JP7073864B2 - 複合フィルタ部品、及び、電力重畳回路 - Google Patents

複合フィルタ部品、及び、電力重畳回路 Download PDF

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Description

本発明は、複合フィルタ部品、及び、該複合フィルタ部品を用いた電力重畳回路に関する。
近年、車載ネットワークで用いられるイーサネット(登録商標)規格として「100Base-T1」、「1000Base-T1」などが知られている。これらのイーサネット(登録商標)で用いられる信号線に電力を重畳する技術としてPower over Data Line(PoDL)がある。PoDLでは、差動の信号ライン(差動伝送線路)に電力が重畳されるため、DC(電力)とAC(信号)とを分離するために、コンデンサとインダクタ(Bias-T)が必要となる。
ここで、一対の差動伝送線路を使って信号と電力を重畳させる場合、一対の線路それぞれに対してBias-T用のインダクタが必要となる。すなわち、2つのインダクタが必要となる。その際、ノイズ対策用のコモンモードチョークコイルも併用される。そのため、コモンモードチョークコイルと2つのインダクタにそれぞれ個別の部品を使用すると、部品点数が増える上、配線(回路パターン)も複雑になってしまう。また、インダクタを単品で2個使用する場合、ばらつきが出やすく、モード変換を引き起こしやすくなるというデメリットもある。そこで、コモンモードチョークコイルと2つのインダクタを一体化することで、部品点数の削減や配線の簡素化を図ることが望まれている。
ここで、特許文献1には、対向配置された第1及び第2の巻芯部を有する環状コアと、第1の巻芯部に互いに同一方向に巻回された第1のコイル及び第2のコイルと、第2の巻芯部に互いに逆方向に巻回された第3のコイル及び第4のコイルとを備えるフィルタ素子が開示されている。このフィルタ素子によれば、第1のコイルと第2のコイルとから構成されたコモンモードチョークコイルと第3のコイル及び第4のコイル(すなわち2つのインダクタ)とを一体化することができる。
特開2007-37034号公報
しかしながら、上述したフィルタ素子では、環状コアに、同一方向に巻回されたコモンモードチョークコイルと、互いに逆方向に巻回された2つのインダクタとが形成されているため、構造上、コモンモードチョークコイルと2つのインダクタとの間で磁気結合が生じる。そして、コモンモードチョークコイルとインダクタが磁気結合することにより、インダクタに流れるノーマルモードノイズがコモンモードチョークコイル上でコモンモードノイズとなり、ケーブルに伝わって放射されるおそれがある。また、上述したフィルタ素子を例えばPoDL回路などの電力重畳回路に適用した場合には、インダクタに電源の直流電流が流れることにより生じる磁界によってコモンモードチョークコイルが磁気飽和を起こし、コモンモードチョークコイルの特性が劣化するおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、コモンモードチョークコイルと2つのインダクタとを一体化した複合フィルタ部品において、コモンモードチョークコイルと2つのインダクタとの磁気結合を抑制でき、かつ、コモンモードチョークコイルの磁気飽和を防止することが可能な複合フィルタ部品、及び、該複合フィルタ部品を用いた電力重畳回路を提供することを目的とする。
本発明に係る複合フィルタ部品は、一対の線材が同一方向に巻回されて形成されたコモンモードチョークコイルと、コモンモードチョークコイルを構成する一対の線材のうち、一方の線材に一端が電気的に接続された線材と、コモンモードチョークコイルを構成する一対の線材のうち、他方の線材に一端が電気的に接続された線材とが、互いに反対方向に巻回されて形成された第1インダクタ、第2インダクタと、環状部と、該環状部の内側に架け渡して設けられた架設部とを有する磁性体コアとを備え、コモンモードチョークコイルが架設部に巻回され、第1インダクタが、環状部の、架設部と環状部との一方の接続部を含む領域に巻回され、第2インダクタが、環状部の、架設部と環状部との他方の接続部を含む領域に巻回されていることを特徴とする。
本発明によれば、コモンモードチョークコイルと2つのインダクタとを一体化した複合フィルタ部品において、コモンモードチョークコイルと2つのインダクタとの磁気結合を抑制でき、かつ、コモンモードチョークコイルの磁気飽和を防止することが可能となる。
実施形態に係る複合フィルタ部品の構成を示す平面図である。 実施形態に係る複合フィルタ部品の働きを説明するための図である。(a)は、コモンモードチョークコイルにノーマルモード電流が流れた場合に発生する磁界を示す。(b)は、コモンモードチョークコイルにコモンモード電流が流れた場合に発生する磁界を示す。 実施形態に係る複合フィルタ部品の働きを説明するための図である。(a)は、第1、第2インダクタにノーマルモード電流が流れた場合に発生する磁界を示す。(b)は、第1、第2インダクタにコモンモード電流が流れた場合に発生する磁界を示す。 実施形態に係る複合フィルタ部品を用いたPoDL回路の構成を示す図である。 図4に示されたPoDL回路の回路図である。 変形例に係る複合フィルタ部品を用いたPoDL回路の構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係るフィルタ部品1の構成について説明する。図1は、複合フィルタ部品1の構成を示す平面図である。
複合フィルタ部品1は、コモンモードチョークコイル20と、2つのインダクタ(第1インダクタ31、第2インダクタ32)とを一体化した複合フィルタ部品である。複合フィルタ部品1は、主として、磁性体コア10と、一対の線材が同一方向に巻回されて形成されたコモンモードチョークコイル20と、コモンモードチョークコイル20を構成する一対の巻線(線材)20a,20bのうち、一方の巻線20aに一端が電気的に接続された線材と、他方の巻線20bに一端が電気的に接続された線材とが互いに反対方向に巻回されて形成された第1インダクタ31、第2インダクタ32と、6つの電極(第1~第6電極51~56)を備えている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
磁性体コア10は、例えば、Mn-Zn系フェライトやNi-Zn系フェライト等のフェライトで形成されている。磁性体コア10は、環状部10aと、該環状部10aの内側に架け渡して設けられた架設部10bとを有している。環状部10aは、例えば矩形の枠状に形成されている。架設部10bは、例えば角柱状に形成されている。また、環状部10aと架設部10bとは、略直角に接続されていることが好ましい。
環状部10aと架設部10bとの一方の接続部10c1と第1電極51との間の距離は、環状部10aと架設部10bとの他方の接続部10c2と第4電極54との距離と等しく形成され、環状部10aと架設部10bとの他方の接続部10c2と第2電極52との間の距離は、環状部10aと架設部10bとの一方の接続部10c1と第3電極53との距離と等しく形成されている。同時に、本実施形態では、環状部10aと架設部10bとの一方の接続部10c1と第1電極51との間の距離は、環状部10aと架設部10bとの一方の接続部10c1と第3電極53との距離と等しく形成され、環状部10aと架設部10bとの他方の接続部10c2と第2電極52との間の距離は、環状部10aと架設部10bとの他方の接続部10c2と第4電極54との距離と等しく形成されている。すなわち、架設部10bの一方の接続部10c1は、第1電極51と第3電極53との中央(真ん中)に位置しており、架設部10bの他方の接続部10c2は、第2電極52と第4電極54との中央(真ん中)に位置している。
コモンモードチョークコイル20は、磁性体コア10の架設部10bに、一対の巻線20a,20bが同一方向に螺旋状に巻回されて形成される。ここで、「同一方向」とは、図5に黒丸で示唆されているように、同じ側から巻き始められた一対の巻線20a,20bの巻回方向が架設部10bの軸方向から見て同一方向であることを示す。よって、一対の巻線20a,20bそれぞれに例えばコモンモード電流が流れた場合に、一対の巻線20a,20bそれぞれにより同一方向の磁束が生じる。なお、一対の巻線20a,20bには、例えば、シールドなしツイストペアケーブル(UTP)等が使用される。
第1インダクタ31は、磁性体コア10の環状部10aの、架設部10bと環状部10aとの一方の接続部10c1を含む領域に螺旋状に巻回されている。同様に、第2インダクタ32は、磁性体コア10の環状部10aの、架設部10bと環状部10aとの他方の接続部10c2を含む領域に螺旋状に巻回されている。第1インダクタ31と第2インダクタ32とは、環状部10aにおいて、互いに反対方向に巻回されている。ここで、「互いに反対方向」とは、図5に黒丸で示唆されているように、互いに逆側から巻き始められた第1インダクタ31と第2インダクタ32(例えば、図5の例では、第1電極51側から巻き始められた第1インダクタ31と第6電極56側から巻き始められた第2インダクタ32)とを、第1電極51と第3電極53とを結ぶ軸線方向及び第2電極52と第4電極54とを結ぶ軸線方向それぞれから見たときに、第1インダクタ31と第2インダクタ32の巻回方向とが互いに反対方向であることを示す。よって、第1インダクタ31、第2インダクタ32それぞれにコモンモード電流が流れた場合に、第1インダクタ31、第2インダクタ32それぞれにより環状部10aに沿って互いに反対方向の磁束が生じる。
第1インダクタ31は、一方の接続部10c1を挟んで同じ回数だけ巻回されている。同様に、第2インダクタ32は、他方の接続部10c2を挟んで同じ回数だけ巻回されている。すなわち、一方の接続部10c1と第1電極51との間の巻回数と、一方の接続部10c1と第3電極53との間の巻回数とが等しくなるように第1インダクタ31は形成される。同様に、他方の接続部10c2と第2電極52との間の巻回数と、他方の接続部10c2と第4電極54との間の巻回数とが等しくなるように第2インダクタ32は形成される。
平面視における磁性体コア10の環状部10aの四隅(角部)には、底面から側面及び上面にかけて第1~第4電極51~54が形成されている。より具体的には、磁性体コア10の架設部10bを挟んで(対称軸として)、第1電極51と第3電極53とが対称な位置に配置され、第2電極52と第4電極54とが対称な位置に配置されている。また、第3電極53と第4電極54との間に第5電極55、第6電極56が配置されている。なお、第1~第6電極51~56は、例えば、金属メッキや、金属ペーストの焼付け等により形成される。
そして、コモンモードチョークコイル20を構成する一方の巻線20aの一端、及び、第1インダクタ31を形成する線材の一端それぞれが第1電極51と電気的に接続される。同様に、コモンモードチョークコイル20を構成する他方の巻線20bの一端、及び、第2インダクタ32を形成する線材の一端それぞれが第2電極52と電気的に接続される。また、コモンモードチョークコイル20を構成する一方の巻線20aの他端が第3電極53と電気的に接続される。さらに、コモンモードチョークコイル20を構成する他方の巻線20bの他端が第4電極54と電気的に接続される。一方、第1インダクタ31を形成する線材の他端が第5電極55と電気的に接続される。同様に、第2インダクタ32を形成する線材の他端が第6電極56と電気的に接続される。
上述したように構成されることにより、一対の巻線20a,20bが磁性体コア10の架設部10bに同一方向に巻回されて形成されたコモンモードチョークコイル20と、一対の巻線が磁性体コア10の環状部10aに互いに逆方向に巻回されて形成された第1インダクタ31、第2インダクタ32とを備える複合フィルタ部品1が得られる。そのため、この複合フィルタ部品1では、第1インダクタ31に電流が流れるときに第1インダクタ31により生成されて第1インダクタ31の内側を通る磁束(磁力線)と、第2インダクタ32に電流が流れるときに第2インダクタ32により生成されて第2インダクタ32の内側を通る磁束(磁力線)とが、互いに略平行となって閉ループを描き、かつ、コモンモードチョークコイル20に電流が流れるときにコモンモードチョークコイル20により生成されてコモンモードチョークコイル20の内側を通る磁束(磁力線)が、第1インダクタ31の内側を通る磁束(磁力線)、及び、第2インダクタ32の内側を通る磁束(磁力線)それぞれと第1インダクタ31、第2インダクタ32それぞれの巻回部において直交するように磁気回路が形成される。なお、上記双方の磁束は直交すること(すなわち垂直に交わること)が好ましいが、上記双方の磁束が垂直以外の角度で交わるように構成してもよい。
次に、図2及び図3を併せて参照しつつ、複合フィルタ部品1の動作について説明する。図2及び図3は、複合フィルタ部品1の働きを説明するための図である。図2(a)は、コモンモードチョークコイル20にノーマルモード電流が流れた場合に発生する磁界を示す。同様に、図2(b)は、コモンモードチョークコイル20にコモンモード電流が流れた場合に発生する磁界を示す。一方、図3(a)は、第1,第2インダクタ31,32にノーマルモード電流が流れた場合に発生する磁界を示す。同様に、図3(b)は、第1,第2インダクタ31,32にコモンモード電流が流れた場合に発生する磁界を示す。なお、図2では、一方の巻線20aによって生じる磁界の磁力線を破線で示し、他方の巻線20bによって生じる磁界の磁力線を一点鎖線で示した。同様に、図3では、第1インダクタ31によって生じる磁界の磁力線を破線で示し、第2インダクタ32によって生じる磁界の磁力線を一点鎖線で示した。
(1)コモンモードチョークコイル20にノーマルモード電流が流れた場合
図2(a)に示されるように、コモンモードチョークコイル20にノーマルモード電流が流れた場合、コモンモードチョークコイル20で磁界(磁束)が打ち消されるため、第1,第2インダクタ31,32には電流が流れない。
(2)コモンモードチョークコイル20にコモンモード電流が流れた場合
図2(b)に示されるように、コモンモードチョークコイル20にコモンモード電流が流れた場合、第1,第2インダクタ31,32には接続部10c1,10c2(分岐点)から逆方向の磁界がそれぞれ発生し、起電力が逆方向になるため、第1,第2インダクタ31,32には電流が流れない。
(3)第1,第2インダクタ31,32にノーマルモード電流が流れた場合
図3(a)に示されるように、第1,第2インダクタ31,32にノーマルモード電流が流れた場合、コモンモードチョークコイル20においては逆方向の磁界となるため、コモンモードチョークコイル20には電流が流れない。
(4)第1,第2インダクタ31,32にコモンモード電流が流れた場合
図3(b)に示されるように、第1,第2インダクタ31,32にコモンモードが流れた場合も、コモンモードチョークコイル20においては逆方向の磁界となるため、コモンモードチョークコイル20には電流が流れない。
以上、説明したように、本実施形態によれば、磁性体コア10が、環状部10aと、該環状部10aの内側に架け渡して設けられた架設部10bとを有し、架設部10bにコモンモードチョークコイル20が巻回され、環状部10aの、架設部10bと環状部10aとの一方の10c1を含む領域に第1インダクタ31が巻回され、環状部10aの、架設部10bと環状部10aとの他方の接続部10c2を含む領域に第2インダクタ32が巻回されている。そのため、コモンモードチョークコイル20に流れる電流によって生じる磁界の磁力線と、第1インダクタ31、第2インダクタ32に流れる電流によって生じる磁界の磁力線との向きが交差し、双方の磁界が打ち消し合うことにより、コモンモードチョークコイル20と第1インダクタ31、第2インダクタ32との磁気結合を抑制することができる。よって、第1,第2インダクタ31,32のノーマルモードノイズがコモンモードチョークコイル20に結合することを抑制できる。また、第1インダクタ31、第2インダクタ32に電源の電流が流れたとしても、コモンモードチョークコイル20に流れる電流が低減される(又は電流が流れなくなる)ため、コモンモードチョークコイル20の磁気飽和を防止することができる。その結果、コモンモードチョークコイル20と第1,第2インダクタ31,32の磁気結合を抑制でき、かつ、コモンモードチョークコイル20の磁気飽和を防止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1インダクタ31が、一方の接続部10c1を挟んで同じ回数だけ巻回されており、第2インダクタ32が、他方の接続部10c2を挟んで同じ回数だけ巻回されている。そのため、コモンモードチョークコイル20によって生じた磁界により、第1インダクタ31、第2インダクタ32それぞれにおいて、各接続部10c1,10c2を挟んで、大きさが同じで向きが反対の起電力が生じる。よって、効果的に双方を打ち消し合うことができ、コモンモードチョークコイル20と第1,第2インダクタ31,32との磁気結合をより抑制することが可能となる。
特に、本実施形態によれば、環状部10aと架設部10bとが略直角に接続されているため、コモンモードチョークコイル20と第1,第2インダクタ31,32の磁気結合を理論上ゼロにすることができ、最も効果的に双方の磁気結合を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、環状部10aが矩形に形成されているため、部品の製造や実装に有利となり、また、配線基板に実装する際のスペース効率を向上すること(すなわち高密度実装)が可能となる。
本実施形態によれば、磁性体コア10の環状部10aに、コモンモードチョークコイル20を構成する一方の巻線20aの一端、及び、第1インダクタ31を形成する線材の一端それぞれが電気的に接続される第1電極51と、コモンモードチョークコイル20を構成する他方の巻線20bの一端、及び、第2インダクタ32を形成する線材の一端それぞれが電気的に接続される第2電極52と、コモンモードチョークコイル20を構成する一方の巻線20aの他端が電気的に接続される第3電極53と、コモンモードチョークコイル20を構成する他方の巻線20bの他端が電気的に接続される第4電極54と、第1インダクタ31を形成する線材の他端が電気的に接続される第5電極55と、第2インダクタ32を形成する線材の他端が電気的に接続される第6電極56とが形成されている。そのため、コモンモードチョークコイル20、第1インダクタ31、第2インダクタ32それぞれを形成する複数の線材と第1~第6電極51~56とを接続する際に、線材同士が交わり難くすることができる。
特に、本実施形態によれば、環状部10aと架設部10bとの一方の10c1と第1電極51との間の距離が、環状部10aと架設部10bとの他方の接続部10c2と第4電極54との距離と等しく形成され、環状部10aと架設部10bとの他方の接続部10c2と第2電極52との間の距離が、環状部10aと架設部10bとの一方の接続部10c1と第3電極53との距離と等しく形成されている。さらに、本実施形態によれば、環状部10aと架設部10bとの一方の接続部10c1と第1電極51との間の距離が、環状部10aと架設部10bとの一方の接続部10c1と第3電極53との距離と等しく形成され、環状部10aと架設部10bとの他方の接続部10c2と第2電極52との間の距離が、環状部10aと架設部10bとの他方の接続部10c2と第4電極54との距離と等しく形成されている。そのため、環状部10aと架設部10bとの接続部10c1,10c2と、第1~第6電極51~56との間の距離がすべて等しくなる。そのため、コモンモードチョークコイル20を構成する一対の巻線20a,20bそれぞれの長さ(線路長)を等しくすることができ、コモンモードチョークコイル20を流れる差動伝送信号の位相ずれ(スキュー)を改善することが可能となる。
また、本実施形態によれば、架設部10bを挟んで(対称軸として)、第1電極51と第3電極53とが対称な位置に配置され、第2電極52と第4電極54とが対称な位置に配置されるとともに、第3電極53と第4電極54との間に第5電極55及び第6電極56が配置されている。そのため、コモンモードチョークコイル20、第1インダクタ31、第2インダクタ32それぞれを形成する複数の線材と第1~第6電極51~56とを接続する際に、線材同士が交わり難くすることができる。
次に、図4、図5を併せて用いて、上述した複合フィルタ部品1用いたPower over Data Line(PoDL)回路3(電力重畳回路)について説明する。図4は、複合フィルタ部品1を用いたPoDL回路3の構成を示す図である。図5は、図4に示されたPoDL回路3の回路図である。
PoDL回路3は、上述した複合フィルタ部品1と、第1電極51、第2電極52に接続される一対の差動伝送線路101と、第3電極53、第4電極54に一対の差動伝送線路101を介して接続されるPHY102と、第3電極53とPHY102との間、及び、第4電極54とPHY102との間それぞれに介装される2つのコンデンサ104と、第5電極55、第6電極56に電源ライン103を介して接続される電源回路106とを備えている。このように結線されることによって、図5に示されるように、コモンモードチョークコイル20が、差動伝送線路101にシリーズ接続され、第1,第2インダクタ31,32それぞれが差動伝送線路101と電源ライン103との間に接続される。
ここで、差動伝送線路101は、例えば、シールドなしツイストペアケーブル101a,101b(UTP)などが用いられる。PHY(PHYsical Layer)102は、イーサネット(登録商標)などのインターフェースにおいて、論理信号を電気信号に変換するものであり、特許請求の範囲に記載の集積回路に相当する。電源回路106及び電源ライン103は、差動伝送線路101に重畳する直流電力を供給する。なお、ここでは、電力を重畳して供給する側を例にして示したが、複合フィルタ部品1は、重畳された電力を受け取る側にも適用することができる。コンデンサ104,104は、第3電極53、第4電極54とPHY102との間に介装され、差動伝送信号を通過させ、直流電力を遮断する。そして、PoDL回路3は、コネクタ105を介してイーサネット(登録商標)などに接続される。
本実施形態によれば、上述した複合フィルタ部品1を備えているため、差動伝送線路101に電力を重畳させる際に、コモンモードチョークコイル20と第1,第2インダクタ31,32との磁気結合を抑制でき(すなわち、第1,第2インダクタ31,32を流れるノーマルモードノイズがコモンモードチョークコイル20に結合することを抑制でき)、かつ、電源ライン103を流れる直流電流によって、コモンモードチョークコイル20が磁気飽和して特性が劣化するとことを防止することが可能となる。さらに、線路長を等しくすることができ、コモンモードチョークコイル20を流れる差動伝送信号の位相ずれ(スキュー)を改善することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、磁性体コア10の環状部10aを矩形に形成したが、環状部10aの形状は矩形に限られることなく、閉じた形状、例えば円環状などでもよい。また、磁性体コア10の形状や第1~第6電極51~56の配置等は上記実施形態には限られない。
ここで、変形例に係る複合フィルタ部品1Bを用いたPoDL回路3Bの構成を図6に示す。複合フィルタ部品1Bは、第3電極53と第4電極54の配置、及び、第5電極55と第6電極56の配置が、上述した複合フィルタ部品1と異なっている。すなわち、図6に示されるように、複合フィルタ部品1Bでは、第5電極55と第6電極56が磁性体コア10の環状部10aの角部に配置され、第3電極53と第4電極54が、第1電極51と第5電極55との間に配置されている。なお、その他の構成は、上述した複合フィルタ部品1と同一であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
第3電極53及び第4電極54をこのように配置しても、上述した複合フィルタ部品1、及びPoDL回路3と同等の効果を奏することができる。また、コモンモードチョークコイル20、第1インダクタ31、第2インダクタ32それぞれを形成する複数の線材と第1~第6電極51~56とを接続する際に、線材同士が交わり難くすることができる。
また、上記実施形態では、巻線型の部品を例にして説明したが、本発明は、積層型の部品にも適用することができる。なお、その際には、コイルの内側の積層材が磁性体コアに相当する。
1,1B 複合フィルタ部品
3,3B PoDL(Power over Data Line)回路
10 磁性体コア
10a 環状部
10b 架設部
10c1,10c2 接続部
20 コモンモードチョークコイル
20a 一方の巻線
20b 他方の巻線
31 第1インダクタ
32 第2インダクタ
51,52,53,54,55,56 第1電極,第2電極,第3電極,第4電極,第5電極,第6電極
101 差動伝送線路
102 PHY
103 電源ライン
104 コンデンサ
105 コネクタ
106 電源回路

Claims (12)

  1. 一対の線材が同一方向に巻回されて形成されたコモンモードチョークコイルと、
    前記コモンモードチョークコイルを構成する一対の線材のうち、一方の線材に一端が電気的に接続された線材と、前記コモンモードチョークコイルを構成する一対の線材のうち、他方の線材に一端が電気的に接続された線材とが、互いに反対方向に巻回されて形成された第1インダクタ、第2インダクタと、を備え、
    前記第1インダクタに電流が流れるときに前記第1インダクタにより生成されて前記第1インダクタの内側を通る磁束と、前記第2インダクタに電流が流れるときに前記第2インダクタにより生成されて前記第2インダクタの内側を通る磁束とが、互いに略平行となって閉ループを描き、かつ、前記コモンモードチョークコイルに電流が流れるときに前記コモンモードチョークコイルにより生成されて前記コモンモードチョークコイルの内側を通る磁束が、前記第1インダクタの内側を通る磁束、及び、前記第2インダクタの内側を通る磁束それぞれと前記第1インダクタ、前記第2インダクタそれぞれの巻回部において交差するように磁気回路が形成されることを特徴とする複合フィルタ部品。
  2. 一対の線材が同一方向に巻回されて形成されたコモンモードチョークコイルと、
    前記コモンモードチョークコイルを構成する一対の線材のうち、一方の線材に一端が電気的に接続された線材と、前記コモンモードチョークコイルを構成する一対の線材のうち、他方の線材に一端が電気的に接続された線材とが、互いに反対方向に巻回されて形成された第1インダクタ、第2インダクタと、
    環状部と、該環状部上の2点間に架け渡して設けられた架設部とを有する磁性体コアと、を備え、
    前記コモンモードチョークコイルは、前記架設部に巻回され、
    前記第1インダクタは、前記環状部の、前記架設部と前記環状部との一方の接続部を含む領域に巻回され、
    前記第2インダクタは、前記環状部の、前記架設部と前記環状部との他方の接続部を含む領域に巻回されていることを特徴とする複合フィルタ部品。
  3. 前記架設部は、平面視において前記環状部の内側に架け渡して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の複合フィルタ部品。
  4. 前記第1インダクタは、前記一方の接続部を挟んで同じ回数だけ巻回されており、
    前記第2インダクタは、前記他方の接続部を挟んで同じ回数だけ巻回されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の複合フィルタ部品。
  5. 前記環状部と前記架設部とは略直角に接続されていることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の複合フィルタ部品。
  6. 前記環状部は、矩形の枠状に形成されていることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の複合フィルタ部品。
  7. 前記環状部には、
    前記コモンモードチョークコイルを構成する一方の線材の一端、及び、前記第1インダクタを形成する線材の一端それぞれが電気的に接続される第1電極と、
    前記コモンモードチョークコイルを構成する他方の線材の一端、及び、前記第2インダクタを形成する線材の一端それぞれが電気的に接続される第2電極と、
    前記コモンモードチョークコイルを構成する一方の線材の他端が電気的に接続される第3電極と、
    前記コモンモードチョークコイルを構成する他方の線材の他端が電気的に接続される第4電極と、
    前記第1インダクタを形成する線材の他端が電気的に接続される第5電極と、
    前記第2インダクタを形成する線材の他端が電気的に接続される第6電極と、
    が形成されていることを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載の複合フィルタ部品。
  8. 前記環状部と前記架設部との一方の接続部と前記第1電極との間の距離は、前記環状部と前記架設部との他方の接続部と前記第4電極との距離と等しく形成され、
    前記環状部と前記架設部との他方の接続部と前記第2電極との間の距離は、前記環状部と前記架設部との一方の接続部と前記第3電極との距離と等しく形成されていることを特徴とする請求項7に記載の複合フィルタ部品。
  9. 前記環状部と前記架設部との一方の接続部と前記第1電極との間の距離は、前記環状部と前記架設部との一方の接続部と前記第3電極との距離と等しく形成され、
    前記環状部と前記架設部との他方の接続部と前記第2電極との間の距離は、前記環状部と前記架設部との他方の接続部と前記第4電極との距離と等しく形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の複合フィルタ部品。
  10. 前記架設部を挟んで、前記第1電極と前記第3電極とが対称な位置に配置され、前記第2電極と前記第4電極とが対称な位置に配置されるとともに、前記第3電極と前記第4電極との間に前記第5電極及び前記第6電極が配置されていることを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の複合フィルタ部品。
  11. 前記架設部を挟んで、前記第1電極と前記第5電極とが対称な位置に配置され、前記第2電極と前記第6電極とが対称な位置に配置されるとともに、前記第1電極と前記第5電極との間に前記第3電極及び前記第4電極が配置されていることを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の複合フィルタ部品。
  12. 請求項~11のいずれか1項に記載の複合フィルタ部品と、
    前記第1電極、前記第2電極に接続される一対の差動伝送線路と、
    前記第3電極、前記第4電極に一対の差動伝送線路を介して接続される集積回路と、
    前記第3電極と前記集積回路との間、及び、前記第4電極と前記集積回路との間それぞれに介装されるコンデンサと、
    前記第5電極、前記第6電極に接続される電源ラインと、を備えることを特徴とする電力重畳回路。
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