JP2013076996A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】コア−シェル構造を有するトナーにおいて、シェルがシェルとしての機能を十分に発現してトナーの耐久性及び帯電性を向上させると共に、規制ブレードにトナーが固着することがないトナーの提供。
【解決手段】芯粒子の表面に樹脂微粒子が付着して形成された突起部を有するトナーであって、前記芯粒子は結着樹脂、着色剤、および離型剤を少なくとも含有しており、トナーの分散液に20kHz、80Wの超音波を5分照射し、トナー分散液の遠心分離を行った後の上澄液についての波長800nmの光の透過率が50%以上95%以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法において形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナー及びこれを用いた画像形成方法と画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
従来から電子写真に関する研究開発が様々な創意工夫と技術的アプローチにより行われてきている。電子写真法では、感光体表面を帯電、露光して形成した静電潜像に着色トナーで現像してトナー像を形成し、該トナー像を転写紙等の被転写体に転写し、これを熱ロール等で定着して画像を形成している。
トナーの定着方式としては、熱ロール定着方式等の接触加熱定着方式が広く採用されている。熱ロール定着方式に使用される定着装置は、加熱ロールと加圧ロールとを備えており、トナー像を担持した記録シートを、加熱ロールと加圧ロールとの圧接部(ニップ部)を通過させることにより、トナー像を溶融させて記録シートに定着させる。
トナーに用いられる樹脂としては、主にビニル系重合樹脂とポリエステル骨格をもつ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、トナーの機能特性である流動性、移動性、帯電性、定着性、画像特性などに対してはそれぞれ長所短所が存在し、最近では両方の樹脂を複合して使用したり、両方の骨格を持つ所謂ハイブリッド型の樹脂も使用されている。
トナーの製造方法としては従来から存在する混練粉砕法の他に、有機溶媒と水系溶媒を使用する懸濁法や乳化法、重合性モノマー滴を制御して重合し直接トナー粒子を得る懸濁重合法、乳化微粒子を作製してそれらを凝集しトナー粒子を得る凝集法、などのケミカルトナー法と呼ばれる製造法が知られており、そのケミカルトナーにおいてもトナーのコアに熱定着に有利な樹脂を用い、その外側を帯電、熱耐性等に有利な樹脂で粒状に覆った、コア/シェル型トナーが既に知られている。
例えば、特許文献1には乳化分散法で作製された着色樹脂粒子の表面に、界面活性剤を用いる乳化重合法又は界面活性剤を用いる乳化分散法で作製された樹脂粒子からなる被覆層が形成されて、コアがポリエステル系樹脂であり、被覆層がビニル系樹脂である静電荷像現像用トナーが開示されている。
また、樹脂材料としては靱性や耐熱性、定着性に有利なポリエステル樹脂を用いたコア/シェル型トナーが知られている。例えば、ポリエステル樹脂微粒子分散液を凝集塩を用いて凝集/塩析でコア粒子を生成し、その後さらにポリエステル樹脂微粒子分散液を追加して同様に凝集塩を用いて凝集/塩析でシェル層を形成してその後融着させる方法が知られている(特許文献2参照)。また、同様にコア/シェル層の形成方法が共に、ポリエステル樹脂を有機溶媒に溶解した後、転相乳化で樹脂微粒子を作製して電解質を加えて凝集させる方法も知られている(特許文献3参照)。
また、特許文献4には分散液中に分散された少なくとも樹脂微粒子と着色剤微粒子とを凝集・融着させてコア粒子を形成した後、コア粒子が分散された分散液に樹脂微粒子の分散液を添加し、コア粒子の表面に樹脂微粒子を凝集・融着させて被覆層を形成する工程とを有する静電荷像現像用トナーを得ることが開示されている。
従来のコア/シェル型トナーの多くは、トナー内部(コア)をシェルで包みこむように被覆し、耐熱保管性と低温定着性を両立させることを目的としている。又は、シェル部分に機能性に富んだ樹脂を採用したり、カラートナーにおいてシェル化することにより着色剤の影響を低減することにより、帯電性の向上を目的としている。
しかしながら、コア/シェル型トナーにおいて、シェルを多量に添加した場合には、トナー表面からのシェルの脱離が発生し、脱離したシェルが規制ブレードなどに付着して固着するという問題があった。また、シェルの量が少な過ぎて不足している場合には、シェルの効果がなく地汚れ発生の原因となり、また、劣化時のトナーへの外添剤の埋没が顕著であり、流動性が不足する原因となっていた。
本発明は、コア−シェル構造を有するトナーにおいて、シェルがシェルとしての機能を十分に発現してトナーの耐久性及び帯電性を向上させると共に、規制ブレードにトナーが固着することがないトナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の解題を解決するために鋭意検討を進めた結果、シェルをトナー表面に強固に接着させてシェルの離脱を防ぐことによってトナーが高い帯電性と耐久性を確保することができること、及びシェルが規制ブレードに付着して固着の原因とならない程度にトナーより剥がれるようにすることにより、剥がれたシェルがトナー同士のスペーサーとなりトナーの粒子同士が直接触れることなく、外添剤の埋没などをふせぐことができることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に記載する通りの静電潜像現像用トナー、及びこれを用いた画像形成方法と画像形成装置及びプロセスカートリッジに係るものである。
(1)芯粒子の表面に樹脂微粒子が付着して形成された突起部を有するトナーであって、前記芯粒子は結着樹脂、着色剤、および離型剤を少なくとも含有しており、
トナーの分散液に20kHz、80Wの超音波を5分照射し、トナー分散液の遠心分離を行った後の上澄液についての波長800nmの光の透過率が50%以上95%以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
(2)前記トナーは結着樹脂、着色剤及び離型剤を有機溶媒に溶解または分散させ、これを水系媒体中に分散させて油滴を作製し、樹脂微粒子を油滴表面に付着させてトナー粒子を得る工程を経て得られたトナーであることを特徴とする(1)に記載の静電潜像現像用トナー。
(3)前記結着樹脂が非晶性ポリエステル樹脂を含有しており、
前記樹脂微粒子がビニル系樹脂微粒子であり、芯粒子100質量部に対するビニル系樹脂微粒子の添加量が3質量部以上15質量部未満であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の静電潜像現像用トナー。
(4)前記トナーが結晶性ポリエステルを含有していることを特徴とする(3)に記載のトナー。
(5)前記ビニル系樹脂微粒子に含まれるビニル重合性官能基を有する芳香族化合物が80質量%以上であることを特徴とする(3)に記載の静電潜像現像用トナー。
(6)FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる700cm−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P700/P828)が0.30以上であることを特徴とする(5)に記載のトナー。
(7)FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる475m−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P475/P828)が0.15以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のトナー。
(8)前記芯粒子にはポリエステル骨格を有する樹脂の他に、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(9)前記離型剤がパラフィン類、合成エステル類、ポリオレフィン類、カルナウバワックス、またはライスワックスから選択される単独または2種以上含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(10)前記離型剤の含有量が4.0質量%以上8.0質量%以下であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(11)該トナーは、外添剤(A)及び外添剤(B)を含み、外添剤(A)はシリコーンオイルで表面処理された無機微粒子であり、外添剤(B)はアミノ基含有シランカップリング剤を用いて表面処理された無機微粒子であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のトナー。
(12)(1)〜(11)のいずれかに記載のトナーを用いた現像剤。
(13)潜像担持体と、現像手段と、帯電手段及/又はクリ−ニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、該現像手段が(12)に記載の現像剤を保持することを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
(14)潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、
帯電した該潜像担持体に静電潜像を形成させる露光工程と、
該潜像担持体に当接しかつ表面にトナーを担持する現像ローラおよびこの現像ローラ表面のトナー量を規制しかつ該トナーを薄層化させるトナー規制ブレードを有する現像工程と、
潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、
被転写体上の可視像を定着させる定着工程と、を有し、
現像剤として(12)に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
(15)潜像を担持する潜像担持体と、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体に当接しかつ表面にトナーを担持する現像ローラおよびこの現像ローラ表面のトナー量を規制しかつ該トナーを薄層化させるトナー規制ブレードを有し、潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し可視像化する現像手段と、潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、被転写体上の可視像を定着させる定着手段と、を備える画像形成装置であって、前記現像手段が(12)に記載の現像剤を保持することを特徴とする画像形成装置。
(16)前記定着手段が加熱定着手段であることを特徴とする、(15)に記載の画像形成装置。
(17)前記現像ローラのアスカーC硬度が、60°以上85°以下であることを特徴とした(15)に記載の画像形成装置。
(18)前記現像ローラの表面粗さが0.5μm以上3.0μm以下であることを特徴とする(15)に記載の画像形成装置。
本発明の静電潜像現像用トナーは耐久性及び帯電性に優れており、また、トナーから剥がれたシェルが規制ブレードに固着することがない。
本発明の静電荷像現像用トナーが用いられる画像形成装置の一実施形態の要部を示す説明図である。 本発明の静電荷像現像用トナーが用いられる画像形成装置に用いられる定着装置の構成を示す説明図である。 本発明の静電荷像現像用トナーが用いられる画像形成装置の他の例を示す説明図である。 本発明の静電荷像現像用トナーが用いられる画像形成装置の他の例を示す説明図である。 本発明の静電荷像現像用トナーが用いられるプロセスカートリッジを示す説明図である。
<トナーの構造について>
本発明のトナーは、少なくとも樹脂、離型剤、着色剤を含む芯粒子と、この芯粒子の表面に樹脂微粒子が付着して形成された突起部とからなる構造を有する。この様な構造のトナーは溶解懸濁法によって製造することができる。
以下では芯粒子をコアといい突起部を形成している樹脂微粒子そのもの、又はその集合体をシェルということがあり、トナーをコアシェル型のトナーということがある。
本発明のトナーは突起部が芯粒子の全表面を覆っていてもよいし、トナー粒子の表面を海としたとき樹脂粒子が島を形成するような海−島状に覆うようにしても良い。
(溶解懸濁法)
溶解懸濁法を用いてトナーを製造する方法としては、少なくとも、樹脂及び着色剤からなるトナー組成物を、有機溶媒に溶解又は分散させることにより得られる溶解液又は分散液を、分散剤の存在する水性溶媒中で、通常の撹拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー等を用いて、所望の粒度分布を有するトナーが得られるように分散させた後、有機溶媒を除去することによりトナースラリーを得る方法が挙げられる。
トナーは、公知の方法に従い、洗浄・濾過により回収し、乾燥させることにより単離することができる。
(使用される樹脂について)
溶解懸濁法では、溶媒に溶解させることができる樹脂であれば製造上利用することができる。具体的には、従来よりトナーに用いられている樹脂が挙げられ、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリオール樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などがある。定着性の観点から、ポリエステル樹脂が好適に用いられる。
また、良好な粘弾性特性を有するトナーを得るためには、ポリエステル樹脂の末端にイソシアネート基を有するイソシアネート変性ポリエステル樹脂を用い、トナーの製造過程でイソシアネート基同士を反応させて伸長させてトナー中に適度な架橋構造を持たせることが好ましい。
(イソシアネート変性ポリエステル)
イソシアネート変性ポリエステルとしては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
(ポリオール)
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)と3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
(ポリカルボン酸)
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)と3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、または(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
(ポリオールとポリカルボン酸の比)
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記
ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
(イソシアネート基と水酸基の比)
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。
[NCO]/[OH]が5を超えると残留するポリイソシアネート化合物がトナーの帯電性に悪影響を及ぼす。
(伸長剤)
イソシアネート変性ポリエステルを伸長させるために、伸長剤としてアミン類(B)を用いてもよい。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミンなど)、脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど)及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
(アミノ基とイソシアネート基の比率)
アミン類(B)の比率は、イソシアネート変性ポリエステル中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり、1/2未満では、イソシアネート変性ポリエステルの伸長反応が十分に進行せず、本発明の粘弾性特性が得られないおそれがある。
(イソシアネート変性ポリエステルの併用に関して)
イソシアネート変性ポリエステルは、1種類のみ用いてもよいが、例えば1種類以上の直鎖上のイソシアネート変性ポリエステルと、1種類以上の分岐構造を有するイソシアネート変性ポリエステルを組み合わせて使用することにより、トナーの粘弾性設計を好ましく行うことができる。特にトナー中に架橋点間距離を広く取った架橋構造を均一に存在させるためには、分岐構造を有するイソシアネート変性ポリエステルは比較的低分子量に設計し、それとともに直鎖上のイソシアネート変性ポリエステルを併用するのが好ましい。
イソシアネート変性ポリエステルの分子鎖を長く設計すると、トナーの熱特性が悪化することがあるからである。その原因としては、トナー製造過程の油相中において分子鎖がランダムコイル状に収縮し、局所的に架橋構造を形成するか、分子内でイソシアネート基が反応を完結してしまい、トナー全体にわたって架橋構造を持たせることができないためであると考えられる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、イソシアネート変性ポリエステルとともに、イソシアネート変性されていないポリエステル(未変性ポリエステル)を用いてもよい。未変性ポリエステルを用いることにより、トナーの粘弾性の設計がより行いやすくなる。未変性ポリエステルとしては、前述のポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられる。
(有機溶媒)
有機溶媒は、容易に除去することを可能とするため、沸点が100℃未満であるものを用いることが好ましい。このような有機溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、単独又は2種以上を組合せて用いることができる。
水性溶媒は、水単独でもよいが、水と混和可能な溶媒を併用することもできる。混和可能な溶媒としては、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類等が挙げられる。トナー材料100質量部に対する水性溶媒の使用量は、通常、50〜2000質量部であり、100〜1000質量部が好ましい。水性溶媒の使用量が50質量部未満では、トナー材料の分散状態が悪くなるおそれがある。また、2000質量部を超えると経済的でない。
(無機分散剤)
無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ及びヒドロキシアパタイト等を用いることができる。
<結晶性ポリエステル樹脂>
本発明のトナーには、低温定着性を向上させるために結晶性ポリエステルを含有させることができる。結晶性ポリエステルはポリオールとポリカルボン酸の重縮合物として得られるが、ポリオールとしては脂肪族ジオールが好ましく具体的にはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられ、その中でも1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールや1,8−オクタンジオールが好ましく、さらに好ましくは1,6−ヘキサンジオールである。ポリカルボン酸としてはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸や炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸が好ましいが、結晶化度を高くするためには脂肪族カルボン酸がより好ましい。
結晶性ポリエステルは、トナー中に3質量%〜10質量%含有するのが好ましい。3質量%未満だと低温定着性にあまり効果が見られず、逆に10質量%を超えると帯電性が悪化し、飛び散りなどが発生することがある。
なお、結晶性樹脂(結晶性ポリエステル)と非結晶性樹脂とは熱特性で判別される。結晶性樹脂は、例えばDSC測定においてワックスのように明確な吸熱ピークを有する樹脂を指す。一方、非結晶性樹脂はガラス転移に基づく緩やかなカーブが観測される。
(ワックス)
本発明に使用する離型剤としては、公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
上記の内、極性が小さく溶融粘度が低いと優れた離型性能を発揮することができる。好ましい離型剤としてはポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素であり、特に好ましいものはパラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスである。
離型剤の添加量としては、4.0質量%〜8.0質量%が好ましい。4.0質量%未満であると定着時の離型剤の染み出しが不十分となり、紙の巻き付きが発生しやすくなる。また、8.0質量%を超えると、トナーの芯粒子が部材へ接触しやすくなり、メダカなどの問題が発生する。
また、極性が小さい離型剤はn−ヘキサンに溶解しやすい。そのため、詳細な評価方法は後述するが、トナーをn−ヘキサンに浸漬し、トナー表面から抽出される離型剤の量を調整することで、離型性能を高めつつ部材汚染のないトナーを提供することができる。
ヘキサンにおける抽出量の好ましい範囲としては、10mg/g〜25mg/gであり、より好ましくは、13mg/g〜22mg/gである。ヘキサンにおける抽出量が10mg/gより少ないと離型性能が不足し、紙の巻き付きが発生しやすくなる。また、25mg/gを超えると、トナーの芯粒子が部材へ接触しやすくなり、メダカなどの問題が発生する。
ヘキサンにおける抽出量は、離型剤の添加量、分散剤の種類・量等を調整することで制御することができる。
(着色剤)
本発明のトナーにおいて、従来からフルカラートナーで使用されている公知の着色剤を用いても良い。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。トナー粒子中における着色剤の含有量としては全バインダー樹100重量部に対し2〜15重量部の範囲が好ましい。着色剤は、使用される第1バインダー樹脂と第2バインダー樹脂との混合バインダー樹脂中に分散されたマスターバッチの形態で使用されることが分散性の観点から好ましい。マスターバッチの添加量は含有される着色剤の量が上記範囲内となるような量であればよい。マスターバッチ中の着色剤含有率は20〜40質量%が好適である。
<外添剤>
(無機微粒子)
本発明で外添剤として用いる無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
本発明に用いる外添剤は、シリコーンオイルで表面処理された無機微粒子とアミノ基含有シランカップリング剤を用いて表面処理された無機微粒子を併用することが好ましい。
(シリコーンオイルで表面処理された無機微粒子)
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
外添剤からシリコーンオイルを長期、広範囲にわたり供給するためには、外添剤を遊離させないことが重要である。遊離しにくくするための方策として、トナー母体粒子との付着力を大きくすることと、部材との接触面積を小さくすることの二つが挙げられる。特に前者については、外添剤がトナー母体粒子と接触しているほうがよく、一定の外添剤量を付着させるためにはトナー母体粒子の表面積が大きいほうが好ましい。本発明のように、トナー母体粒子表面に大きさが均一な突起部を設けることで、表面改質の効果を十分に発揮した上で、トナー母体粒子の表面積を増大させ、より多くの外添剤を偏りなく担持させることができる。また、突起部を設けることでトナーと部材との接触面積を小さくすることができ、外添剤の遊離を抑制できるだけでなく、トナーによる部材汚染や転写率向上、クリーニング不良抑制、トナー同士の凝集防止などの効果も得られる。このように、表面に均一な大きさの突起部を持つトナー母体粒子と、シリコーンオイル処理された外添剤との組み合わせにより卓越した効果を奏する。
(アミノ基含有カップリング剤で表面処理された無機微粒子)
本発明に用いられる無機微粒子の疎水化方法としては、無機微粒子と反応或いは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理する方法が用いられる。好ましい方法は、金属ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された無機微粒子を有機ケイ素化合物で処理する方法である。
疎水化処理に用いる有機ケイ素化合物の例としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メトルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α‐クロルエチルトリクロルシラン、ρ‐クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3‐ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3‐ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。
未処理の無機微粒子の疎水化には、含窒素シランカップリング剤を用いることができる。
そのような処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルベンジンアミン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルピペリジン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルモルホリン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルイミダゾール等がある。
これらの処理剤は1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
含窒素シランカップリング剤により無機微粒子は強い正帯電性を示す。含窒素シランカップリング剤により疎水化処理された無機微粒子がトナーから現像剤担持体に移行することで、現像剤担持体は該無機微粒子で覆われることになる。これらとトナーが摩擦帯電する際、トナーを強く負帯電させることができ、かつ該無機微粒子がトナーから少量ずつ常に供給されることでトナーの帯電性を長期にわたり安定させることができる。ただし、長期間、広範囲にわたりこの効果を得るには、外添剤量を多くすることが考えられるが、外添剤が遊離しやすくなり、初期的、局所的には効果が得られるものの、長期的、広範囲の効果は得られ難い。遊離しにくくするためには、外添剤がトナー粒子と接触していることが好ましく、一定の外添剤量を付着させるためにはトナー粒子の表面積が大きいほうが好ましい。本発明のように、トナー表面に樹脂微粒子を突起状に付着させることでトナーの表面積を増大させ、より多くの外添剤を担持させられることができる。また、トナーと部材との接触面を小さくすることで、外添剤の遊離を抑制できる。このように、トナー表面に突起部を持つトナー粒子と、含窒素シランカップリング剤で処理された外添剤との組み合わせにより卓越した効果を奏する。
含窒素シランカップリング剤で処理された無機微粒子を外添剤として用いる場合、外添剤の全重量のうち5質量%以上30質量%未満にすることが好ましい。より好ましくは、10質量%以上20質量%未満にすることがよい。5質量%以下とするとその効果が発揮できなくなるため好ましくない。また、30質量%以上とすると外添剤の正帯電性が強くなるため、求められるトナーとして正常に機能しない。また、同じ理由から、含窒素シランカップリング剤で処理された無機微粒子の重量は、トナーの全重量のうち0.1質量%以上2.0質量%であることが好ましく、0.5質量%以上1.5質量%であることがより好ましい。
(ビニル系樹脂微粒子)
本発明に用いられるビニル系樹脂微粒子は、主としてビニル重合性官能基を有する芳香族化合物をモノマーとして含むモノマー混合物を重合させて得られるビニル系樹脂からなる。
トナーとして用いる着色樹脂粒子表面は帯電しやすい構造を有しているのがよく、そのためには芳香環構造のように電子を安定に存在できるような電子軌道を持つビニル重合性官能基を有する芳香族化合物がモノマー混合物のうち50〜100質量%、好ましくは80〜100質量%である。ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物が50質量%未満であると、得られた着色樹脂粒子の帯電性が乏しくなる。
ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物における重合可能な官能基としては、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
具体的なモノマーとしては、スチレン、αメチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、4−カルボキシスチレンもしくはその金属塩、4−スチレンスルホン酸もしくはその金属塩、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、アリルベンゼン、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
この中では、入手が容易で反応性に優れ帯電性の高いスチレンを主に用いるのが好ましい。
また、本発明に用いられるビニル系樹脂には、酸モノマーを使用しないのが良い。酸モノマーを使用すると、得られるビニル系樹脂微粒子はそれ自身の分散安定性が高いため、油滴が水相中に分散された分散液中にこのようなビニル系樹脂微粒子を添加しても、常温では付着しにくいか、付着をしても脱離しやすい状態にあり、溶媒除去、洗浄、乾燥、外添処理を行う過程で容易に剥がれてしまう。さらに、酸モノマーを使用しないことで、得られる着色樹脂粒子が使用される環境によって帯電性の変化が少なくすることができる。
(酸モノマーについて)
ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物における酸基としては、カルボキシル酸、スルホニル酸、ホスフォニル酸などが挙げられる。
ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物としては、例えばカルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩((メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、桂皮酸等)、スルホン酸基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル及びこれらの塩、リン酸基含有ビニル系モノマー及びその塩などがある。この中では、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキルが好ましい。
(エステル基系のモノマーについて)
ビニル重合性官能基とエステル基を有する化合物としては、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ヒニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒトロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2´−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン。ビニルケトン、例えはビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン;ビニルスルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等。
ビニル系樹脂微粒子を得る方法としては特に限定されないが、以下の(a)〜(f)が挙げられる。
(a)モノマー混合物を懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により反応させ、ビニル系樹脂微粒子の分散液を製造する。
(b)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を製造する。
(c)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を製造する。
(d)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子を製造する。
(e)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する。
(f)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する。
この中で、製造が容易であり、樹脂微粒子を分散液として得られることから次工程への適用がスムーズに行うことができる(a)の方法が好ましい。
(a)の方法において、重合反応を行う際には、水系媒体中に分散安定剤を添加する、もしくは重合反応を行うモノマー中に、重合してできた樹脂微粒子の分散安定性を付与できるようなモノマー(いわゆる反応性乳化剤)を添加する、またはこれら2つの手段を併用し、できあがったビニル系樹脂微粒子の分散安定性を付与するのがよい。分散安定剤や反応性乳化剤を使用しないと、粒子の分散状態を維持できないためにビニル系樹脂を微粒子として得ることができなかったり、得られた樹脂微粒子の分散安定性が低いために保存安定性に乏しく保管中に凝集してしまったり、あるいは後述の樹脂微粒子付着工程での粒子の分散安定性が低下するために、芯粒子同士が凝集・合一しやすくなり最終的に得られる着色樹脂粒子の粒径や形状・表面などの均一性が悪くなるため、好ましくない。
分散安定剤としては、界面活性剤、無機分散剤などが挙げられ、界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
シェルを形成するビニル系樹脂は、重量平均分子量が5,000に満たないと力学的強度が弱く脆弱であるため、トナー粒子の表面が容易に変化してしまい、例えば帯電性の著しい変化や周辺部剤への付着などの汚染、それに伴う品質問題の発生を引き起こすため好ましくない。また、400,000を超えるような場合は、定着性能が悪化するため好ましくない。よって定着と耐久性を考慮した場合において、分子量は、10000〜50000が特に好ましいといえる。
コア表面にビニル系樹脂が付着しているかどうかは、SEMを観察することで確認することが出来る。
<製造方法>
次に、トナーの製造工程に関して説明する。
(油相作成工程)
有機溶媒中に樹脂、着色剤などを溶解あるいは分散させた油相を作成する方法としては、有機溶媒中に攪拌をしながら樹脂、着色剤などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させればよい。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、ワックスや帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておいてもよい。
さらに別の手段として、有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散するのであれば、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行い、一旦溶解させた後、攪拌もしくはせん断しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行っても良い。
以上の手段を用いて分散された着色剤、ワックス、帯電制御剤は、有機溶媒中に樹脂とともに溶解あるいは分散された後、さらに分散を行っても良い。分散に際しては公知のビーズミルやディスクミルなどの分散機を用いることができる。
(トナー母体粒子作製工程)
本発明においては、芯粒子に樹脂微粒子が付着した状態のものをトナー母体粒子という。
少なくとも界面活性剤を有する水系媒体中に前述の工程で得られた油相を分散させ、油相からなるコア粒子が分散した分散液を作成する方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。5分を超えて分散を行うと、望ましくない小径の粒子が残存してしまったり、分散が過分散状態になって系が不安定になり凝集体や粗大粒子が発生したりすることがあるので好ましくない。
分散時の温度としては、通常、0〜40℃、好ましくは10〜30℃である。40℃を超えると分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなるため好ましくない。また、0℃未満になると分散体の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下する。
界面活性剤は、前述の樹脂微粒子の製造法に関する説明で記載したものと同じものが使用できるが、溶媒を含む油滴を効率よく分散するためには、HLBが高めのジスルホン酸塩のものが好ましい。界面活性剤は、水系媒体中での濃度が1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%、より好ましくは3〜7質量%の範囲にあるのが良い。10質量%を超えると、油滴が小さくなりすぎたり、逆ミセル構造を形成して逆に分散安定性が低下して油滴の粗大化が発生したりするため好ましくない。また1質量%未満では油滴の分散を安定に行うことができずに油滴が粗大化してしまうため好ましくない。
(樹脂微粒子付着工程)
得られた芯粒子分散液は、攪拌を行っている間は安定に芯粒子の液滴を存在させておくことができる。その状態に前述のビニル系樹脂微粒子分散液を投入して芯粒子上に付着させる。ビニル系樹脂微粒子分散液の投入は、30秒以上かけて行うのが良い。30秒未満で投入を行うと、分散系が急激に変化するために凝集粒子が発生したり、ビニル系樹脂微粒子の付着が不均一になったりするため好ましくない。一方闇雲に長い時間、例えば60分を超えて添加するのは生産効率の面から好ましくない。
ビニル系樹脂微粒子分散液は、芯粒子分散液に投入する前に、適宜濃度調整のために希釈あるいは濃縮しても良い。ビニル系樹脂微粒子分散液の濃度は、5〜30質量%が好ましく、8〜20質量%がより好ましい。5%未満では、分散液の投入に伴う有機溶媒濃度の変化が大きく、樹脂微粒子の付着が不十分になるため好ましくない。また30質量%を超えるような場合、樹脂微粒子が芯粒子分散液中に偏在しやすくなり、その結果樹脂微粒子の付着が不均一になるため避けたほうが良い。
ビニル系樹脂微粒子分散液は、低分子量樹脂微粒子の分散液と高分子量の樹脂微粒子の分散液を添加前に混合した、分散液を添加してもよく、好ましいのは、低分子量樹脂微粒子の分散液添加後5分〜60分の間に高分子量の樹脂微粒子の分散液を添加するのが好ましい。添加前の事前混合でも良い理由として、溶媒を含んだ芯粒子表面上で芯粒子と相溶性の高い低分子の樹脂微粒子が先にシェル層を形成する。低分子量の樹脂微粒子がシェル層を形成したのち高分子量の樹脂微粒子が芯粒子表面上にシェル層を形成するためである。
本発明の方法によって芯粒子に対してビニル系樹脂微粒子が十分な強度で付着するのは、ビニル系樹脂微粒子が芯粒子の液滴に付着したときに、芯粒子が自由に変形できるためにビニル系樹脂微粒子界面と接触面を十分に形成すること、および、有機溶媒によってビニル系樹脂微粒子が膨潤もしくは溶解し、ビニル系樹脂微粒子と芯粒子内の樹脂とが接着しやすい状況になるためであると思われる。したがって、この状態において有機溶媒は系内に十分に存在することが必要である。具体的には、芯粒子分散液の状態において、固形分(樹脂、着色剤、および必要に応じてワックス、帯電制御剤など)に対して50質量%〜150質量%、好ましくは70質量%〜125質量%の範囲にあるのがよい。150質量%を超えると、一度の製造工程で得られる着色樹脂粒子が少なくなり生産効率が低いこと、また有機溶媒が多いと分散安定性が低下して安定した製造が難しくなることなどから好ましくない。
芯粒子にビニル系樹脂微粒子が付着するときの温度としては、10〜60℃、好ましくは20〜45℃である。60℃を超えると、製造に必要なエネルギーが増大するために製造環境負荷が大きくなることに加え、低酸価のビニル系樹脂微粒子が液滴表面に存在することもあり分散が不安定になり粗大粒子が発生する可能性もあるため好ましくない。一方10℃未満では分散体の粘度が高くなり、樹脂微粒子の付着が不十分になるため好ましくない。
このほかに芯粒子と樹脂微粒子を混合攪拌し、機械的に付着、被覆させる方法がある。
<脱溶工程>
得られたトナー母体粒子分散体から有機溶剤を除去するためには、系全体を攪拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
あるいはまた、得られたトナー母体粒子分散体を攪拌しながら乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の有機溶剤を完全に除去することも可能である。もしくはトナー母体粒子分散体を攪拌しながら減圧し、有機溶媒を蒸発除去しても良い。後の2つの手段は、最初の手段と併用することも可能である。
乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
<熟成工程>
末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、イソシアネートの伸長・架橋反応を進めるために熟成工程を行っても良い。熟成時間は通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜65℃、好ましくは35〜50℃である。
<洗浄工程>
上記の方法で得られたトナー母体粒子の分散液には、トナー母体粒子のほか、界面活性剤などの分散剤などの副材料が含まれているため、これらからトナー母体粒子のみを取り出すために洗浄を行う。トナー母体粒子の洗浄方法としては、遠心分離法、減圧濾過法、フィルタープレス法などの方法があるが、本発明においては特に限定されるものではない。いずれの方法によってもトナー母体粒子のケーキ体が得られるが、一度の操作で十分に洗浄できない場合は、得られたケーキを再度水系溶媒に分散させてスラリーにして上記のいずれかの方法でトナー母体粒子を取り出す工程を繰り返しても良いし、減圧濾過法やフィルタープレス法によって洗浄を行うのであれば、水系溶媒をケーキに貫通させてトナー母体粒子が抱き込んだ副材料を洗い流す方法を採っても良い。この洗浄に用いる水系溶媒は水あるいは水にメタノール、エタノールなどのアルコールを混合した混合溶媒を用いるが、コストや排水処理などによる環境負荷を考えると、水を用いるのが好ましい。
<乾燥工程>
洗浄されたトナー母体粒子は水系媒体を多く抱き込んでいるため、乾燥を行い水系媒体を除去することでトナー母体粒子のみを得ることができる。乾燥方法としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などの乾燥機を使用することができる。乾燥された着色樹脂粒子は最終的に水分が1%未満になるまで乾燥を行うのが好ましい。また、乾燥後のトナー母体粒子は軟凝集をしており使用に際して不都合が生じる場合には、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサーなどの装置を利用して解砕を行い、軟凝集をほぐしても良い。
<透過率>
本発明のコアシェル型トナーは、トナーの分散液に20kHz、80Wの超音波を5分照射し、トナー分散液の遠心分離を行った後の上澄液が、波長800nmの光の透過率が50%以上95%以下であり、好ましくは60〜95%である。なお、透過率の測定方法の詳細については後述する。
上記の透過率はコア粒子からの樹脂微粒子の剥がれにくさを示す指標である。本発明におけるように透過率を50%以上であるトナーは従来のコアシェル型トナーに比べてシェルがトナー表面により強固に接着した状態であり、シェルの離脱が少ないことによってトナーが高い帯電性と耐久性を確保することができる。
また、50%未満であると脱離したシェルが規制ブレードなどへ固着し、異常画像として現れる。なお、トナーからの樹脂微粒子の離脱は現像装置においてトナーの層厚をブレードによって規制する際に生じるが、前記の超音波の照射条件はこのトナーの層厚を規制する際の条件に対応するものである。また、前記上澄み液には樹脂微粒子の他に着色剤、離型剤も含まれるが、上記800nmの波長は着色剤や離型剤の影響が少ない波長であり、樹脂微粒子による吸収を観察するのに適したものである。
透過率が95%を超えないことにより遊離したシェルトナー同士のスペーサー効果を発揮しトナー同士が直接接触せずトナー表面での外添剤の埋没等を防ぐことが可能となりトナーの劣化を防ぐことができる。
従来、50Wや20Wでトナー表面の物質の剥がれやすさを調整した技術は知られているが、本発明のように、強固に樹脂微粒子を付着させたトナーにおいては、50Wや20Wでは固着等の品質と遊離物の多さに相関が見られなかった。
<脱離するシェルの量を調整する工程>
脱離するシェルの量を調整する方法として以下のような方法が挙げられる。
接着力の弱いシェルをトナー表面からあらかじめ取り除きブレードへのコア表面上にシェルを強固に接着させる手段として、公知の混合機を用いてコアシェル型トナーを混合してトナー表面上にシェルを付着させる方法や、トナー作製時(脱溶媒時)にトナーのTg付近まで加熱を行いシェルとコアとの接着性を向上させる方法などが挙げられる。また、コアへの付着強度が弱いシェルを事前に取り除く方法として、トナーの超音波洗浄などが上げられる。これらの過程を経ることにより、ある一定量のシェルが剥がれる状態のトナーを作製することができる。
脱離シェルの量を調整することで、規制部でのシェルの影響を防ぎ、十分な耐久性と充分な帯電性を確保する。また上記の方法により、脱離させるシェルの量を調整することで、シェルがスペーサーとなりトナー同士の直接的な接触を防ぎ外添剤の埋没などを防ぐことが可能となる。
<突起部形状変形工程>
突起部を扁平状に変形させるには、公知の混合機を用いることができる。例えばジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサーが挙げられる。また扁平化をより効果的に行うために同時に加熱処理をしてもよい。例えば、メテオレインボー(日本ニューマチック工業株式会社製)などの公知の表面改質機を用いることができる。
<トナー母体粒子の加熱工程>
トナー母体粒子の加熱工程においては公知の加熱装置や方法を用いることができる。例えば、一定の温度にした恒温槽や、湯浴などあり、トナー母体粒子へ熱を加える手段は限定しない。
<トナー母体粒子再洗浄工程>
トナー母体粒子の再洗浄工程は、トナー母体粒子を一度乾燥させ再分散して行うが、洗浄工程途中へ加えてもよい。使用する超音波照射装置に限定せず、トナー表面へ一定のエネルギーを与える装置であれば特に限定しない。
<FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法における700cm−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P700/P828)ついて>
FTIR−ATR法(以下「ATR」ともいう)により求められる強度比により、トナー表面近傍の材料の配置等の違いを観察することができる。トナーに含まれる前記バインダ樹脂由来のピークとして(828cm−1)Paがあげられ、シェルを形成しているスチレン−アクリル系樹脂由来のピークとして(700cm−1)Pbがあげられる。
Pb/Paがある一定の強度を有することでスチレンアクリル樹脂により形成された突起部を有することを示すことが可能であり、好ましい範囲は0.3〜0.7であり、より好ましい範囲は、0.4〜0.6である。樹脂微粒子がトナー表面にあることで、NN環境では耐固着性に効果があるが、0.3以上にすることで、HH環境においても十分な耐固着性を確保することができる。また、逆に0.7を超えてしまうと、トナー表面の樹脂微粒子の被覆率が多くなりすぎ、定着性を阻害したり、樹脂微粒子が取れやすい傾向になり、好ましくない。
<ATRにおける(P700/P828)の強度の調整方法>
[700cm−1]Pb/[828cm−1]Paの調整方法として添加するシェル量、または、洗浄時の超音波洗浄等により、調整することができる。
<ATRにおける475m−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P475/P828)について>
トナーに含まれる前記バインダ樹脂由来のピークとして(828cm−1)Paがあげられ、シリカ外添剤のピークとして(475cm−1)Pcがあげられる。
Pc/Paがある一定の強度を有することでスチレンアクリル樹脂により形成された突起部を有するトナーへある一定量の外添剤を有していることを示すことが可能であり、好ましい範囲は0.15〜0.40であり、より好ましい範囲は、0.20〜0.35である。
本発明のような樹脂微粒子が芯粒子に付着してなるトナーにおいては、トナー母体が凹凸を有するため、凸部における外添剤の量を最適にする必要がある。そのためには、従来のような蛍光X線でなく、ATRで(P475/P828)を測定し、凸部のみの外添剤を測定することが好ましい。
<ATRにおける(P475/P828)の強度の調整方法>
(475cm−1)Pc/(828cm−1)Paの調整方法として、トナーに対して外添剤の添加量の調整等があげられる。
<外添処理>
得られた乾燥後のトナー粉体と前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
<外添剤>
(無機微粒子)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
(高分子系微粒子)
この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
<画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ>
[画像形成装置、プロセスカートリッジ]
本発明の画像形成装置は、本発明のトナーを用いて画像を形成する。なお、本発明のトナーは、一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれにも用いることができるが、一成分現像剤として用いることが好ましい。また、本発明の画像形成装置は、無端型の中間転写手段を有することが好ましい。さらに、本発明の画像形成装置は、感光体と、感光体及び/又は中間転写手段に残存したトナーをクリーニングするクリーニング手段を有することが好ましい。このとき、クリーニング手段は、クリーニングブレードを有してもよいし、有さなくてもよい。また、本発明の画像形成装置は、加熱装置を有するローラ又は加熱装置を有するベルトを用いて画像を定着する定着手段を有することが好ましい。さらに、本発明の画像形成装置は、定着部材にオイル塗布を必要としない定着手段を有することが好ましい。さらに、必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、感光体と、現像手段、クリーニング手段等の構成要素をプロセスカートリッジとして構成し、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、分離手段及びクリーニング手段の少なくとも1つを感光体と共に支持してプロセスカートリッジを形成し、画像形成装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、画像形成装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
図1に、本発明の画像形成装置の一例を示す。この画像形成装置は、図示を省略している本体筐体内に、図1中、時計方向に回転駆動される潜像担持体(1)が収納されており、潜像担持体(1)の周囲に、帯電装置(2)、露光装置(3)、本発明の静電荷像現像用トナー(T)を有する現像装置(4)、クリーニング部(5)、中間転写体(6)、支持ローラ(7)、転写ローラ(8)、除電手段(不図示)等を備えている。
この画像形成装置は、記録媒体例としての複数枚の記録紙(P)を収納する給紙カセット(不図示)を備えており、給紙カセット内の記録紙(P)は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、転写手段としての転写ローラ(8)と、中間転写体(6)の間に送り出される。
この画像形成装置は、潜像担持体(1)を図1中、時計方向に回転駆動して、潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電した後、露光装置(3)により画像データで変調されたレーザーを照射して潜像担持体(1)に静電潜像を形成し、静電潜像の形成された潜像担持体(1)に現像装置(4)でトナーを付着させて現像する。次に、現像装置(4)でトナー像を形成した潜像担持体(1)から中間転写体(6)に転写バイアスを付加してトナー像を中間転写体(6)上に転写し、さらに該中間転写体(6)と転写ローラ(8)の間に記録紙(P)を搬送することにより、記録紙(P)にトナー像を転写する。さらに、トナー像が転写された記録紙(P)を定着手段(不図示)に搬送する。
定着手段は、内蔵ヒータにより所定の定着温度に加熱される定着ローラと、定着ローラに所定圧力で押圧される加圧ローラとを備え、転写ローラ(8)から搬送されてきた記録紙を加熱、加圧して、記録紙上のトナー像を記録紙に定着させた後、排紙トレー(不図示)上に排出する。
一方、画像形成装置は、転写ローラ(8)でトナー像を記録紙に転写した潜像担持体(1)をさらに回転して、クリーニング部(5)で潜像担持体(1)の表面に残留するトナーを掻き落として除去した後、不図示の除電装置で除電する。画像形成装置は、除電装置で除電した潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電させた後、上記と同様に、次の画像形成を行う。
以下、本発明の画像形成装置に好適に用いられる各部材について詳細に説明する。
潜像担持体(1)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としては、ドラム状、ベルト状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点で、アモルファスシリコンや有機感光体が好ましい。
潜像担持体(1)に静電潜像を形成する際には、例えば、潜像担持体(1)の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。静電潜像形成手段は、例えば、潜像担持体(1)の表面を帯電させる帯電装置(2)と、潜像担持体(1)の表面を像様に露光する露光装置(3)を少なくとも備える。
帯電は、例えば、帯電装置(2)を用いて潜像担持体(1)の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
帯電装置(2)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた、それ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。
帯電装置(2)の形状としては、ローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等の形態を採ってもよく、電子写真装置の仕様や形態に合わせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで構成される。
帯電装置(2)は、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
露光は、例えば、露光装置(3)を用いて感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光装置(3)としては、帯電装置(2)により帯電された潜像担持体(1)の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器が挙げられる。
現像は、例えば、本発明のトナーを用いて静電潜像を現像することにより行うことができ、現像装置(4)により行うことができる。現像装置(4)は、例えば、本発明のトナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明のトナーを収容し、静電潜像にトナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
現像装置(4)としては、周面にトナーを担持し、潜像担持体(1)に接して回転すると共に、潜像担持体(1)上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行う現像ローラ(40)と、現像ローラ(40)の周面に接し、現像ローラ(40)上のトナーを薄層化する薄層形成部材(41)を有する態様が好ましい。
現像ローラ(40)としては、金属ローラ及び弾性ローラのいずれかが好適に用いられる。金属ローラとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウムローラ等が挙げられる。金属ローラは、ブラスト処理を施すことで、比較的容易に任意の表面摩擦係数を有する現像ローラ(40)を作製することができる。具体的には、アルミニウムローラにガラスビーズブラストで処理することにより、ローラ表面を粗面化でき、現像ローラ上に適正なトナー付着量が得られる。
弾性ローラとしては、弾性ゴム層を被覆したローラが用いられ、さらに、表面にはトナーと逆の極性に帯電しやすい材料からなる表面コート層が設けられる。弾性ローラは、薄層形成部材(41)との当接部での圧力集中によるトナー劣化を防止するために、アスカーC硬度で85°以下、好ましくは80°以下にするのが好ましい。弾性ローラが硬度が低くなると薄層形成部材に融着したものを掻きとりにくくなるため、固着へと成長してしまうことがある。そのため、弾性ローラのアスカーC硬度は60°以上、好ましくは65°以上に設定することが好ましい。弾性ローラのアスカーC硬度の調整は、公知の方法、例えば用いる樹脂の架橋度を調整するなどの方法が使用できる。
弾性ローラの表面粗さ(Ra)は、0.5〜3.0μmが好ましい。表面粗さ(Ra)が0.5μm未満だと、薄層形成部材に融着したものを掻きとりにくくなるため、固着へと成長してしまうことがある。また、本発明のトナーのように樹脂微粒子を強固に付着させたトナーの場合、Raが3.0μmを超えると細線再現性が悪くなることがある。これは、表面に高い帯電性の樹脂微粒子が存在するため、Raが大きい現像Rを用いると、谷部にトナーが集まり、反発することで発生していると考えられる。弾性ローラの表面粗さ(Ra)は、弾性ローラの表面付近に粒径を調整した粗さ粒子を配置するなど、公知の方法が使用できる。
また、現像ローラ(40)には、潜像担持体(1)との間に電界を形成させるための現像バイアスが印加されるので、弾性ゴム層は、10〜1010Ωの抵抗値に設定される。現像ローラ(40)は、時計回りの方向に回転し、表面に保持したトナーを薄層形成部材(41)及び潜像担持体(1)との対向位置へと搬送する。
薄層形成部材(41)は、供給ローラ(42)と現像ローラ(40)の当接位置よりも低い位置に設けられる。薄層形成部材(41)は、ステンレス(SUS)、リン青銅等の金属板バネ材料を用い、自由端側を現像ローラ(40)の表面に10〜40N/mの押圧力で当接させたもので、その押圧下を通過したトナーを薄層化するとともに摩擦帯電によって電荷を付与する。さらに、薄層形成部材(41)には摩擦帯電を補助するために、現像バイアスに対してトナーの帯電極性と同方向にオフセットさせた値の規制バイアスが印加される。
現像ローラ(40)の表面を構成するゴム弾性体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム又はこれらの2種以上のブレンド物等が挙げられる。これらの中でも、エピクロロヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴムのブレンドゴムが特に好ましい。
現像ローラ(40)は、例えば、導電性シャフトの外周にゴム弾性体を被覆することにより製造される。導電性シャフトは、例えば、ステンレス(SUS)等の金属で構成される。
転写は、例えば、潜像担持体(1)を帯電することにより行うことができ、転写ローラにより行うことができる。転写ローラとしては、トナー像を中間転写体(6)上に転写して転写像を形成する第一次転写手段と、転写像を記録紙(P)上に転写する第二次転写手段(転写ローラ(8))を有する態様が好ましい。このとき、トナーとして、二色以上、好ましくは、フルカラートナーを用い、トナー像を中間転写体(6)上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、複合転写像を記録紙(P)上に転写する第二次転写手段を有する態様がさらに好ましい。
なお、中間転写体(6)は、特に制限はなく、目的に応じて、公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
転写手段(第一次転写手段、第二次転写手段)は、潜像担持体(1)上に形成されたトナー像を記録紙(P)側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有することが好ましい。転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。転写手段としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器等が挙げられる。
なお、記録紙(P)としては、代表的には、普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
定着は、例えば、記録紙(P)に転写されたトナー像に対して、定着手段を用いて行うことができ、各色のトナー像に対して、記録紙(P)に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナー像を積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトの組み合わせ等が挙げられる。なお、加熱加圧手段による加熱温度は、80〜200℃が好ましい。
定着装置としては、図2に示すようなフッ素系表層剤構成のソフトローラタイプの定着装置であってよい。これは、加熱ローラ(9)は、アルミ芯金(10)上にシリコーンゴムからなる弾性体層(11)及びPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)表層(12)を有しており、アルミ芯金内部にヒータ(13)を備えている。加圧ローラ(14)は、アルミ芯金(15)上にシリコーンゴムからなる弾性体層(16)及びPFA表層(17)を有している。なお、未定着画像(18)が印字された記録紙(P)は図示のように通紙される。
なお、本発明においては、目的に応じて、定着手段と共に、又は、これに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
除電は、例えば、潜像担持体に対して、除電バイアスを印加することにより、行うことができ、除電手段により好適に行うことができる。除電手段は、特に制限はなく、潜像担持体に対して、除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
クリーニングは、例えば、感光体上に残留するトナーを、クリーニング手段により除去することにより、好適に行うことができる。クリーニング手段は、特に制限はなく、感光体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
リサイクルは、例えば、クリーニング手段により除去したトナーを、リサイクル手段により現像手段に搬送することにより、好適に行うことができる。リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
制御は、例えば、制御手段により各手段を制御することにより、好適に行うことができる。制御手段は、各手段を制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置、画像形成方法およびプロセスカートリッジによれば、定着性に優れ、現像プロセスにおけるストレスに対して割れなどの劣化のない静電潜像現像用トナーを用いることで、良好な画像を提供することができる。
[多色画像形成装置]
図3は、本発明を適用した多色画像形成装置の一例を示す概略図である。この図3はタンデム型のフルカラー画像形成装置である。
この図3において、画像形成装置は、図示しない本体筐体内に、図3中時計方向に回転駆動される潜像担持体(1)が収納されており、潜像担持体(1)の周囲に、帯電装置(2)、露光装置(3)、現像装置(4)、中間転写体(6)、支持ローラ(7)、転写ローラ(8)等が配置されている。画像形成装置は、図示しないが複数枚の記録紙を収納する給紙カセットを備えており、給紙カセット内の記録紙(P)は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、中間転写体(6)と転写ローラ(8)の間に送り出され、定着手段(19)によって定着される。
画像形成装置は、潜像担持体(1)を図3中時計方向に回転駆動して、潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電した後、露光装置(3)により画像データで変調されたレーザーを照射して潜像担持体(1)に静電潜像を形成し、静電潜像の形成された潜像担持体(1)に現像装置(4)でトナーを付着させて現像する。画像形成装置は、現像装置(4)で潜像担持体にトナーを付着して形成されたトナー画像を、潜像担持体(1)から中間転写体に転写させる。これをシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の4色それぞれについて行い、フルカラーのトナー画像を形成する。
次に、図4は、リボルバタイプのフルカラー画像形成装置の一例を示す概略図である。
この画像形成装置は、現像装置の動作を切り替えることによって1つの潜像担持体(1)上に順次複数色のトナーを現像していくものである。そして、転写ローラ(8)で中間転写体(6)上のカラートナー画像を記録紙(P)に転写し、トナー画像の転写された記録紙(P)を定着部に搬送し、定着画像を得る。
一方、画像形成装置は、中間転写体(6)でトナー画像を記録紙(P)に転写した潜像担持体(1)を更に回転して、クリーニング部(5)で潜像担持体(1)表面に残留するトナーをブレードにより掻き落として除去した後、除電部で除電する。画像形成装置は、除電部で除電した潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電させた後、上記同様に、次の画像形成を行う。なお、クリーニング部(5)は、ブレードで潜像担持体(1)上の残留トナーを掻き落とすものに限るものではなく、例えばファーブラシで潜像担持体(1)上の残留トナーを掻き落とすものであってもよい。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置では、前記現像剤として本発明の前記トナーを用いているので良好な画像が得られる。
<プロセスカートリッジ>
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、本発明のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなり、画像形成装置本体に着脱自在なものである。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置、ファクシミリ、プリンターに着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
前記プロセスカートリッジは、例えば、図5に示すように、潜像担持体(1)を内蔵し、帯電装置(2)、現像装置(4)、転写ローラ(8)、クリーニング部(5)を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図5中、(L)は露光装置からの露光、(P)は記録紙をそれぞれ示す。前記潜像担持体(1)としては、前記画像形成装置と同様なものを用いることができる。前記帯電装置(2)には、任意の帯電部材が用いられる。
次に、図に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、潜像担持体(1)は、矢印方向に回転しながら、帯電装置(2)による帯電、露光手段(図示せず)による露光(L)により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置(4)でトナー現像され、該トナー現像は転写ローラ(8)により、記録紙(P)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の潜像担持体表面は、クリーニング部(5)によりクリーニングされ、更に除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下、本発明を実施例及び比較例を示すことにより更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
以下では、「部」及び「%」は特にことわらない限り質量部及び質量%を示す。
まず、実施例及び比較例において得たトナー等についての分析及び評価の方法について述べる。
また、以下では本件発明のトナーを一成分現像剤として用いた場合についての評価を行ったが、本発明のトナーは、好適な外添処理と好適なキャリアを使用することにより、二成分現像剤としても使用することができる。
<ビニル系樹脂微粒子の粒径測定>
樹脂微粒子の粒径はUPA−150EX(日機装社製)を用いて体積平均粒径の測定を行った。
<分子量測定(GPC)>
樹脂の分子量測定は、GPC(gel permeation chromatography)によって、以下の条件で測定した。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1mL注入した。
以上の条件で測定した樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して樹脂の数平均分子量および重量平均分子量を算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
<ガラス転移温度(Tg)測定(DSC)>
Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
<ヘキサンにおける抽出量>ヘキサンにおける抽出量は、以下の方法で測定した。
25℃±2℃の環境にて、30mlのガラス製のスクリュー管(商品名:○○社製)にトナー1.0gを測りとり、これにn−ヘキサン7mlを加え、ロールミルで回転数120rpmで1min攪拌し、得られた溶液を目開き1μmのPTFE製メンブランフィルターを用いて吸引濾過した。
濾液を40℃で24時間乾燥して、乾燥後の重量を求めた。これを「抽出した離型剤量」とした。
ヘキサンにおける抽出量=「抽出した離型剤量」/1gで算出した。
<現像ローラのアスカーC硬度>
スプリング式硬度計アスカーC(高分子計器株式会社製)を用いて計測した。
<現像ローラの表面粗さRa>
現像ローラの表面粗さ(Ra)は、JIS B0601?1994に準拠したサーフコム株式会社製の接触表面粗さ計を用いて測定した。
<透過率測定>
測定および解析条件としては、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
本発明における具体的な測定方法は、以下の通りである
まず、1Lのポリプロピレン製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約995gを入れる。 この中に分散剤として「ドデシル硫酸ナトリウム」(関東化学社製)を5g加え、0.5wt%の分散液を作製する。
この分散液を40g秤量しトナーを3g加え90分攪拌する。容量100mlのステンレスカップ(TOP社製)へ移し、出力を80Wに調整した超音照射装置で超音波を5min照射する。
照射する際に超音波の発生元が十分に分散液に浸っていること(液面より1cm以上使っていること)を確認する
超音波照射の際は、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
超音波照射装置は「VCX−750」ソニックス&マテリアル社製を用いた。
超音波照射後のトナー分散液を容量15mlの遠沈管へ入れ3000rpmで5分間遠心分離を行う。遠心分離機は、「CN−1040」HSIANGTAI 製を用いた。
遠心分離後の上澄み液を液面上部から1.6ml採取し紫外・可視分光分析装置の石英セルへセットし透過率の測定を行う。
測定の際、0.5wt%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液をリファレンスとして測定をおこなう(、0.5wt%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液の波長800nmの透過率を100%とする)
透過率の測定には、紫外・可視分光分析装置を用いて波長800nmの透過率を測定する。
紫外・可視分光分析装置は「島津製作所社製UV−2550」を使用した。
<帯電性(地汚れ)>
IPSiO SP C220のBkカートリッジにトナーを入れ、白紙をプリントアウトしたときの白紙上および感光体上を観察した。実験は、温度27度湿度40%の環境で行った。
〔評価基準〕
◎:白紙上にも感光体上にもトナーの付着は見られない
○:白紙上にはトナーの付着は見られないが、感光体を斜めにして観察するとうっすらとトナーの付着が見られる。
△:白紙を斜めにして観察するとうっすらとトナーの付着が見られる。
×:白紙に明らかにトナーの付着が見られる。
<耐固着性(NN環境)>
改造したリコー製IPSiO SP C220(弾性ローラに、アスカーC硬度が72°、表面粗さが1.1μmのものを使用)を用いて、白ベタ画像2千枚出力後、規制ブレードの付着トナーを4段階で評価した。実験は、温度27度湿度40%の環境で行った。
◎:トナー付着がなく非常に良好なレベル
○:トナー付着が目立たず、画質に影響しないレベル
△:トナー付着があり、画質に影響するレベル
×:トナー付着が目立ち、画質に大きく影響するレベル
<耐固着性(HH環境)>
改造したリコー製IPSiO SP C220(弾性ローラに、アスカーC硬度が72°、表面粗さが1.1μmのものを使用)を用いて、白ベタ画像2千枚出力後、規制ブレードの付着トナーを4段階で評価した。実験は、温度28度湿度80%の環境で行った。
◎:トナー付着がなく非常に良好なレベル
○:トナー付着が目立たず、画質に影響しないレベル
△:トナー付着があり、画質に影響するレベル
×:トナー付着が目立ち、画質に大きく影響するレベル
<画像濃度変化>
リコー製IPSiO SP C220を用いて、初期と1%画像面積の画像チャートを2000枚出力後、黒ベタ画像をリコー社製TYPE6000紙に出力し、画像濃度を分光濃度計(X−Rite社製)により測定し、2000枚出力前後の濃度変化を評価した。
◎・・・・差が0.1%未満
○・・・・差が0.1%以上0.2%未満
△・・・・差が0.2%未満0.3%未満
×・・・・差が0.3%以上
<定着分離性>
リコー製IPSiO SP C220を用いて、縦方向の先端余白3mmを有するベタ画像で、1.1±0.1mg/cm2のトナーが現像された未定着状態の画像(転写紙)を6枚出力した。
リコー製IPSiO SP C220の定着部分のみを取り出し、定着ベルトの温度及びベルト線速度を所望の値になるように改造した定着試験装置を用い、ベルト線速度125mm/secに設定して、定着ベルトの温度を140℃から10℃刻みで190℃まで上げて、先端余白3mmの方から転写紙の定着を行った。転写紙が定着ベルトに巻きついたり、定着機の出口で蛇腹のようになって詰まったりすることなく、正常に定着できた枚数によって、下記基準に基づき評価した。
○:正常に定着できた枚数が5枚以上
△:正常に定着できた枚数が4枚以下3枚以上
×:正常に定着できた枚数が2枚以下
<メダカ評価方法>
リコー製IPSiO SP C220を用いて、印字率1%の所定のプリントパターンをHH環境下(温度28℃、湿度80%)で連続印字した。5000枚連続印字後に、感光体及びベタ画像を目視で観察評価した。判断基準は以下の通りである。
○:感光体上にメダカの発生がなく、全く問題ない。
△:感光体上にメダカが発生しているが、画像は問題ない。
×:感光体上にメダカが発生しており、画像にも問題がある。
<帯電量評価方法>
リコー製IPSiO SP C220を用いて、外添処理を行ったトナー(現像剤)をB/W比6%の所定のプリントパターンをHH環境下(28℃、80%)で連続印字した。50枚および2000枚連続印字後(耐久後)に、白紙パターン印字中の現像ローラ上のトナーをトレック・ジャパン社製吸引式小型帯電量測定装置 MODEL 210HSで吸引し、電荷量を測定し、50枚後及び2000枚後の帯電量を評価した
○:帯電量差の絶対値が15〜25μC/gの範囲内
△:帯電量差の絶対値が10μC/g〜15μC/gの範囲内
×:帯電量差の絶対値が10μC/g以下
次に実施例、比較例において用いた各種材料の製造例について述べる。
[ビニル系樹脂微粒子分散液1の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、イオン交換水498部をいれ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたもの106.6部を加え、その15分後に、スチレンモノマー170部、メトキシジエチレングリコールメタクリレート30部、n−オクタンチオール1.4部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却してTg:72℃、Mw :41300、体積平均粒子径100nmの白色の[樹脂分散体1]を得た。
[ビニル系樹脂微粒子分散液2の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、イオン交換水498部をいれ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたもの106.6部を加え、その15分後に、スチレンモノマー160部、メトキシジエチレングリコールメタクリレート40部、n−オクタンチオール1.4部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却してTg:62℃、Mw :43500、体積平均粒子径105nmの白色の[樹脂分散体2]を得た。
[ビニル系樹脂微粒子分散液3の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、イオン交換水498部をいれ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたもの106.6部を加え、その15分後に、スチレンモノマー180部、アクリル酸n−ブチル20部、n−オクタンチオール1.4部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却してTg:75℃、Mw :40000、体積平均粒子径105nmの白色の[樹脂分散体3]を得た。
[ビニル系樹脂微粒子分散液4の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、イオン交換水498部をいれ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたもの106.6部を加え、その15分後に、スチレンモノマー170部、アクリル酸n−ブチル30部、n−オクタンチオール1.4部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却してTg:69℃、Mw :42100、体積平均粒子径105nmの白色の[樹脂分散体4]を得た。
[ビニル系樹脂微粒子分散液5の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、イオン交換水498部をいれ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたもの106.6部を加え、その15分後に、スチレンモノマー160部、アクリル酸n−ブチル40部、n−オクタンチオール1.4部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却してTg:60℃、Mw :44000、体積平均粒子径108nmの白色の[樹脂分散体5]を得た。
[ビニル系樹脂微粒子分散液6の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、イオン交換水498部をいれ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたもの106.6部を加え、その15分後に、スチレンモノマー160部、アクリル酸n−ブチル40部、n−オクタンチオール1.4部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却してTg:95℃、Mw :41500、体積平均粒子径102nmの白色の[樹脂分散体6]を得た。
上記で得たビニル系樹脂微粒子分散液1〜6におけるビニル系樹脂微粒子のモノマー組成、分子量を表1に示す。
(結着樹脂の合成)
[ポリエステル樹脂1]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物400部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部、及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜18mmHgの減圧下で、7時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸20部を添加し、常圧下、180℃で軟化点が110℃になるまで反応させて、[ポリエステル1]を合成した。得られた[ポリエステル1]は、ガラス転移温度が63℃であった。
[ポリエステル樹脂2]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物1210部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物2750部、テレフタル酸910部、アジピン酸190部およびジブチルチンオキサイド10部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜18mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸220部を入れ、常圧下、180℃で軟化点が95℃になるまで反応させて、[ポリエステル2]を合成した。得られた[ポリエステル2]は、ガラス転移温度が49℃であった。
[プレポリマーの合成]
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。
[マスターバッチ1の製造]
C.I.ピグメント・レッド122:40部、ポリエステル1:60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
[実施例1]
(水相の調整)
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌したところpH6.2となった。これに、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH9.5に調整し、[水相1]を得た。
<WAX分散液作製工程>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル樹脂1]20部、[パラフィンワックス(融点72℃)]12部、酢酸エチル100部、ワックス分散剤として、スチレン・ポリエチレンポリマー(Tg=72℃、数平均分子量7100)6部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、WAXの分散を行い、[WAX分散液1]を得た。
<油相作製工程>
[ポリエステル樹脂1]90部、[ポリエステル樹脂2]10部、[結晶性ポリエステル]7部、[マスターバッチ1]12部、[WAX分散液1]33部、酢酸エチル80部をTKホモミキサー(特殊機化製)で8,000rpmにて30分間混合した後、[プレポリマー1]15部を加えTKホモミキサーで8,000rpmにて2分間混合して[油相1]を得た。得られた[油相1]の固形分を測定したところ58質量%であった。
<芯粒子作成工程>
[油相1]100部を[水相1]100部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー1]を得た。
<樹脂微粒子付着工程>
[芯粒子スラリー1]をアンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、[樹脂分散体1]11.6部とイオン交換水20.8部を混合した[樹脂微粒子分散液1]を3分間かけて滴下した。回転数を200〜450rpmの間に調整して30分間攪拌を続け、[複合粒子スラリー1]を得た。
<脱溶工程>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[複合粒子スラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄・乾燥工程>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を得た。
<突起部の強固接着化工程>
〈機械的な力による接着〉
得られた[トナー母体粒子1]100部を改造したヘンシェルミキサー(10L)に入れ、回転数を5000rpmで30分間混合攪拌を行い、[処理後トナー母体粒子1]が得られた。得られた[処理後トナー母体粒子1]を走査電子顕微鏡で観察したところ、芯粒子の表面に扁平化したビニル樹脂が均一に融着していた。
〈外添工程〉
[トナー母体粒子1]100部に対し、市販のシリカ微粉体NAX50 [日本アエロジル社製; 平均一次粒径30nm]2.8部、H20TM [クラリアント社製; 平均一次粒径20nm]0.9部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き60μmの篩を通過させることにより粗大粒子や凝集物を取り除くことで、[トナー1]を得た。
[実施例2]
実施例1で得た[トナー母体粒子1]に以下の処理を行った。その後は[トナー1]と同様に外添処理を行い、[トナー2]を得た。
〈トナー母体粒子の加熱〉
[トナー母体粒子1]100部を24時間、60℃の恒温層へ入れ[処理後トナー母体粒子2]が得られた。得られた[処理後トナー母体粒子2]を走査電子顕微鏡で観察したところトナー母体粒子への十分な接着が確認できた。
<トナー母体粒子の洗浄強化工程>
[実施例3]
実施例1で得た[トナー母体粒子1]に以下の処理を行った。
〈トナー洗浄の強化〉
得られた[トナー母体粒子1]100部を、イオン交換水部350部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%の混合溶液へ加え90分間攪拌し、[分散スラリー2]を作製する。[分散スラリー2]へ出力を80Wに調整した超音照射装置で超音波を20min照射する。
その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
超音波照射装置は「VCX−750」ソニックス&マテリアル社製を用いた。
超音波照射後は、上記の洗浄工程の(1)と同様にして[分散スラリー2]100部を減圧濾過した後、以下の(2)〜(4)の工程を実施した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ2]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[処理後トナー母体粒子3]を得た。
[処理後トナー母体粒子3]100部に対し、市販のシリカ微粉体RY50 [日本アエロジル社製; 平均一次粒径40nm、シリコーンオイル処理]2.8部、H20TM [クラリアント社製; 平均一次粒径20nm、ヘキサメチルジシラザン処理]0.9部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き60μmの篩を通過させることにより粗大粒子や凝集物を取り除くことで、[トナー3]を得た。
[実施例4〜23]
ビニル系樹脂微粒子分散液の種類、ビニル系樹脂微粒子分散液の添加量及び母体の処理方法、外添剤種、外添剤添加量を表2に示す通りのものとしたことを除いては実施例1と同様にして実施例4〜33の[トナー4]〜[トナー33]を得た。
使用した外添剤は以下の通りである。
RX50[日本アエロジル社製; 平均一次粒径40nm、ヘキサメチルジシラザン処理]
MSP009[テイカ社製; 平均一次粒径80nm、アミノシラン処理/シリコーンオイル処理]
[実施例34]
油相作製工程で[WAX分散液1]を60部に、樹脂微粒子付着工程で[樹脂分散体1]を10.0部に変えた以外は、[トナー1]と同様にして[トナー34]を得た。
[実施例35]
油相作製工程で[WAX分散液1]を73部に変えた以外は、[トナー34]と同様にして[トナー35]を得た。
[実施例36]
油相作製工程で[WAX分散液1]を140部に、樹脂微粒子付着工程で[樹脂分散体1]を8.0部に変えた以外は、[トナー35]と同様にして[トナー36]を得た。
[実施例37]
油相作製工程で[WAX分散液1]を160部に変えた以外は、[トナー36]と同様にして[トナー37]を得た。
[実施例38]
外添剤を表2に記載した内容にした以外は[トナー35]と同様にして[トナー38]を得た。
[実施例39]
芯粒子作成工程において、[油相1]100部を[水相1]100部に、更にスチレン・ポリエチレンポリマー(Tg=72℃、数平均分子量7100)1.0部を加えた以外は、[トナー35]と同様にして[トナー39]を得た。
[比較例1]
実施例1においてビニル系樹樹脂微粒子付着工程を実施しないことを除いては実施例1と同様にして[トナー母体粒子24]を得た。そしてこの[トナー母体粒子24]に後処理を施すことなく、実施例1と同様の外添処理を施して比較例1の[トナー101]を得た。
[比較例2〜4]
比較例1で得た[トナー母体粒子24]に表2の処理方法の欄に示す処理を施し、次いで、これに実施例1と同様の外添処理を施して比較例2〜4の[トナー102]〜[トナー104]を得た。
[比較例5]
実施例1で得た[トナー母体粒子1]に後処理を施すことなく、実施例1と同様の外添処理を施してこれを比較例5の[トナー105]とした。
[比較例6〜11]
実施例1において、添加したビニル系樹脂微粒子分散液の添加量及び処理方法を表2に示す通りのものとしたことを除いては実施例1と同様にして比較例6〜11のトナーを得た。
[比較例12]
実施例1において、添加したビニル系樹脂微粒子分散液の種類、その添加量及び処理方法を表2に示す通りのものとしたことを除いては実施例1と同様にして比較例12のトナーを得た。実施例1〜39、比較例1〜12で得たトナーについての評価結果を表2に示す。
次に、弾性ローラの硬度及び表面粗さ(Ra)を変えて、[トナー1]及び[トナー105]の耐固着性及び細線再現性を確認した。細線再現性の評価方法は後述する。
表3に弾性ローラの硬度、表面粗さRa及び評価結果を示す。
<細線再現性>
改造したリコー製IPSiO SP C220を用いて、1X1ドット(1ドットオン、1ドットオフ)の電子写真感光体の軸方向のライン画像を紙上に印字し、得られた画像を目視観察して細線画像を評価した。 ◎:均一に細線が再現出来ている
○:若干の乱れがあるが、ほぼ均一に細線が再現出来ている
△:細線に乱れがあるが、実用範囲内
×:細線に乱れが目立ち、実用範囲外
Figure 2013076996
Figure 2013076996
Figure 2013076996
1 潜像担持体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
40 現像ローラ
41 薄層形成部材
42 供給ローラ
5 クリーニング部
6 中間転写体
7 支持ローラ
8 転写ローラ
9 加熱ローラ
10 アルミ芯金
11 弾性体層
12 PFA表層
13 ヒータ
14 加圧ローラ
15 アルミ芯金
16 弾性体層
17 PFA表層
18 未定着画像
19 定着手段
L 露光
P 記録紙
T 静電荷像現像用トナー
特開2005−084183号公報 特許第4033096号公報 特開2008−089670号公報 特開2005−099233号公報

Claims (18)

  1. 芯粒子の表面に樹脂微粒子が付着して形成された突起部を有するトナーであって、前記芯粒子は結着樹脂、着色剤、および離型剤を少なくとも含有しており、
    トナーの分散液に20kHz、80Wの超音波を5分照射し、トナー分散液の遠心分離を行った後の上澄液についての波長800nmの光の透過率が50%以上95%以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 前記トナーは結着樹脂、着色剤及び離型剤を有機溶媒に溶解または分散させ、これを水系媒体中に分散させて油滴を作製し、樹脂微粒子を油滴表面に付着させてトナー粒子を得る工程を経て得られたトナーであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記結着樹脂が非晶性ポリエステル樹脂を含有しており、
    前記樹脂微粒子がビニル系樹脂微粒子であり、芯粒子100質量部に対するビニル系樹脂微粒子の添加量が3質量部以上15質量部未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 前記トナーが結晶性ポリエステルを含有していることを特徴とする請求項3に記載のトナー。
  5. 前記ビニル系樹脂微粒子に含まれるビニル重合性官能基を有する芳香族化合物が80質量%以上であることを特徴とする請求項3に記載の静電潜像現像用トナー。
  6. FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる700cm−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P700/P828)が0.30以上であることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
  7. FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる475m−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P475/P828)が0.15以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
  8. 前記芯粒子にはポリエステル骨格を有する樹脂の他に、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  9. 前記離型剤がパラフィン類、合成エステル類、ポリオレフィン類、カルナウバワックス、またはライスワックスから選択される単独または2種以上含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 前記離型剤の含有量が4.0質量%以上8.0質量%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 前記トナーは、外添剤(A)及び外添剤(B)を含み、外添剤(A)はシリコーンオイルで表面処理された無機微粒子であり、外添剤(B)はアミノ基含有シランカップリング剤を用いて表面処理された無機微粒子であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のトナー。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のトナーを用いた現像剤。
  13. 潜像担持体と、現像手段と、帯電手段及/又はクリ−ニング手段とを一体に支持し、画
    像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、該現像手段が請求項12に記載の現像剤を保持することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、
    帯電した該潜像担持体に静電潜像を形成させる露光工程と、
    該潜像担持体に当接しかつ表面にトナーを担持する現像ローラおよびこの現像ローラ表面のトナー量を規制しかつ該トナーを薄層化させるトナー規制ブレードを有する現像工程と、
    潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、
    被転写体上の可視像を定着させる定着工程と、を有し、
    現像剤として請求項12に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  15. 潜像を担持する潜像担持体と、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体に当接しかつ表面にトナーを担持する現像ローラおよびこの現像ローラ表面のトナー量を規制しかつ該トナーを薄層化させるトナー規制ブレードを有し、潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し可視像化する現像手段と、潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、被転写体上の可視像を定着させる定着手段と、を備える画像形成装置であって、前記現像手段が請求項12に記載の現像剤を保持することを特徴とする画像形成装置。
  16. 前記定着手段が加熱定着手段であることを特徴とする、請求項15に記載の画像形成装
    置。
  17. 前記現像ローラのアスカーC硬度が、60°以上85°以下であることを特徴とした請求項15に記載の画像形成装置。
  18. 前記現像ローラの表面粗さが0.5μm以上3.0μm以下であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
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