以下、本発明の一実施形態に係る遊技機について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の構成を示す正面図である。また、図2は、図1に示す遊技機1の裏面側の構成を示す斜視図である。さらに、図3は、図1及び図2に示す遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。
遊技機1は、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2を設けており、遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠110が備えられている。このガラス枠110には操作ハンドル3が回動可能に設けられている。
遊技者が操作ハンドル3に触れると、操作ハンドル3内にあるタッチセンサ3bが、操作ハンドル3に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板106にタッチ信号を送信する。発射制御基板106は、タッチセンサ3bからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。そして、操作ハンドル3の回転角度を変化させると、操作ハンドル3に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転する。この発射ボリューム3aの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4aに印加される。そして、発射用ソレノイド4aに電圧が印加されると、発射用ソレノイド4aが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル3の回動角度に応じた強さで、遊技領域6に向けて遊技球を発射する。
上記のようにして発射された遊技球は、レール5a、5b間を上昇して遊技盤2の上部位置に達した後、遊技領域6を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた不図示の複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、遊技領域6には、複数の一般入賞口7が設けられている。それぞれの一般入賞口7には、一般入賞口検出スイッチ7aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ7aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、遊技領域6の下部位置には、上記一般入賞口7と同様に、遊技球が入球可能な第1始動口9、第2始動口10が設けられている。第2始動口10は、一対の可動片10bを有しており、一対の可動片10bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片10bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口10が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口10の真上に位置する障害物10dによって、遊技球の受入れを不可能又は困難としている。一方で、第2始動口10が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片10bが受け皿として機能し、第2始動口10への遊技球の入球が容易となる。つまり、第2始動口10は、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がほとんどなく、第2の態様にあるときには遊技球の入球機会が増すこととなる。
なお、上記第1始動口9及び第2始動口10には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ9a及び第2始動口検出スイッチ10aがそれぞれ設けられており、これらの検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、検出スイッチ9a、10aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
さらに、図1に示すように、遊技領域6の下方(上記第2始動口の真下)には、第1大入賞口11が設けられている。この第1大入賞口11は、通常は第1大入賞口開閉扉11bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、長当たり遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉11bが開放されるとともに、この大入賞口開閉扉11bが遊技球を第1大入賞口11内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口11に入球可能となる。
また、上記遊技領域6下部の上記第1始動口9の真下には、第2大入賞口90が設けられている。この第2大入賞口90は、通常は第2大入賞口受け皿装置90bが収納されており、遊技球の入球が不可能となっているが、短当たり遊技又は小当たり遊技が開始されると、第2大入賞口受け皿装置90bが手前方向に摺動し、遊技球が入球可能となる。
第1大入賞口11と第2大入賞口90にはそれぞれ第1大入賞口検出スイッチ11aと第2大入賞口検出スイッチ90aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ11aや第2大入賞口検出スイッチ90aが遊技球の入球を検出した場合は、予め設定された賞球(例えば9個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記遊技領域6であって、上記第2始動口10の右方には、普通図柄ゲート8が遊技球を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート8には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ8aが設けられており、このゲート検出スイッチ8aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄の抽選が行われる。
遊技領域6の最下部は、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、及び第1大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するための排出口12が設けられている。
また、上記遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。具体的には、上記遊技領域6の略中央部分には、液晶画面(LCD)等からなる液晶表示装置13が設けられており、さらに、遊技盤2の上部位置及び下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、上記操作ハンドル3の左側には、遊技者が演出等の選択操作が可能な演出ボタン17が設けられており、演出ボタン17と操作ハンドル3の間には音量の調整や履歴の表示等の操作が可能な十字キー25が設けられている。演出ボタン17は「操作ボタン」や「チャンスボタン」とも呼ばれ、凸状のボタンにより構成され、遊技者は当該ボタンを押下する等の操作を行う。なお、演出ボタン17は押下するようなタイプのボタンではなく、タッチパネル方式を採用した入力パッド等であってもよい。
また、演出ボタン17に関して、上記液晶表示装置13の液晶画面上に当該演出ボタン17に似せた演出ボタン画像が表示され、演出ボタン17の操作を遊技者に促すような演出がされる。また、遊技者による演出ボタン17の操作は、例えば、液晶画面上に上記演出ボタン画像が表示されている状態のみ有効な操作として受け付けるようにする。演出ボタン17には、演出ボタン検出スイッチ17aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ17aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じて液晶表示装置13、演出用照明装置16及び音声出力装置18等によるさらなる演出が実行される。
一方、遊技機1において十字キー25は、遊技者が遊技中に演出音の音量を調整するための操作手段や調整手段として機能する。また、十字キー25は、演出音の音量の調整以外にも、非遊技状態である待機中に履歴情報を表示させたりする際や、大当たり中において遊技者の興趣を向上させるために表示される演出画像の内容を選択する際等にも使用される。図4は、遊技機1の演出ボタン17と十字キー25付近の構成を示す拡大図である。
十字キー25には、カーソルキーとして演出音の音量を変更する際に使用される上キー201及び下キー202、並びに履歴表示状態や大当たり状態等において液晶表示面に表示されたカーソルを移動させる際に使用される左キー203及び右キー204と、カーソルキーの操作によって選択された音量値を確定する際に使用されるENTERキー205とが備わっている。また、十字キー25には、演出制御基板102に接続された十字キー検出スイッチ25aが設けられており、この十字キー検出スイッチ25aが遊技者の操作を検出すると、これをトリガとして演出制御基板102による液晶表示装置13や音声出力装置18の制御が行われる。
例えば、液晶表示装置13は、演出音の音量レベルを遊技者に知らせるための後述する「音量バー」を表示したり、遊技が行われていない待機中にデモ画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。例えば、第1始動口9又は第2始動口10に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する演出図柄30が変動表示される。
演出図柄30は、例えば3つの数字をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この演出図柄30の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
演出用照明装置16は、それぞれ複数のライト16aを備えており、各ライト16aの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
また、音声出力装置18は、上記の各演出装置に加えて、演出音を出力して、音声による演出も行うことが可能である。そして、遊技機1では、音声出力装置18から出力される演出音を遊技者が十字キー25を用いて調整可能に構成されている。
遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示器22、第2特別図柄保留表示器23、普通図柄保留表示器24が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置19は、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置19に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置20は、第2始動口10に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのものであり、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置19における特別図柄の表示態様と同一である。
また、普通図柄表示装置21は、普通図柄ゲート8を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置21が点灯し、その後、上記第2始動口10が所定時間、第2の態様に制御される。なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート8を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置21を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口9又は第2始動口10に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第1保留として留保され、第2始動口10に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第2保留として留保される。
これらの保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器23においても、上記と同様に第2保留の留保個数が表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示器22及び第2特別図柄保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板(不図示)を支持している。ガラス板は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
ガラス枠110は、左右方向の一端側(例えば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部111を介して外枠100に連結されており、ヒンジ機構部111を支点として左右方向の他端側(例えば遊技機に正対して右側)を外枠100から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠110は、ガラス板111とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部111を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠100の内側部分を開放することができる。ガラス枠110の他端側には、ガラス枠110の他端側を外枠100に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠110には、ガラス枠110が外枠100から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ33も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108等が設けられている。また、遊技機1の裏面には電源基板107に遊技機に電力を給電するための電源プラグ50や、電源スイッチ(不図示)も設けられている。
次に、図3を用いて、本実施形態に係る遊技機1による遊技の進行制御について説明する。主制御基板101は遊技の基本動作を制御する装置である。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板101の入力側には、一般入賞口検出スイッチ7a、ゲート検出スイッチ8a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、第1大入賞口検出スイッチ11a、第2大入賞口検出スイッチ90aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板101に入力するようにしている。
また、主制御基板101の出力側には、第2始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド10cと、第1大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11cと、第2大入賞口開閉ソレノイド90cとが接続されるとともに、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置19と第2特別図柄表示装置20と普通図柄表示装置21と、保留表示器を構成する第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23と普通図柄保留表示器24とが接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
また、主制御基板101は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を遊技情報出力端子板108に出力する。
主制御基板101のメインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、メインROM101bには、特別図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブル、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブル、高確率遊技状態を終了するか否かを判定するための転落判定テーブル特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄に基づいて遊技状態変更フラグを決定する決定テーブル、遊技状態変更フラグと遊技状態バッファにあるデータとに基づいて遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉11bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル、長当たり用開放態様決定テーブル、短当たり用開放態様決定テーブル、小当たり用の開放態様決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等が記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板101のメインRAM101cは、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM101cには、普通図柄保留数記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数記憶領域、第2特別図柄保留数記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技状態の残り変動回数記憶領域、時短遊技状態の残り変動回数記憶領域、ラウンド遊技回数記憶領域、開放回数記憶領域、大入賞口入球数記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、遊技状態変更フラグ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、各種のタイマカウンタが設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板107は、電源プラグ50を介して遊技機に電力を給電するものであり、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、又は、上記演出ボタン検出スイッチ17a、十字キー検出スイッチ25a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板104又は液晶・音声制御基板105に送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブル等が記憶されている。
例えば、サブROM102bには、主制御基板101から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル等が記憶されている。なお、当該テーブルは、本実施形態のテーブルのうち特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板102のサブRAM102cは、複数の記憶領域を有している。例えば、サブRAM102cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域等が設けられている。なお、これらの記憶領域は、本実施形態の記憶領域のうち特徴的な記憶領域を一例として列挙しているに過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、本実施形態では、演出制御基板102には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)102dが搭載されている。サブCPU102aは、RTC102dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時に基づいて各種処理を実行する。RTC102dは、通常、遊技機1に電源が供給されているときには遊技機1からの電源によって動作し、遊技機1の電源が切られているときには、電源基板107に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC102dは、遊技機1の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC102dは、演出制御基板102上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
また、RTC102dを設けずに、バックアップRAMとしての機能を有するサブRAM102cに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時してもよい。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU103aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ32、扉開放スイッチ33、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。また、払出制御基板103の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ31が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ31を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板103に接続されているかを確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
発射制御基板106は、払出制御基板103から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3bからのタッチ信号及び発射ボリューム3aからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド4aを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるので約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
ランプ制御基板104は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置16を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりするための、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えている。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されたデータに基づいて、上記各制御を行うこととなる。
液晶・音声制御基板105は、上記液晶表示装置13の画像表示制御を行うための画像CPU105a、画像ROM105b、画像RAM(VRAM)105c、音声CPU105d、音声ROM105e、音声RAM105fを備えている。この液晶・音声制御基板105は、上記演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記液晶表示装置13及び音声出力装置18を接続している。
上記画像ROM105bには、液晶表示装置13に表示される音量バーや演出図柄30や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPU105aが演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROM105bからVRAM105cに読み出して、液晶表示装置13における表示制御をする。例えば、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて画像CPU105aは、背景画像、リーチ演出や特別リーチ演出等の各種演出図柄画像、キャラクタ画像、及び報知画像等を画像ROM105bから読み出してVRAM105cに書き込み、液晶表示装置13の液晶画面上にそれらの画像を表示させる。
なお、液晶表示装置13の液晶画面上では、演出図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示され、さらに報知画像は演出画像やキャラクタ画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法等周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM105cに記憶させる。
また、上記音声ROM105eには、音声出力装置18から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPU105dは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18における音声出力制御をする。例えば、音声ROM105eには、遊技中に出力される各種変動音や、変動音等に相当する音声調整専用の音情報等も記憶されている。また、音声RAM105fには、後述するように遊技店によって予め設定された演出音の音量の調整範囲についての情報や、演出音の初期値(デフォルト値)についての情報が格納されている。
次に、本発明の一実施形態に係る遊技機1の液晶表示装置の液晶画面上に表示される画像演出制御について図面を参照して説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の主制御基板101の処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下に説明する処理は、主制御基板101のメインCPU101aがメインROM101bに格納されているプログラムを実行することにより実現される。
主制御基板101のメインCPU101aは、メイン処理として始動入賞口に遊技球が入賞したことを各検出スイッチで検出すると(ステップS1)、乱数を取得する(ステップS2)。そして、メインCPU101aは、取得した乱数値に基づいて演出パターン制御コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS3)。
そして、主制御基板101からの演出パターン制御コマンドを受けた演出制御基板102では、サブCPU102aがサブROM102bに格納されているプログラムを実行して液晶・音声制御基板105に対して画像・音声制御を行うための制御コマンドを送信することで制御指示が行われる。
本実施形態では、液晶・音声制御基板105が液晶表示装置13等に表示する演出画像の演出時間は、演出制御基板102からの制御コマンドごとに予め決められているものとする。ここで、これまでの遊技機では、異なる長さの演出時間に対応させるためには、異なる時間の動画データを保持させたり、所定の長さの動画データを演出時間に応じて途中でカット、或いはフレームをスキップさせる等の時間合わせを行って、予め決められた演出時間で終了させる必要があった。
これに対して本実施形態では、一例として2つの動画データと3次元モデルを変位させる3次元演出パターンから構成されるシーンを予め決められた演出時間分の長さだけ生成し、その演出動画を所定の投影平面に投影したものを演出画像として液晶表示装置13上に表示することで上記問題に対応する。すなわち、この演出動画データ生成の際に、2つの動画データについては固有の演出時間分のデータをそのまま使用し、その2つの動画データの間に3次元モデルの変位態様のシーン(3次元演出パターン)を、制御コマンドに応じて決定される演出画像の演出時間から2つの動画データの固有の演出時間分を減算して算出される演出時間分だけ生成するようにする。
なお、上述した演出画像を生成する際に、2つの動画データの両方又はいずれか一方の演出時間の長さを併せて短縮するようにしてもよい。また、さらに別の3次元モデルを使用した3次元演出パターンと他の2次元の動画データとを加えて、3つ以上の2次元の動画データと2つ以上の3次元モデルを使用した3次元演出パターンとをつなぎ合わせて、演出時間分の一連の演出画像(動画)を生成するようにしてもよい。
また、上記のように本実施形態では、一例として、液晶・音声制御基板105が液晶表示装置13等に表示する演出画像の演出時間は、演出制御基板102からの制御コマンドごとに予め決められているものとする。なお、当該演出時間については、これ以外に、主制御基板101からの制御コマンドで決められるようにしたり、液晶・音声制御基板105で決められるようにしてもよい。
次に、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一連の動画データの生成処理の具体例について図面を参照して説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る遊技機1における一連の動画演出の演出時間を説明するためのタイミングチャートである。図6においては、2つの異なるパターンの演出動画として、演出動画A,Bを示している。
図6に示すように、演出動画Aと演出動画Bでそれぞれ用いられている動画データ1,2は同じ動画データであって同じ演出内容、同じ演出時間である。これらの動画データに対し、演出動画Aに含まれる3次元モデルに基づく動画A及び演出動画Bに含まれる3次元モデルに基づく動画Bは仮想空間内に配置されるオブジェクトを模した3次元モデルが変位情報に従って変位する態様の3次元演出パターンのことを意味する。また、演出動画Aに含まれる中継動画データAと演出動画Bに含まれる中継動画データBはそれぞれ異なる演出時間のデータである。演出時間の異なる3次元モデルに基づく動画A,B及び中継動画データA,Bを使用することによって、同じ動画データ1,2を使用した動画演出であっても異なる演出内容の演出動画の生成を可能としている。
ここで、前述したように、3次元モデルに基づく動画A,Bは、仮想空間内に配置されたオブジェクトの3次元モデルが仮想空間内で第1の態様から第2の態様に変位する一連のシーンを3次元演出パターンとして生成した動画である。そして、遊技機1では、仮想空間内に配置された動画データ1,2及び上記3次元演出パターンを所定の投影平面に投影した画像が液層表示装置13上に表示される。なお、仮想空間内で生成された演出動画データを投影する投影平面は予め遊技機1に設定するようにしてもよいし、制御コマンド等によってその都度設定又は遊技者等が任意に指定・設定するものであってもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る遊技機1における3次元モデルに基づく動画の生成方法を説明するための概要図である。本実施形態では、仮想空間内においてある動画(動画データ1)が演出表示されており、次いでその画面が扉となって当該扉の3次元モデルPが紙面手前側に開いていく演出がされ、扉があるところまで開くと、動画データ1が配置されていた場所に別の動画(動画データ2)が表示されるといった、扉を開けることによって別の動画が表示されるという態様の演出例について説明する。
図7では、上述した一連の態様を実現するために動画データ1,2,3や3次元モデルPが配置される仮想空間の一例を示している。ここで、図7(a)は仮想空間内に配置された動画データ1が演出されているシーンを示している。なお、遊技機1の液層表示装置13上に表示される演出画像は当該シーンを所定の投影平面に投影した画像となるが、ここでの説明では投影に関する処理については省略する。図7(b),(c)についても同様である。
図7(a)に示すように、本実施形態に係る演出画像としては、まず仮想空間上に配置された動画データ1の動画の所定投影面への投影像が表示されることになる。そして、動画データ1の演出時間が終了すると、図7(b)に示すように、動画データ1を非表示にするとともに、オブジェクト(本実施形態では、動画データ1の大きさと縦横サイズが同一の扉)の3次元モデルPを非表示から表示に切り替える。当該3次元モデルPは動画データ1とともに第1の態様で仮想空間内に配置されており、動画データ1が表示されているときは非表示にされていたものである。ここで、扉の3次元モデルPの第1の態様とは、当該扉の扉面S1が動画データ1の画面と重なり合う状態とする。
なお、本実施形態では仮想空間内で扉が開く態様を3次元演出パターンとして表示するものとするが、そのために当該扉の3次元モデルPを遊技者側から視認され得る3つの平面(図7(b)において扉面S1,扉側面S2,S3)で構築されているものとする。そして、当該扉の3次元モデルPは、扉を構成する面のうち3次元モデルで近似されていない面(すなわち、S1〜S3でモデル表現されていない部分の面)を遊技者側から視認不可能な状態が維持できる範囲内で可能とする。このように、不完全な3次元モデルの変位範囲に制限を設けることによって生成される演出画像として不完全なオブジェクトが表示される等の違和感を遊技者に与えないようにすることができ、少ないデータ量で完全なオブジェクトモデルが表示されているように遊技者に見せることができる。
なお、扉の3次元モデルPが第1の態様から第2の態様まで変位する3次元演出パターンは、演出制御基板102が決定する演出画像の演出時間と動画データ1,2の画像の固有の演出時間から決定される演出時間分だけ生成する。
また、本実施形態ではオブジェクト(扉)の3次元モデルの視認可能な扉面を平面S1で、視認可能な扉厚の面を平面S2,S3といったように全て平面モデルで構築するが、平面以外の曲面やその他の面モデルで近似して、これらの複数の面の面モデルを組み合わせて3次元モデルを生成するようにしてもよい。このように、遊技者から視認できる必要最小限の面モデルで簡易的な3次元モデルを構成することによって、遊技機1が保持しなければならないデータ量や必要な演算量を低減することができる。
図7(b)に示すように、3次元モデルPは変位情報に基づく変位rで仮想空間における態様を変化させて第2の態様に移行していく。ここで、扉の3次元モデルPの第2の態様とは、第1の態様の状態を0度の角度とすると、扉を構成する面のうち3次元モデルで近似されていない面を遊技者側から視認不可能な状態が維持できる状態の60度の角度まで当該扉を開いた状態とする。なお、当該角度については近似されていない面が視認不可能な状態を維持できる範囲内で任意に設定するようにしてもよい。
また、動画データ1を非表示にした時から、扉の3次元モデルPが第2の態様となって動画データ2が表示される時まで、仮想空間内の動画データ1,2と同一の配置場所で動画データ3を表示するようにしてもよい。図7(b)には動画データ3が表示されている例が示されている。本実施形態では、当該動画データ3を、動画データ1の最終フレームと同一のフレームを第1フレームとし、動画データ2の第1フレームと同一のフレームを最終フレームとし、動画データ3の第1フレーム及び最終フレーム間のフレーム画像を補間処理によって生成する。また、動画データ3の長さを扉の3次元モデルPの3次元演出パターンと同じ演出時間分の長さとして生成する。
そして、図7(b)に示す扉の3次元モデルPの3次元演出パターンが終了して当該3次元モデルPが第2の態様となったときに、図7(c)に示すように仮想空間内において動画データ3の表示を終了して、動画データ2の表示を開始する。なお、本実施形態では、図7(c)に示すように、扉の3次元モデルPは第1の態様から60度の角度まで開いた状態の第2の態様のまま表示し続け、動画データ2の演出時間中は共に表示するようにする。もちろん、扉の3次元モデルPが第2の態様になったときに当該モデルを非表示にするようにしてもよい。
また、本実施形態において動画データ3の第2フレーム以降の内容については、第1フレームから最終フレームまでの画像内容の変化態様が滑らかに変化していくものであれば特に限定はしない。したがって、第1フレーム及び最終フレーム間のフレーム画像を各種補間処理によって生成して、一連の動画データを中継動画として生成するようにしてもよい。例えば、第1フレームのフレーム画像から演出時間を経て最終フレームのフレーム画像に滑らかに変化するようにそれぞれ中間画像を生成しながら全動画データを生成してもよいし、他の静止画像や動画像を間に挟み、モーフィング等の処理を行って変化していくようにしてもよい。
これにより、2つの動画データ1,2が異なる内容であっても、3次元モデルPやそれとともに表示する動画データ3を生成して、仮想空間内に配置された動画データ1,2間の画像演出の移行を違和感なく行うことができる。
なお、3次元モデルの形状について、本実施形態ではその前後に表示される動画データと同じ形状の面を有するものとしているが、特にそれに限定されることはなく、任意の形状の3次元モデルを使用することができる。また、使用される3次元モデル及びその変位情報や補間処理によって生成される動画データ3等については、各種動画編集ソフト(例えば、Adobe社のAFTER EFFECTS等)を使用して予め作成しておき、画像ROM105b等の記憶手段に記憶させておくようにする。
また、動画データや3次元モデル等の仮想空間内の配置や大きさ等は任意であり、遊技機1で予め複数のケースが設定されており制御コマンドによって選択するようにしてもよいし、遊技者が遊技中に設定できるようにしてもよい。このように、3次元演出パターンやそれを含む演出画像の向き、大きさ、形状等を変化させることによって、演出画像のバリエーションをさらに増加させることができる。
図8は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の演出画像の生成処理を説明するための遊技機1の動作のフローチャートである。なお、以下に説明する処理は、演出制御基板102のサブCPU102aがサブROM102bに格納されているプログラムを実行し、液晶・音声制御基板105の画像CPU105aが画像ROM105bに格納されているプログラムを実行するとともに、必要に応じて音声CPU105dが音声ROM105eに格納されているプログラムを実行することにより実現される。
演出制御基板102のサブCPU102aは、主制御基板101から演出パターン制御コマンドを受信すると(ステップS11)、その演出パターン制御コマンドが特定のコマンドであるか否かを判断する(ステップS12)。本実施形態では、特定のコマンドとしてリーチ演出コマンドを例に挙げ、リーチ演出コマンド時に前述した3次元演出パターンを使用した演出動画データが演出画像として液晶表示装置13上で表示されるものとして説明する。
ステップS12において、受信した演出制御コマンドが特定のコマンドであると判断された場合(YES)、サブCPU102aは、画像制御基板105を制御して、液晶表示装置13にリーチ演出パターンを表示させる(ステップS13)。
図9は、本発明の一実施形態に係る遊技機1のリーチ演出処理(ステップS13)を説明するためのフローチャートである。
まず、画像CPU105aは、サブCPU102aからのコマンドにもとづいて、画像ROM105bから動画データ1及び3次元モデルP(第1の態様)を読み出し、それらをVRAM105c等で構築される仮想空間内に配置する(ステップS13a)。ここで、動画データ1が表示されている間の3次元モデルPは非表示としておく。なお、動画データ1等の仮想空間内の配置場所については上記コマンドに基づいてもよいし、遊技者が演出ボタン17や十字キー25等を用いて行うようにしてもよい。
次に、仮想空間内に配置された動画データ1の位置で3次元モデルPが第1の態様から第2の態様までの変位を予め遊技機1に記憶されている3次元演出パターンに関する複数の変位情報の中から指定する(ステップS13b)。本実施形態では、前述のように第1の態様から変位rを経て第2の態様に移行する一連の3次元演出パターンが指定されたものとする。そして、指定された3次元演出パターンの演出時間を、制御コマンドに応じて決定される演出画像の演出時間と動画データ1,2の固有の演出時間から決定される演出時間分だけ生成する(ステップS13c)。
そして、仮想空間内に配置された動画データ1と現時点では表示されていない動画データ2の間に表示される3次元演出パターンを生成する(ステップS13d)。ステップS13dの生成処理においては、ステップS13cで決定された演出時間で第1の態様から第2の態様まで変位する3次元モデルPの3次元演出パターンを生成する。また、ステップS13dにおいて3次元演出パターンを生成するに当たっては、前述のように、3次元演出パターンと同時に表示する動画データ3を生成するようにしてもよい。動画データ3は、動画データ1の最終フレームと同一のフレームを第1フレームとして生成し、動画データ2の第1フレームと同一のフレームを最終フレームとして生成するようにする。そして、生成された中継動画データの第1フレーム及び最終フレーム間のフレーム画像を各種補間処理によって生成した一連の動画データを生成するようにする。
そして、動画データ1の演出、3次元演出パターンの演出及び動画データ3の演出、動画データ2の演出の順で前述したように仮想空間内における動画演出のシーンを表示するとともに、当該シーンを所定の投影平面に投影した画像を演出画像として液晶表示装置13上に表示する(ステップS13e)。ここで、仮想空間内で生成された演出動画データを投影する投影平面は、予め遊技機1に設定するようにしてもよいし、制御コマンド等によってその都度設定又は遊技者等が任意に指定・設定するものであってもよい。
すなわち、本実施形態では、動画データ1の固有の演出時間分だけ動画データ1の投影画像が表示され、次いで3次元演出パターン及び動画データ3の投影画像がステップS13cで決定された演出時間分だけ表示され、最後に動画データ2の固有の演出時間分だけ動画データ2の投影画像が表示される。
上述したようにステップS13でリーチ演出が演出画像の表示によって行われた後、演出制御基板102は当該図柄の確定が大当たりを示すものであるか否かを判断する(ステップS14)。本実施形態では、一例として、3列の数字図柄が全て同一の数字で揃った場合に大当たりが発生するようにする。その結果、大当たりであると判断された場合(YES)は大当たり演出として例えば数字図柄及び装飾図柄を画面上から消去した後、又はそれと同時或いは前後して、背景図柄として大当たり専用の図柄を表示する(ステップS15)。また、ステップS14において大当たりでないと判断された場合には外れ演出を行う(ステップS16)。
一方、ステップS12において、受信した演出パターンコマンドが特定のコマンドではないと判断された場合は(NO)、サブCPU102aは、受信した演出パターンコマンドに応じた他の演出処理を行う(ステップS17)。
以上説明した本発明の一実施形態に係る遊技機1の具体的な構成は当該実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上記実施形態では、特定のコマンドとしてリーチ演出コマンドを一例として用いたが、その他のコマンドであってもよい。例えば、特定のコマンドとしては、大当たり状態の継続中に送信される大当たりコマンド、大当たり状態の処理を開始させるための大当たり開始コマンド、大当たり状態の処理を終了させるための大当たり終了コマンド、周辺部に大当たり前のリーチ状態の処理を実行させるための大当たりリーチコマンド、周辺部に電源投入時の処理を実行させるための電源投入コマンド、周辺部に非遊技状態におけるデモ表示を実行させるための客待ちデモコマンド、周辺部に非遊技状態におけるデモ表示を停止させるための客待ちデモ停止コマンド、周辺部に抽選時の抽選結果がはずれの場合の処理を実行させるためのはずれコマンド、普通電動役物(電動チューリップ)の開放抽選やいわゆるフェイクと呼ばれる大当たりと同様に特別電動役物が短時間だけ開放するような小当たり状態の継続中に送信される小当たりコマンド等であってもよい。また、特定のコマンドとして、上記の他に例えば、電源オフコマンド、はずれリーチコマンド、はずれ非リーチコマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド等であってもよい。
また、上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用する例を示したが、これに限定されず、本発明は、雀球遊技機、アレンジボール等のパチンコ遊技機以外の弾球遊技機、スロットマシン等の回胴式遊技機等の他の遊技機にも適用することができる。これらの遊技機においても、上記実施形態と同様に構成することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。