JP2013072461A - 配管用継手構造 - Google Patents

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【課題】配管と継手部材との連結部を緩みのない構造とすることで、この連結部より配管内の内容物がこぼれ出すのを防止することができ、そのうえ、ねじ込み式の連結構造でなくなるため、加工コストの低減を図ることができる。
【解決手段】プローブ管1の先端内に継手部材2の連結端22を嵌合する連結凹部12が設けられ、配管軸Oを挟んだ両側にそれぞれプローブ管1の外周面の一方部分から他方部分へ向けて貫通して互いに間隔をあけて配置される一対の貫通孔13A、13Bが設けられ、貫通孔13A、13B同士は、連結端22の径寸法よりも小さい離間で配置され、連結端22には外周に沿って全周にわたって延在する外周溝24が設けられ、クリップ3は、挿入部3a、3b同士が互いに近接する方向に付勢された弾性部材からなり、挿入部3a、3bが貫通孔13A、13Bに挿入された状態で外周溝24の一部に係合する構成の配管用継手構造Tを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば飲料等の液体が収容されている容器に使用される配管用継手構造に関するものである。
従来、炭酸ガス等の圧縮ガスをビール容器内に供給し、その圧縮ガス圧を利用してビールを注出するビールサーバが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ビール容器の口部にビール導出路を有する装着体(プローブ管)を回転可能に設け、その装着体のビール導出路の下部側にはサイフォンチューブがビール容器内に延在するとともに、ビール導出路の注出側の端部には雄ねじ式の継手が装着され、さらにその継手にビール注出部がビール導出チューブを介して接続された構成のビールサーバについて開示されている。
特開2001−146299号公報
しかしながら、上述した特許文献1では、使用時にはビール容器に対して装着体(プローブ管)に設けられるビール注出部を適当な位置に繰返し回して使用することでビールを注出している。このとき、ビール導出路をなすプローブ管と継手との接続がねじ込み式であるため、プローブ管の回転に伴って生じる振動によって継手のねじが緩み、ビールサーバの場合にはビール(内容物)がプローブ管と継手との接続箇所からこぼれ出るという問題があった。
また、プローブ管が金属により形成されている場合、ねじの加工にコストがかかることから、その点で改良の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、配管と継手部材との連結部を緩みのない構造とすることで、この連結部より配管内の内容物がこぼれ出すのを防止することができる配管用継手構造を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、ねじ込み式の連結構造でなくなるため、加工コストの低減を図ることができる配管用継手構造を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る配管用継手構造は、配管と、配管と連通する流路を有する継手部材と、を配管軸方向に連結する配管用継手構造であって、配管には、その先端内に継手部材の一端である連結端を嵌合する連結凹部が設けられると共に、配管軸を挟んだ両側にそれぞれ配管の外周面の一方部分から他方部分へ向けて貫通して互いに間隔をあけて配置される一対の貫通孔が設けられ、これら貫通孔同士は、連結端の径寸法よりも小さい離間で配置され、連結端には、外周に沿って全周にわたって延在する外周溝が設けられ、一対の貫通孔には、コの字型又はU字型の留め具が挿入され、留め具は、その挿入部同士が互いに近接する方向に付勢された弾性部材からなり、挿入部が貫通孔に挿入された状態で、連結凹部に嵌合された継手部材の外周溝の一部に係合することを特徴としている。
本発明に係る配管用継手構造によれば、コの字型又はU字型の留め具の挿入部が配管の貫通孔に挿入された状態で継手部材の外周溝の一部にも係合しているので、継手部材の配管軸方向への移動が規制され、配管に対する抜け落ちを防止することができる。このとき、貫通孔に挿入されている留め具の弾性力により継手部材の連結端(外周溝)を挟持した構成であり、留め具が摩擦力によって外周溝に接触しているだけなので、その摩擦力に抗して留め具の挿入部が外周溝に沿って周方向に回転可能となる。これにより配管と継手部材とは配管軸を中心にして相対的に回転自在となり、飲料用容器や継手部材を回転させて用いることの多い飲料用サーバ(ビールサーバ等)に適用する場合に使い易く好適である。
しかも、本発明に係る配管用継手構造によれば、留め具が継手部材の外周溝に係合され、弾性力によって外周溝部分を押圧し、その摩擦力によって挟持しているので、継手部材の回転に伴って振動が与えられてもねじ込み式の継手の場合のように緩みが発生することがない。そのため、継手部材と配管との両者間に緩みによる隙間が生じることがなく、配管内を流通する液体が継手部分から漏れ出したり、こぼれ出すのを防ぐことができる。
また、上述したように留め具が継手部材に対して弾性力により挟持する構成であって固定手段で固定されていないので、留め具を引き抜くことが容易である。つまり、留め具を引き抜くことにより、配管に対して継手部材を簡単に離脱させることができるので、頻繁に継手部材を取り外して洗浄することが可能となり、衛生面を向上させて清潔な状態を確保することができる。したがって、本配管用継手構造を飲料用として使用することができ、とくに衛生面に留意しないと風味に影響し易いビールサーバには好適である。
さらにまた、従来のようにねじ込み式の継手構造ではないので、仮に配管が金属により形成されている場合であっても、ねじの加工が不要なため、加工にかかるコストの低減を図ることができる。
また、上記本発明の配管用継手構造において、留め具は、樹脂製であることが好ましい。
このように留め具を弾性変形可能な樹脂製にすることで、留め具の成形が容易になる利点がある。
また、上記本発明の配管用継手構造において、留め具の挿入部は、外周溝の一部と係合する部位において、挿入部同士が互いに離間する方向に凸となる曲部を有することが好ましい。
この場合には、留め具の曲部が配管の外周溝に沿って係合した状態で貫通孔に挿入され、その曲部部分における留め具と外周溝との双方の接触面積が十分に確保されるため、配管に対する継手部材の抜け落ちをより確実に防止することができる。
また、上記本発明の配管用継手構造において、配管がプローブ管であるビールサーバに用いられていることが好ましい。
この場合には、上述したように本発明の配管用継手構造が配管に対して継手部材を配管軸方向を中心にして回転自在なため、注出口を頻繁に回転させて使用するビールサーバに好適であり、この場合、プローブ管をビール容器内に挿入させて用いることが可能である。
本発明に係る配管用継手構造によれば、配管と継手部材との連結部を緩みのない構造とすることで、この連結部より配管内の内容物がこぼれ出すのを防止することができる。また、ねじ込み式の連結構造でなくなるため、加工コストの低減を図ることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態による配管用継手構造の構成を示す縦断面図である。 図1に示すA−A線断面図である。 図2において、クリップを挿入する前の状態を示す図である。 継手部材の連結端を示す拡大側面図である。 プローブ管をビールサーバに用いた一例を模式的に示した図である。 本実施形態の変形例によるクリップの構成を示す斜視図である。 図6に示すクリップの平面図である。 図7に示すクリップを継手部材に挿入した状態の図であって、図2に対応する図である。
以下、本発明に係る配管用継手構造の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の配管用継手構造Tは、例えば液体内容物が収容される容器(図示省略)の口部に装着されるとともに前記容器内に挿入可能なプローブ管1(配管)と、このプローブ管1に対して前記容器とは反対側に接続されてプローブ管1に連通する流路21を有する継手部材2と、プローブ管1と継手部材2とを回転可能に接続するクリップ3(留め具)と、を備えている。
なお、上述したプローブ管1及び継手部材2は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態ではこの共通軸を配管軸Oといい、プローブ管1は軸方向Oを上下方向に向けて前記容器に装着され、上記プローブ管1において、配管軸O方向に沿った継手部材2側(図1で紙面右側)を上側、プローブ管1側(図1で左側)を下側という。また、配管軸Oに直交する方向を径方向といい、配管軸O回りに周回する方向を周方向という。
図1乃至図3に示すように、プローブ管1は、上記液体内容物の流路11が配管軸O方向に沿って設けられた筒状部材であり、上端部1aの内周部には流路11よりも大径で継手部材2の下端(連結端22)を嵌合する連結凹部12を備えている。つまり、流路11と連結凹部12との間には段差が形成されており、連結凹部12の下面(底面)には当接面12aを有している。
連結凹部12を有するプローブ管1の上端部1aには、配管軸Oを挟んだ両側にプローブ管1の外周面の一方部分から他方部分へ向けて貫通して互いに間隔をあけて配置される一対の貫通孔13A、13Bが設けられている。貫通孔13A、13Bは、双方の離間が連結端22の径寸法よりも小さくなり、それぞれ互いに対向する側において連結凹部12に連設している。
継手部材2は、L字状に屈曲した一端の連結端22がプローブ管1の連結凹部12に対して配管軸O方向を中心にして回転可能に嵌合され、他端の口部23には、上記容器内の液体内容物をプローブ管1及び継手部材2の流路11、21を通じて外部に注出するための注出体4が装着されている。図1に示す注出体4は、口部23に対して同軸に装着されており、その軸方向Cは配管軸Oに直交する方向となっている。
連結端22には、外周面に沿って全周にわたって延在する外周溝24が設けられている(図4参照)。外周溝24は、図1に示すように、連結端22の下端面22aが連結凹部12の当接面12aに当接した状態において、配管軸O方向での位置が貫通孔13A、13Bの位置と一致している。外周溝24より下方には、Oリング25が設けられ、連結凹部12の内周面と連結端22の外周面とが液密に接触している。
図3に示すように、クリップ3は、コの字型、或いはU字型に形成され、同一方向に略平行に延びる挿入部3a、3b同士が互いに近接する方向(図3で矢印E方向)に付勢された弾性変形可能な樹脂製の部材であり、挿入部3a、3bのそれぞれがプローブ管1の一対の貫通孔13A、13Bに挿通可能となっている。この挿通状態において、クリップ3は、一対の挿入部3a、3bが連結凹部12に嵌合された継手部材2の連結端22の外周溝24に係合するとともに、挿入部3a、3bの弾性力によって外周溝24の底部24aを挟み込んでいる。
次に、上述したように構成された配管用継手構造の作用について説明する。
図1及び図3に示すように、コの字型又はU字型のクリップ3の挿入部3a、3bがプローブ管1の貫通孔13A、13Bに挿入された状態で、継手部材2の外周溝24の一部にも係合しているので、継手部材2の配管軸O方向への移動が規制され、プローブ管1に対する抜け落ちを防止することができる。
このとき、貫通孔13A、13Bに挿入されているクリップ3の弾性力により継手部材2の連結端22(外周溝24)を挟持した構成であり、クリップ3が摩擦力によって外周溝24に接触しているだけなので、その摩擦力に抗してクリップ3の挿入部3a、3bが外周溝24に沿って周方向に回転可能となる。これによりプローブ管1と継手部材2とは配管軸Oを中心にして相対的に回転自在となり、飲料用容器や継手部材2を回転させて用いることの多い飲料用サーバ(ビールサーバ(後述する図5参照)等)に適用する場合に使い易く好適である。
しかも、クリップ3が継手部材2の外周溝24に係合され、弾性力によって外周溝24の部分を押圧し、その摩擦力によって挟持しているので、継手部材2の回転に伴って振動が与えられてもねじ込み式の継手の場合のように緩みが発生することがない。そのため、継手部材2とプローブ管1との両者間に緩みによる隙間が生じることがなく、プローブ管1の流路11内を流通する液体が継手部分から漏れ出したり、こぼれ出すのを防ぐことができる。
また、クリップ3が継手部材2に対して弾性力により挟持する構成であって固定手段で固定されていないので、クリップ3を引き抜くことが容易である。つまり、クリップ3を引き抜くことにより、プローブ管1に対して継手部材2を簡単に離脱させることができるので、頻繁に継手部材2を取り外して洗浄することが可能となり、衛生面を向上させて清潔な状態を確保することができる。したがって、本配管用継手構造Tを飲料用として使用することができ、とくに衛生面に留意しないと風味に影響し易い上記ビールサーバには好適である。
さらにまた、従来のようにねじ込み式の継手構造ではないので、仮にプローブ管1が金属により形成されている場合であっても、ねじの加工が不要なため、加工にかかるコストの低減を図ることができる。
また、クリップ3を弾性変形可能な樹脂製にすることで、クリップ3の成形が容易になる利点がある。
さらに、上述したように配管用継手構造Tがプローブ管1に対して継手部材2を配管軸O方向を中心にして回転自在なため、注出口を頻繁に回転させて使用するビールサーバに好適であり、本実施の形態のようにプローブ管1をビール容器内に挿入させて用いることが可能である。
ここで、図5にはプローブ管1を用いた一例であるビールサーバを示しており、配管軸Oを鉛直方向に向けた状態のプローブ管1の基端部14をビール樽5の天板中央部に連結し、そのプローブ管1に接続した継手部材2の注出体4にはホース7を介してビールサーバ6が設けられ、ビール樽5内のビールをプローブ管1とホース7とに流通させ、ビールサーバ6内に配される流路61を通して注出コック62からジョッキ等に注出される構成となっている。ビールサーバ6は、箱状のサーバ本体60内部に前記流路61が配設され、その流路61の上流端部61aにはホース7の下流端が接続され、サーバ本体60の流路61の下流端部61bが位置する口部60aには上記注出コック62が連結されている。さらに、サーバ本体60の注出コック62の下方位置には、注出コック62から垂れたビールを受ける受け皿63が設けられている。
上述のように本実施の形態による配管用継手構造では、プローブ管1と継手部材2との連結部を緩みのない構造とすることで、この連結部よりプローブ管1内の内容物がこぼれ出すのを防止することができる。
また、ねじ込み式の連結構造でなくなるため、加工コストの低減を図ることができるという効果を奏する。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では配管としてプローブ管1を採用しているが、これに限定されることはなく、例えば油圧ホースに取り付けた雌型金具に継手部材2を連結する構成とすることも可能である。また、継手部材2の形状についても、L字状に屈曲したものに限定されず、直線状、或いはT字状の継手部材を採用してもよい。
また、本実施形態では樹脂製のクリップ3を採用しているが、例えばゴム製などの他の弾性部材や金属製の材質の部材であってもよい。
さらに、本実施形態では同一方向に略平行に延びる形状の挿入部3a、3bを有するクリップ3を採用しているが、このような形状に制限されることはない。例えば、図6乃至図8に示すように、一対の挿入部3a、3bのそれぞれの継手部材2の外周溝24の一部と係合する部位に挿入部3a、3b同士が互いに離間する方向に凸となる曲部3c、3cを有する形状のクリップ(留め具)3Aを設けることも可能である。
この場合、クリップ3Aの曲部3cがプローブ管1の外周溝24に沿って係合した状態で貫通孔13A、13Bに挿入され、その曲部部分におけるクリップ3Aと外周溝24との双方の接触面積が十分に確保されるため、プローブ管1に対する継手部材2の抜け落ちをより確実に防止することができる。
さらにまた、貫通孔13A、13Bの位置、断面形状、孔径等の構成や、外周溝24の深さ、位置等の構成については、配管や継手部材の形状、径寸法、用途等の条件に応じて適宜変更可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1 プローブ管(配管)
2 継手部材
3、3A クリップ(留め具)
3a、3b 挿入部
3c 曲部
11 流路
12 連結凹部
12a 当接面
13A、13B 貫通孔
21 流路
22 連結端
23 口部
24 外周溝
O 配管軸
T 配管用継手構造

Claims (4)

  1. 配管と、該配管と連通する流路を有する継手部材と、を配管軸方向に連結する配管用継手構造であって、
    前記配管には、その先端内に前記継手部材の一端である連結端を嵌合する連結凹部が設けられると共に、配管軸を挟んだ両側にそれぞれ前記配管の外周面の一方部分から他方部分へ向けて貫通して互いに間隔をあけて配置される一対の貫通孔が設けられ、
    これら貫通孔同士は、前記連結端の径寸法よりも小さい離間で配置され、
    前記連結端には、外周に沿って全周にわたって延在する外周溝が設けられ、
    前記一対の貫通孔には、コの字型又はU字型の留め具が挿入され、
    該留め具は、その挿入部同士が互いに近接する方向に付勢された弾性部材からなり、前記挿入部が前記貫通孔に挿入された状態で、前記連結凹部に嵌合された前記継手部材の前記外周溝の一部に係合することを特徴とする配管用継手構造。
  2. 前記留め具は、樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の配管用継手構造。
  3. 前記留め具の挿入部は、前記外周溝の一部と係合する部位において、前記挿入部同士が互いに離間する方向に凸となる曲部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の配管用継手構造。
  4. 前記配管がプローブ管であるビールサーバに用いられていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の配管用継手構造。
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