JP2006240904A - ガラス基材の曲げ強度の向上方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型ディスプレー等に好適に使用される薄い厚みのガラス基材の曲げ強度を向上させる技術に関し、無機物質による膜層が形成されたガラス基材の曲げ強度を向上させる手段を提供することを課題とする。
【解決手段】シリカ前駆体を加水分解及び重縮合してなるシリカゾルを厚さ200μm以下のガラス基材に塗布及び固化させることで膜層を形成して基材の曲げ強度を向上させる方法であり、前記シリカ前駆体が4官能性シリカ前駆体及び3官能性シリカ前駆体からなり、シリカゾルをガラス基材に塗布する前にガラス基材表面を化学的にエッチングすること。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機ELディスプレー、液晶ディスプレー等の薄型ディスプレー等に好適に使用される薄板ガラスの曲げ強度を向上させる手段に関する。
有機ELディスプレー、液晶ディスプレー等の薄型ディスプレーは、携帯機器、電子ペーパー、カード、電子書籍等への応用展開が期待され、該ディスプレーには、薄型軽量化、可撓化が要求されている。従って、それらに使用されるガラス基材にもより一層の薄型化、及び可撓性が要求されている。ガラス基材の厚さを薄くし、500μm以下としていくことで、ガラス基材は可撓性を有するようになり、200μm、100μm以下としていくとガラスの可撓性は益々向上し、電子ペーパー等への使用に期待される上記薄型ディスプレーの実現に望ましいものとなる。
しかしながら、このような薄板ガラスは、耐衝撃性が小さい等の強度的な問題があるので、ガラス基材に膜層を形成する等の対策がとられている。例えば、特許文献1では、液晶ディスプレー用ガラス基材として、透明な樹脂基材の少なくとも片面にガラスからなる薄板を設けてなる基材を開示している。又、特許文献2では、厚さ≦200μmのガラスとプラスチックとからなる基材を開示している。これらは、薄板ガラスに樹脂層を設けることで、基材の強度を向上させている。
しかし、ディスプレー製造時には昇降温プロセスがあり、基材には熱負荷が加わる。特に薄膜トランジスタ(TFT)を搭載した高精細ディスプレーにおいては、350℃以上の温度での安定性が必要となる。従って、これらを考慮するガラス基材上に形成する膜層も無機系のものとすることが好ましい。
特開平4−235527号公報 特開平11−329715号公報 特開平11−322367号公報
本発明では、無機系の膜層を形成することで薄板ガラスの曲げ強度を向上させる手段に関し、ガラス基材の曲げ強度を向上させ、さらにはガラス基材の厚みを薄くできる手段を提供することを課題とする。
本発明のガラス基材の曲げ強度の向上方法は、シリカ前駆体を加水分解及び重縮合してなるシリカゾルを厚さ200μm以下のガラス基材に塗布及び固化させることで膜層を形成して基材の曲げ強度を向上させる方法であり、前記シリカ前駆体が4官能性シリカ前駆体及び3官能性シリカ前駆体からなり、シリカゾルをガラス基材に塗布する前にガラス基材表面を化学的にエッチングすることを特徴とする。
ガラス基材に化学的にエッチングすることにより、ガラス表層に存在する微小クラックが取り除かれ、ガラスの強度が向上することは特許文献3にて開示されている。そして特許文献3では、化学的にエッチングされたガラス表層を保持することを目的に鉛筆ひっかき値で5H以上の硬さの膜が形成されている。
当該方法は、厚さ数mmのガラスの端面強度を向上させることに効果を奏するものと思われるが、本発明が目的とする厚さ200μm以下のガラス基材の曲げ強度を向上させることに対しては顕著な効果を奏するものではなかった。事実、厚さ100μmのガラス基材を化学的にエッチングしても、効果がないわけではないが、ほとんど曲げ強度の向上には寄与しない。
そして、厚さ200μm以下のガラス基材の曲げ強度を向上させることに効果的な方法を鋭意検討した結果、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、ガラス基材を化学的にエッチング後に、4官能性シリカ前駆体及び3官能性シリカ前駆体からなるシリカ前駆体を加水分解及び重縮合してなるシリカゾルをガラス基材に塗布及び固化させることで膜層を形成することを最大の特徴とする。ガラス基材の化学的エッチングと前記手段による膜の形成で、曲げ強度の向上を図ることが可能となる。
前記したガラス基材表面の化学的エッチングについては、リン酸溶液、フッ化水素を含むリン酸溶液、フッ化水素酸溶液、アルカリ性溶液で行うことが好ましく、中でもガラス基材のエッチング速度が速いフッ化水素酸溶液の使用が特に好ましく、特にフッ化水素の濃度が、0.05乃至0.2重量%のフッ化水素酸溶液が好ましい。又、該エッチング溶液は、加温された状態、すなわち40乃至80℃の溶液としてもよい。
そして、前記したシリカ前駆体については、4官能性シリカ前駆体と3官能性シリカ前駆体とのモル比を1.1:1乃至1:1.1とするとガラス基材の曲げ強度の向上に効果を奏するので好ましい。ガラス基材の曲げ強度は、ガラス基材上に形成される膜層の状態も影響する。ガラス基材上に形成する膜を上記比の組成を有するシリカ前駆体を原料として作製すると、ガラス基材の曲げ強度の向上に特に効果を奏する。
本発明のガラス基材の曲げ強度向上方法は、簡便な手段でガラス基材の曲げ強度を向上させることができる。又、ガラス基材を化学的にエッチングする際に、エッチング時間を長くすることにより、ガラス基材の厚みをより薄くすることも可能なので、ガラス基材の可撓性向上に有利で、電子ペーパー等への使用に期待される上記薄型ディスプレーの実現に望ましいガラス基材を提供することに奏功する。
本発明のガラス基材の曲げ強度の向上方法は、シリカ前駆体を加水分解及び重縮合してなるシリカゾルを厚さ200μm以下のガラス基材に塗布及び固化させることで膜層を形成して基材の曲げ強度を向上させる方法であり、前記シリカ前駆体が4官能性シリカ前駆体及び3官能性シリカ前駆体からなり、シリカゾルをガラス基材に塗布する前にガラス基材表面を化学的にエッチングすることを特徴とする。
4官能性シリカ前駆体には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラセアセトキシシラン、テトラクロロシラン等が挙げられる。
3官能性シリカ前駆体には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシシプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。
シリカ前駆体は、上記4官能性シリカ前駆体、及び3官能性シリカ前駆体以外に2官能性シリカ前駆体も必要に応じて導入してもよい。そして、2官能性シリカ前駆体には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
用いられる混合物の例としては、テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランとの混合物、テトラエトキシシランとメチルトリメトキシシランとの混合物、テトラメトキシシランとメチルトリメトキシシランとの混合物、テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランとジメチルジエトキシシランとの混合物等が挙げられる。
上記したようなシリカ前駆体を溶媒に希釈し、好ましくは、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、多価カルボン酸等の酸性触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノ基を有するアルコキシシラン等の塩基性触媒を含んでもよく、そして、さらに好ましくは、水を加えることでシリカゾルを得る。
そして、該溶媒には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、エチルセロソルブアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールアセテートなどのアセテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素の他、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒を使用することが好ましい。
溶媒の量、酸性触媒又は塩基性触媒の量、水の量は、任意に選択可能であるが、シリカ前駆体1に対して重量比で、溶媒の量は0.1倍量乃至100倍量、酸性触媒又は塩基性触媒の量は0,001倍量乃至0.1倍量、水の量は、0.1倍量乃至10倍量の範囲で用いることができる。ガラス基材にシリカゾルを塗布する手段としては、ディップコート、フローコート、スピンコート、ロールコート、スプレーコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の公知手段によって行うことができる。
そして、シリカゾルをガラス基材に塗布後、風乾、加熱等の手段で、シリカ前駆体からの重縮合物中のシラノール基と、他の重縮合物中のシラノール基及びガラス基材表面のシラノール基とを結合させることで、塗布物を固化させることにより膜層が形成されたガラス基材が得られる。
膜層を形成する前に行うガラス基材表面の化学的エッチングは、リン酸溶液、フッ化水素を含むリン酸溶液、フッ化水素酸溶液、アルカリ性溶液等のエッチング溶液をガラス表面に接触させることで行うことでできる。該接触には、ガラス基材をエッチング溶液に浸漬する方法、エッチング液をガラス基材表面に噴霧する方法等を採用でき、エッチング過程中にエッチング溶液を改質していき、シリカゾル溶液とするような処理を行えば、より薄くされたガラス基材を得ることが可能となる。
又、形成されたガラス基材の膜層側に、ガラス基材の曲げ強度の向上のために水を接触させてもよい。そして、膜層に接触させる水は、水蒸気、液体を使用できるが、液体とすることが、安価なプロセスとすることができ好ましい。又、該水は、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、多価カルボン酸等の酸性物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノ基を有するアルコキシシラン等の塩基性物を含んでもよい。
本発明のガラス基材の製法で使用されるガラス基材は、厚み200μm以下のもので、中でもガラス基材の厚さは薄型ディスプレー用基材として必要とされている10μm以上のもので、好ましくは10μm乃至150μm、より好ましくは、50μm乃至100μmの厚さのものが好ましい。ガラス基材の材質としては、ソーダ石灰ガラス、硼珪酸塩ガラス、アルミノ珪酸ガラス、アルミノ硼珪酸ガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス等を使用することができる。
1.シリカ前駆体の選定
シリカ前駆体として、4官能性シリカ前駆体であるテトラエトキシシラン(以下、TEOSとする)と3官能性シリカ前駆体であるメチルトリエトキシシラン(以下、MTESとする)とを準備した。
シリカ前駆体に対して、4倍量のエタノール溶媒を、約20℃の室温で、10分間混合し、混合物を得た。この際のTEOSとMTESは混合比については、モル比で、100:0、70:30、50:50、30:70、そして、0:100の5種とした。該混合物に0.1重量%の塩酸を含有する水をシリカ前駆体導入量に対し、4倍量添加、約20℃の室温で、2時間混合しシリカ前駆体を加水分解及び重縮合してなるシリカゾルを得た。
該シリカゾルを引き上げ速度3.03mm/秒のディップコート法で50mm×50mm×0.1mm厚の無アルカリガラス(D263、ショット社製)に塗布し、約20℃の室温で1時間乾燥し、100℃で1時間加熱した、試料を各シリカ前駆体に対して10個得た。
本実施例で得られた試料を、円筒曲げ治具を取り付けた引張圧縮試験機[株式会社オリエンテック;STA−1225]で曲げ強度を評価した。まず、円筒内径10mmの圧子と、円筒外径30mmの支持台をそれぞれ試験機に取り付け、圧子と支持台の中心位置を軸合わせ治具により調整した。測定では、試料を支持台の上にのせ、荷重速度0.5mm/minにて試料に荷重を加えたときのガラスが破壊したときの荷重(破壊荷重)を測定した。試料の作製条件毎に10個測定用試料を用意し、得られた破壊荷重の平均値を試料の曲げ強度とし、あわせて標準偏差を求めた。
結果を図1に示す。破壊荷重の値は、「○」でプロットされ、平均値は図内で「←」、標準偏差は、「n」で示される。又、図1でのX軸は、TEOSとMTESとのモル比、Y軸は、曲げ強度(Fracture strength)を示している。この結果よりTEOSとMTESとのモル比は、50:50とすることが最適であることがわかったので、ガラス基材の化学的エッチング後に形成させる膜層は、前記組成比を有すシリカ前駆体より得られるものとした。
2.化学的エッチングがなされたガラス基材に膜層が形成された場合の曲げ強度の評価
前記と同一のガラス基材を5N又は2NのNaOH水溶液若しくは5NのKOH水溶液、1重量%又は0.1重量%のフッ化水素酸水溶液に所定時間浸漬させることでガラス基材表面の化学的エッチングを行った。図2に0.1重量%のフッ化水素酸水溶液にガラス基材に浸漬させたときの浸漬時間と質量減少量との関係を示す。60分の浸漬によりガラス基材の厚みは、0.6μm減少した。
図3に1重量%のフッ化水素酸水溶液に1秒間浸漬させたガラス基材表面の原子間力顕微鏡の観測で得られた図面代用写真、図4に0.1重量%のフッ化水素酸水溶液に10分間浸漬させたガラス基材表面の原子間力顕微鏡の観測で得られた図面代用写真を示す。この結果より、低い濃度のフッ化水素で長い時間エッチング処理した方がなめらかなガラス表面が得られることがわかる。
化学的エッチングがなされたガラス基材にTEOSとMTESのモル比が1:1でなる膜層を形成し、前記と同様の曲げ強度の評価を行った。図5にNaOH水溶液又はKOH水溶液にガラス基材を30分間浸漬させることで化学的エッチングを行った後に膜層が形成されたガラス基材の曲げ強度を示す。
破壊荷重の値は、「○」でプロットされ、平均値は図内で「←」、標準偏差は、「n」で示される。又、図5でのX軸は、試料を作製したときの条件を表し、括弧内は、エッチング溶液の種類、「coating」は膜層が形成されたガラス基材を示している。そして、Y軸は、曲げ強度(Fracture strength)を示している。化学的エッチングがなされたガラス基材に膜層を形成すると、ガラス基材又は化学的エッチングがなされただけのガラス基材若しくは膜層が形成されただけのガラス基材と比較して顕著にガラス基材の曲げ強度が向上した。
次ぎに化学的エッチングをフッ化水素水溶液で行った場合のガラス基材の曲げ強度の変化について説明する。図6にフッ化水素水溶液にガラス基材を浸漬させることで化学的エッチングを行った後に膜層が形成されたガラス基材の曲げ強度を示す。
破壊荷重の値は、「○」でプロットされ、平均値は図内で「←」、標準偏差は、「n」で示される。又、図6でのX軸は、試料を作製したときの条件を表し、括弧内はフッ化水素の濃度とガラス基材の浸漬時間、「coating」は膜層が形成されたガラス基材を示している。そして、Y軸は、曲げ強度(Fracture strength)を示している。化学的エッチングがなされたガラス基材に膜層を形成すると、ガラス基材又は化学的エッチングがなされたガラス基材若しくは膜層が形成されただけのガラス基材と比較してガラス基材の曲げ強度は向上し、フッ化水素酸溶液のフッ化水素濃度を適切化することによりガラス基材の曲げ強度は顕著に向上した。これは、図4に示すようにガラス基材の化学的エッチング時のなめらかなガラス表面の形成が奏功したものと推察される。
化学的エッチング処理がなされていないガラス基材へ膜層を形成したときの膜層形成時のTEOSとMTESとのモル比とガラス基材の曲げ強度との関係を示す図である。 0.1重量%のフッ化水素酸水溶液にガラス基材を浸漬させたときの浸漬時間と質量減少量との関係を示す図である。 1重量%のフッ化水素酸水溶液に1秒間浸漬させたガラス基材表面の原子間力顕微鏡の観測で得られた図面代用写真である。 0.1重量%のフッ化水素酸水溶液に10分間浸漬させたガラス基材表面の原子間力顕微鏡の観測で得られた図面代用写真である。 NaOH水溶液又はKOH水溶液で化学的エッチングがされたガラス基材に膜層が形成された場合の曲げ強度を示す図である。 フッ化水素水溶液で化学的エッチングがされたガラス基材に膜層が形成された場合の曲げ強度を示す図である。

Claims (3)

  1. シリカ前駆体を加水分解及び重縮合してなるシリカゾルを厚さ200μm以下のガラス基材に塗布及び固化させることで膜層を形成して基材の曲げ強度を向上させる方法であり、前記シリカ前駆体が4官能性シリカ前駆体及び3官能性シリカ前駆体からなり、シリカゾルをガラス基材に塗布する前にガラス基材表面を化学的にエッチングすることを特徴とするガラス基材の曲げ強度の向上方法。
  2. ガラス基材表面の化学的エッチングを、リン酸溶液、フッ化水素を含むリン酸溶液、フッ化水素酸溶液、アルカリ性溶液で行うことを特徴とする請求項1に記載のガラス基材の曲げ強度の向上方法。
  3. ガラス基材表面の化学的エッチングを、フッ化水素の濃度が、0.05乃至0.2重量%のフッ化水素酸溶液で行うことを特徴とする請求項1に記載にガラス基材の曲げ強度の向上方法。
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