JP2013052645A - 液体吐出ヘッドの制御方法および液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドの制御方法および液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出装置において画像形成を中断することなく、液体吐出ヘッドの温度制御を行う。
【解決手段】液体吐出ヘッドの駆動波形として、液体吐出ヘッドからの液体吐出を伴う吐出用駆動パルス及び前記吐出用駆動パルスを連結して加熱用駆動パルス(Pw=9)を生成する。液体吐出ヘッドによる画像形成中に、前記生成した加熱用駆動パルスと液体吐出ヘッドの駆動パルスとを切り換えて、液体吐出ヘッドの温度制御を行う。
【選択図】 図8

Description

本発明は、液体吐出ヘッドの制御方法および液体吐出装置に関する。
一般に、プリンタ、ファックス、コピーマシン、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録液体吐出ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」というが、ここではその材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども含む。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクという。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行うものが知られている。
なお、ここで、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、「液体」とは、記録液、インクに限るものではなく、吐出されるときに流体となるものであれば特に限定されるものではない。また、「液体吐出装置」とは液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像形成を行うものに限定されない。
また、液体吐出ヘッドは、液滴を吐出するノズル、ノズルが連通する個別液室(加圧液室、吐出室、圧力室、液体流路などとも称される。)、圧力室内の液体を加圧する圧力(エネルギー)を発生する圧力発生手段(エネルギー発生手段)と、各圧力室に液体を供給する比較的容積の大きな共通液室とを備えて、圧力発生手段で発生させる圧力で圧力室内の液体を加圧することによってノズルから液滴を吐出させる。ここで、圧力発生手段としては、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマル方式、圧電素子(ここでは、電気機械変換素子と同義語として用いる。)などを用いる圧電方式、静電力を発生する静電型アクチュエータを用いる静電方式などが知られている。
この液体吐出装置については、応用分野の拡大により、さらに高速に、高画質な画像形成を行うことが求められている。画質を劣化させる原因の1つとしては、画像形成を行う際の液体吐出ヘッドの温度によって吐出量がばらつくことが挙げられる。液体吐出ヘッドの温度が変化すると、インクの粘度などの物性が変化するため、吐出量、吐出速度が変化する。液体吐出ヘッドの温度は、液体吐出中の時間当たりエネルギー発生量と液体流量に応じて吐出中に経時変動し、液体吐出ヘッド毎に異なる温度分布を持つ。特に、近年開発が活発に行われているライン液体吐出ヘッド型の画像形成装置においては、多数の液体吐出ヘッドを組み合わせた記録媒体の幅と同じ長さの液体吐出ヘッドアレイを備えているため、使用する複数の液体吐出ヘッドの温度分布にムラが生じると、印刷画像にバンディングと呼ばれる帯状の濃度ムラ、色ムラが発生する。
そのため、吐出量を制御するために液体吐出ヘッドの温度を制御することが必要である。また、前述したように、画像形成中に温度分布のムラが発生するため、画像形成動作を行いながら、並行して温度制御を行えることが理想的である。
その温度制御方法の1つとして、液体吐出ヘッドの液室近傍にヒーターを取り付けて、インクが一定温度になるようにヒーターによる昇温で制御を行うことが一般に知られている。但し、この構造では通常の液体吐出ヘッドと比較して大型、高コストになるという問題がある。
他の温度制御方法としては、液体吐出ヘッド内の液滴吐出用のエネルギー発生手段をヒーターの代わりに利用して昇温により温度調整を行う方法が知られている(特許文献1、2参照)。
この方法によれば、確かに、ヒーターとなる専用部品を用意する必要がなく、小型で低コストの温度制御システムを構成することができる。また、流路、液室に非常に近いところに熱源を設置できるため、反応が早いという利点も併せ持つ。
しかし、前記文献に記載された構成では、いずれも温度制御を画像形成中に行うことは難しい。
その理由は、画像形成中に画像形成用の波形と昇温波形専用の波形の2つを同時に液体吐出ヘッドに入力するためには、波形生成装置、増幅装置、切換え装置を追加する必要が生じ、システムの複雑化、高コスト化を招くためである。
なお、非吐出用駆動パルスは画像形成駆動波形中にも通常1つ含まれるため、そのパルスを昇温に用いることも不可能ではない。しかし、画像形成駆動波形中の非吐出用駆動パルスの目的は、ノズル表面のインク乾燥防止であるため、非吐出用駆動パルスの電圧変動は、意図しない温度上昇や大きな電力消費を避けるために小さくすることが望ましく、この非吐出用駆動パルスでは十分な発熱を得ることは難しい。
加えて、前記各特許文献に記載された温度制御方法では、温度制御を行う毎にその都度画像形成を中断するか、画像形成中に温度制御を行うためには、コストをかけて波形生成装置、増幅装置、切換え装置を追加する必要がある。
本発明は、前記従来の温度制御方法における問題に鑑みてなされたものであって、液体吐出装置においてコストを掛けずに画像形成を中断することなく、液体吐出ヘッドの温度制御ができるようにすることである。
本発明は、液体吐出ヘッドによる画像形成中に、液体吐出ヘッドの駆動パルスを、液体吐出を伴わない加熱用駆動パルスに切り換えて液体吐出ヘッドの温度制御を行う液体吐出ヘッドの制御方法であって、液体吐出ヘッドの駆動パルスとして、液体吐出ヘッドからの液体吐出を伴う吐出用駆動パルスを生成すると共に、前記吐出用駆動パルスに基づき前記加熱用駆動パルスを生成する駆動パルス生成工程と、前記液体吐出ヘッドに印加する駆動パルスを、前記吐出用駆動パルスと前記加熱用駆動パルスを前記画像形成中に切り換える駆動パルス切換工程と、切り換えた駆動パルスを前記液体吐出ヘッドに印加する工程と、を有する液体吐出ヘッドの制御方法である。
本発明は、液体吐出ヘッドによる画像形成中に、液体吐出ヘッドの駆動パルスを、液体吐出を伴わない加熱用駆動パルスに切り換えて液体吐出ヘッドの温度制御を行う液体吐出ヘッドの制御手段を備えた液体吐出装置であって、前記液体吐出ヘッドの駆動パルスとして、液体吐出ヘッドからの液体吐出を伴う吐出用駆動パルスを生成すると共に、前記吐出用駆動パルスに基づき前記加熱用駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、前記液体吐出ヘッドに印加する駆動パルスを、前記吐出用駆動パルスと前記加熱用駆動パルスを前記画像形成中に切り換える駆動パルス切換手段と、切り換えた駆動パルスを前記液体吐出ヘッドに印加する手段と、を有する液体吐出装置である。
本発明によれば、液体吐出装置においてコストを掛けずに画像形成を中断することなく、液体吐出ヘッドの温度制御ができる。
本発明の実施形態で用いる液体吐出ヘッドを示し、図1Aはそのノズル側から見た平面図であり、図1Bはその側面図である。 図1に示す液体吐出ヘッドの線A−A’に沿った断面図である。 実施形態に係る液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置の制御部の概要を示すブロック図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの制御方法を実行するための印刷制御部及びヘッドドライバのブロック図である。 液体吐出ヘッドに対して印加される駆動波形のPw(パルス幅)を縦軸に印加電圧、横軸に時間をとって示した図であって、図5Aは、Pw=3のパルス波形を表す図であり、図5Bは、Pw=5のパルス波形を表す図である。 縦軸に滴速度(相対値)を、また横軸にPw値をとって、液体吐出ヘッドに対して、Pw値を変化させて液体の吐出を行った際の滴速度(相対値)を表したグラフである。 本発明の第1の実施形態で採用される駆動波形の例を、縦軸に印加電圧、横軸に時間をとって示したグラフである。 第1の実施形態で採用される駆動波形を基に生成される加熱用駆動波形の例を、縦軸に印加電圧、横軸に時間をとって示したグラフである。 本発明の第2の実施形態で採用される駆動波形の例を、縦軸に印加電圧、横軸に時間をとって示したグラフである。 第2の実施形態で採用される駆動波形を基に生成される加熱用駆動波形の例を、縦軸に印加電圧、横軸に時間をとって示したグラフである。 本発明の実施形態に係る液体吐出装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の実施形態で用いる液体吐出ヘッドをノズル4側から見た平面図であり、図1Bはその側面図である。図2は、図1に示す液体吐出ヘッドの線A−A’に沿った断面図である。
本液体吐出ヘッドは液体吐出アレイに組み込まれており、それぞれ、流路部材(液室基板)1と、流路部材1の下面に接合した振動板部材2と、流路部材1の上面に接合したノズル板3と、ノズル板3に設けられ液滴(液体の滴)を吐出するノズル4と、ノズル4に連通する個別液室6と、前記振動板部材2に設けた連通部9及び流路部材1に形成した連通路10と、フレーム部材17に形成されて、個別液室6に流体抵抗部7を介して液体であるインク(記録液)を供給する共通液室8と備えている。
ここで、流路部材1は、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて、異方性エッチングすることで各個別液室6や流体抵抗部7、連通路10などの開口、溝を形成している。なお、流路部材1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜きなどの機械加工により、各個別液室6などを形成することもできる。また、流路部材1とノズル板3或いは振動板部材2とを電鋳で一体形成することもできる。その他感光性樹脂などを用いて形成することもできる。
振動板部材2は、個別液室6側(図中上側から)から第1層2a、第2層2b、第3層2cの3層構造のニッケルプレートで形成したもので、例えば電鋳によって作製されたものである。
なお、この振動板部材2は、例えば、ポリイミドなどの樹脂部材とSUS基板などの金属プレートとの積層部材、或いは、樹脂部材から形成したものなどを用いることもできる。
ノズル板3は、各個別液室6に対応して多数のノズル4を形成し、流路部材1に接着剤で接合されている。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン、及びそれらの組み合わせから成るものを用いることができる。また、ノズル4の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル4の穴径は液滴出口側の直径で約14〜35μmに設定されている。
ノズル板3のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、記録液物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、記録液の滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
振動板部材2には、各個別液室6に対応して第1層2aで形成した変形可能な領域であるダイアフラム部(振動領域)2Aの中央部に第2層2b及び第3層2cの積層構造からなる凸部2Bを形成し、この凸部2Bに圧力発生手段(アクチュエータ手段)を構成する積層型の圧電素子12をそれぞれ接合している。
複数の圧電素子12は、1つの圧電素子部材にハーフカットの溝加工(スリット加工)によって分断することなく櫛歯状に形成したものである。圧電素子部材は複数個の圧電素子12の並び方向に沿ってベース部材13上に固定配置されている。この場合、1列に並ぶ複数の圧電素子は、交互に駆動する圧電素子12Aと単なる支柱部となる駆動されない圧電素子12Bとなる。支柱部となる圧電素子12Bは液室間隔壁部の対応する部分に接合している。
圧電素子部材は、例えば厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層したものであり、内部電極を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極(図示せず)及び共通電極16にそれぞれ電気的に接続したものである。この圧電定数がd33(d33は内部電極面に垂直(厚み方向)の伸び縮みを指す。)である圧電素子12の伸縮により振動領域2Aを変位させて個別液室6を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子12に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子12に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮する。
なお、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて個別液室6内インクを加圧する構成とすることも、圧電素子12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて個別液室6内インクを加圧する構成とすることもできる。本実施形態ではd33方向の変位を用いた構成を採っている。
ベース部材13は金属材料で形成することが好ましい。ベース部材13の材質(材料)が金属であれば、圧電素子12の自己発熱による蓄熱を防止することができる。さらに、振動板部材2の周囲にはフレーム部材17が接着剤で接合されており、フレーム部材17には各個別液室6に液体を供給する共通液室8が形成されている。この共通液室8から振動板部材2に形成した連通部9を介して個別液室6に液体(記録液)が供給される。なお、フレーム部材17には共通液室8に外部から記録液を供給するための記録液供給口も形成されている。
共通液室8は、個別液室6の並び方向(ノズル並び方向)に平面形状で長方形状に形成されている。この共通液室8を形成する壁面の中で、少なくとも一つの壁面は、振動板部材2の第1層2aで形成することにより、フレーム部材17で形成される他の壁面よりも剛性が低いダンパ部材20としている。
なお、ダンパ部材20は1層ではなく2層としてもよいし、あるいはダンパ部材20のみを振動板部材2と異なる材料で構成してもよい。また、ダンパ部材20は例えば金属Niのような気体の透過性が低い素材で構成されていることが望ましいが、樹脂膜等で形成されていてもよい。
前記のように構成した液体吐出ヘッドにおいて、例えば圧電素子12に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12が収縮し、振動板部材2が下降して個別液室6の容積が膨張することで個別液室6内にインクが流入する。その後、圧電素子12に印加する電圧を上げると、圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板部材2をノズル4方向に変形させて個別液室6の容積/体積を収縮させる。これにより、個別液室6内の記録液が加圧されて、ノズル4から記録液の滴が吐出(噴射)される。
その後、圧電素子12に印加する電圧を基準電位に戻すことによって、振動板部材2は初期位置に復元し、個別液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室8から個別液室6内に記録液が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、この液体吐出ヘッドの駆動方法については前記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。引き打ちとは、基準電位から電位を下げて圧電素子12Aを収縮させて個別液室6の内容積を増加した後電位を基準電位まで戻すことによって、振動板部材2を初期位置に復帰させて液滴を吐出させる打ち方、押し打ちとは基準電位から電位を上げて振動板部材2を個別液室6側に押し込むことで液滴を吐出させる打ち方である。
次に、本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置の制御部の概要について図3を参照して説明する。
図3は前記制御部500の概要を示すブロック図である。
制御部500は、本液体吐出装置全体の制御を行い、かつその吐出動作の制御を行うCPU501と、CPU501が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、液体吐出装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能なNVRAM(不揮発性メモリ)504と、画像データに対する各種信号処理、並び換え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
また、制御部500は、液体吐出ヘッド234を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含み、かつ、キャリッジ233側に設けた液体吐出ヘッド234を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509を制御する印刷制御部508と、キャリッジ233を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト251を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構(図示せず)の維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510と、帯電ローラ256にACバイアスを供給するACバイアス供給部511などを備えている。また、制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのホストインターフェース(以下ホストI/Fと略記する)506を持っており、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読取装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してそれらの出力信号をホストI/F506で受信する。
制御部500のCPU501は、ホストI/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び換え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する。また、印刷制御部508は前記動作を行う他、ROM502に格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部701(図4)を含み、1又は複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、印刷制御部508からシリアルに入力される液体吐出ヘッド234の1行分に相当する画像データに基づき液体吐出ヘッド234を駆動する。即ち、ヘッドドライバ509は、印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを、液体吐出ヘッド234の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して選択的に印加し、これによって液体吐出ヘッド234を駆動する。
ヘッドドライバ509は、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、液体吐出ヘッド234において、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O(入出力)部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510、ACバイアス供給部511の制御に供する処理を行う。
センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、個別液室6の近傍に設置するサーミスタなどの温度センサ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々なセンサ情報について前記処理を行うことができる。
次に、本実施形態に係る液体吐出ヘッドの制御方法を実行するための印刷制御部508及びヘッドドライバ509の一例について図4を参照して説明する。
印刷制御部508は、駆動時には1吐出周期内に複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する駆動波形生成部701と、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0〜M3を出力するデータ転送部702とを備えている。
なお、滴制御信号は、ヘッドドライバ509の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチ715の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号であり、共通駆動波形の印刷周期に合わせて選択すべき波形でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッドドライバ509は、データ転送部702からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/1チャンネル(1ノズル))を入力するシフトレジスタ711と、シフトレジスタ711の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路712と、階調データと滴制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ713と、デコーダ713のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ715が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ714と、レベルシフタ714を介して与えられるデコーダ713の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ715とを備えている。
このアナログスイッチ715は、各圧電素子12の選択電極(個別電極)に接続され、駆動波形生成部701からの共通駆動波形が入力されている。
したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と制御信号M0〜M3をデコーダ713でデコードした結果に応じてアナログスイッチ715がオンし、これにより、共通駆動波形を構成する所要のパルス幅Pwを持った駆動信号が通過して(つまり選択されて)圧電素子121に印加される。
このようにして、液体吐出ヘッド(圧電素子12)に所要のパルス幅Pwを持った駆動信号が印加されて液体吐出ヘッドが作動される。
図5は、ヘッドドライバ509から液体吐出ヘッドに対して印加される駆動波形のPw(パルス幅)を、縦軸印加電圧(V)、横軸に時間(μs)を取って示した図であり、図5Aは、パルス幅(Pw)=3(μs)のパルス波形を表す図であり、図5Bは、パルス幅(Pw)=5(μs)のパルス波形を表す図である。また、図6は、縦軸に滴速度を、また横軸にパルス幅(Pw)値(μs)をとって、液体吐出ヘッドに対してパルス幅(Pw)のみを変化させて液体の吐出を行った際の滴速度(相対値)を表したグラフである。
液体吐出ヘッドに印加する駆動信号は、その駆動波形のパルス幅(Pw)を変えることで滴速度を制御することができる。即ち、図5A、5Bに示すようにPw(パルス幅)だけを徐々に変化させて液滴の吐出を行い、そのときの滴速度をグラフ化にすると、図6に示すように、一定の周期で滴速度が変化するグラフが得られる。図中、液滴の速度が速くなるつまり加速されるパルス幅を、ここでは効率のよい又は高効率パルス幅(Pw)と云い、また、液滴の速度が減速されるパルス幅を効率の悪い又は低効率パルス幅(Pw)と云う。
なお、図6中の縦軸を滴速度(相対値)としたのは、図6中、例えば滴速度6は滴速度3の倍を表すためであり、具体的な速度単位を表すものでないからである。
つまり、図6の高効率の領域は、パルスの立ち下げ部分で発生する個別液室6内のインク振動と立ち上げ部分により発生するインク振動が重なった時に個別液室6内のインク振動を強め合うパルス幅(Pw)の範囲を、他方、低効率パルス幅領域は、立ち下げの振動と立ち上げの振動が重なった際に個別液室6内のインク振動を弱め合うパルス幅(Pw)の範囲である。
図6は個別液室6内のインクの減衰振動を表す曲線の正の部分のみを表しており(実際には正の部分に連続して負の部分を表す曲線(サインカーブ)がある)、その曲線の変曲点を境に高効率エリアと低効率エリアとが連続して繰り返されている。なお、図6で示すように高効率エリアでも吐出がなされないことがあり、逆に低効率パルス幅の範囲内でも、駆動電力を上げれば吐出されることがある。
ここで、パルス幅が低効率になる範囲を規定すると、図6から、
Tp+Tc×(1/4)×(4n−7)<Pw<Tp+Tc×(1/4)×(4n−5)・・・式(1)となる。
但し、nは自然数で、Pw≧0である。
ここでTcとTpは、ヘッドの個別液室6の構造によって決まる数値であって、図6は、これらの数値Tc、Tpがどのような意味をもつものかを示している。なお、Tpは第一ピークにおけるパルス幅(Pw)(つまり、そのヘッドで吐出効率が極大値となるパルス幅のうち、最も小さな値(パルス幅))を表し,Tcは第一ピークと第二ピークの間隔を表す。ここで、Tcは一般にヘルムホルツ周期と呼ばれ、加圧室内のインクの共振周期を表す値である(ヘルムホルツ周期はインクだけでなくアクチュエータの影響をも含めた振動系全体の固有周期(共振周期)であり、理論的には、パルス信号のパルス間隔が上記ヘルムホルツ周期に近いほど、インクメニスカス振動の共振の程度は大きくなる。そのため、液滴の吐出速度は、パルス間隔が上記ヘルムホルツ周期に近いほど大きくなる)。
なお、「n」は自然数であればどの値でもよいが、高速性を求めるのであれば、波形の長さを短くして液滴の吐出周波数をあげるため、前記式(1)で、Pw≧0を考慮して、ここでは、最も小さい値である2が好ましい。逆に、安定性を求めるのであれば、「n」は大きいほど意図しない液滴の吐出が発生する可能性が低くなるため、「n」は大きい方がよい。
本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの制御では、前記のパルス幅Pw特性を利用し、液滴の吐出を抑えながら電位を大きく変動させ、発熱を最大化する方法を採っている。即ち、まず、本実施形態では液体吐出ヘッドの特性として、ヘルムホルツ周期Tc:4μs、第一ピークにおけるパルス幅Tp:3μsが得られているものとする。この値は個別液室6の形状を変化させることによって設定することができる。
図7は、本発明の第1の実施形態で用いる液体吐出ヘッドで採用される1吐出周期内の駆動波形(Tc:4μs、Tp:3μs)の例を、縦軸に印加電圧、横軸に時間をとって示したグラフである。
この駆動波形には、パルス幅Pw=3(μs)の吐出用駆動パルスが2つと、Pw=1(μs)の非吐出用駆動パルスが1つ配置されている。液体吐出ヘッドにおいては、この駆動パルスのうちの全て、もしくは一部を選択的に印加することで、液体吐出ヘッド内の圧電素子12を変動させて液滴の吐出を行ったり、液滴を吐出させずにメニスカスの揺動を行う。
ここでは、既に述べたようにPw=Tp=3(μs)である、つまり、その液体吐出ヘッドで吐出効率が極大値となるパルス幅であるため、前記駆動波形の吐出用の駆動パルスは最も効率のよいパルス幅である。一方、非吐出用の駆動パルスは、Pw=1(μs)であるため液滴の吐出効率が低く、さらに電位も吐出用の駆動パルスの数分の1しか変化させていないため、液滴を吐出することはない。そのため、吐出を行いたい場合はPw=3の前半の吐出用の駆動パルス(2パルス)のみを液体吐出ヘッドに印加し、吐出を行いたくない場合は、最後に配置されているPw=1(μs)の非吐出用駆動パルスのみを液体吐出ヘッドに印加すればよい。なお、吐出用の駆動波形のパルス幅Pwは、厳密にPw=Tp(吐出効率最大値)である必要はなく、効率は落ちるが必要に応じて値は異なってもよい。
ところで、ある一定の電位が印加された状態で液体吐出ヘッドに対する電圧印加を切ると、液体吐出ヘッドの中では直前に印加された電位が保持され、圧電素子12もほぼ同じ変位で保持される。これを利用して初めと2番目の吐出用駆動パルスを接続し、電位変動が大きいながらも低効率のパルス幅の加熱用駆動パルス(非吐出用駆動パルス)を生成することができる。
画像形成動作中に加熱用駆動パルス(非吐出用駆動パルス)を生成する場合、1吐出周期内にある任意の前後2つのパルスについて、前記2パルスの電圧一定部の電位が略同一であり、かつ前パルスが下がりきるタイミングと、後パルスがあがり始まる直前のタイミングの時間差Twが、
Tp+Tc×(1/4)×(4n−7)<Tw<Tp+Tc×(1/4)×(4n−5)・・・式(2)
を満たす場合には、前記前後の2つのパルスの波形を接続又はつなぎ合わせることで発熱用の微駆動波形を用意することができる。
なお、前記式において、Tc:ヘルムホルツ周期、Tp:そのヘッドで吐出効率が極大値となるパルス幅のうち、最も小さなパルス幅の値、n:自然数であり、かつ、Tw≧0である。
図8は、第1の実施形態で用いる液体吐出ヘッドで採用された駆動波形(吐出用駆動パルスの波形)を基に生成される加熱用駆動波形の例を、縦軸に印加電圧、横軸に時間をとって示したグラフである。即ち、吐出を行うことを避けながら加熱を行いたい場合には、図8に示す駆動波形を選択して液体吐出ヘッドに印加する。
図8において、駆動波形における前パルス(吐出用駆動パルス)が下がりきるタイミングと、後パルス(吐出用駆動パルス)があがり始まる直前のタイミングの時間差Twは9(μs)である。
つまり、この時間差Tw=9(μs)は、
Tp+Tc×(1/4)×(4n−7)<Tw<Tp+Tc×(1/4)×(4n−5)において、Tp=3、Tc=4と、かつ自然数:n=3としたとき、8<9<10となる。
これにより、図7に示す前記前後の2つの吐出用駆動パルスの波形をつなぎ合わせることで発熱用の微駆動波形を用意することができることが分かる。
また、この図7の前後の吐出用駆動パルスを接続して得た加熱用駆動波形のパルス幅は、前記時間差Twと同じであるから、Tw=Pw=9(μs)であり、ここで、Pw=9(μs)を式(1);Tp+Tc×(1/4)×(4n−7)<Pw<Tp+Tc×(1/4)×(4n−5)に、Tp=3、Tc=4と、かつ自然数:n=3の条件で適用すると、当然ながら式(1)を満たす、つまり、Pw=9μsは低効率のパルス幅エリアである。
本実施形態においては、とくに、n=3として導出されるパルス幅を使用したため、n=2の場合と異なり、最も効率のよいピーク、即ちTp=3周辺のパルス幅を使用することがない(n=2の場合、Pw=5となり、Pw=9よりもTp=3により近い)、そのため安定して吐出しないパルスを形成することができる。このように、複数の低効率エリアのうち、Tpから遠いエリアを使う程、意図しない吐出を防ぐことができる。
なお、駆動波形の切り換えは、印刷制御部508とヘッドドライバ509の一部で構成する切換手段により、2つのパルスが同じ電位で、かつ変動していないときに行う。このようにすることで、電圧印加の開始、終了の切り換え時に発生するスパイクノイズを抑制することができる。但し、スパイクノイズに対する何らかの対策が既に講じられていたり、スパイクノイズの大きさが問題ない範囲であれば、波形の切り換えは、前記タイミング以外のタイミングで行ってもよい。また、加熱用駆動パルス生成時の駆動パルス(信号)選択の切り換えが、切り換え前と切り換え後の駆動信号の電位がいずれも略変動しない場合にのみ行うことでスパイクノイズを抑制することができる。
また、本実施形態においては、前記の吐出用駆動パルス、前記連結により生成したもの以外の非吐出用駆動パルス及び加熱用駆動パルスを画像形成中に切り換えることができる。このうち、非吐出用駆動パルスを含む複数の加熱用駆動パルスについては温度上昇の必要性に応じて選択を行う。これにより、加熱温度制御時に画像形成を止める必要がなく、生産性向上と画質向上を両立することができる。また、この制御は液体吐出ヘッド毎ではなく、1つの液体吐出ヘッドの複数のノズルをいくつかに区分けした単位ごと、例えば4つに均等に区分けして、そのうち温度が低い部分のみを加熱するなどの制御を行ってもよく、その場合はより高い精度で温度補正を行うことができる。なお、制御のための温度検知は、個別液室6近傍に設置した温度センサによる以外に、吐出検知や用紙に対する印写結果から、液滴の速度や質量を計測することで代替的に感知してもよく、その他の公知又は周知の方法を用いてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態で採用される駆動波形の例を、縦軸に印加電圧(V)、横軸に時間(μs)をとって示したグラフであり、図10は、第2の実施形態で採用される駆動波形を基に、生成される加熱用駆動波形の例を、縦軸に印加電圧(V)、横軸に時間(μs)をとって示したグラフである。
本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドの制御方法においては、第1の実施形態と同様に図9に示す1吐出周期内の駆動波形を使用する。また、本実施形態においても液体吐出ヘッドの特性として、Tc:4μs、Tp:3μsが得られているものとする。この1吐出周期内の駆動波形は、3つの高さ(駆動電圧)の違う吐出用駆動パルスと、1つの非吐出用駆動パルスで構成されている。吐出用駆動パルスは、効率を優先するため、全てPw=3(μs)としている。
複数の駆動パルスの高さが異なる場合、駆動波形の印加を行う際にスパイクノイズが発生しやすくなるが、図10のように電位が略同じになるタイミングで駆動波形の印加を切り換えることで、加熱用駆動パルスを液体吐出ヘッドに印加することが可能である。
なお、駆動波形の印加の切り換えは、図9の第2パルスの平坦部の電圧に合わせると、第1パルスの電圧降下中と、第2パルスの電圧上昇中にスイッチを切り換えることなるためこのタイミングでは行わない。
したがって、前記切り換えは、第1パルスの下部の平坦部か、第3パルスの下部の平坦部のタイミングで行うことになるが、ここでは、図10に示すように、電圧降下が小さくノイズの少ない第1のパルスの平坦部に合わせて切り換えを行っている。
このパルス幅はPw=13(μs)となり、前記式(1);(Tp+Tc×(1/4)×(4n−7)<Pw<Tp+Tc×(1/4)×(4n−5))において、Tc=4μs、Tp=3μs、n=4としたとき導出される12<Pw<14で、Pw=13はこれを満たすため、効率のよくないつまり低効率領域に属するパルス幅であり、吐出することがないことが分かる。
以上、液体吐出ヘッドの制御方法について説明したが、これらの実施形態においては、(1)通常の吐出用駆動パルスを加熱用駆動パルスに流用する、つまり、吐出用駆動パルスから加熱用駆動パルスを生成する際に、その加熱用駆動パルス幅(周期)を、液体吐出ヘッドの個別液室6内の共振周期の振動を打ち消しあうパルス幅(効率の悪いパルス幅)になるように選択するので、大きな電位変化と非吐出を両立することができる。そのため、液体吐出ヘッドに入力する波形を増やさずに、画像形成をしながら非吐出駆動による温度調整を行うことができる。つまり、液体吐出ヘッドの画像形成中に常時周期的に生成されるパルス波形のいずれかを組み合わせることで、波形を増やさずに大きな電位変化をもつ非吐出駆動(加熱用)波形を生成することができる。
(2)加熱用駆動パルス生成時の駆動パルス選択の切り換えが、切り換え前と切り換え後の駆動パルスの電位が略同じタイミングで行われるため、スパイクノイズを低減することができる。
(3)前記式(1)において、n≧3とすると、非吐出用駆動パルスのパルス幅が、最も効率の高いピークに隣接する部分になることを避けることができ、タイミングがずれても液体を吐出してしまう可能性を低減することができる。
なお、電圧変動が大きなパルスほど大きな発熱を得ることができるため、電圧変動幅の異なる複数種類の加熱用駆動パルスを生成して、それらのパルスを液体吐出ヘッドの加熱状況に応じて使い分けることで、非吐出駆動において発熱をできるだけ抑えたい場合と、発熱をできるだけ大きくしたい場合の両方に対応することができる。
前記複数の加熱用駆動パルスのうち、少なくとも1つは、液滴吐出を行うタイミングの直前の1または複数周期には印加しないようにすることで、電位変動の大きな非吐出駆動でメニスカスが大きく振動しても、非吐出駆動後に液滴吐出を行うまでの間隔を空けることで、大きなメニスカス振動の影響を受けずに安定して滴を吐出することができる。
複数の加熱用駆動パルスが生成され、かつ、生成された複数の加熱用駆動パルスのうち、少なくとも1つは、吐出を行うタイミングの直後の1または複数周期には印加しないようにすることもできる。そうすることで吐出用駆動パルスによりメニスカスが大きく振動しても、吐出駆動後に間隔を空けてから加熱用駆動パルスを印加することで、大きなメニスカス振動の影響により意図しない吐出を防ぐことができる。
前記複数種類の加熱用駆動パルスの切り換えを少なくとも画像形成動作中に行うようにすることで、画像形成時の液体吐出ヘッドの駆動頻度のばらつきに応じたより細かな制御を行うことができる。また、制御のための時間を確保する必要がないので、画像形成の生産性を向上することができる。
1つの液体吐出ヘッド内で、各個別液室内の圧力発生手段ごとに、異なる加熱用駆動パルスを選択的に印加することもできる。それにより、それぞれの液体吐出ヘッド内の温度分布を是正することができ、液体吐出ヘッド内の濃度ムラを低減することができる。
次に、以上で説明した液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置を搭載した画像形成装置について図11を参照して説明する。なお、図11は前記画像形成装置の概略構成図である。
本画像形成装置はフルライン型液体吐出ヘッドを備えたライン型の画像形成装置であり、画像形成装置本体401の内部に画像形成部402及び用紙を搬送する搬送機構403等を有し、画像形成装置本体401の一方側に多数枚の用紙405を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙405を取り込み、副走査方向への搬送機構403によって用紙405を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、画像形成装置本体401の他方側に装着された排紙トレイ406に用紙405を排紙する。
画像形成部402は、記録液となる液体を収容した液体タンクを一体にし、用紙の幅方向(搬送方向と直交する方向)の長さ相当分のノズル列を有する液体吐出ヘッドで構成したライン型液体吐出ヘッド410y、410m、410c、410kを備えたものである。これらのライン型液体吐出ヘッド410y、410m、410c、410kは図示しない液体吐出ヘッドホルダに取り付けている。
ライン型液体吐出ヘッド410y、410m、410c、410kは、用紙搬送方向上流側からそれぞれ例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に各色の液滴を吐出する。なお、ライン型液体吐出ヘッド410y、410m、410c、410kとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で配置した1つの液体吐出ヘッドを用いることもできるし、液体吐出ヘッドと液体カートリッジを別体としたものを用いることもできる。
給紙トレイ404の用紙405は、給紙コロ421によって1枚ずつ分離され画像形成装置本体401内に給紙され、用紙供給ローラ422によって搬送機構403に送り込まれる。
搬送機構403は、駆動ローラ423と従動ローラ424との間に掛け渡した搬送ベルト425と、この搬送ベルト425を帯電させるための帯電ローラ426と、搬送ベルト425を画像形成部に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)427と、搬送ベルト425に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなる記録液拭き取り部材(ここでは、クリーニングローラ)428と、用紙405を除電するための導電ゴムを主体とした除電ローラ429と、用紙405を搬送ベルト425側へ押える用紙押さえローラ430とを備えている。搬送機構403の下流側には画像が記録された用紙405を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ431を備えている。
以上のように構成したライン型の画像形成装置において、搬送ベルト425を帯電させて用紙405を送り込むことによって、静電力で用紙405は搬送ベルト425に吸着されて、搬送ベルト425の周回移動によって搬送され、画像形成部402によって画像が形成されて、排紙トレイ406に排紙される。
本実施形態によれば、画像形成を行いながら液体吐出アレイの温度制御を行うことができるため、高精度で、生産性を維持しながら温度制御を行うことができ、かつ出力される画像の品質を向上することができる。また、そのための構成を小型かつ安価なものとすることができる。
本実施形態に係る液体吐出装置を備えた画像形成装置は、例えば、プリンタ/ファックス/コピーマシンの単機能機やこれらの複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置、その他の前述したような各種の液体を吐出する画像形成装置とすることができる。
また、ここではライン型の画像形成装置を例に採って説明したが、本発明は2つ以上の液体吐出ヘッドを繋ぎあわせた液体吐出ヘッドアレイを持つシリアルエンジンの画像形成装置としても適用可能である。
1・・・流路部材、2・・・振動板部材、2A・・・ダイアフラム部(振動領域)、2B・・・凸部、3・・・ノズル板、4・・・ノズル、6・・・個別液室、7・・・流体抵抗部、8・・・共通液室、12・・・圧電素子、13・・・ベース部材、20・・・ダンパ部材、410k、410c、410m、410y・・・ライン型液体吐出ヘッド。
特開2007−268893号公報 特開2009−119372号公報

Claims (10)

  1. 液体吐出ヘッドによる画像形成中に、液体吐出ヘッドの駆動パルスを、液体吐出を伴わない加熱用駆動パルスに切り換えて液体吐出ヘッドの温度制御を行う液体吐出ヘッドの制御方法であって、
    液体吐出ヘッドの駆動パルスとして、液体吐出ヘッドからの液体吐出を伴う吐出用駆動パルスを生成すると共に、前記吐出用駆動パルスに基づき前記加熱用駆動パルスを生成する駆動パルス生成工程と、
    前記液体吐出ヘッドに印加する駆動パルスを、前記吐出用駆動パルスと前記加熱用駆動パルスを前記画像形成中に切り換える駆動パルス切換工程と、
    切り換えた駆動パルスを前記液体吐出ヘッドに印加する工程と、
    を有する
    液体吐出ヘッドの制御方法。
  2. 請求項1に記載された液体吐出ヘッドの制御方法において、
    前記加熱用駆動パルスのパルス幅は、前記駆動パルス幅を変更することにより周期的に変動する前記液体吐出ヘッドからの液体吐出効率の高効率領域と低効率領域の内、低効率領域となるパルス幅である液体吐出ヘッドの制御方法。
  3. 請求項2に記載された液体吐出ヘッドの制御方法において、
    前記低効率領域となるパルス幅Pwは、
    Tc:ヘルムホルツ周期、Tp:その液体吐出ヘッドで吐出効率が極大値となるパルス幅のうち最も小さな値、n:自然数、Pw≧0とするとき、
    Tp+Tc×(1/4)×(4n−7)<Pw<Tp+Tc×(1/4)×(4n−5)の関係を満たすパルス幅Pwである、
    液体吐出ヘッドの制御方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された液体吐出ヘッドの制御方法において、
    前記駆動パルス生成工程では、1吐出周期内における複数の吐出用駆動パルスのうちの任意の2つの駆動パルスのうち先に出力されるパルスが下がりきるタイミングと、後の吐出用駆動パルスが上がり始まる直前のタイミングの時間差Twは、
    Tc:ヘルムホルツ周期、Tp:そのヘッドで吐出効率が極大値となるパルス幅のうち最も小さな値、n:自然数、Tw≧0とするとき、
    Tp+Tc×(1/4)×(4n−7)<Tw<Tp+Tc×(1/4)×(4n−5)を満たすとき、前記2つの駆動パルスを連結して加熱用駆動パルスを生成する液体吐出ヘッドの制御方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された液体吐出ヘッドの制御方法において、
    前記駆動パルス切換工程では、前記加熱用駆動パルスへの切り換えは、前記切り換え前と切り換え後の前記駆動パルスが略同じ電位となるタイミングで行われる液体吐出ヘッドの制御方法。
  6. 請求項5に記載された液体吐出ヘッドの制御方法において、
    前記駆動パルス切換工程では、前記加熱用駆動パルスへの切り換えは、切り換え前と切り換え後の駆動信号の電位がいずれも変動しないタイミングで行われる液体吐出ヘッドの制御方法。
  7. 請求項3ないし6のいずれかに記載された液体吐出ヘッドの制御方法において、
    n≧3である液体吐出ヘッドの制御方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載された液体吐出ヘッドの制御方法において、
    前記駆動パルス生成工程では電圧変動幅の異なる複数種類の加熱用駆動パルスが生成され、前記液体吐出ヘッドの温度に応じて前記複数種類の加熱用駆動パルスを選択的に使用する液体吐出ヘッドの制御方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載された液体吐出ヘッドの制御方法において、
    1つの液体吐出ヘッド内において、各個別液室内の圧力発生手段ごとに、異なる非吐出用駆動パルスを選択的に印加する液体吐出ヘッドの制御方法。
  10. 液体吐出ヘッドによる画像形成中に、液体吐出ヘッドの駆動パルスを、液体吐出を伴わない加熱用駆動パルスに切り換えて液体吐出ヘッドの温度制御を行う液体吐出ヘッドの制御手段を備えた液体吐出装置であって、
    前記液体吐出ヘッドの駆動パルスとして、液体吐出ヘッドからの液体吐出を伴う吐出用駆動パルスを生成すると共に、前記吐出用駆動パルスに基づき前記加熱用駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
    前記液体吐出ヘッドに印加する駆動パルスを、前記吐出用駆動パルスと前記加熱用駆動パルスを前記画像形成中に切り換える駆動パルス切換手段と、
    切り換えた駆動パルスを前記液体吐出ヘッドに印加する手段と、
    を有する液体吐出装置。
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