ところで、特許文献1に記載されたディスプレイ台70は、商品載置台に中空円筒状のフルタイプの商品見本80を嵌合保持する円形の係合部を有し、中扉60に取付けられたうえで前記商品見本80を載置して展示するように構成されているので、少なくともフルタイプの商品見本80の径(厚み)と略同一の厚みを有している。このため、ディスプレイ室50における透明板40と中扉60との間の寸法(奥行き寸法ともいう)は比較的大きい。ここで、自動販売機は薄型化(前後方向の奥行き幅の薄型化)が図られており、ディスプレイ室50の透明板40から中扉60の背面に固着された上部断熱内扉30の背面までの寸法も所定の寸法に定められている。このため、上部断熱内扉30の厚みは、ディスプレイ室50の奥行き寸法により一義的に定められ、ディスプレイ室50の奥行き寸法が大きくなると庫内の断熱性能に影響を及ぼす上部断熱内扉30の厚みが制限される。断熱内扉30の断熱材料の価格は、低価格帯から高価格帯まで幅広く存在し、低価格帯の断熱材料と高価格帯の断熱材料とを対比すると、厚みが同一である場合、前者に対して後者の断熱性能が高い。したがって、ディスプレイ室50の奥行き寸法により厚みが制限された上部断熱内扉30により所定の断熱性能を得るためには高価格帯の断熱材料を用いなければならず、コストが上昇するという課題を有する。また、前記ディスプレイ台70は、目方のある鋼板等の金属材料により形成されているうえにディスプレイ室50内に上下に複数段配設されることから自動販売機の重量が増加するという課題を有する。
前述したように、前記ディスプレイ室50の奥行き寸法の殆どを占めるフルタイプの商品見本80、例えば、図20に例示した缶,ペットボトルなどの容器形状に一致させた商品見本80に対し、前記フルタイプの商品見本80を縦方向に半分に切断したハーフタイプの商品見本、若しくは薄いプラスチックシートに商品の外観意匠を印刷したフラットタイプの商品見本が知られている。これらのハーフタイプの商品見本,フラットタイプの商品見本を用い、かつ、照明光源としての蛍光灯に代えて発光ダイオードを用いることによりディスプレイ台70の厚みを小さくしてディスプレイ室50の奥行き寸法を小さくすることが考えられる。しかしながら、ハーフタイプの商品見本についてディスプレイ台70の円形の係合穴に直接嵌合させて展示され、また、フラットタイプの商品見本については前記ディスプレイ台70に追加装備されるアタッチメント等により展示されるように構成される一方、照明光源としての発光ダイオードはただ単に蛍光灯と置換するように構成、つまり、フルタイプの商品見本80を展示するディスプレイ台70に発光ダイオードを取付けるという構成が採用されているに留まり、ディスプレイ室を薄型化した自動販売機は出現していない。
そこで、本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、商品見本を載置する鋼板製のディスプレイ台を削減することが可能で、ディスプレイ室の奥行き寸法を小さくすることが可能な自動販売機を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に係る自動販売機は、本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室と、当該ディスプレイ室に展示された複数の商品見本を照明する照明手段を備え、前記照明手段の光源として発光ダイオードを用いた自動販売機であって、前記照明手段は前記発光ダイオードを内蔵する発光ダイオード組立体からなり、当該発光ダイオード組立体にハーフタイプ若しくはフラットタイプの商品見本を展示するホルダーを一体に形成したことを特徴とする。
また、請求項2に係る自動販売機は、請求項1記載の自動販売機において、発光ダイオード組立体は、底面が発光ダイオードからの光を透過可能な透光部として形成された下枠部材と、複数の発光ダイオードが実装され、当該発光ダイオードからの光が前記透光部に投光されるように下枠部材に固着されたプリント配線基板と、このプリント配線基板を覆うように前記下枠部材に固着される上枠部材とからなり、前記上枠部材に連ねて商品見本を展示するホルダーを一体に形成してなることを特徴とする。
また、請求項3に係る自動販売機は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の自動販売機において、ホルダーは、ホルダーは、フラットタイプの商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部からなることを特徴とする。
また、請求項4に係る自動販売機は、請求項4記載の自動販売機において、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることを特徴とする。
さらに、請求項5に係る自動販売機は、請求項3に記載の自動販売機において、フラットタイプの商品見本を保持するホルダーから後方に延在するとともにハーフタイプの立体状商品見本を挟持するクリップを有することを特徴とする。
また、請求項6に係る自動販売機は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動販売機において、発光ダイオード組立体は、ディスプレイ室の左右方向に延在する態様で横長帯状体として形成され、この発光ダイオード組立体の上枠部材に連ねて商品見本を展示するホルダーが左右方向に複数形成されてなることを特徴とする。
また、請求項7に係る自動販売機は、請求項6に記載の自動販売機において、発光ダイオード組立体は、左右方向に複数形成されたホルダーに対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部材が着脱自在に装着される商品情報表示部を有することを特徴とする。
また、請求項8に係る自動販売機は、請求項7に記載の自動販売機において、商品情報表示部は、個別の商品情報表示部材が装着される態様で、複数のホルダーに個別に設けられていることを特徴とする。
また、請求項9に係る自動販売機は、請求項7に記載の自動販売機において、商品情報表示部は、複数の冷温情報および価格情報を表示する横長帯状の商品情報表示部材が装着される態様で複数のホルダーに跨って設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る自動販売機によれば、本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室と、当該ディスプレイ室に展示された複数の商品見本を照明する照明手段を備え、前記照明手段の光源として発光ダイオードを用いた自動販売機であって、前記照明手段は前記発光ダイオードを内蔵する発光ダイオード組立体からなり、当該発光ダイオード組立体にハーフタイプ若しくはフラットタイプの商品見本を展示するホルダーを一体に形成したことにより、複数の商品見本を照明する発光ダイオード組立体を商品見本展示用のディスプレイ台として兼用することができ、前記発光ダイオード組立体は従来装置のディスプレイ台に対して厚みを小さくすることが可能であり、商品見本としてフルタイプの商品見本に対して厚みの小さいハーフタイプ若しくはフラットタイプの商品見本を採用することによって、ディスプレイ室の奥行き寸法を小さくすることができる。したがって、ディスプレイ室の背面に固着された断熱内扉の厚みを厚くすることができるので、断熱内扉による庫内の断熱性能を従来装置の性能と同一とした場合には低価格帯の断熱材料を使用することができ、コストの低減を図ることが可能となる。さらに、鋼板製のディスプレイ台を削減することができるので、自動販売機の総重量を低減することができるものである。
また、請求項2に係る自動販売機によれば、請求項1記載の自動販売機において、発光ダイオード組立体は、底面が発光ダイオードからの光を透過可能な透光部として形成された合成樹脂製の下枠部材と、複数の発光ダイオードが実装され、当該発光ダイオードからの光が前記透光部に投光されるように下枠部材に固着されたプリント配線基板と、このプリント配線基板を覆うように前記下枠部材に固着される合成樹脂製の上枠部材とからなり、前記上枠部材に連ねて商品見本を展示するホルダーを一体に形成してなることにより、簡単な構成により発光ダイオード組立体を得ることができ、ホルダー付きの発光ダイオード組立体をモジュール部品として自動販売機の製造ラインに投入することができる。
また、請求項3に係る自動販売機によれば、ホルダーは、フラットタイプの商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部からなることにより、前記ホルダーの保持部に形成された湾曲した保持溝に下端を保持されたフラットタイプの商品見本が保持溝の湾曲に倣って湾曲するので、その剛性を高めることができ、フラットタイプの商品見本を起立姿勢に維持することができる。
また、請求項4に係る自動販売機によれば、請求項3記載の自動販売機において、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることにより、商品見本展示用アタッチメントをプラスチック成形品とした場合にも薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本を保持可能な一条の微小間隙を形成することが可能となる。
また、請求項5に係る自動販売機は、請求項3に記載の自動販売機において、フラットタイプの商品見本を保持するホルダーから後方に延在するとともにハーフタイプの立体状商品見本を挟持するクリップを有することにより、発光ダイオード組立体を用いてハーフタイプの商品見本を展示すること、或いはハーフタイプの商品見本とフラットタイプの商品見本の両者を混合して展示することができる。
また、請求項6に係る自動販売機は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動販売機において、発光ダイオード組立体は、ディスプレイ室の左右方向に延在する態様で横長帯状体として形成され、この発光ダイオード組立体の上枠部材に連ねて商品見本を展示するホルダーが左右方向に複数形成されてなることにより、従来装置のディスプレイ台と同様に左右方向に延在する一つの発光ダイオード組立体として形成することができる一方、従来装置のディスプレイ台を左右方向にn分割(n<2以上の整数)したユニットとして形成してこれらを横並びに並設することも可能であり、この場合にはプリント配線基板に実装された複数の発光ダイオードのうちの一つの発光ダイオードが故障、若しくはホルダーが破損した際、当該故障した発光ダイオード、若しくは破損したホルダーを搭載した発光ダイオード組立体のみを交換すれば部品の無駄を削減することができる。
また、請求項7に係る自動販売機は、請求項6に記載の自動販売機において、発光ダイオード組立体は、左右方向に複数形成されたホルダーに対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部材が着脱自在に装着される商品情報表示部を有することにより、別途商品情報表示部材を保持する部材を設ける必要がないので部品点数を削減することが可能となる。この場合、請求項8に係る自動販売機のように、商品情報表示部を、個別の商品情報表示部材が装着される態様で、複数のホルダーに個別に設けたことにより個別の商品情報表示部材を装着することができ、また、請求項9に係る自動販売機のように、商品情報表示部を、複数の冷温情報および価格情報を表示する横長帯状の商品情報表示部材が装着される態様で複数のホルダーに跨って設けたことにより、横長帯状の商品情報表示部材を装着することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機について添付図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置が従来装置と相違する点は特にディスプレイ室の周辺であり、ここでは従来装置と相違するディスプレイ室の周辺について説明することとし、また、自動販売機の全体構成は図20に示したものと同一であるので適宜図20を参照しつつ説明を行う。
(実施の形態1)
図1において、60で再びディスプレイ室50(図20参照)を構成する中扉を示し、この中扉60は左端に設けたヒンジ金具60a,60aにより外扉20(図20参照)に開閉自在に取付けられ、右端に設けた係止金具60bにより外扉20に係止されるように構成されており、背面には上部断熱内扉30aが固着されている。1は発光ダイオード組立体であり、この発光ダイオード組立体1はディスプレイ室50(図20参照)を構成する中扉60の左右方向に延在する態様で横長帯状体として形成され、中扉60に上下方向に3段並べて取付けられている。前記発光ダイオード組立体1はディスプレイ室50の左右方向にn分割(n<2以上の整数)したユニットとして形成され、この実施の形態では図1の下段に取付けられた発光ダイオード組立体1が一つのユニットとして形成され、中段および上段には2つの発光ダイオード組立体1が横並びに並設されているものである。
図2および図3は、前記下段の発光ダイオード組立体1の斜視図および分解斜視図を示し、図2および図3をも参照して発光ダイオード組立体1をさらに詳しく説明する。前記発光ダイオード組立体1は、下枠部材11と上枠部材12とを組み合わせることにより両者の間に形成された空間に複数の発光ダイオードLED(後述する図5参照)が実装されたプリント配線基板13を配設してなるものである。
前記下枠部材11は、横長帯状の薄い箱型に形成された乳白色の合成樹脂製になり、周壁(前後左右の側壁)に対して薄肉に形成された底面が投光窓111として形成されている。前記投光窓111は前述したように薄肉に形成されて発光ダイオードLEDからの光を透過可能な透光部として形成されるとともにその内壁面が梨子地状に形成されて透光部を通過する光を分散させるように構成されている。前記下枠部材11には投光窓111を横切るスペーサー部112と、このスペーサー部112の前後両端から上方に延在した係止片113,113とからなる挟持ピース114が投光窓111の延在方向に複数設けられ、また、下枠部材11の左右側壁内面にはスペーサー115が設けられている。さらに、下枠部材11の底面における前後側壁の近傍には上方に延在する複数の係合爪116が形成されている。それぞれの係合爪116は可撓性を有しており、その先端には外方に向いたフックが形成されている。
前記プリント配線基板13は、下枠部材11の内部に収容可能な大きさの横長帯状に形成され、前記下枠部材11の挟持ピース114のスペーサー部112およびスペーサー115の上に載置した状態で配設され、挟持ピース114の係止片113,113に挟持されて下枠部材11に固着されている。このプリント配線基板13の一方の面(図3では背面側となる下面)に複数の発光ダイオードLED(図5参照)が投光窓111に対向して実装され、他方の面(図3では上面)の左右端部に配線接続用のコネクタ131が搭載されている。
前記上枠部材12は、下枠部材11の外観と同一の概観を呈する横長帯状の薄い箱型に形成された乳白色の合成樹脂製になる。この場合、上枠部材12は下枠部材11の底面に形成された投光窓111、挟持ピース114およびスペーサー115については備えておらず、全体が圧肉に形成されている。また、上枠部材12の前後側壁の内面には、前記下枠部材11の係合爪116と対峙する箇所に内方を向いたフック121(後述する図5参照)が形成されている一方、前後側壁の外面には、それぞれ一対の係合穴122,122が形成されている。
そして、前記上枠部材12の頭部には複数のホルダー2が一体に形成されている。このホルダー2はフラットタイプの商品見本80A(図1,図2参照)を起立姿勢に保持して展示するものである。このフラットタイプの商品見本80Aについては後述する。前記ホルダー2は、上枠部材12の平面図を示す図4も参照すると明らかように、それぞれ前方側に凸の湾曲状に形成されており、その湾曲に沿ってそれぞれ一条の保持溝21が形成されている。前記保持溝21は、上方および左右側方に開放しており、上方の開放部から嵌入されたフラットタイプの商品見本80Aを保持するように構成されている。この場合、フラットタイプの商品見本80Aが薄いプラスチックシートからなり、この薄いフラットタイプの商品見本80Aを保持するために前記保持溝21の溝幅は微小間隙として形成せねばならない。このため、図4の(b)に拡大して示すように、前記保持溝21の内壁は互い違いに噛み合う鋸歯状に形成され、両者の鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように構成し、合成樹脂からなるホルダー2に微小間隙を形成することを可能としている。なお、図4から明らかなように、上枠部材12の頭部には前記プリント配線基板13に搭載されたコネクタ131が貫通するコネクタ貫通穴123が穿孔されている。
また、図1乃至図3、および図5において、3は発光ダイオード組立体1を保持して中扉60に取付けるための合成樹脂製の取付台である。この取付台3は、図3および図5に示すように、前方側には発光ダイオード組立体1を載置する載置面31およびこの載置面31の前後両端に設けた前後一対の挟持片32,33が形成され、後端壁34には中扉60に設けた係止孔(不図示)を貫通して中扉60の背面に当接して取付台3を中扉60に固着する係止片35が形成されている。前記挟持片32,33の先端にはそれぞれ内方に向いたフックが形成され、前方側の挟持片32は後方側の挟持片33に対して大きく撓むことができるように外方に突出する態様の湾曲形状に形成されている。
次に、発光ダイオード組立体1の組立てについて説明すると、まず、下枠部材11の挟持ピース114のスペーサー部112およびスペーサー115の上にプリント配線基板13を載置する。この場合、プリント配線基板13は、発光ダイオードLEDが下枠部材11の投光窓111に臨むように一方の面が下枠部材11の底面を向き、かつ、挟持ピース114における係止片113,113の間に嵌入する。これにより、プリント配線基板13は挟持ピース114における係止片113,113に挟持された状態で下枠部材11に固着される。次いで、下枠部材11の上方から上枠部材12を被せるように取付ける。この場合、下枠部材11の周壁端面に上枠部材12の周壁端面を対峙させた状態で上枠部材12を下枠部材11に近接させると、下枠部材11の係合爪116における外方を向いたフックが上枠部材12の前後側壁の内面に沿ってその内部に進入する。そして、前記係合爪116のフックが上枠部材12の前後側壁内面に形成したところの内方を向いたフック121に当接すると係合爪116が内方に撓んで前記係合爪116のフックの上枠部材12の内部への進入を許容するので、前記係合爪116のフックはフック121の傾斜面に沿って上枠部材12の内部に進入する。そして、前記係合爪116のフックがフック121の傾斜面を乗り越えると撓んでいた前記係合爪116が元の状態に復元して係合爪116のフックがフック121と係合し、下枠部材11と上枠部材12とが相互に結合されて発光ダイオード組立体1のユニットが完成する。このように組み立てられた発光ダイオード組立体1の上枠部材12のコネクタ貫通穴123からはプリント配線基板13に搭載された配線接続用のコネクタ131が露出している。
なお、発光ダイオード組立体1を分解するために上枠部材12には工具挿入孔124が形成されているものである。この工具挿入孔124は、上枠部材12のフック121に係合した前記係合爪116のフックの延長線上に位置している。したがって、前記工具挿入孔124から工具(例えば、マイナスドライバー)を挿入して係合爪116を内方に撓ませて係合爪116のフックを前記フック121から引き外したうえで、上枠部材12と下枠部材11を引き離す。このようにして発光ダイオード組立体1を分解することができる。
さて、前述したように組み立てられた発光ダイオード組立体1は取付台3を介して中扉60に固着され、前記発光ダイオード組立体1に対して取付台3は次のようにして組み付けられる。すなわち、前記発光ダイオード組立体1の上枠部材12には取付台3における前後一対の挟持片32,33の先端に設けたフックが係合する前後一対の係合穴122,122が形成されており、発光ダイオード組立体1の下方から取付台3における前方側の挟持片32のフックを発光ダイオード組立体1の前方側の係合穴122に係合させる。この場合、取付台3が発光ダイオード組立体1の前面側に回り込み、後方側の挟持片33の先端が発光ダイオード組立体1の下面に当接している。この状態から取付台3を発光ダイオード組立体1の後面側に回り込むように前方側の挟持片32を強制的に撓ませつつ回動させると後方側の挟持片33の先端が発光ダイオード組立体1の下面を通り越して発光ダイオード組立体1の後方側の側面に回り込む。引き続き、取付台3を回動させると前後の挟持片32,33の間に発光ダイオード組立体1が除除に嵌まり込むので、取付台3の後方側の挟持片33の先端に設けたフックを発光ダイオード組立体1の後方側の係合穴122に接近させる。そして、前記挟持片33の先端に設けたフックが発光ダイオード組立体1の後方側の係合穴122に係合すると、取付台3の載置面31が発光ダイオード組立体1の下面に密着し、この状態で前方側の挟持片32は元の状態に復元している。これにより取付台3が発光ダイオード組立体1に組み付けられる。
このように、発光ダイオード組立体1に一体に組み付けられた取付台3を中扉60(図1参照)に取付けるのであるが、この取付台3の中扉60への取付けは、取付台3の後面壁34に形成された係止片35を中扉60に設けた係止孔(不図示)に挿入係止させる。これにより取付台3を介して発光ダイオード組立体1が中扉60の所定位置に固定される。そして、発光ダイオード組立体1の上枠部材12のコネクタ貫通穴123から露出したプリント配線基板13に搭載された配線接続用のコネクタ131には外扉20(図20参照)に配設した制御ボックスに接続されたハーネスが中扉60の背面から当該中扉60に設けた孔を介して前面に引き回されており、前記ハーネスに接続されたカプラが差し込まれる。これにより制御ボックスとプリント配線基板13に搭載された発光ダイオードLEDとの間で信号の授受が行われる。なお、取付台3を介して中扉60に取付けられた発光ダイオード組立体1は前方側が低く、後方側が高くなるように傾斜しており、これにより発光ダイオード組立体1に内蔵された発光ダイオードLEDからの光は中扉60の前面に照射され、ディスプレイ室50内が間接照明されるように構成されている。また、図5から理解できるように、発光ダイオード組立体1に一体に形成されたホルダー2は断面「く」字状に形成され、フラットタイプの商品見本80A(図1、図2参照)を保持する一条の保持溝21の溝孔が鉛直方向を向くように構成されているものである。
前述したように外扉60に取付けられた発光ダイオード組立体1のホルダー2には、図1および図2に示すように、フラットタイプの商品見本80Aが起立姿勢で展示される。フラットタイプの商品見本80Aは、可撓性の薄いプラスチックシートに商品の外観意匠を印刷した矩形平板状の透明若しくは半透明のシートからなるものである。この商品見本80Aは、発光ダイオード組立体1のホルダー2に形成された一条の保持溝21(図4参照)に次のように差し込むことによりホルダー2に起立姿勢で展示される。すなわち、商品見本80Aをホルダー2に形成した湾曲した保持溝21に準じて湾曲させたうえで当該保持溝21の上方の開放端から差し込む。この場合、前記保持溝21の内壁は互い違いに噛み合う鋸歯状に形成され、両者の鋸歯の先端の間に商品見本80Aの厚みに相当する微小間隙が生じるように構成されているので、商品見本80Aと保持溝21との間にがたつきがなく、かつ、商品見本80Aが湾曲した保持溝21に倣って湾曲していることから商品見本80Aは保持溝21に密着している。このため、商品見本80Aはホルダー2から脱落することがなく、さらに湾曲していることからしな垂れることなく安定した起立姿勢を維持した状態で展示される。
ここで、前記フラットタイプの商品見本80Aにおける左右両側縁には切欠801(図2参照)が設けられおり、この切欠801について次に説明する。前述したようにフラットタイプの商品見本80Aをホルダー2に安定した起立姿勢で展示されるようにするため、商品見本80Aは保持溝21に倣って湾曲させられている。このため、切欠801を備えていない商品見本80Aは下部領域から上部領域までの全体が湾曲してしまい、商品見本80Aに印刷した商品の外観意匠の見栄えを損なうおそれがある。そこで、商品見本80Aには左右側縁の下部側に切欠801を設けている。このように、切欠801を有する商品見本80Aの下端を湾曲させる、つまり、前記ホルダー2の保持溝21に挿入した場合、シート状商品見本80Aの切欠801よりも下部領域は保持溝21の湾曲に倣って湾曲(曲率の小さい湾曲)するが、前記切欠801によって下部領域との繋がりが一部絶たれた切欠801よりも上部側領域の湾曲は下部側の湾曲に対して比較的小さくなる(曲率の大きな湾曲となる)。このように、切欠801を形成することにより商品見本80Aの湾曲を抑えることができる。したがって、フラットタイプの商品見本80Aの剛性を高めるために湾曲させた場合に商品見本80Aに印刷された商品の外観意匠の損なうおそれがあるという矛盾を商品見本80Aにおける左右両側縁に形成した切欠801により打破することができる。なお、切欠801は角型に限らず円弧形状とすることもでき、さらに、切欠801に代えて切り込みを入れることもできるものである。
前述したように本発明の実施の形態1に係る自動販売機によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50と、当該ディスプレイ室50に展示された複数の商品見本80Aを照明する照明手段を備え、前記照明手段の光源として発光ダイオードLEDを用いた自動販売機であって、前記照明手段は前記発光ダイオードLEDを内蔵する発光ダイオード組立体1からなり、当該発光ダイオード組立体1にフラットタイプの商品見本80Aを展示するホルダー2を一体に形成したことにより、複数の商品見本80Aを照明する発光ダイオード組立体1を商品見本展示用のディスプレイ台70(図20参照)として兼用することができ、前記発光ダイオード組立体1は従来装置のディスプレイ台70に対して厚みを小さくすることが可能であり、商品見本としてフルタイプの商品見本80に対して厚みの小さいフラットタイプの商品見本80Aを採用することによって、ディスプレイ室50の奥行き寸法を小さくすることができる。したがって、ディスプレイ室50の背面に固着された断熱内扉30の厚みを厚くすることができるので、断熱内扉30による庫内の断熱性能を従来装置の性能と同一とした場合には低価格帯の断熱材料を使用することができ、コストの低減を図ることが可能となる。さらに、鋼板製のディスプレイ台70を削減することができるので、自動販売機の総重量を低減することができるものである。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る自動販売機について図6〜図10を参照して説明する。図6は本発明の実施の形態2に係る自動販売機の主要部である発光ダイオード組立体にハーフタイプの商品見本とフラットタイプの商品見本とを展示した状態の斜視図、図7は図6に示した発光ダイオード組立体の分解斜視図、図8は図7に示した発光ダイオード組立体の右端側の拡大平面図、図9は図8のB−B線断面図、図10は図9に示した発光ダイオード組立体にハーフタイプの商品見本を展示した状態の断面図であり、図1〜図5に示した実施の形態1の自動販売機と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。
図6〜図10に示す実施の形態2に係る自動販売機が実施の形態1の自動販売機と相違する点は、発光ダイオード組立体1Aであり、その他は実施の形態1の自動販売機と同一である。前記発光ダイオード組立体1Aが実施の形態1の発光ダイオード組立体1と相違する点は、上枠部材12の頭部に一体に形成したフラットタイプの商品見本を保持する複数のホルダー2から後方に延在するとともにハーフタイプの商品見本を挟持するクリップ4を設けた点である。前記クリップ4は、図8に示すように、左右方向に幅を有して構成されている。一方、ハーフタイプの商品見本80Bは、缶,ペットボトルなどの容器形状に一致させたフルタイプの商品見本80(図20参照)の本体を縦方向に半割り状に切断したものであって、弓張月状の底板80B1(図10参照)を有するものである。
前記発光ダイオード組立体1Aは取付台3を介して中扉60に取付けられ、前記発光ダイオード組立体1Aのクリップ4にハーフタイプの商品見本80Bを係止して展示される。すなわち、中扉60に取付けられた発光ダイオード組立体1Aのホルダー2の上端にハーフタイプの商品見本80Bの底板80B1を乗せたうえで商品見本80Bを後方側にスライドさせると、商品見本80Bの底板80B1がクリップ4に挟み込まれて係止される。これにより商品見本80Bはクリップ4に係止された状態で起立姿勢に展示される。なお、発光ダイオード組立体1Aのホルダー2には実施の形態1と同様にフラットタイプの商品見本80Aを展示することができるものであり、図6に示すように、発光ダイオード組立体1Aにはハーフタイプの商品見本80Bとフラットタイプの商品見本80Aを混合して展示することができる。もちろん、発光ダイオード組立体1Aに展示する商品見本の全てをハーフタイプの商品見本80Bとすることができるものである。
前述したように本発明の実施の形態2に係る自動販売機によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50と、当該ディスプレイ室50に展示された複数の商品見本80A,80Bを照明する照明手段を備え、前記照明手段の光源として発光ダイオードLEDを用いた自動販売機であって、前記照明手段は前記発光ダイオードLEDを内蔵する発光ダイオード組立体1Aからなり、当該発光ダイオード組立体1にフラットタイプの商品見本80Aを展示するホルダー2を一体に形成し、かつ、フラットタイプの商品見本80Bを保持するホルダー2ら後方に延在するとともにハーフタイプの商品見本80Bを挟持するクリップ4を設けたことにより、実施の形態1と同様に、ディスプレイ室50の背面に固着された断熱内扉30の厚みを厚くすることができるので、断熱内扉30による庫内の断熱性能を従来装置の性能と同一とした場合には低価格帯の断熱材料を使用することができ、コストの低減を図ることが可能で、かつ、鋼板製のディスプレイ台を削減することができるので、自動販売機の総重量を低減することができるという効果に加え、発光ダイオード組立体1Aを用いてハーフタイプの商品見本80Bを展示すること、或いはハーフタイプの商品見本80Bとフラットタイプの商品見本80Aとの両者を混合して展示することができるものである。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る自動販売機について図11〜図15を参照して説明する。図11は本発明の実施の形態3に係る自動販売機の主要部である発光ダイオード組立体にハーフタイプの商品見本を展示した状態の斜視図、図12は図11に示した発光ダイオード組立体の分解斜視図、図13は発光ダイオード組立体における上枠部材を右斜め上方から見た斜視図、図14は上枠部材における左端側の拡大斜視図、図15は商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する個別の商品情報表示部材の正面図であり、(a)は商品情報表示部材の展開図、(b)は商品情報表示部材の折り畳み図である。図1〜図5に示した実施の形態1の自動販売機と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。
図11〜図15に示す実施の形態3に係る自動販売機が実施の形態1の自動販売機と相違する点は、発光ダイオード組立体1Bと、この発光ダイオード組立体1Bに装着される商品情報表示部材5を備えた点であり、その他は実施の形態1の自動販売機と同一である。前記発光ダイオード組立体1Bが実施の形態1の発光ダイオード組立体1と相違する点は、上枠部材12の頭部に一体に形成したフラットタイプの商品見本80Aを保持する複数のホルダー2の前面に、図15に示す個別の商品情報表示部材5を保持する商品情報保持部6を設けた点である。前記商品情報保持部6は、図13に示すように、ホルダー2における上部側の左右側縁から前方に延在するとともに先端が互いに向き合う方向に屈曲して形成された把持片61,61と、ホルダー2の基端部から前方に突出するように形成された保持板62とからなる。保持板62の上部側には蛇腹状の二つの突出板63,63が形成されている。前記保持板62は把持片61,61の屈曲した先端の下方まで延在している一方、突出板63,63は前方側に凸状に湾曲して形成されたホルダー2の前面に略一致する位置まで延在、すなわち、突出板63,63は前記保持板62よりも奥まっている。
前記商品情報表示部材5は、前記ホルダー2における上部側の左右側縁から前方に延在する態様で形成された把持片61,61の間の寸法に略一致する幅を有し、前記保持板62から把持片61,61の上端までの寸法の略2倍に相当する高さを有する矩形のプラスチックシートからなり、上下方向の中間位置で背中合わせに折り畳まれるようになっている。前記商品情報表示部材5には、上下方向の中間位置を境として上方域および下方域に庫内に保存された商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報51および商品の価格情報52を表示する表示面を有し、この実施の形態では上部表示面に商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字と商品の商品価格(「¥120」)が表示され、下部表示面に商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字と商品の商品価格(「¥120」)が逆さまに表示されている。したがって、前記商品情報表示部材5を上下方向の中間位置で背中合わせに折り畳むと、一方の面に商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字と商品の価格情報(「¥120」)が表れ、他方の面に商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字と商品の価格情報(「¥120」)が表れる。
前記商品情報表示部材5は、上下方向の中間位置で背中合わせに折り畳んだうえで折目側から発光ダイオード組立体1Bにおけるホルダー2に設けた把持片61,61の間に装着される。すなわち、商品情報表示部材5の一方の面(図11の場合には庫内に保存された商品のホット状態を表す「HOT」の文字と商品の価格情報(「¥120」)が表示された面)を前面とし、他方の面(商品のコールド状態を表す「COLD」の文字と商品の価格情報(「¥120」)が表示された面)を背面として前記把持片61,61の上方から商品情報表示部材5の折目側を把持片61,61の間に挿入して当該折目部を保持板62の上面に当接させる。この状態で商品情報表示部材5の前方側から一方の面を押圧して押し込むと商品情報表示部材5の他方の面が保持板62の上方に設けた突出板63,63の先端に当接して位置決めされる。前述したように商品情報表示部材5をホルダー2の前面に形成した把持片61,61に装着した状態において前記商品情報表示部材5の折目とは反対側の端部(自由端)がホルダー2の前面と把持片61,61における互いに向き合う方向に屈曲した先端との間に保持される。この場合、折り畳まれた商品情報表示部材5は元に戻ろうとする復元力を備えており、商品情報表示部材5の折目とは反対側の端部(自由端)がホルダー2の前面と把持片61,61の屈曲した先端とに押付けられる。これにより、商品情報表示部材5はホルダー2の前面に形成した把持片61,61にがたつきなく安定した状態に保持される。
前述したように本発明の実施の形態3に係る自動販売機によれば、発光ダイオード組立体1Bは、当該発光ダイオード組立体1Bに一体に複数形成されたホルダー2に対応する商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報(「HOT」若しくは「COLD」)および商品の価格情報(「¥120」)を表示する商品情報表示部材5が着脱自在に装着される商品情報表示部6を有することにより、別途商品情報表示部材5を保持する部材を設ける必要がないので部品点数を削減することが可能となる利点を有する。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る自動販売機について図16〜図19を参照して説明する。図16は本発明の実施の形態4に係る自動販売機の主要部である発光ダイオード組立体にフラットタイプの商品見本を展示した状態の斜視図、図17は図16に示した発光ダイオード組立体の分解斜視図、図18は発光ダイオード組立体における上枠部材を右斜め上方から見た斜視図、図19は商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する横長帯状の商品情報表示部材の正面図であり、図1〜図5に示した実施の形態1の自動販売機と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。
図16〜図19に示す実施の形態4に係る自動販売機が実施の形態1の自動販売機と相違する点は、発光ダイオード組立体1Cであり、その他は実施の形態1の自動販売機と同一である。前記発光ダイオード組立体1Cが実施の形態1の発光ダイオード組立体1と相違する点は、上枠部材12の頭部に一体に形成したフラットタイプの商品見本を保持する複数のホルダー2の前面に複数のホルダーに跨る態様で配設されるところの複数の冷温情報および価格情報を表示する横長帯状の商品情報表示部材7保持する商品情報保持部8を設けた点である。前記商品情報保持部8は、図17および図18に示すように、ホルダー2の基端側から前方に突出するように形成された載置板81と、この載置板81の前端から上方に延在する保持板82からなる。前記載置板81および保持板82は複数のホルダー2に跨る態様で前記発光ダイオード組立体1Cの横幅と略同一の横幅を有している。前記保持板82の両端部は後方に向けて屈曲形成されている。ここで、前記載置板81の前端から上方に延在する保持板82は、それぞれ前方側に凸状に湾曲して形成された複数のホルダー2の前面よりも前方に位置し、前記ホルダー2の前面と保持板82との間に商品情報表示部材7を装着する隙間が形成されるように構成されている。なお、前記保持板82の高さは商品情報表示部材7の高さの略1/2の高さを有している。
前記商品情報表示部材7は、横長帯状の合成樹脂製フィルムからなり、その長手方向に沿った中間位置を境として上方域および下方域には、庫内に保存された商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報71および商品の価格情報72を表示する表示面を有し、この実施の形態では上部表示面に商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字と商品の商品価格(「¥120」)が左右方向に複数表示され、下部表示面に商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字と商品の商品価格(「¥120」)が左右方向に複数、上部表示面の表示と逆さまに表示されている。
前記商品情報表示部材7は、発光ダイオード組立体1Cにおけるホルダー2の前面に設けた保持板82の背後に装着される。すなわち、商品情報表示部材7を前記保持板82の上方から当該保持板82の背後であるところの保持板82とホルダー2の前面の間の隙間に挿入して載置板81に載置させる。このように商品情報表示部材7を保持板82の背後に装着した状態で、当該商品情報表示部材7は保持板82の両端に設けた後方への屈曲部により位置決めされるとともに左右方向への移動が規制される。
前述したように本発明の実施の形態4に係る自動販売機によれば、発光ダイオード組立体1Cは、当該発光ダイオード組立体1Cに複数形成されたホルダー2に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報(「HOT」若しくは「COLD」)および商品の価格情報(「¥120」)を表示する商品情報表示部材7が着脱自在に装着される商品情報表示部8を有することにより、別途商品情報表示部材7を保持する部材を設ける必要がないので部品点数を削減することが可能となる利点を有する。
前述した本発明に係る自動販売機によれば、発光ダイオード組立体1〜1Cは、ディスプレイ室50(図20参照)の左右方向に延在する態様で横長帯状体として形成され、この発光ダイオード組立体1〜1Cの上枠部材12に連ねて商品見本80A,80Bを展示するホルダー2が左右方向に複数形成されてなることにより、従来装置のディスプレイ台70(図20参照)と同様に左右方向に延在する一つの発光ダイオード組立体1〜1Cのとして形成することができる一方、従来装置のディスプレイ台70を左右方向にn分割(n<2以上の整数)したユニットとして形成してこれらを横並びに並設することも可能であり、この場合にはプリント配線基板13に実装された複数の発光ダイオードLEDのうちの一つの発光ダイオードLEDが故障、若しくはホルダー2が破損した際、当該故障した発光ダイオードLED、若しくは破損したホルダー2を搭載した発光ダイオード組立体1〜1Cのみを交換すれば部品の無駄を削減することができる。
なお、上記各実施の形態においては、保持溝21が一条の連続した溝からなる形態について説明したが、例えば、保持溝21が連続しておらずに細切れに分散されたものであってもよく、また、溝の代わりに複数の突起を並設して微小間隙を形成することもできる。したがって、一条の保持溝21とはシート状商品見本80Aを湾曲した状態で保持できるものを総称するものであり、また、発光ダイオード組立体1〜1Cは取付台3を介して中扉60に取付けられるように構成されたものについて説明したが、発光ダイオード組立体1〜1Cに中扉60への係止片を一体に形成して発光ダイオード組立体1〜1Cを直接中扉60に取付けることもできるものである。前述した実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。