端面にそれぞれ連なる表裏面の縁部とに化学処理が施されていることに特徴付けられる。
このような構成によれば、巻き取り方向に平行な一対の端面とこれらの端面にそれぞれ連なる表裏面の縁部(以下、単に縁部という)とに化学処理が施されていることにより、上記端面及び縁部に存するマイクロクラックの屈曲した輪郭形状を、丸みを帯びた輪郭形状に変形させることができる。このため、ガラスフィルムの巻き取り時に、ガラスフィルムに作用する張力に起因したマイクロクラックにおける応力集中の発生を抑制できる。これにより、ガラスフィルムの端面及び縁部の機械的強度を高めることが可能となり、ガラスフィルムの破断を効果的に防止することができる。
上記の構成において、前記巻き取り方向の破壊応力が150MPa以上であることが好ましい。なお、上記の化学処理を施さない場合の破壊応力は、100MPa程度であった。
このようにすれば、ガラスフィルム自体の巻き取り方向の機械的強度が強化されていることにより、巻き取り時に、よりガラスフィルムの破断が発生しにくくなる。このため、ガラスフィルムを巻き取るコア(芯体)の径が小さく、ガラスフィルムに大きな引張応力が負荷されるような場合においても、良好にロール状に巻き取ることが可能となる。
上記の構成において、前記端面は、レーザー割断法によって切断されていることが好ましい。ここでレーザー割断とは、切断予定線上のガラスをレーザーで加熱し、その後、冷媒により加熱部を急冷することによって生じる引張応力により、ガラス表面にある初期クラックを進展させて、ガラスを切断するものである。
このようにすれば、ダイヤモンドカッターや超硬ホイール等、機械的な切断方法によってガラスフィルムの切断を行う場合に比べて、切断時に端面(切断面)に傷が生じにくく、マイクロクラックの発生を未然に抑制することができる。このため、化学処理を施すことによるマイクロクラックの除去(屈曲した輪郭形状を、丸みを帯びた輪郭形状に変形させる工程)を容易に行い得ることになる。これにより、ガラスフィルムの端面及び縁部の機械的強度を巻き取りに適した高強度に容易に向上させることが可能となる。
上記の構成において、前記化学処理が施される前記縁部の幅は、2mm以上であることが好ましい。
このようにすれば、ガラスフィルムの巻き取り時に、巻き取り方向に平行な一対の端面及び縁部に大きな張力が作用する場合においても、十分な幅の縁部に化学処理が施されることで、その機械的強度も十分に高められるため、ガラスフィルムの破断を、より一層確実に防止することが可能となる。
上記の構成において、前記化学処理は、フッ素系不活性ガス又はフッ化水素を含む溶液によって施されることが好ましい。
このようにすれば、巻き取り方向に平行な一対の端面及び縁部は、エッチングが施されることで、溶解侵食されるため、端面及び縁部に存するマイクロクラックを効率良く除去することが可能となり、ガラスフィルムの端面及び縁部における機械的強度をさらに向上させることができる。
上記の構成において、ガラスフィルムはオーバーフローダウンドロー法、フロート法、又はスロットダウンドロー法により成形してもよい。
特にオーバーフローダウンドロー法は、薄い板ガラスの成形に適しているため、容易にガラスフィルムを成形することができる。オーバーフローダウンドロー法によってガラスフィルムを成形する場合、ガラスフィルムの中央部よりも厚みの大きい端部である耳部(不要部)の切断を行う必要があり、この際に上記端面及び縁部にマイクロクラックが発生しやすいという欠点がある。しかし、上記端面及び縁部に化学処理が施されることによって、オーバーフローダウンドロー法による成形に由来して耳部を切断する必要があるガラスフィルムであっても、該ガラスフィルムの機械的強度を巻き取りに適した強度に高めることが可能となる。
以上のような構成を備えたガラスフィルムは、ロール状に巻き取ることによりガラスロールとして提供することができる。
以上のように、本発明によれば、ガラスフィルムの端面及び縁部に対する化学処理によって、ガラスフィルムの巻き取り時における破断の発生が効果的に防止されると共に、ガラスフィルムを円滑且つ容易にロール状に巻き取ることが可能となる。
本発明の実施形態に係るガラスフィルムをコアに巻き取っている状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るガラスフィルムをコアに巻き取って作製されたガラスロールを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るガラスフィルムにおける切断工程(レーザー割断)の実施状況を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係るガラスフィルムの機械的強度の測定方法を示す概略正面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、厚みが300μm以下のロール状に巻き取り可能なガラスフィルムを対象としている。
図1は、本実施形態に係るガラスフィルム1が、コア(芯体)Cに巻き取られる際の状態を例示している。同図に示すように、ガラスフィルム1は、コアCが矢印M方向に回転することで巻き取られていくが、コアCとガラスフィルム1との間には保護シートHが介装される。
このガラスフィルム1は、巻き取り方向(同図の矢印A方向)に平行な一対の端面1a及びこれらの端面1aに連なる表裏面の縁部1b(同図に平行斜線を付した領域)に、化学処理としてフッ酸水溶液によるエッチングが施されている。なお、同図には、ガラスフィルム1の表面のみが表われているが、裏面についても同様である。
このようにエッチングが施されることによって、ガラスフィルム1の端面1a及び縁部1bに存するマイクロクラックは下記のような処理を受ける。
すなわち、エッチングが施されることにより、端面1a及び縁部1bに存するマイクロクラックは溶解浸食され、切欠き状に屈曲した輪郭が丸みを帯びたものへと変形する。このため、ガラスフィルム1の巻き取り時に、張力に起因したマイクロクラックにおける応力集中の発生を抑制できる。従って、ガラスフィルム1の端面1a及び縁部1bの機械的強度を強化することが可能となるため、ガラスフィルム1の破断を効果的に防止することができる。
このガラスフィルム1は、オーバーフローダウンドロー法(ダウンドローオーバーフロー法)によって成形されたものであるため、ガラスフィルム1の端面1a及び縁部1bは、耳部を切断除去した後にエッチングが施されたものである。従って、ガラスフィルム1の端面1a及び縁部1bの機械的強度は、有効に高められている。
本実施形態では、エッチングを施す化学処理溶液としてフッ酸水溶液を用いているが、フッ酸とフッ化アンモニウム水溶液と有機酸とを含む混合溶液も化学処理溶液として用いることができる。有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が使用できる。また、フッ酸と燐酸水素ニアンモンの混合溶液とを含む混合溶液やフッ化アンモニウムとアルコール類を含む混合溶液等も化学処理溶液として使用することができ、アルコール類としては、エタノール等が使用できる。
また、上記のような化学処理溶液のみならず、エッチングにはフッ素を含んだ不活性ガス、CF4、C38、C26、XeF2等を少なくとも1種類含んだHeガス或はArガスも用いることができる。詳しくは、Heガス、Arガスで希釈した、フッ素を含む不活性ガスを大気圧下でプラズマ化し、フッ化炭素からフッ素を遊離させること等によりエッチングを行うことができる。
ここで、ガラスフィルム1の端面1aは、レーザー割断法によって切断されている。したがって、ダイヤモンドカッターや超硬ホイール等、機械的な切断方法によってガラスフィルム1の切断を行う場合に比べて、切断時に端面1aに傷が生じにくく、マイクロクラックの発生を抑制可能である。このため、エッチングを施すことによるマイクロクラックの除去が容易なものとなる。
また、エッチングを施す縁部1bの幅は2mm以上であることが好ましいが、より好ましくは、5mm以上であり、さらに好ましくは、10mm以上であって、いずれの場合も、幅の上限値は、30mmであることが好ましい。このようにすれば、ガラスフィルム1の巻き取り時に、端面1a及び縁部1bに大きな張力が作用する場合においても、十分な幅の縁部1bにエッチングが施され、機械的強度が強化されることによって、ガラスフィルム1の破断を効果的に防止することが可能となる。
本実施形態に係るガラスフィルム1の厚みは、300μm以下であることが好ましいが、より好ましくは、200μm以下であり、さらに好ましくは、100μm以下であって、いずれの場合も、厚みの下限値は5μmであることが好ましい。また、ガラスフィルム1を巻き取るコアCの径は、1000mm以下であることが好ましいが、より好ましくは500mm以下であり、さらに好ましくは300mm以下であり、最も好ましくは200mm以下であって、いずれの場合も、径の下限値は、50mmであることが好ましい。なお、当該コアは中実であっても良いし、パイプのように中空であっても良い。また、”径”とは中実のコアでは断面の直径を、中空のコアでは断面の外径を示す。
ガラスフィルム1のコアCへの巻き取りが完了すると、図2に示すようにガラスフィルム1がコアCにロール状に巻き取られ、積層されたガラスロールRとなる。このガラスロールRの状態においても、巻き取り時と同様に、ガラスフィルム1には巻き取り方向に張力が作用するため、張力に起因した引張応力が負荷された状態となる。しかし、上記端面1a及び縁部1bにエッチングが施され、機械的強度が強化されていることにより、この状態においてもガラスフィルム1の破断を効果的に防止することができる。
ガラスフィルム1をロール状に巻き取り、積層したガラスロールRは、洗浄工程、プラスチックフィルムとのラミネート工程、及び成膜工程等の各種工程においてロールtoロールで取り扱うことができる。このため、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル等の各種ディスプレイ用ガラス基板や各種カバーガラス等の各種デバイスを効率的に生産可能である。また、ガラスロールRは、コンパクトに梱包することができるため、輸送にも適したものとなる。
以下、本発明の実施形態に係るガラスフィルム1の製造方法の1例を説明する。
本発明の実施形態に係るガラスフィルム1の材料としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス等を用いることができる。
厚みが300μm以下の可撓性のガラスフィルム1は、例えばオーバーフローダウンドロー法により成形可能である。オーバーフローダウンドロー法によって成形されたガラスフィルム1は、巻き取り方向に平行な一対の端部である耳部が中央部に比べて厚みが大きいため、不要な耳部の切断を行う必要がある。
耳部の切断には、図3に示すようにレーザー割断法(本実施形態では、出力が100W、波長が10.6μmの炭酸ガスレーザー)を用いることができる。詳述すると、ガラスフィルム1に対してレンズ10を介してレーザー光Lを照射することでガラスフィルム1の表面を加熱できる。その直後、加熱部に対してミスト水Wを吹きつけることでガラスフィルム1の耳部の切断を行うことができる。
次に、レーザー割断法によって切断された上記ガラスフィルム1の端面1aと縁部1bの幅2mm〜30mmとが露出するようにして、ガラスフィルム1の表裏面を塩化ビニル製テープでマスキングする。その後、ガラスフィルム1の端面1a及び縁部1bを濃度10%(体積%)のフッ酸水溶液の槽に1〜3分間浸漬し、エッチングを施すことで端面1a及び縁部1bの機械的強度の強化が完了する。上記のような工程を経ることで、本発明に係るガラスフィルム1を製作することが可能である。
本実施形態に係るガラスフィルム1の製作例では、オーバーフローダウンドロー法によってガラスフィルム1の成形を行っているが、この限りではなく、フロート法、スロットダウンドロー法等によっても成形可能である。また、不要な耳部の切断に、レーザー割断法を用いているが、ダイヤモンドカッター、超硬ホイール等の機械的な切断方法によって耳部の切断を行ってもよい。
本発明の実施例として、以下に示すような、各々製作条件の異なるガラスフィルム11種類(実施例1〜8、比較例1〜3)を製作し、ガラスフィルムのコアへの巻き取り試験と機械的強度の測定試験とを実施した。
まず、本実施例に用いた各ガラスフィルムの製作工程について説明する。なお、下記の製作工程の記載で括弧書きとなっているものは、各ガラスフィルムで製作条件の異なるパラメータである。
(製作工程)
オーバーフローダウンドロー法によってガラスフィルムを成形(厚さ:100〜400μm)した後、耳部の切断(切断方法:レーザー割断又はホイール)を行い、巻き取り方向寸法3000mm、幅方向寸法300mmのサイズに切り出した。次に塩化ビニル製テープでガラスフィルムのマスキングを行った後、ガラスフィルムの端面及び縁部(幅:0〜2mm)を濃度10%のフッ酸水溶液に浸漬(処理時間:0〜3min)し、エッチングを施すことで下記に記載の表1に示す11種類のガラスフィルムを製作した。なお、上記のフッ酸水溶液に浸漬する縁部の幅が0mm、及びフッ酸水溶液に浸漬する処理時間が0minとは、ガラスフィルムにエッチングを施していないことを表すものである。
なお、本実施例の製作条件では、エッチング方法としてガラスフィルムをマスキングした後、フッ酸水溶液に浸漬する方法を用いたが、この限りではなく、フッ素系含有不活性ガスを端面及び縁部のみに吹き付ける方法や、フッ酸水溶液をローラー、ブラシ、スプレー等で端面に塗布する方法等によってエッチングを行っても良い。
次に、製作したガラスフィルムに対して実施したコアへの巻き取り試験と機械的強度の測定試験との試験条件について説明する。試験条件については、製作条件とは異なり、各ガラスフィルムで同一の条件下で実施している。
(試験条件)
製作した各ガラスフィルムに100N/mの張力を作用させ、径が100mmのコア(芯体)へと巻き取り、ガラスフィルムの破断の有無を確認した。その後、各々のガラスフィルムから幅15mm、長さ350mmのサンプル50枚を切り出し、図4に示すように2枚の板状体20で各サンプルを挟んだ後、上方の板状体20を50mm/minの速度でガラスフィルムが破壊するまで降下させた。そして、押し曲げ力Fによってガラスフィルムが破壊したときの2枚の板状体20の間隔に基づいて破壊応力(破壊強度)を算出した。
下記の表1に各製作条件下で製作したガラスフィルムの試験結果を示す。なお、表1のコアへの巻き取り項目における◎、○、△、×は、それぞれガラスフィルムを破断させることなく巻き取れる確率が、◎は80%以上、○は60%以上80%未満、△は30%以上60%未満、×は30%未満であったことを示す。
Figure 2013079177
表1の実施例1〜3のガラスフィルムは、エッチングを施す縁部の幅、耳部の切断方法、及びガラスフィルムの厚みがいずれも同じであるが、エッチングを施すためのフッ酸水溶液に浸漬する時間(処理時間)が異なっている。上記実施例1〜3のガラスフィルムのコアへの巻き取りはいずれも良好なものであったが、破壊応力には差異が見られ、浸漬する時間が長い程、破壊応力の値が高くなるという結果が得られた。
表1の実施例3〜5及び比較例3のガラスフィルムは、エッチングを施す縁部の幅、耳部の切断方法、及びエッチングを施すためのフッ酸水溶液に浸漬する時間(処理時間)がいずれも同じであり、ガラスフィルムの破壊応力の値にも差異は見られなかった。しかし、ガラスフィルムの厚みが増す程、コアへの巻き取りが困難になるという結果が得られた。厚みが300μm以下である実施例1〜3のガラスフィルムのコアへの巻き取りは良好なものであったが、厚みが400μmである比較例3のガラスフィルムのコアへの巻き取りは不良なものとなった。
表1の実施例1、実施例6〜8のガラスフィルムは、ガラスフィルムの厚み、耳部の切断方法、及びフッ酸水溶液に浸漬する時間(処理時間)がいずれも同じであるが、エッチングを施す縁部の幅が異なっている。破壊応力の値に関しては差異が見られなかったが、エッチングを施す縁部の幅が大きくなる程、コアへの巻き取りが良好なものとなるという結果が得られた。
表1の比較例1及び比較例2のガラスフィルムは、双方共にエッチングが施されておらず、ガラスフィルムの厚みも同じであるが、耳部の切断方法が異なっている。破壊応力の値に関しては、レーザー割断法を用いた方がホイールによる切断よりも高くなるという結果が得られた。しかし、いずれもエッチングが施されていないため、コアへの巻き取りは双方共に不良なものとなった。
以上のように、本発明によれば、ガラスフィルムの巻き取り時の破断を効果的に防止しつつ、良好にロール状に巻き取ることが可能となる。
1 ガラスフィルム
1a ガラスフィルム端面
1b ガラスフィルム縁部
10 レンズ
20 板状体
A ガラスフィルム巻き取り方向
C コア(芯体)
M コア回転方向
H 保護シート
R ガラスロール
L レーザー光
W ミスト水
S スクライブ線
T 割断線
F 押し曲げ力

Claims (7)

  1. 厚みが300μm以下のロール状に巻き取り可能なガラスフィルムであって、
    巻き取り方向に平行な一対の端面と、これらの端面にそれぞれ連なる表裏面の縁部とに化学処理が施されていることを特徴とするガラスフィルム。
  2. 前記巻き取り方向の破壊応力が150MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラスフィルム。
  3. 前記端面は、レーザー割断法によって切断されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスフィルム。
  4. 前記化学処理が施される前記縁部の幅は、2mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラスフィルム。
  5. 前記化学処理は、フッ素系不活性ガス又はフッ化水素を含む溶液によって施されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラスフィルム。
  6. オーバーフローダウンドロー法、フロート法、又はスロットダウンドロー法により成形されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラスフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載のガラスフィルムがロール状に巻き取られていることを特徴とするガラスロール。
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