JP2013079019A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの転がり抵抗の低減を十分に実現してなお、サイドウォール部の耐カット性の低下をもたらすことなくパンクの発生を有効に防止し、振動騒音の車体側への伝達を効果的に抑制できることはもちろん、溝底クラックの発生のおそれを取り除くことができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部1と、トレッド部1の両側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部2と、各サイドウォール部2の半径方向内方端に連続するビード部3とを具えるものであって、前記サイドウォール部2からビード部3に到るタイヤサイド部の外表面に、タイヤ半径方向に対して傾斜して延びる複数本の主溝10を設けるとともに、該主溝10に斜めに交差して延びる複数本の副溝11を設け、前記主溝10および副溝11のそれぞれを、半径方向外方に凸となる形態に湾曲させてなる。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド部1と、トレッド部1の両側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部2と、各サイドウォール部2の半径方向内方端に連続するビード部3とを具えるものであって、前記サイドウォール部2からビード部3に到るタイヤサイド部の外表面に、タイヤ半径方向に対して傾斜して延びる複数本の主溝10を設けるとともに、該主溝10に斜めに交差して延びる複数本の副溝11を設け、前記主溝10および副溝11のそれぞれを、半径方向外方に凸となる形態に湾曲させてなる。
【選択図】図1
Description
この発明は空気入りタイヤに関するものであり、とくには、タイヤサイド部の偏心変形を大きくすることで、トレッド部の変形量を小さくし、結果として、エネルギー損失を抑制してタイヤの転がり抵抗を低減する技術を提案するものである。
タイヤサイド部の偏心変形を大きくしてタイヤの転がり抵抗の低減をもたらす従来技術としては特許文献1,2に記載されたものがある。
特許文献1に記載されたタイヤは、「環状トレッドから半径方向内側に延びるサイドウォールの外表面に、トレッドと同心の円周方向に、実質的に連続する環状溝を設けたこと特徴とする」ものであり、このタイヤは、「サイドウォールの外表面に、トレッドと同心の円周方向に、カーカスには達しない所定の溝深さと溝幅を有する環状溝を設けたことにより、サイドウォールの柔軟性が増大して変形に対する抵抗が小さくなるから、タイヤの転動に伴うサイドウォールの屈伸動作による変形の繰り返しの回数が重ねられても、サイドウォールに発生するヒステリシスロスが小さくなり、タイヤの転がり抵抗を低減させることができる」とするものである。
また、特許文献2に記載されたタイヤは、「トレッド部とサイド部との間に位置するバットレス部に、タイヤ周方向に沿った周方向溝と、タイヤ周方向に沿って複数配置され、前記周方向溝に斜めに交差する交差溝と、が形成されている、」とするものであり、これによれば、「バットレス部に周方向溝が形成されているので、荷重が加えられた際、特にタイヤ径方向に生じるサイド部の変形をこの周方向溝で吸収することができる。従って、トレッド部に生じる歪が抑制され、転がり抵抗が低減する。また、このときにショルダー部に局所的な高接地圧状態が生じることも緩和され、ショルダー部において発生し易かった偏摩耗を抑制することができる。
また、交差溝がタイヤ径方向に対して傾斜しているので、タイヤ径方向や接線方向とは異なる方向で発生するサイド部の変形もフレキシブルに吸収することができる。従って、タイヤ径方向に交差溝の溝成分を延在させた構成に比べ、タイヤ周方向の剛性段差を発生させ難い。特に接地面への踏み込み、蹴り出し付近ではタイヤ径方向に対して斜め方向の変形が生じるため、上記交差溝が有効に作用する。」とする。
また、交差溝がタイヤ径方向に対して傾斜しているので、タイヤ径方向や接線方向とは異なる方向で発生するサイド部の変形もフレキシブルに吸収することができる。従って、タイヤ径方向に交差溝の溝成分を延在させた構成に比べ、タイヤ周方向の剛性段差を発生させ難い。特に接地面への踏み込み、蹴り出し付近ではタイヤ径方向に対して斜め方向の変形が生じるため、上記交差溝が有効に作用する。」とする。
特許文献1および2のそれぞれに記載された従来タイヤはいずれも、サイドウォール部の耐カット性を確保しつつ、転がり抵抗の低減を図るものではあるものの、特許文献1に記載されたタイヤでは、環状溝の溝底に歪が集中してクラックの原因になり易いという問題があり、また、特許文献2に記載されたタイヤでは、バットレス部だけに周方向溝と、交差溝とが設けられているため、効果が限定的になるという問題があった。
ところで、電気自動車が普及しつつある昨今の状況下でタイヤに強く要求される性能としては、転がり性能の改善と騒音の低減とがあり、これらのことは、サイドウォール部のゴム厚みを減じてサイドウォール部の偏心変形量を多くし、また、トレッド接地域の振動の、車体側への入力を抑制することにて対処可能であるが、これによればサイドウォール部の耐カット性が低下してパンクの発生率が高くなるという他の問題があった。
そこでこの発明は、タイヤの転がり抵抗の低減を十分に実現してなお、サイドウォール部の耐カット性の低下をもたらすことなくパンクの発生を有効に防止し、振動騒音の車体側への伝達を効果的に抑制できることはもちろん、溝底クラックの発生のおそれを取り除くことができる空気入りタイヤを提供する。
この発明の空気入りタイヤは、トレッド部の両側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部の半径方向内端に連続するビード部とを具えるものであって、サイドウォール部およびビード部を含むタイヤサイド部の外表面に、タイヤ半径方向に対して傾斜して延びる複数本の主溝を、周方向に所定のピッチで設けるとともに、該主溝に斜めに交差して延びる複数本の副溝を、これも周方向に所定のピッチで設け、そして、前記主溝および副溝のそれぞれを、半径方向外方に凸となる形態に湾曲させてなるものである。
このようなタイヤにおいて好ましくは、前記主溝を、ビード部側からサイドウォール部側に向けて、タイヤの回転方向、すなわち、負荷転動方向とは反対の方向に傾けて延在させ、前記副溝を、ビード部側からサイドウォール部側に向けて、タイヤの回転方向の前方側に傾けて延在させる。
また好ましくは、主溝および副溝の深さを、サイドウォール部の総厚みの5〜50%の範囲、なかでも10〜40%、より好ましくは10〜30%の範囲とする。
ところで、主溝の深さは、副溝のそれより深くすることが、制動時のタイヤサイド部の余剰の変形を、主溝間の剛性をもって抑制する上で好ましい。
なおこの場合は、副溝の深さを、主溝のそれの50〜95%の範囲とすることが、副溝の、主溝との交差の効果を維持しつつ、制動時の主溝間剛性を有効に確保することができる。
ところで、主溝の深さは、副溝のそれより深くすることが、制動時のタイヤサイド部の余剰の変形を、主溝間の剛性をもって抑制する上で好ましい。
なおこの場合は、副溝の深さを、主溝のそれの50〜95%の範囲とすることが、副溝の、主溝との交差の効果を維持しつつ、制動時の主溝間剛性を有効に確保することができる。
そしてまた好ましくは、トレッド接地域のタイヤ幅方向外側に隣接して、制動時や、大荷重時等に、タイヤサイド部の撓み変形の増加に起因して接地することになる領域に、トレッド接地域のゴムより損失係数(tanδ)が、たとえば5〜40%、より好ましくは5〜25%大きい高グリップゴムを配設する。
以上のようなタイヤは、ビード部から、サイドウォール部を経てトレッドショルダー部に到る範囲の内表面側に、タイヤ幅方向断面形状が三日月状をなす補強ゴムを配設してなるいわゆるランフラットタイヤとすることがより好適である。
この発明の空気入りタイヤでは、タイヤサイド部の外表面に、タイヤ半径方向に対して傾斜して延びる複数本の主溝および該主溝に斜めに交差して延びる複数本の副溝を設けることにより、タイヤの軽量化を実現し、併せて、相互に交差して延びる主および副溝の作用に基くタイヤサイド部の剛性低下によってタイヤの偏心変形量を多くして転がり抵抗を有効に低減させることができ、また、路面からの振動入力の、車体側への伝達をタイヤサイド部の撓み変形によって抑制して、車室内騒音を低減させることができる。
しかも、サイドゴムの肉厚を単純に薄くしたものに比し、耐カット性を十分に確保することができる。
ところで、一般的には、トレッド接地域のいわゆるショルダ部分には、高接地圧に起因する偏摩耗が発生し易くなるところ、このタイヤでは、サイド部の大きな偏心変形に基き、ショルダ部分の接地圧を抑えてそこへの偏摩耗の発生を抑制することができる。
ところで、一般的には、トレッド接地域のいわゆるショルダ部分には、高接地圧に起因する偏摩耗が発生し易くなるところ、このタイヤでは、サイド部の大きな偏心変形に基き、ショルダ部分の接地圧を抑えてそこへの偏摩耗の発生を抑制することができる。
また、交差溝の配置については、タイヤ中心から放射状に真っ直ぐ延ばすことなく、湾曲させている。これは、直線状だと、サイド部外表面の、溝端に隣接する厚肉部分である、いわゆる、溝端の山に折り曲げ変形が生じ易くなって、クラックの発生原因になり易いのに対し、湾曲させることにより、応力を分散させてクラックの発生を回避できることによる。
なおここでは、主および副溝のそれぞれを、タイヤ半径方向に対して傾斜させて延在させることで、半径方向溝の配設および、円環状周方向溝の配設を不要としているので、それぞれ、タイヤサイド部の、周方向および半径方向の余剰の剛性低下を防止するとともに、それぞれの溝の溝底へのクラックの発生のおそれを取り除くことができる。
かかるタイヤにおいて、主溝を、ビード部側からサイドウォール部側に向けて、タイヤの回転方向とは反対側に向けて傾斜させ、一方、副溝を、ビード部側からサイドウォール側に向けて、タイヤの回転方向前方側に傾けて延在させることで、上記の場合に比して、タイヤサイド部の偏心変形量を適正なものとするとともに、溝底クラックの発生をより効果的に防止することができる。
また、前記主溝および前記副溝の深さを、サイドウォール部の総厚みの5〜50%の範囲としたときは、タイヤの軽量化および、タイヤサイド部の偏心変形量を十分に確保しつつ、溝底クラックの発生を防止することができる。
いいかえれば、溝深さがサイドウォール部厚さの5%未満では、タイヤの軽量化、偏心変形量の増大に対する効果が小さく、一方、50%を越えると、溝底への応力集中に起因するクラックの発生核が生じ易くなる。
いいかえれば、溝深さがサイドウォール部厚さの5%未満では、タイヤの軽量化、偏心変形量の増大に対する効果が小さく、一方、50%を越えると、溝底への応力集中に起因するクラックの発生核が生じ易くなる。
ここにおいて、副溝の深さは、主溝のそれより浅くすることが、制動時のタイヤサイド部の余剰の変形を、主溝間部分の剛性によって拘束する上で好ましい。
なおここで、副溝の深さを、主溝のそれの50〜95%の範囲としたときは、傾斜副溝と傾斜主溝との交差に基く、適正なる変形等によって、低転がり抵抗を確保しつつ、制動性能の意図しない低下を防止することができる。
すなわち、副溝深さが50%未満では、主溝と副溝とを交差させて配設することによる実効の確保が難しく、一方、95%を越えると、制動時のサイド部剛性の確保による、制動性能の担保が難しくなる。
なおここで、副溝の深さを、主溝のそれの50〜95%の範囲としたときは、傾斜副溝と傾斜主溝との交差に基く、適正なる変形等によって、低転がり抵抗を確保しつつ、制動性能の意図しない低下を防止することができる。
すなわち、副溝深さが50%未満では、主溝と副溝とを交差させて配設することによる実効の確保が難しく、一方、95%を越えると、制動時のサイド部剛性の確保による、制動性能の担保が難しくなる。
以上に述べたようなタイヤにおいて、タイヤの通常の負荷転動に当って接地するトレッド接地域のタイヤ幅方向外側に隣接して、制動時、大荷重時等に接地する領域に、トレッド接地域のゴムより損失係数(tanδ)が、たとえば5〜40%大きい高グリップゴムを配設した場合は、交差溝の配設により、制動時にタイヤが変形し易くなって、交差溝の無いタイヤに比して制動性能が劣る傾向にある、この発明に係るタイヤに対し、制動時や大荷重時に接地することになるトレッドショルダー部に高グリップゴムを配設すること、高グリップゴムが接地し易くなるように落ち率を小さくすることなどに基いて、制動性能、旋回性能および操安性能等を有効に改善することができる。
いいかえれば、タイヤサイド部に設けた主および副溝により低下したタイヤ剛性を、高グリップゴムの配設をもって補うことができる。
いいかえれば、タイヤサイド部に設けた主および副溝により低下したタイヤ剛性を、高グリップゴムの配設をもって補うことができる。
そしてこのようなタイヤを、ビード部からサイドウォール部を経てトレッドショルダー部に到る範囲の内表面側に、タイヤ幅方向断面形状が三日月状をなす補強ゴムを配設してなるいわゆるランフラットタイヤとしたときは、タイヤのパンク時、内圧減少時等であると否との別なく、偏心変形量の増加に対し、交差配置した主溝および副溝で、タイヤサイド部の外表面に空気の乱れを発生させたり、サイド部表面積を増加させたりしてタイヤサイド部の放熱効率を高めることで、タイヤサイド部の撓み変形による発熱熱量の蓄積を抑制して三日月状補強ゴムの熱破壊のおそれを有効に取り除くことができる。
以下にこの発明の実施形態を図面に示すところに基いて説明する。
図1に示す部分断面斜視図において、図中1はトレッド部を、2は、トレッド部1の両側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部を(図では一方のサイドウォール部だけを示す。)、そして3は、各サイドウォール部2の半径方向内方端に連続するビード部をそれぞれ示し、また、4は、各ビード部3に埋設したビードコアを、5は、それぞれのビードコア間にトロイダルに延びる、一枚以上のカーカスプライからなる、ラジアル構造を可とするカーカスをそれぞれ示す。
図1に示す部分断面斜視図において、図中1はトレッド部を、2は、トレッド部1の両側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部を(図では一方のサイドウォール部だけを示す。)、そして3は、各サイドウォール部2の半径方向内方端に連続するビード部をそれぞれ示し、また、4は、各ビード部3に埋設したビードコアを、5は、それぞれのビードコア間にトロイダルに延びる、一枚以上のカーカスプライからなる、ラジアル構造を可とするカーカスをそれぞれ示す。
ここでカーカス5の各側部部分5aは、ビードコア4の周りで、タイヤ半径方向の外方へ巻上げて係止し、また、ビードコア4の外周側では、カーカス5の本体部分5bと側部部分5aとの間に、半径方向外方に向けて次第に薄肉となるビードフィラ6を配設する。
そして、カーカス5のクラウン域の外周側には、一層以上のベルト層、図では、たとえば、ベルトコードを層間で相互に逆方向に延在させてなる二層のベルト層からなるベルト7を配設し、このベルト7のさらに外周側に、トレッド接地域8aの形成に寄与するトレッドゴム8を配設する。
そして、カーカス5のクラウン域の外周側には、一層以上のベルト層、図では、たとえば、ベルトコードを層間で相互に逆方向に延在させてなる二層のベルト層からなるベルト7を配設し、このベルト7のさらに外周側に、トレッド接地域8aの形成に寄与するトレッドゴム8を配設する。
またここでは、サイドウォール部2からビード部3、とくには、リムフランジとの接触部分より半径方向外周側に到るタイヤサイド部9の外表面に、図2に側面図で示すところから明らかなように、タイヤの中心を通るタイヤ半径方向の線分rに対して傾斜して延びる複数本の主溝10を、周方向に所定の間隔をおいて設けるとともに、それらの主溝10のそれぞれに斜めに交差して延びる複数本の副溝11を、これも周方向に所定の間隔をおいて設け、そして、主溝10および副溝11のそれぞれを、半径方向外方に凸となる形態に湾曲させる。
ここにおいて好ましくは、それぞれの主溝10を、ビード部3側からサイドウォール部2側に向けて、図2(a)に例示するように、タイヤの回転方向Rとは反対の方向に傾けて延在させるとともに、それぞれの副溝11を、ビード部3側からサイドウォール部2側に向けて、タイヤの回転方向Rの前方側に傾けて延在させる。
また好ましくは、主溝10および副溝11の深さをともに、サイドウォール部2の総厚みの5〜50%の範囲、なかでも 10〜40%、より好ましくは10〜30%の範囲とする。
ところで、主溝10および副溝11の相対深さは、図2(b)に例示するように主溝10の深さを、副溝11のそれより深くすることが好ましく、この場合、副溝11の深さは、先に述べたように主溝10の深さの50〜95%の範囲とすることが好ましい。
ところで、主溝10および副溝11の相対深さは、図2(b)に例示するように主溝10の深さを、副溝11のそれより深くすることが好ましく、この場合、副溝11の深さは、先に述べたように主溝10の深さの50〜95%の範囲とすることが好ましい。
そしてまた好ましくは、図3に例示するように、タイヤの通常の負荷転動時に路面に接地するトレッド接地域8aに対し、該接地域8aのタイヤ幅方向外側に隣接して、制動時、大荷重時等にタイヤサイド部9の、図3(b)に示すような撓み変形量の増加に起因して接地することになる領域に、トレッド接地域8aを形成するゴムより損失係数(tanδ)が、たとえば、5〜40%、より好適には5〜25%大きい高グリップゴム13を配設する。
このことによれば、主溝10および副溝11の相互の交差によって、制動時等に、図3(b)に示すように変形し易くなったタイヤにつき、該制動時等に、高グリップゴム13を接地させて路面グリップ力を高めることで、すぐれた、制動性能、旋回性能および操安性能を十分に確保することができる。
図4は他の実施形態を示すタイヤ幅方向断面図であり、これは、図3に示す高グリップゴム13の配設に代えて、もしくは加えて、タイヤサイド部9の内表面側、たとえば、インナーライナの内表面、または、インナーライナとカーカスとの間に、タイヤ幅方向断面形状が三日月状をなす補強ゴム14を配設して、タイヤをランフラットタイヤにした場合を示す。
このランフラットタイヤにおいても、タイヤサイド部9の外表面への、主溝10および副溝11の形成により、タイヤが正常であると否との別なく、タイヤ重量の軽減および偏心剛性の低下に基いて、転がり抵抗を有効に低減させることができ、また、主溝10および副溝11によって、タイヤサイド部9の外表面に空気の乱れを発生させるとともに、サイド部外表面の表面積を増加させてタイヤサイド部9の放熱効率を高めることで、三日月状の補強ゴムへの、発熱熱量の蓄積を防止して、該補強ゴムの熱破壊のおそれを取り除くことができる。
そしてこのランフラットタイヤにおいても、図3に関連して述べたような高グリップゴム13を配設したときは、とくには、パンク、内圧低下等による、補強ゴム14の作用時にも高グリップゴム13の接地によって、すぐれた制動性能等を発揮させることができる。
サイズを225/50R17とした実施例タイヤおよび従来タイヤのそれぞれにつき、タイヤ重量に加えて、実車操安性能、乗心地性能、制動性能および転がり抵抗の計測を行ったところ、表1に示す結果を得た。
ここで従来タイヤは、タイヤサイド部の外表面に主溝も副溝も設けないものとし、実施例タイヤ1は、タイヤサイド部の外表面に、主溝および副溝のそれぞれを、相互の湾曲下で交差させて配設したものとし、そして実施例タイヤ2は、タイヤサイド部の外表面に主溝および副溝のそれぞれを、実施例タイヤ1と同様に相互に交差させて配設するとともに、トレッド接地域の両外側に隣接させて、該接地域のゴムよりもtanδが20%大きい高グリップゴムを設けたものとした。
ここで従来タイヤは、タイヤサイド部の外表面に主溝も副溝も設けないものとし、実施例タイヤ1は、タイヤサイド部の外表面に、主溝および副溝のそれぞれを、相互の湾曲下で交差させて配設したものとし、そして実施例タイヤ2は、タイヤサイド部の外表面に主溝および副溝のそれぞれを、実施例タイヤ1と同様に相互に交差させて配設するとともに、トレッド接地域の両外側に隣接させて、該接地域のゴムよりもtanδが20%大きい高グリップゴムを設けたものとした。
なおここで、実車操安性能は、供試タイヤを車両に装着して、一周3kmのテストコースを走行して要した時間を計測して、その逆数を指数表示することによって評価し、
乗心地性能は、同テストコースを走行時のドライバーのフィーリングをもって評価し、
制動性能は、100km/hの速度でブレーキを踏み込んで、停止に到るまでの距離を測定して、その逆数を指数表示することによって評価し、
そして転がり抵抗は、環境要因を一定に保てるドラム試験機を用い、いわゆるフォース式により、タイヤ軸に取付けた分力計で、軸反力を計測する方法をもって転がり抵抗(RR)を算出することで評価した。
ところで、表1中の指数値は、従来タイヤをコントロールとして、タイヤ重量以外は、大きいほどすぐれた結果を示すものとした。なお、タイヤ重量は、指数値が小さいほど軽量であることを示す。
乗心地性能は、同テストコースを走行時のドライバーのフィーリングをもって評価し、
制動性能は、100km/hの速度でブレーキを踏み込んで、停止に到るまでの距離を測定して、その逆数を指数表示することによって評価し、
そして転がり抵抗は、環境要因を一定に保てるドラム試験機を用い、いわゆるフォース式により、タイヤ軸に取付けた分力計で、軸反力を計測する方法をもって転がり抵抗(RR)を算出することで評価した。
ところで、表1中の指数値は、従来タイヤをコントロールとして、タイヤ重量以外は、大きいほどすぐれた結果を示すものとした。なお、タイヤ重量は、指数値が小さいほど軽量であることを示す。
表1に示すところによれば、実施例タイヤ1,2ではタイヤサイド部の剛性が下がることから乗心地(特にショック)については良化することになる。
なお、実施例タイヤ1ではトレッドショルダー部に高グリップゴムを配設していない為、従来タイヤ対比、単純に剛性の落ちたタイヤとなり、操縦安定性、制動性の面で劣ることになる。
なお、実施例タイヤ1ではトレッドショルダー部に高グリップゴムを配設していない為、従来タイヤ対比、単純に剛性の落ちたタイヤとなり、操縦安定性、制動性の面で劣ることになる。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 カーカス
6 ビードフィラ
7 ベルト
8 トレッドゴム
8a トレッド接地域
9 サイヤサイド部
10 主溝
11 副溝
12 ゴム
13 高グリップゴム
14 補強ゴム
r 線分
R 回転方向
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 カーカス
6 ビードフィラ
7 ベルト
8 トレッドゴム
8a トレッド接地域
9 サイヤサイド部
10 主溝
11 副溝
12 ゴム
13 高グリップゴム
14 補強ゴム
r 線分
R 回転方向
Claims (5)
- トレッド部と、トレッド部の両側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部の半径方向内方端に連続するビード部とを具え、
前記サイドウォール部からビード部に到るタイヤサイド部の外表面に、タイヤ半径方向に対して傾斜して延びる複数本の主溝を設けるとともに、該主溝に斜めに交差して延びる複数本の副溝を設け、前記主溝および、副溝のそれぞれを、半径方向外方に凸となる形態に湾曲させてなる空気入りタイヤ。 - 前記主溝を、ビードコア部側からサイドウォール部側に向けて、タイヤの回転方向とは反対の方向に傾けて延在させ、前記副溝を、ビードコア部側からサイドウォール部側に向けて、タイヤの回転方向の前方側に傾けて延在させてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 主溝および副溝の深さを、サイドウォール部の総厚みの5〜50%の範囲としてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
- トレッド接地域のタイヤ幅方向外側に隣接して、制動時に接地する領域に、トレッド接地域のゴムより損失係数(tanδ)の大きいゴムを配設してなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- ビード部から、サイドウォール部を経てトレッドショルダー部に到る範囲の内表面側に、タイヤ幅方向の断面形状が三日月状をなす補強ゴムを配設してなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107284148A (zh) * | 2017-07-19 | 2017-10-24 | 厦门正新橡胶工业有限公司 | 轻型电动代步车用免充气轮胎结构 |
CN109318658A (zh) * | 2017-08-01 | 2019-02-12 | 东洋橡胶工业株式会社 | 充气轮胎 |
CN109318657A (zh) * | 2017-08-01 | 2019-02-12 | 东洋橡胶工业株式会社 | 充气轮胎 |
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- 2011-10-04 JP JP2011220514A patent/JP2013079019A/ja active Pending
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