JP2013055194A - 積層インダクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁束が積層インダクタの外部に漏れる割合が低減され、より大きなインダクタンス値を有する積層インダクタを提供する。
【解決手段】 電極印刷シート3a,3b,3c,および3dには、それぞれ隣接する2つのコイル導体パターン2a,2i、2b,2h、2c,2g、および2d,2fが印刷されている。電極印刷シート3a〜3cが積層されて、各コイル導体パターン2a〜2c、2g〜2iの端部どうしが接続されることにより、相互に独立に巻回された隣接する2つの巻回部7,8が形成される。電極印刷シート3eに形成されたIの字形のコイル導体パターン2eは、ビア接続シート4a〜4cを介して、電極印刷シート3dのコイル導体パターン2d、2fに接続される。このため、2つの巻回部7,8の接続部には、巻き中心軸の方向が並列巻回部の巻き中心軸の方向と直交した直交巻回部9が形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層された複数のコイル導体パターンが1本の導体に連なって巻回される積層インダクタに関するものである。
従来、この種の積層インダクタとしては、コイル導体パターンが絶縁体内の異なる二点を周回し、それら二点の中間で絶縁層を介してコイル導体パターンが8字形に交差する特許文献1に開示されたものがある。また、コイル状導体線路が互いにそのパターンが逆向きになるように磁性体層を介して積層され、積層方向からのコイル状導体線路が略日の字形状のパターンをした特許文献2に開示されたものもある。これらの積層インダクタでは、巻き方向が逆の2つの巻回部が隣接して構成され、各巻回部の巻き中心を通る磁束の向きが互いに逆方向になるため、漏れ磁束の少ない閉磁路化が可能となっている。
また、特許文献3には、高透磁率の磁性体層中に形成された第1のコイル部および低透磁率の磁性体層中に形成された第2のコイル部が直列接続された巻回部と、低透磁率の磁性体層中に形成された第3のコイル部および高透磁率の磁性体層中に形成された第4のコイル部が直列接続された巻回部との2つが隣接して構成された積層インダクタが開示されている。この積層インダクタでは、高透磁率の磁性体層中に形成された第1のコイル部および第4のコイル部が主として低周波ノイズを除去し、低透磁率の磁性体層中に形成された第2のコイル部および第3のコイル部が主として高周波ノイズを除去する。また、低透磁率の磁性体層中に形成された第2のコイル部および第3のコイル部でそれぞれ巻き中心方向に逆に磁束が発生し、これら磁束が電磁的に結合して結合磁束が形成されるので、積層インダクタの低透磁率の磁性体層側端部から漏れる磁束は低減される。
また、特許文献4には、上部配線層に形成された第1の導電体と、下部配線層に形成された第2の導電体とが中間層に形成されたコンタクト部を介して螺旋状に接続され、トロイダル状のコイルを構成する積層インダクタが開示されている。この積層インダクタは、巻き中心が層に平行な面にあり、層に平行になる方向に磁束のループが形成され、それ自身で閉磁路を構成するので、漏れ磁束の発生が抑制される。
特開平4−7810号公報 特開2000−188217号公報 特開2002−289432号公報 特開2002−289436号公報
しかしながら、上記従来の特許文献1および特許文献2にそれぞれ開示された積層インダクタは、2つの巻回部の巻き中心に生じる各磁束の向きが180°異なるため、2つの巻回部が隣接して配置されても、一方の巻回部に生じる磁束の全てが隣接する他方の巻回部に生じる磁束と結合せず、幾分かは漏れる。この漏れ磁束は、一方の巻回部の内径部から出た磁束が他方の巻回部に引き込まれ易くなるため、単一の巻きのコイルに比べて少なく出来るものの、その抑制には限界がある。
また、上記従来の特許文献3に開示された積層インダクタも、同様に、低透磁率の磁性体層側端部から漏れる磁束は低減されるが、その磁束低減効果は十分ではない。
また、上記従来の特許文献4に開示された積層インダクタは、上部配線層や下部配線層の平面上に複数の導電体を帯状に形成し、これらがループになるように配置することから、巻数を増やすことは困難であり、大きなインダクタンス値を持つインダクタを得ることは出来ない。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
積層された複数のコイル導体パターンが1本の導体に連なって巻回される積層インダクタにおいて、
巻き中心を通る磁束の向きが互いに逆方向になる並列巻回部と、巻き中心軸の方向が並列巻回部の巻き中心軸の方向と直交して並列巻回部の少なくとも一方の端部に形成された直交巻回部とを備えることを特徴とする。
本構成によれば、並列巻回部の少なくとも一方の端部には、その端部に形成された直交巻回部により、並列巻回部に生じる各磁束の向きに直交する直交磁束が生じる。このため、並列巻回部の少なくとも一方の端部において、並列巻回部の一方の巻回部端部から巻回部外方側へ向かう磁束は、直交巻回部によって作られる直交磁束に導かれ、並列巻回部の他方の巻回部端部に生じる巻回部内方側へ向かう磁束に効率よく束ねられる。従って、並列巻回部の少なくとも一方の端部に形成される磁束は乱れることの少ないループの流れを作り、この流れにより、磁束が外部に漏れる割合は直交巻回部が無い場合よりも低減される。また、磁束がこのように束ねられて外に漏れること少なく並列巻回部内を巡回するため、より大きなインダクタンス値を有する積層インダクタを提供することが可能になる。
また、本発明は、並列巻回部が、コイル導体パターンが積層されることで相互に独立に巻回された隣接する2つの巻回部から形成され、
直交巻回部が、2つの巻回部の接続部に形成されて2つの巻回部を直列接続することを特徴とする。
本構成によれば、並列巻回部を構成する相互に独立した2つの巻回部の直列接続部に、直交巻回部により、2つの巻回部に生じる各磁束の向きに直交する直交磁束が生じる。このため、一方の巻回部の直列接続部側端部から巻回部外方側へ向かう磁束は、直交巻回部によって作られる直交磁束に導かれ、他方の巻回部の直列接続部側端部に生じる巻回部内方側へ向かう磁束に効率よく束ねられる。
また、本発明は、並列巻回部が、コイル導体パターンが積層されることで相互に独立に巻回されて直列接続された隣接する2つの巻回部から形成され、
直交巻回部が、2つの巻回部の接続部の反対側の端部に形成されることを特徴とする。
本構成によれば、並列巻回部を構成する相互に独立した2つの巻回部の直列接続部反対側端部に、直交巻回部により、2つの巻回部に生じる各磁束の向きに直交する直交磁束が生じる。このため、他方の巻回部の直列接続部反対側端部から巻回部外方側へ向かう磁束は、直交巻回部によって作られる直交磁束に導かれ、一方の巻回部の直列接続部反対側端部に生じる巻回部内方側へ向かう磁束に効率よく束ねられる。
また、本発明は、並列巻回部が、コイル導体パターンが積層されることで相互に独立に巻回された隣接する2つの巻回部から形成され、
直交巻回部が、2つの巻回部を直列接続する2つの巻回部の接続部と、この接続部の反対側の端部との並列巻回部の両端部に形成されることを特徴とする
本構成によれば、並列巻回部を構成する相互に独立した2つの巻回部の直列接続部とその反対側の端部との双方に、直交巻回部により、2つの巻回部に生じる各磁束の向きに直交する直交磁束がそれぞれ生じる。このため、一方の巻回部の直列接続部側端部から巻回部外方側へ向かう磁束が、直列接続部に形成された直交巻回部によって作られる直交磁束に導かれ、他方の巻回部の直列接続部側端部に生じる巻回部内方側へ向かう磁束に効率よく束ねられると共に、他方の巻回部の直列接続部反対側端部から巻回部外方側へ向かう磁束が、直列接続部の反対側に形成された直交巻回部によって作られる直交磁束に導かれ、一方の巻回部の直列接続部反対側端部に生じる巻回部内方側へ向かう磁束に効率よく束ねられる。
本発明によれば、上記のように、並列巻回部の少なくとも一方の端部に形成される磁束が乱れることの少ないループの流れを作り、この流れにより、磁束が積層インダクタの外部に漏れる割合は直交巻回部が無い場合よりも低減される。また、磁束が束ねられて外に漏れること少なく並列巻回部内を巡回するため、より大きなインダクタンス値を有する積層インダクタを提供することが可能になる。
本発明の一実施の形態による積層インダクタの内部構成を示す分解斜視図である。 (a)は図1に示す積層インダクタの概略内部構成を示す透視図、(b)は図1に示す積層インダクタの外観を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態による積層インダクタの効果を確認する磁界強度測定の結果を示すグラフである。 本発明の一実施の形態による積層インダクタの効果を確認するために比較に用いた第1の積層インダクタの内部構成を示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態による積層インダクタの効果を確認するために比較に用いた第2の積層インダクタの内部構成を示す分解斜視図である。 一実施の形態の変形例による積層インダクタの内部構成を示す分解斜視図である。
次に、本発明の一実施の形態による積層インダクタについて、説明する。
図1は、本実施の形態による積層インダクタの内部構成を示す分解斜視図である。
積層インダクタ1は、コイル導体パターン2a〜2iが表面に形成された電極印刷シート3a〜3eが積層されて構成される。電極印刷シート3d,3e間にはビア接続シート4a〜4cが積層され、電極印刷シート3a〜3eは、その両端が外層シート5a〜5cおよび5dに挟まれる。
電極印刷シート3a〜3e、ビア接続シート4a〜4cおよび外層シート5a〜5dはフェライトグリーンシートからなり、電極印刷シート3a,3b,3c,および3dには、それぞれ隣接する2つのコイル導体パターン2a,2i、2b,2h、2c,2g、および2d,2fがAgペーストで印刷されている。電極印刷シート3a〜3cが積層されて、各コイル導体パターン2a〜2c、2g〜2iの図で一点鎖線で結ばれる端部どうしがビアホールで接続されることにより、図2(a)の積層インダクタ1の透視図に示す、相互に独立に巻回された隣接する2つの巻回部7,8が形成される。なお、電極印刷シート3b,3cのペアAは、積層インダクタ1に必要とされるインダクタンス(L)値に応じて、複数のペアAが積層される。一方の巻回部7はコイル導体パターン2a〜2cが連なって形成され、他方の巻回部8はコイル導体パターン2g〜2iが連なって形成される。巻回部7,8は、巻き中心を通る磁束Φ1,Φ2の向きが図示するように互いに逆方向になる並列巻回部を構成する。
また、図1に示すように、最上層の電極印刷シート3eにはIの字形にコイル導体パターン2eが形成されており、その一方の端部は、ビア接続シート4a〜4cに形成されたビアホール6を介して、電極印刷シート3dの一方のコイル導体パターン2dに図に一点鎖線で示すように接続される。また、コイル導体パターン2eの他方の端部は、ビア接続シート4a〜4cに形成されたビアホール6を介して、電極印刷シート3dの他方のコイル導体パターン2fに図に一点鎖線で示すように接続される。このため、コイル導体パターン2d,2e,2fにより、2つの巻回部7,8の接続部には、巻き中心軸の方向が並列巻回部の巻き中心軸の方向と直交した図2に示す直交巻回部9が形成される。直交巻回部9は、並列巻回部の一方の端部に形成されて、2つの巻回部7,8を直列接続し、各巻回部7,8に生じる磁束Φ1,Φ2と直交する直交磁束Φ3を生成する。
積層インダクタ1は、電極印刷シート3a〜3e、ビア接続シート4a〜4cおよび外層シート5a〜5dが図1に示すように積層されることで、複数のコイル導体パターン2a〜2iが1本の導体に連なって巻回される。積層された電極印刷シート3a〜3e、ビア接続シート4a〜4cおよび外層シート5a〜5dが焼成されることで、本実施形態では、縦、横、厚さが2.5×2.0×1.2[mm]のチップサイズの積層インダクタ1が得られた。積層インダクタ1は図2(b)の外観斜視図に示すように一対の外部電極10a,10bを有する。この外部電極10a,10bは、最下層の電極印刷シート3aに形成されたコイル導体パターン2a,2iの各引出端部と接続される。
このような本実施の形態の積層インダクタ1によれば、2つの巻回部7,8の直列接続部に、直交巻回部9により、2つの巻回部7,8に生じる各磁束Φ1,Φ2の向きに直交する直交磁束Φ3が生じる。このため、一方の巻回部7の直列接続部側端部から巻回部外方側へ向かう磁束Φ1は、直交巻回部9によって作られる直交磁束Φ3に導かれ、他方の巻回部8の直列接続部側端部に生じる巻回部内方側へ向かう磁束Φ2に効率よく束ねられる。従って、並列巻回部の一方の端部に形成される磁束Φ1,Φ3,Φ2は乱れることの少ないループの流れを作り、この流れにより、磁束が外部に漏れる割合は直交巻回部9が無い場合よりも低減される。また、磁束がこのように束ねられて外に漏れること少なく並列巻回部内を巡回するため、より大きなインダクタンス(L)値を有する積層インダクタ1を提供することが可能になる。
本効果を確認するため、作製した積層インダクタ1に周波数2[MHz]で電流振幅0.2[A]の交流電流を加えて、積層インダクタ1のチップ上面0.5[mm]の箇所で、磁界強度の測定を行った。図3は、この測定結果を示すグラフで、横軸は積層インダクタ1のチップ長手方向の中央からの距離[mm]、縦軸は磁界プローブによる磁界強度測定値[dBμV]を表す。測定は、立方体の頂点を垂直方向にしたときにその下部の頂点の接触する面がなす角度でループを持つ磁界プローブを用い、磁界強度は磁界プローブを120°ずつ回転させて測定した値をベクトル合成した。
また、比較のため、本実施の形態のチップサイズと同じサイズを持つ、図4に示す積層インダクタ21および図5に示す積層インダクタ31の各比較例1および2についても、同様の測定を行った。なお、図4および図5において図1と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図4に示す比較例1の積層インダクタ21は、電極印刷シート3a〜3dに単一のコイル導体パターン22a〜22cがAgペーストで印刷されており、両端が外層シート5a〜5cおよび5d〜5fで挟まれる。最下層の電極印刷シート3aに形成されたコイル導体パターン22aは、一端部が外部電極10bに接続される。また、最下層のコイル導体パターン22aの他端部、電極印刷シート3b,3cに形成された各コイル導体パターン22bの端部、および最上層の電極印刷シート3dに形成されたコイル導体パターン22cの一端部は、図で一点鎖線で結ばれたものどうしが接続される。また、最上層のコイル導体パターン22cの他端部はビアホール26を介して最下層の電極印刷シート3aに戻されて、外部電極10aに接続される。電極印刷シート3b,3cのペアBは、積層インダクタ21に必要とされるインダクタンス(L)値に応じて、複数のペアBが積層される。
図5に示す比較例2の積層インダクタ31は、図1に示す積層インダクタ1に比べ、最上層の電極印刷シート3eに形成されるコイル導体パターン32eが、並列巻回部を構成する各巻回部7,8を単純に直列接続するパターンになっており、直列巻回部9が無い点が異なる。また、図1に示す電極印刷シート3dおよびビア接続シート4a〜4cが無く、上方に2枚の外層シート5e,5fが追加されている点が異なる。
図3に示すグラフにおいて、実線で示す特性線41は本実施の形態の積層インダクタ1についての測定結果、短い破線で示す特性線42は図4に示す比較例1の積層インダクタ21についての測定結果、長い破線で示す特性線43は図5に示す比較例2の積層インダクタ31についての測定結果である。
並列巻回部を有する特性線43で示す特性の積層インダクタ31は、単一巻きの特性線42で示す特性の積層インダクタ21に比べ、チップ中央で最大で7dB程度、磁界強度測定値が低くなっている。しかし、並列巻回部に加えて直交巻回部9を有する特性線41で示す特性の本実施の形態の積層インダクタ1は、特性線43で示す特性の積層インダクタ31に比べ、さらに4dB強、磁界強度測定値が低くなる。このことから、本実施の形態の積層インダクタ1によれば、直交巻回部9により大きな漏れ磁束低減効果が奏され、インダクタンス(L)値の取得も効率よく行えることが確認された。
なお、上記の実施の形態では、並列巻回部を構成する2つの巻回部7,8の直列接続部に直交巻回部9を形成した場合について説明したが、図6の分解斜視図に示すように、直列接続部と反対側に直交巻回部11を有する積層インダクタ51を構成するようにしてもよい。なお、同図において、図5と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
この積層インダクタ51では、2つのコイル導体パターン2b,2h、2c,2gがそれぞれ形成された電極印刷パターン3b,3c、およびコイル導体パターン32eが形成された電極印刷パターン3eが積層されることで、相互に独立に巻回されて直列接続された隣接する2つの巻回部7,8が形成され、並列巻回部が構成される。また、電極印刷パターン3aと3bとの間に、Agペーストからなるコイル導体パターン52fおよび52g,52iが形成された電極印刷パターン3fおよび3gをビア接続シート4a,4bを挟んで積層することで、2つの巻回部7,8の接続部の反対側の端部に直交巻回部11が形成される。この直交巻回部11は、コイル導体パターン52f〜52iからなり、コイル導体パターン52gの一端が上層の電極印刷パターン3bに形成されたコイル導体パターン2b、コイル導体パターン52iの一端が下層の電極印刷パターン3aに形成されたコイル導体パターン2aに、図で一点鎖線で示すように接続される。従って、直交巻回部11は、巻回部7に直列接続されて、巻き中心軸の方向が並列巻回部の巻き中心軸の方向と直交する。
本構成によれば、相互に独立した2つの巻回部7,8の直列接続部反対側端部において、コイル導体パターン52f〜52iからなる直交巻回部11により、2つの巻回部7,8に生じる各磁束Φ1,Φ2の向きに直交する直交磁束が生じる。このため、他方の巻回部8の直列接続部反対側端部から巻回部外方側へ向かう磁束Φ2は、直交巻回部11によって作られる直交磁束に導かれ、一方の巻回部7の直列接続部反対側端部に生じる巻回部内方側へ向かう磁束Φ1に効率よく束ねられる。このため、本構成によっても上記の実施の形態と同様な作用効果が奏される。
また、並列巻回部の一方の端部でなく、両方の端部にそれぞれ直交巻回部を有する積層インダクタを構成するようにしてもよい。この積層インダクタにおける並列巻回部は、図1(a)に示す電極印刷シート3b,3cが積層されることで、相互に独立に巻回された隣接する2つの巻回部7,8から構成される。また、電極印刷シート3c上に図1(a)に示す電極印刷シート3d、ビア接続シート4a〜4cおよび電極印刷シート3eが積層されることで、2つの巻回部7,8の直列接続部に1つの直交巻回部9が形成される。また、図1に示す電極印刷パターン3aと3bとの間に、図6に示すように、電極印刷パターン3fおよび3gをビア接続シート4a,4bを挟んで積層することで、2つの巻回部7,8の接続部の反対側の端部にもう1つの直交巻回部11が形成される。
本構成によれば、相互に独立した2つの巻回部7,8の直列接続部とその反対側の端部との双方において、各直交巻回部9,11により、2つの巻回部7,8に生じる各磁束Φ1,Φ2の向きに直交する直交磁束がそれぞれ生じる。このため、一方の巻回部7の直列接続部側端部から巻回部外方側へ向かう磁束Φ1が、直列接続部に形成された直交巻回部9によって作られる直交磁束Φ3に導かれ、他方の巻回部8の直列接続部側端部に生じる巻回部内方側へ向かう磁束Φ2に効率よく束ねられると共に、他方の巻回部8の直列接続部反対側端部から巻回部外方側へ向かう磁束Φ2が、直列接続部の反対側に形成された直交巻回部11によって作られる直交磁束に導かれ、一方の巻回部7の直列接続部反対側端部に生じる巻回部内方側へ向かう磁束Φ1に効率よく束ねられる。このため、本構成によっても上記の実施の形態と同様な作用効果が奏される。さらに、本構成によれば、積層インダクタの両端部において、近接する回路部品への漏れ磁束による影響を最小限に抑えることができ、積層インダクタの実装の向きを考慮する必要が無くなる。
また、上記の実施の形態および各変形例では、直交巻回部9,11の巻数を1ターンとした場合について説明したが、巻数は1ターンに限られることはない。並列巻回部に生じる磁束Φ1,Φ2の向きと直交する方向に磁束が形成されればよく、1ターンに満たない3/4ターンや1ターンを超える2ターン等にするようにしてもよい。
また、上記の実施の形態および各変形例では、並列巻回部を相互に独立した2つの巻回部7,8から構成した場合について説明したが、従来技術で説明した8の字形状や略日の字形状にコイル導体パターンが接続された2つの巻回部から、並列巻回部を構成するようにしてもよい。この場合、直交巻回部は、少なくともコイルの巻始め部または巻き終わり部に、図6に示すように一方の巻回部に直列に形成される。
また、上記の実施の形態および各変形例では、コイル導体パターンをAgで形成するようにしたが、Cu、Au、Ni等のその他の導電性材料から形成するようにしてもよい。また、磁性体シートとしてフェライトグリーンシートを用いた場合について説明したが、その他の磁性体シートを用いるようにしてもよい。
1,51…積層インダクタ
2a〜2i、32e、52f〜52i…コイル導体パターン
3a〜3g…電極印刷シート
4a〜4c…ビア接続シート
5a〜5f…外層シート
6…ビアホール
7、8…巻回部
9、11…直交巻回部
10a、10b…外部電極
Φ1、Φ2、Φ3…磁束

Claims (4)

  1. 積層された複数のコイル導体パターンが1本の導体に連なって巻回される積層インダクタにおいて、
    巻き中心を通る磁束の向きが互いに逆方向になる並列巻回部と、巻き中心軸の方向が前記並列巻回部の巻き中心軸の方向と直交して前記並列巻回部の少なくとも一方の端部に形成された直交巻回部とを備えることを特徴とする積層インダクタ。
  2. 前記並列巻回部は、前記コイル導体パターンが積層されることで相互に独立に巻回された隣接する2つの巻回部から形成され、
    前記直交巻回部は、2つの前記巻回部の接続部に形成されて2つの前記巻回部を直列接続することを特徴とする請求項1に記載の積層インダクタ。
  3. 前記並列巻回部は、前記コイル導体パターンが積層されることで相互に独立に巻回されて直列接続された隣接する2つの巻回部から形成され、
    前記直交巻回部は、2つの前記巻回部の接続部の反対側の端部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の積層インダクタ。
  4. 前記並列巻回部は、前記コイル導体パターンが積層されることで相互に独立に巻回された隣接する2つの巻回部から形成され、
    前記直交巻回部は、2つの前記巻回部を直列接続する2つの前記巻回部の接続部と、この接続部の反対側の端部との前記並列巻回部の両端部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の積層インダクタ。
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