JP2013073537A - 情報処理装置、発電量算出方法、および、プログラム - Google Patents

情報処理装置、発電量算出方法、および、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】簡単かつ適正に太陽光発電の発電量の推定値や予測値を算出する。
【解決手段】学習部158は、日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出する発電量算出モデルを、学習期間の太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築する。発電量算出部160は、推定期間の日照時間の測定値と太陽高度、または、予測期間の日照時間の予測値と太陽高度に基づいて、推定期間の太陽光発電の発電量の推定値または予測期間の太陽光発電の発電量の予測値を算出する。本発明は、例えば、太陽光発電システムに適用できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、情報処理装置、発電量算出方法、および、プログラムに関し、特に、太陽光発電の発電量を推定または予測する場合に用いて好適な情報処理装置、発電量算出方法、および、プログラムに関する。
従来、日射量や日射強度を用いて太陽光発電の発電量の推定値(適正値)や予測値を算出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−173657号公報
しかしながら、気象庁による全天日射量の観測点は、日本国内でせいぜい数十ヶ所程度であるため、必ずしも太陽光発電が行われている場所付近のデータを得られるとは限らない。
また、全天日射量は水平面において測定されるため、例えば、太陽光パネルの設置方位や設置角度等のパラメータを設定し、設定したパラメータを用いて傾斜面日射量に換算する必要がある。さらに、日射量や日射強度に対する発電特性はメーカや機種によって異なるため、発電特性に応じた各種のパラメータを、発電量を算出するために設定する必要がある。このようなパラメータを設定する作業は、一般のユーザにとっては難しく、かつ、非常に煩わしい作業である。
また、太陽光パネルの設置場所に日射計を設置し、日射量や日射強度を測定することも考えられるが、日射計は高価なものであり、一般の家庭にはほとんど普及していない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、簡単かつ適正に太陽光発電の発電量の推定値や予測値を算出できるようにするものである。
本発明の第1の側面の情報処理装置は、日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出する第1のモデルを、第1の期間の太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築するモデル構築部と、第1のモデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、第2の期間の太陽光発電の発電量を算出する発電量算出部とを備える。
本発明の第1の側面の情報処理装置においては、日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出する第1のモデルが、第1の期間の太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築され、第1のモデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、第2の期間の太陽光発電の発電量が算出される。
従って、簡単かつ適正に太陽光発電の発電量の推定値や予測値を算出することができる。
このモデル構築部、発電量算出部は、例えば、コンピュータ、あるいは、CPU等の制御装置により構成される。
この第1のモデルは、日照時間と太陽高度の正弦との積により求められる日照状態に基づいて太陽光発電の発電量を算出するモデルとすることができる。
これにより、簡単な計算式により、太陽光発電の発電量を算出するモデルを構築することができる。
この情報処理装置には、指定された緯度および経度における太陽高度を算出する太陽高度算出部と、与えられた日照時間のデータ、および、太陽高度算出部により算出された太陽高度に基づいて、日照状態を算出する日照状態算出部とをさらに設けることができ、この発電量算出部には、日照状態算出部により算出された日照状態に基づいて太陽光発電の発電量を算出させることができる。
これにより、発電場所付近の緯度、経度および日照時間を与えるだけで、適正な太陽光発電の発電量の推定値や予測値を得ることが可能になる。
この太陽高度算出部、日照状態算出部は、例えば、コンピュータ、あるいは、CPU等の制御装置により構成される。
この情報処理装置には、天気予報に基づいて日照時間を予測する日照時間予測部をさらに設けることができ、この日照状態算出部には、日照時間予測部により予測された日照時間に基づいて、日照状態の予測値を算出させ、この発電量算出部には、日照状態の予測値に基づいて太陽光発電の発電量の予測値を算出させるようにすることができる。
これにより、発電場所付近の天気予報に基づいて、適正に太陽光発電の発電量を推定することが可能になる。
この日照時間予測部は、例えば、コンピュータ、あるいは、CPU等の制御装置により構成される。
このモデル構築部には、日照時間が0の期間の太陽光発電の発電量の測定値に基づいて、日照時間が0の期間の太陽光発電の発電量を算出する第2のモデルをさらに構築させ、この発電量算出部には、第2の期間のうち日照時間が0の期間において、第2のモデルを用いて太陽光発電の発電量を算出させることができる。
これにより、日照時間が0の場合も適正に太陽光発電の発電量の推定値や予測値を算出することが可能になる。
この情報処理装置には、発電量算出部により算出された第2の期間の太陽光発電の発電量の算出値と、第2の期間の太陽光発電の発電量の測定値とを比較することにより、太陽光発電を行うシステムの異常を検出する異常検出部をさらに設けることができる。
これにより、簡単かつ適切に太陽光発電を行うシステムの異常を検出することが可能になる。
この異常検出部は、例えば、コンピュータ、あるいは、CPU等の制御装置により構成される。
この情報処理装置には、太陽光発電の発電量を測定する発電量測定部をさらに設けることができ、このモデル構築部には、発電量測定部により測定された第1の期間の太陽光発電の発電量の測定値に基づいて、第1のモデルを構築させることができる。
これにより、太陽光発電の発電量を自動的に測定して、その結果に基づいて、発電量を算出するモデルを構築することができる。
この発電量測定部は、例えば、コンピュータ、あるいは、CPU等の制御装置により構成される。あるいは、さらに電圧、電流等を測定するセンサを設けることもできる。
本発明の第1の側面の発電量算出方法は、日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出するモデルを、第1の期間の太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築するモデル構築ステップと、そのモデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、第2の期間の太陽光発電の発電量を算出する発電量算出ステップとを含む。
この本発明の第1の側面の発電量算出方法においては、日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出するモデルが、第1の期間の太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築され、そのモデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、第2の期間の太陽光発電の発電量が算出される。
従って、簡単かつ適正に太陽光発電の発電量の推定値や予測値を算出することができる。
このモデル構築ステップ、発電量算出ステップは、例えば、コンピュータ、あるいは、CPU等の制御装置により実行される。
この発電量算出方法には、第1の期間の太陽光発電の発電量を測定する発電量測定ステップをさらに含め、モデル構築ステップにおいて、発電量測定ステップにおいて測定された第1の期間の太陽光発電の発電量の測定値に基づいて、モデルを構築させることができる。
これにより、太陽光発電の発電量を自動的に測定して、その結果に基づいて、発電量を算出するモデルを構築することができる。
本発明の第1の側面のプログラムは、日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出するモデルを、第1の期間の太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築するモデル構築ステップと、そのモデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、第2の期間の太陽光発電の発電量を算出する発電量算出ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
この本発明の第1の側面のプログラムを実行するコンピュータにおいては、日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出するモデルが、第1の期間の太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築され、そのモデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、第2の期間の太陽光発電の発電量が算出される。
従って、簡単かつ適正に太陽光発電の発電量の推定値や予測値を算出することができる。
本発明の第2の側面の太陽光発電システムは、太陽光発電を行う太陽光発電部と、太陽光発電部の発電量を測定する発電量測定部と、日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電部の発電量を算出するモデルを、第1の期間の太陽光発電部の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築するモデル構築部と、そのモデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、第2の期間の太陽光発電部の発電量を算出する発電量算出部とを備える。
本発明の第2の側面の太陽光発電システムにおいては、太陽光発電が行われ、太陽光発電部の発電量が測定され、日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出するモデルが、第1の期間の太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築され、そのモデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、第2の期間の太陽光発電の発電量が算出される。
従って、簡単かつ適正に太陽光発電の発電量の推定値や予測値を算出することができる。
この太陽光発電部は、例えば、太陽電池モジュール、パワーコンディショナ等により構成される。この発電量測定部は、例えば、コンピュータ、あるいは、CPU等の制御装置により構成される。あるいは、さらに電圧、電流等を測定するセンサを設けることもできる。このモデル構築部、発電量算出部は、例えば、コンピュータ、あるいは、CPU等の制御装置により構成される。
本発明の第1の側面または第2の側面によれば、簡単かつ適正に太陽光発電の発電量の推定値や予測値を算出することができる。
本発明を適用した太陽光発電システムの一実施の形態を示すブロック図である。 太陽光発電システムの情報処理装置の機能の構成例を示すブロック図である。 発電量算出モデル学習処理を説明するためのフローチャートである。 発電量算出モデル学習処理に用いられるデータの例を示す図である。 1日の日照時間および太陽高度と日照状態との関係の例を示すグラフである。 発電量推定処理を説明するためのフローチャートである。 発電量推定処理に用いられるデータの例を示す図である。 1ヶ月間の発電量の適正値と実績値とを比較した例を示すグラフである。 月毎の発電量の適正値と実績値の乖離度の推移の例を示すグラフである。 発電量予測処理を説明するためのフローチャートである。 天気予報に基づいて生成された日照時間予測データの例を示すグラフである。 図11の日照時間予測データを用いて予測された発電量の例を示すグラフである。 日照時間と発電量の測定値の時系列の推移の例を示すグラフである。 第2発電量算出モデルの構築方法を説明するための図である。 コンピュータの構成例を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
なお、本明細書では、「発電量を推定する」または「発電量の推定値(または適正値)を算出する」とは、過去の実績データに基づいて太陽光発電の発電量の適正値を算出することをいう。また、「発電量を予測する」または「発電量の予測値を算出する」とは、将来の予測データに基づいて太陽光発電の発電量の予測値を算出することをいう。
<1.実施の形態>
[太陽光発電システム101の構成例]
図1は、本発明を適用した太陽光発電システムの一実施の形態を示すブロック図である。
太陽光発電システム101は、太陽光発電部111および情報処理装置112を含むように構成される。また、太陽光発電部111は、太陽電池モジュール121およびパワーコンディショナ122を含むように構成される。
太陽電池モジュール121は、太陽光発電により直流の電力を発生させ、発生させた直流電力をパワーコンディショナ122に供給する。
パワーコンディショナ122は、太陽電池モジュール121からの直流電力を、商用電源とほぼ同じ電圧および周波数の交流電力に変換するとともに、変換した交流電力の電圧の位相を商用電源の電圧の位相と同期させる。そして、パワーコンディショナ122は、その交流電力(以下、発電電力と称する)を出力する。
情報処理装置112は、例えば、コンピュータにより構成される。情報処理装置112は、パワーコンディショナ122、または、パワーコンディショナ122から発電電力が供給される電力系統に設けられているセンサ等から、発電電力の電圧、電流等の測定値を取得し、太陽光発電部111の発電量を測定する。
また、情報処理装置112は、太陽電池モジュール121の設置場所(より正確には、太陽電池モジュール121に設けられている太陽光パネルの設置場所)(以下、発電場所と称する)の緯度および経度を示すデータ、並びに、発電場所付近の日照時間の測定データ(以下、日照時間測定データと称する)を取得し、それらのデータに基づいて、ユーザにより指定された期間の太陽光発電部111の発電量を推定する。さらに、情報処理装置112は、太陽光発電部111の発電量の測定値と推定値を比較することにより、太陽光発電部111の異常の検出を行う。
また、情報処理装置112は、発電場所付近の日照時間の予測データ(以下、日照時間予測データと称する)または天気予報のデータを取得し、それらのデータに基づいて、ユーザにより指定された期間の太陽光発電部111の発電量を予測する。
さらに、情報処理装置112は、発電量の測定結果、推定結果、および、予測結果、並びに、太陽光発電部111の異常の検出結果をユーザに通知したり、外部のサーバ等に出力したりする。
[情報処理装置112の構成例]
図2は、情報処理装置112の構成例を示すブロック図である。
情報処理装置112は、入力部151、太陽高度算出部152、日照時間予測部153、日照時間測定データ蓄積部154、日照状態算出部155、発電量測定部156、発電量測定データ蓄積部157、学習部158、モデルパラメータ蓄積部159、発電量算出部160、異常検出部161、および、出力部162を含むように構成される。
入力部151は、例えば、キーボード、マウス、ボタン、スイッチ、マイクロフォン等の入力デバイスにより構成され、ユーザが情報処理装置112に対する指令やデータ等を入力するのに用いられる。入力部151は、入力された指令やデータ等を、必要に応じて、太陽高度算出部152、日照時間予測部153、日照状態算出部155、学習部158、および、発電量算出部160に供給する。
なお、ユーザにより入力されるデータには、例えば、発電場所の緯度および経度、発電場所付近の日照時間予測データまたは天気予報データ、発電量を算出するモデルの学習期間、発電量の推定期間、予測期間等が含まれる。
太陽高度算出部152は、ユーザにより指定された期間内の発電場所付近の太陽高度を算出し、算出結果を日照状態算出部155に供給する。
日照時間予測部153は、発電場所付近の天気予報に基づいて日照時間を予測し、その結果得られる日照時間予測データを日照状態算出部155に供給する。
日照時間測定データ蓄積部154は、定期的に入力される発電場所付近の日照時間測定データを蓄積する。
なお、日照時間測定データとして、例えば、気象庁による日照時間の観測データが用いられる。日照時間は、全天日射量よりも多くの地点で観測されているため、全天日射量と比較して、より発電場所に近い地点のデータを取得することが可能である。
日照状態算出部155は、発電場所付近の日照時間および太陽高度に基づいて、発電場所付近の日照状態を算出する。
例えば、日照状態算出部155は、日照時間測定データ蓄積部154に蓄積されている日照時間測定データ、および、太陽高度算出部152により算出される太陽高度に基づいて、ユーザにより指定された期間内の発電場所付近の日照状態を推定する(日照状態の推定値を算出する)。日照状態算出部155は、その推定結果を学習部158および発電量算出部160に供給する。
また、例えば、日照状態算出部155は、入力部151を介して入力される日照時間予測データ、または、日照時間予測部153から供給される日照時間予測データ、並びに、太陽高度算出部152により算出される太陽高度に基づいて、ユーザにより指定された期間内の発電場所付近の日照状態を予測する(日照状態の予測値を算出する)。日照状態算出部155は、その予測結果を発電量算出部160に供給する。
発電量測定部156は、パワーコンディショナ122、または、パワーコンディショナ122から発電電力が供給される電力系統に設けられているセンサ等から、発電電力の電圧、電流等の測定値を取得し、それらの測定値に基づいて太陽光発電部111の発電量を測定する。発電量測定部156は、その測定結果を示す発電量測定データを発電量測定データ蓄積部157に蓄積する。
学習部158は、所定の学習モデルを用いて、発電場所付近の日照時間および太陽高度に基づく日照状態に基づいて、太陽光発電部111の発電量を算出するモデル(以下、発電量算出モデルと称する)の学習を行い、発電量算出モデルを構築する。学習部158は、構築した発電量算出モデルを表すパラメータをモデルパラメータ蓄積部159に蓄積する。
発電量算出部160は、モデルパラメータ蓄積部159に蓄積されているパラメータにより表される発電量算出モデルを用いて、太陽光発電部111の発電量を算出する。
例えば、発電量算出部160は、発電量算出モデルを用いて、発電量算出部160により推定された発電場所付近の日照状態に基づいて、ユーザにより指定された期間内の太陽光発電部111の発電量を推定する(発電量の推定値を算出する)。発電量算出部160は、その推定結果を異常検出部161および出力部162に供給する。
また、例えば、発電量算出部160は、発電量算出モデルを用いて、発電量算出部160により予測された発電場所付近の日照状態に基づいて、ユーザにより指定された期間内の太陽光発電部111の発電量を予測する(発電量の予測値を算出する)。発電量算出部160は、その予測結果を出力部162に供給する。
異常検出部161は、発電量算出部160により算出された太陽光発電部111の発電量の推定値と、発電量測定データ蓄積部157に蓄積されている太陽光発電部111の発電量の測定値とを比較することにより、太陽光発電部111の異常の検出を行う。異常検出部161は、その検出結果を出力部162に供給する。
出力部162は、例えば、ディスプレイ、発光デバイス、スピーカ、通信装置、出力インタフェース等により構成される。出力部162は、例えば、太陽光発電部111の発電量の測定結果、推定結果、および、予測結果、並びに、太陽光発電部111の異常の検出結果を、画像、光、音声等によりユーザに通知したり、外部のサーバ、携帯端末、プリンタ、記憶装置等に送信したりする。
[情報処理装置112の処理]
次に、図3乃至図12を参照して、情報処理装置112の処理について説明する。
[発電量算出モデル学習処理]
まず、図3のフローチャートを参照して、情報処理装置112により実行される発電量算出モデル学習処理について説明する。
ステップS1において、情報処理装置112は、学習条件を取得する。例えば、ユーザは、入力部151を介して、発電場所の緯度および経度、並びに、発電量算出モデルの学習期間を、学習条件として入力する。学習期間は、例えば、学習を開始する日時および終了する日時により指定される。
入力部151は、発電場所の緯度および経度を示すデータを太陽高度算出部152および学習部158に供給する。また、入力部151は、学習期間を示すデータを、太陽高度算出部152、日照状態算出部155、および、学習部158に供給する。
ステップS2において、太陽高度算出部152は、太陽高度を算出する。例えば、緯度φおよび経度Lの地点の日時tにおける太陽高度h(φ,L,t)は、次式(1)乃至(6)を用いて算出することができる。
h(φ,L,t)=arcsin(sinφ・sinδ+cosφ・cosδ・cosHA) ・・・(1)
ω[rad]=2π・(N−1) ・・・(2)
δ[rad]=0.006918−0.399912・cosω+0.070257・sinω−0.006758・cos2ω
+0.000907・sin2ω−0.002697・cos3ω+0.001480・sin3ω ・・・(3)
e[hour]=0.000075+0.001868・cosω−0.032077・sinω
−0.014615・cos2ω−0.040849・sin2ω ・・・(4)
HA[rad]=π{(T+L/15−9+e)−12}/12 ・・・(5)
HA[rad]=π{(T+L/15−9+e)+12}/12 ・・・(6)
なお、Nは、日時tに示される日の元日からの日数を示している。Tは、日時tに示される時刻を示している。ωは、元日の位置を起点とする地球の公転軌道上の角度を示している。δは、日赤緯を示している。eは、均時差を示している。HAは時角を示し、午前中の時角HAは、式(5)により求められ、午後の時角HAは、式(6)により求められる。
太陽高度算出部152は、式(1)乃至(6)を用いて、指定された学習期間中の発電場所付近における所定の時間毎(例えば、10分毎)の太陽高度を算出する。太陽高度算出部152は、算出結果を日照状態算出部155に供給する。
ステップS3において、日照状態算出部155は、日照状態を推定する。具体的には、日照状態算出部155は、指定された学習期間中の発電場所付近における日照時間測定データを日照時間測定データ蓄積部154から取得する。
日照時間測定データは、例えば、所定の単位時間毎に、その単位時間内において日射量が所定の閾値(例えば、120W/m)以上であった時間により表される。例えば、単位時間は10分とされ、12時10分から12時20分までの間に日射量が閾値以上であった時間が8分間である場合、その期間の日照時間は8分となる。
なお、例えば、単位時間内において日射量が所定の閾値以上である割合(例えば、単位は%)や、単位時間内の日照の有無により、日照時間測定データを表すようにしてもよい。後者の場合、例えば、単位時間内において日射量が所定の閾値以上であった時間が所定の時間以上の場合、「日照あり」とされ、所定の時間未満の場合、「日照なし」とされる。
そして、日照状態算出部155は、次式(7)により、学習期間中の所定の時間毎の日照状態x(t)の推定値を算出する。
x(t)=s(t)・sin{h(φ,L,t)} ・・・(7)
なお、s(t)は、日時tを含む時間帯の日照時間を示している。従って、日時tにおける日照状態x(t)は、日時tを含む時間帯の日照時間s(t)と、日時tにおける太陽高度h(φ,L,t)の正弦(sin)との積により求められる。
図4は、太陽光発電部111の発電量y(t)の測定値、日照時間s(t)、太陽高度h(φ,L,t)、および、日照状態x(t)を時系列に並べたデータの例を示している。例えば、2010年12月14日の11時10分の日照状態x(t)は、2010年12月14日の11時1分〜11時10分の日照時間s(t)と、2010年12月14日11時10分の太陽高度h(φ,L,t)の値に基づいて、次式(8)のように求められる。
x(t)=4×sin(31.262737)=2.075853178 ・・・(8)
図5は、1日の日照時間s(t)および太陽高度h(φ,L,t)と日照状態x(t)との関係の例を示すグラフである。いちばん上のグラフは日照時間s(t)の時系列の推移を示し、真ん中のグラフは太陽高度h(φ,L,t)の時系列の推移を示し、いちばん下のグラフは日照状態x(t)の時系列の推移を示している。
この図に示されるように、日照状態x(t)は、所定の上限値以下の範囲内で、日照時間s(t)が長くなるほど、または、太陽高度h(φ,L,t)が高くなるほど大きくなる。逆に、日照状態x(t)は、0以上の範囲内で、日照時間s(t)が短くなるほど、または、太陽高度h(φ,L,t)が低くなるほど、小さくなる。また、日照状態x(t)は、日照時間s(t)が0の場合、0になる。
そして、日照状態算出部155は、学習期間中の日照状態の推定結果を学習部158に供給する。
ステップS4において、学習部158は、発電量算出モデルの学習を行う。具体的には、学習部158は、学習期間中の太陽光発電部111の発電量の測定値を発電量測定データ蓄積部157から取得する。そして、学習部158は、所定の学習モデルを用いて、学習期間中の日照状態x(t)と発電量y(t)の測定値に基づいて、次式(9)に示される日照状態算出モデルを表すモデル関数f()のパラメータλ乃至λを求める。
y(t)=f{x(t),λ,・・・,λ} ・・・(9)
なお、ここで用いる学習モデルには、例えば、回帰モデル、ニューラルネットワーク、SVM(Support Vector Machine)等の任意のものを採用することができる。例えば、次式(10)により、線形回帰モデルを用いて発電量算出モデルを学習することが可能である。
y(t)=λ・x(t)+λ ・・・(10)
なお、式(10)のパラメータである回帰係数λは、次式(11)および(12)により算出される。
λ=σ/σ・ρxy ・・・(11)
λ=μ−λ・μ ・・・(12)
なお、μおよびσは日照状態x(t)の平均および標準偏差を示し、μおよびσは発電量y(t)の平均および標準偏差を示し、ρxyは日照状態x(t)と発電量y(t)の相関係数を示している。
学習部158は、学習の結果構築された発電量算出モデルのパラメータをモデルパラメータ蓄積部159に蓄積する。
その後、発電量算出モデル学習処理は終了する。
[発電量推定処理]
次に、図6のフローチャートを算出して、情報処理装置112により実行される発電量推定処理を説明する。
ステップS21において、情報処理装置112は、推定条件を取得する。例えば、ユーザは、発電場所の緯度および経度、並びに、発電量の推定期間を、推定条件として入力する。推定期間は、上述した学習期間と同様に、例えば、発電量の推定を開始する日時および終了する日時により指定される。
入力部151は、発電場所の緯度および経度を示すデータを太陽高度算出部152に供給する。また、入力部151は、推定期間を示すデータを、太陽高度算出部152、日照状態算出部155、および、発電量算出部160に供給する。
ステップS22において、太陽高度算出部152は、図3のステップS2と同様の処理により、推定期間中の発電場所付近の太陽高度を算出する。太陽高度算出部152は、算出結果を日照状態算出部155に供給する。
ステップS23において、日照状態算出部155は、図3のステップS3と同様の処理により、推定期間中の発電場所付近の日照状態を推定する。日照状態算出部155は、推定結果を発電量算出部160に供給する。
ステップS24において、発電量算出部160は、発電量を推定する。具体的には、発電量算出部160は、上述した発電量算出モデル学習処理により構築された発電量算出モデルのパラメータをモデルパラメータ蓄積部159から取得する。そして、発電量算出部160は、推定期間中の発電場所付近の日照状態の推定結果を、発電量算出モデルに適用することにより、推定期間中の所定の時間毎の太陽光発電部111の発電量を推定する。
図7は、日照時間s(t)、太陽高度h(φ,L,t)、日照状態x(t)、および、太陽光発電部111の発電量y(t)の推定値を時系列に並べたデータの例を示している。例えば、2010年12月28日の10時10分の日照状態x(t)は、2010年12月28日の10時1分〜10時10分の日照時間s(t)と、2010年12月28日10時10分の太陽高度h(φ,L,t)の値に基づいて求められる。そして、発電量算出モデルを用いて、2010年12月28日の10時10分の日照状態x(t)に基づいて、当該日時の発電量y(t)が推定される。
そして、発電量算出部160は、推定期間中の太陽光発電部111の発電量の推定結果を異常検出部161に供給する。
ステップS25において、異常検出部161は、太陽光発電部111の異常の有無を検出する。具体的には、異常検出部161は、推定期間と同じ期間の太陽光発電部111の発電量の測定値を発電量測定データ蓄積部157から取得する。そして、異常検出部161は、発電量算出部160により算出された推定値を太陽光発電部111の発電量の適正値とし、取得した測定値(すなわち実績値)と比較することにより、太陽光発電部111の異常の有無を検出する。
このとき、推定期間全体の発電量を合計して比較するようにしてもよいし、所定の期間毎(例えば、1ヶ月毎、1日毎など)の発電量を比較するようにしてもよい。
図8は、1ヶ月間の発電量の適正値(推定値)と実績値(測定値)とを比較した例を示すグラフである。例えば、この図に示されるように、閾値(この例では80%)を設定しておき、発電量の実績値が適正値の閾値以下になる場合、太陽光発電部111に何らかの異常が発生していると判定するようにしてもよい。
また、例えば、次式(13)により、所定の期間毎(例えば、1ヶ月毎)の発電量の適正値と実績値の乖離度を算出し、乖離度を監視することにより、太陽光発電部111の異常の有無を検出するようにしてもよい。
乖離度(%)=(適正値−実績値)/適正値×100 ・・・(13)
図9は、月毎の発電量の適正値と実績値の乖離度の推移の例を示すグラフである。
例えば、実線で示されるグラフのように、乖離度が0%付近を所定の範囲内で推移している場合、太陽光発電部111が正常であると推定することができる。
一方、点線で示されるグラフのように、乖離度が徐々に低下している場合、例えば、経年劣化により太陽光発電部111の発電量が低下していると推定することができる。
また、一点鎖線で示されるグラフのように、乖離度が急激に低下している場合、例えば、突発性の異常により太陽光発電部111の発電量が低下していると推定することができる。
このように、乖離度の推移を監視することにより、太陽光発電部111の異常の有無を検出するだけでなく、異常の原因を推定することも可能になる。
そして、異常検出部161は、検出結果を出力部162に供給する。
ステップS26において、出力部162は、推定結果を出力する。例えば、出力部162は、発電量の適正値と実績値の推移を示す表やグラフなどをディスプレイに表示する。このとき、太陽光発電システム101の異常の有無を表示したり、光や音などで通知したりするようにしてもよい。また、例えば、出力部162は、発電量の適正値と実績値を示すデータを、外部のサーバ、携帯端末、プリンタ、記憶装置等に送信する。
その後、発電量推定処理は終了する。
以上のように、日射量や日射強度を用いずに、日照時間のみを用いて、季節や気象などの環境条件に応じて適正に太陽光発電部111の発電量を推定することが可能になる。
また、ユーザは、太陽光パネルの設置方位および設置角度、メーカ、設計情報(例えば、定格出力値など)等のパラメータを設定する必要がなく、発電場所の緯度および経度のみを設定するだけで、適正な発電量の推定値を得ることができる。
なお、発電場所の緯度および経度については、例えば、GPS等を用いて自動測定するようにすることも可能である。
[発電量予測処理]
次に、図10のフローチャートを算出して、情報処理装置112により実行される発電量予測処理を説明する。
ステップS41において、情報処理装置112は、予測条件を取得する。具体的には、例えば、ユーザは、発電場所の緯度および経度、発電量の予測期間、並びに、予測期間中の日照時間予測データまたは天気予報データを、予測条件として入力する。予測期間は、上述した学習期間と同様に、例えば、発電量の予測を開始する日時および終了する日時により指定される。
なお、日照時間予測データは、例えば、日照時間測定データと同様の構成のデータとされ、単位時間毎の日照時間の予測値により表される。なお、必ずしも単位時間を日照時間測定データと同じ時間に設定する必要はなく、例えば、日照時間測定データより長い時間(例えば、30分、1時間等)に設定するようにしてもよい。
また、天気予報データは、1日単位の天気予報のデータを用いるようにしてもよいし、あるいは、所定の単位時間毎(例えば、6時間毎)の天気予報のデータを用いるようにしてもよい。
入力部151は、発電場所の緯度および経度を示すデータを太陽高度算出部152に供給する。また、入力部151は、予測期間を示すデータを、太陽高度算出部152、日照状態算出部155、および、発電量算出部160に供給する。さらに、入力部151は、日照時間予測データが入力された場合、その日照時間予測データを日照状態算出部155に供給する。また、入力部151は、天気予報データが入力された場合、その天気予報データおよび予測期間を示すデータを日照時間予測部153に供給する。
ステップS42において、太陽高度算出部152は、図3のステップS2と同様の処理により、予測期間中の発電場所付近の太陽高度を算出する。太陽高度算出部152は、算出結果を日照状態算出部155に供給する。
ステップS43において、日照時間予測部153は、天気予報データが入力されたか否かを判定する。天気予報データが入力されたと判定された場合、処理はステップS44に進む。
ステップS44において、日照時間予測部153は、日照時間を予測する。例えば、日照時間予測部153は、晴れと予報されている時間帯の日照時間を最大値(すなわち、単位時間と同じ値)に設定し、それ以外の時間帯の日照時間を天気予報に応じた値に設定することにより、予測期間中の日照時間の予測値を示す日照時間予測データを生成する。
例えば、図11は、天気予報に基づいて生成された1日分の日照時間予測データの例を示している。なお、横軸は時間軸を示し、縦軸は単位時間毎の日照時間の予測値を示している。また、中央の縦線は、正午を示している。
例えば、天気予報が「晴れ」である場合、いちばん上のグラフに示されるように、日の出から日没までの期間において、単位時間毎の日照時間の予測値は、最大値(すなわち、単位時間と同じ値)に設定される。
また、例えば、天気予報が「晴れ、昼過ぎから時々雨」の場合、真ん中のグラフに示されるように、日の出から正午までの期間において、単位時間毎の日照時間の予測値は最大値に設定され、正午から日没までの期間において、単位時間毎の日照時間の予測値は最大値の2分の1に設定される。
また、例えば、天気予報が「晴れ、昼過ぎ一時雨」の場合、いちばん下のグラフに示されるように、日の出から日没までの期間において、午後の所定の時間帯(例えば、12時から15時)の単位時間毎の日照時間の予測値は最大値の4分の3に設定され、その他の時間帯の日照時間の予測値は最大値に設定される。
なお、以上の例は、天気予報では、0時から3時を「未明」、3時から6時を「明け方」、6時から9時を「朝」、9時から12時を「昼前」、12時から15時を「昼過ぎ」、15時から18時を「夕方」、18時から21時を「夜のはじめ頃」、21時から24時を「夜遅く」と表現し、ある現象が断続的に発生し、その発生した時間が予報期間の2分の1未満である場合を「時々」、ある現象が切れ間なく発生し、その時間が予報期間の4分の1未満である場合を「一時」と表現するよう定められていることに基づいている。
そして、日照時間予測部153は、生成した日照時間予測データを日照状態算出部155に供給する。
その後、処理はステップS45に進む。
一方、ステップS43において、天気予報データが入力されていないと判定された場合、すなわち、天気予報データの代わりに日照時間予測データが入力された場合、ステップS44の処理はスキップされ、処理はステップS45に進む。
ステップS45において、日照状態算出部155は、日照状態を予測する。具体的には、日照状態算出部155は、日照時間測定データの代わりに日照時間予測データを用いて、日照状態を推定する場合と同様に、上述した式(7)により、予測期間中の所定の時間毎の日照状態x(t)の予測値を算出する。そして、日照状態算出部155は、予測期間中の日照状態の予測結果を発電量算出部160に供給する。
ステップS46において、発電量算出部160は、発電量を予測する。具体的には、発電量算出部160は、上述した図6のステップS24の処理と同様に、日照状態算出部155から供給された予測期間中の日照状態の予測結果を、発電量算出モデルに適用することにより、予測期間中の所定の時間毎の太陽光発電部111の発電量を予測する。そして、発電量算出部160は、予測期間中の太陽光発電部111の発電量の予測結果を出力部162に供給する。
ステップS47において、出力部162は、予測結果を出力する。例えば、出力部162は、発電量の予測値の推移を示すグラフなどをディスプレイに表示する。また、例えば、出力部162は、発電量の予測値を示すデータを、外部のサーバ、携帯端末、プリンタ、記憶装置等に送信する。
その後、発電量予測処理は終了する。
以上のように、発電場所の緯度および経度を設定し、日照時間予測データまたは天気予報データを入力するだけで、日射量や日射強度の予測値を用いずに、簡単に、かつ、季節や気象などの環境条件に応じて適正に太陽光発電部111の発電量を予測することが可能になる。
また、例えば、図12は、図11の日照時間予測データに基づいて予測された1日分の発電量の推移の例を示している。このように、詳細な日照時間予測データを用いずに、天気予報のみを用いて、発電量を予測することが可能になる。
<2.変形例>
以下、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
太陽高度は季節によって大きく変動するため、発電量の推定精度および予測精度を高めるために、所定の期間毎(例えば、月毎あるいは季節毎)に異なる発電量算出モデルを用いるようにすることが望ましい。
例えば、前年の同じ月の日照時間測定データおよび発電量測定データを用いて学習を行うことにより、月毎の発電量算出モデルを構築することが考えられる。この場合、例えば、過去数年分の同じ月の日照時間測定データおよび発電量測定データを用いて学習を行うようにしてもよい。
また、例えば、学習を行う月の直前の月の日照時間測定データおよび発電量測定データを用いて学習を行うことにより、月毎の発電量算出モデルを構築することが考えられる。例えば、10月の発電量算出モデルの学習を行う場合、同年の直前の9月の日照時間測定データおよび発電量測定データを用いて学習を行うことが考えられる。
また、以上の例では、日照時間が0の時間帯については、発電状態の値が0になるため、発電量の測定値または予測値も0になる。しかしながら、日照時間が0の時間帯でも、必ずしも日射量が完全に0にならないことも多く、発電量が0になるとは限らない。
例えば、図13は、日照時間と発電量の測定値の時系列の推移の例を示している。上側のグラフが、日照時間の推移を示し、下側のグラフが、発電量の測定値の推移を示している。そして、この図の点線の丸で囲まれる時間帯のように、日照時間が0であるにも関わらず、発電量が0にならない場合がある。
これに対して、日照時間が0の時間帯については、上述した発電量算出モデルと別のモデル(以下、第2発電量算出モデルと称する)を用いて、発電量を推定または予測するようにしてもよい。
例えば、1日の日照時間が所定の閾値未満(例えば、10分未満)の日の発電量測定データを所定の日数分(例えば、10日分)以上取得し、各時間帯の発電量の測定値の平均値を算出し、その平均値により構築されるモデルを、第2発電量算出モデルとして用いるようにしてもよい。
例えば、図14の複数の細線のグラフは、それぞれ異なる日の、1日の日照時間が所定の閾値未満の日の発電量の測定値の推移を示すグラフを示している。一方、太線のグラフは、細線のグラフを平均化したグラフ、すなわち、細線のグラフの各時間帯の発電量の測定値の平均値の推移を示すグラフである。そして、この太線のグラフで示されるモデルを、第2発電量算出モデルとして用いるようにすることが考えられる。
この場合、例えば、第2発電量算出モデルを適用する時間単位は任意である。例えば、1日の日照時間が所定の閾値未満の日の発電量を算出する場合のみ、第2発電量算出モデルを用いるようにしてもよい。
あるいは、例えば、日照時間が0の時間帯について、全て第2発電量算出モデルを用いるようにしてもよい。すなわち、日照時間が0でない時間帯については、通常の発電量算出モデルを用いて発電量を算出し、日照時間が0の時間帯の発電量に、第2発電量算出モデルの同じ時間帯の発電量を適用するようにしてもよい。
これにより、日照時間が0の時間帯の発電量をより適正に推定または予測することが可能になる。
なお、第2発電量予測モデルについても、所定の期間毎(例えば、月毎あるいは季節毎)に異なるモデルを構築するようにすることが望ましい。
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
図15は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)401,ROM(Read Only Memory)402,RAM(Random Access Memory)403は、バス404により相互に接続されている。
バス404には、さらに、入出力インタフェース405が接続されている。入出力インタフェース405には、入力部406、出力部407、記憶部408、通信部409、及びドライブ410が接続されている。
入力部406は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部407は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部408は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部409は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ410は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア411を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU401が、例えば、記憶部408に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース405及びバス404を介して、RAM403にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU401)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア411に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア411をドライブ410に装着することにより、入出力インタフェース405を介して、記憶部408にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部409で受信し、記憶部408にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM402や記憶部408に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
さらに、図2の情報処理装置112を複数の装置により実現したり、情報処理装置112の構成要素の一部を他の装置に設けたりようにしてもよい。例えば、太陽高度算出部152、日照状態算出部155、発電量測定部156を他の装置に設けて、太陽高度のデータ、発電状態の算出結果、発電量測定データを外部から取得するようにしてもよい。
また、使用目的に応じて、情報処理装置112の構成要素や機能を削除するようにしてもよい。例えば、発電量を予測する必要がない場合には、日照時間予測部153を削除することが可能である。また、例えば、太陽光発電部111の異常を検出する必要がない場合、異常検出部161を削除することが可能である。
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本発明は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
101 太陽光発電システム
111 太陽光発電部
112 情報処理装置
121 太陽電池モジュール
122 パワーコンディショナ
152 太陽高度算出部
153 日照時間予測部
155 日照状態算出部
156 発電量測定部
158 学習部
160 発電量算出部
161 異常検出部

Claims (11)

  1. 日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出する第1のモデルを、第1の期間の前記太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築するモデル構築部と、
    前記第1のモデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、前記第2の期間の前記太陽光発電の発電量を算出する発電量算出部と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記第1のモデルは、日照時間と太陽高度の正弦との積により求められる日照状態に基づいて前記太陽光発電の発電量を算出するモデルである
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 指定された緯度および経度における太陽高度を算出する太陽高度算出部と、
    与えられた日照時間のデータ、および、前記太陽高度算出部により算出された太陽高度に基づいて、前記日照状態を算出する日照状態算出部と
    をさらに備え、
    前記発電量算出部は、前記日照状態算出部により算出された前記日照状態に基づいて前記太陽光発電の発電量を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 天気予報に基づいて日照時間を予測する日照時間予測部を
    さらに備え、
    前記日照状態算出部は、前記日照時間予測部により予測された日照時間に基づいて、前記日照状態の予測値を算出し、
    前記発電量算出部は、前記日照状態の予測値に基づいて前記太陽光発電の発電量の予測値を算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記モデル構築部は、前記日照時間が0の期間の前記太陽光発電の発電量の測定値に基づいて、前記日照時間が0の期間の前記太陽光発電の発電量を算出する第2のモデルをさらに構築し、
    前記発電量算出部は、前記第2の期間のうち日照時間が0の期間において、前記第2のモデルを用いて前記太陽光発電の発電量を算出する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
  6. 前記発電量算出部により算出された前記第2の期間の前記太陽光発電の発電量の算出値と、前記第2の期間の前記太陽光発電の発電量の測定値とを比較することにより、前記太陽光発電を行うシステムの異常を検出する異常検出部を
    さらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
  7. 前記太陽光発電の発電量を測定する発電量測定部を
    さらに備え、
    前記モデル構築部は、前記発電量測定部により測定された前記第1の期間の前記太陽光発電の発電量の測定値に基づいて、前記第1のモデルを構築する
    ことを特徴とする請求項1乃至6に記載の情報処理装置。
  8. 日照時間および太陽高度に基づいて太陽光発電の発電量を算出するモデルを、第1の期間の前記太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築するモデル構築ステップと、
    前記モデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、前記第2の期間の前記太陽光発電の発電量を算出する発電量算出ステップと
    を含むことを特徴とする発電量算出方法。
  9. 前記第1の期間の前記太陽光発電の発電量を測定する発電量測定ステップを
    さらに含み、
    前記モデル構築ステップにおいて、前記発電量測定ステップにおいて測定された前記第1の期間の前記太陽光発電の発電量の測定値に基づいて、前記モデルを構築する
    ことを特徴とする請求項8に記載の発電量算出方法。
  10. 日照時間および太陽高度に基づいて前記太陽光発電の発電量を算出するモデルを、第1の期間の前記太陽光発電の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築するモデル構築ステップと、
    前記モデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、前記第2の期間の前記太陽光発電の発電量を算出する発電量算出ステップと
    を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 太陽光発電を行う太陽光発電部と、
    前記太陽光発電部の発電量を測定する発電量測定部と、
    日照時間および太陽高度に基づいて前記太陽光発電部の発電量を算出するモデルを、第1の期間の前記太陽光発電部の発電量の測定値、日照時間、および、太陽高度に基づいて構築するモデル構築部と、
    前記モデルを用いて、第2の期間の日照時間および太陽高度に基づいて、前記第2の期間の前記太陽光発電部の発電量を算出する発電量算出部と
    を備えることを特徴とする太陽光発電システム。
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