以下、本発明の一実施形態に係る遊技機について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の構成を示す正面図である。また、図2は、図1に示す遊技機1の裏面側の構成を示す斜視図である。さらに、図3は、図1及び図2に示す遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。
遊技機1は、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2を設けており、遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠110が備えられている。このガラス枠110には操作ハンドル3が回動可能に設けられている。
遊技者が操作ハンドル3に触れると、操作ハンドル3内にあるタッチセンサ3bが、操作ハンドル3に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板106にタッチ信号を送信する。発射制御基板106は、タッチセンサ3bからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。そして、操作ハンドル3の回転角度を変化させると、操作ハンドル3に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転する。この発射ボリューム3aの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4aに印加される。そして、発射用ソレノイド4aに電圧が印加されると、発射用ソレノイド4aが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル3の回動角度に応じた強さで、遊技領域6に向けて遊技球を発射する。
上記のようにして発射された遊技球は、レール5a、5b間を上昇して遊技盤2の上部位置に達した後、遊技領域6を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた不図示の複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、遊技領域6には、複数の一般入賞口7が設けられている。それぞれの一般入賞口7には、一般入賞口検出スイッチ7aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ7aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、遊技領域6の下部位置には、上記一般入賞口7と同様に、遊技球が入球可能な第1始動口9、第2始動口10が設けられている。第2始動口10は、一対の可動片10bを有しており、一対の可動片10bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片10bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口10が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口10の真上に位置する障害物10dによって、遊技球の受入れを不可能又は困難としている。一方で、第2始動口10が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片10bが受け皿として機能し、第2始動口10への遊技球の入球が容易となる。つまり、第2始動口10は、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がほとんどなく、第2の態様にあるときには遊技球の入球機会が増すこととなる。
なお、上記第1始動口9及び第2始動口10には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ9a及び第2始動口検出スイッチ10aがそれぞれ設けられており、これらの検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、検出スイッチ9a、10aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
さらに、図1に示すように、遊技領域6の下方(上記第2始動口の真下)には、第1大入賞口11が設けられている。この第1大入賞口11は、通常は第1大入賞口開閉扉11bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、長当たり遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉11bが開放されるとともに、この大入賞口開閉扉11bが遊技球を第1大入賞口11内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口11に入球可能となる。
また、上記遊技領域6下部の上記第1始動口9の真下には、第2大入賞口90が設けられている。この第2大入賞口90は、通常は第2大入賞口受け皿装置90bが収納されており、遊技球の入球が不可能となっているが、短当たり遊技又は小当たり遊技が開始されると、第2大入賞口受け皿装置90bが手前方向に摺動し、遊技球が入球可能となる。
第1大入賞口11と第2大入賞口90にはそれぞれ第1大入賞口検出スイッチ11aと第2大入賞口検出スイッチ90aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ11aや第2大入賞口検出スイッチ90aが遊技球の入球を検出した場合は、予め設定された賞球(例えば9個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記遊技領域6であって、上記第2始動口10の右方には、普通図柄ゲート8が遊技球を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート8には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ8aが設けられており、このゲート検出スイッチ8aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄の抽選が行われる。
遊技領域6の最下部は、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、及び第1大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するための排出口12が設けられている。
また、上記遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。具体的には、上記遊技領域6の略中央部分には、液晶画面(LCD)等からなる液晶表示装置13が設けられており、さらに、遊技盤2の上部位置及び下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、上記操作ハンドル3の左側には、遊技者が演出等の選択操作が可能な演出ボタン17が設けられている。演出ボタン17は「操作ボタン」や「チャンスボタン」とも呼ばれ、凸状のボタンにより構成され、遊技者は当該ボタンを押下する等の操作を行う。なお、演出ボタン17は押下するようなタイプのボタンではなく、タッチパネル方式を採用した入力パッド等であってもよい。
演出用照明装置16は、それぞれ複数のライト16aを備えており、各ライト16aの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
また、演出ボタン17は、例えば、上記液晶表示装置13の液晶画面上に操作(押下)の受け付けが有効になっている期間中である場合に当該演出ボタン17に似せた演出ボタン画像が表示され、演出ボタンの操作を遊技者に促すような演出がされる。なお、演出ボタン17には、演出ボタン検出スイッチ17aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ17aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じて液晶表示装置13及び演出用照明装置16等によるさらなる演出が実行される。
また、液晶表示装置13は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。例えば、第1始動口9又は第2始動口10に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する演出図柄30が変動表示される。演出図柄30は、例えば3つの数字をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この演出図柄30の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
さらに、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置18が設けられており、上記の各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
そして、遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示器22、第2特別図柄保留表示器23、普通図柄保留表示器24が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置19は、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置19に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置20は、第2始動口10に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのものであり、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置19における特別図柄の表示態様と同一である。
また、普通図柄表示装置21は、普通図柄ゲート8を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置21が点灯し、その後、上記第2始動口10が所定時間、第2の態様に制御される。なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート8を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置21を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口9又は第2始動口10に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第1保留として留保され、第2始動口10に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第2保留として留保される。
これらの保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器23においても、上記と同様に第2保留の留保個数が表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示器22及び第2特別図柄保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板(不図示)を支持している。ガラス板は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
ガラス枠110は、左右方向の一端側(例えば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部111を介して外枠100に連結されており、ヒンジ機構部111を支点として左右方向の他端側(例えば遊技機に正対して右側)を外枠100から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠110は、ガラス板111とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部111を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠100の内側部分を開放することができる。ガラス枠110の他端側には、ガラス枠110の他端側を外枠100に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠110には、ガラス枠110が外枠100から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ33も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108等が設けられている。また、遊技機1の裏面には電源基板107に遊技機に電力を給電するための電源プラグ50や、電源スイッチ(不図示)も設けられている。
次に、図3を用いて、本実施形態に係る遊技機1による遊技の進行制御について説明する。主制御基板101は遊技の基本動作を制御する装置である。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板101の入力側には、一般入賞口検出スイッチ7a、ゲート検出スイッチ8a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、第1大入賞口検出スイッチ11a、第2大入賞口検出スイッチ90aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板101に入力するようにしている。
また、主制御基板101の出力側には、第2始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド10cと、第1大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11cと、第2大入賞口開閉ソレノイド90cとが接続されるとともに、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置19と第2特別図柄表示装置20と普通図柄表示装置21と、保留表示器を構成する第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23と普通図柄保留表示器24とが接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
また、主制御基板101は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を遊技情報出力端子板108に出力する。
主制御基板101のメインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、メインROM101bには、特別図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブル、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブル、高確率遊技状態を終了するか否かを判定するための転落判定テーブル特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄に基づいて遊技状態変更フラグを決定する決定テーブル、遊技状態変更フラグと遊技状態バッファにあるデータとに基づいて遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉11bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル、長当たり用開放態様決定テーブル、短当たり用開放態様決定テーブル、小当たり用の開放態様決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等が記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板101のメインRAM101cは、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM101cには、普通図柄保留数記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数記憶領域、第2特別図柄保留数記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技状態の残り変動回数記憶領域、時短遊技状態の残り変動回数記憶領域、ラウンド遊技回数記憶領域、開放回数記憶領域、大入賞口入球数記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、遊技状態変更フラグ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、各種のタイマカウンタが設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板107は、電源プラグ50を介して遊技機に電力を給電するものであり、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。例えば、演出制御基板102は、リーチ演出、演出ボタン17の操作指示の報知演出、大当たり演出、はずれ演出等の各種演出を画像制御基板105に対して所定のタイミングで実行させる。このような処理を行うために演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、又は、上記演出ボタン検出スイッチ17a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板104又は画像制御基板105に送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブル等が記憶されている。
例えば、サブROM102bには、主制御基板101から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル等が記憶されている。なお、当該テーブルは、本実施形態のテーブルのうち特徴的なテーブルを一例として示しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板102のサブRAM102cは、複数の記憶領域を有している。例えば、サブRAM102cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域等が設けられている。なお、これらの記憶領域は、本実施形態の記憶領域のうち特徴的な記憶領域を一例として列挙しているに過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、本実施形態では、演出制御基板102には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)102dが搭載されている。サブCPU102aは、RTC102dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時に基づいて各種処理を実行する。RTC102dは、通常、遊技機1に電源が供給されているときには遊技機1からの電源によって動作し、遊技機1の電源が切られているときには、電源基板107に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC102dは、遊技機1の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC102dは、演出制御基板102上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
また、RTC102dを設けずに、バックアップRAMとしての機能を有するサブRAM102cに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時してもよい。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU103aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ32、扉開放スイッチ33、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。また、払出制御基板103の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ31が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ31を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板103に接続されているかを確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
発射制御基板106は、払出制御基板103から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3bからのタッチ信号及び発射ボリューム3aからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド4aを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるので約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
ランプ制御基板104は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置16を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりするための、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えている。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されたデータに基づいて、上記各制御を行うこととなる。
画像制御基板105は、上記液晶表示装置13の画像表示制御を行うための画像CPU105a、画像ROM105b、画像RAM(VRAM)105c、音声CPU105d、音声ROM105e、音声RAM105fを備えている。この画像制御基板105は、上記演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記液晶表示装置13及び音声出力装置18を接続している。
ここで、音声ROM105eには、音声出力装置18から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPU105dは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを音声RAM105fに読み出すとともに、音声出力装置18における音声出力制御をする。
また、画像制御基板105の画像ROM105bには、液晶表示装置13に表示される演出図柄30や背景図柄等の各種画像データが多数格納されている。画像CPU105aは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて、所定の画像データを画像ROM105bからVRAM105cに読み出して、液晶表示装置13に表示するための表示制御をする。例えば、画像CPU105aは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて、背景画像、通常リーチ演出や特別リーチ演出等の各種演出図柄画像、キャラクタ画像、及び遊技者への報知画像等を画像ROM105bから読み出してVRAM105cに書き込み、液晶表示装置13の液晶画面上にそれらの画像を表示させる。
なお、液晶表示装置13の液晶画面上では、演出図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示され、さらに遊技者に各種操作指示等を行わせるための報知画像は演出画像やキャラクタ画像よりも手前に見えるように表示される。そして、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法等周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM105cに記憶させる。
次に、本発明の一実施形態に係る遊技機1の液晶表示装置の液晶画面上に表示される画像演出制御について図面を参照して説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の主制御基板101の処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下に説明する処理は、主制御基板101のメインCPU101aがメインROM101bに格納されているプログラムを実行することにより実現される。
主制御基板101のメインCPU101aは、メイン処理として始動入賞口に遊技球が入賞したことを各検出スイッチで検出すると(ステップS1)、乱数を取得する(ステップS2)。そして、メインCPU102aは、取得した乱数値に基づいて演出パターン制御コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS3)。
図5は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の構成を示すブロック図である。なお、図5に示すブロック図では、図6等を用いて以下で説明する遊技機1の演出動画の合成(生成)・表示処理を説明するために最小限必要な構成が示されている。図5に示すように、遊技機1は、主制御基板101等で実現される主制御手段200と、演出制御基板102及び画像制御基板105等で実現される演出制御手段300と、液晶表示装置13等で実現される表示手段400と、演出ボタン17等で実現される操作手段500とを備える。このような構成を有する遊技機1においては、前述したように、主制御手段200から出力されたリーチ演出コマンド等の特定の制御コマンドに応じて、演出制御手段300が演出画像の表示手段400への表示制御を行うとともに、遊技者による操作手段500の操作を受け付けている。また、演出制御手段には、記憶手段301、伸張手段302、指定手段303、合成手段304、演出制御手段305及び一時記憶手段306が備わっている。
記憶手段301は、画像制御基板105の画像ROM105b等で実現され、表示手段300に表示させる演出動画を作成するための素材となる少なくとも2種類の動画(第1の動画、第2の動画)を記憶している。図6は、本発明の一実施形態に係る遊技機1内が遊技者に提供する演出動画とその素材となる動画との関係を説明するための図である。図6に示すように、本実施形態では、演出動画は、第1の動画と第2の動画から生成されるものとする。
第1の動画は、複数の動画(動画1、動画2、・・・)の同一フレーム番号のフレームを部分画像として一枚のフレーム内に複数配置したフレーム群で構成されている。なお、第1の動画は、記憶手段301に記憶される際には、圧縮処理を施してデータ量を削減した状態で記憶されている。
また、第2の動画は、複数の部分動画のフレームを配置可能な動画であって、第1の動画が保有する複数の動画の同一フレーム番号のフレームを部分画像として一枚のフレーム内に複数配置したフレーム群で構成されている。そして、第1の動画のN1,N2,・・・フレーム目(N1,N2,・・・:1≦N1,N2,・・・≦Q2の自然数)に配置されている複数の部分画像を第2の動画のMフレーム目(M:1≦M≦Q1の自然数)に配置されている複数の部分画像の位置に合成することによって演出動画が合成(生成)される。
また、演出動画の合成に当たっては、第2の動画そのものを演出動画としてもよいし、図6に示すように第1の動画から部分画像を貼り付けた後の第2の動画の各フレームを演出動画の複数レイヤーから構成されるフレームの一つとしてとらえ、その他のスプライト画像や背景画像上に重畳して演出画像の1フレームを合成してもよい。
伸張手段302は、演出制御基板102のサブCPU102aや画像制御基板105の画像CPU105a等で実現され、演出動画を合成するために記憶手段301から読み出された圧縮された第1の動画及び第2の動画の伸張処理をフレーム単位又は複数フレーム単位で行う。本実施形態では、演出動画の素材動画である第1の動画及び第2の動画の圧縮処理の一例として、DCT(離散コサイン変換)、動き補償予測、又はフレーム間予測符号化等のいずれかの圧縮方式で、個々のフレームの圧縮及びフレーム間の圧縮が行われているものとする。
指定手段303は、演出制御基板102のサブCPU102aや画像制御基板105の画像CPU105a等で実現され、第1の動画に含まれる複数の動画(動画1、動画2、・・・)の中から第2の動画に合成させる一又は複数の動画を指定する。当該動画の指定は、遊技者が操作手段500でインタラクティブに行ってもよいし、乱数等を用いてランダムに指定するようにしてもよい、或いは制御コマンドの種類に応じて当該制御コマンドに基づく遊技状態に予め対応させた動画を指定するようにしてもよい。複数の動画の中から指定される動画の種類や、指定順序を変更させることによって演出動画のパターンを多様化することできる。
合成手段304は、演出制御基板102のサブCPU102aや画像制御基板105の画像CPU105a等で実現され、伸張手段302によって第1の動画のN2フレーム目が伸張された際に、図6に示すように、伸張された第1の動画のN2フレーム目に配置されている複数の部分画像及び/又は後述する一時記憶手段305に一時記憶されている第1の動画のN2フレームの一つ前のフレーム(N1フレーム)やさらにそれ以前のフレームの一又は複数の部分画像を第2の動画のMフレーム目に合成して演出動画を生成する。
この際、第2の動画が複数の部分動画のフレーム上の表示位置を経時的に変化させる態様を有している場合には、演出動画上の各部分画像(第1の動画に含まれる動画1、動画2、・・・の各フレームに相当)の演出動画上の位置を変更させることができる。また、第2の動画が複数の部分動画の大きさを経時的に変化させる態様を有している場合には、演出動画上の各部分画像(第1の動画に含まれる動画1、動画2、・・・の各フレームに相当)の演出動画の大きさを変更させることができる。このように合成される部分動画の位置や大きさを計時的に自由に変化させることによって、遊技機1では、より多様な演出動画を遊技者に提供することができる。
演出制御手段305は、演出制御基板102のサブCPU102aや画像制御基板105の画像CPU105a等で実現され、合成手段304によって生成(合成)された演出動画を表示手段400に表示する。
一時記憶手段306は、記憶手段301から読み出され、伸張手段302で伸張された第1の動画に含まれる一又は複数の部分画像を一時記憶する。これにより、前述のように、合成手段304は、伸張手段302によって第1の動画のNフレーム目が伸張された際に、伸張された第1の動画のNフレーム目に配置されている複数の部分画像又は一時記憶手段306に一時記憶されている第1の動画のN−1フレームやそれ以前のフレームの一又は複数の部分画像を第2の動画のMフレーム目に合成して演出動画を生成することが可能となり、より多様な演出動画を遊技者に提供することができる。
図7は、本発明の一実施形態に係る遊技機1による演出画像生成・表示処理の手順を説明するためのフローチャートである。以下では、遊技者が遊技機1の遊技中に、主制御基板101から演出制御基板102にリーチ演出コマンドが送信されて通常リーチ演出が開始され、通常リーチ演出としてリーチ演出動画が液晶表示装置13上に表示された後、さらに特別リーチ画像として複数の動画が含む演出動画が表示されるような実施形態について説明する。これらの演出動画の表示処理は、前述した演出制御手段305等を用いて実現される。
なお、当該処理は、以下で説明するように、演出制御基板102のサブCPU102aがサブROM102bに格納されているプログラムを実行し、画像CPU105aが画像ROM105bに格納されているプログラムを実行することにより実現される。
演出制御基板102のサブCPU102aは、主制御基板101から演出パターン制御コマンドを受信すると(ステップS11)、その演出パターン制御コマンドが特定のコマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。ここで本実施形態では、特定のコマンドを通常リーチ演出コマンドとする。
ステップS12において、受信した演出制御コマンドが特定のコマンド(通常リーチ演出コマンド)であると判定された場合は(YES)、サブCPU102aは、画像制御基板105を制御して、液晶表示装置13に通常リーチ演出画像(通常リーチ演出パターン)の表示を開始させる(ステップS13)。具体的には、画像CPU105aは、サブCPU102aからのコマンドにもとづいて、記憶手段301を実現する画像ROM105b等から通常リーチ演出パターンの動画を読み出し、液晶表示装置13に表示させる。なお、通常リーチ演出パターンの動画は予め圧縮されており、伸張手段302で伸張処理が施されてVRAM105c等で実現されるフレームバッファへ展開して液晶表示装置13に表示するようにしてもよい。
次に、サブCPU102aは、画像制御基板105を制御して、通常リーチ演出パターンが表示されている液晶表示装置13の液晶画面上に演出ボタン17の操作を遊技者に促すための報知画像である演出ボタン17に似せた演出ボタン画像を重畳表示させる(ステップS14)。
そして、サブCPU102aは、遊技者によって演出ボタン17の操作が行われたか否かを判定する(ステップS15)。その結果、演出ボタン17が操作されたと判定された場合(YES)、サブCPU102aは、液晶表示装置13の液晶画面上の通常リーチ演出パターン上に重畳表示させている演出ボタン画像の表示を終了する(ステップS16)。そして、サブCPU102aは、画像制御基板105を制御して、液晶表示装置13上に現在表示されている通常リーチ演出に代えて特別リーチ演出パターンによる特別リーチ演出(特別リーチ演出)を表示する(ステップS17)。
図8は、図7に示す本実施形態の遊技機1の演出制御基板102及び画像制御基板105等による特別リーチ演出(ステップS17)の詳細な処理を説明するためのフローチャートである。特別リーチ演出処理では、コマンドの種類に応じてパラメータを初期化する(ステップS17a)。なお、本実施形態では、パラメータi,jをともに1に初期化する。そして、伸張手段302によって、図6に示す第1の動画のi番目のフレームの伸張処理を行う(ステップS17b)。
また、ステップS17bで伸張処理された第1の動画のi番目のフレームに含まれる部分画像は、一時記憶手段306に一時記憶される(ステップS17c)。なお、一時記憶手段306に一時記憶される部分画像はi番目のフレームに含まれるすべての画像であってもよいし、一又は複数の特定の画像であってもよい。これらの特定の画像はすべての場合で固定していてもよいし、コマンドの種類に応じて設定されるようにしてもよい。また、次のフレームの伸張時には一時記憶させた特定の画像をすべて書きかえるようにしてもよいし、数フレーム分或いは過去に伸張された全フレームを一時的に記憶するようにしてもよい。このように特定の画像を一時記憶しておくことによって、合成手段304は、伸張手段302によって第1の動画のNフレーム目が伸張された際に、伸張された第1の動画のNフレーム目に配置されている複数の部分画像又は一時記憶手段306に一時記憶されている第1の動画のN−1フレームやそれ以前のフレームの一又は複数の部分画像を第2の動画のMフレーム目に合成して演出動画を生成することが可能となり、より多様な演出動画を遊技者に提供することができるようになる。
次に、特別リーチ演出の演出動画に含める一又は複数の動画の指定方法を確定する(ステップS17d)。本実施形態では、一又は複数の動画の指定方法は、制御コマンドの種類に応じて当該制御コマンドに基づく遊技状態に予め対応させた動画を指定するようにする。なお、動画の指定方法については、前述のように、遊技者が操作手段500でインタラクティブに行ってもよいし、乱数等を用いてランダムに指定するようにしてもよい。一例として、以下の実施形態では、図6に示すように、第1の動画に含まれる複数の動画のうち3つの動画を指定し、かつ、そのうちの2つの動画のフレームについては伸張処理を行った現フレーム(i番目のフレーム)を、残る1つの動画のフレームについては一つ前に伸張処理を行ったフレーム(i−1番目のフレーム)が指定されたものとする。なお、初期値でi=1の場合には、0番目のフレームは存在しないことになるので、このような場合には代替え処理として1番目のフレームを0番目のフレームとして合成処理に用いることとし、2番目以降の合成処理においてはi−1番目のフレームを合成処理に用いるようにする。
このように、第1の動画に保持している複数の動画の中から演出動画中に合成させる一又は複数の動画を指定することによって、より多様な演出動画を遊技者に提供できるようになる。この際、第1の動画に含まれる動画数を第2の動画に合成可能な動画数よりも多く保持することでそのバリエーションはさらに増大する。また、第1の動画に含まれる一の動画を第2の動画の複数の位置に合成させるようにしてもよいし、その際に過去フレームの動画を用いるようにしてもよい。さらに、一又は複数の動画の指定を遊技状態に対応させることで、遊技機の演出とマッチした多彩な演出パターンを遊技者に提供することが可能となる。
そして、指定手段303は、ステップS17dで定められた方法で指定された一又は複数のフレームを、伸張された第1の動画のi番目及びi―1番目のフレームの中から読み出す(ステップS17e)。そして、合成手段304は、読み出された一又は複数のフレームを第2の動画のj番目のフレームに合成する(ステップS17f)。本実施形態では、第2の動画のj番目のフレーム中における部分画像pImg_(j)1,pImg_(j)2,pImg_(j)3と第1の動画のi−1番目のフレーム中における動画の各フレームpImg_(i−1)1と第1の動画のi番目のフレーム中における動画の各フレーム,pImg_(i)2,pImg_(i)3について、ステップS17cの動画の指定方法の確定時に、第1の動画のi番目及びi−1番目のフレーム内の部分画像pImg_(i),pImg_(i−1)が第2の動画のj番目のフレームのどの部分画像pImg_(j)に対応付けられて配置されるのかが決定されるものとする。
そして、合成して生成された第2の動画のj番目のフレームを背景画像及びその他のスプライト画像等と合成して特別リーチ演出動画のフレームを完成させて液晶表示装置13の表示画面上に表示する(ステップS17g)。なお、本実施形態では、特別リーチ演出を第2の動画の1フレーム目からQフレーム目(Q<Q1,Q2)までのフレームを含む演出動画として液晶表示装置13上に表示するものとする。そこで、ステップS17fで合成された演出動画のフレームが液晶表示装置13上に表示された後、表示フレームがQフレームに達したかどうかが判断される(ステップS17h)。その結果、表示フレームがQフレーム目に達していない場合(No)は、パラメータi,jを1だけインクリメントし(ステップS17i)、ステップS17bに戻って上記処理を繰り返す。一方、表示フレームがQフレーム目に達した場合(Yes)、特別リーチ演出を終了する(ステップS18)。
本実施形態では、パラメータi,jの初期値として1を割り当てて、第1の動画の1フレーム目の部分動画のフレームを第2の動画の1フレーム目の部分画像として合成するようにしているが、演出によっては異なるパラメータを付与するようにしてもよい。例えば、パラメータi,jの初期値として、i=3,j=5を付与した場合には、第1の動画の3フレーム目上の部分動画のフレームが第2の動画の5フレーム目の部分画像として合成されることになる。また、本実施形態では、特別リーチ演出を第2の動画の1フレーム目からQフレーム目までのフレームを含む演出動画としているが、フレームの長さは演出の時間等に合わせて設定するようにしてもよい。このようにすることで、多様な部分画像を持つバラエティに富んだ演出動画の生成が可能となる。なお、ステップS18の処理後については、例えば、大当たりの場合には続いて大当たり演出を行い、外れの場合には通常演出を再開する。
一方、図6に示すフローチャートのステップS15において演出ボタン17の操作が遊技者によって行われなかった場合には(NO)、演出ボタン操作可能期間内であるか否かが判定される(ステップS19)。その結果、演出ボタン操作可能期間内であると判定された場合(YES)はステップS15の処理に戻る。一方、ステップS19において遊技者による演出ボタン操作可能期間内ではない(すなわち、有効な操作が可能な時間が終了するタイミングである)と判定された場合(NO)は、液晶表示装置13の液晶画面上の通常リーチ演出パターン上に重畳表示させている演出ボタン画像の表示を終了する(ステップS20)。すなわち、このタイミングになった後に遊技者は演出ボタン17を操作しても特別リーチ演出には移行しなくなる。
そして、サブCPU102aは、画像制御基板105等を制御して、通常リーチ演出を終了する(ステップS21)。なお、演出ボタン画像の表示終了タイミングと通常リーチ演出終了のタイミングとは同一タイミングであってもよい。
上述したように、複数の部分動画を用いて演出画像を生成する際に、複数の部分動画を別々の動画として圧縮して保持し、合成画像を生成する際に伸張処理を行っていた従来の遊技機と比較して、本実施形態の遊技機1では、複数の部分動画の伸張処理を一括して行うことができる。これによって、複数の部分動画を別々のデータとして圧縮して保持していた従来の遊技機と比較して、遊技機の処理負荷を軽減することができ、より高速に、多様な演出動画を液晶画面に表示させることができる。
以上説明した本発明の一実施形態に係る遊技機1の具体的な構成は当該実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上記実施形態では、特定のコマンドとしてリーチ演出コマンドを一例として用いたが、その他のコマンドであってもよい。例えば、特定のコマンドとしては、大当たり状態の継続中に送信される大当たりコマンド、大当たり状態の処理を開始させるための大当たり開始コマンド、大当たり状態の処理を終了させるための大当たり終了コマンド、周辺部に大当たり前のリーチ状態の処理を実行させるための大当たりリーチコマンド、周辺部に電源投入時の処理を実行させるための電源投入コマンド、周辺部に非遊技状態におけるデモ表示を実行させるための客待ちデモコマンド、周辺部に非遊技状態におけるデモ表示を停止させるための客待ちデモ停止コマンド、周辺部に抽選時の抽選結果がはずれの場合の処理を実行させるためのはずれコマンド、普通電動役物(電動チューリップ)の開放抽選やいわゆるフェイクと呼ばれる大当たりと同様に特別電動役物が短時間だけ開放するような小当たり状態の継続中に送信される小当たりコマンド等であってもよい。また、特定のコマンドとして、上記の他に例えば、電源オフコマンド、はずれリーチコマンド、はずれ非リーチコマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド等であってもよい。
さらに、演出ボタン画像の色、形、大きさ、液晶表示装置13の液晶画面上の表示位置等についても上記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
さらにまた、上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用する例を示したが、これに限定されず、本発明は、雀球遊技機、アレンジボール等のパチンコ遊技機以外の弾球遊技機、スロットマシン等の回胴式遊技機等の他の遊技機にも適用することができる。これらの遊技機においても、上記実施形態と同様に構成することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。