JP2013061088A - Co2回収装置を備えたボイラーの熱回収システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボイラーと、ボイラーで熱回収した蒸気で発電する蒸気タービンと、その後流で蒸気を凝縮させる復水器と、その凝縮した水を蒸気タービンから抽気した蒸気で加熱する加熱器を有する発電システムと、更に、ボイラーから排出された排ガス中のCO2ガスを固体のCO2捕捉材を用いて捕捉し回収するCO2回収装置と、該CO2回収装置でCO2を回収した後の排ガスまたはボイラーから排出された排ガスを排出させるための煙突を備えるボイラーシステムであって、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて、前記ボイラーシステムに関わる流体の温度を向上させる装置を有することを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
復水器により凝集した水の一部或いは全部を、熱交換器を用いてCO2回収装置から排出される排ガスと熱交換させ、温度を上げることで発電システムの熱効率を高めることができる。本発明ではCO2回収装置として固体のCO2捕捉材を使用する。この場合、CO2回収装置から排出される排ガスの温度は、CO2捕捉材の種類にもよるが100℃〜500℃に達することもある。特許文献4では、CO2排ガス温度が85℃の場合の試算としてタービン出力が0.3%〜0.4%向上するとされているが、固体のCO2捕捉材を用いた場合には更なるタービン出力向上が見込める。
また、ボイラーに流入するガスの温度をCO2回収装置から排出される排ガスを用いて高めることでボイラーの熱効率が高まる。従来は室温程度の空気を、エアーヒーターを使用して300℃程度に高めた後にボイラーへ流入させていた。しかしCO2回収装置から排出される排ガスを用いて例えば空気の温度を100℃程度まで上昇させておけば、エアーヒーターを通過後にボイラーへ流入する空気の温度も350℃程度に高めることができる。この場合、ボイラー排ガスの温度が約50℃高まるので、エアーヒーターの後流に熱回収熱交換器を設置することで、復水器により凝集した水の一部或いは全部を、熱交換器を用いてより効果的に温度を上げることができ、発電システムの熱効率が高まる。この場合、ボイラーの発電効率は約2.1%向上する。
CO2回収装置から排出される排ガスを用いて、煙突に流入するガスの温度を高めることで、煙突からの白煙排出を抑制できる。具体的には煙突に流入するガスの一部或いは全部が、CO2回収装置から排出される排ガスとすることで、煙突に流入するガスの温度を高めることができる。
CO2回収装置としては、固体のCO2捕捉材料によるCO2捕捉作用を用いたものであれば特にこだわらない。CO2回収装置として、CO2捕捉材を充填したCO2捕捉塔を4基設置することが考えられる。この場合、CO2捕捉過程としては、(a)CO2の捕捉、(b)CO2捕捉塔内のパージ、(c)CO2の脱離、(d)CO2捕捉塔内の冷却、が考えられ、設置された4基のCO2捕捉塔にそれぞれ以下の(a)〜(d)の4つの工程を順次対応させることで高度に排ガス中のCO2を回収することができる。
図1に従来技術として、CO2固体捕捉材を用いたCO2回収装置を備えた、石炭焚きボイラーの排ガス処理システムの一例を示す。石炭焚きボイラー1に石炭と空気を供給し、石炭を燃焼させる。このときの燃焼排ガス温度は1600〜1800℃になる。この排ガスはボイラー内の図示していない熱交換器によって減温し、脱硝装置2に導入する。脱硝装置ではアンモニア(以下NH3と記載)を供給し、脱硝触媒を介してNOxを窒素(以下N2と表記)に還元、無害化する。さらに、排ガスはエアーヒーター3に導入され、空気11(ボイラー燃焼用ガス)と熱交換する。空気11は、外気をガス供給ファン10(以下FDFと表記)で取り込み、エアーヒーター3で加熱され、石炭焚きボイラー1の燃焼用空気として使用する。熱回収熱交換器(以下、熱回収GGH4と記載)に導入された排ガスは熱回収GGH4において水と熱交換後に、乾式電気集塵器5で煤塵が除去され、脱硫装置6でSOxが除去される。一方、熱回収GGH4で暖められた水を用いて、再加熱熱交換器(以下、再加熱GGH8と記載)で排ガス温度を上昇させ、水蒸気が白煙にならない温度で煙突9から排ガスが放出される。再加熱熱交換器は、白煙の目視公害抑止のために設置されたものであり、白煙が水蒸気であれば環境上問題はなく、場所によっては設置義務の無いところもある。
石炭焚きボイラーの排ガス処理の熱回収を進めることによる熱効率向上手法として、図2に示すような技術が考えられる。本技術は再加熱熱交換器を設置しない場合の排ガス処理システムであり、熱回収GGH4で回収した熱を利用し、ボイラーの熱効率を上げるシステムである。
本技術で使用できるCO2回収装置としては、図3に示す装置が考えられる。
図4は、復水器24により凝集して得た復水と、CO2捕捉材を内包する容器であるCO2捕捉材充填塔20から排出されたガスとの熱交換により、復水の温度を向上させる装置の構成例を示す図である。熱回収GGH4に流入するガスとしては、CO2捕捉過程、CO2パージ過程、CO2脱離過程、塔冷却過程のいずれの過程においてCO2捕捉材を内包するCO2捕捉材充填塔20から排出されたガスを用いても良い。但し、CO2脱離過程においてCO2捕捉材を内包するCO2捕捉材充填塔20から排出されたCO2ガスは、熱回収GGH4を通った後、圧縮機により圧縮され、回収される。熱回収GGH4により温度が高まった復水は、加熱器26を通った後、ボイラー1に送られ、発電システム出力向上につながる。ボイラーの規模にもよるが0.4%以上のタービン出力向上が見込める。
2 脱硝装置
3 エアーヒーター
4 熱回収GGH
5 乾式電気集塵器
6 脱硫装置
7 CO2回収装置
8 再加熱GGH
9 煙突
10 ガス供給ファン
11 空気
12 圧縮機
13 CO2
14 非凝縮性ガス
15 CO2ガス流路
16 水蒸気ガス流路
17 空気流路
18 CO2含有ガス流路
19 切換え弁
20 CO2捕捉材充填塔
21 ガス排出口
22 CO2圧縮機接続配管
23 蒸気タービン
24 復水器
25 蒸気
26 加熱器
27 給水ポンプ
28 熱交換器用給水ポンプ
Claims (14)
- ボイラーと、ボイラーで熱回収した蒸気で発電する蒸気タービンと、その後流で蒸気を凝縮させる復水器と、その凝縮した水を蒸気タービンから抽気した蒸気で加熱する加熱器を有する発電システムと、更に、ボイラーから排出された排ガス中のCO2ガスを固体のCO2捕捉材を用いて捕捉し回収するCO2回収装置と、該CO2回収装置でCO2を回収した後の排ガスまたはボイラーから排出された排ガスを排出させるための煙突を備えるボイラーシステムにおいて、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて、前記ボイラーシステムに関わる流体の温度を向上させる装置を有することを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項1に記載のボイラーシステムにおいて、前記流体は復水器により凝集した水であることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項1に記載のボイラーシステムにおいて、前記流体は前記ボイラーに流入するガスであることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項1に記載のボイラーシステムにおいて、前記流体は前記煙突に流入する排ガスであることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項2に記載のボイラーシステムにおいて、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて、前記ボイラーシステムに関わる流体の温度を向上させる装置は、前記復水器により凝集した水の一部或いは全部の温度を、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて高める熱交換器であることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項3に記載のボイラーシステムに対し、ボイラーから排出される排ガスに熱交換器を設置し、前記熱交換器を用いて、前記復水器により凝集した水の一部或いは全部の温度を高めるボイラーシステムであって、ボイラーに流入するガスの温度を、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて高める装置を有することを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項6に記載のボイラーシステムに対し、前記ボイラーに流入するガスの温度を、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて高める装置は、前記ボイラーに流入するガスの一部或いは全部を、前記CO2回収装置から排出される排ガスとする装置であることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項6または7に記載のボイラーシステムにおいて、前記ボイラーに流入するガスの温度を、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて高める装置として、前記ボイラーに流入するガスの温度を高めるための熱交換器を設置し、前記熱交換器は、前記CO2回収装置から排出される排ガスとの熱交換により、前記ガスの温度を高めることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項4に記載のボイラーシステムにおいて、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて、前記ボイラーシステムに関わる流体の温度を向上させる装置は、煙突に流入するガスの温度を、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて高める装置を有することを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項9に記載のボイラーシステムにおいて、前記煙突に流入するガスの温度を、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて高める装置は、煙突に流入するガスが、前記CO2回収装置から排出される排ガスを含む装置であることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項9または10に記載のボイラーシステムにおいて、前記煙突に流入するガスの温度を、前記CO2回収装置から排出される排ガスを用いて高める装置として、煙突の前段に熱交換器を設置し、前記熱交換器は、前記CO2回収装置から排出される排ガスとの熱交換により、前記煙突に流入する空気の温度を高めることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項1乃至11のいずれか1項記載のボイラーシステムにおいて、前記CO2回収装置のCO2捕捉塔へ導入されるガスが、ボイラー排ガス、CO2ガス、水蒸気、空気から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項1乃至12のいずれか1項記載のボイラーシステムにおいて、前記CO2回収装置としてCO2捕捉塔が複数塔あり、CO2捕捉塔から流出したガスを、他のCO2捕捉塔へ流入させることを特徴とするボイラーシステム。
- 請求項1乃至13のいずれか1項記載のボイラーシステムにおいて、前記CO2回収装置に使用される固体のCO2捕捉材がCeを含むことを特徴とするボイラーシステム。
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