JP2018180268A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、良好なクリーニング性を有し、かつ低いカバレッジ画像が連続出力された場合であっても高精細な画像を形成できる画像形成方法を提供することである。【解決手段】本発明の画像形成方法は、電子写真感光体(感光体ドラム41)の表面に潤滑剤を塗布する工程等を有し、電子写真画像形成に使用する前記静電荷像現像用トナーが、表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有し、前記外添剤として、少なくとも、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bとを含有し、前記シリカ粒子Aが、個数平均一次粒子径が35〜75nmの範囲内で、かつその粒子表面がシリコーンオイルにて表面修飾されており、前記シリカ粒子Bが、個数平均一次粒子径が15〜30nmの範囲内で、かつその粒子表面がシラザン化合物又はアルコキシシラン化合物にて表面修飾されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成方法に関する。より詳細には、本発明は、良好なクリーニング性を有し、かつ低いカバレッジ画像が連続出力された場合であっても高精細な画像を形成できる画像形成方法に関する。
近年、プリントオンデマンド(POD)と呼ばれる、製版工程を経ずに直接印刷するデジタル印刷技術が注目されていることから、電子写真方式による画像形成方法への要望は多様化している。市場要求を考えると、出力画像の品質が高精細であること、様々な印字率に対応できること、及び連続出力を行っても同じ品質の画像が得られること等の観点が重要である。
このような背景を受け、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の分野では、トナー母体粒子の小粒径化及び高円形度化が検討されてきた。しかし、トナー母体粒子形状が小粒径・高円形度化すると、感光体表面へのトナーの付着力が大きくなるため、残トナーとして残留しやすく、クリーニングが課題となる。
そこで、トナーと感光体の剥離性を高めるために、表面エネルギーの低い脂肪酸金属塩等を潤滑剤として感光体上に塗布し、摩擦係数を下げる手法が知られている。
ここで、潤滑剤の供給手段としては、例えば、感光体へ直接塗布する機構を設ける方式(例えば、特許文献1参照。)と、現像剤に潤滑剤を外添して現像部から感光体に潤滑剤を供給する方式(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
後者の方式では多数検討がなされているが、トナーに潤滑剤が存在することでトナー粒子中の帯電分布に偏りが生じ、トナーの飛び散り等により高精細な画像を得ることが難しく、画像品質との両立することは困難である。また、前者の方式の方が後者の方式に比べて、潤滑剤量を多く塗布することができる点や、クリーニング性を確保する点から有用である。
前者の感光体へ直接潤滑剤を塗布する方式では、潤滑剤は、粉体の状態で感光体上に供給され、感光体に当接するブレード等によって感光体表面へ塗布される。ここで、潤滑剤として用いられる脂肪酸金属塩は、通常正帯電性であるため、現像スリーブ上の負帯電性のトナーに静電的に引きつけられ、最終的に現像機内に取り込まれる。
ここで、比較的高いカバレッジの画像出力をする場合は、トナーの消費量が高いため、トナーの入れ替わりとともに、現像機内に取り込まれた潤滑剤も排出され、実使用上問題はなかった。
しかし、低いカバレッジ画像を連続出力すると、潤滑剤が現像機内に蓄積し、これによってトナーの帯電量低下が発生することを、発明者らは課題として見いだした。帯電量の低いトナーが飛散すると、出力画像の粒状性が低下するなど、画像欠陥が発生してしまうため、安定的に高精細な画像を出力するためには、現像剤の帯電量を安定させることが重要である。
一方で、トナーのクリーニング性を向上させる手段として外添剤に着目すると、シリコーンオイルによる疎水化処理(表面修飾処理)をした無機微粒子を用いる方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
シリコーンオイル処理では、一部のポリシロキサンが無機微粒子表面に物理吸着した状態で存在するために、ストレスを受けると遊離する。遊離シリコーンオイルは、感光体とクリーニングブレードの摩擦力を低下させ、クリーニングブレードの変動を小さくしたり、静止層におけるトナーの凝集力を高めることでクリーニングをしやすくしたりする。
しかしながら、シリコーンオイルによる無機微粒子の表面修飾は均一な処理が難しく、粒子どうしが凝集しやすい。したがって、トナー表面を良好に被覆しにくく、さらに感光体上に付着した遊離オイルがトナーとの付着力を上げてしまう。そのため、トナーの転写率が低下し、転写プロセスの後の感光体上に残るトナー量が増加することで、クリーニング性が低下してしまうことがあり、高精細な画像を得ることが難しくなるという問題があった。
特開2010−210799号公報 特開2008−152099号公報 特開2013−64822号公報
本発明は上記問題及び状況に鑑みてなされ、その解決課題は、良好なクリーニング性を有し、かつ低いカバレッジ画像が連続出力された場合であっても高精細な画像を形成できる画像形成方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、電子写真感光体の表面に潤滑剤を塗布する工程を有する電子写真画像形成において、電子写真画像形成で用いる静電荷像現像用トナーに、外添剤として、個数平均一次粒子径が35〜75nmの範囲内でかつその粒子表面がシリコーンオイルにて表面修飾されているシリカ粒子Aと、個数平均一次粒子径が15〜30nmの範囲内でかつその粒子表面がシラザン化合物又はアルコキシシラン化合物にて表面修飾されているシリカ粒子Bと、を含有させることで、良好なクリーニング性を有し、かつ低いカバレッジ画像が連続出力された場合であっても高精細な画像を形成できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
1.電子写真感光体の表面に潤滑剤を塗布する工程と、
前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、
前記静電潜像を、静電荷像現像用トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、を有し、
前記静電荷像現像用トナーが、表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有し、
前記外添剤として、少なくとも、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bとを含有し、
前記シリカ粒子Aが、個数平均一次粒子径が35〜75nmの範囲内で、かつその粒子表面がシリコーンオイルにて表面修飾されており、
前記シリカ粒子Bが、個数平均一次粒子径が15〜30nmの範囲内で、かつその粒子表面がシラザン化合物又はアルコキシシラン化合物にて表面修飾されていることを特徴とする画像形成方法。
2.前記静電荷像現像用トナーが、前記外添剤として、個数平均短径に対する個数平均長径の比の値である平均アスペクト比が2〜15の範囲内である酸化チタン粒子を、さらに含有することを特徴とする第1項に記載の画像形成方法。
3.前記酸化チタン粒子が、ルチル型の結晶構造を有することを特徴とする第2項に記載の画像形成方法。
4.前記シリコーンオイルとして、ジメチルシリコーンオイルを用いることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
5.前記シリカ粒子BのBET比表面積の値が、90〜150m/gの範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
6.前記トナー母体粒子が、結着樹脂を含有し、
前記結着樹脂が、結晶性樹脂を含有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
7.前記潤滑剤が、1種類又は複数種類のステアリン酸金属塩からなることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
本発明の上記手段により、良好なクリーニング性を有し、かつ低いカバレッジ画像が連続出力された場合であっても高精細な画像を形成できる画像形成方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は明確になっていないが、以下のように推察される。
本発明の画像形成方法では、電子写真感光体の表面に潤滑剤を塗布する工程を有する。この方法では、潤滑剤を現像剤へ外添する方式と比べて、トナーの帯電分布を均一にしやすく、電子写真感光体とトナーとの剥離性を高めることで、クリーニング性能を向上させることができると考えられる。
また、本発明の画像形成方法で用いるトナーの外添剤には、シリコーンオイルで表面修飾されたシリカ粒子Aを含有する。当該シリカ粒子Aを含むトナーは、例えば低カバレッジ連続印刷時に現像機内で過剰なストレスを受けると、シリコーンオイルが遊離し(以下、遊離オイルと呼ぶ)、感光体、現像機及びキャリア表面など接触したものに付着すると考えられる。この際、遊離オイルは、付着したキャリア表面上でコート層のような役割を果たすものと推察され、トナーへの負帯電能が強まり、トナーの帯電量が上昇すると考えられる。これにより、現像機内に取り込まれた正帯電性の潤滑剤が存在しても、現像剤の帯電量は大きく変化することなく、帯電量を安定化させることができ、安定的に高精細な画像を出力できたものと考えられる。
なお、キャリア表面の元素分析から表面Si元素量が増加していることを確認しており、これが遊離オイルに由来するものと考えている。
さらに、トナーの外添剤には、アルコキシシラン化合物又はシラザン化合物で表面修飾されたシリカ粒子Bを含有する。これにより、シリコーンオイルで表面修飾されたシリカ粒子Aだけでは不十分であったトナー母体粒子表面に対する均一でかつ高被覆率な外添剤の被覆ができたものと考えられる。また、アルコキシシラン化合物又はシラザン化合物で表面修飾されたシリカ粒子は、粒子の凝集が少ないため分散性が良い。そして、これらにより、転写性が向上し、転写プロセスの後の感光体上に残るトナー量を低減することができたため、より優れたクリーニング性を得ることができたと考えられる。
また、シリカ粒子Aはシリカ粒子Bよりも粒径が大きい。そのため、シリカ粒子Bよりシリカ粒子Aの方が感光体、現像機及びキャリア表面などと優先的に接触でき、シリカ粒子Aを含有した効果を有効に得られたものと考えられる。また、シリカ粒子Bは、個数平均一次粒子径が15〜30nmであり粒径が小さいため、トナー母体粒子表面に被覆率の高い状態で存在させることができ、本発明の効果を有効に得ることができたと考えられる。
本発明の画像形成方法を用いられる画像形成装置の構成の一例を示す概略図 本発明の画像形成方法に用いられる潤滑剤塗布装置の構成の一例を示す概略図
本発明の画像形成方法は、電子写真感光体の表面に潤滑剤を塗布する工程と、前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を、静電荷像現像用トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、を有し、前記静電荷像現像用トナーが、表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有し、前記外添剤として、少なくとも、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bとを含有し、前記シリカ粒子Aが、個数平均一次粒子径が35〜75nmの範囲内で、かつその粒子表面がシリコーンオイルにて表面修飾されており、前記シリカ粒子Bが、個数平均一次粒子径が15〜30nmの範囲内で、かつその粒子表面がシラザン化合物又はアルコキシシラン化合物にて表面修飾されていることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通の技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記静電荷像現像用トナーが、前記外添剤として、個数平均短径に対する個数平均長径の比の値である平均アスペクト比が2〜15の範囲内である酸化チタン粒子を、さらに含有することが好ましい。このような平均アスペクト比が大きな酸化チタン粒子は、接触面積が大きくトナー母体粒子の表面で移動しにくいため、現像容器内で撹拌され続けるような強いストレスを受けた場合であっても、トナー粒子が酸化チタンによる均一な被覆状態を保つことができる。そして、酸化チタンを含有することによる帯電性の制御等の効果をより効果的に得ることができる。
本発明の実施態様としては、前記酸化チタン粒子が、ルチル型の結晶構造を有することが好ましい。ルチル型酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタンに比べて焼成温度が高く表面のヒドロキシ基が少ない。このことから、より湿度の影響を受けにくく環境によらず十分な抵抗値を確保することができる。したがって、トナー中に外添剤としてルチル型酸化チタン粒子を含有することで、より高い帯電量の環境安定性をトナーに付与することが可能である。
本発明の実施態様としては、前記シリコーンオイルとして、ジメチルシリコーンオイルを用いることが好ましい。ジメチルシリコーンオイルは、非反応性シリコーンオイルであるので、オイル遊離を誘発しやすく、また十分な疎水性を付与できる。
本発明の実施態様としては、前記シリカ粒子BのBET比表面積の値が、90〜150m/gの範囲内であることが好ましい。BET比表面積が大きいほど独立に粒子が存在することを意味し、凝集度が小さいことを表す。分散状態が良好なほどトナーを均一に被覆できるため、BET比表面積は90以上であることが好ましい。また、十分な流動性を確保する観点からは、BET比表面積が150以下であることが好ましい。
本発明の実施態様としては、トナーの低温定着性を向上させ、省エネルギー化を実現する観点からは、前記トナー母体粒子が、結着樹脂を含有し、前記結着樹脂が、結晶性樹脂を含有することが好ましい。
本発明の実施態様としては、遊離脂肪酸の発生を抑え、かつ脂肪酸金属塩の融点が高くなりすぎず、良好な定着性を得る観点からは、前記潤滑剤が、1種類又は複数種類のステアリン酸金属塩からなることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態について詳細な説明をする。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[画像形成方法及び静電荷像現像用トナーの概要]
本発明の画像形成方法は、電子写真感光体の表面に潤滑剤を塗布する工程を有し、電子写真画像形成で用いる静電荷像現像用トナーには、表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有し、前記外添剤として、少なくとも、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bとを含有し、前記シリカ粒子Aが、個数平均一次粒子径が35〜75nmの範囲内で、かつその粒子表面がシリコーンオイルにて表面修飾されており、前記シリカ粒子Bが、個数平均一次粒子径が15〜30nmの範囲内で、かつその粒子表面がシラザン化合物又はアルコキシシラン化合物にて表面修飾されていることを特徴とする。
以下、まず本発明の画像形成方法で用いる静電荷像現像用トナーについて説明した後、画像形成方法について説明する。
[静電荷像現像用トナー]
本発明において「静電荷像現像用トナー(トナー)」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。また、トナー粒子とは、結着樹脂や離型剤等を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加したものをいう。
なお、本発明においては、トナー母体粒子とトナー粒子とを区別する必要がない場合には、単にトナー粒子と称することがある。
<トナー母体粒子>
本発明に係るトナー母体粒子は、結着樹脂として、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含有することが好ましい。また、トナー母体粒子は、その他必要に応じて、着色剤、離型剤(ワックス)、荷電制御剤等の他の構成成分を含有してもよい。
<外添剤>
本発明に係るトナーは、外添剤として、少なくとも、後述するシリカ粒子Aとシリカ粒子Bとを含有する。これらのシリカ粒子は、ゾル・ゲル法、気相法、溶融法等の公知の方法で作製されたシリカ粒子を使用することができる。また、本発明に係るトナーは、外添剤として、必要に応じて、後述するシリカ粒子Cや酸化チタン粒子を含有してもよく、さらに他の外添剤を含有してもよい。
以下、シリカ粒子A及びシリカ粒子Bについて説明する。
<シリカ粒子A>
(表面修飾)
本発明に係るシリカ粒子Aは、シリコーンオイルで表面修飾されている。
シリコーンオイルとしては、公知のシリコーンオイルを用いることができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、メタクリル酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル等を使用できる。また、これらの中でも、非反応性シリコーンオイルであり、オイル遊離を誘発しやすく、また十分な疎水性を付与できる観点から、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルを用いることが好ましい。
また、表面修飾に用いるシリコーンオイルは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(個数平均一次粒子径)
シリカ粒子Aの個数平均一次粒子径は、35〜75nmの範囲内である。個数平均一次粒子径を35nm以上とすることで、シリカ粒子Aと、感光体、現像機及びキャリア表面などとの接触頻度が十分確保でき、遊離オイルが付着することによる効果を得られやすい。また、個数平均一次粒子径を75nm以下とすることで、トナー母体粒子への付着強度を向上させることができるので、トナー母体粒子から外れにくくすることができる。
シリカ粒子の個数平均一次粒子は、以下のような方法で測定することができる。
シリカ粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子株式会社製)を用いて撮影した写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置LUZEX AP(ニレコ製)を用いて該写真画像の外添剤粒子(シリカ粒子)について2値化処理する。そして、シリカ粒子100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を個数平均一次粒子径とする。外添剤の数平均一次粒子径が小径であり凝集体としてトナー表面に存在する場合は、該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
(平均円形度)
シリカ粒子Aの平均円形度は、0.50〜0.90の範囲内であり、より好ましくは0.65〜0.85の範囲内である。平均円形度を0.50以上とすることで、トナーの流動性が低下しすぎることを防ぎ、転写時にトナー層として転写しやすくして粒状性の悪い画像が出力されることを防ぐことができる。また、平均円形度を0.90以下とすることで、シリカ粒子Aの粒子をトナー母体粒子から外れにくくして転写安定性を向上するとともに、クリーニング部の先端から擦り抜けしにくくすることができる。
本発明において、シリカ粒子の「平均円形度」とは、シリカ粒子(一次粒子)の円形度分布におけるメジアン値のことを意味する。
シリカ粒子の平均円形度は、以下のような方法で測定することができる。
走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子株式会社製)を用いて撮影した写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置LUZEX AP(ニレコ製)を用いて、該写真画像中の外添剤粒子(シリカ粒子)について2値化処理をする。そして、100個のシリカ粒子について下式により円形度を求め、平均円形度を算出する。
式:円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(Aπ)1/2]/PM
式中、Aはシリカ粒子の投影面積を表し、PMはシリカ粒子の周囲長を表す。平均円形度は、上記平面画像解析によって得られたシリカ粒子100個の円形度の累積頻度における50%円形度として得られる。
(含有量)
本発明に係るトナー中には、効果発現の観点から、シリカ粒子Aが0.1〜1.5質量%含有されていることが好ましい。
<シリカ粒子B>
(表面修飾)
本発明に係るシリカ粒子Bは、シラザン化合物又はアルコキシシラン化合物にて表面修飾されている。
シラザン化合物としては、本発明の効果を阻害しない範囲内で公知のものを使用できるが、表面修飾して得られるシリカ粒子の分散性が良好であり、トナー表面を効率的に被覆できるという観点からは、ヘキサメチルジシラザン又はヘキサエチルジシラザンが好ましく、これらの中でもヘキサメチルジシラザンが特に好ましい。
アルコキシシラン化合物としては、下記一般式(1)で表される構造を有するアルキルアルコキシシラン化合物を用いることが好ましい。
一般式(1):R−Si(OR
は、置換基を有してもよい炭素数が1以上10以下の直鎖アルキル基を表す。炭素数は、より好ましくは、4以上8以下である。置換基としては、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、メチル基又はエチル基が挙げられる。ここで、Rの炭素数を1以上10以下とすることで、トナー粒子の外添剤同士がアルキル基同士の相互作用によって適度な分子間力を有することとなり、飛び散り難く、粒状性の良好な画像を得ることができると考えられる。また、Rの炭素数を10以下とすることで、トナー粒子間の相互作用力が強くなりすぎることや、外添剤の凝集性が高くなりすぎることを防ぐことができると考えられる。
は、メチル基又はエチル基を表す。Rの官能基が立体構造的に大きくなると、シリカ粒子の表面修飾がされにくくなるため、反応性の観点からは、メチル基がより好ましい。なお、Rが水素原子の場合は、一般式(1)がヒドロキシ基を有する化合物になるため、水との化学的親和性が高くなり、この結果、高温高湿環境下での帯電量のリーク点となってしまうことから好ましくない。
以上で説明した一般式(1)で表される構造を有するアルキルアルコキシシランの例としては、具体的には、CH−(CH−Si(OCH、CH−(CH−Si(OC、CH−(CH−Si(OCH、CH−(CH−Si(OC、CH−(CH−Si(OCH、CH−(CH−Si(OC、CH−(CH−Si(OCH、CH−(CH−Si(OC、CH−CH−Si(OCH、CH−CH−Si(OC等が挙げられるが、これらに限定されない。
アルコキシシランやシラザン(以下、これらを「表面修飾剤」ともいう。)による表面修飾方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、乾式法又は湿式法を使用することができる。
乾式法においては、流動層反応器内で、原料シリカ粒子と、表面修飾剤とを撹拌又は混合することが好ましい。また、湿式法においては、原料シリカ粒子を溶剤中に分散させて原料シリカ粒子のスラリーを形成し、次いで、このスラリーに表面修飾剤を加えて、原料シリカ粒子表面を変性させることが好ましい。
乾式法又は湿式法において、原料シリカ粒子と表面修飾剤は、100〜200℃の範囲で0.5〜5時間加熱することが好ましい。このような加熱処理によって、原料シリカ粒子表面のシラノール基を効果的に修飾することができる。また、処理剤(表面修飾剤)の量は、特に制限されないが、原料シリカ粒子100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましく、8〜20質量部であることがより好ましい。
(個数平均一次粒子径)
本発明に係るシリカ粒子Bの個数平均一次粒子径は、個数平均一次粒子径が15〜30nmの範囲内である。個数平均一次粒子径を15nm以上とすることで、トナー母体粒子に埋没しにくくなり安定して効果発現させることができる。また、シリカ粒子Bの個数平均一次粒子径をシリカ粒子Aの個数平均一次粒子径より小さくすることで、シリカ粒子Bよりシリカ粒子Aを感光体、現像機、キャリア表面などと優先的に接触しやすくできるので、シリカ粒子Aを含有することによる転写性向上の効果を有効に得ることができる。また、シリカ粒子Bは、トナー粒子間に存在していれば効果が得られるため、シリカ粒子Aよりも粒子径を小さくしても有効に効果を得ることができたと考えられる。
(BET比表面積)
シリカ粒子BのBET比表面積の値が、90〜150m/gの範囲内であることが好ましい。BET比表面積が大きいほど独立に粒子が存在することを意味し、凝集度が小さいことを表す。分散状態が良好なほどトナーを均一に被覆できるため、BET比表面積は90以上であることが好ましい。また、十分な流動性を確保する観点からは、BET比表面積が150以下であることが好ましい。
本発明におけるBET比表面積は、例えば、比表面積測定装置「GEMINI2390」(株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては、測定試料を測定用セル(25mL)に入れ、精密天秤で正確に秤量し、秤量し終えたら、装置附帯のガスポートにて200℃で60分間真空吸引熱処理を行う。次いで、測定ポートに試料をセットし、測定を開始する。測定は10点法で行い、測定終了時に試料の質量を入力し、自動的に算出されるBET比表面積を得る。測定用セルは、球形外形1.9cm(0.75インチ)、長さ3.8cm(1.5インチ)、セル長さ15.5cm(6.1インチ)、容積12.0cm、サンプル容量約6.00cmのものを使用する。また、測定は温度が20℃、相対湿度50%であり、結露なしの環境で行う。
(平均円形度)
本発明に係るシリカ粒子Bの平均円形度は、特に限られないが、0.70〜1.00の範囲内であることが好ましい。シリカ粒子Bの平均円形度を0.70〜1.00の範囲内とすることで、トナー母体粒子の表面に均一につきやすくなるため、トナー粒子同士が相互作用しやすくなり、これによって、トナーが飛び散り難くなり、粒状性の良好な画像を得やすくなる。
(含有量)
本発明に係るトナー中には、効果発現の観点から、シリカ粒子Bが0.1〜1.5質量%含有されていることが好ましい。
<シリカ粒子C>
本発明に係るトナーは、外添剤として、シリカ粒子A及びシリカ粒子Bに加えて、個数平均一次粒子径が35〜75nmの範囲内であり、シラザン化合物又はアルコキシシラン化合物で表面修飾されたシリカ粒子Cを含有することが好ましい。これにより、トナー粒子と感光体との付着力を低減してトナーの転写性を向上させ、転写プロセス後の感光体上に残るトナー量を低減することができるため、クリーニング性を向上させる効果を有効に得ることができる。
(表面修飾)
本発明に係るシリカ粒子Cの表面修飾に用いられるシラザン化合物及びアルコキシシラン化合物としては、シリカ粒子Bの説明で記載したシラザン化合物及びアルコキシシラン化合物を用いることができる。また、シラザン化合物としては、トナー粒子と感光体との付着力を低減することでトナーの転写性が向上させる観点から、炭素差長の短いヘキサメチルジシラザン又はヘキサエチルジシラザンが好ましく、これらの中でもヘキサメチルジシラザンが特に好ましい。
(個数平均一次粒子径)
本発明に係るシリカ粒子Cの個数平均一次粒子径は、付着力の高いシリコーンオイルで表面修飾されたシリカ粒子Aに代わる接触点となりうる個数平均一次粒子径が35〜75nmの範囲内であることが好ましい。また、シリカ粒子Cを添加した効果をより有効に得る観点から、本発明に係るシリカ粒子Cの個数平均一次粒子径は、当該範囲内において、シリカ粒子Cとシリカ粒子Aとの個数平均一次粒子径の差が±6nmの範囲内にある粒子径であることが好ましい。
(含有量)
本発明に係るトナー中には、効果発現の観点から、シリカ粒子Cが0.1〜1.5質量%含有されていることが好ましい。
<酸化チタン粒子>
本発明に係るトナーは、外添剤として、シリカ粒子A及びシリカ粒子Bに加えて、個数平均短径に対する個数平均長径の比の値である平均アスペクト比が2〜15の範囲内である酸化チタン粒子を含有することが好ましい。このような平均アスペクト比が大きな酸化チタン粒子は、接触面積が大きくトナー母体粒子の表面で移動しにくいため、現像容器内で撹拌され続けるような強いストレスを受けた場合であっても、トナー粒子が酸化チタンによる均一な被覆状態を保つことができる。そして、酸化チタンを含有することによる帯電性の制御等の効果をより効果的に得ることができる。また、平均アスペクト比が2未満の酸化チタン粒子ではトナー母体粒子との接触面積が十分ではなく、平均アスペクト比が15を超えると、球面であるトナー母体表面と接触面積が減少してしまい、トナー母体粒子から外れやすくなってしまう。酸化チタン粒子とトナー母体粒子の接触面積をより確保しやすくする観点からは、より好ましくは、酸化チタン粒子の平均アスペクト比は2.5〜13.5の範囲内であり、さらに好ましくは3〜10の範囲内である。
ここで、平均アスペクト比の測定方法としては、まず走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子株式会社製)を用いて電子顕微鏡写真において酸化チタン粒子を測定し、長径(球状に近い場合は最大径)、短径(球状に近い場合は最小径)をそれぞれ測定し、n=20の平均値を求めて個数平均長径及び個数平均短径とする。そして、上記方法で求めた個数平均長径及び個数平均短径を用いて、下記式により平均アスペクト比を算出することができる。
式:平均アスペクト比=(個数平均長径)/(個数平均短径)
また、本発明に係る酸化チタン粒子の含有量は、効果発現の観点から、トナー中に0.10〜0.80質量%の範囲内で含有することが好ましい。
また、酸化チタン粒子は、公知の手法で製造したものを用いることができ、製造方法としては、例えば、硫酸法、高温高圧の水を溶媒に用いる水熱合成法、四塩化チタンの燃焼分解法、含水酸化チタン粒子の化学処理、加熱法、湿式法、ゾル・ゲル法等を挙げることができる。
酸化チタン粒子の結晶構造は、ルチル型であることが好ましい。ルチル型酸化チタンはアナターゼ型酸化チタンに比べて焼成温度が高く表面のヒドロキシ基が少ない。このことから、より湿度の影響を受けにくく、環境によらず十分な抵抗値を確保することができる。したがって、ルチル型酸化チタンは、外添することでより高い帯電量の環境安定性をトナーに付与することが可能である。
また、湿式法によるルチル型酸化チタン粒子の製造過程としては、まず、チタンアルコキシドを、撹拌された含水メタノール中に滴下していく。この際、滴下時間と溶媒組成を整え、撹拌により生成粒子の分散状態を良好に保つことで、酸化チタン粒子の成長は、反応時間によって制御可能である。反応時間が長いほど、一方の軸方向への粒子成長が進み、平均アスペクト比もコントロールできる。生じた酸化チタン粒子を遠心分離後に回収し、減圧乾燥を行うことでアモルファス酸化チタンが得られる。このアモルファス酸化チタンを、空気中で600〜900℃程度で熱処理することで、ルチル型の酸化チタン粒子を得ることができる。
<公知の他の外添剤>
本発明に係るトナーは、外添剤として、他の公知の外添剤をさらに含有してもよい。公知の外添剤としては、例えば、後述する無機微粒子、有機微粒子及び潤滑剤を用いることができる。
無機微粒子としては、例えば、酸化アルミニウム微粒子、酸化チタン粒子などの無機酸化物微粒子、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、又は、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これら無機微粒子は、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上等のために、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等によって、光沢処理、疎水化処理等が行われていてもよい。なお、無機微粒子として酸化チタン粒子を用いてもよいと記載しているが、上述した「平均アスペクト比が2〜15の範囲内の酸化チタン粒子」以外に、平均アスペクト比が2未満の公知の酸化チタン粒子も混ぜて用いても良いということを意味している。
有機微粒子としては、例えば、個数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機微粒子を使用することができる。
潤滑剤としては、公知の脂肪酸金属塩を用いることができるが、延展性の観点からモース硬度が2以下である脂肪酸金属塩が好ましく、このような脂肪酸金属塩としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、リチウムから選ばれる金属の塩が好ましい。この中でも脂肪酸亜鉛、脂肪酸カルシウム、脂肪酸リチウム又は脂肪酸マグネシウムが特に好ましい。また、脂肪酸金属塩の脂肪酸としては、炭素数12以上22以下の高級脂肪酸が好ましい。炭素数12以上の脂肪酸を用いると遊離脂肪酸の発生を抑えることができ、また、脂肪酸の炭素数が22以下であれば、脂肪酸金属塩の融点が高くなりすぎず、良好な定着性を得ることができる。脂肪酸としては、ステアリン酸が特に好ましく、本発明に用いられるステアリン酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム及びステアリン酸マグネシウムが好ましく、ステアリン酸亜鉛であることがより好ましい。これらの脂肪酸金属塩は2種以上併用してもよい。
<結着樹脂>
本発明に係るトナー母体粒子には、結着樹脂として、非晶性樹脂と結晶性樹脂を含有することが好ましい。結着樹脂は、非晶性樹脂のみによって構成されていてもよいが、トナーの低温定着性を向上させ、省エネルギー化を実現する観点からは、結着樹脂が、結晶性樹脂を含有することが好ましい。
<非晶性樹脂>
非晶性樹脂は、示差走査熱量測定(DSC)を行った時に、融点を有さず、比較的高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂のことを意味する。非晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されないが、低温定着性などの定着性、並びに、耐熱保管性及び耐ブロッキング性などの耐熱性を確実に得る観点から、25〜60℃の範囲内であることが好ましい。なお、本明細書中、樹脂のガラス転移温度(Tg)は実施例に記載の方法により測定された値を採用する。
非晶性樹脂としては、上記特性を有するものであれば特に制限はなく、本技術分野における従来公知の非晶性樹脂を用いることができる。その具体例としては、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。なかでも、帯電性としてシリカ粒子との付着性が高いという観点から、ビニル樹脂が好ましい。
ビニル樹脂としては、ビニル化合物を重合したものであれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のビニル樹脂のなかでも、熱定着時の可塑性を考慮すると、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂が好ましい。したがって、以下では、非晶性樹脂としてのスチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂(以下、本明細書では、「スチレン−(メタ)アクリル樹脂」、又は「スチレン−アクリル系樹脂」とも称する)について説明する。
スチレン−(メタ)アクリル樹脂は、少なくとも、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成されるものである。ここでいうスチレン単量体は、CH=CH−Cの構造式で表されるスチレンの他に、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものを含むものである。また、ここでいう(メタ)アクリル酸エステル単量体は、CH=CHCOOR(Rはアルキル基)で表されるアクリル酸エステル化合物やメタクリル酸エステル化合物の他に、アクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル誘導体等の構造中に公知の側鎖や官能基を有するエステル化合物を含むものである。なお、本明細書中、「(メタ)アクリル酸エステル単量体」とは、「アクリル酸エステル単量体」と「メタクリル酸エステル単量体」とを総称したものである。
スチレン−(メタ)アクリル樹脂の形成が可能なスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の一例を以下に示す。
スチレン単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステル単量体は、単独でも又は2種以上を組み合わせても使用することができる。
スチレン−(メタ)アクリル樹脂中のスチレン単量体に由来する構成単位の含有率は、当該樹脂の全量に対し、40〜90質量%の範囲内であると好ましい。また、当該樹脂中の(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する構成単位の含有率は、当該樹脂の全量に対し、10〜60質量%であると好ましい。
さらに、スチレン−(メタ)アクリル樹脂は、上記スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体に加え、以下の単量体化合物を含んでいてもよい。当該単量体化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシ基を有する化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する化合物が挙げられる。これら単量体化合物は、単独でも又は2種以上を組み合わせても使用することができる。
スチレン−(メタ)アクリル樹脂中の上記単量体化合物に由来する構成単位の含有率は、当該樹脂の全量に対し、0.5〜20質量%の範囲内であると好ましい。
スチレン−(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000〜100000であることが好ましい。スチレン−(メタ)アクリル樹脂の製造方法は、特に制限されず、上記単量体の重合に通常用いられる過酸化物、過硫化物、過硫酸塩、アゾ化合物などの任意の重合開始剤を用い、塊状重合、溶液重合、乳化重合法、ミニエマルション法、分散重合法など公知の重合手法により重合を行う方法が挙げられる。また、分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えばn−オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、メルカプト脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
結着樹脂中のスチレン−(メタ)アクリル樹脂(スチレン−アクリル系樹脂)の含有量は特に制限されないが、結着樹脂の全量に対して、50〜100質量%の範囲内であることが好ましい。スチレン−(メタ)アクリル樹脂(スチレン−アクリル系樹脂)を主成分とするトナー母体粒子は、外添剤として用いるシリカ粒子との付着性が高いため、遊離するシリカ粒子の数を抑制することで、遊離したシリカ粒子による感光体表面の過剰な減耗を抑制することができる。
<結晶性樹脂>
本発明に係るトナー母体粒子には、結着樹脂として、結晶性樹脂を含有することが好ましい。結晶性樹脂を非晶性樹脂と混合して用いることにより、加熱定着時、結晶性樹脂と非晶性樹脂とが相溶化する。その結果、トナーの低温定着化を図ることができ、省エネルギー化を図ることができる。
ここで、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には、示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/分で測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
結晶性樹脂としては、上記特性を有するものであれば特に制限はなく、本技術分野における従来公知の結晶性樹脂を用いることができる。その具体例としては、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂等が挙げられる。結晶性樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
これらのなかでも結晶性樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ここで、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)及びその誘導体と、2価以上のアルコール(多価アルコール)及びその誘導体との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂のうち、上記吸熱特性を満たす樹脂である。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は特に制限されないが、55〜90℃の範囲内であることが好ましく、60〜85℃の範囲内であることがより好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の融点が上記範囲であることにより、十分な低温定着性が得られる。なお、結晶性ポリエステル樹脂の融点は、樹脂組成によって制御することができる。また、本明細書中、樹脂の融点は実施例に記載の方法により測定された値を採用する。
結晶性ポリエステル樹脂を構成する多価カルボン酸及び多価アルコールの価数としては、好ましくはそれぞれ2〜3であり、特に好ましくはそれぞれ2であるため、以下では、価数がそれぞれ2である場合(すなわち、ジカルボン酸成分、ジオール成分)について詳説する。
ジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、必要に応じて芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖型のものを用いることが好ましい。直鎖型のものを用いることによって、結晶性が向上するという利点がある。ジカルボン酸成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸(テトラデカン二酸)、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、上記脂肪族ジカルボン酸の中でも、炭素数6〜14の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましく、炭素数8〜14の脂肪族ジカルボン酸であるとより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸とともに用いることのできる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、入手容易性及び乳化容易性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を用いることが好ましい。
また、上記ジカルボン酸の他、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸及び上記のカルボン酸化合物の無水物、又は炭素数1〜3のアルキルエステルなどを用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂を形成するためのジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸の含有量が50モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは70モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは100モル%である。ジカルボン酸成分における脂肪族ジカルボン酸の含有量が50モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を十分に確保することができる。
また、ジオール成分としては、脂肪族ジオールを用いることが好ましく、必要に応じて脂肪族ジオール以外のジオールを併用してもよい。脂肪族ジオールとしては、直鎖型のものを用いることが好ましい。直鎖型のものを用いることによって、結晶性が向上するという利点がある。ジオール成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールネオペンチルグリコール、などが挙げられる。
ジオール成分としては、上記脂肪族ジオールの中でも、炭素数2〜12の脂肪族ジオールであることが好ましく、炭素数3〜10の脂肪族ジオールがより好ましい。
脂肪族ジオールとともに用いることのできるジオールとしては、二重結合を有するジオール、スルホン酸基を有するジオールなどが挙げられる。具体的には、二重結合を有するジオールとしては、例えば、1,4−ブテンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール、4−オクテン−1,8−ジオールなどが挙げられる。また、脂肪族ジオールとともに用いることのできるジオールとして、3価以上の多価アルコールを用いてもよい。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂を形成するためのジオール成分としては、脂肪族ジオールの含有量が50モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは70モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは100モル%である。ジオール成分における脂肪族ジオールの含有量が50モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を確保することができ、低温定着性に優れたトナーが得られる。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、十分な低温定着性及び優れた長期耐熱保管安定性を確実に両立して得るという観点から、3000〜100000であると好ましく、4000〜50000であるとより好ましく、5000〜20000であると特に好ましい。上記のジオール成分とジカルボン酸成分との使用比率は、ジオール成分のヒドロキシ基の当量[OH]とジカルボン酸成分のカルボキシ基の当量[COOH]との比[OH]/[COOH]が、1.5/1〜1/1.5の範囲内であると好ましく、1.2/1〜1/1.2の範囲内であるとより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法は特に制限されず、公知のエステル化触媒を利用して、上記ジカルボン酸及びジアルコールを重縮合する(エステル化する)ことにより製造することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等の第2族元素を含む化合物;アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属の化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。具体的には、スズ化合物としては、酸化ジブチルスズ、オクチル酸スズ、ジオクチル酸スズ、これらの塩等などを挙げることができる。チタン化合物としては、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド;ポリヒドロキシチタンステアレートなどのチタンアシレート;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどのチタンキレートなどを挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。さらにアルミニウム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシドなどが挙げられ、トリブチルアルミネートなどを挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合温度は特に限定されるものではないが、150〜250℃の範囲内であることが好ましい。また、重合時間は特に限定されるものではないが、0.5〜15時間の範囲内とすると好ましい。重合中には、必要に応じて反応系内を減圧にしてもよい。
結着樹脂が結晶性樹脂(好ましくは、結晶性ポリエステル樹脂)を含む場合、結着樹脂における結晶性樹脂の含有量は特に制限されないが、結着樹脂の総量に対して、50質量%未満であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。結晶性樹脂として結晶性ポリエステル樹脂である場合、含有量を50質量%未満とすることにより、結晶性ポリエステル樹脂の吸湿性に起因する帯電量の環境依存性を低減することができる。一方、含有量の下限値は特に制限されないが、結着樹脂が結晶性樹脂(好ましくは、結晶性ポリエステル樹脂)を含む場合、5質量%以上であると好ましい。結晶性樹脂の含有量が結着樹脂の総量に対して5質量%以上であれば、低温定着性に優れたトナーが得られる。
(ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂)
さらには、結晶性ポリエステル樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂のセグメントと、非晶性樹脂のセグメントとが、化学的に結合して形成された樹脂であるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂とすることも好ましい。
非晶性樹脂のセグメントは、結着樹脂に含まれる非晶性樹脂と同種の樹脂で構成されることが好ましい。このような形態でハイブリッド化することにより、結晶性ポリエステル樹脂と結着樹脂との親和性が高まり、ハイブリッド樹脂が非晶性樹脂中により取り込まれやすくなる。その結果、水分吸着しやすい結晶性ポリエステルユニットがトナー母体内部に存在するため、吸湿によってトナー粒子どうしの付着力が高まることを防ぎ、クリーニング性がより一層向上する。
ここで、「同種の樹脂」とは、繰り返し単位中に特徴的な化学結合が共通に含まれていることを意味する。ここで、「特徴的な化学結合」とは、物質・材料研究機構(NIMS)物質・材料データベース(http://polymer.nims.go.jp/PoLyInfo/guide/jp/term_polymer.html)に記載の「ポリマー分類」に従う。すなわち、ポリアクリル、ポリアミド、ポリ酸無水物、ポリカーボネート、ポリジエン、ポリエステル、ポリハロオレフィン、ポリイミド、ポリイミン、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリフェニレン、ポリホスファゼン、ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリビニル及びその他のポリマーの計22種によって分類されたポリマーを構成する化学結合を「特徴的な化学結合」という。
<着色剤>
本発明に係るトナー母体粒子が含有する着色剤としては、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。着色剤としてはカーボンブラック、磁性粉のほか、各種有機、無機の顔料、染料等が使用できる。着色剤の添加量はトナー粒子に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とすることが好ましい。
カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、又はランプブラックなどが使用される。
磁性体としては、例えば、鉄、ニッケル、又はコバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、又はマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などを用いることができる。
染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などを用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同15:4、又は同60などを用いることができ、これらの混合物も用いることができる。
<離型剤>
本発明に係るトナー母体粒子には、離型剤を添加することができる。離型剤としては、ワックスが好ましく用いられる。ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ワックスの融点は、トナーの低温定着性及び離型性を確実に得る観点から、その融点が50〜95℃であることが好ましい。ワックスの含有割合は、結着樹脂全量に対して2〜20質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは3〜18質量%の範囲内、更に好ましくは4〜15質量%の範囲内である。
<荷電制御剤>
本発明に係るトナー母体粒子には、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、種々の公知のものを使用することができる。
荷電制御剤としては、水系媒体中に分散することができる公知の種々の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩又はその金属錯体などが挙げられる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5質量%である。
<トナー母体粒子の粒径>
トナー母体粒子の粒径としては、体積基準のメジアン径(d50)が3〜10μmの範囲内にあることが好ましく、4〜7μmの範囲内にあることがより好ましい。
上記範囲内にあれば、1200dpiレベルの非常に微小なドット画像であっても高い再現性が得られる。
なお、トナー粒子の平均粒径は、製造時に使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、融着温度、結着樹脂の組成等によって制御することができる。
トナー母体粒子の体積基準のメジアン径は、体積粒度分布におけるメジアン径であり、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定・算出することができる。
測定手順としては、例えば、トナー粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー母体粒子分散液を調製する。このトナー母体粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定粒子カウント数を25000個に設定し、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)のアパーチャー径を100μmとし、測定範囲2〜60μmの範囲を256分割しての頻度数を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径とする。
<トナー母体粒子の平均円形度>
トナー母体粒子は、帯電特性の安定性を高める観点から、平均円形度が0.930〜1.000の範囲内にあることが好ましく、0.950〜0.995の範囲内にあることがより好ましい。
平均円形度が上記範囲内にあれば、個々のトナー母体粒子が破砕しにくくなる。これにより、キャリア粒子表面の汚染を抑制してトナーの帯電性を安定させることができるとともに、形成される画像の画質を高めることができる。
トナー母体粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナー母体粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行い、分散した後、「FPIA−3000」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある測定値が得られる。円形度は下記式で計算される。
式:トナー母体粒子の円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
ここで、トナー母体粒子の平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
<コア・シェル構造>
トナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、当該トナー粒子をコア粒子として当該コア粒子とその表面を被覆するシェル層とを備えるコア・シェル構造のような多層構造のトナー粒子であってもよい。シェル層は、コア粒子の全表面を被覆していなくてもよく、部分的にコア粒子が露出していてもよい。コア・シェル構造の断面は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)等の公知の観察手段によって、確認することができる。
コア・シェル構造の場合は、コア粒子とシェル層でガラス転移点、融点、硬度等の特性を異ならせることができ、目的に応じたトナー粒子の設計が可能である。例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤等を含有し、ガラス転移点(Tg)が比較的低いコア粒子の表面に、ガラス転移点(Tg)が比較的高い樹脂を凝集、融着させて、シェル層を形成することができる。シェル層は、非晶性樹脂を含有することが好ましい。
<二成分現像剤>
本発明に係るトナーと、下記キャリア粒子とを混合することにより、二成分現像剤を得ることができる。混合の際に用いられる混合装置としては特に制限されないが、例えば、ナウターミキサー、Wコーン及びV型混合機等が挙げられる。
二成分現像剤中のトナーの含有量(トナー濃度)は、特に制限されないが、4.0〜8.0質量%であると好ましい。
<キャリア粒子>
キャリア粒子は、磁性体により構成され、公知のものを用いることができる。例えば、キャリア粒子としては、磁性体からなる芯材粒子と、当該芯材粒子の表面を被覆する被覆材の層とを有する被覆型キャリア粒子や、樹脂中に磁性体の微粉末が分散されてなる樹脂分散型のキャリア粒子等が挙げられる。キャリア粒子は、感光体に対するキャリア粒子の付着を抑制する観点から、上記被覆型キャリア粒子であることが好ましい。以下、被覆型キャリア粒子について説明する。
被覆型キャリア粒子を構成する芯材粒子(キャリアコア)は、磁性体、例えば、磁場によって強く磁化する物質によって構成される。磁性体としては、例えば、鉄、ニッケル及びコバルトなどの強磁性を示す金属、これらの金属を含む合金又は化合物、並びに熱処理することにより強磁性を示す合金等が挙げられる。上記磁性体は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記強磁性を示す金属及びこれらの金属を含む合金又は化合物としては、鉄、下記式(a)で表されるフェライト、及び、下記式(b)で表されるマグネタイトが挙げられる。式(a)、式(b)中のMは、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、Cd及びLiからなる群から選択される一以上の金属を表す。
式(a):MO・Fe
式(b):MFe
また、上記熱処理することにより強磁性を示す合金としては、マンガン−銅−アルミニウム及びマンガン−銅−スズなどのホイスラー合金、並びに、二酸化クロム等が挙げられる。
一般に、被覆型キャリア粒子の比重は、芯材粒子を構成する金属の比重よりも小さくなる。よって、現像容器内における撹拌の衝撃力をより小さくするという観点から、上記の中でも、芯材粒子として、各種のフェライトを用いると好ましい。
上記芯材粒子の表面を被覆材(キャリアコート樹脂)により被覆することにより、被覆型キャリア粒子を得ることができる。このとき、被覆材としては、芯材粒子の被覆に利用される公知の樹脂を用いることができる。かような樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニルなどのポリビニル樹脂及びポリビニリデン樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やスチレン−アクリル酸共重合体などの共重合体樹脂;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性樹脂(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどによる変性樹脂);ポリフッ化ビニルなどのフッ素樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリカーボネート樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
キャリア粒子の水分吸着性を低減させる観点、及び、被覆材と芯材粒子との密着性を高める観点から、被覆材は、シクロアルキル基を有する樹脂であると好ましい。シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基及びシクロデシル基が挙げられる。なかでも、被覆材と芯材粒子(好ましくはフェライト粒子)との密着性の観点からシクロペンチル基又はシクロヘキシル基が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。
被覆材としてのキャリアコート樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、10000〜800000の範囲内であると好ましく、100000〜750000の範囲内であるとより好ましい。なお、上記重量平均分子量(Mw)は、実施例の結晶性樹脂の分子量測定に記載のGPC装置を用いた方法により測定することができる。当該樹脂における上記シクロアルキル基を有する構成単位の含有量は、例えば10〜90質量%である。なお、樹脂中のシクロアルキル基を有する構成単位の含有量は、例えば、熱分解−ガスクロマトグラフ/質量分析(Py−GC/MS)やH−NMR等によって求めることが可能である。
上記被覆材及び芯材粒子に対して機械的衝撃力や熱を加えることにより、被覆材を芯材粒子に対して付着、固着させることができ、これにより、キャリアを得ることができる。
キャリア粒子の体積基準のメジアン径は、15〜100μmの範囲内のものが好ましく、25〜80μmの範囲内のものがより好ましい。
キャリア粒子のメジアン径は、レーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS KA」(株式会社日本レーザー製)を用いて湿式にて測定されるものである。具体的には、まず、焦点位置200mmの光学系を選択し、測定時間を5秒に設定する。そして、測定用の磁性体粒子を0.2%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液に加え、超音波洗浄機「US−1」(アズワン株式会社製)を用いて3分間分散させて測定用試料分散液を作製し、これをレーザー回折式粒度分布測定装置に数滴供給し、試料濃度ゲージが測定可能領域に達した時点で測定を開始する。得られた粒度分布を粒度範囲(チャンネル)に対して、小径側から累積分布を作成し、累積50%となる粒径を体積平均粒径とする。
[静電荷像現像用トナーの製造方法]
本発明に係るトナーを製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。これらの中でも、粒径の均一性、形状の制御性観点からは、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法とは、界面活性剤や分散安定剤によって分散された結着樹脂の粒子(以下、「結着樹脂粒子」ともいう)の分散液を、必要に応じて、着色剤の粒子(以下、「着色剤粒子」ともいう)の分散液と混合し、所望のトナー粒子径となるまで凝集させ、さらに結着樹脂粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。ここで、結着樹脂の粒子は、任意に離型剤、荷電制御剤などを含有していてもよい。
本発明に係るトナーの好ましい製造方法について、一例に以下を示す。
(1)水系媒体中に着色剤粒子が分散されてなる着色剤粒子分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した非晶性樹脂粒子が分散されてなる非晶性樹脂粒子分散液を調製する工程
(3)水系媒体中に結晶性樹脂粒子が分散されてなる結晶性樹脂粒子分散液を調製する工程
(4)着色剤粒子分散液、非晶性樹脂粒子分散液及び結晶性樹脂粒子分散液を混合して凝集用樹脂粒子分散液を得て、凝集剤の存在下で着色剤粒子、非晶性樹脂粒子及び結晶性樹脂粒子を凝集、融着させてトナー母体粒子を形成する工程(凝集・融着工程)
(5)トナー母体粒子の分散液からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程(洗浄工程)
(6)トナー母体粒子を乾燥する工程(乾燥工程)
(7)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程(外添剤処理工程)
また、上述した(2)における必要に応じて内添剤を含有した非晶性樹脂粒子は、2層以上の多層構造を有するように作製してもよい。例えば3層構造を有する非晶性樹脂粒子を作製する場合、第1段重合(内層の形成)、第2段重合(中間層の形成)及び第3段重合(外層の形成)の3段階に分けて非晶性樹脂粒子を合成する重合反応を行うことで、作製することができる。また、ここで、第1段重合〜第3段重合のそれぞれの重合反応において、重合性単量体の組成を変更することで、組成の異なる3層構成の非晶性樹脂粒子を作製できる。また、例えば、第1段重合〜第3段重合のいずれかにおいて、離型剤等の適宜の内添剤を含有した状態で非晶性樹脂の合成反応を行うことで、適宜の内添剤を含有する3層構成の非晶性樹脂粒子を形成することができる。
また、トナー粒子は、トナー粒子をコア粒子として当該コア粒子とその表面を被覆するシェル層とを備えるコア・シェル構造としてもよい。コア・シェル構造を有するトナー粒子は、先ず、コア粒子用の結着樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル層用の結着樹脂粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。
<外添処理>
トナー母体粒子に対する外添剤の外添混合処理は、機械式混合装置を用いることができる。機械式混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、タービュラーミキサー等が使用できる。これらの中で、ヘンシェルミキサーのように処理される粒子に剪断力を付与できる混合装置を用いて、混合時間を長くする又は撹拌羽根の回転周速を上げる等の混合処理を行えばよい。また、複数種類の外添剤を使用する場合、トナー粒子に対して全ての外添剤を一括で混合処理するか、又は外添剤に応じて複数回に分けて分割して混合処理してもよい。
外添剤の混合方法は、上記機械式混合装置を用いて、混合強度、すなわち撹拌羽根の周速、混合時間、又は、混合温度等を制御することによって外添剤の解砕度合いや付着強度を制御することができる。
<凝集剤>
本発明に用いられる凝集剤としては、特に限定されるものではないが、金属の塩から選択されるものが好適に使用される。例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩などの一価の金属の塩、例えばカルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属の塩、鉄、アルミニウムなどの三価の金属の塩などが挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどを挙げることができ、これらの中で特に好ましくは二価の金属の塩である。二価の金属の塩を使用すると、より少量で凝集を進めることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[画像形成方法]
本発明の画像形成方法は、電子写真感光体の表面に潤滑剤を塗布する工程と、前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、を有する。また、前記静電荷像現像用トナーが、上述したように、表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有し、前記外添剤として、少なくとも、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bとを含有し、前記シリカ粒子Aが、個数平均一次粒子径が35〜75nmの範囲内で、かつその粒子表面がシリコーンオイルにて表面修飾されており、前記シリカ粒子Bが、個数平均一次粒子径が15〜30nmの範囲内で、かつその粒子表面がシラザン化合物又はアルコキシシラン化合物にて表面修飾されている。
この画像形成方法で用いられる潤滑剤を塗布する工程は、静電潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する方法であれば、いかなる方法であってもよいが、以下に詳述する静電潜像担持体の表面と潤滑剤の表面に当接して回転する潤滑剤塗布部材を介して静電潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する工程であることが好ましい。以下、本発明の画像形成方法について、本発明の画像形成方法を用いた画像形成装置A(図1)の各構成及び潤滑剤塗布装置の一例(図2)を参照しながら説明する。
給紙部10は、後述する用紙搬送部20に用紙Sを給紙する。このような給紙部10は、図1に示すように、給紙トレイ11、12、及び13を有している。以下、給紙部10の構成について説明する。給紙トレイ11、12、及び13は、それぞれ所定の枚数の用紙Sを収容する。この給紙トレイ11、12、及び13は、それぞれ画像形成装置Aに対して着脱可能に設けられている。また、給紙トレイ11、12、及び13は、異なる形状や種類の用紙Sを個別に収納することができる。
用紙搬送部20は、給紙部10から供給された用紙Sを後述する中間転写部80及び定着部100に搬送した後に外部に搬出する。このような用紙搬送部20は、図1に示すように、送出ローラー21、さばきローラー22、搬送ローラー23、ループローラー24、搬出ローラー25、用紙反転ローラー26〜29を有している。以下、用紙搬送部20の構成について説明する。送出ローラー21は、給紙トレイ11、12、及び13の一端にそれぞれ配設され、その給紙トレイ11、12、又は13に収納された用紙Sを送り出す。また、さばきローラー22は、各送出ローラー21に隣接して配設され、各送出ローラー21により送り出された用紙Sを1枚毎に分離する。また、搬送ローラー23は、各さばきローラー22に隣接して配設され、各さばきローラー22により分離された用紙Sを搬送経路に配設されたループローラー24に搬送する。
また、用紙搬送部20において、ループローラー24は、画像形成装置A内に複数設けられ、各搬送ローラー23から搬送された用紙Sを後述する中間転写部80の二次転写ローラー91に搬送し、中間転写ベルト82上のトナー像が用紙Sに転写される。また、搬出ローラー25は、後述する中間転写部80から搬出された用紙Sを画像形成装置Aの外部に搬出する。ここで、用紙反転ローラー26〜29は、中間転写部80から搬出された用紙の裏表を反転させた後、その用紙Sを、搬出ローラー25を介して中間転写部80の二次転写ローラー91に再度搬送する。したがって、用紙反転ローラー26〜29を用いて用紙Sを反転させることにより、用紙Sの裏面側にもトナー像を転写させる。
画像読取部30は、画像形成装置Aに載置された原稿Pの画像を読み取り、その原稿Pに形成されている画像を画像データとして記憶する。このような画像読取部30は、図1に示すように、光源31、読取素子32、撮像素子33、及び画像処理回路34を有している。以下、画像読取部30の構成について説明する。光源31から出射された光は、読取面35に載置された原稿Pに照射される。この原稿Pには、所定の情報や画像が印刷等されている。ここで、原稿Pで反射した光は、読取素子32であるレンズ及び反射鏡を介して、撮像素子33に結像される。この撮像素子33は、読取素子32を介して結像された原稿Pからの反射光の強度に応じて、電気信号を生成する。さらに、撮像素子33で生成された電気信号は、撮像素子33に接続された画像処理回路34において、アナログ信号からデジタル信号に変換される。このデジタル信号は、補正処理、フィルター処理、及び画像圧縮処理などが施された後に、画像データとして画像処理回路34内に設けられたメモリーに記憶される。
次に静電潜像をトナーにより顕像化する工程について説明する。
画像形成部40は、画像データに基づく静電潜像担持体(電子写真感光体)である感光体ドラム41を設け、その画像データに基づいてトナー像を形成する。なお、画像データは、図示せぬパーソナルコンピューター等の上位装置から送信されたもの、又は画像読取部30で読み取られメモリーに記憶されたものに相当する。ここで、画像形成部40は、図1に示すように、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部40Y、マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部40M、シアン(C)色の画像を形成する画像形成部40C、及びブラック(K)色の画像を形成する画像形成部40Kを備えている。このように、図1に示す画像形成部40には、形成する画像の色を表す符号Y、M、C、Kを付している。ここで、画像形成部40において、画像形成部40Y、画像形成部40M、画像形成部40C、及び画像形成部40Kは、形成する画像の色を除いて互いにほぼ同一の構成である。したがって、画像形成部40の構成は、一例としてブラック(K)色に対応する画像形成部40Kを用いて説明する。
画像形成部40Kは、感光部に相当する感光体ドラム41K、帯電部42K、露光部43K、及び現像部44Kを有している。以下、画像形成部40Kの構成について説明する。感光体ドラム41Kは、画像データに基づき形成された静電潜像を表面に担持する。また、帯電部42Kは、感光体ドラム41Kの表面に対して電荷を均一に帯電させる。また、露光部43Kは、画像データに基づき感光体ドラム41Kの表面に画像情報信号からなる光を照射して、その感光体ドラム41Kの表面に静電潜像を形成する。ここで、画像データは、パーソナルコンピューター等の上位装置から送信された原稿の画像データ、又は画像読取部30で読み取られメモリーに記憶された原稿の画像データに相当する。また、現像部44Kは、現像剤供給ローラー、現像ローラー、及び層厚規制ブレードを有している。ここで、現像部44Kは、現像剤供給ローラーから供給し層厚規制ブレードにより所定の層厚に規制した現像剤を現像ローラーを介して感光体ドラム41Kに供給する。このように、現像部44Kから供給された現像剤により、感光体ドラム41Kの表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
中間転写部80は、画像形成部40で形成されたトナー画像を、中間転写ベルト82に一時的に転写させる。このような中間転写部80は、図1に示すように、一次転写ローラー81、中間転写ベルト82、回動ローラー83を有している。以下、中間転写部80の構成について説明する。一次転写ローラー81は、中間転写ベルト82を挟んだ状態で、感光体ドラム41と対向して配設されている。なお、画像形成部40Y、40M、40C、及び40Kに設けられた感光体ドラム41に対応するように、一次転写ローラー81Y、81M、81C、及び81Kがそれぞれ設けられている。また、中間転写ベルト82は、トナー像を一時的に転写させるものであり、無端状に形成されている。ここで、画像形成部40Y、40M、40C、及び40Kで形成された各色の現像剤像は、回動している中間転写ベルト82上に逐次転写される。したがって、中間転写ベルト82上には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色のトナー像が重畳したカラーの画像が転写される。また、回動ローラー83は、中間転写ベルト82の両端等に複数設けられ、その中間転写ベルト82に一定の張力を与えた状態で中間転写ベルト82を回動させる。
二次転写部90は、中間転写部80の中間転写ベルト82に一時的に転写されたトナー画像を、用紙搬送部20で搬送される用紙Sに転写させる。このような二次転写部90は、図1に示すように、二次転写ローラー91を有している。以下、二次転写部90の構成について説明する。二次転写ローラー91は、トナー像が一時的に転写された中間転写ベルト82及び搬送されてくる用紙Sを付勢した状態で挟むように、1個の回動ローラー83と対向して配設されている。ここで、二次転写ローラー91に所定の電圧(V)を印加することにより、中間転写ベルト82上のトナー像が電気的に用紙Sに転写される。
定着部100は、中間転写部80により用紙Sに転写されたトナー像をその用紙Sに定着させる。このような定着部100は、図1に示すように、加熱ローラー101及び加圧ローラー102を有している。以下、定着部100の構成について説明する。加熱ローラー101と加圧ローラー102は、用紙搬送部20により搬送されてきた用紙Sを付勢した状態で挟み込むように配設している。ここで、加熱ローラー101の内部には、図示せぬ加熱用のヒータが設けられている。このような加熱ローラー101及び加圧ローラー102は、用紙Sの表面に静電気力のみで付着しているトナー像を溶融しながら加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。
制御部110は、給紙部10、用紙搬送部20、画像読取部30、画像形成部40、潤滑剤塗布部50、中間転写部80及び定着部100を、所定の条件に基づいて制御することにより用紙Sに画像を形成する。
潤滑剤塗布部50は、感光体ドラム41の表面に潤滑剤52を塗布する。このような潤滑剤塗布部50は、図2に示すように、潤滑剤塗布ブラシ51、潤滑剤52、押圧バネ53、押圧板54、押圧力調整カム55、均しブレード56、クリーニングブレード57、及び廃トナー回収部材58を有している。ここで、潤滑剤塗布ブラシ51は、潤滑剤塗布部材に相当する。以下、潤滑剤塗布部50(潤滑剤塗布装置)の構成及び静電潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する工程について説明する。
潤滑剤塗布部50の潤滑剤塗布ブラシ51は、潤滑剤塗布部材に相当し、図2に示すように、感光体ドラム41及び潤滑剤52の表面に当接して回転し、潤滑剤52を感光体ドラム41に塗布する。このような潤滑剤塗布ブラシ51は、アクリルカーボン等からなるブラシ繊維である毛状部材を芯金に対して所定のパイル密度、パイル径及びパイル長で植毛して形成している。なお、潤滑剤塗布ブラシ51は、ブラシ繊維を植毛したシートを芯金に巻き付けて形成してもよい。なお、潤滑剤塗布部材は、上述したブラシに限定されることはなく、例えば潤滑剤52を塗布可能なローラーで構成してもよい。ここで、押圧バネ53が固形の潤滑剤52を押圧することにより、潤滑剤52は潤滑剤塗布ブラシ51を押圧している。この状態で、潤滑剤塗布ブラシ51が、芯金を中心として回転すると、毛状部材によって固形状の潤滑剤52が掻き取られる。さらに、潤滑剤塗布ブラシ51に掻き取られて粉末状となった潤滑剤52は、感光体ドラム41の表面に塗布される。この潤滑剤52は、感光体ドラム41とクリーニングブレード57との間に発生する摩擦力を低減させて感光体ドラム41の表面を保護するとともに、感光体ドラム41の表面に残留した残留物を清掃する。このような潤滑剤52は、例えば、ステアリン酸亜鉛(ZnSt)やステアリン酸カルシウム(CaSt)等からなり、固形状に形成している。
また、潤滑剤塗布部50の押圧バネ53は、図2に示すように、固形の潤滑剤52を感光体ドラム41に押圧する。このような押圧バネ53は、螺旋状に巻かれた金属線からなる。また、潤滑剤塗布部50の押圧板54は、押圧バネ53と押圧力調整カム55との間に設けられ、押圧力調整カム55の動作を押圧バネ53に伝播させる。このような押圧板54は、例えば、アルミニウムからなり、矩形状に形成している。また、潤滑剤塗布部50の押圧力調整カム55は、図2に示すように、当接した押圧板54を介して潤滑剤52に対する押圧バネ53の押圧力を調整し、感光体ドラム41に対する潤滑剤塗布ブラシ51の押圧力を可変させる。このような押圧力調整カム55は、例えば、ステンレスからなり、円筒状に形成している。ここで、押圧力調整カム55の外周面は、回転方向に沿って中心軸から偏芯している。したがって、押圧力調整カム55が回転することにより、押圧力調整カム55と押圧板54との接点の位置が変化する。この押圧力調整カム55と押圧板54との接点の位置の変化に伴い、押圧バネ53を伸縮させて、潤滑剤52に対する押圧バネ53の押圧力を調整することにより、感光体ドラム41に対する潤滑剤塗布ブラシ51の押圧力を可変させる。
また、潤滑剤塗布部50の均しブレード56は、図2に示すように、感光体ドラム41の表面に対して軸方向に沿って鋭角をなすように当接し、感光体ドラム41の表面に塗布された潤滑剤52の塗布ムラを解消する。このような均しブレード56は、例えば、ウレタンゴム等からなり、感光体ドラム41の軸方向の全長にわたって当接可能なように板状に形成している。また、潤滑剤塗布部50のクリーニングブレード57は、図2に示すように、感光体ドラム41の表面に対して軸方向に沿って鋭角をなすように当接し、感光体ドラム41の表面に残留した残留物を清掃する。このようなクリーニングブレード57は、均しブレード56と同様に、例えば、ウレタンゴム等からなり、感光体ドラム41の軸方向の全長にわたって当接可能なように板状に形成している。なお、残留物は、感光体ドラム41の表面の転写されなかった余分なトナーや、帯電により生じたイオン生成物等の不純物である。
<潤滑剤>
潤滑剤塗布部50で塗布する潤滑剤としては、公知の脂肪酸金属塩を用いることができるが、延展性の観点からモース硬度が2以下である脂肪酸金属塩が好ましく、このような脂肪酸金属塩としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、リチウムから選ばれる金属の塩が好ましい。この中でも脂肪酸亜鉛、脂肪酸カルシウム、脂肪酸リチウム又は脂肪酸マグネシウムが特に好ましい。また、脂肪酸金属塩の脂肪酸としては、炭素数12以上22以下の高級脂肪酸が好ましい。炭素数12以上の脂肪酸を用いると遊離脂肪酸の発生を抑えることができ、また、脂肪酸の炭素数が22以下であれば、脂肪酸金属塩の融点が高くなりすぎず、良好な定着性を得ることができる。脂肪酸としては、ステアリン酸が特に好ましく、本発明に用いられるステアリン酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム及びステアリン酸マグネシウムが好ましく、ステアリン酸亜鉛であることがより好ましい。これらの脂肪酸金属塩は2種以上併用してもよい。
<用紙>
本発明の画像形成方法において用いられる用紙Sは、トナー像を保持する支持体であって、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以上のような画像形成方法によれば、トナーがシリカ・ポリマー複合体微粒子を含有するものであり、当該シリカ・ポリマー複合体微粒子が、静電潜像担持体上に付着する過剰な潤滑剤を研磨することにより、帯電ムラの発生を抑制し、さらにクリーニングブレードの摩耗をも抑制することができる。さらには、当該シリカ・ポリマー複合体微粒子はクリーニングブレードや静電潜像担持体表面にダメージを与えることがないので、帯電ムラの発生がなく、長期間にわたって安定した高画質の画像を形成することができる。トナーに含有されるシリカ・ポリマー複合体微粒子により、過剰な潤滑剤による帯電ムラを抑制しつつ、クリーニングブレードや静電潜像担持体にダメージを与えない理由としては、シリカ・ポリマー複合体微粒子のシリカ部が研磨剤の機能を発現しつつ、ポリマー部が過度な圧力を吸収するためと推察される。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[トナー母体粒子1の作製]
<着色剤微粒子分散液の調製>
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解させた溶液を撹拌させながら、当該溶液中に銅フタロシアニン24.5質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメジアン径が126nmである着色剤微粒子分散液[1]を調製した。
<スチレン−アクリル樹脂粒子分散液1の調製>
(第一段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部及びイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、液温75℃とし、
・スチレン 584質量部
・アクリル酸n−ブチル 160質量部
・メタクリル酸 56質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌しながら重合を行うことにより、樹脂微粒子[1]の分散液を調製した。
(第二段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、80℃に加熱後、上記の樹脂微粒子[1]42質量部(固形分換算)、マイクロクリスタリンワックス「HNP−0190」(日本精蝋社製)70質量部を、
・スチレン 239質量部
・アクリル酸n−ブチル 111質量部
・メタクリル酸 26質量部
・n−オクチルメルカプタン 3質量部
からなる単量体溶液に80℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させることにより、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて1時間にわたって加熱撹拌して重合を行うことにより、樹脂微粒子[2]の分散液を調製した。
(第三段重合)
上記の樹脂微粒子[2]の分散液に、さらに、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
・スチレン 380質量部
・アクリル酸n−ブチル 132質量部
・メタクリル酸 39質量部
・n−オクチルメルカプタン 6質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却することにより、スチレン−アクリル樹脂粒子分散液1を得た。
<結晶性樹脂粒子分散液1の調製>
(結晶性樹脂粒子1の合成)
ポリエステル重合セグメントの材料として、多価カルボン酸化合物のセバシン酸(分子量202.25)220質量部と、多価アルコール化合物の1,12−ドデカンジオール(分子量202.33)298質量部を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に入れ、160℃に加熱し、溶解させた。その後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)2.5質量部、没食子酸0.2質量部を加えて210℃に昇温し、8時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行い、結晶性樹脂1を得た。
得られた結晶性樹脂1は示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」((株)パーキンエルマー社製)を用い、昇温速度10℃/minの条件でDSC曲線を取得した。吸熱ピークトップ温度を測定する手法による融点(Tm)の測定結果は82.8℃であり、また、GPC「HLC−8120GPC」(東ソー社製)による分子量を測定の結果、標準スチレン換算の重量平均分子量(Mw)は28000であった。
(結晶性樹脂粒子分散液1の調製)
上記結晶性樹脂1を100質量部、酢酸エチル400質量部に溶解させた。次いで、5.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液25質量部を添加して、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を、撹拌装置を有する容器へ投入し、樹脂溶液を撹拌しながら、0.26質量%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部を30分間かけて滴下混合した。ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の滴下途中、反応容器内の液が白濁し、さらに、ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を全量滴下後、樹脂溶液粒子を均一に分散させた乳化液が調製された。次いで、上記乳化液を40℃に加熱し、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用して、150hPaの減圧下で酢酸エチルを蒸留除去することにより、結晶性ポリエステル樹脂よりなる結晶性樹脂粒子分散液1を得た。
<トナー母体粒子1の作製>
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、スチレン−アクリル樹脂粒子分散液1の分散液300質量部(固形分換算)と、結晶性樹脂微粒子分散液1の分散液60質量部(固形分換算)と、イオン交換水1100質量部と、着色剤微粒子分散液[1]40質量部(固形分換算)とを仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温し、85℃を保持したまま凝集し粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて凝集粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40質量部をイオン交換水160質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成工程として液温度80℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより粒子間の融着を進行させ、これにより、トナー母体粒子1の分散液を調製した。
(洗浄・乾燥工程)
作製した上記トナー母体粒子1の分散液をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40+M」(松本機械(株)製)で固液分離し、トナー母体粒子1のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」((株)セイシン企業製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー母体粒子1を作製した。
また、上記方法で得られたトナー母体粒子1中の結晶性樹脂の含有量は15質量%であり、この値は下記式により算出した。なお、各材料の質量は、固形分換算した値である。
式:トナー母体粒子中の結晶性樹脂の含有量(質量%)={結晶性樹脂量/(スチレン−アクリル樹脂量+結晶性樹脂量+着色剤量)}×100
また、トナー母体粒子1中のスチレン−アクリル樹脂含有量は75質量%であり、この値は下記式により算出した。なお、各材料の質量は固形分換算した値である。
式:トナー母体粒子中のスチレン−アクリル樹脂含有量(質量%)={スチレン−アクリル樹脂量/(スチレン−アクリル樹脂量+結晶性樹脂量+着色剤量)}×100
例えば、トナー母体粒子1の場合、結晶性樹脂含有量は、
60/(300+60+40)×100=15(質量%)
スチレン−アクリル樹脂含有量は、
300/(300+60+40)×100=75(質量%)
として、それぞれ求めることができる。
[シリカ粒子A1の作製]
以下の説明において、表面修飾処理されていない状態のシリカ粒子をシリカ母体粒子ともいう。
<シリカ母体粒子a1の作製>
三角フラスコに純水347.4gを入れ、撹拌下でテトラメトキシシラン(TMOS)110gを加え、そのまま1時間撹拌し、TMOS加水分解液457.4gを作製した。
次に、撹拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルの反応器に、水2300gと、エチレンジアミン112gとを入れて混合した。この溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながらTMOS加水分解液を2.5mL/分で添加した。
TMOS加水分解液の添加が終了したら、その状態で30分間保持した後、1mmol/gエチレンジアミン水溶液4.5gを加え、35℃でpHを8に調整した。
以後、35℃でpH8を保持するように、アルカリ触媒(1mmol/gエチレンジアミン水溶液)を適宜添加しながら、3時間ごとに残りのTMOS加水分解液を2.5mL/分で添加し、これを継続し、合計で457.4g添加した。
TMOS加水分解液の滴下が終了した後も、さらに0.5時間撹拌を継続して加水分解、縮合を行うことにより、親水性のシリカ母体粒子の混合媒体分散液を得た。得られたシリカ母体粒子a1の粒径(個数平均一次粒子径)は40nm、平均円形度は0.910であった。
なお、上記シリカ母体粒子及び下記シリコーンオイルで表面修飾処理されたシリカ粒子の個数平均一次粒子径及びの平均円形度は、以下の方法で測定した。
(個数平均一次粒子径の測定)
走査型電子顕微鏡像を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込んだ。画像処理解析装置LUZEX AP(株式会社ニレコ製)を用いて、シリカ粒子について2値化処理し、一種類のシリカ粒子につき100個の粒子の水平方向フェレ径を算出し、その平均値を個数平均一次粒子径とした。
(平均円形度の測定)
走査型電子顕微鏡像を撮影し、一種類のシリカ粒子につき100個の粒子の画像解析を行い、撮影された各々のシリカ粒子に対して以下の式(1)により円形度を求め、それらを平均することにより得た値を平均円形度とした。
式(1):円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(Aπ)1/2]/PM
式(1)中、PMは画像上におけるシリカ粒子の周囲長を示し、Aはシリカ粒子の投影面積を表す。シリカ粒子の平均円形度は、上記平面画像解析によって得られたシリカ粒子100個の円形度の累積頻度における50%円形度として得られる。
<シリカ母体粒子a1の表面修飾>
エタノール50質量部にジメチルシリコーンオイル(信越化学工業製商品名「KF96−50cs」(粘度50cs))20質量部を混合した溶液を調製し、上記で得られたシリカ母体粒子a1にスプレードライにより噴霧することで、シリカ母体粒子a1に表面修飾を行った。次に、前記シリカ粒子を80℃に加熱してエタノールを乾燥除去した後に、250℃で2時間撹拌しながら前記シリカ粒子にさらに表面修飾を行った。次に、表面修飾後のシリカ粒子をエタノールに加えて撹拌することで過剰な遊離オイルを分離し、その後乾燥させ、シリカ粒子A1を得た。
[シリカ粒子A2〜9の作製]
<シリカ母体粒子a2〜8の作製>
シリカ母体粒子a1の作製において、TMOS加水分解液の添加速度を適宜変更し、個数平均一次粒子径がそれぞれ35nm、60nm、70nm、75nm、40nm、30nm及び80nmであるシリカ母体粒子a2、a3、a4、a5、a6、a7及びa8を得た。なお、シリカ母体粒子の個数平均一次粒子径は、TMOS加水分解液の添加速度を速めると大きくなり、遅くすると小さくなる傾向にある。
<シリカ粒子A2、A3、A4、A5、A7及びA8の作製>
シリカ粒子A1の作製において、シリカ母体粒子a1を用いるところを、それぞれシリカ母体粒子a2、a3、a4、a5、a7及びa8を用いたこと以外は同様に表面修飾して、それぞれシリカ粒子A2、A3、A4、A5、A7及びA8を得た。
<シリカ粒子A6の作製>
シリカ粒子A1の作製において、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業製商品名「KF96−50cs」)の代わりにメチルフェニルシリコーンオイル(信越化学工業製商品名「KF56A」)を用いたこと以外は同様の手順にて表面修飾して、シリカ粒子A6を得た。
<シリカ粒子A9の作製>
シリカ母体粒子a1の100質量部に、テトラヒドロフラン200質量部、表面修飾剤であるn−オクチルトリメトキシシラン25質量部を添加し、24時間反応させ、その後、濾過・洗浄し、シリカ粒子A9を得た。
[シリカ粒子B1の作製]
(シリカ母体粒子b1の作製)
シリカ母体粒子a1において、TMOS加水分解液の滴下速度を1.3mL/分に変更し、その他は同様の手順にて親水性のシリカ粒子の混合媒体分散液を得た。次に、混合媒体分散液を、スプレードライにより乾燥して、溶媒を除去し、親水性シリカ母体粒子の粉末を得た。さらに、得られた粉末をジェットミルにより凝集粉を解砕後、風力篩分機により1μm以上の粗大粉を除去し、個数平均一次粒子径16nm、平均円形度0.908のシリカ母体粒子b1を得た。
(シリカ母体粒子b1の表面修飾)
得られた親水性シリカ母体粒子b1の粉末100部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下で200℃に加熱しながら200rpmで撹拌し、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を、シリカ母体粒子b1に対し添加率が70質量%となるように滴下し2時間反応させた。その後、冷却させ、表面修飾が完了したシリカ粒子B1を得た。
[シリカ粒子B2〜B6の作製]
<シリカ粒子B2、B3、B5及びB6の作製>
(シリカ母体粒子b2、b3、b4及びb5の作製)
上記シリカ母体粒子b1の作製において、TMOS加水分解液の添加速度を適宜変更し、個数平均一次粒子径がそれぞれ15nm、30nm、10nm及び36nmであるシリカ母体粒子b2、b3、b4及びb5を得た。なお、シリカ母体粒子の個数平均一次粒子径はTMOS加水分解液の添加速度を速めると大きくなり、遅くすると小さくなる傾向にある。
(シリカ母体粒子b2、b3、b4及びb5の表面修飾)
上記シリカ粒子B1の表面修飾において、シリカ母体粒子b2、b3、b4及びb5を代わりに用い、同様の手順にてシリカ粒子B2、B3、B5及びB6をそれぞれ得た。
<シリカ粒子B4の作製>
上記シリカ粒子B1の表面修飾工程において、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の代わりにヘキサプロピルジシラザンを45質量%となるように滴下し、それ以外は同様の手順にて、シリカ粒子B4を得た。
[シリカ粒子C1の準備]
シリカ粒子C1として、個数平均一次粒子径が36nmであり、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)にて表面修飾処理されたシリカ粒子(製品名:NAX50、日本アエロジル製」を準備した。
[酸化チタン粒子D1の作製]
酸化チタン粒子D1は、特開2004−315356号公報の記載内容を参考にして、以下の手順で作製した。
(1)撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3L反応器にメタノール700質量部を撹拌させ、チタンイソプロポキシドを450質量部滴下し、3分間撹拌を継続した。その後、生じた酸化チタン粒子を遠心分離機にかけて分離・回収後、減圧乾燥を経てアモルファス酸化チタンを得た。
(2)得られたアモルファス酸化チタンを、大気中、800℃で5時間、高温電気炉にて加熱し、ルチル型酸化チタン粒子を得た。
(3)前述の撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3L反応器に、得られたルチル型酸化チタン粒子600質量部と、イソブチルトリメトキシシラン18質量部とを加え、トルエン2L中で12時間撹拌させ、疎水化処理(表面修飾処理)を行った。その後、反応生成物を遠心分離して反応溶媒の洗浄を行った後、再度遠心分離して回収し、減圧乾燥を経て、平均アスペクト比が4.0となるルチル型の酸化チタン粒子D1を得た。
[酸化チタン粒子D2〜D7の作製]
上記酸化チタン粒子D1の作製において、撹拌反応時間を変更することにより個数平均短径及び個数平均長径、すなわち平均アスペクト比を調整して、表Iに記載の酸化チタン粒子D2〜D7を作製した。
Figure 2018180268
[トナー1〜23の作製]
トナー母体粒子1に表Iに記載の各無機微粒子(シリカ粒子A、シリカ粒子B、シリカ粒子C及び酸化チタン粒子)を添加し、ヘンシェルミキサー型式「FM20C/I」(日本コークス工業株式会社製)にて、羽根先端周速が40m/sとなるようにして撹拌翼の回転数を設定して20分間撹拌し、トナー粒子1〜23を作製した。なお、各無機微粒子の添加量は、トナー母体粒子1に対して、シリカ粒子Aは0.65質量部、シリカ粒子Bは0.80質量部、シリカ粒子Cは0.30質量部、酸化チタン粒子は0.30質量部となるようにして、該当粒子を加えた。また、外添混合時における混合粉体の温度は40℃±1℃となるように設定した。
[現像剤1〜23の作製]
上記トナー1〜23に対し、体積平均粒径60μmのフェライトキャリアが、二成分現像剤におけるトナー含有量(トナー濃度)が7質量%となるよう加えた。その後、V型混合機にて30分混合して、それぞれに対応する二成分現像剤1〜23として得た。
[画像形成装置の準備]
以上のようにして得られた現像剤1〜23と各々対応するトナー1〜23とを、デジタル複写機「bizhub PRO C1070」(コニカミノルタ(株)製、断面図は図1)のトナーカートリッジと現像器にそれぞれ充填し、図2で示した潤滑剤塗布部を設置して、画像形成装置1〜23を準備した。
また、現像剤2とトナー2とを、デジタル複写機「bizhub PRO C1070」(コニカミノルタ(株)製、断面図は図1)のトナーカートリッジと現像器にそれぞれ充填し、図2で示した潤滑剤塗布部を設置しない構成とした比較例の画像形成装置24も準備した。
そして、この画像形成装置1〜24によって、下記の評価方法にて実写テストを行った。なお、潤滑剤塗布部で塗布する潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛を用いた。
[評価]
<評価1:クリーニング性>
上記画像形成装置1〜24において、常温常湿環境(温度20℃、湿度55%RH)条件下で、A4の上質紙(65g/m)上に幅3cmの縦帯状ベタ画像が5本あるテスト画像を5万枚連続印刷(耐久印刷)し、耐久後(5万枚連続印刷後)に全面ベタ画像を出力した。そして、耐久時(5万枚印刷時)の帯部に相当する部分5点と、耐久時の非帯部に相当する部分6点をそれぞれマクベス社製反射濃度計「RD−918」を用いて濃度を計測し、最大濃度差にて評価を実施し、以下の基準により判定した。最大濃度差が0.06以下を実用可能(合格)と判断した。ここで、最大濃度差は、上記帯部に相当する部分5点のうちの最大濃度から、上記非帯部に相当する部分6点のうちの最小濃度を引いた値とした。
(評価基準)
○:最大濃度差が0.03以下
△:最大濃度差が0.03より大きく0.06以下
×:最大濃度差が0.06より大きい
<評価2:画質(低カバレッジ連続印刷時の粒状性)>
上記画像形成装置1〜24において、常温常湿環境(温度20℃、湿度55%RH)条件下で、A4版の上質紙(65g/m)上にテスト画像として印字率5%の帯状ベタ画像を形成する印刷を5万枚行った。途中、総印刷枚数が1000枚時(初期とする)と5万枚時(耐久後とする)に、階調率32段階の階調パターンを出力し、この階調パターンの粒状性について下記評価基準に従って評価した。粒状性の評価は、階調パターンのCCDによる読み取り値にMTF(Modulation Transfer Function)補正を考慮したフーリエ変換処理を施し、人間の比視感度にあわせたGI値(Graininess Index)を測定し、最大GI値を求めた。GI値は小さいほど良く、初期と耐久後のGI値の差が、0.012未満であれば、良好な画像品質を保っているといえ、合格と判断した。なお、このGI値は、日本画像学会誌39(2)、84・93(2000)に掲載されている値である。
(評価基準)
◎:初期と耐久後のGI値の差が0.006以下
○:初期と耐久後のGI値の差が0.006より大きく0.012未満
×:初期と耐久後のGI値の差が0.012以上
Figure 2018180268
表IIに記した評価結果から、本発明の画像形成方法では、感光体上へ直接潤滑剤を塗布する機構を有していても、良好なクリーニング性を有し、かつ低いカバレッジ画像が連続出力された場合であっても出力画像の粒状性を高くすることができ、高精細な画像を形成できることが分かった。一方、比較例の画像形成方法では、いずれかの項目について劣るものであった。
以上により、本発明の画像形成方法を用いれば、印刷条件や使用状況によらず安定的に高画質な画像を出力できる画像形成方法を提供できることがわかった。
また、本発明に係る画像形成方法のうち、画像形成方法に用いたトナーの外添剤に、平均アスペクト比が2〜15の範囲内である酸化チタン粒子を含ませた実施例では、粒状性評価の結果が良好であった。これは、酸化チタン自身の効果として、シリカ粒子と比べて抵抗が低いために、トナー全体へ電荷を行き渡らせる役割があると考えられ、帯電の立ち上がりを改善する作用があるため、現像剤の帯電量が安定したためであると考えられる。また、平均アスペクト比が2〜15の範囲の酸化チタン粒子はトナー母体表面との接触面積が大きいため、外部からのストレスを受けても表面を移動して偏在することがなく、トナーが常に適切な外添状態を保つためであると推察される。
また、本発明に係る画像形成方法のうち、画像形成方法に用いたトナーの外添剤に、更にシリカ粒子Cを添加した実施例(トナー18)では、本発明の効果をより有効に得られることが分かった。これは、炭素鎖長の短いヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面修飾された中径サイズのシリカ粒子(シリカ粒子C)が存在すると、トナー粒子と感光体との付着力を低減することができ、転写性が向上するため、クリーニング性が向上したものと考えられる。
A 画像形成装置
10 給紙部
20 用紙搬送部
30 画像読取部
40、40Y、40M、40C、40K 画像形成部
41、41Y、41M、41C、41K 感光体ドラム(電子写真感光体)
42、42Y、42M、42C、42K 帯電部
43、43Y、43M、43C、43K 露光部
44、44Y、44M、44C、44K 現像部
50 潤滑剤塗布部
51 潤滑剤塗布ブラシ(潤滑剤塗布部材)
52 潤滑剤
53 押圧バネ
54 押圧板
55 押圧力調整カム
56 均しブレード
57 クリーニングブレード
58 廃現像剤回収部材
100 定着部
110 制御部

Claims (7)

  1. 電子写真感光体の表面に潤滑剤を塗布する工程と、
    前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、
    前記静電潜像を、静電荷像現像用トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、を有し、
    前記静電荷像現像用トナーが、表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有し、
    前記外添剤として、少なくとも、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bとを含有し、
    前記シリカ粒子Aが、個数平均一次粒子径が35〜75nmの範囲内で、かつその粒子表面がシリコーンオイルにて表面修飾されており、
    前記シリカ粒子Bが、個数平均一次粒子径が15〜30nmの範囲内で、かつその粒子表面がシラザン化合物又はアルコキシシラン化合物にて表面修飾されていることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記静電荷像現像用トナーが、前記外添剤として、個数平均短径に対する個数平均長径の比の値である平均アスペクト比が2〜15の範囲内である酸化チタン粒子を、さらに含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記酸化チタン粒子が、ルチル型の結晶構造を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記シリコーンオイルとして、ジメチルシリコーンオイルを用いることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記シリカ粒子BのBET比表面積の値が、90〜150m/gの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記トナー母体粒子が、結着樹脂を含有し、
    前記結着樹脂が、結晶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記潤滑剤が、1種類又は複数種類のステアリン酸金属塩からなることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
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