JP2013059300A - 発泡性アルコール飲料の製造容器及びそれを用いた製造方法並びに発泡性アルコール飲料の提供用車両及びその提供方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】10〜30Lの容量の円筒形の金属製容器であって、上部に少なくとも圧力を0.13MPaに調整できる圧力調整弁4と、抽出口に連通して前記金属製容器内部に挿入され、底から1cm〜10cmの位置に開口した先端を有する管と、を有する発泡性アルコール飲料醸造用及び提供用容器1。
【選択図】図1
Description
しかしながら、この方法では少なくとも3種類のタンクが必要となり、それらを設置する場所が必要となるため、多種類の醸造を同時に行うには限界があった。近年、小規模醸造装置としていくつかの出願(特許文献1、特許文献2)がなされているが、容器の形状が複雑で温度制御装置が必要となるなど業務用に多種類のビールを製造し販売する目的には必ずしも適していなかった。そこで、より低コストかつ小スペースで醸造が可能な容器、製造方法が求められていた。
さらに、イベント会場等、ブルワリー以外の場所でも発泡性アルコール飲料を提供するための飲料提供車両や提供方法が求められていた。
(1) 10〜30Lの容量の円筒形の金属製容器であって、上部に少なくとも圧力を0.13Mパスカル(Pa)に調整できる圧力調整弁と、抽出口に連通して前記金属製容器内部に挿入され、底から1cm〜10cmの位置に開口した先端を有する管とを有する発泡性アルコール飲料醸造用及び提供用容器。圧力を0.13MPaに調整できるのであれば、それ以外の圧力にも調整できる圧力調整弁であってもよい。また、抽出口に連通して前記金属製容器内部に挿入され、底から1cm〜10cmの位置に開口した先端を有する管とは、通常金属製又はテフロン(登録商標)製等の管で、発泡性アルコール飲料を注ぐ際に液体が出て行く管である。先を底から1cm以上の高さにしたのは、発酵終了後の酵母が沈殿して凝集した位置より上側に管の先端を置くことにより、酵母の巻き込みを防ぎ、清澄な飲料を提供するためである。管の先端の高さは容器の底から1cm以上上側が好ましいが、より好ましくは2cm以上、さらに好ましくは3cm以上、最も好ましくは3.5cm以上である。
本発明の容器や製造方法によれば、瓶詰め、缶詰めによる出荷も可能ではあるが、貯酒した後そのままコックにつないでジョッキ等に注ぎ、客に提供できる点に特徴がある。
容器については、市販の周囲が二重層になっている金属製の円筒形容器で、直径:長さの比が、1:2〜1:3程度のものを改造して用いた(図1)。この容器の蓋の部分の圧力調整弁4として、圧力が0.13MPaになったときに開放されるようにした圧力調整弁を取りつけ、液体を出す管(サイホンチューブ7)の先端部分を酵母が発酵後凝集した澱よりも上側になるように切断して作成した。先端部が酵母の澱よりも上側になり、抽出時に酵母を巻き込まないように、管(サイホンチューブ7)の先端部分を底から3.5cm程度上になるように切断した。この切断位置は、容器の大きさ、酵母の種類や量に応じて適宜変更できる。発泡性アルコール飲料を提供する際に、酵母の混入を抑制できる高さにすればよい。
バネについては市販のバネのうち、計算上、0.13MPaでガスを開放できるバネを見出しそれを用いて圧力調整弁4を作成した。
鍋に麦芽量の2〜3倍容量の水を65℃〜68℃に加熱し、火を止めてから麦芽を入れ、均等になるようにかき混ぜる。65℃〜68℃に1時間保温し、時々かき混ぜることにより糖化させる。ヨード澱粉反応で澱粉が完全に糖化されたことを確認する。澱粉が残っている場合は、完全に分解されるまで糖化時間を延長する。糖化が完了したら78℃まで加熱し、火を止めて10分間置く。
麦芽を糖化した液体は、ストレーナーまたは粗めの布でこして、残りの残渣にも湯をかけて糖化液を回収し、最終的に麦芽1kgにつき、麦汁7.0〜8.0Lになるようにする。
麦汁としては、実施例3で製造した糖化麦汁か、市販のモルトエキストラクトを用いた。モルトエキストラクトは製造元の説明書に従って調製した。
酵母は、乾燥酵母Safale S-04 (Fermentis社製)を用いた。酵母はグルコース溶液中で1〜2時間30℃で培養してから発酵に用いた。
ホップは必要に応じて、ビタリング用とアロマ用を添加する。通常、ビタリング用は発酵前、アロマ用は発酵後に添加することが多いがアロマ用ホップを発酵当初から添加してもよい。
発酵は18℃〜26℃で、4日間〜14日間行った。発酵終了後、4℃〜10℃で14日間〜90日間貯酒することにより熟成させた。
通常の冷蔵コンテナ車を改造して、ビール等発泡性アルコール飲料を車両のコンテナの側面に設けたコック用孔12に挿入したコック(タップ)9から直接注ぐことができるようにした。コンテナ車の冷蔵コンテナにコック(タップ)9を挿入できるよう、コック9の直径に適合するコック用孔12を開けた。走行中等飲料を注がないときはこのコック用孔12は適当な蓋(ゴム製のふた等)により塞いでおく。飲料を提供する場所に到着したら、蓋を外し、コック9の元の部分を挿入した後、冷蔵庫内でチューブの一方をコック9の元に連結し、他方を醸造用容器の注出口(コーンボディOUT6)に連結する。必要に応じて、炭酸ガス注入口(コーンボディIN2)から炭酸ガスを送り込んで加圧して飲料を押し出すことも可能である。
2 コーンボディIN
3 カバーハンドル
4 圧力調整弁
5 カバー
6 コーンボディOUT
7 サイホンチューブ
8 冷蔵コンテナ
9 コック(タップ)
10 枠
11 受け皿
12 コック用孔
13 側壁
Claims (4)
- 10〜30Lの容量の円筒形の金属製容器であって、上部に少なくとも圧力を0.13MPaに調整できる圧力調整弁と、抽出口に連通して前記金属製容器内部に挿入され、底から1cm〜10cmの位置に開口した先端を有する管と、を有する発泡性アルコール飲料醸造用及び提供用容器。
- 請求項1に記載の醸造用及び提供用容器に、発泡性アルコール飲料の原料と酵母を投入し、18℃〜26℃の温度で4日間〜14日間発酵させ、その後、4℃〜10℃で14日間〜90日間貯酒熟成することを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。
- 請求項1に記載の醸造用及び提供用容器中で発酵、貯酒を行った後、そのまま前記抽出口に連結したコックにより発泡性アルコール飲料を注ぎ、顧客に提供する方法。
- 冷蔵コンテナ付車両に請求項1の醸造用及び提供用容器を積載し、その抽出口に連結した管と連結された発泡性アルコール飲料のコックを冷蔵コンテナの外部側面及び/又は後面に有する発泡性アルコール飲料提供車両。
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