JP2013072384A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連結ピン(42)を進退することで隣接するロッカアーム(31,32)を連結・連結解除するアクチュエータ(45)が、シリンダヘッド(4)の側壁(51R)の外表面に設けられた1つ以上のアクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)を介して取り付けられ、シリンダヘッド(4)の側壁(51R)におけるアクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)の近傍に潤滑油路(P1,P2,P3)が形成される内燃機関の可変動弁装置。
【選択図】図6
Description
ソレノイドはその出力軸がカムシャフトと同軸となる位置でシリンダヘッドとヘッドカバーの結合面間に取り付けられる。
そこで、ソレノイドにフィン等の冷却手段を設けたり、熱源から遠くなるようにソレノイドをシリンダヘッドから離したりすると、レイアウトの自由度が制限され、内燃機関が大型化してしまう。
シリンダヘッド(4)に設けられた機関弁(21,22)を開閉駆動する互いに隣接して揺動する2つのロッカアーム(31,32)間をアクチェータ(45)の駆動により連結ピン(42)が進退し、
前記隣接するロッカアーム(31,32)は、前記連結ピン(42)の進行により互いに連結して一体に揺動し、前記連結ピン(42)の退行により連結が解除され互いに独立する車両に搭載される内燃機関の可変動弁装置において、
前記アクチュエータ(45)は、シリンダヘッド(4)の側壁(51R)の外表面に設けられた1つ以上のアクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)を介して取り付けられ、
シリンダヘッド(4)の前記側壁(51R)における前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)の近傍に潤滑油路(P1,P2,P3)が形成されることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置である。
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記潤滑油路(P1,P2,P3)は、前記複数のアクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)のうち少なくとも1つのアクチュエータ取付け部(55d)の近傍を屈曲または湾曲して形成されることを特徴とする。
請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記少なくとも1つのアクチュエータ取付け部(55d)以外の他のアクチュエータ取付け部(55f,55b)の近傍にも、前記潤滑油路(P1,P3)が形成されることを特徴とする。
請求項1ないし請求項3のいずれかの項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記シリンダヘッド(4)の前記側壁(51R)に、前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)の下方に離間して点火プラグ(81)が取り付けられるプラグ取付け部(59)が形成され、
前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)と前記プラグ取付け部(59)との間に、前記潤滑油路(P2)が形成されることを特徴とする。
請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記シリンダヘッド(4)は略起立状態にあり、
シリンダヘッド(4)の左右いずれかの側壁(51R)に前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)および前記プラグ取付け部(59)が形成され、
シリンダヘッド(4)には、前側壁(51FL)の前方冷却風流入口(71)から後側壁(51B)の後方冷却風流出口(72)に抜ける前後冷却風通路(70)とともに、前記前後冷却風通路(70)の途中から分岐して前記プラグ取付け部(59)が形成される側壁(51R)の前記プラグ取付け部(59)に近接した上部の側方冷却風流出口(76a,76b)に抜ける分岐冷却風通路(75)が、燃焼室(13)の天井壁(67)の上面に沿って形成され、
前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)と前記分岐冷却風通路(75)の側方冷却風流出口(76a,76b)との間に、前記潤滑油路(P2)が形成されることを特徴とする。
請求項1ないし請求項5のいずれかの項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)は、前記シリンダヘッド(4)の前記側壁(51R)の外表面より突出して形成されたアクチュエータ取付けボス部(55f,55b,55d)であり、
前記アクチュエータ取付けボス部(55f,55b,55d)に取り付けられた前記アクチュエータ(45)とシリンダヘッド(4)の前記側壁(51R)との間に空気層(49)が形成され、
前記潤滑油路(P1,P2,P3)の一部は、前記空気層(49)に沿って形成されることを特徴とする。
また、アクチュエータ(45)自身の稼動による発熱も潤滑油により冷却される。
アクチュエータ(45)に冷却フィンや導風フィン等の外付けの冷却手段は不要で、シリンダヘッド(4)からアクチュエータ(45)を大きく離す必要がなく、レイアウトの自由度が確保され、内燃機関(1)の大型化を防止できる。
本実施の形態に係る内燃機関1は、自動二輪車等の小型車両に搭載される単気筒の空冷式4ストロークサイクル内燃機関であり、図示されないクランクケースにシリンダブロック3とシリンダヘッド4が下から上に順に重ねられて一体に締結され、シリンダヘッド4の上をヘッドカバー5が覆っている。
シリンダブロック3,シリンダヘッド4,ヘッドカバー5は前方に若干前傾して上方に起立している(図1参照)。
シリンダヘッド13における吸気ポート14の上流側は、燃料噴射弁を備える吸気装置18に連結する吸気連結開口部14cが形成され、排気ポート17の下流側は、排気管19に連結する排気連結管部17cが前方斜め右側に突出している。
また、シリンダヘッド13における排気ポート17の上壁部に一体に嵌着された弁ガイド23gに摺動可能に支持された排気弁23が、排気ポート17の燃焼室13に臨む開口を開閉する。
第1吸気弁21と第2吸気弁22および排気弁23は、いずれも燃焼室13に臨む各開口を閉じるように、弁ばね21s,22s,23sにより上方に付勢されている。
第2吸気ロッカアーム32は、一端に軸支されたローラ32rがカム軸25の休止カムロブ25kに転がり接触し、他端に螺着されたタペットねじ32tが第2吸気弁22の弁ばね22sにより上方に付勢されたバルブステムの上端に接する。
一方、排気ロッカアーム33は、一端に軸支されたローラ33rがカム軸25の排気カムロブ25eに転がり接触し、他端に螺着されたタペットねじ33tが排気弁23の弁ばね23sにより上方に付勢されたバルブステムの上端に接する。
同様に、排気カムロブ25eは、カム軸25の所定の回転角度でカム山が排気ロッカアーム33のローラ33rを上方に移動して排気ロッカアーム33を揺動することで、他端のタペットねじ33tが排気弁23を弁ばね23sに抗して押し、排気ポート17の燃焼室13に臨む開口を所定のタイミングで開く。
ただし、閉弁休止状態で燃料溜りが生じるのを防止するため、休止カムロブ25kは、吸気カムロブ25iと同じ回転角度で僅かにカム山を有し、第2吸気弁22をごく僅か開弁させるようにしている。
以下、可変動弁装置40について説明する。
なお、第1ガイド孔31hと第2ガイド孔32hは、互いに対向する面と反対側に中空の底壁31g,32gが形成されている。
連結ピン42は、第2ガイド孔32hに完全に納まる円柱本体42aと円柱本体42aの右端面の中央から突出し底壁32gの中空孔を貫通するロッド部42bからなり、第1ガイド孔31hと第2ガイド孔32hが左右同軸に連なるときは、連結ピン42の円柱本体42aは第1ガイド孔31hに移動することができる。
そして、連結ピン42への外力がなくなれば、スプリング41sの付勢力により連結解除ピストン41が、連結ピン42を右方に押して退行し第2ガイド孔32h内に納めることで、連結を解除することができる。
伝動ロッド43は左端が拡径した円板部43aを形成している。
連結ピン42は、第2吸気ロッカアーム32とともに揺動するが、揺動できる範囲で揺動する連結ピン42のロッド部42bに対して、常に伝動ロッド43の円板部43aは対向できるだけの面積を有している。
また、シリンダヘッド4の外周壁51には、上下に配列される冷却フィン53を連結するように、シリンダ軸線に略平行に縦リブ54が所要個所に突出形成されている。
図4に示すように、シリンダヘッド4の上端のヘッドカバー5との合せ面52は、五角形をなし、この五角形の合せ面52は5つの側壁の端面であり、よって、外周壁51は、左方を向いた左側壁51L,右方を向いた右側壁51R,後方を向いた後側壁51B,前方斜め左を向いた左前側壁51FL,前方斜め右を向いた右前側壁51FRの5つの側壁で概ね五角筒状をなす。
そして、シリンダヘッド4の右側壁51Rの上部略中央の冷却フィン52が欠損した部分に、可変動弁装置40を駆動するアクチュエータである電磁ソレノイド45が外側から取り付けられる。
この右側壁51Rの円孔56は、右側壁51Rから隔てて突出形成された前記ロッド支持部57に貫通支持される伝動ロッド43と同軸である。
なお、円孔56を貫通したプランジャ45pの端部には制振材47が固着される。
可変動弁装置40は、内燃機関1の低速運転時に連結解除状態として第2吸気弁22を閉弁休止状態とし、第1吸気弁21のみを開閉駆動する。
可変動弁装置40は、内燃機関1の高速運転時に、電磁ソレノイド45を励磁して連結状態として第1吸気弁21と第2吸気弁22を同時に開閉駆動する。
また、電磁ソレノイド45を消磁すると、スプリング41sの付勢力により連結ピン42を一気に退行させ、ロッド部42bが摺接していた伝動ロッド43を右方に移動させるが、伝動ロッド43とプランジャ45pとの間には制振材47が介在するので、両者の間での作動音の発生は抑制される。
前記したように、シリンダヘッド4は、左側壁51L,右側壁51R,後側壁51B,左前側壁51FL,右前側壁51FRの5つの側壁で外周壁51が構成されている。
点火プラグ81は、プラグ取付ボス部59より斜め右上方に突設され、凹部58の右方に位置する(図2参照)。
酸素濃度センサ82は、センサ取付ボス部61の円孔に先端部分を嵌入して先端の検出部を排気連結管部17cの内部に位置させて取り付けられる。
すなわち、排気連結管部17cを左右半割とした半割周壁部からなるとすると、酸素濃度センサ82は、排気連結管部17cにおける右側壁51Rに取り付けられた電磁ソレノイド45とは反対側(左側)となる半割周壁部に取り付けられ、電磁ソレノイド45からできるだけ遠ざけて配置される。
前側の締結ボス部63の排気ポート17を間に挟んだ右方に締結ボス部65が上下にボルト孔65hを貫通させて形成され、後側の締結ボス部64の第1,第2吸気ポート15,16を間に挟んだ右方に締結ボス部66が上下にボルト孔66hを貫通させて形成されている(図4参照)。
4つの締結ボス部63,64,65,66のボルト孔63h,64h,65h,66hにはスタッドボルト(図示せず)が貫通してクランクケースとシリンダブロック3とシリンダヘッド4を一体に締結する。
図6および図7のシリンダヘッド4の右側面図および前面図において、天井壁67と基底壁68との間のVIII−VIII線に沿って切断した断面図を図8に示す。
前方冷却風流入口71は左前側壁51FL下部の内側に先細に凹んだ凹部60の奥に形成されて、前方からの走行風が先細に凹んだ凹部60に案内されて前方冷却風流入口71に入る。
なお、後方冷却風流出口72も後側壁51B下部の凹部69の奥に形成されている。
また、分岐冷却風通路75は、左右に長尺の整流リブ74によって2本に分かれて整流されて右側壁51R下部の凹部58に抜ける側方冷却風流出口76a,76bが形成されている。
特に、側方冷却風流出口76aは、プラグ取付ボス部59に取り付けられる点火プラグ81に対向する(図2参照)。
さらに、分岐冷却風通路75の側方冷却風流出口76aは点火プラグ81に対向しているので、側方冷却風流出口76aを流出した冷却風は点火プラグ81を効果的に冷却することができる。
シリンダヘッド4をクランクケースにシリンダブロックとともに締結するスタッドボルトが貫通する締結ボス部63,64,65,66のボルト孔63h,64h,65h,66hのうち右側壁51Rの後側にあるボルト孔66hが、シリンダブロック側から動弁機構20に潤滑油を導く垂直潤滑油路P1として用いられている。
そして、該垂直潤滑油路P1は、右側壁51Rのカム軸25の高さで前後に延びる水平潤滑油路P2と交差しており、上端開口は締結ナット等で閉塞される。
水平潤滑油路P2の後端開口は栓部材で閉塞され、水平潤滑油路P2の前端はカム軸25の右端を軸支する軸受凹部51pに開口している。
軸受凹部51pにはカム軸25の右端がベアリング28を介して嵌挿され、カム軸25内に形成された軸内油路25pの開口が軸受凹部51pに臨んでいる(図2参照)。
垂直潤滑油路P3は、図6に示す右側面視で、前側のソレノイド取付けボス部55fと円孔56の間を上方に延びている。
また、軸受凹部51pからカム軸25内の軸内油路25pに分流した潤滑油は、カム軸25のカムロブ25i,25k,25eのカム面を潤滑する。
20…動弁機構、21…第1吸気弁、22…第2吸気弁、23…排気弁、31…第1吸気ロッカアーム、32…第2吸気ロッカアーム、
40…可変動弁装置、41…連結解除ピストン、42…連結ピン、43…伝動ロッド、45…電磁ソレノイド、46…ケーシング、48…ボルト、49…空気層、
51…外周壁、51R…右側壁、55f,55b,55d…ソレノイド取付けボス部、56…円孔、63,64,65,66…締結ボス部、67…天井壁、68…基底壁、
70…前後冷却風通路、71…前方冷却風流入口、72…後方冷却風流出口、73…分岐リブ、74…整流リブ、75…分岐冷却風通路、76a,76b…側方冷却風流出口、81…点火プラグ、
P1…垂直潤滑油路、P2…水平潤滑油路、P3…垂直潤滑油路。
Claims (6)
- シリンダヘッド(4)に設けられた機関弁(21,22)を開閉駆動する互いに隣接して揺動する2つのロッカアーム(31,32)間をアクチェータ(45)の駆動により連結ピン(42)が進退し、
前記隣接するロッカアーム(31,32)は、前記連結ピン(42)の進行により互いに連結して一体に揺動し、前記連結ピン(42)の退行により連結が解除され互いに独立する車両に搭載される内燃機関の可変動弁装置において、
前記アクチュエータ(45)は、シリンダヘッド(4)の側壁(51R)の外表面に設けられた1つ以上のアクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)を介して取り付けられ、
シリンダヘッド(4)の前記側壁(51R)における前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)の近傍に潤滑油路(P1,P2,P3)が形成されることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記潤滑油路(P1,P2,P3)は、前記複数のアクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)のうち少なくとも1つのアクチュエータ取付け部(55d)の近傍を屈曲または湾曲して形成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記少なくとも1つのアクチュエータ取付け部(55d)以外の他のアクチュエータ取付け部(55f,55b)の近傍にも、前記潤滑油路(P1,P3)が形成されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記シリンダヘッド(4)の前記側壁(51R)に、前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)の下方に離間して点火プラグ(81)が取り付けられるプラグ取付け部(59)が形成され、
前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)と前記プラグ取付け部(59)との間に、前記潤滑油路(P2)が形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの項に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記シリンダヘッド(4)は略起立状態にあり、
シリンダヘッド(4)の左右いずれかの側壁(51R)に前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)および前記プラグ取付け部(59)が形成され、
シリンダヘッド(4)には、前側壁(51FL)の前方冷却風流入口(71)から後側壁(51B)の後方冷却風流出口(72)に抜ける前後冷却風通路(70)とともに、前記前後冷却風通路(70)の途中から分岐して前記プラグ取付け部(59)が形成される側壁(51R)の前記プラグ取付け部(59)に近接した上部の側方冷却風流出口(76a,76b)に抜ける分岐冷却風通路(75)が、燃焼室(13)の天井壁(67)の上面に沿って形成され、
前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)と前記分岐冷却風通路(75)の側方冷却風流出口(76a,76b)との間に、前記潤滑油路(P2)が形成されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記アクチュエータ取付け部(55f,55b,55d)は、前記シリンダヘッド(4)の前記側壁(51R)の外表面より突出して形成されたアクチュエータ取付けボス部(55f,55b,55d)であり、
前記アクチュエータ取付けボス部(55f,55b,55d)に取り付けられた前記アクチュエータ(45)とシリンダヘッド(4)の前記側壁(51R)との間に空気層(49)が形成され、
前記潤滑油路(P1,P2,P3)の一部は、前記空気層(49)に沿って形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかの項に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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