以下に添付図面を参照して、本発明にかかる遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、本発明にかかる遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した例である。
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す説明図である。図1に示すように、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機(本体)100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、遊技球を発射する不図示の発射部が配置されている。
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
第2始動口106の近傍には、普通電動役物(後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき動作する役物)としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイドによっておこなわれる。
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
また、遊技盤101には、盤ランプが設けられ、演出内容に応じて点滅、点灯色等が点灯制御されている。遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄が表示される第1特別図柄表示部と、第2特別図柄が表示される第2特別図柄表示部とを有する。
ここで、第1特別図柄は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第2特別図柄は、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。これらの大当たり抽選で大当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態となる。
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選で当たりに当選した場合、上述したように、所定期間、電動チューリップ107は開状態となる。特別図柄表示部112や普通図柄表示部113としては、7セグメントディスプレイなどを採用することができる。
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留球の数(以下「保留球数」という)を表示する保留球数表示部114が配置されている。たとえば、保留球数表示部114としてはLEDが用いられる。この保留球数表示部114としては、複数のLEDを備えるLED表示器などを採用することができる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材115は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、各ランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。また、各ランプは、ぱちんこ遊技機100の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機100を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることもできる。
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル117は、上記の枠部材115と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル117は、発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、操作ハンドル117には、遊技者が発射指示部材118を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射させる。
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン119、カーソルキー120が設けられている。演出ボタン119、カーソルキー120は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。また、枠部材115には、音声を出力するスピーカ121が組み込まれている。
画像表示部104の遊技者から見て前面となる位置には、第1可動役物131および第2可動役物132が配置されている。第1可動役物131および第2可動役物132は、駆動モータなどの駆動部を備え、画像表示部104の前面を移動自在にする。第1可動役物131は、所定の演出時に画像表示部104の上方から画像表示部104の前面中央に高速に移動(落下)するものである。図1では、所定の演出時ではない退避した状態を示している。
第2可動役物132は、互いに近接自在に開閉移動する一対の装飾可動体を備えている。第2可動役物132は、通常時には画像表示部104左右に設けられた収容スペースに収容されている。第2可動役物132を用いる演出がおこなわれると、収容スペースから図1に示すように、画像表示部104の前面へ進出する。第1可動役物131の詳細な構成については、図2−1などを用いて後述する。また、第2可動役物132の詳細な構成については、図5を用いて後述する。
また、画像表示部104の上部には装飾カバー140が設けられており、装飾カバー140内には第3可動役物(図3−1の符号350)が収容されている。第3可動役物は、予め定めた特定の演出時に装飾カバー140内の退避位置から、画像表示部104の前面の進出位置に移動する。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105や第2始動口106へ入賞すると、入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。第1始動口105へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示する。第2始動口106へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示する。
特別図柄表示部112にて特別図柄の変動表示を開始すると、これに合わせて、画像表示部104にて3つの装飾図柄(演出用の図柄)の変動表示を開始する。その後、特別図柄の変動表示を開始して所定期間が経過したときには、ぱちんこ遊技機100は、変動表示開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で、変動表示中の特別図柄を停止表示する。
また、これに合わせて、3つの装飾図柄を大当たり抽選の抽選結果を示す組み合わせで停止表示する。たとえば、大当たりを示す組み合わせとしては、3つの装飾図柄が同一図柄を示す組み合わせ、いわゆる「ゾロ目」などがある。
大当たりを示す図柄で特別図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機100は、遊技状態を大当たり遊技状態として、当選した大当たりに応じたラウンド数分(たとえば15ラウンド)、大入賞口109を開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。
(第1可動役物の構成)
つぎに、図2−1〜図2−3を用いて、第1可動役物の構成について説明する。図2−1は、本実施の形態の第1可動役物の構成例を示す正面図である。図2−2は、本実施の形態の第1可動役物の構成例を示す側面図である。図2−3は、本実施の形態の第1可動役物の構成例を示す分解斜視図である。第1可動役物131は、図1に示した画像表示部104の上方に設けられるものである。
図2−1および図2−2は、第1可動役物131が退避した退避状態を示している。図2−1および図2−2において、第1可動役物131の正面部201は、ヨーヨーを形取った円形状をなし、固定配置されている。この正面部201の背部には、駆動部210の駆動により下降自在な円形状のヨーヨーを形取った装飾体202(第1可動役物131)が設けられている。
図2−2に示すように、第1可動役物131は、駆動モータ211を具備する駆動部210を有している。駆動モータ211は、複数のギアからなるギア機構200を動作させる。ギア機構200は、以下に説明する各ギアである。駆動モータ211の回転軸には、第1ギア機構212が連結されている。第1ギア機構212は、ウォームギア220を有する。ウォームギア220は、駆動モータ211の出力軸に固定されたウォーム220aと、ウォーム220aに歯合連結するウォームホイール220bとからなる。
つぎに、第1可動役物131のスライド機構について説明する。スライド機構は、第1可動役物131を鉛直方向に退避位置から進出位置へ移動させる機構である。第1ギア機構212は、中間体214に連結されている。図2−3に示すように、中間体214は、固定部材214aと、第1可動体214bと、第2可動体214cとからなる。固定部材214aは、第1ギア機構212が駆動した場合であっても動作せず、すなわち、ぱちんこ遊技機100の筐体に対して固定された状態を保持する。
固定部材214aには、開口231が設けられている。第1ギア機構212は、この開口231を介して、第1可動体214bに設けられる第1ラックギア240に歯合連結している。また、固定部材214aには、長孔233が設けられている。この長孔233には、第1可動体214bに設けられる係止突起243が遊嵌している。係止突起243には、係止突起243が長孔233から脱落することを防止するための係止部材244がビス留めにより固定されている。
これにより、駆動モータ211の回転にともなって、第1可動体214bは、固定部材214aに対して上下移動できるようになっている。また、第1可動体214bには、複数のギアからなる第2ギア機構242が設けられている。第2ギア機構242のうち一端のギア242aは、第1可動体214bの開口241を介して、固定部材214aに設けられる第2ラックギア232に歯合連結している。さらに、第2ギア機構242のうち他端のギア242bは、第2可動体214cに設けられる第3ラックギア230に歯合連結している。
これにより、第2可動体214cは、第1可動体214bの上下移動にともなって第1可動体214bとともに上下移動するとともに、第2ギア機構242の回転により固定部材214aに対する変位にともなって、第1可動体214bに対しても変位(昇降)するようになっている。
また、駆動モータ211を支持するモータ支持部250にセンサ280が設けられている。センサ280は、コの字状に形成され、発光部と受光部が対向して配置される光学センサ(フォトインタラプタ)からなる。センサ280は、係止部材244に設けられる被検出部245を検出する。
具体的には、発光部と受光部との間に被検出部245が位置し、センサ280が被検出部245を検出している場合、第1可動体214bが退避位置付近に位置していることが検出されることになる。一方、発光部と受光部との間に、被検出部245が位置せず、センサ280が被検出部245を検出しない場合、第1可動体214bが退避位置付近に位置していないことが検出されることになる。
図2−4は、本実施の形態の第1可動役物の動作を示す側面図である。駆動モータ211が回転すると、この回転にともなって、第1ギア機構212が回転する。第1ギア機構212が回転すると、第1ラックギア240によって第1可動体214bが下降する。このとき第1可動体214bに設けられる第2ギア機構242は、固定部材214aの第2ラックギア232に対して回転し、この回転力を第2可動体214cの第3ラックギア230に伝達し、第2可動体214cを下降させる。
すなわち、第2可動体214cは、駆動モータ211によって直接駆動されるのではなく、固定部材214aに設けられる第2ラックギア232に歯合する第2ギア機構242を介して駆動力を得る構成となっている。
このように、第1可動体214bは、固定部材214aに対してのみ上下移動するものである。一方、第2可動体214cは、第1可動体214bとともに固定部材214aに対して上下移動するとともに、第1可動体214bに対しても上下移動するようになっている。このような構成により、第1可動役物131は、移動距離を長くし、インパクトのある演出をおこなえるようになっている。
(第1可動役物に接続されるフレキシブルケーブルの支持構造)
つぎに、図3−1、図3−2および図4を用いて、第1可動役物131に接続されるフレキシブルケーブルの支持構造について説明する。図3−1は、第1可動役物に接続されるフレキシブルケーブルの支持構造を示す説明図(その1)である。図3−2は、第1可動役物に接続されるフレキシブルケーブルの支持構造を示す説明図(その2)である。図4は、フレキシブルケーブルの詳細な支持構造を示す説明図である。
図2−1〜図2−4を用いて説明した通り、第1可動役物131は、退避位置および進出位置を移動する上下移動可能な構成になっている。具体的には、第1可動役物131は、図3−1の実線で示した退避位置と、破線で示した進出位置との間を移動するものである。第1可動役物131の退避位置において第1可動役物131の両横には、複数の第3可動役物350が配置されている。複数の第3可動役物350は、不図示の駆動機構が設けられ、通常時には画像表示部104上部の装飾カバー140(図1参照)内の退避位置に配置され、特定の演出時にはそれぞれが画像表示部104の前面に移動する。
第1可動役物131には、第1可動役物131内に設けられるLEDを点灯させるためのフレキシブルケーブル300が接続されている。フレキシブルケーブル300は、一端が第1可動役物131に固定されており、複数のガイドローラ310と反転ローラ311とを介して、他端がコネクタ312に接続されている。
フレキシブルケーブル300は、複数の内部導体を有し、それぞれ第1可動役物131が備えるLEDおよび駆動モータ211に接続されている。図4に示すように、反転ローラ311は、ぱちんこ遊技機100の筐体に対して移動するスライド部材320に設けられている。スライド部材320は、ガイド長穴321に係合するとともに、付勢バネ330に接続している。スライド部材320は、ガイド長穴321に対してスライド自在になっている。
スライド部材320は、フレキシブルケーブル300が第1可動役物131の進出動作に追従すると、付勢バネ330によって下方向(図3−2のイの方向)に付勢されるようになっている。すなわち、フレキシブルケーブル300が下方向へ付勢されることにより、フレキシブルケーブル300の一端が固設されている第1可動役物131には、第1可動役物131を退避させる方向の力が作用するようになっている。
図3−1および図3−2から明らかなように、本実施の形態では、第3可動役物350が設けられているため、第1可動役物131の上下移動を可能にする構成として、第1可動役物131を側方(右上および左上)から支持するアームなどを用いることができないようになっている。
つまり、フレキシブルケーブル300をアームに連結させるような構成とすることができないようになっている。そのため、本実施の形態では、フレキシブルケーブル300は、移動距離の長い第1可動役物131の動作に追従する構成(上下移動可能な構成)としながら、しかも、第1可動役物131の退避時におけるたわみを防止するため付勢バネ330によって付勢される構成としている。
このように、本実施の形態では、鉛直方向のスライド機構を用いたり、フレキシブルケーブル300を付勢バネ330に付勢させたりすることにより、スペースのない箇所で、重量のある第1可動役物131を、移動距離を長くして動作させることを可能にしている。また、上述したように、ウォームギア220を用いることにより、小型の駆動モータ211を用いることができ、スペースを有効活用している。
(第2可動役物の構成例)
つぎに、図5を用いて、第2可動役物132の構成例について説明する。図5は、第2可動役物の構成例を示す説明図である。本実施の形態の第2可動役物の構成例を示す正面図である。図5に示すように、第2可動役物132は、図1に示した遊技盤101の側部に設けられる一対の移動体501,502によって構成されており、仮面を模した形状をなしている。
一対の移動体501,502は、駆動部510の駆動力によって、互いが接するように開閉自在である。駆動部510は、モータ511の回転軸がギア機構512を介して一対の移動体501,502の下端に設けられたラックギア513,514に連結されている。駆動モータ511が一方向に駆動することにより、ギア機構512を介してラックギア513,514が水平移動し、一対の移動体501,502が互いに接する方向に移動する。
このような構成により、画像表示部104の中央位置で一対の移動体501,502が互いに接合するようになっている。一対の移動体501,502は、予め定めた所定の演出時に、画像表示部104の前面に出現する。
本実施の形態では、第2可動役物132が画像表示部104の両側に設けられているため、第1可動役物131の上下移動を可能にする構成として、第1可動役物131を側方(右上および左上)から支持するアームなどを用いることができないようになっている。つまり、スペースに限りがあるため、フレキシブルケーブル300をアームに連結させるような構成とすることができないようになっている。
本実施の形態では、鉛直方向のスライド機構を用いたり、フレキシブルケーブル300を付勢バネ330に付勢させたりすることにより、スペースのない箇所で、重量のある第1可動役物131を、移動距離を長くして動作させることを可能にしている。
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の内部構成について説明する。図6は、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部600は、ぱちんこ遊技機100における遊技の進行を制御する主制御部601と、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の演出内容を制御する演出制御部602と、ぱちんこ遊技機100がおこなう賞球の払い出しを制御する賞球制御部603とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部601は、CPU(Central Processing Unit)611と、ROM(Read Only Memory)612と、RAM(Random Access Memory)613と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU611は、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行に関する各種プログラムを実行する。ROM612には、CPU611が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムや当該プログラム実行時に用いる各種テーブルなどが記憶されている。RAM613は、CPU611のワークエリアとして機能する。なお、CPU611が上記のプログラムを実行することによりRAM613に設定されたデータは、所定のタイミングで主制御部601に接続された各構成に対して送信される。
すなわち、主制御部601は、CPU611がRAM613をワークエリアとして使用しながら、ROM612に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。たとえば、主制御部601は、主制御基板(公知の技術のため詳細な説明は省略する)によって実現される。
主制御部601には、遊技球を検出する検出手段として機能する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留球数表示部114などが接続される。
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW621と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW622と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW623と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW624と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW625とが主制御部601に接続される。
それぞれのSW(621〜625)による検出結果は主制御部601へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口SW625は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド631と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド632とが主制御部601に接続される。主制御部601は、それぞれのソレノイド(631,632)に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部601は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド631の駆動を、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド632の駆動を、それぞれ制御する。
また、主制御部601は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。たとえば、主制御部601は、第1大当たり抽選をおこなうと第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第1特別図柄を停止表示させる。
同様に、主制御部601は、第2大当たり抽選をおこなうと第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部113の普通図柄を、変動/停止表示させる。
さらに、主制御部601は、演出制御部602および賞球制御部603にも接続され、それぞれに対して各種コマンドを送信する。たとえば、主制御部601は、大当たり抽選をおこなうと、演出制御部602に対して変動開始コマンドを送信する。ここで、変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果(停止表示させる特別図柄の種類)、現在の遊技状態、大当たり抽選の抽選結果を示すまでに特別図柄を変動表示させる時間(以下「変動時間」という)などを示す情報が含まれている。
また、主制御部601は、各入賞口(始動口105,106、大入賞口109、普通入賞口110)へ入賞した遊技球を検出すると、賞球制御部603に対して賞球コマンドを送信する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数などを示す情報が含まれている。
(2.演出制御部)
演出制御部602は、演出統括部602aと、画像・音声制御部602bと、ランプ制御部602cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の演出内容を制御する機能を有する。ここで、演出統括部602aは、主制御部601から受信したコマンド(たとえば変動開始コマンド)に基づいて演出制御部602全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部602bは、演出統括部602aからの指示に基づき、画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部602cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部602aの構成について説明する。演出統括部602aは、CPU641と、ROM642と、RAM643と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)644と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU641は、ぱちんこ遊技機100において演出をおこなう演出制御部602全体を統括するための各種プログラムを実行する。ROM642には、CPU641が上記の処理を実行するために必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM643は、CPU641のワークエリアとして機能する。CPU641がプログラムを実行することによりRAM643にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部602bおよびランプ制御部602cに対して送信される。
すなわち、演出統括部602aは、CPU641がRAM643をワークエリアとして使用しながら、ROM642に記憶されたプログラムを実行することによって、演出制御部602全体を統括するように機能する。たとえば、演出統括部602aは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出を決定し、画像・音声制御部602b、ランプ制御部602cに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部602全体を統括する。
RTC644は、実時間を計時出力する計時手段として機能する。RTC644は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されてもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。また、演出統括部602aには演出ボタン119などが接続されている。演出ボタン119は、操作されたボタンやキーに対応する信号を演出統括部602aへ入力する。
(2−2.画像・音声制御部)
つぎに、画像・音声制御部602bの構成について説明する。画像・音声制御部602bは、CPU651と、ROM652と、RAM653と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU651は、画像表示部104の表示制御に関する処理や、スピーカ121からの音声出力に関する処理をおこなうためのプログラムを実行する。また、CPU651は、有効期間を設定するためのプログラムを実行する。ROM652には、上記の処理をおこなうためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・装飾図柄画像・キャラクタ画像などの画像データなどの演出用データが記憶されている。
RAM653は、CPU651のワークエリアとして機能するとともに、画像表示部104に表示させる画像の表示データやスピーカ121から出力させる音声データが一時的に格納される。たとえば、RAM653には、画像表示部104に表示させる画像をあらわす画像データが一時的に格納されるVRAM(Video RAM)などが含まれる。
すなわち、画像・音声制御部602bは、CPU651がRAM653をワークエリアとして使用しながら、ROM652に記憶されたプログラムを実行することによって、演出統括部602aからの指示に基づき、画像表示部104に表示させる画像や、スピーカ121から出力させる音声の制御をおこなうように機能する。
たとえば、CPU651は、演出統括部602aから指示された指示内容に基づいて、画像表示部104に表示する表示内容を制御する表示制御処理(不図示)、スピーカ121から出力される音声内容を制御する音声制御処理(不図示)などを実行する。このときには、CPU651は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM652から読み出してRAM653に書き込む。
RAM653に書き込まれた背景画像や装飾図柄などの画像データは、VRAM(Video RAM)に格納され、所定のタイミングで画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。たとえば、装飾図柄は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。表示画面上において、同一位置に背景画像と装飾図柄が重なる場合などには、画像を階層構造に重ねたレイヤを設定することにより、装飾図柄を背景画像よりも手前に見えるように表示させる。たとえば、下層のレイヤには背景画像を設定し、その上の階層に装飾図柄を設定し、さらにその上の階層に予告画像を設定したりする。
また、RAM653に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部602bに接続されたスピーカ121に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ121から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
つぎに、ランプ制御部602cの構成について説明する。ランプ制御部602cは、CPU661と、ROM662と、RAM663と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU661は、演出ライト部116や盤ランプ664などのランプの点灯を制御したり、可動役物131,132,350の駆動を制御したりするための処理を実行する。
ROM662には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、当該処理に必要となるデータや、可動役物131,132,350を動作させるための駆動データ(たとえば、図9−2〜図9−4を用いて後述する第1可動役物131の駆動データ)などが記憶されている。また、RAM663は、CPU661のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部602cは、演出ライト部(枠ランプ)116、可動役物131,132,350が有するランプ、盤ランプ664などに接続され、各種ランプの点灯を制御する。このほか、可動役物131,132,350の動作を制御する。たとえば、第1可動役物131に対しては、センサ280の検出結果を用いて、駆動モータ211を制御する。具体的には、第1可動役物131を進出させる場合には、センサ280によって第1可動役物131に設けられる被検出部245(図2−2〜図2−4参照)が検出されなくなると、駆動モータ211を加速させたりする。また、第1可動役物131を退避させる場合には、センサ280によって被検出部245が検出されると、駆動モータ211を停止させたりする。
本実施の形態では、演出制御部602は、演出統括部602aと画像・音声制御部602bとランプ制御部602cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
(3.賞球制御部)
つぎに、賞球制御部603の構成について説明する。賞球制御部603は、CPU681と、ROM682と、RAM683と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU681は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM682には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM683は、CPU681のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部603は、払出部(払出駆動モータ)691と、発射部692と、定位置検出SW693と、払出球検出SW694と、球有り検出SW695と、満タン検出SW696と接続される。
賞球制御部603は、払出部691に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部691は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部603は、払出部691に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部603は、発射部692に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部692は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部603は、発射部692のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部603には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、たとえば、定位置検出SW693、払出球検出SW694、球有り検出SW695、満タン検出SW696などがある。たとえば、賞球制御部603は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
上記構成の主制御部601と、演出制御部602と、賞球制御部603は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部603は、主制御部601と同一のプリント基板上に設けることもできる。
また、主制御部601には、盤用外部情報端子基板697が接続されており、主制御部601が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部603についても、枠用外部情報端子基板698が接続されており、賞球制御部603が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
(第1可動役物に作用する力)
つぎに、第1可動役物131に作用する力と付勢バネ330の伸張との関係について説明する。図7は、第1可動役物に作用する力と付勢バネ330の伸張との関係を示す説明図である。図7において、説明図700は、縦軸には第1可動役物131に作用する力を示し、横軸には付勢バネ330の伸張を示している。付勢バネ330が伸張していない第1可動役物131の退避位置においては、第1可動役物131は重力による進出方向への力が作用している。
第1可動役物131が進出動作を開始すると、重力によって第1可動役物131が進出方向へ移動する。これにともなって付勢バネ330が伸張する。付勢バネ330が伸張すると、釣合い位置を堺に退避方向への付勢力(弾性力)が強く作用する。釣合い位置とは、付勢バネ330の付勢力と、進出方向の重力とが釣合う位置である。
本実施の形態では、所定の演出時に、第1可動役物131を退避位置から進出方向へ向けて高速移動させるようにしている。釣合い位置付近の領域(図中Aの領域)において、釣合い位置付近に至るまでの第1可動役物131と同等の速度で動作させたとすると、駆動モータ211の回転力(トルク)に対して付勢バネ330による付勢力が強くなっているため、円滑な高速動作ができなくなるおそれがある。
そのため、本実施の形態では、釣合い位置付近の領域(図中Aの領域)では、駆動モータ211の回転速度を、釣合い位置付近に至るまでの第1可動役物131の速度よりもわずかに低速とした所定の速度で回転させることによって、トルクを得るようにし、第1可動役物131の円滑な移動を可能にしている。具体的な、駆動モータ211の回転速度とトルクについては、図9−1を用いて後述する。
(駆動モータのモータ特性)
つぎに、図8を用いて、第1可動役物131に用いられる駆動モータ211のモータ特性について説明する。図8は、第1可動役物に用いられる駆動モータのモータ特性を示す説明図である。図8の説明図800は、駆動モータ211のトルクとパルス(回転速度)の関係を示している。トルクは、パルスが小さいほど高くなっている。特に、駆動モータ211は、1100pps(Pulse Per Second)手前から、トルクの低下が著しくなっている。本実施の形態では、1000ppsの高速領域で駆動モータ211を回転させることにより、第1可動役物131を高速に移動させることを可能にしている。
(駆動モータの動作曲線)
つぎに、図9−1を用いて、第1可動役物131に用いられる駆動モータ211の動作曲線について説明する。図9−1は、第1可動役物に用いられる駆動モータの動作曲線を示す説明図である。図9−1のグラフ900は、第1可動役物131の変位と、モータ回転速度(pps)との関係を示している。グラフ910は、第1可動役物131の変位と、トルクとの関係を示したものである。ここで、トルクとモータ回転速度とは、所定の相関関係を有するものであり、具体的には反比例するものであり、グラフ910は、グラフ900を、横軸を対称軸にして反転させたものである。
本実施の形態では、グラフ900に示すように、第1可動役物131を進出させる場合、進出動作直後では、第1可動役物131の落下速度と同等の加速度で、駆動モータ211の回転速度を増加させる。なお、第1可動役物131が落下する際には、ギア機構200の各ギア間の摩擦力や、第1可動役物131の落下に大きな影響を及ぼさない程度の付勢バネによる付勢力などの抵抗力が働くため、重力加速度よりも遅い加速度で落下することになる。
第1可動役物131が変位するにしたがって、付勢バネ330が伸張し、第1可動役物131に対する退避方向への付勢力が大きくなる(図7参照)。釣合い位置付近に至るまでは、駆動モータ211のトルクおよび第1可動役物131の重力によって、第1可動役物131は滑らかに下方へ移動する。
一方、釣合い位置付近(図中Aの領域)に至ると、進出方向への力(第1可動役物131の重力)と付勢力とが拮抗してくる。ここで、釣合い位置付近において、1000ppsで駆動モータ211を回転させたとすると、付勢バネ330の付勢力が駆動モータ211のトルクに対して大きくなり、第1可動役物131が円滑に高速動作しなくなる。
そこで、本実施の形態では、釣合い位置付近(図中Aの領域)では、釣合い位置の付近に至る直前の第1可動役物131の移動速度に基づく所定の回転速度(低速)にして大きなトルクを得るようにしている。なお、回転速度を落としているものの、この回転速度は、第1可動役物131が高速に動作しているため、遊技者が第1可動役物131の減速を視認できるほどの速度ではない。
また、第1可動役物131が釣合い位置を超えてさらに進出方向に動作した場合、付勢バネ330もさらに伸びることにより付勢力も増大するが、本実施の形態では、重力による進出力が作用していることからも、釣合い位置付近で一端トルクを得ることにより、その後は駆動モータ211を高速に回転させることが可能な程度の付勢力が作用することとなる。これについて補足しておくと、たとえば、釣合い位置付近において必要な力は、止まっているものを動かす際の力のように、ある特定の領域で大きな力が必要になるものであり、釣合い位置付近において最も大きな力を要するようになっている。
言い換えれば、本実施の形態において、付勢バネ330による付勢力は、第1可動役物131の動作に常に影響を与えるような大きなものではなく、駆動モータ211を1000ppsなどの高速回転させた場合に、特定の領域(釣合い位置)においてのみ第1可動役物131の動作に影響を及ぼす程度の大きさのものとなっている。
(駆動データの一例)
つぎに、図9−2〜図9−4を用いて、第1可動役物131に用いられる駆動モータ211の駆動データの一例について説明する。図9−2は、第1可動役物の初動時に用いられる初動駆動データの一例を示す説明図である。図9−2に示す初動駆動データ920は、第1可動役物131を進出動作させる際に、センサ280によって第1可動役物131に設けられる被検出部245(図2−2〜図2−4参照)が検出されなくなる位置(以下「非検出位置」という)に到達するまでの間(いわゆる「フォト抜け」までの間)、用いられるデータである。
つまり、初動駆動データ920は、第1可動役物131がわずかに下方へ移動するまでの間、用いられるデータである。初動駆動データ920は、ランプ制御部602cのROM662に記憶されている。なお、本発明の第1範囲は、第1可動役物131の動作開始からフォト抜けするまでの範囲である。また、本発明の第2範囲は、フォト抜け後の範囲である。
初動駆動データ920は、ステップ数と回転速度(パルス)との関係を示している。具体的に説明すると、たとえば、最初の10ステップは450ppsで回転させ、つぎの10ステップは550ppsで回転させるデータとなっている。第1可動役物131(第1可動体214b)が下方へ移動することによって、センサ280によって被検出部245が検出されなくなると、図9−3に示す通常駆動データまたは図9−4に示す特殊駆動データに切り替えられる。
図9−3は、初動終了後に用いられる通常駆動データの一例を示す説明図である。図9−3において、通常駆動データ930は、非検出位置に到達した初動終了時(フォト抜け時)に駆動モータ211が550ppsで回転している場合に用いられる。具体的には、通常駆動データ930は、最初の20ステップは700ppsで回転させ、つぎの2ステップは801ステップで回転させ、以降、所定ステップ毎に回転速度がそれぞれ対応付けられている。このような通常駆動データ930は、第1可動役物131が進出位置に到達してさらに退避位置に戻るまで、各ステップ数と回転速度とが対応付けられている。通常駆動データ930は、ランプ制御部602cのROM662に記憶されている。
符号xに示す間の駆動データは、ステップ数の増加(切り替え)にともなって、回転速度も上がるようになっており、第1可動役物131の落下速度に相当する速度データである。なお、符号xに示す間の駆動データは、第1可動役物131の落下速度よりも遅い速度とならないものであればよく、たとえば、第1可動役物131の落下速度よりも速い速度となるデータとしてもよい。
符号yに示す駆動データは、図9−1のAの領域(釣合い位置付近の領域)のデータを示している。すなわち、回転速度を落とし、大きなトルクを得るようにしている。なお、回転速度を落としているものの、この減速は、第1可動役物131が高速に動作しているため、遊技者が減速を視認できるほどの速度ではない。また、符号zに示す駆動データは、釣合い位置を過ぎてから高速に動作させるデータを示している。
図9−4は、初動終了後に用いられる特殊駆動データの一例を示す説明図である。図9−4において、特殊駆動データ940は、非検出位置に到達した初動終了時(フォト抜け時)に駆動モータ211が450ppsで回転している場合に用いられる。具体的には、特殊駆動データ940は、第1調整データ941を用いて最初の5ステップは550ppsで回転させるものである。
そして、つぎの20ステップは700ppsで回転させ、以降、所定ステップ毎に回転速度がそれぞれ対応付けられている。つまり、特殊駆動データ940は、すぐに700ppsで回転させずに、550ppsを介在させている点が、図9−3に示した通常駆動データ930とは異なっている。
ここで、初動終了時に450ppsで駆動回転している場合について補足する。初動終了時には、本来であれば、駆動モータ211が550ppsで回転していなければならない。ところが、台毎のバラツキや退避動作時におけるバラツキのほか、経時使用などにより、第1可動役物131が本来の退避位置よりも若干進出した位置(下がった位置)で退避している場合がある。この場合、第1可動役物131は、若干下がっている位置から、進出動作を開始することとなる。
このような進出動作がおこなわれると、センサ280によって被検出部245が検出されなくなる非検出位置に到達するまでの距離が通常よりも短くなり、550ppsのデータを出力する前に非検出位置に到達することとなる。このような場合に、非検出位置を過ぎてから通常駆動データ930(図9−3参照)を用いたとすると、450ppsから700ppsへと、いきなり高速に遷移することとなり、トルクが足りずに、円滑に動作しなくなるおそれがある。
そのため、特殊駆動データ940は、第1調整データ941を用いて最初の5ステップでは550ppsで回転させるようにし、いきなり高速に遷移することを抑止している。また、550ppsで回転させる5ステップ分、ステップ数が多くなるが、第2調整データ942に示すように、低速域に比べて広域な高速域のステップ数を5ステップ分、減少させている。
これにより、特殊駆動データ940を用いたことによる第1可動役物131の挙動の変化を遊技者に分かりにくくしながら、総ステップ数を増加させないようにしている。このような特殊駆動データ940は、第1可動役物131が進出位置に到達してさらに退避位置に戻るまで、各ステップ数と回転速度とが対応付けられている。特殊駆動データ940は、ランプ制御部602cのROM662に記憶されている。
(特殊駆動データの他の一例)
ここで、図9−5を用いて、特殊駆動データの他の一例について補足しておく。図9−5は、初動終了後に用いられる特殊駆動データの他の一例を示す説明図である。図9−5において、特殊駆動データ950は、非検出位置に到達した初動終了時(フォト抜け時)に駆動モータ211が450ppsで回転している場合に用いられる。
具体的には、特殊駆動データ950は、図9−4に示した特殊駆動データ940と同様、第1調整データ941を用いて最初の5ステップは550ppsで回転させ、つぎの20ステップは700ppsで回転させ、以降、所定ステップ毎に回転速度がそれぞれ対応付けられている。つまり、特殊駆動データ950は、図9−4に示した特殊駆動データ940と同様に、すぐに700ppsで回転させずに、550ppsを介在させるようにしている。
本実施の形態にかかる第1可動役物131は、釣合い位置付近において、大きなトルクが必要となるため、符号yに示すように、回転速度を落として、大きなトルクを得るようにしている。ここで、釣合い位置に到達する前に、第1調整データ941により550ppsにて5ステップ分、ステップ数が増えることにより、図9−4に示した特殊駆動データ940を用いた場合の動作曲線を想定してみると、図9−1の動作曲線(グラフ900)と比べて、550pps以降、5ステップ分、右方向にずれた曲線となり、釣合い位置付近においても、5ステップ分右方向にずれた曲線となり、つまり、釣合い位置付近において本来必要なトルク(速度)に若干の誤差が生じる。
そのため、この誤差を補正すべく、特殊駆動データ950では、補正データ951に示すように、釣合い位置付近に至る手前の998〜1026ppsに対応するステップ数を、通常駆動データ930(図9−3参照)と比べてそれぞれ1ステップずつ計5ステップ分削減させるようにし、釣合い位置付近においては通常駆動データ930(図9−3参照)と同様の駆動データとなるようにしている。
つまり、第1調整データ941によって非検出位置の通過後に増加した5ステップ分を、釣合い位置付近に至る手前で削減させている。このような特殊駆動データ950を用いれば、フォト抜け後に円滑な加速を可能にしながら、よりシビアな加速およびトルクが求められる釣合い位置付近においても、第1可動役物131を円滑に動作させることができる。
なお、特殊駆動データ950は、第1調整データ941によって増加した5ステップ分を、釣合い位置付近に至る手前の補正データ951によって全て削減させるようにしたが、これに限らない。たとえば、釣合い位置付近に至る手前の補正データ951を3ステップ分削減させ、図9−4の特殊駆動データ940の第2調整データ942のように、高速域において2ステップ分削減させたりしてもよい。つまり、特殊駆動データ950は、釣合い位置付近におけるデータが通常駆動データ930(図9−3参照)の釣合い位置付近におけるデータと近くなるものであればよい。
(ランプ制御部の機能的構成)
つぎに、図10を用いて、本実施の形態にかかるランプ制御部602cの機能的構成について説明する。図10は、本実施の形態にかかるランプ制御部の機能的構成を示すブロック図である。図10において、ランプ制御部602cは、判定部1001と、動作制御部1002と、記憶部1010とを備えている。動作制御部1002は、センサ280と、駆動モータ211とに接続されており、第1可動役物131の動作を制御する。
第1可動役物131は、遊技盤101に対して予め定めた移動範囲内を進退自在に動作する。具体的には、第1可動役物131は、退避した退避位置と進出した進出位置との間を移動するものである。本実施の形態では、第1可動役物131は、上下方向の移動をおこなうものであるが、これに限らず、横方向や斜め方向などに移動するものであってもよい。
センサ280は、本発明の検出手段に相当し、第1可動役物131の移動範囲内に配置されて、第1可動役物131が所定の位置に位置したことを検出する。本実施の形態において、センサ280は、第1可動役物131の原点位置を検出するセンサであり、具体的には、第1可動役物131が退避動作を停止させるためのものである。たとえば、原点センサによって第1可動役物131が検出されている位置が原点位置となる。
原点位置は、第1可動役物131が備える被検出部245(図2−3参照)が検出される位置であり、つまり、被検出部245がセンサ280の光を遮る位置であり、一定の範囲を有する。一定の範囲とは、具体的には、被検出部245の上端がセンサ280によって検出されている位置から、被検出部245の下端がセンサ280によって検出されている位置までの範囲である。
また、第1可動役物131を検出する「所定の位置」とは、センサ280によって第1可動役物131の被検出部245が検出されなくなる非検出位置(フォト抜けする位置)であり、具体的には、第1可動役物131の動作速度を変更させる位置である。非検出位置は、第1可動役物131が退避位置(原点位置)からわずかに進出した位置である。
なお、「所定の位置」は、センサ280によって検出される非検出位置に限らず、第1可動役物131の移動範囲内の任意の位置とすることも可能である。具体的には、第1可動役物131を検出する他のセンサを、第1可動役物131の動作速度を変更させるための任意の位置に配置し、当該センサによって第1可動役物131が検出される位置を「所定の位置」とすることも可能である。
判定部1001は、第1可動役物131の所定の動作時に、第1範囲における第1可動役物131の動作状態を判定する。「所定の動作」とは、第1可動役物131を用いた演出時に進出移動することである。「第1範囲」とは、第1可動役物131の動作開始からセンサ280によって非検出位置への到達が検出されるまでの範囲であり、つまり、フォト抜けするまでの範囲である。動作状態とは、具体的には、第1可動役物131の移動速度である。
すなわち、判定部1001は、第1範囲における第1可動役物131の動作状態の判定として、第1範囲における第1可動役物131の動作速度を判定する。判定部1001は、具体的には、フォト抜けした際の初動駆動データ920(図9−2参照)を参照し、450ppsであるか550ppsであるかを判定する。なお、動作速度の判定については、これに限らず、たとえば、第1範囲における任意の2点間を移動する時間から速度を求めて、動作速度が所定の閾値に達しているか否かを判定するようにしてもよい。
動作制御部1002は、判定部1001によって判定された第1範囲における第1可動役物131の動作状態に基づいて、第1範囲後の第2範囲における第1可動役物131の動作を制御する。「第2範囲」とは、フォト抜け後の範囲である。具体的には、動作制御部1002は、第1範囲における第1可動役物131の移動速度に基づいて、第2範囲における第1可動役物131の移動速度を制御する。本実施の形態において、第2範囲では、動作制御部1002は、第1可動役物131を加速させるようにするが、減速させたり、等速にさせたりしてもよい。
また、駆動モータ211は、第1可動役物131に接続され、回転速度と回転力とに相関関係を有して駆動回転するものである。相関関係とは、具体的には、反比例の関係である。なお、駆動モータ211の能力であるモータ出力は、一般に、回転速度とトルクとの積によりあらわされるものであり、つまり、回転速度が上がればトルクが下がり、回転速度が下がればトルクが上がるようになっている。
動作制御部1002は、駆動制御部1003を有する。駆動制御部1003は、フォト抜けするまでの第1範囲では、駆動モータ211を、低速、中速および高速のうち、低速または中速に制御する。本実施の形態において、低速とは450ppsであり、中速とは550ppsであり、高速とは550ppsを超えるパルス速度である。
具体的には、動作制御部1002は、記憶部1010に記憶されている駆動データ920,930,940(図9−2〜図9−4参照)を用いて、駆動モータ211を駆動回転させる。駆動制御部1003は、第1範囲においては、初動駆動データ920(図9−2参照)を用いて、450ppsまたは550ppsのいずれか一方で、駆動モータ211を駆動回転させる。
判定部1001は、第1範囲における第1可動役物131の動作状態の判定として、非検出位置(フォト抜け時)における駆動モータ211の回転速度が、低速(450pps)または中速(550pps)のいずれか一方であるかを判定する。駆動制御部1003は、判定部1001によって非検出位置における駆動モータ211の回転速度が中速(550pps)であると判定された場合、第2範囲(フォト抜け後)では駆動モータ211を高速(700pps)に制御する。具体的には、動作制御部1002は、第2範囲では、通常駆動データ930(図9−3参照)を用いて、高速の700ppsで駆動モータ211を回転させる。
また、駆動制御部1003は、判定部1001によって第1範囲における駆動モータ211の回転速度が低速(450pps)であると判定された場合、具体的には、退避位置において第1可動役物131が通常よりも下方に位置し、初動駆動データ920の550ppsを出力する前にフォト抜けした場合、第2範囲では駆動モータ211を中速(550pps)に制御した後に、高速(700pps)に制御する。
すなわち、動作制御部1002は、フォト抜け直後の第2範囲では、450ppsから700ppsへと急激な速度変化によるトルク不足が起こらないよう、特殊駆動データ940(図9−4参照)を用いることにより、中速の550ppsで駆動回転させた後に、高速の700ppsで駆動モータ211を回転させる。
また、本実施の形態において、駆動モータ211は、パルス駆動されるパルスモータからなるものである。駆動制御部1003は、パルス制御部1004を具備する。パルス制御部1004は、フォト抜け後の第2範囲では規定数のパルスを出力する。「規定数のパルス」とは、第2範囲における総パルス数であり、不変なものとしている。
パルス制御部1004は、判定部1001によって第1範囲における駆動モータ211の回転速度が中速(550pps)であると判定された場合、第2範囲では高速のパルス(700pps)を出力する。また、パルス制御部1004は、判定部1001によって第1範囲における駆動モータ211の回転速度が低速(450pps)であると判定された場合、第2範囲では中速のパルスを所定数(たとえば5ステップ分)出力した後、高速のパルスを所定数(5ステップ分)減少させて出力する。
すなわち、中速のステップ数を増加させた分、高速のステップ数を減少させ、総パルス数を不変にしている。これにより、釣合い位置でのトルクを確保しながら、第1可動役物131の移動距離を一定に保つことができるようにしている。
ここで、本実施の形態にかかる第1可動役物131は、「所定の進出力」が働くことにより進出方向へ移動するとともに、当該移動にともなって「進出力とは逆方向の作用力」が働くものであるが、この点について補足しておく。「所定の進出力」とは、本実施の形態では重力のみであるが、重力および駆動モータ211による回転力としてもよいし、駆動モータ211による回転力のみとしてもよい。
また、たとえば、第1可動役物131を進出方向へ付勢する付勢部材を備えた構成とした場合には、「所定の進出力」は、当該付勢部材による付勢力を考慮したものとすればよい。具体的には、たとえば、付勢部材を用いて下方から上方へ第1可動役物131を移動させる構成とした場合や、付勢部材を用いて横方向に移動させる構成とした場合には、「所定の進出力」は、付勢部材による付勢力を考慮したものとすればよい。
また、第1可動役物131に働く「進出力とは逆方向の作用力」とは、図3−2に示した付勢バネ330による付勢力である。付勢バネ330は、フレキシブルケーブル300の他端に連結され、第1可動役物131の進出方向への移動にともなってフレキシブルケーブル300に対して進出力とは逆方向の付勢力を作用させる。
センサ280は、第1可動役物131の退避位置(原点位置)に設けられており、すなわち、釣合い位置よりも退避位置側に配置されている。釣合い位置は、作用力(付勢バネ330の付勢力)により進出力が所定量以下となる位置であり、具体的には、付勢バネ330の付勢力と、進出方向の重力とが釣合う位置である。
本実施の形態では、駆動制御部1003は、図9−1に示したように、釣合い位置の近傍において、駆動モータ211を減速させて、所定のトルクを得るようにし、第1可動役物131を円滑に動作させるようにしている。所定のトルクは、釣合い位置の近傍に至る直前の第1可動役物131の移動速度の低下を極力抑えた回転力であるとともに、付勢力に比べて進出力の方が大きくなるような回転力である。
なお、本実施の形態のように釣合い位置が生じる構成では、第1可動役物131が所定の位置に到達したことを検出するためのセンサ280の配置位置を限定する必要がある。具体的には、センサ280を、少なくとも、図9−1に示した釣合い位置に至る手前の加速を示す曲線にあたる範囲内(図9−3のxの範囲を経過する前)に設ける必要がある。
なお、仮に、釣合い位置の手前で滑らかな加速ができなかった場合には、よりシビアな加速およびトルクが求められる釣合い位置においても、第1可動役物131を円滑に動作させることができなくなってしまう。本実施の形態では、釣合い位置に到達する前の非検出位置において、駆動モータ211が中速(550pps)に達していない場合には、フォト抜け後に、駆動モータ211を中速(550pps)で駆動回転させることにより、釣合い位置に至るまでに、第1可動役物131を円滑に動作させることができるようになっており、釣合い位置においても第1可動役物131を円滑に動作させることができるようになっている。
なお、駆動モータ211が中速(550pps)に達していない場合に、釣合い位置付近において、より高精度に第1可動役物131を円滑に動作させるためには、図9−5に示した特殊駆動データ950を用いればよい。具体的には、フォト抜け後に、5ステップ分、駆動モータ211を中速(550pps)で駆動回転させつつも、釣合い位置付近に至る手前で、5ステップ分を削減させて、釣合い位置付近において出力するデータを、通常駆動データ930(図9−3参照)の釣合い位置付近におけるデータと同様のものとすればよい。
なお、本実施の形態において、「進出力とは逆方向の作用力」を働かせるものとして付勢バネ330を用いているが、これに限らず、たとえば、退避位置において、第1可動役物131の落下を防止するために退避方向の付勢力を作用させる規制バネを用いた場合も同様の制御をおこなえばよい。
なお、高出力の駆動モータを用いることにより、釣合い位置を生じさせずに、第1可動役物131を円滑に動作させることができるかもしれないが、高出力の駆動モータは、大型化の観点から用いることができない。詳細には、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100は、第2可動役物132や第3可動役物350などを備えており、大型の駆動モータを配置するスペースがないため、低出力の小型の駆動モータ211を用いて、省スペース化を図っている。
また、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100では、小型の駆動モータ211を用いて省スペース化を図っているだけでなく、各種部材や、これらの配置についても省スペース化を図っている。たとえば、第1可動役物131のスライド機構を例に挙げると、ぱちんこ遊技機100は、第2可動役物132や第3可動役物350などを備えており、左右方向から第1可動役物131を指示するアームなどを用いる構成とすることができないため、吊り落とし型のスライド機構を用いている。
特に、本実施の形態のようにスライド機構を用いて第1可動役物131の移動距離を長くした構成では、第1可動役物131の移動にともなってフレキシブルケーブル300を追従させる必要がある。第1可動役物131の移動距離が長くなるほどフレキシブルケーブル300の移動距離も長くなり、フレキシブルケーブル300のたわみを防止する付勢バネ330が必須の構成要素となる。付勢バネ330は、フレキシブルケーブル300の移動距離に比例して、伸張度合い(付勢力)も大きくなる。
つまり、省スペース化を図るためのスライド機構を設けた構成では、付勢力の増加にともなって、釣合い位置が発生しやすくなっているため、第1可動役物131が円滑に動作しにくくなっている。
また、本実施の形態において、第1可動役物131は、駆動モータ211のモータ出力に対して重量があるものを用いている。第1可動役物131の重量によって駆動モータ211が回転し、これにともなって、第1可動役物131が退避位置から進出方向へ落下することを抑止するために、退避位置において第1可動役物131の進出方向への移動を規制するウォームギア220(図2−2参照)を用いている。つまり、省スペース化の観点から、低出力の駆動モータ211やスライド機構を用いており、これらを用いるために、ウォームギア220や、フレキシブルケーブル300や、付勢バネ330を要する構成となっている。
上述した、判定部1001と、動作制御部1002と、駆動制御部1003と、パルス制御部1004とは、ランプ制御部602cのCPU661によって実現される。すなわち、ランプ制御部602cがROM662に記憶されている各種プログラムを実行することにより、駆動制御部1003の機能を実現する。また、記憶部1010は、ランプ制御部602cのROM662によって実現される。
(1.主制御部がおこなう処理)
つぎに、上述した動作を実現するためにぱちんこ遊技機100がおこなう詳細な処理の一例について説明する。まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部601がおこなう処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部601の各処理は、たとえば、主制御部601のCPU611がROM612に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(タイマ割込処理)
図11は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部601は、電源の供給が開始されると、起動処理や電源遮断監視処理などを含んだメイン制御処理(不図示)の実行を開始する。主制御部601は、電源が供給されている間、このメイン制御処理を継続的に実行している。主制御部601は、このメイン制御処理に対して、タイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
図11に示すように、タイマ割込処理において、主制御部601は、まず、主制御部601がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS1101)。主制御部601は、この乱数更新処理において、当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数などの更新をおこなう。
つぎに、主制御部601は、各種スイッチにより検出をおこなうスイッチ処理を実行する(ステップS1102)。このスイッチ処理において、主制御部601は、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(図12参照)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)などをおこなう。
つづいて、主制御部601は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS1103)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理(図13参照)と、普通図柄に関する普通図柄処理(詳細な説明および図示は省略)とを含む。特別図柄処理で、主制御部601は、大当たり抽選をおこなって特別図柄の表示制御をおこなう。普通図柄処理で、主制御部601は、普通図柄抽選をおこなって普通図柄の表示制御をおこなう。
つづいて、主制御部601は、大入賞口109および電動チューリップ107の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS1104)。ここで、電動役物制御処理は、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(詳細な説明および図示は省略する)と、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ処理(詳細な説明および図示は省略する)とを含む。大入賞口処理において、主制御部601は、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口109の動作制御をおこなう。電動チューリップ処理において、主制御部601は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップの動作制御をおこなう。
つづいて、主制御部601は、賞球の払い出し制御に関する賞球処理を実行する(ステップS1105)。賞球処理において、主制御部601は、大入賞口109や普通入賞口110に遊技球が入賞した際に所定個数の賞球を払い出すように賞球制御部603に指示する賞球コマンドを主制御部601のRAM613に設定する。
つづいて、主制御部601は、ステップS1101〜S1105の各処理によりRAM613に設定されたコマンドを賞球制御部603や演出制御部602などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS1106)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部601はメイン制御処理へ戻る。
(始動口スイッチ処理)
つぎに、図12を用いて、タイマ割込処理のスイッチ処理(図11のステップS1102参照)に含まれる始動口スイッチ処理について説明する。図12は、始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、主制御部601は、まず、第1始動口SW621がONになったかを判定する(ステップS1201)。第1始動口SW621がONになっていなければ(ステップS1201:No)、ステップS1206へ移行する。
第1始動口SW621がONになっていれば(ステップS1201:Yes)、主制御部601は、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図保留情報数U1が4未満であるか(U1<4)を判定する(ステップS1202)。第1特図保留情報数U1が4未満でなければ(ステップS1202:No)、すなわち、第1特図保留情報数U1が4以上であればステップS1206へ移行する。
第1特図保留情報数U1が4未満であれば(ステップS1202:Yes)、主制御部601は、第1特図保留情報数U1に「1」を加算した値を、新たな第1特図保留情報数U1の値とする(ステップS1203)。そして、当たり乱数などの各種乱数を特図保留情報として取得し、これをRAM613に記憶する(ステップS1204)。
この後、記憶した保留情報に基づいて事前判定処理をおこなう(ステップS1205)。事前判定処理は、特別図柄の変動開始前に、事前に当たり判定や変動パターン判定などをおこなう処理である。事前判定処理をおこなうと、つづいて、主制御部601は、第2始動口SW622がONになったかを判定する(ステップS1206)。第2始動口SW622がONになっていなければ(ステップS1206:No)、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2始動口SW622がONになっていれば(ステップS1206:Yes)、主制御部601は、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図保留情報数U2が4未満であるか(U2<4)を判定する(ステップS1207)。第2特図保留情報数U2が4未満でなければ(ステップS1207:No)、すなわち、第2特図保留情報数U2が4以上であれば、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2特図保留情報数U2が4未満であれば(ステップS1207:Yes)、主制御部601は、第2特図保留情報数U2に「1」を加算した値を、新たな第2特図保留情報数U2の値とする(ステップS1208)。そして、当たり乱数などの各種乱数を特図保留情報として取得し、これをRAM613に記憶する(ステップS1209)。この後、記憶した保留情報に基づいて事前判定処理をおこない(ステップS1210)、始動口スイッチ処理を終了する。
(特別図柄処理)
つぎに、図13を用いて、タイマ割込処理の図柄処理(図11のステップS1103参照)に含まれる特別図柄処理について説明する。図13は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。特別図柄処理において、主制御部601は、大当たり遊技状態であることを示す大当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS1301)。大当たり遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS1301:Yes)、つまり、大当たり遊技状態であれば、特別図柄処理を終了する。
大当たり遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS1301:No)、特別図柄が変動中であるかを判定する(ステップS1302)。特別図柄が変動中であれば(ステップS1302:Yes)、ステップS1311へ移行する。ステップS1302において、特別図柄を変動中でなければ(ステップS1302:No)、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図保留情報数U2が1以上であるかを判定する(ステップS1303)。
第2特図保留情報数U2が1以上であれば(U2≧1)(ステップS1303:Yes)、第2特図保留情報数U2から「1」を減算した値を、新たな第2特図保留情報数U2の値とし(ステップS1304)、ステップS1307へ移行する。第2特図保留情報数U2が1以上でなければ(ステップS1303:No)、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図保留情報数U1が1以上であるかを判定する(ステップS1305)。
第1特図保留情報数U1が1以上であれば(U1≧1)(ステップS1305:Yes)、第1特図保留情報数U1から「1」を減算した値を、新たな第1特図保留情報数U1の値とし(ステップS1306)、ステップS1307へ移行する。第1特図保留情報数U1が1以上でなければ(ステップS1305:No)、特別図柄処理を終了する。
つづいて、主制御部601は、大当たり抽選処理をおこなって大当たり抽選の抽選結果を導出する(ステップS1307)。さらに、特図変動パターン判定処理をおこなって特図変動パターン判定の判定結果を導出する(ステップS1308)。そして、ステップS1307およびステップS1308の処理結果に基づき、特別図柄表示部112に特別図柄の変動表示を開始させる(ステップS1309)。
ステップS1309で特別図柄を変動させる際に、ステップS1307で第2始動口106に入賞した遊技球に対する大当たり抽選をおこなっていれば第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動させる。ステップS1308で第1始動口105に入賞した遊技球に対する大当たり抽選をおこなっていれば第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動させる。
つづいて、主制御部601は、変動開始コマンドをRAM613に設定する(ステップS1310)。ここで、設定される変動開始コマンドは、たとえば、ステップS1307でおこなった大当たり抽選の抽選結果や、ステップS1308でおこなった特図変動パターン判定の判定結果を示す情報を含むコマンドである。主制御部601は、出力処理(図11のステップS1106)を実行する際に、この変動開始コマンドを演出統括部602aに出力する。
つづいて、主制御部601は、特別図柄の変動を開始してから変動時間により定められた期間が経過したかを判定する(ステップS1311)。ステップS1311では、変動開始時に判定された特図変動パターンにより定められた変動時間に相当する期間が経過したかを判定する。変動時間が経過していなければ(ステップS1311:No)、特別図柄処理を終了する。
変動時間が経過していれば(ステップS1311:Yes)、主制御部601は、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示すように特別図柄を停止させて(ステップS1312)、変動停止コマンドをRAM613に設定する(ステップS1313)。ここで、設定される変動停止コマンドは、たとえば、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果や、特図変動パターン判定の判定結果を示す情報を含むコマンドとすることができる。
主制御部601は、出力処理(図11のステップS1106)を実行する際に、この変動停止コマンドを演出統括部602aに出力する。そして、時短遊技状態の残余回数や高確率遊技状態の残余回数に基づいて遊技状態の変更をおこなう停止中処理を実行し(ステップS1314)、特別図柄処理を終了する。
(2.演出統括部がおこなう処理)
つぎに、演出制御部602がおこなう処理について詳細に説明する。まず、演出制御部602の演出統括部602aがおこなう処理から説明する。なお、以下に説明する演出統括部602aがおこなう各処理は、たとえば、演出統括部602aのCPU641がROM642に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(演出タイマ割込処理)
図14は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。演出統括部602aは、起動中継続的に演出メイン処理(不図示)をおこなっており、この演出メイン処理に対して、図14に示す演出タイマ割込処理を、所定の周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
演出タイマ割込処理において、演出統括部602aは、まず、コマンド受信処理(図15参照)をおこなう(ステップS1401)。コマンド受信処理をおこなった後、可動役物131,132,350の動作を制御する役物演出中処理(図17参照)をおこなう(ステップS1402)。つづいて、演出ボタン119やカーソルキー120により遊技者からの操作を受け付けた際に操作コマンドを設定する操作受付処理をおこなう(ステップS1403)。
この後、コマンド出力処理をおこなう(ステップS1404)。コマンド出力処理では、コマンド受信処理、操作受付処理または可動役物演出中処理などによりRAM643に設定されたコマンドを、ランプ制御部602cや画像・音声制御部602bに対して出力する処理をおこなう。
(コマンド受信処理)
つぎに、図15を用いて、図14のステップS1401に示したコマンド受信処理について説明する。図15は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。コマンド受信処理において、演出統括部602aは、主制御部601から変動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS1501)。変動開始コマンドは、主制御部601の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図13のステップS1310参照)。変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS1501:No)、ステップS1504へ移行する。
変動開始コマンドを受信していれば(ステップS1501:Yes)、演出統括部602aは、実行する演出の演出内容を決定する演出決定処理をおこなう(ステップS1502)。演出決定処理では、図16を用いて後述する変動演出パターン選択テーブルを用いて、演出の選択をおこなう。
そして、変動演出開始コマンドをRAM643に設定する(ステップS1503)。この後、主制御部601から変動停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS1504)。変動停止コマンドは、主制御部601の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図13のステップS1313参照)。
変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS1504:No)、そのままコマンド受信処理を終了する。変動停止コマンドを受信していれば(ステップS1504:Yes)、実行中の演出を終了させるとともに演出モードの設定などをおこなう演出終了処理をおこなう(ステップS1505)。そして、変動演出終了コマンドをRAM643に設定し(ステップS1506)、コマンド受信処理を終了する。
(変動演出パターン選択テーブルの一例)
つぎに、図16を用いて、図15のステップS1502に示した演出決定処理において用いられる変動演出パターン選択テーブルの一例について説明する。図16は、変動演出パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。図16において、変動演出パターン選択テーブル1600は、特図変動パターンと変動演出パターンとを対応付けたものである。演出内容は、説明の便宜上記載したものである。コマンド出力タイミングは、画像・音声制御部602bおよびランプ制御部602cへ、演出の切り替えを指示するためのコマンドを出力するタイミングである。
特図変動パターンは、特別図柄処理における変動パターン判定処理(図13のステップS1308参照)において、選択された特別図柄の変動パターンである。たとえば、大当たりの場合、変動パターン判定処理では、特図変動パターンHp1が選択されることなく、特図変動パターンHp2〜Hp5のうち、いずれか一つが選択される。たとえば、特図変動パターンHp1の場合、ノーマルハズレ演出である変動演出パターンEp1が選択される。変動演出パターンEp1の場合、この演出内容を示すコマンドは、変動開始タイミングであるタイミングt0にのみ出力される。
また、たとえば、特図変動パターンHp4の場合、スーパーリーチ(図中「SPリーチ」と記載)2の第1可動役物131を用いた演出である変動演出パターンEp4が選択される。変動演出パターンEp4の場合、この演出内容を示すコマンドは、変動開始タイミングであるタイミングt0で出力されるほか、第1可動役物131を動作させるタイミングであるタイミングt1でも出力される。
タイミングt1において、画像・音声制御部602bおよびランプ制御部602cへコマンドを出力することにより、画像・音声制御部602bとランプ制御部602cとを同期させた演出をおこなうことが可能になる。
同様に、たとえば、特図変動パターンHp5の場合、スーパーリーチ3の第2可動役物132および第3可動役物350を用いた演出である変動演出パターンEp5が選択される。変動演出パターンEp5の場合、この演出内容を示すコマンドは、変動開始タイミングであるタイミングt0で出力されるほか、第2可動役物132を動作させるタイミングであるタイミングt2や第3可動役物350を動作させるタイミングであるタイミングt3でも出力される。
(役物演出中処理)
つぎに、図17を用いて、図14のステップS1402に示した役物演出中処理について説明する。図17は、役物演出中処理の処理内容を示すフローチャートである。役物演出中処理において、演出統括部602aは、可動役物131,132,350の動作タイミングとなったか否かを判定する(ステップS1701)。可動役物131,132,350の動作タイミングとは、具体的には、各可動役物131,132,350を動作させるタイミングであり、図16のコマンド出力タイミングt1,t2,t3である。
可動役物131,132,350の動作タイミングではない場合(ステップS1701:No)、そのまま役物演出中処理を終了する。可動役物131,132,350の動作タイミングである場合(ステップS1701:Yes)、各可動役物131,132,350を動作させるための動作コマンドをRAM643に設定し(ステップS1702)、役物演出中処理を終了する。
(3.ランプ制御部がおこなう処理)
つぎに、ランプ制御部602cがおこなう処理について詳細に説明する。なお、以下に説明するランプ制御部602cがおこなう各処理は、たとえば、ランプ制御部602cのCPU661がROM662に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(ランプ制御処理)
図18は、ランプ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。ランプ制御部602cは、演出統括部602aから変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1801)。変動演出開始コマンドは、演出統括部602aがおこなうコマンド受信処理において設定されるコマンドである(図15のステップS1503参照)。変動演出開始コマンドを受信しない場合(ステップS1801:No)、ステップS1804に移行する。
変動演出開始コマンドを受信した場合(ステップS1801:Yes)、変動演出開始コマンドを解析する(ステップS1802)。そして、盤ランプ664や、可動役物131,132,350が有するランプなどを点灯させるための点灯データをRAM663に設定する(ステップS1803)。この後、演出統括部602aから動作コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1804)。動作コマンドは、演出統括部602aがおこなう役物演出中処理において設定されるコマンドである(図17のステップS1702参照)。
動作コマンドを受信しない場合(ステップS1804:No)、ステップS1807に移行する。動作コマンドを受信した場合(ステップS1804:Yes)、動作コマンドを解析する(ステップS1805)。解析結果を用いて、動作させる可動役物131,132,350に対応する駆動データをRAM663に設定する(ステップS1806)。ここで、ステップS1805およびステップS1806について補足すると、ステップS1805における動作コマンドの解析の結果、第1可動役物131を動作させる場合、ステップS1806では第1可動役物131を動作させるための初動駆動データ920(図9−2参照)を設定する。
この後、第1可動役物131が動作中であるか否かを判定する(ステップS1807)。第1可動役物131が動作中ではない場合(ステップS1807:No)、そのままランプ制御処理を終了する。第1可動役物131が動作中である場合(ステップS1807:Yes)、初動終了後の駆動データを設定するための動作中処理を実行し(ステップS1808)、ランプ制御処理を終了する。動作中処理の詳細については、図19を用いて後述する。
(動作中処理)
つぎに、図19を用いて、図18のステップS1808に示した動作中処理について説明する。図19は、動作中処理の処理内容を示すフローチャートである。図19において、ランプ制御部602cは、初動終了後の駆動データが設定済みであるか否かを判定する(ステップS1901)。初動終了後の駆動データが設定済みである場合(ステップS1901:Yes)、そのまま動作中処理を終了する。初動終了後の駆動データが設定済みではない場合(ステップS1901:No)、第1可動役物131が非検出位置に達したか否かを判定する(ステップS1902)。第1可動役物131が非検出位置に達するとは、センサ280が被検出部245を検出しなくなることである。
第1可動役物131が非検出位置に達していない場合(ステップS1902:No)、そのまま動作中処理を終了する。第1可動役物131が非検出位置に達した場合(ステップS1902:Yes)、初動駆動データ920(図9−2参照)の現在のパルス速度wを参照する(ステップS1903)。本実施の形態において、パルス速度wは、450ppsまたは550ppsのいずれか一方である(図9−2参照)。パルス速度wが550ppsであれば(ステップS1904:Yes)、通常駆動データ930をRAM663に設定し(ステップS1905)、動作中処理を終了する。
ステップS1904において、パルス速度wが550ppsではない場合(ステップS1904:No)、すなわち、550ppsのパルス速度を出力する前の450ppsのパルス速度を出力しているときに非検出位置に到達した場合、特殊駆動データ940(図9−4参照)をRAM663に設定して(ステップS1906)、動作中処理を終了する。特殊駆動データ940は、最初の5ステップでは550ppsで回転させるようにし、450ppsから700ppsへと、いきなり高速に遷移することを抑止したデータである。
以上、説明したように、ぱちんこ遊技機100は、第1可動役物131の動作開始から所定の位置(非検出位置)へ到達するまでの第1可動役物131の動作状態に基づいて、その後の第1可動役物131の動作を制御するようにした。したがって、第1可動役物131の動作状態を切り替える際に、第1可動役物131を円滑に動作させることができる。これにより、第1可動役物131による演出効果を向上させることができる。
また、本実施の形態では、フォト抜け時における駆動モータ211の回転速度が低速(450pps)である場合、フォト抜け後は駆動モータ211を中速(550pps)に制御した後に、高速(700pps)に制御するようにした(図9−4または図9−5参照)。したがって、450ppsから700ppsへと急激な速度変化によるトルク不足が起こらないようにし、第1可動役物131を円滑に動作させることができる。
さらに、本実施の形態では、フォト抜け時における駆動モータ211の回転速度が低速(450pps)である場合、フォト抜け後は中速(550pps)のパルスを所定数(5ステップ分)出力した後、高速のパルスを所定数(5ステップ分)減少させて出力するようにした(図9−4または図9−5参照)。したがって、フォト抜け後の総パルス数を不変にすることができ、フォト抜け後の第1可動役物131の移動距離を一定に保つことができる。つまり、ステップ数によって第1可動役物131の移動範囲を管理することができる。
さらに、本実施の形態は、第1可動役物131には付勢バネ330(図3−2参照)による付勢力が働き、釣合い位置が生じるものであり、釣合い位置付近に至る手前の非検出位置において第1可動役物131の動作速度が低速(450pps)である場合に、以降に、特殊駆動データ940(図9−4参照)を用いるようにした。したがって、釣合い位置付近に至るまでの間と、よりシビアな加速およびトルクが求められる釣合い位置付近とにおいて、第1可動役物131を円滑に動作させることができる。
また、図9−5に示した特殊駆動データ950を用いれば、具体的には、フォト抜け後に、5ステップ分、駆動モータ211を中速(550pps)で駆動回転させつつも、釣合い位置付近に至る手前で、5ステップ分を削減させるようにすれば、釣合い位置付近において出力するデータを、通常駆動データ930(図9−3参照)の釣合い位置付近におけるデータと同様のものとすることができる。したがって、釣合い位置付近において、より高精度に第1可動役物131を円滑に動作させることができる。
本実施の形態では、本発明をぱちんこ遊技機100に適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明を回動式遊技機など他の遊技機に適用することも可能である。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる遊技機は、回転速度と回転力とに所定の相関関係を有して駆動回転する駆動手段と、前記駆動手段の駆動回転により遊技盤上を移動可能にし、退避した退避位置にある場合に進出方向への進出力が作用される可動役物と、前記可動役物に対して前記進出力とは逆方向の付勢力を作用させるとともに、前記退避位置と進出した進出位置との間に前記付勢力と前記進出力とが釣合う釣合い位置を発生させる付勢手段と、前記駆動手段の回転速度を制御する動作制御手段と、を備え、前記動作制御手段は、前記釣合い位置の近傍に至るまで前記駆動手段の回転速度を増加させる第1の制御をおこなう第1制御手段と、前記釣合い位置の近傍では前記駆動手段の回転速度を前記釣合い位置の近傍に至る直前の前記可動役物の移動速度よりも低い所定の回転速度まで減少させる第2の制御をおこなう第2制御手段と、前記第2の制御をおこなった後に前記駆動手段の回転速度を再度増加させる第3の制御をおこなう第3制御手段と、を有し、前記第1制御手段は、所定の検出位置において、前記駆動手段の回転速度が所定値に達している場合には前記所定値を含まない通常駆動データを用いて第1の制御をおこなうとともに、前記駆動手段の回転速度が所定値未満である場合には前記所定値を含む特殊駆動データを用いて第1の制御をおこなうことを特徴とする。
また、上記発明において、前記駆動手段は、パルス駆動されるパルスモータからなり、前記第1制御手段は、前記通常駆動データにおける総パルス数と、前記特殊駆動データにおける総パルス数と、を同一にして前記第1の制御をおこなうことを特徴とする。