JP6327580B2 - ガラスフィルム積層体および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

ガラスフィルム積層体および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイや、太陽電池、リチウムイオン電池、デジタルサイネージ、タッチパネル、電子ペーパー、携帯電話やスマートフォン等のデバイスのガラス基板、及び有機EL照明や携帯電話、スマートフォン等のデバイスのカバーガラスや医薬品パッケージ等に使用されるフィルム状ガラスの製造方法、及び支持ガラスによってガラスフィルムを支持したガラスフィルム積層体に関する。
省スペース化の観点から、従来普及していたCRT型ディスプレイに替わり、近年は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等のフラットパネルディスプレイが普及している。これらのフラットパネルディスプレイにおいては、さらなる薄型化が要請される。特に有機ELディスプレイには、折りたたみや巻き取ることによって持ち運びを容易にすると共に、平面だけでなく曲面にも使用可能とすることが求められている。また、平面だけでなく曲面にも使用可能とすることが求められているのはディスプレイには限られず、例えば、自動車の車体表面や建築物の屋根、柱や外壁等、曲面を有する物体の表面に太陽電池を形成したり、有機EL照明を形成したりすることができれば、その用途が広がることとなる。従って、これらデバイスに使用される基板やカバーガラスには、更なる薄板化と高い可撓性が要求される。
有機ELディスプレイに使用される発光層や電子輸送層(Alq3)をはじめとした有機EL素子材料は、酸素や水蒸気等の気体が接触することにより劣化する。従って有機ELディスプレイに使用される基板には高いガスバリア性が求められるため、ガラス基板を使用することが期待されている。しかしながら、基板に使用されるガラスは、樹脂フィルムと異なり引っ張り応力に弱いため可撓性が低く、ガラス基板を曲げることによりガラス基板表面に過度な引っ張り応力がかけられると破損に至る。ガラス基板に可撓性を付与するためにはガラス基板の超薄板化を行う必要があり、特許文献1に記載されているような厚み200μm以下のガラスフィルムやガラスロールが提案されている。
フラットパネルディスプレイや太陽電池等の電子デバイスに使用されるガラス基板には、加工処理や洗浄処理等、様々な電子デバイス製造関連の処理がなされる。ところが、これら電子デバイスに使用されるガラス基板のフィルム化を行うと、ガラスは脆性材料であるため多少の応力変化により破損に至り、上述した各種電子デバイス製造関連処理を行う際に、取り扱いが大変困難であるという問題がある。加えて、厚み200μm以下のガラスフィルムは可撓性に富むため、処理を行う際に位置決めを行い難く、パターンニング時にずれ等が生じるという問題もある。
ガラスフィルムの取り扱い性を向上させるために、特許文献2では、支持体としての支持ガラスの上にガラスフィルムを積層させたガラスフィルム積層体が提案されている。これによれば、単体では強度や剛性のないガラスフィルムを用いても、支持ガラスの剛性が高いため、処理の際にガラスフィルム積層体全体として位置決めが容易となる。また、特許文献2では、工程終了後にガラスフィルムを破損することなくすみやかに支持ガラスから剥離することが可能であるとされている。ガラスフィルム積層体の厚みを従来のガラス基板の厚みと同一とすれば、従来のガラス基板用液晶表示素子製造ラインを共用して、液晶表示素子を製造することも可能となる。
特許文献2に記載されたガラスフィルム積層体では、最終的に電子デバイス等に使用するため、支持ガラスからガラス基板を剥離する必要がある。この際に、一般的には、ガラスフィルムのコーナー部からガラスフィルムの剥離を開始する。しかしながら、特許文献2に記載のガラスフィルム積層体は、ガラスフィルムの全ての面が支持ガラスと接触している。このため、支持ガラスとガラスフィルムとの接着力が強固な場合については、ガラスフィルムのコーナー部を把持し難く、ガラスフィルムの剥離の際にガラスフィルムのコーナー部に破損や欠け等が生じ易くなるという問題がある。
この問題を解決するために、特許文献3では、支持体としての支持ガラス上の一部を凹状に切り欠いて形成された剥離開始部で、ガラスフィルムのコーナー部が露出するようにガラスフィルムを支持ガラス上に積層したガラスフィルム積層体が提案されている。これにより、ガラスフィルムの剥離の際には、ガラスフィルムのコーナー部を容易に把持することができるため、支持ガラスからガラスフィルムを容易に剥離することができる。
特開2010−132531号公報 特開2011−183792号公報 特開2012−030404号公報
しかしながら、特許文献3では、支持体としての支持ガラスの端部近傍に凹状の剥離開始部を設けているため、剥離開始部近辺では支持ガラスの強度が不足するという問題がある。例えば、電子デバイスの製造関連処理時に、支持ガラスの剥離開始部付近の端部に位置決めピン等が打突すること等により、支持ガラスが破損するという問題が生じる。また、ガラスフィルム積層体が、加熱を伴う電子デバイスの製造関連処理を経る場合に、昇温時に熱衝撃により、剥離開始部を起点として、支持ガラスが破損するという問題も生じる。
以上の実情に鑑み、本発明は、製造関連処理時の支持体の破損や、支持体からガラスフィルムを剥離する際のガラスフィルムの破損を防止しつつ、支持体からガラスフィルムを容易に剥離可能とすることを課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、支持体の合わせ面とガラスフィルムの合わせ面とを面接触させて積層したガラスフィルム積層体であって、ガラスフィルムの端辺の少なくとも一部に肉厚部を設け、肉厚部を支持体の合わせ面に接触させたことを特徴とする。
このような構成によれば、ガラスフィルムの肉厚部を起点として、支持体からガラスフィルムを容易に剥離することができる。そのため、支持体の端部近傍に強度低下の原因となる凹状の剥離開始部を設けずに済む。また、ガラスフィルムの肉厚部が剥離起点となるので、剥離時にガラスフィルムの肉厚部よりも相対的に薄い部分に過度な力が作用しにくくなり、ガラスフィルムが破損するのを防ぐことができる。
上記の構成において、支持体が、ガラスフィルムから食み出していることが好ましい。
このようにすれば、製品となるガラスフィルムに他部材が直接接触するのを防ぐことができる。
上記の構成において、肉厚部の支持体の合わせ面との接触箇所近傍に、ガラスフィルムの合わせ面と支持体の合わせ面とが互いに離間した離間領域が形成されていることが好ましい。
このようにすれば、離間領域を徐々に広げていくことで、ガラスフィルムを支持体から容易に剥離することができる。ここで、支持体からガラスフィルムを剥離する際に、剥離治具として樹脂シートや剃刀のような薄肉の金属部材を使用すれば、剥離治具を離間領域に容易に挿入できるため、離間領域を簡単に広げることができる。
上記の構成において、肉厚部が、多角形状のガラスフィルムの少なくとも1辺に設けられており、肉厚部と支持体の合わせ面とが、線接触していることが好ましい。
このようにすれば、ガラスフィルムの1辺に沿って離間領域が形成されるため、ガラスフィルムの剥離時に、上述の剥離治具を離間領域により挿入しやすくなる。なお、支持ガラスとガラスフィルムとは相似形であることがより好ましい。
上記の構成において、多角形状のガラスフィルムが、矩形状であることが好ましい。
このようにすれば、種々の電子デバイスに対して汎用性の高い基板を製造することができる。
上記の構成において、肉厚部が、ガラスフィルムの合わせ面から支持体側に0.1〜20μm突出していることが好ましい。
このようにすれば、離間領域を適切に作製することが可能となる。
上記の構成において、前記離間領域の支持体の合わせ面に沿う方向の幅が、0.1〜5mmであることが好ましい。
このようにすれば、ガラスフィルムと支持体との接触面を広く確保しつつ、ガラスフィルムの剥離の際に起点となる離間領域を適切に作製することが可能となる。
上記の構成において、肉厚部は、ガラスフィルムをレーザー溶断することで形成されていることが好ましい。
このようにすれば、容易に肉厚部を形成することができる。また、ガラスフィルムをレーザー溶断した場合には、レーザー溶断箇所およびその近傍には溶断時に飛散除去させたドロスが付着することがある。このようにドロスが付着していると、肉厚部および肉厚部近傍と支持体との接着力が低下し、ガラスフィルムを支持体から更に容易に剥離させることが可能となる。
上記の構成において、肉厚部は、ガラスフィルムの隣り合う2辺に設けられていてもよい。
このようにすれば、ガラスフィルムの隣り合う2辺を起点として、支持体からガラスフィルムを剥離することができる。また、肉厚部が隣り合う2辺が交わる角部を起点として、支持体からガラスフィルムを剥離し易くなるという利点もある。
上記の構成において、肉厚部は、ガラスフィルムの対向する2辺に設けられていてもよい。
このようにすれば、ガラスフィルムの対向する2辺を起点として、支持体からガラスフィルムを剥離することができる。
上記の構成において、肉厚部は、ガラスフィルムのすべての辺に設けられていてもよい。
このようにすれば、ガラスフィルムのすべての辺を起点として、支持体からガラスフィルムを剥離することができる。
上記の構成において、支持体の合わせ面が、ガラス又はガラス表面に形成された無機薄膜で形成されており、ガラスフィルムの合わせ面と支持体の合わせ面の表面粗さRaが、それぞれ2.0nm以下であることが好ましい。
このようにすれば、ガラスフィルムの合わせ面と支持体の合わせ面とを、互いに接着剤を使用することなく密着させることが可能となる。
上記の構成において、ガラスフィルムが、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法、又はフロート法によって成形されていることが好ましい。
このようにすれば、ガラスフィルムを効率的に作製することができる。また、これらの成形法を使用すると、ガラスフィルム成形時に、ガラスリボンの両端部に肉厚の耳部が形成されることがあるが、当該耳部を肉厚部とすることも可能である。これにより、肉厚部を作製する後工程を省略することが可能となる。
上記の構成において、ガラスフィルムの厚みは、300μm以下であってもよい。
すなわち、ガラスフィルムの厚みが300μm以下となると、割れや欠け等の破損が発生し易くなるが、本発明によれば、このような薄いガラスフィルムであっても、破損を生じさせることなく容易に支持体から剥離することができる。
上記課題を解決するために創案された本発明は、製造関連処理が施された処理済みガラスフィルムを備えた電子デバイスを製造する電子デバイスの製造方法であって、ガラスフィルムの少なくとも一部をレーザー溶断することでガラスフィルムの端辺に肉厚部を形成する第1の工程と、支持体の合わせ面に肉厚部を接触させた状態で、支持体の合わせ面にガラスフィルムの合わせ面を面接触させて積層し、ガラスフィルム積層体を作製する第2の工程と、ガラスフィルム積層体のガラスフィルム側に製造関連処理を行う第3の工程と、製造関連処理後に、肉厚部を起点として支持体から処理済みガラスフィルムを剥離する第4の工程とを有することを特徴とする。
このような構成によれば、製造関連処理が施された処理済みガラスフィルムの肉厚部を起点として、処理済みガラスフィルムを支持ガラスから容易に剥離することができる。そのため、支持ガラスの端部近傍に強度低下の原因となる凹状の剥離開始部を設けずに済む。また、処理済みガラスフィルムの肉厚部が剥離起点となるので、処理済みガラスフィルムの肉厚部よりも相対的に薄い部分に過度な力が作用しにくくなり、処理済みガラスフィルムが破損するのを防ぐことができる。したがって、電子デバイスを構成する処理済みガラスフィルムを容易かつ安価に製造することができる。
上記の構成において、第4の工程後に、処理済ガラスフィルムから肉厚部を除去する第5の工程を更に有していてもよい。
このようにすれば、処理済みガラスフィルムの端辺に形成されている肉厚部が除去されるので、得られた処理済みガラスフィルムを電子デバイスに組み込み易くなる。
以上のように発明によれば、ガラスフィルムの肉厚部を起点として、支持体からガラスフィルムを容易に剥離できるため、製造関連処理時に支持体が破損したり、支持体からガラスフィルムを剥離する際にガラスフィルムが破損したりする事態を防止することができる。
本発明の実施形態に係るガラスフィルム積層体の一部拡大断面図である。 ガラスフィルム及び支持体の製造方法の一例を示した図である。 本発明の実施形態に使用されるガラスフィルムの変形例を示した図である。 肉厚部を作製する際に使用されるレーザー溶断装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示した図である。 本発明の実施形態に係る電子デバイスの製造方法の他の例を示した図である。
以下、本発明に係るガラスフィルム積層体、及び電子デバイスの製造方法の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、以下の実施形態は、単なる一例であり、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。
<ガラスフィルム積層体>
図1に示すように、本実施形態に係るガラスフィルム積層体1は、支持体としての支持ガラス3の合わせ面(上面)31に、ガラスフィルム2の合わせ面(下面)22を面接触させて積層してなる。
ガラスフィルム2の端辺20には、ガラスフィルム2の厚みtよりも厚みの大きい肉厚部21が形成されている。これにより、ガラスフィルム2の肉厚部21を起点として、支持ガラス3からガラスフィルム2を容易に剥離することができる。肉厚部21は、ガラスフィルム2の端辺20の一部に形成されていてもよく、ガラスフィルム2の端辺20全体に形成されていてもよい。ガラスフィルム2の端辺20の一部に形成する場合、肉厚部21は、隣り合う2辺が交わる角部(角部とその他の部位又は角部のみ)に設けられていてもよい。また、ガラスフィルム2にオリフラが設けられている場合には、肉厚部21は、オリフラ(オリフラとその他の部位又はオリフラのみ)に設けられていてもよい。更に、肉厚部21は、矩形状のガラスフィルム2の1辺のみに形成されていてもよいが、隣り合う2辺や対向する2辺、また、4辺全てに設けられていてもよい。
この実施形態では、ガラスフィルム積層体1内において、ガラスフィルム2の肉厚部21と支持ガラス3の合わせ面31との接触箇所13と、ガラスフィルム2の合わせ面22と支持ガラス3の合わせ面31との接触面11の間に、ガラスフィルム2の合わせ面22と支持ガラス3の合わせ面31が互いに離間した離間領域12が形成されている。これにより、支持ガラス3からガラスフィルム2を剥離する際には、離間領域12を徐々に広げていくことで接触面11を離反させ、支持ガラス3からガラスフィルム2を容易に剥離することができる。ここで、支持ガラス3からガラスフィルム2を剥離する際に、図示しない剥離治具として樹脂シートや剃刀のような薄肉の金属部材を使用すれば、当該剥離治具を離間領域12に容易に挿入することができる。
離間領域12は、ガラスフィルム2の合わせ面22と、支持ガラス3の合わせ面31と、肉厚部21の外表面211とで囲曉された空間である。離間領域12の支持ガラス3の合わせ面31に沿う方向の幅w(接触箇所13と接触面11までの距離)は、0.01〜10mmであることが好ましく、0.1〜5mmであることがより好ましく、1〜4mmであることが、最も好ましい。これにより、ガラスフィルム2と支持ガラス3との接触面11を広く確保しつつ離間領域12を適切に作製することが可能となる。なお、離間領域12は形成されていなくてもよい。
この実施形態では、支持ガラス3が、ガラスフィルム2から食み出している。これにより、ガラスフィルム2の端辺20が、図示しない位置決めピン等に打突することで、ガラスフィルム2が破損することを防止することができる。
支持ガラス3のガラスフィルム2からの食み出し量は、0.5〜30mmであることが好ましく、0.5〜5mmであることがより好ましい。支持ガラス3の食み出し量を少なくすることで、ガラスフィルム2の有効面をより広く確保することができる。ガラスフィルム積層体1において、4辺全てにおいて、支持ガラス12がガラスフィルム11から食み出していることが好ましく、少なくとも、ガラスフィルム2の端辺20に肉厚部21が形成されている部分については、支持ガラス3がガラスフィルム2よりも食み出していることが好ましい。なお、支持ガラス3は、ガラスフィルム2から食み出していなくてもよい。
ガラスフィルム2の合わせ面22及び支持ガラス3の合わせ面31の表面粗さRaは、それぞれ2.0nm以下であることが好ましい。これにより、ガラスフィルム2の合わせ面22と支持ガラス3の合わせ面31とを、接着剤を使用することなく安定して積層させることができる。ガラスフィルム2の合わせ面22及び支持ガラス3の合わせ面31の表面粗さRaは、それぞれ1.0nm以下であることが好ましく、0.5nm以下であることがより好ましく、0.2nm以下であることが最も好ましい。
ガラスフィルム2の合わせ面22から肉厚部21の支持ガラス3側へのガラスフィルム2の合わせ面22からの突出量pは、0.1〜100μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。これにより、離間領域12を適切に作製することができる。また、ガラスフィルム2が、端部で大きく変形することを防止することができる。さらに、ガラスフィルム2の端辺20を切り落とすことなく、種々の電子デバイス等に用いることができる。
肉厚部21は、断面視円状に形成されていることが好ましい。これにより、肉厚部21と支持ガラス3の合わせ面31との接触箇所13を、線接触とすることができる。肉厚部21と支持ガラス3の合わせ面31との接触箇所13を線接触とすることで、支持ガラス3からガラスフィルム2を、より容易に剥離することができる。肉厚部21は、断面視円状には限定されず、肉厚部21を断面視多角形状等に形成してもよい。また、肉厚部21と支持ガラス3の合わせ面31との接触箇所13は、線接触には限定されず、肉厚部21の一部を平面状に形成することで、肉厚部21と支持ガラス3の合わせ面31との接触箇所13を面接触としてもよい。さらには肉厚部21と支持ガラス3の合わせ面31とが複数の接触箇所13で点接触しており、これらの複数の接触箇所が(擬似的に)線状に形成されている形態であってもよい。
ガラスフィルム2としては、例えば、ケイ酸塩ガラス、シリカガラスが用いられ、好ましくはホウ珪酸ガラスが用いられ、最も好ましくは無アルカリガラスが用いられる。ガラスフィルム2にアルカリ成分が含有されていると、表面において陽イオンの脱落が発生し、いわゆるソーダ吹きの現象が生じ、構造的に粗となる。この場合、ガラスフィルム2を湾曲させて使用していると、経年劣化により粗となった部分から破損する可能性がある。尚、ここで無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分が3000ppm以下のガラスのことである。本発明でのアルカリ成分の含有量は、好ましくは1000ppm以下であり、より好ましくは500ppm以下であり、最も好ましくは300ppm以下である。
ガラスフィルム2の厚みは、好ましくは300μm以下、より好ましくは5μm〜200μm、最も好ましくは5μm〜100μmである。これによりガラスフィルム2の厚みをより薄くして、適切な可撓性を付与することができるとともに、ハンドリング性が困難で、かつ、位置決めミスやパターニング時の撓み等の問題が生じやすいガラスフィルム2に対して、後述する支持ガラス3を使用することで電子デバイス製造関連処理等を容易に行うことができる。ガラスフィルム2の厚みが5μm未満であると、ガラスフィルム2の強度が不足がちになり、支持ガラス3からガラスフィルム2を剥離しにくくなるおそれがある。
支持ガラス3としては、例えば、ガラスフィルム2と同様に、ケイ酸塩ガラス、シリカガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス等が用いられる。支持ガラス3については、ガラスフィルム2との30〜380℃における熱膨張係数の差が、5×10−7/℃以内のガラスを使用することが好ましい。これにより、電子デバイス製造関連処理の際に熱処理を伴ったとしても、膨張率の差による熱反りやガラスフィルム2の割れ等が生じ難く、安定した積層状態を維持できるガラスフィルム積層体1とすることが可能となる。支持ガラス3とガラスフィルム2とは、同一の組成を有するガラスを使用することが最も好ましい。
支持ガラス3の厚みは、400μm以上であることが好ましい。支持ガラス3の厚みが400μm未満であると、支持ガラス3を単体で取り扱う場合に、強度の面で問題が生じるおそれがある。支持ガラス3の厚みは、400μm〜700μmであることが好ましく、500μm〜700μmであることが最も好ましい。これによりガラスフィルム2を確実に支持することが可能となるとともに、支持ガラス3からガラスフィルム2を剥離する際に生じ得るガラスフィルム2の破損を効果的に抑制することが可能となる。尚、電子デバイス製造関連処理時に、図示しないセッター上に、ガラスフィルム積層体1を載置する場合は、支持ガラス3の厚みは400μm未満(例えば300μm等、ガラスフィルム2と同一の厚み)でも良い。
ガラスフィルム2は、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法、フロート法によって成形されていることが好ましい。これらの成形法であると、ガラスフィルム2の成形時に、その元材となるガラスリボンの両端部に肉厚の耳部が形成されることがあるが、当該耳部を肉厚部21として利用することができる。これにより、肉厚部21を作製する後工程を省略することが可能となる。もちろん、これらの成形法を使用したとしても、耳部を除去した後のガラスフィルム2の端辺に、新たに肉厚部21を形成してもよい。特に、オーバーフローダウンドロー法は、成形時にガラス板の両面が、成形部材と接触しない成形法であり、得られたガラス板の両面(透光面)には傷が生じ難く、研磨しなくても高い表面品位を得ることができる。
なお、支持ガラス3の成形方法も、ガラスフィルム2と同様の成形方法が適用できる。
ガラスフィルム2及び支持ガラス3をオーバーフローダウンドロー法で成形する場合、図2に示すように、まず、成形炉4内の断面が楔型の成形体41の下端部42から流下した直後のガラスリボンGが、冷却ローラー43によって幅方向の収縮が規制されながら下方へ引き伸ばされて所定の厚みまで薄くなる。次に、前記所定厚みに達したガラスリボンGが徐冷炉(アニーラ)で徐々に冷却され、ガラスリボンGの熱歪が取り除かれる。そして、図外において、冷却されたガラスリボンGが所定寸法に切断され、ガラスフィルム2及び支持ガラス3がそれぞれ成形される。
なお、図1では、ガラスフィルム2のガラス面からなる合わせ面22と支持ガラス3のガラス面からなる合わせ面31とを直接面接触させて、両者を積層しているが、この形態には限定されない。例えば、支持体として、支持ガラス3の表面にシリコーン樹脂やEVA、PVB、アクリル、光学透明粘着剤等の樹脂層を形成したものを用い、その樹脂層を合わせ面31として利用してもよい。また、ガラスフィルム2の剥離性を向上させるために、支持ガラス3の表面やガラスフィルム2の表面に、ITO、ZrO等の無機酸化物薄膜や、SiN、TiN、CrN、TiAlN、AlCrN等の窒化膜、Ti等の金属薄膜、ダイヤモンドライクカーボン、TiC、WC等の炭化膜、MgF等のフッ化膜を形成したり、HMDS等を塗布することによって有機膜を形成したりしたものを、合わせ面22,31として利用してもよい。ガラスフィルム2の表面に無機薄膜を形成する場合については、無機薄膜形成後の合わせ面31の表面粗さRaは、それぞれ2.0nm以下、1.0nm以下、0.5nm以下、0.2nm以下であることがこの順で好ましい。
図3は、本発明の実施形態に使用されるガラスフィルムの変形例を示した図である。同図に示すように、肉厚部21は、ガラスフィルム2の端辺に沿って形成された略円柱状をなし、その円柱状部分に端辺に沿って略周期的に繰り返される、膨出部21aと、くびれ部21bとを有する。これにより、肉厚部21と支持ガラス3との接触箇所13を点接触とすることができ、さらに容易に支持ガラス3からガラスフィルム2を剥離することができる。
上記実施形態で説明した肉厚部21は、ガラスフィルム2をレーザー溶断することで形成してもよい。ガラスフィルム2をレーザー溶断することで、ガラスフィルム2の端部に容易に肉厚部21を形成することができるとともに、レーザー溶断時に発生するドロスが肉厚部21および肉厚部21近傍の外表面211に付着することで、肉厚部21と支持ガラス3の合わせ面31との接着力が減少し、より良好に肉厚部21をガラスフィルム2の剥離の起点とすることができる。
図4は、肉厚部21を作製する際に使用されるレーザー溶断装置を示す斜視図である。同図に示すように、レーザー溶断装置5は、ガラスフィルム2を平置き姿勢で積載して搬送するコンベアベルト51と、搬送中のガラスフィルム2にレーザーLを照射するレーザー照射器52と、レーザーLの照射部にアシストガスAを噴射するアシストガス噴射器53とを主要な要素として構成される。
コンベアベルト51は、ガラスフィルム2に延びた切断予定線Xを挟んで、一対が設けられると共に、一対のコンベアベルト51は、それぞれ図外の駆動ローラー、及び従動ローラーに巻き掛けられている。そして、両ローラーの回転駆動により、コンベアベルト51が切断予定線Xに平行な、同図に示すT方向に沿って移動可能な構成となっている。
レーザー照射器52は、その鉛直下方をガラスフィルム2に搬送方向Тと平行に延びた切断予定線Xが通過するように定位置に固定されて設置されており、図外のレーザー発振器から発振されたレーザーLを集光して、上方から切断予定線Xに沿って照射するように構成されている。なお、本実施形態においては、レーザーLとして炭酸ガス(CO)レーザー(波長10.6μm)を使用している。
アシストガス噴射器53は、レーザー照射器52と同様に定位置に固定されて設置されると共に、レーザーLの照射部を指向してガラスフィルム2の表裏面に対し、傾斜した姿勢とされている。このアシストガス噴射器53は、図外の空気圧縮装置(例えば、エアコンプレッサー)と接続されており、空気圧縮装置で圧縮された空気を、アシストガスAとしてレーザーLの照射部に噴射し、レーザーLの熱で溶融したガラスを、その圧力で飛散させて除去するように構成されている。
以上の構成から、レーザー溶断装置5は、コンベアベルト51のT方向への移動により、コンベアベルト51に積載されたガラスフィルム2を、同方向に搬送する。そして、搬送中のガラスフィルム2に対して、切断予定線Xに沿ってレーザー照射器52からレーザーLを照射し、そのレーザー熱でガラスを溶融させると共に、溶融したガラスをアシストガス噴射器53から噴射されたアシストガスAの圧力により飛散させて除去する。これにより、切断予定線Xに沿ってガラスフィルム2に溶断部Mを進行させ、当該ガラスフィルム2を切断する。レーザー照射器52の照射出力、レーザー光Lの照射部におけるビームモード、アシストガスAの噴射圧力、コンベアベルト51の搬送速度等を適宜選択することで、レーザー溶断後のガラスフィルム2の端辺20に形成される肉厚部21の形状や厚みを適宜調節することができる。
図4では、ガラスフィルムをレーザー溶断することで肉厚部21を作製する方法について説明したが、肉厚部21の作製方法としてレーザー溶断には限定されず、可燃ガスなどによる火炎や電熱線などによりガラスフィルムの端辺を直接加熱、溶融させた後に、その表面張力で肉厚部21を作製しても良いし、ガラスフィルムの一部の面を部分的に加熱、溶融させた後に、その溶融箇所でガラスフィルムを引っ張り破断させた後、破断面に生じる表面張力で肉厚部21を作製しても良い。
<電子デバイスの製造方法>
図5は、本発明の実施形態に係る電子デバイスの製造方法のフローチャートを示した図である。同図に示すように、本実施形態に係る電子デバイスの製造方法は、ガラスフィルム2をレーザー溶断することでガラスフィルム2の端辺20に肉厚部21を形成する第1の工程S1と、支持ガラス3の合わせ面31に肉厚部21を接触させた状態で、支持ガラス3の合わせ面31の上にガラスフィルム2の合わせ面22を面接触させて積層してガラスフィルム積層体1を作製する第2の工程S2と、ガラスフィルム積層体1のガラスフィルム2側に製造関連処理を行う第3の工程S3と、製造関連処理後に、肉厚部21を起点として支持ガラス3から製造関連処理が施された処理済ガラスフィルムを剥離する第4の工程S4とを有する。
第1の工程S1は、ガラスフィルム2をレーザー溶断することで、ガラスフィルム2端辺20に肉厚部21を形成する工程である。当該工程については、図4を使用して既に説明を行っているため、ここでの説明は、省略する。
第2の工程S2は、支持ガラス3上にガラスフィルム2を積層して、ガラスフィルム積層体1を作製する工程である。支持ガラス3上にガラスフィルム2を積層する方法については、特に限定されず、公知のラミネート機械を使用して、支持ガラス3上にガラスフィルム2を積層することができる。
第3の工程S3は、ガラスフィルム積層体1のガラスフィルム2側に、製造関連処理を行う工程である。
ガラスフィルム2側に行われる製造関連処理としては、例えば、電子デバイス製造に関わる、スパッタ法等による成膜処理、素子等を封止する封止処理、ガラスフリットの焼結処理等が挙げられる。また、ガラスフィルム2側に行われる製造関連処理において、スパッタ法等による反射防止膜、透過防止膜等の成膜処理等も挙げられる。
なお、第3の工程S3の製造関連処理は、単一の処理手段で構成されたものであってもよいし、複数の同一の又は異なる処理手段で構成されたものであってもよい。また、一部に加熱を伴う製造関連処理が含まれていてもよく、洗浄処理等の加熱を伴わない製造関連処理が含まれていてもよい。
また、第3の工程S3において、第2の工程で作製されたガラスフィルム積層体1のガラスフィルム2上に素子を形成し、図示しないカバーガラスでガラスフィルム2上に形成された素子を封止することで支持ガラス付電子デバイスを作製してもよい。なお、上述のカバーガラスにも支持ガラスが積層されていてもよい。この支持ガラス付きカバーガラスとして、本発明に係るガラスフィルム積層体1を使用してもよい。このように支持ガラス付きカバーガラスを積層する場合、後述する第4の工程S4において、カバーガラスの支持ガラスも剥離するようにしてもよい。
第4の工程S4は、支持ガラス3から処理済ガラスフィルムを剥離する工程である。
支持ガラス3から処理済ガラスフィルムを剥離する際には、図示しない剥離治具を使用してもよい。剥離治具を使用することで、剥離治具を円滑に離間領域12まで挿入することができ、引き続き剥離治具を挿入し続けることで、離間領域12を広げることができる。支持ガラス3から処理済ガラスフィルムを剥離する際に、離間領域12に水を含んだ流体(水の相対湿度が高いガスや水のミストを含んだガス、もしくは液体の水そのものなど)を供給してもよいし、ガラスフィルム積層体1や上述する支持ガラス付電子デバイスを水中に浸漬してもよい。水中に浸漬した際には、超音波を印加してもよい。
剥離治具の形状は、糸状の部材でもよいが、シート状、帯状、板状、短冊状等、厚みが少なく剥離進行方向に幅広な部材を使用することが好ましい。具体的には、剥離治具の厚みが0.01mm〜1mmであることが好ましく、0.1mm〜0.5mmであることがより好ましい。これにより、ガラスフィルム2の肉厚部21と支持ガラス3との接触箇所13を円滑に剥離治具が通過することができ、離間領域12に剥離治具を円滑に挿入することができる。剥離治具6の幅は、剥離の対象となるガラスフィルム積層体1の面積にも依存するが、少なくともガラスフィルム積層体1よりも剥離進行方向において幅広であることが好ましい。
剥離治具の材質は、剛性を有するアルミニウム、ステンレス等の金属を使用することが可能であるが、可撓性を有するポリエチレンやアクリル等の樹脂フィルムを使用することが好ましく、フッ素フィルム等の疎水性の樹脂シートであることがより好ましい。
剥離治具を用いない剥離方法としては、例えば処理済みガラスフィルムをパッド等により吸着させ、該パッドを支持ガラス3から離間させる方向に動作させることで、処理済みガラスフィルムを支持ガラス3から剥離させる方法を用いてもよい。
上記第1の工程S1から第4の工程S4を得ることで、製造関連処理が施されたガラスフィルムを得ることができ、適宜電子デバイス等に、当該フィルムを組み込むことができる。加えて、前述の通り、上記第3の工程S3で液晶パネルや有機ELパネルを直接作製することで、フィルム状ガラスで封止された電子デバイスを作製することもできる。
本実施形態に係るフィルム状ガラスの製造方法は、図6に示す通り、更に第5の工程S5を有していても良い。
第5の工程S5は、処理済ガラスフィルムから肉厚部21を除去する工程である。処理済ガラスフィルムから肉厚部21を除去する方法としては、下記の通り、様々な方法を使用することができる。例えば、(1)処理済ガラスフィルム上の肉厚部21に沿った切断予定線上にダイヤモンドチップ等を使用してスクライブラインを形成した後に、曲げ応力を付与して切断することで、肉厚部21の除去を行うスクライブ割断、(2)初期クラックを切断予定線上に形成し、レーザーの照射後に冷媒を吹き付けることによって生じる熱応力を利用して、初期クラックを切断予定線上に進展させて肉厚部21の除去を行うレーザー割断、(3)切断予定線上に曲げ応力を付与した状態で、処理済ガラスフィルムの切断予定線にダイヤモンドチップ等により初期クラックを形成することで、肉厚部21の切断除去を行う曲げ応力割断などを、適宜使用することができる。もちろん、肉厚部が更に形成されないように、条件設定等を適宜行うことで、レーザー溶断法を使用することもできる。
第5の工程S5を有することで、製造された処理済みのガラスフィルムは、肉厚部21が除去されているため、電子デバイス等に組み込み易くなる。また、上述の通り、直接ガラスフィルムで封止された電子デバイスを作製した後に、肉厚部21を除去してもよい。
以下、本発明のガラスフィルム積層体を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
支持ガラスとガラスフィルムとして、日本電気硝子株式会社製の無アルカリガラス(OA−10G、30〜380℃における熱膨張係数:38×10−7/℃)を使用した。オーバーフローダウンドロー法にて、支持ガラスとガラスフィルムを製造した。支持ガラスとして、縦110mm、横110mm、厚み500μmの矩形状の板ガラスを準備した。ガラスフィルムとして、縦100mm、横100mm、厚み100μmの矩形状の透明なガラスを準備した。ガラスフィルムの4辺をレーザー溶断することで、100mm角に切断した。レーザー溶断の条件は、ガラスフィルムの搬送速度を20mm/秒、レーザーのパルス周期を1000μs、パルス幅を120μsとし、レーザーの出力を9.9W、レーザーのビーム径を150μmとした。ガラスフィルム進行方向と直角方向から水平に60l/分で、アシストエアーを噴射した。レーザー溶断と同時に、アニールレーザーを出力39Wで照射した。レーザー溶断後に、ガラスフィルムの端辺に、105μmの肉厚部が形成された。得られたガラスフィルムを支持ガラス上に積層したところ、ガラスフィルムの端辺に、約2mm離間領域が形成されたガラスフィルム積層体が得られた。このガラスフィルム積層体からガラスフィルムの剥離を試みたところ、良好にガラスフィルムを剥離することができた。
(比較例)
比較例として、4辺全てをレーザー割断で切断したガラスフィルムを支持ガラス上に積層して、ガラスフィルムの剥離を試みたところ、ガラスフィルムの剥離が困難になったものがあり、剥離の途中でガラスフィルムが破損するものがあった。
本発明は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイや太陽電池等のデバイスに使用されるガラス基板、及び有機EL照明のカバーガラスに好適に使用することができる。
1 ガラスフィルム積層体
11 接触面
12 離間領域
13 接触箇所
2 ガラスフィルム
20 端辺
21 肉厚部
22 合わせ面
3 支持ガラス
31 合わせ面
4 成形炉
5 レーザー溶断装置

Claims (15)

  1. 支持体の合わせ面とガラスフィルムの合わせ面とを面接触させて積層したガラスフィルム積層体であって、
    前記ガラスフィルムの端辺の少なくとも一部に肉厚部を設け、前記肉厚部を前記支持体の合わせ面に接触させ、前記肉厚部と前記支持体の合わせ面との接触箇所近傍に、前記ガラスフィルムの合わせ面と前記支持体の合わせ面とが互いに離間した離間領域が形成されていることを特徴とするガラスフィルム積層体。
  2. 前記支持体が、前記ガラスフィルムから食み出していることを特徴とする請求項1に記載のガラスフィルム積層体。
  3. 前記肉厚部は、多角形状のガラスフィルムの少なくとも1辺に設けられており、
    前記肉厚部と前記支持体の合わせ面とは、線接触していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスフィルム積層体。
  4. 前記多角形状のガラスフィルムは、矩形状であることを特徴とする請求項に記載のガラスフィルム積層体。
  5. 前記肉厚部は、前記ガラスフィルムの合わせ面から前記支持体側に0.1〜20μm突出していることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスフィルム積層体。
  6. 前記離間領域の前記支持体の合わせ面に沿う方向の幅が、0.1〜5mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスフィルム積層体。
  7. 前記肉厚部は、前記ガラスフィルムをレーザー溶断することで形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスフィルム積層体。
  8. 前記肉厚部は、前記ガラスフィルムの隣り合う2辺に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスフィルム積層体。
  9. 前記肉厚部は、前記ガラスフィルムの対向する2辺に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスフィルム積層体。
  10. 前記肉厚部は、前記ガラスフィルムのすべての辺に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスフィルム積層体。
  11. 前記支持体の合わせ面が、ガラス又は無機薄膜で形成されており、
    前記ガラスフィルムの合わせ面と前記支持体の合わせ面の表面粗さRaが、それぞれ2.0nm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のガラスフィルム積層体。
  12. 前記ガラスフィルムは、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法、又はフロート法によって成形されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のガラスフィルム積層体。
  13. 前記ガラスフィルムの厚みは、300μm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のガラスフィルム積層体。
  14. 製造関連処理が施された処理済みガラスフィルムを備えた電子デバイスを製造する電子デバイスの製造方法であって、
    ガラスフィルムの少なくとも一部をレーザー溶断することで前記ガラスフィルムの端辺に肉厚部を形成する第1の工程と、
    支持体の合わせ面に前記肉厚部を接触させた状態で、前記支持体の合わせ面に前記ガラスフィルムの合わせ面を面接触させて積層し、前記肉厚部と前記支持体の合わせ面との接触箇所近傍に、前記ガラスフィルムの合わせ面と前記支持体の合わせ面とが互いに離間した離間領域が形成されているガラスフィルム積層体を作製する第2の工程と、
    前記ガラスフィルム積層体の前記ガラスフィルム側に前記製造関連処理を行う第3の工程と、
    前記製造関連処理後に、前記肉厚部を起点として前記支持体から前記処理済みガラスフィルムを剥離する第4の工程とを有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  15. 前記第4の工程後に、前記処理済みガラスフィルムから前記肉厚部を除去する第5の工程を有することを特徴とする請求項14に記載の電子デバイスの製造方法。
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