JP2013054688A - ドロワ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使い勝手が悪くなることを抑制しつつ設置面積をより小さくすることができるドロワ装置を提供する。
【解決手段】キャビネット2と、第1のドロワ3と、第2のドロワと、装着部7と、ロック部と、第1の開放部と、第2の開放部と、を備える。前記第1のドロワ3は、第1の収納部を有し、前記キャビネット2に開閉可能に装着されている。前記第2のドロワは、前記第1の収納部に上下方向で重なる位置に位置する第2の収納部を有し、前記第1のドロワ3に設けられている。前記第1の開放部は、前記ロック部による前記キャビネット2に対する前記第1のドロワ3のロックが解除された場合、前記第1のドロワ3を開放させる。前記第2の開放部は、前記ロック部による前記装着部7に対する前記第2のドロワのロックが解除された場合、前記第2のドロワを開放させる。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、ドロワ装置に関する。
従来、紙幣や硬貨、商品券などを収納可能なドロワを備えたドロワ装置が知られている。このようなドロワ装置は、例えばPOS端末とともに店舗のレジカウンター等に設置されて使用される。
このようなドロワ装置は、使い勝手が悪くなることを抑制しつつ設置面積をより小さくすることが望まれている。
実施形態のドロワ装置は、キャビネットと、第1のドロワと、第2のドロワと、装着部と、ロック部と、第1の開放部と、第2の開放部と、を備える。前記第1のドロワは、商取引の決済に使用される媒介物を収納可能な第1の収納部を有し、前記キャビネットに開閉可能に装着されている。前記第2のドロワは、前記媒介物を収納可能であって前記第1の収納部に上下方向で重なる位置に位置する第2の収納部を有し、前記第1のドロワに設けられている。前記装着部は、前記第1のドロワに設けられ、前記第2のドロワを開閉可能に装着している。前記ロック部は、前記第1のドロワをロック解除可能に前記キャビネットにロックするとともに、前記第2のドロワをロック解除可能に前記装着部にロックする。前記第1の開放部は、前記ロック部による前記キャビネットに対する前記第1のドロワのロックが解除された場合、前記第1のドロワを開放させる。前記第2の開放部は、前記ロック部による前記装着部に対する前記第2のドロワのロックが解除された場合、前記第2のドロワを開放させる。
図1は、第1の実施形態にかかるドロワ装置を示す斜視図である。 図2は、第1の実施形態にかかるドロワ装置を示す斜視図であって、第1のドロワが開放された状態を示す図である。 図3は、第1の実施形態にかかるドロワ装置を示す斜視図であって、第1のドロワが開放されて硬貨収納ケースが取り外された状態を示す図である。 図4は、第1の実施形態にかかるドロワ装置を示す図であって、第1および第2のドロワが開放された状態を示す図である。 図5は、第1の実施形態にかかる第1のドロワを後方から見て示す斜視図であって、第2のドロワが開放された状態を示す図である。 図6は、第1の実施形態にかかる第1のドロワの一部を示す側面図であって、第2のドロワが開放された状態を示す図である。 図7は、第1の実施形態にかかるドロワ装置を示す斜視図であって、第1および第2のドロワが開放された状態のキャビネットの内部を示す図である。 図8は、第1の実施形態にかかる第1のドロワと第1のコイルばねとを後方から見て示す斜視図である。 図9は、第1の実施形態にかかる第1のドロワと第1のコイルばねとを示す側面図である。 図10は、第1の実施形態にかかるキャビネットを示す斜視図である。 図11は、第1の実施形態にかかる硬貨収納ケースを示す斜視図である。 図12は、第1の実施形態にかかるマネーケースを示す斜視図である。 図13−1は、第1の実施形態にかかる紙幣トレイを示す斜視図である。 図13−2は、図13−1の紙幣トレイの一部を示す斜視図である。 図14−1は、第1の実施形態にかかるキャッシュボックスを示す斜視図である。 図14−2は、図14−1のキャッシュボックスの一部を示す斜視図である。 図15−1は、第1の実施形態にかかるドロワ装置の一部を示す斜視図であって、紙幣トレイがロックされた状態を示す図である。 図15−2は、図15−1のドロワ装置の一部を拡大して示す図である。 図16−1は、第1の実施形態にかかるドロワ装置の一部を示す斜視図であって、紙幣トレイのロックが解除された状態を示す図である。 図16−2は、図16−1のドロワ装置の一部を拡大して示す図である。 図17は、第2の実施形態にかかるドロワ装置を示す斜視図であって、第1および第2のドロワが開放されて一つの硬貨収納ケースが取り外された状態を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態にかかるドロワ装置について詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。また、各図では、便宜上、ドロワ装置1の第1のドロワ3の開閉方向の開方向をX方向、第1のドロワ3の幅方向をY方向、第1のドロワ3の高さ方向をZ方向と記す。これらX方向、Y方向、およびZ方向は相互に直交している。なお、第1のドロワ3の幅方向は、第1のドロワ3の開方向と直交する方向である。
(第1の実施形態)
図1に示すように、ドロワ装置1は、キャビネット2と、キャビネット2に開閉可能(出入り可能)に装着された第1のドロワ3と、を備える。キャビネット2には、例えばPOS端末等のホスト装置(図示せず)が載置される。
図2に示すように、第1のドロワ3は、開放されることで内部が露出する。第1のドロワ3は、硬貨を収納可能な複数の硬貨収納ケース4と、この硬貨収納ケース4を着脱可能に装着するマネーケース5と、を有する。硬貨収納ケース4は、第1のドロワ3の開閉方向に沿って複数(具体的には3個)設けられている。硬貨収納ケース4は、硬貨収納部材である。マネーケース5は、図3に示すように、硬貨収納ケース4が取り外されることで内部が露出する。マネーケース5は、商取引の決済に使用される紙媒介物を収納可能であり、紙収納部材である。紙媒介物は、紙幣や商品券等である。
また、図4ないし図6に示すように、第1のドロワ3は、第2のドロワとしての紙幣トレイ6を備える。紙幣トレイ6は、第1のドロワ3に設けられた装着部7に、開閉可能(出入り可能)に装着されている。装着部7は、マネーケース5と、このマネーケース5が上部に固定されたベース部材としてのキャッシュボックス8と、を有して、前面開口の箱状に構成されている。紙幣トレイ6は、開放されることで内部が露出する。
また、図6や図8に示すように、第1のドロワ3、詳しくは紙幣トレイ6には、ロック部9の一部を構成する軸10が設けられている。ロック部9は、第1のドロワ3をロック解除可能にキャビネット2にロックするとともに、紙幣トレイ6をロック解除可能に装着部7にロックするものである。ロック部9は、軸10の他に、キャビネット2の内部に設けられた係脱機構(図示せず)を有する。係脱機構は、軸10に係脱可能な可動フックと、この可動フックが軸10に係合する方向に可動フックを付勢するロック用ばねと、ロック用ばねの付勢力に抗して可動フックを軸10から離脱させるアクチュエータと、を有する。アクチュエータは、例えばソレノイドである。可動フックが軸10に係合している状態では、紙幣トレイ6が装着部7にロックされているとともに、第1のドロワ3がキャビネット2にロックされている。また、図7ないし図9に示すように、キャビネット2の内部には、第1のドロワ3を開方向に付勢する第1の付勢部材としての第1のコイルばね11が設けられている。第1のコイルばね11の後端部は、キャビネット2に設けられたばね支持部2h(図7)に支持されている。この第1のコイルばね11は、第1のドロワ3がキャビネット2にロックされた状態では、圧縮状態となっており、第1のドロワ3、詳しくはキャッシュボックス8の後端部を前方に向けて押圧して、第1のドロワ3を開方向に付勢する。第1のコイルばね11は、ロック部9によるキャビネット2に対する第1のドロワ3のロックが解除された場合、第1のドロワ3を開放させる第1の開放部である。
上記の構造では、POS端末等のホスト装置からの開信号を受けた制御回路(図示せず)がアクチュエータを駆動して可動フックを軸10から離脱させる。これにより、第1のコイルばね11に押されて第1のドロワ3が開放される(図2)。この状態では、紙幣トレイ6を引き出す引出操作が可能となっている。本実施形態では、使用者が紙幣トレイ6に対して引出操作をすると、後述する手動開放機構12の動作によって、紙幣トレイ6が自動で押し出し開放され、第2の紙収納部6aが露出するようになっている(図4)。この状態から、紙幣トレイ6を含む第1のドロワ3が押し込まれると、その過程で可動フックが軸10に係合し、第1のドロワ3と紙幣トレイ6とが閉じ状態でロックされる。
以下、ドロワ装置1の各部を詳細に説明する。
図10に示すように、キャビネット2は、前面開口の直方体状に形成されている。キャビネット2は、底壁2aと、左右一対の側壁2bと、後壁2cと、上壁2dと、を有している。キャビネット2の前面には、開口2eが設けられており、この開口2eに第1のドロワ3が挿入されている。一対の側壁2bには、レール2fが設けられており、これらのレール2fで、第1のドロワ3を開閉方向に沿ってスライド可能に支持している。
また、底壁2aの内面の前部には、左右一対のストッパ2iが凸設されている。ストッパ2iは、弾性を有している。ストッパ2iは、例えば、ゴム等によって構成されている。このストッパ2iは、第1のドロワ3が開放された際に、キャッシュボックス8の下部に設けられた凸部8g(図9参照)と当接して、一定の開放量で第1のドロワ3を停止させる。
図11に示すように、硬貨収納ケース4は、硬貨を収納可能な複数(具体的には2個)の硬貨収納部4aを有する。硬貨収納部4aは、第3の収納部である。硬貨収納部4aは、第1のドロワ3の幅方向に沿って並列して設けられている。硬貨収納部4aは、硬貨収納ケース4の上面に対して凹状をなしており、上方に開口している。本実施形態では、硬貨収納ケース4は、3個設けられているので(図2参照)、硬貨収納部4aは、合計6個設けられている。このように複数の硬貨収納部4aが設けられていることで、各硬貨収納部4aに金種別に硬貨を収納可能となっている。硬貨収納ケース4の上縁部には、フランジ4bが設けられており、このフランジ4bがマネーケース5に支持されることで、硬貨収納ケース4がマネーケース5に装着される。硬貨収納ケース4は、後述する第1の紙収納部5aの上方に位置する。
図12に示すように、マネーケース5は、紙媒介物として紙幣や商品券等を収納可能な複数(具体的には2個)の第1の紙収納部5aを有する。第1の紙収納部5aは、第1の収納部である。第1の紙収納部5aは、上方に開口している。本実施形態では、例えば、一方の第1の紙収納部5aには、ドロワ装置1が設置される店舗での商取引で使用可能な紙幣のうち、最も高額な紙幣である高額紙幣(例えば、1万円札)が収納され、他方の第1の紙収納部5aには、商品券が収納される。
第1の紙収納部5aは、詳細には、底壁(底部)5bと、この底壁5bの周縁部から上方へ延在した周壁5cを有している。そして、マネーケース5内部は、底壁5bに立設された仕切り壁5dによって前後に2分割されている。また、マネーケース5の内部において前後に2分割された部分のうちの前部は、仕切り壁5eによって左右に2分割されている。仕切り壁5eは、底壁5bに立設されて第1のドロワ3の開閉方向に沿って延在している。この仕切り壁5eによって左右に2分割された各部分が、第1の紙収納部5aとなっている。つまり、第1の紙収納部5aの底部としての底壁5fは、マネーケース5の底壁5bによって構成され、第1の紙収納部5aの周壁5gは、マネーケース5の周壁5c、仕切り壁5d,5eによって構成されている。周壁5gは、第1の紙収納部5aにおいて底壁5fから上方に延在した壁である。このように、第1の紙収納部5aは、仕切り壁5eによって相互に仕切られて第1のドロワ3の幅方向に並んで複数設けられている。第1の紙収納部5aは、硬貨収納部4aの下方に位置する。そして、複数の第1の紙収納部5aは、複数の硬貨収納ケース4によって覆われる。ここで、仕切り壁5d,5eは、別の言い方をするとリブであり、マネーケース5の剛性を高めている。
仕切り壁5dは、3個のうちの一番後に位置する硬貨収納ケース4の後端部と当接してこの硬貨収納ケース4の位置決めを行う。また、周壁5cのうちの前部(前壁)は、3個のうちの一番前に位置する硬貨収納ケース4の前端部と当接してこの硬貨収納ケース4の位置決めを行う。なお、3個のうちの真ん中に位置する硬貨収納ケース4は、その前後の硬貨収納ケース4と当接して位置決めされる。
また、マネーケース5の内部において前後に2分割された部分のうちの後部には、棒金を収納する棒金収納部5hが設けられている。また、マネーケース5の周壁5cの左右の上縁部には、硬貨収納ケース4のフランジ4bを支持する支持部5iが設けられている。この支持部5iによって、マネーケース5は、その上部に硬貨収納ケース4を着脱可能に装着する。
図13−1に示すように、紙幣トレイ6は、紙媒介物として紙幣等を収納可能な複数(具体的には2個)の第2の紙収納部6aを有する。第2の紙収納部6aは、第2の収納部である。第2の紙収納部6aは、上方に開口している。本実施形態では、例えば、一方の第2の紙収納部6aには、ドロワ装置1が設置される店舗での商取引で使用可能な紙幣のうち、高額紙幣ではない紙幣(例えば、5千円札や2千円札)が収納され、他方の第2の紙収納部6aには、高額紙幣ではない他の紙幣(例えば、1千円札)が収納される。
紙幣トレイ6は、詳細には、底部である底壁6bと、前壁6cと、左右一対の第1の側壁6dと、左右一対の第2の側壁6eと、後壁6fと、を有して、上方に開口している。前壁6cは、底壁6bの前端部に接続されている。左右一対の第1の側壁6dは、底壁6bの左右端部に立設されて、前壁6cに接続されている。左右一対の第2の側壁6eは、底壁6bの左右端部に立設されて、左右一対の第1の側壁6dの後端部に連設されている。後壁6fは、底壁6bの後端部に立設されている。第2の側壁6eは、第1の側壁6dに比較して高さが低くなっている。また、左右一対の第2の側壁6e間の幅は、左右一対の第1の側壁6dの幅よりも小さくなっている。かかる構造によって、紙幣トレイ6の後部には、左右一対の第1の側壁6dを含む部分に対して、高さおよび幅が小さい係合部6iが構成されている。別の言い方をすると、第1の側壁6dが、第2の側壁6eに比較して高さが高い。このようにすることで、第2の紙収納部6aは、紙幣トレイ6の開放時に第2の紙収納部6aへの視線を遮る機能を有する。
そして、紙幣トレイ6の内部は、底壁6bに立設された仕切り壁6gによって左右に2分割されている。この仕切り壁6gによって左右に2分割された各部分が第2の紙収納部6aとなっている。つまり、第2の紙収納部6aは、仕切り壁6gによって相互に仕切られて第1のドロワ3の幅方向に並んで複数設けられている。また、紙幣トレイ6の後壁6fには、支持部6hが設けられており、この支持部6hに、軸10(図8参照)が設けられている。第2の紙収納部6aは、第1の紙収納部5aの下方で、第1の紙収納部5aと上下方向で重なるに位置する位置する。つまり、紙幣トレイ6の少なくとも一部は、マネーケース5の下方に位置し、紙幣トレイ6は、マネーケース5に上下方向で重なる位置に位置する。
また、紙幣トレイ6の各第2の側壁6eの外面には、凸部6jが設けられている。図13−2に示すように、凸部6jは、第2の側壁6eの外面から側方に突出して形成されている。凸部6jは、第1の当接面6kと、この第1の当接面6kの前端に連設された第2の当接面6lと、を有する。第1の当接面6kは、第1のドロワ3(紙幣トレイ6)の開方向での前方に向かうほど第2の側壁6eから突出する量が大きくなる形状に形成され、第2の側壁6eに対して傾斜面となっている。一方、第2の当接面6lは、第1のドロワ3(紙幣トレイ6)の開方向での後方に向かうほど第2の側壁6eから突出する量が大きい形状に形成され、第2の側壁6eに対して傾斜面となっている。第1の当接面6kの傾斜は、第2の当接面6lの傾斜よりも緩やかな傾斜となっている。この凸部6jは、手動開放機構12の一部を構成している。
図14−1に示すように、キャッシュボックス8は、底壁8aと、左右一対の側壁8bと、後壁8cと、を有して、上方および前方に開口している。左右一対の側壁8bは、底壁8aの左右の端部に立設されている。後壁8cは、有段構造に形成されて、底壁8aの後端部に立設されている。また、キャッシュボックス8には、紙幣トレイ6を開放させる第2の付勢部材としての第2のコイルばね13が設けられている。この第2のコイルばね13は、手動開放機構12の一部を構成している。
キャッシュボックス8の後端部には、後壁8cと底壁8aとに亘って開口8dが設けられている。この開口8dは、紙幣トレイ6の支持部6hおよび軸10が通過可能な大きさに形成されている。そして、左右一対の側壁8bは、前後に延在した係合部8eが設けられ、この係合部8eがレール2fにスライド可能に支持されている。係合部8eの後端部には、係止部8fが設けられている。この係止部8fは、ストッパ2iを凸部8g(図9参照)が乗り越えてしまった場合に、レール2fの前端部に設けられたストッパ2g(図10参照)に係止される。これにより、開放された第1のドロワ3がキャビネット2から脱落するのが規制される。
また、キャッシュボックス8の側壁8bの内面には、ストッパ8hが設けられている。図14−2に示すように、ストッパ8hは、側壁8bの内面からキャッシュボックス8の内方に突出して形成されている。ストッパ8hは、水平断面が略三角形状に形成され、その三角形の一つの頂部が突出端部となっている。ストッパ8hは、弾性を有している。ストッパ8hは、例えばゴムや樹脂製である。このストッパ8hは、手動開放機構12の一部を構成しており、紙幣トレイ6の凸部6jを係脱する。
このキャッシュボックス8は、上述したとおり、上部にマネーケース5が固定されて、装着部7を構成している(図4参照)。キャッシュボックス8に対するマネーケース5の固定は、例えば、嵌合や接着、ねじ止め、一体成形などの固定手段によってなされる。
装着部7は、図4等に示すように、紙幣トレイ6を、マネーケース5と底壁(底部)8aとの間に開閉可能に装着している。装着部7(キャッシュボックス8)の底壁8aに紙幣トレイ6が載置される。装着部7は、摺動可能に紙幣トレイ6を支持している。そして、底壁8aとマネーケース5とで紙幣トレイ6の係合部6iを挟むことで、紙幣トレイ6を支持して、紙幣トレイ6が規定以上に傾斜することを規制する(図5参照)。また、キャッシュボックス8の側壁8bとマネーケース5との間には、紙幣トレイ6の第1の側壁6dが挿入される。また、マネーケース5の底壁5bの下面に凸設された規制部としてのストッパ5j(図6参照)が、開放された紙幣トレイ6の後壁6fの内面を係止するようになっている。このストッパ5jによって、装着部7では、開放された紙幣トレイ6の装着部7からの脱落を規制している。
次に、紙幣トレイ6をロックおよび開放させる手動開放機構12について説明する。手動開放機構12は、図15−1に示すように、紙幣トレイ6の凸部6jと、キャッシュボックス8のストッパ8hと、キャッシュボックス8の内部に設けられた第2のコイルばね13と、を有する。
ストッパ8hと凸部6jとは、第2のドロワ用ロック部としての紙幣トレイ用ロック部14を構成している。紙幣トレイ用ロック部14は、ロック部9の一部を構成している。紙幣トレイ用ロック部14は、キャビネット2に対する第1のドロワ3のロックが解除された場合に解除操作を受けることにより、装着部7に対する紙幣トレイ6のロックを解除可能なものである。
詳細には、図15−2に示すように、紙幣トレイ6が閉状態の場合、第1のドロワ3(紙幣トレイ6)の開方向でのストッパ8hの後方に凸部6jが位置しており、凸部6jの第2の当接面6lとストッパ8hとが係合しており、これらの係合によって、紙幣トレイ6が装着部7にロックされている。この状態から、使用者が紙幣トレイ6の前壁6cを掴んで紙幣トレイ6を開方向に引き出す引出操作をすることで、その引出操作の力によって、ストッパ8hの弾性変形を伴って、凸部6jがストッパ8hを乗り越えて、図16−1および図16−2に示すように、凸部6jがストッパ8hの前方に移動する。これにより、装着部7に対する紙幣トレイ6のロックが解除される。この際、凸部6jの第2の当接面6lがストッパ8hを押圧しながら凸部6jがストッパ8hを乗り越える。
第2のコイルばね13は、図15−1に示すように、キャッシュボックス8の後壁8cと紙幣トレイ6の後壁6fとの間に位置する。第2のコイルばね13は、その後端部がキャッシュボックス8の後壁8cに固定され、その前端部で紙幣トレイ6の後壁6fを前方に向けて押す。紙幣トレイ6がロックされている場合、第2のコイルばね13は、圧縮状態となっており、紙幣トレイ6の後端部を前方に向けて押圧して、紙幣トレイ6を開方向に付勢する。第2のコイルばね13は、紙幣トレイ用ロック部14による紙幣トレイ6のロックが解除されると、その付勢力によって、紙幣トレイ6を開放させる。第2のコイルばね13は、紙幣トレイ用ロック部14(ロック部9)による装着部7に対する紙幣トレイ6のロックが解除された場合、紙幣トレイ6を開放させる第2の開放部である。
以上の構成のドロワ装置1において、ホスト装置からの開信号を受けた場合、アクチュエータに駆動された可動フックが軸10から離脱し、第1のコイルばね11が第1のドロワ3をキャビネット2から押し出して、第1のドロワ3が自動的に開放される(図2)。これにより、硬貨収納部4aが露出するので、使用者による硬貨収納部4aに対する硬貨の出し入れが可能となる。そして、この状態で、使用者が紙幣トレイ6の前壁6cを掴んで紙幣トレイ6を開方向に引き出す引出操作をすると、紙幣トレイ用ロック部14による装着部7に対する紙幣トレイ6のロックが解除され、第2のコイルばね13が紙幣トレイ6を押し出して、紙幣トレイ6が自動的に開放される。これにより、第2の紙収納部6aが露出し(図4)、使用者による第2の紙収納部6aに対する紙幣の出し入れが可能となる。この際、紙幣トレイ6の開閉に関わらず、硬貨収納ケース4をマネーケース5から取り外すことで、第1の紙収納部5aが露出する(例えば図3)。これにより、使用者による第1の紙収納部5aに対する紙幣や商品券の出し入れが可能となる。
次に、上記状態から、使用者によって紙幣トレイ6の前壁6cが閉方向に押されると、紙幣トレイ6が装着部7に入り込んで閉状態となる。この際、ストッパ8hの弾性変形を伴って、凸部6jがストッパ8hを乗り越えて、凸部6jがストッパ8hの後方に移動する(図15−1、図15−2)。これにより、装着部7に対して紙幣トレイ6がロックされる。このとき、第1の当接面6kの傾斜が、第2の当接面6lの傾斜よりも緩やかな傾斜となっているので、開放時に比べてスムーズに凸部6jがストッパ8hを乗り越えることができる。そして、更に紙幣トレイ6の前壁6cが閉じ方向に押されると、装着部7(キャッシュボックス8)の前端が紙幣トレイ6の前壁6cの後面に押され、最終的に、第1のドロワ3がキャビネット2に収納されて、第1のドロワ3と紙幣トレイ6とが閉状態でロックされる。このように、装着部7に対する紙幣トレイ6の収納とキャッシュボックス8に対する第1のドロワ3の収納とを一度の操作で行うことが可能となっている。
以上、説明したように、本実施形態では、第1の紙収納部5aに上下方向で重なる位置に第2の紙収納部6aが位置する。つまり、商取引の決済に使用される媒介物を収納する収納部が、上下2段で設けられている。よって、収納部が1段の構造に比べて、硬貨や紙幣の収納量を減らすことなく、ドロワ装置1の設置面積を小さくすることができる。そして、本実施形態では、ロック部9が、第1のドロワ3をロック解除可能にキャビネット2にロックするとともに、紙幣トレイ6をロック解除可能に装着部7にロックする。そして、第1のコイルばね11が、ロック部9によるキャビネット2に対する第1のドロワ3のロックが解除された場合、第1のドロワ3を開放させ、第2のコイルばね13が、ロック部9による装着部7に対する紙幣トレイ6のロックが解除された場合、紙幣トレイ6を開放させる。したがって、比較的容易に、第1のドロワ3および紙幣トレイ6を開放させることができるので、使い勝手がよい。即ち、本実施形態のドロワ装置1によれば、使い勝手が悪くなることを抑制しつつ設置面積をより小さくすることができる。
また、本実施形態では、硬貨収納ケース4が第1の紙収納部5aの上方に位置する。つまり、商取引の決済に使用される媒介物を収納する収納部が、上下3段で設けられている。よって、収納部が2段の構造に比べて、硬貨や紙幣の収納量を減らすことなく、ドロワ装置1の設置面積を小さくすることができる。
また、本実施形態では、ロック部9は、キャビネット2に対する第1のドロワ3のロックが解除された場合に解除操作を受けることにより、装着部7に対する紙幣トレイ6のロックを解除可能な紙幣トレイ用ロック部14を有する。したがって、使用者は、紙幣トレイ6を使用したい場合だけ、解除操作をして紙幣トレイ6を開放させることができる。よって、紙幣トレイ6の内部が客の目に触れる機会を少なくして防犯性を高めることができる。
また、本実施形態では、ストッパ8hが弾性を有するので、ストッパ8hに凸部6jが当たった時の衝撃や音の発生を抑制することができるとともに、凸部6jがストッパ8hを乗り越えやすいという利点がある。
また、本実施形態では、ストッパ(規制部)5jが、開放された紙幣トレイ6が装着部7から脱落するのを規制するので、紙幣トレイ6の脱落防止を使用者が意識する必要がないので使い勝手がよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図17を参照して説明する。
図17に示すように、本実施形態では、硬貨収納ケース4は、2個設けられている。各硬貨収納ケース4は、3個の硬貨収納部4aを有する。
本実施形態のマネーケース5では、複数(具体的には2個)の第1の紙収納部5aが、第1のドロワ3の開閉方向に並べて設けられている。これらの第1の紙収納部5aは、第1のドロワ3の幅方向に沿って延在した仕切り壁5eによって相互に仕切られている。これらの各第1の紙収納部5aは、それぞれ1個の硬貨収納ケース4によって上方を覆われている。
また、本実施形態の紙幣トレイ6には、第1の実施形態で説明した凸部6jは設けられていない。また、本実施形態のキャッシュボックス8には、第1の実施形態で説明したストッパ8hは設けられていない。つまり、本実施形態では、第1の実施形態で説明した紙幣トレイ用ロック部14が設けられていない。この構造では、ロック部9は、キャビネット2に対する第1のドロワ3のロックの解除に連動して、装着部7に対する紙幣トレイ6のロックを解除する。
このような構成において、ホスト装置からの開信号を受けた場合、アクチュエータに駆動された可動フックが軸10から離脱する。これにより、キャビネット2に対する第1のドロワ3のロックが解除されるとともに、装着部7に対する紙幣トレイ6のロックが解除される。そして、第1のコイルばね11が第1のドロワ3をキャビネット2から押し出して、第1のドロワ3が開放されるとともに、第2のコイルばね13が紙幣トレイ6を押し出して、紙幣トレイ6が開放される。これにより、硬貨収納部4aおよび第2の紙収納部6aが露出するので、使用者による硬貨収納部4aに対する硬貨の出し入れや第2の紙収納部6aに対する紙幣の出し入れが可能となる。そして、硬貨収納ケース4をマネーケース5から取り外すことで、第1の紙収納部5aが露出する。これにより、使用者による第1の紙収納部5aに対する紙幣や商品券の出し入れが可能となる。
以上説明したとおり、本実施形態では、ロック部9が、キャビネット2に対する第1のドロワ3のロックの解除に連動して、装着部7に対する紙幣トレイ6のロックを解除する。これにより、第1のドロワ3と紙幣トレイ6とが一度に自動的に開放される。よって、使用者は、紙幣トレイ6を開放させるためだけの操作を行う必要がないので、使い勝手がよい。
また、本実施形態では、一つの硬貨収納ケース4を取り外してその下方の第1の紙収納部5aを露出させて当該第1の紙収納部5aに紙媒介物を出し入れする場合であっても、他の第1の紙収納部5aは他の硬貨収納ケース4によって上方を覆われている。したがって、他の第1の紙収納部5aに収納されている紙幣や商品券が客の目に触れることを抑制して防犯性を高めることができる。
以上説明したとおり、上記の各実施形態によれば、使い勝手が悪くなることを抑制しつつ設置面積をより小さくすることができるドロワ装置1を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…ドロワ装置
2…キャビネット
3…第1のドロワ
4…硬貨収納ケース(硬貨収納部材)
4a…硬貨収納部
5…マネーケース(紙収納部材)
5a…第1の紙収納部(第1の収納部)
5j…ストッパ(規制部)
6…紙幣トレイ(第2のドロワ)
6a…第2の紙収納部(第2の収納部)
7…装着部
9…ロック部
11…第1のコイルばね(第1の開放部、第1の付勢部材)
13…第2のコイルばね(第2の開放部、第2の付勢部材)
14…紙幣トレイ用ロック部(第2のドロワ用ロック部)
特開平11−86133号公報

Claims (6)

  1. キャビネットと、
    商取引の決済に使用される媒介物を収納可能な第1の収納部を有し、前記キャビネットに開閉可能に装着された第1のドロワと、
    前記媒介物を収納可能であって前記第1の収納部に上下方向で重なる位置に位置する第2の収納部を有し、前記第1のドロワに設けられた第2のドロワと、
    前記第1のドロワに設けられ、前記第2のドロワを開閉可能に装着した装着部と、
    前記第1のドロワをロック解除可能に前記キャビネットにロックするとともに、前記第2のドロワをロック解除可能に前記装着部にロックするロック部と、
    前記ロック部による前記キャビネットに対する前記第1のドロワのロックが解除された場合、前記第1のドロワを開放させる第1の開放部と、
    前記ロック部による前記装着部に対する前記第2のドロワのロックが解除された場合、前記第2のドロワを開放させる第2の開放部と、
    を備えるドロワ装置。
  2. 前記第1の収納部の上方に位置し、硬貨を収容可能な硬貨収納部材を備え、
    前記第1の収納部および前記第2の収納部は、紙の前記媒介物を収納可能である請求項1に記載のドロワ装置。
  3. 前記ロック部は、前記キャビネットに対する前記第1のドロワのロックが解除された場合に解除操作を受けることにより、前記装着部に対する前記第2のドロワのロックを解除可能な第2のドロワ用ロック部を有する請求項1または2に記載のドロワ装置。
  4. 前記ロック部は、前記キャビネットに対する前記第1のドロワのロックの解除に連動して、前記装着部に対する前記第2のドロワのロックを解除する請求項1または2に記載のドロワ装置。
  5. 前記第1の開放部は、前記第1のドロワを開方向に付勢する第1の付勢部材であり、
    前記第2の開放部は、前記第2のドロワを開方向に付勢する第2の付勢部材である請求項1ないし4のいずれか一項に記載のドロワ装置。
  6. 開放された前記第2のドロワが前記装着部から脱落するのを規制する規制部を有する請求項1ないし5のいずれか一項に記載のドロワ装置。
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