JP2013052340A - 水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的強度及び透水性等を確保しながら、水処理効率及び経済性をさらに向上させることができる水処理装置及び水処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】塩化ビニル系樹脂の単一素材からなる単層構造であり、かつ内径が4mm以上の中空糸膜を有する膜モジュールを備えた水処理装置を用い、膜面流速が1m/秒以下の低速クロスフローによる内圧式ろ過と、逆洗とを交互に行なう水処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、水処理方法に関し、より詳細には、いわゆる単一素材大口径の中空糸膜を利用した膜モジュールを備える水処理装置を用いる水処理方法に関する。
従来から、例えば、河川水及び地下水の除濁、工業用水の清澄、排水及び汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製のために、中空糸膜が利用されている。
このような中空糸膜は、通常、水処理装置において分離膜として利用されており、例えば、ポリスルホン(PS)系、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)系、ポリエチレン(PE)系、酢酸セルロース(CA)系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ポリビニルアルコール(PVA)系、ポリイミド(PI)系等の種々の高分子材料によって形成されている。
一般に、中空糸膜に要求される性能としては、目的とする分離特性に加え、優れた透水性を有すること、物理的強度に優れていること、各種化学物質に対する安定性(つまり、耐薬品性)が高いこと、付着した汚れを容易に除去できる又はろ過時に汚れが付着しにくい(つまり、耐汚染性が優れている)こと等が挙げられる。
特に、安全な水を定常的に大量に供給することが求められている状況下においては、より効率的かつより経済的に、被処理水に含有される種々の成分を膜によって分離して大量の水を供給することが必要である。
このために、例えば、所定間隔ごとに薬液による洗浄などが行なわれている(例えば、特許文献1)。
しかし、薬液による洗浄には、比較的長時間を要するとともに、薬液を高速で膜内に循環させるために、大量の薬液が必要となるとともに、その間の水処理運転の停止を余儀なくされるという欠点がある。また、用いる薬品のコスト、排薬品の処理コスト等が発生し、運転コストが増大する。
また、近年の排水処理では、生物処理水槽に併設した中空糸膜の内部に生物処理水を流し、内圧によるろ過を行う内圧式(槽外式)MBRが提案されている。
これらの内圧式MBRで用いられる水処理膜のモジュールでは、大小さまざまな固形分を含む生物処理水に起因するモジュール端面での固形分の堆積による閉塞が発生しないよう、内径が5〜10mm程度のチューブラー状の水処理膜が用いられている。
しかし、チューブラー膜による処理は、水処理膜の内径大型化に従い、処理時の内圧への耐性が低下するため、強固な支持体もしくは膜厚の増大が必要となる。その一方、膜表面に濁度成分をはじめとした汚れが堆積した場合には、通常、処理量が低下した際に中空糸膜において逆圧洗浄(逆洗)されるが、支持体を用いたチューブラー膜では、支持体に貼り付けられているチューブラー膜そのものの剥がれによる破損が発生しやすい。特に、高浮遊物質を含有する水処理に適した内圧式全ろ過方式のチューブラー膜では、逆洗が実質的に不可能である。よって、逆洗以外の方法で透水量の低下を防ぐためにスポンジボールの使用、高い内部流速の維持など、システムの複雑化及び消費エネルギーの増大が余儀なくされることが現状である。
また、水処理膜の膜厚を増大させることは、処理水量に対する設置面積効率が低下するという新たな課題を招く。
特開2006−102634号
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、機械的強度及び透水性等を確保しながら、水処理効率及び経済性をさらに向上させることができる水処理方法を提供することを目的とする。
本発明の水処理方法は、
外径が3.6mm〜10mm及び外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34である自立構造を有する単一主要構成素材による中空糸膜を用いた膜モジュールを備えた水処理装置を用い、(1)膜面流速が1m/秒以下の低速クロスフローによる内圧式ろ過と、逆洗とを交互に行なうか、(2)膜面流速が1m/秒以下の低速クロスフローによる内圧式ろ過と、フラッシングとを交互に行い、定期的又はランダムなタイミングで逆洗を行うことを特徴とする。
これらの水処理方法では、
前記ろ過及び逆洗の後又は間にドレン又はフラッシングを行なうことが好ましい。
前記水処理、逆洗又はフラッシングにおいて気泡又は超音波を導入することが好ましい。
前記水処理の前処理として、除濁を行なうことなく被処理水をろ過に付すことが好ましい。
前記逆洗時に薬液を用いることが好ましい。
前記膜モジュールが、直列、並列又はこれらの組み合わせによる多段組み立てされたものであることが好ましい。
前記中空糸膜が、塩化ビニル系樹脂により形成されてなることが好ましい。
本発明によれば、単一素材であることから機械的強度及び透水性等を確保しながら、複合素材による大口径膜では不可能あるいは低圧でしか実施できなかった逆洗を高圧でかけることが可能になり、高い水処理効率及び経済性を確保することができる水処理方法を提供することが可能となる。
本発明で使用される膜モジュールの概略断面図である。 本発明の水処理装置の概念図である。 本発明の水処理装置で使用される膜モジュールの多段組み立てを示す概念図である。 本発明の水処理装置の別の概念図である。 本発明で使用される膜モジュールの中空糸膜の製造方法を説明するための概略図である。 本発明で使用される膜モジュールの中空糸膜を製造する際の樹脂溶液の吐出角度を説明するための概略図である。
(中空糸膜)
本発明の水処理装置で用いられる中空糸膜は、自立構造を有する単一主要構成素材により形成されている膜である。
ここで、単一主要構成素材とは、その主要材料が単一材料であることを意味する。単一材料とは、主要素材が1種であることを意味する。つまり、中空糸膜を形成する素材(例えば、膜を構成する樹脂)において、1種の樹脂が50質量%以上(好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上)を占めていることを意味し、あるいは、その1種の樹脂の性質が構成素材の性質を支配していることを意味する。具体的には、1種の樹脂が50〜99質量%を有する素材を意味する。ただし、単一材料には、後述する素材自体又は中空糸膜の製造の際に通常用いられる添加剤は含まれず、樹脂の加工性等を改善するための後述するような添加剤等は含有していてもよい。
通常、強度が弱い素材は、より強度の強い素材(セラミック、不織布等)から形成される支持体との複合体としなければ、所望の形状、例えば、円筒形状、チューブ形状等を維持することができない。従って、従来の比較的大口径の中空糸膜は、膜を形成する素材以外に、水処理膜としての使用時に、所望の形状を保持できるよう、膜を支持する構造体として、筒状のセラミック又は筒状に成形した不織布等を伴っていた。
一方、本発明で用いられる中空糸膜は、筒状などの所望の形状を変化させないような、異なる材料/素材(例えば、不織布、紙、金属、セラミック等)から形成される支持体を伴わない。言い換えると、本発明で使用される中空糸膜は、単一主要構成素材による単層構造で形成された膜を意味し、異なる材料/素材による積層構造を採らない。にもかかわらず、このような構造であっても、中空糸膜としての使用時に円筒、チューブ形状等の所望の形状が保持されるほどに十分な強度を有し、すなわち「自立構造」を有している。従って、支持体レスで大口径膜として使用することができる。このため、後述する逆洗時においても、ろ過機能を担当する膜部分が支持体から剥離することもなく、また、セラミック等の支持体を用いたチューブ形状膜等とは異なり、優れた透水性能を確保することができる。
このような単一主要構成素材としては、ポリスルホン(PS)系、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)系、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系、酢酸セルロース(CA)系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ポリエーテルスルフォン系、ポリビニルアルコール(PVA)系、ポリイミド(PI)系等の種々の高分子材料を用いることができるが、塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。これら材料は、市販されているもの、周知の方法により各種モノマーから重合して得られるものなど、いずれの材料をも利用することができる。
このように、いずれの材料によって形成されているとしても、本発明で使用される中空糸膜は機械的強度が高い。例えば、中空糸膜が塩化ビニル系樹脂の単一素材からなる単層構造において、破断強度が10〜100N/本程度、破断伸度が10〜100%程度と、機械的強度が高い。この強度及び伸度は、例えば、JISK6301の測定方法に準じて、チャック間50mm、引っ張り速度200mm/分で測定した値である。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単独重合体(塩化ビニルホモポリマー)、塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーと塩化ビニルモノマーとの共重合体、重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト共重合したグラフト共重合体、これらの塩化ビニルモノマー単位が塩素化されたものからなる(共)重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、耐汚染性を向上するために、親水性モノマーが共重合されていることが好ましい。
塩化ビニルモノマー単位の塩素化は、重合前に行われていてもよいし、重合した後に行われていてもよい。また、塩化ビニルの共重合体とする場合には、塩化ビニルモノマー単位以外のモノマー単位の含有率は、本来の性能を阻害しない範囲とし、塩化ビニルモノマー由来の単位を50重量%以上、60重量%以上又は70重量%以上、例えば、50〜99質量%程度、60〜99質量%又は70〜99質量%含むことが好ましい(ここでの質量計算では、塩化ビニル系樹脂中には、可塑剤、当該共重合体樹脂にブレンドされるその他の重合体を含まない)。
塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、トルイル(メタ)アクリレート、キシリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシ(メタ)アクリレート、2−フェノキシ(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニルビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。例えば、さらなる柔軟性及び対汚染性、耐薬品性を付与するため、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン、フッ化ビニリデンを共重合又はブレンドすることが適している。
塩化ビニルにグラフト共重合する重合体としては、塩化ビニルにグラフト重合させることができるものであれば特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
さらに、高分子膜を構成するモノマー材料として、架橋性モノマーを用いてもよい。架橋性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;
N−メチルアリルアクリルアミド、N−ビニルアクリルアミド、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビスアクリルアミド酢酸等のアクリルアミド類;
ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルエチレン尿素等のジビニル化合物;
ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリアリルアンモニウム塩、ペンタエリスリトールのアリルエーテル化体、分子中に少なくとも2個のアリルエーテル単位を有するスクローゼのアリルエーテル化体等のポリアリル化合物;
ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
親水性モノマーとしては、例えば、
(1)アミノ基、アンモニウム基、ピリジル基、イミノ基、ベタイン構造等のカチオン性基含有ビニルモノマー及び/又はその塩(以下、「カチオン性モノマー」と記載することがある)、
(2)水酸基、アミド基、エステル構造、エーテル構造等の親水性の非イオン性基含有ビニルモノマー(以下、「非イオン性モノマー」と記載することがある)、
(3)カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性基含有ビニルモノマー及び/又はその塩(以下、「アニオン性モノマー」と記載することがある)
(4)その他のモノマー等が挙げられる。
具体的には、
(1)カチオン性モノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド;
ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等の総炭素数2〜44ジアルキルアミノ基を有するスチレン;
2−又は4−ビニルピリジン等のビニルピリジン;N−ビニルイミダゾール等のN−ビニル複素環化合物類;
アミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニル等のビニルエーテル類;
等のアミノ基を有するモノマーの酸中和物又はこれらのモノマーをハロゲン化アルキル(炭素数1〜22)、ハロゲン化ベンジル、アルキル(炭素数1〜18)もしくはアリール(炭素数6〜24)スルホン酸又は硫酸ジアルキル(総炭素数2〜8)等により4級化したもの;
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル型4級アンモニウム塩、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−カルボキシメチル)−N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等のベタイン構造を有するビニルモノマー等のモノマーが例示される。
これらのカチオン性基の中でも、アミノ基及びアンモニウム基含有モノマーが好ましい。
(2)非イオン性モノマーとしては、ビニルアルコール;
N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド;
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコールの重合度が1〜30)等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリルアミド;
N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のジアルキル(総炭素数2〜8)(メタ)アクリルアミド;
ジアセトン(メタ)アクリルアミド;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミド;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
N−(メタ)アクロイルモルホリン等の環状アミド基を有する(メタ)アクリルアミドが例示される。
なかでも、ビニルアルコール、(メタ)アクリルアミド系モノマー及び上記のヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル、上記の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
(3)アニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性の不飽和基を有するカルボン酸モノマー及び/又はその酸無水物(1つのモノマー中に2つ以上のカルボキシル基を有する場合);
スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸等の重合性の不飽和基を有するスルホン酸モノマー;
ビニルホスホン酸、(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜4)リン酸等の重合性の不飽和基を有するリン酸モノマー等が例示される。
アニオン性基は、塩基性物質により任意の中和度に中和されてもよい。この場合、ポリマー中の全てのアニオン性基又はその一部のアニオン性基は、塩を生成する。ここで、塩における陽イオンとしては、アンモニウムイオン、総炭素数3〜54のトリアルキルアンモニウムイオン(例えば、トリメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン)、炭素数2〜4のヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、総炭素数4〜8のジヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、総炭素数6〜12のトリヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン等が例示される。
中和は、モノマーを中和しても、ポリマーにしてから中和してもよい。
(4)上述したビニルモノマー以外、N−ビニル−2−ピロリドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート等の水素結合可能な活性部位を有するモノマーであってもよい。
塩化ビニル系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲にて、製膜時における成形性、熱安定性等を向上させる目的で、添加剤、例えば、滑剤、熱安定剤、製膜助剤等をブレンドしてもよい。
滑剤としては、ステアリン酸、パラフィンワックス等が挙げられる。
熱安定剤としては、一般に塩化ビニル系樹脂の成形に用いられる錫系、鉛系、Ca/Zn系の各安定剤が挙げられる。
製膜助剤としては、各種重合度のポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の親水性高分子が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂の製造方法は、特に限定されず、従来公知の任意の重合方法を利用することができる。例えば、塊状重合方法、溶液重合方法、乳化重合方法、懸濁重合方法等が挙げられる。
塩素化の方法としては、特に限定されるものではなく、当該分野で公知の方法、例えば、特開平9−278826号公報、特開2006−328165号公報、国際公開WO/2008/62526号等に記載の方法を使用することができる。なお、塩化ビニル系樹脂の塩素含有率は、56.7〜73.2%であることが好ましい。また、塩素化塩化ビニル系樹脂としての塩素含有率は、58〜73.2%であるものが適しており、60〜73.2%であるものが好ましく、67〜71%であるものがより好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、数平均分子量が20000〜200000程度であることが好ましい。一般に、分子量が極端に小さい場合は、作成した水処理膜の強度が低下し、逆に大きい場合は、製膜時の溶液の粘度が大きく上昇するため、製膜作業に支障をきたす。数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
塩化ビニル系樹脂は、重合度が250〜3000程度であることが好ましく、500〜1300であることがより好ましい。重合度が低すぎると、紡糸する際の溶液粘度が低下し、製膜作業が困難となり、また、作成した水処理膜の強度が乏しくなる傾向がある。一方、重合度が高すぎると、粘度が高くなりすぎることに起因して、製膜された水処理膜に気泡の残留をもたらす傾向がある。ここでの重合度はJIS K 6720−2に準拠して測定した値を意味する。
重合度を上記の範囲に調整するためには、反応時間、反応温度等の当該分野において公知の条件を適宜調節することが好ましい。
また、塩化ビニル系樹脂以外の樹脂を用いる場合には、その数平均分子量、成膜時の粘度等を、樹脂の種類に応じて適宜調整することが好ましい。
このような中空糸膜は、熱誘起相分離法(TIPS)、非溶媒誘起相分離法(NIPS)、延伸法など、当該分野で公知の方法のいずれを利用して製造してもよい。なかでも、NIPS法によって製造することが好ましい。
例えば、NIPS法を利用する場合、膜を構成する材料(樹脂)及びその良溶媒、任意に添加物からなる樹脂溶液を調製する。この場合の良溶媒は特に限定されるものではなく、材料(樹脂)の種類等によって適宜選択することができる。例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
この場合の樹脂溶液の濃度及び粘度等は特に限定されないが、例えば、500〜4000mPa・s程度の粘度とすることが適しており、1000〜3000mPa・s程度が好ましい。これにより、紡糸ライン中で中空糸膜の外形の真円度を確保することができ、均一な太さ・膜厚の膜を製造することができる。
また別の観点から、後述する非溶媒との比重差を1.0以内に調整することが適しており、0.8以内が好ましく、さらに0.2以内がより好ましい。これにより、膜の引き取り中に、凝固槽内で膜自体が浮いたり又は沈んだり、扁平することを有効に防止することができる。
上述した樹脂溶液を凝固させるために、通常、図5に示すような凝固槽30が用いられる。凝固槽30には、非溶媒が充填されている。
樹脂溶液を紡糸するために、通常、同心円状の2重ノズル形状となった吐出口を備えた紡糸金型が用いられる。この紡糸金型は、凝固槽30に紡糸できるように凝固槽の内又は外あるいは外から内に及んで配置されていてもよい。例えば、吐出口(図示せず)を備えた紡糸金型31が、凝固槽30内部に、つまり、非溶媒に浸漬されて配置されているものが挙げられる。このように、凝固槽30内部に紡糸金型31が配置されている場合には、樹脂溶液が空気に触れることなく非溶媒中に直接吐出され、速やかに液−液相分離が開始されるため、表面に緻密なスキン層が形成されず、多孔質な表面となる。すなわち、ろ過抵抗が低下することに起因してすぐれた透水量を発現させることができる。また、後述する水平方向への紡糸においても、本発明による凝固槽中に金型を浸漬させる方式によれば、空気中であらかじめ樹脂溶液を吐出した状態から凝固槽中に金型を沈めることにより、常に吐出され続ける樹脂溶液のために、紡糸開始時にノズル先端で生じる吐出抵抗増大に伴う詰まりを回避することができる。
紡糸金型31からの樹脂溶液の吐出方向(図6の32)、つまり、吐出口から排出される樹脂溶液の方向は、例えば、凝固槽30の底面30aに対して±30°(図6の33)以内となるように調整されていることが好ましい。言い換えると、地面に対して±30°以内に、樹脂溶液が吐出するように吐出方向が調整されていることが好ましい。なかでも、凝固槽30a又は地面に対して水平又は略水平(±5°程度)で吐出するように調整されていることがより好ましい。
凝固槽に充填されている非溶媒としては、上述した樹脂溶液の種類により適宜選択することができるが、例えば、主成分が水であるものが好ましい。
凝固槽中の非溶媒は、樹脂溶液に直接接触するものであることから、吐出口から吐出される樹脂溶液の温度(又は紡糸金型)と、非溶媒の温度との差を、100℃程度以内とすることが好ましい。これにより、樹脂溶液の急激な温度低下およびそれに伴う樹脂溶液の粘度の急上昇による紡糸金型の吐出口近傍での詰まりを防止することができる。また、非溶媒の温度を一定に保つことにより、樹脂溶液の相分離挙動を安定に維持することができ、透水性能・強度などの性能を安定的に発現させることが可能となる。
製膜の際の膜の引き取りは、一般に直線方向に行うことが好ましい。本発明では、上述したように、吐出口が凝固槽内において水平±30°に保持されていることにより、樹脂溶液の吐出後に膜の引き取り方向を変化させずに、一定の速度及び均一な荷重を維持した引き取りが容易となる。これにより、膜構造の変形を最小限に留めることが可能となる。
膜の引き取り後の切断は、凝固槽内で行なっても、槽外で行なってもよい。特に、図5に示したように、凝固槽30外で膜34を切断する場合には、切断35は、凝固槽30内の紡糸金型31の吐出口の位置37よりも高い切断位置38で行うことが好ましい。これによって、サイフォン効果による吐出された膜の先端からの内部凝固液の流出を防止し、そのことで膜内部の内部凝固液の圧力変化を最小限に留めることで、膜形状の扁平化をはじめとした、膜形状のバラつきを防止することができ、膜形状の安定化に効果を発揮する。この観点から、凝固槽内で切断する場合には、その切断する位置は特に限定されない。
中空糸状膜は、例えば、その外径が3.6〜10mm程度、肉厚が5.8〜34程度の膜が挙げられる。
中空糸膜の強度は、材料、内径、肉厚、真円度、内部構造等の種々の要因によって決定されるが、なかでも、SDR値(外径/肉厚の比)を用いることが有効である。つまり、様々の実験を行なった結果、内外圧の耐圧性能として、例えば、0.3MPaを実現するためには、SDR値34程度以下に設計することが好ましいことが分かった。一方、SDR値を低減させる設計にすることは、膜モジュールにおける膜ろ過面積の低下につながる。よって、これらのバランスを図る観点から、SDRは5.8程度以上であることが好ましい。
なかでも、5.9程度以上、6.0程度以上、6.5程度以上、7程度以上、であることが好ましく、32程度以下、30程度以下、35程度以下、20程度以下であることが好ましく、16程度以下、11程度以下であることがより好ましい。特に、外径が5〜7mm程度の場合には、SDR値は4〜16程度とすることが好ましく、6.5〜11程度に設定することがより好ましい。
なお、内径は、その外径及び肉厚によって決定されるが、例えば、1.6〜9.4mm程度が挙げられ、4.0mm以上、4.5mm程度以上、5.0mm程度以上である。また、好ましくは20mm程度以下、さらに10mm程度以下又は8mm程度以下が挙げられる。特に、内径は、4mm〜8mm程度が適しており、この場合、肉厚0.1mm〜2mm程度が適している。
したがって、本発明で使用される中空糸膜は、具体的には、
(1)外径が3.6mm〜10mm及びSDR値が、5.8〜34である略単一の主要構成素材による自立構造を有する中空糸膜からなる膜が挙げられる。
なかでも、外径が5〜7mm程度、SDR値が6.5〜11程度であることが好ましい。これにより、中空糸膜に内圧、外圧を印加した場合の強度を保ちながら、高濃度の排水を通水させた場合にも中空糸内が閉塞しない程度の大きさの内径を確保することが可能となる。
なお、膜の内外径、肉厚等は、電子顕微鏡写真等を用いた実測などによって測定することができる。
また、(2)内径が3〜8mmであり、SDR値が4〜13である略単一の主要構成素材による自立構造を有する中空糸膜からなる膜、
(3)内径が1.6mm〜9.4mm及び肉厚が0.15mm〜2.4mmである略単一の主要構成素材による自立構造を有する中空糸膜からなる膜等が挙げられる。
中空糸膜は、その表面に多数の微細孔を有する多孔質膜であることが好ましい。その微細孔の平均孔径は、用途、つまり、後述する被処理水の種類によって適宜調整することができ、例えば、0.001〜10μm程度、好ましくは0.01〜1μm程度が挙げられる。膜表面の細孔の大きさ及び密度は、上述した内径、肉厚、得ようとする特性等によって適宜調整することができ、例えば、後述する透過水量を実現することができる程度であることが適している。よって、このような微細孔の多孔によって、水処理膜としての機能を果たすとともに、この微細孔の大きさ及び密度等によって、例えば、限外ろ過膜又は精密ろ過膜の分画性を調整することができる。なお、一般に、限外ろ過膜は、孔の大きさが2〜200nm程度の膜、精密ろ過膜は、50nm〜10μm程度の膜であることが知られている。
このような中空糸膜は、膜間差圧100kPaにおける純水の透過水量が100L/(m2・h)程度以上、200L/(m2・h)程度以上であることが適しており、600L/(m2・h)程度以上であることが好ましく、800L/(m2・h)程度以上であることがより好ましく、1000L/(m2・h)程度以上であることがさらに好ましい。
このように、本発明で使用される中空糸膜は、自立構造を有する単一主要構成素材による中空糸膜でありながら、透過水量と物理的強度とのバランスに優れている。従って、分離膜として既存の水処理装置に好適に利用され、水の精製を目的とする好適な水処理、特に、高濃度排水の水処理が可能となる。また、効果的に逆洗を行なうことができ、水処理装置における膜モジュールとして、長寿命化及び低コスト化を図ることができる。
(膜モジュール)
本発明の水処理装置が備える膜モジュールは、例えば、図1に示すように、少なくとも、複数本の中空糸膜2と、筒状のケース10とを備えるものが挙げられる。
中空糸膜2としては、上述した中空糸膜を用いる以外は、中空糸膜外径、長さ、数等は、得ようとする膜モジュールの特性等に応じて、適宜調整することができる。
筒状のケース10は、複数本の中空糸膜2を収納する。筒状のケース10としては、金属、プラスチック類等の種々の材料のものを使用することができるが、一般的にケース成型が容易で、機械的強度を確保することができるプラスチックが用いられる。使用するプラスチック、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
中空糸膜2は、所定本数束ねて中空糸膜束とし、その中空糸膜束を筒状ケース10に合わせて所定の長さに切断してケース内に挿入することが好ましい。中空糸膜束の状態は、ストレート状が好ましい。
この複数本の中空糸膜2は、ケース10内において、その両端面10a、10b側がシール材11を介してシールされている。このシールは、例えば、遠心成形によるポッティングなどによって形成することができる。また、シールの材料は、初期に粘性をもち、経時的に硬化し、最終的に所定硬度に到達する材質のものが好ましく、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
このシール11間のケース側面10a、10bには、中空糸膜2の外側空間と連通する透過側管路(図示せず)が接続される一次側管口(透過水取出側)12が配置されている。この一次側管口12は2以上配置されていてもよい。また、ケース10には、シール材11よりも端面(片端面又は両端面)10a、10b側に、上述した複数本の中空糸膜2の内側(中空内)空間と連通する原水供給管路(図示せず)が接続される二次側管口(原水供給側)管口13を備えている。
なお、このような膜モジュール自体は従来から公知であり、例えば、特開昭62−140607号公報、特開平6−319961号公報、特開2009−183822号公報等に記載された種々のものを利用することができる。
(水処理装置)
本発明の水処理装置は、上述した膜モジュールに加えて、図2の概略図に示すような、被水処理槽3、原水供給ポンプ4、気体供給装置7、透過水槽6、逆洗ポンプ5、これらを任意に連結する管(図示せず)等の少なくとも1つを備えていることが好ましく、また、これらの各種槽等に加えて/の代わりに、生物処理槽、凝集剤処理槽及び/又は凝集剤注入手段、薬液槽及び/又は薬液注入手段、濃縮水槽、開閉弁、超音波発生装置等が設けられていてもよい。ただし、従来の海水淡水化等で必要としていた砂ろ過、糸巻きフィルター、ストレーナ等の除濁装置は必ずしも必要とせず、被処理水を直接上述した膜モジュールに導入して水処理に付すという観点からは、除濁装置及びこれに類する装置は設けられていないことが好ましい。つまり、従来の口径の比較的小さな中空糸膜を用いて海水処理を行なうと、すぐに中空糸膜の閉塞が起こるため、前処理としての除濁が必要であった。一方、本発明で使用するような大口径の中空糸膜では閉塞が起こりにくいため、除濁処理は必ずしも必要としない。
なお、原水供給ポンプ4及び/又は逆洗ポンプ5を用いずに、水位差や空気圧等を利用してろ過、逆流洗浄を行なえるような装置を用いてもよい。さらに、原水供給ポンプ4及び/又は逆洗ポンプ5を、薬液注入ポンプとして利用することもできる。
被水処理槽は、原水を貯留するための槽であり、この槽には、膜モジュールに原水を供給するためのポンプが装備された管が連結されている。ここで、原水とは、汚水処理場等における活性汚泥等を含む排水、家庭排水等の都市下水、工場廃水等の各種施設の排水、農業廃水、生物処理水、懸濁質を含む排水、海水、井戸水さらには河川、湖沼など水等の膜分離で処理される被処理水を意味するが、液状食品を膜分離によって濃縮するために、果汁、ミルク等であってもよい。また別の観点から、例えば、SS(浮遊物質)が20000程度以下、5000程度以下、例えば、10〜4000程度の液体が挙げられる。さらに別の観点から、定圧ろ過で透過流速が短時間で変化しないあるいは定量ろ過で膜間差圧が短時間で変化しない原水であることが好ましい。具体的には、定圧ろ過では、透過流束の低下が30分で20%未満となる原水であることが好ましい。定量ろ過では30分ろ過で膜間差圧の上昇が20%未満となる原水であることが好ましい。
原水供給ポンプは、原水を膜モジュールに送液することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、渦巻ポンプ、ディフューザーポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、カスケードポンプ、ジェットポンプなど、種々のポンプを用いることができる。原水供給ポンプは、膜モジュールの下流又は上流のいずれかにおいて、原水又は透過水を、吸水、揚水、圧出等するためのポンプとして利用することができる。原水供給ポンプは、被水処理槽と膜モジュールとの間で、両者を連結する管に設けられていればよい。この原水供給ポンプを利用して、後述する膜モジュールに対して、内外膜間差圧及び膜面流速を負荷/付与することができる。
気体供給装置は、気体(好ましくは圧縮空気)を供給する装置であり、一般にはブロア、コンプレッサ等が用いられ、マイクロバブル発生ブロア等であってもよい。通常、気体としては空気が供給されるが、オゾン等を供給し得る装置であってもよい。気体は膜モジュール内に気泡として供給され、この気泡により、膜モジュール内の中空糸膜を効果的に洗浄することができる。気泡の大きさは、中空糸膜を洗浄するために有用なものであれば特に限定されるものではなく、ステンレス、セラミック、プラスチック、ゴムなどに1mm〜数十mm程度の空気吐出孔を開けた散気管等を利用して、適宜調整することが好ましい。また、いわゆるマイクロバブル(例えば、数十μm〜数百μm程度)を発生させる手段等を利用してもよい。気体供給装置は、膜モジュールの上流側(被水処理槽側)及び/又は下流側(透過水槽側)のいずれに連結されていてもよいが、上流側に連結されていることが好ましく、少なくとも上述した原水供給ポンプと膜モジュールとの間に連結されていることがより好ましい。
これら被水処理槽3、原水供給ポンプ4及び気体供給装置7の下流に、膜モジュール1が連結されている。膜モジュール1は、1つのみを用いてもよいし、2つ以上を直列で、並列で又は直列及び並列を組み合わせて連結して用いてもよい。
例えば、図3に示すように、本発明の水処理方法を濃縮に利用する場合には、膜モジュール1を、直列及び並列を組み合わせて、多段に組み立ててもよい。その他、2以上を直列に、2以上を並列に、これらの直列ユニットを2以上並列に組み立ててもよい。
なかでも、エネルギー効率を考慮すると、直列配列が好ましく、モジュールが直列配置、直列ユニットの並列配置、並列ユニットの直列配置等のように、最終段で膜面流速があがるようにユニットを組むことがより好ましい。
膜モジュールの下流には、膜モジュールでろ過された水が収容される透過水槽が配置されている。
透過水槽には、透過水の一部を逆洗に利用することができるように、膜モジュールからの透過水が通る管とは全く又は一部別の経路において、逆洗ポンプ5を介して膜モジュールに連結される管が備えられている。
逆洗ポンプは、逆洗の際に透過水を膜モジュールに供給するために使用するポンプであり、上述した原水供給ポンプで例示したものと同様のものを利用することができる。
(水処理方法)
本発明の水処理方法は、特に限定されるものではなく、上述した本発明の膜モジュールを用いること以外、その対象、目的、用途等に応じて、当該分野で公知の方法を利用することができる。
例えば、図2に示した膜モジュールを備えた水処理装置を用いて、以下の処理フローに従って水処理を行なうことができる。
原水X、つまり被処理水を、被処理水が収容された被処理水槽3から原水供給ポンプ4によって、膜モジュール1に供給する。膜モジュール1では、例えば、一定の内外膜間差圧を負荷し、その膜間差圧を利用して、水のみが中空糸膜を透過し、浮遊物、汚物等が中空糸膜により捕集される。これによって、透過水Aを得、得られた透過水Aが透過水槽6に送り込まれる。
この際、膜モジュールでは、供給された被処理水は、中空糸膜に対して圧力を負荷しながら、中空糸膜の膜面に実質的に平行方向に流れを与えるクロスフローろ過を行なうことが好ましい。例えば、このろ過工程中(逆洗なし)、定圧ろ過では30分ろ過で透過流束の低下が20%未満となるように膜面流速を設定することが好ましく、定量ろ過では30分ろ過で膜間差圧の上昇が20%未満になるように膜面流速を設定することが好ましい。
具体的には、中空糸膜に対する膜面流速は、比較的低速であることが好ましく、例えば、1m/秒以下であることが好ましく、0.9m/秒以下、0.8m/秒以下、さらに0.5m/秒以下であることがより好ましい。また、濃縮用途では、0.1m/秒以下が好ましい。このような低速の膜面流速を与えることにより、被処理水に含有される浮遊物等が、水流によって中空糸膜面に付着することを防止することができるとともに、一旦付着した浮遊物等も容易に剥離することが可能となる。特に、生物処理水(MBR)、製紙又は食品等の各種工場排水など、中空糸膜に高負荷を与えることが予想される被処理水に対して有用である。さらに、比較的低速でのクロスフローを行なうことで、省エネ化を実現しながら、中空糸膜の寿命の長期化を図ることができ、特に、被処理水の濃縮に対して有利である。
本発明では、膜モジュールに使用される中空糸膜は大口径であるために、濁度の高い水を閉塞することなく処理することができる。また、内圧ろ過によって加圧できることにより、平膜では真空までしかかけられなかった膜間差圧を超えて高圧ろ過で高処理運転ができる。
このような水処理(ろ過)を、通常、所定時間、連続的に行なう。
本発明の水処理方法では、膜モジュールにおける加圧方式は、内圧式又は外圧式のいずれの方式でもよいが、特に、内圧式、つまり、中空糸膜の内側に被処理水を供給し、中空糸膜の外側に透過水を取り出す方式が好ましい。この場合の内外の膜間差圧は、処理対象の種類によって、例えば、透過圧力で10〜300kPa程度が挙げられ、好ましくは、200kPa程度以下である。膜間差圧をこの範囲とすることにより、実用上要求される透水性能を維持することができるとともに、長期間、安定した透水速度を得ることができる。
このように、膜表面に付着した浮遊物等を剥離・循環させるというクロスフロー方式を採用することにより、膜の目詰まりが極力抑制されるために、高処理量を維持することができる。しかも、膜の目詰まり低下に伴って、薬品洗浄頻度を激減させることができる。加えて、内圧式を採用することにより、原水供給ポンプの動力が同じ場合、外圧式に比べて膜面流速を高く設定することができるため、膜表面での汚泥の堆積量がより少なくなり、膜の目詰まりを一層抑制することができる。
また、本発明の水処理方法では、上述したろ過工程は、被処理水を濃縮するために利用することができる。例えば、図4に示したように、膜モジュール1に膜間差圧を負荷しながらろ過して透過水Aを取り出す際に、クロスフローでの膜面に略平行な流れを与えるために流された被処理水を、膜モジュール1から系外に排出する。この排出された被処理水は、その一部が膜モジュール1において透過水Aとして取り出されたものであるため、結果的に、浮遊物等が濃縮された濃縮水Dとして取り出される。この濃縮水Dは、図2に示すように、被処理水槽3に戻してもよいが、例えば、被処理水が食品等である場合には、濃縮水Dとして、濃縮水槽8に直接取り出してもよい。
上述したろ過において、ろ過能力を維持するため、定期的又は任意の時期に、水又は空気(好ましくは水)による逆洗を行う。
逆洗は、膜モジュール1において得られた透過水Aの一部を、逆洗ポンプ5によって、逆洗水Bとして膜モジュール1に送り込むことが好ましい。この際、通常、例えば、一定の外内膜間差圧を負荷し、逆洗を行なう。外内膜間差圧は、特に限定されるものではなく、ろ過運転時と同程度以上の高圧で短時間で行なうことが好ましく、ろ過運転時よりも高圧で行なうことがより好ましい。例えば、逆洗圧力は50〜300kPa程度が挙げられ、特に、100kPa程度以上、150kPa程度以上で行なうことが、短時間で有効にその性能を回復させることができるため、好ましい。
逆洗の継続時間及び間隔は、特に限定されるものではなく、被処理水の種類、濁度等によって適宜調整することができる。
このように、本発明の水処理方法では、低速クロスフローによるろ過と、逆洗とを交互に行なうことができる。これは、比較的大口径(大内径)を有しながら、単一素材によって、高強度の単層構造の中空糸膜を利用することができるために、逆洗によっても剥離、破断等を招くことなく、効率的に逆圧洗浄することができるためである。
逆洗は、通常、透過水Aの一部を利用して行なうが、これに加えて又はこれに代えて、薬液を利用してもよい。例えば、逆洗時に一定濃度の薬液を注入する方法が挙げられる。薬液としては、当該分野で通常用いられているものを利用することができ、例えば、有機又は無機の酸又はアルカリ水溶液、界面活性剤等が挙げられる。逆洗に薬液を利用することにより、より短時間で薬液洗浄を行なうことができるとともに、逆洗における加圧によって中空糸膜内部の孔内までも薬液を容易かつ短時間で浸透させることができ、効果的な洗浄を行なうことが可能となる。さらに、逆洗用ポンプをそのまま薬液洗浄に利用することができるために、新たな設備又は配管を行なうことなく、容易かつ簡便に行なうことができる。また、薬液を用いる逆洗によって、薬液を中空糸膜に浸透、浸漬させることが容易にできるために、薬液使用量を低減させることができる。
本発明の水処理方法で行なわれる交互の水処理(ろ過)及び逆洗は、必ずしも連続的に行わなくてもよく、例えば、水処理又は逆洗の後あるいはこれらの間に、フラッシング、ドレイン、休憩工程を行なってもよい。
フラッシングは、主に槽、配管内部及び/又は膜モジュールなどの浮遊/付着物、残留異物等を除去するために行なう工程であり、加圧せずに、例えば、膜面流速0.1m/s以上で行なうことが好ましい。フラッシングする際の水は、通常被処理水が用いられる。膜モジュール1を通した水は、フラッシング水Cとして、再度被処理水槽3に戻される。
なお、中空糸膜の内径よりも大きな粒子や繊維の塊、棒状の物質が膜モジュール端面でひっかかり、管路を塞ぐことがあるが、このモジュール端面での閉塞を、原水の供給向きと逆向きにフラッシングをすることで防止してもよい。
また、本発明では、全ろ過による水処理と、フラッシングとを交互に行い、定期的又はランダムなタイミングで逆洗を行ってもよい。ここでのランダムなタイミングとしては、例えば、定圧ろ過時では、透水性能の低下が20%となった時、定量ろ過時では、膜間差圧の上昇が20%となった時が挙げられる。また、逆洗は、10%以内の変動で行うことが好ましい。これにより、高圧での逆洗自体の回数を低減させることができ、さらに中空糸膜の寿命を向上させることができる。
ドレンは、主に、膜モジュールにおいて全ろ過により水処理を行なった際に中空糸膜の被処理水側に残留する浮遊、付着、残留物、濃縮液等を系外に除去/排出する工程であり、例えば、すべてのポンプを停止した状態で膜モジュールの下部又は同時に上部を開放することにより、濃縮液等を自然に落下させて回収する方法が挙げられる。あるいは、膜モジュールの下部又は同時に上部を開放した状態で逆洗を実施し、逆洗排水をモジュール下部又は上部で回収する方法であってもよい。この回収された濃縮水又は逆洗排水は、別途設けたドレン水タンクに貯めてもよいし、処理フローでより上流側に返送してもよい。
休憩工程は、水処理を一次停止することを意味する。
上述した水処理、逆洗、フラッシングにおいては、気体供給装置を利用して、気泡を導入してもよい。この気泡はマイクロバブルであってもよい。例えば、全ろ過→逆洗→フラッシング、全ろ過→逆洗+バブリング、全ろ過→逆洗→フラッシング+バブリング、全ろ過→フラッシング+バブリング→全ろ過→…→逆洗等が挙げられる。
バブリングの時間は特に限定されるものではなく、1秒以上、1分以上、好ましくは数秒〜数分程度、かつ、水処理、逆洗、フラッシングが非効率的にならない範囲で調整することが好ましい。また、気泡の大きさによって、バブリングの時間を適宜調整することが好ましい。
気泡の導入は、例えば、原水比(膜モジュールに導入する際において、膜モジュールに導入する原水体積に対して)で5程度以下、4程度以下、2程度以下、さらに1/2程度以下の体積となるように、気泡の大きさ等を考慮して、適宜調整することが好ましい。
なお、気泡の導入は、ろ過時又は逆洗時、その他の時期等に問わず、常時行ってもよいし、間欠的に行ってもよい。
さらに、上述した水処理、逆洗、フラッシングにおいては、超音波発生装置を利用して、当該分野で公知の方法を利用して、超音波を付与してもよい。この場合の超音波は、例えば、十数kHz〜数GHz程度の周波数のものであればよい。超音波は、膜モジュールにのみ付与することが好ましく、上述したバブリングと同様に、水処理、逆洗、フラッシング等を行なっている間又はそれら処理と処理との間に付与してもよく、常時行なってもよいし、間欠的に付与してもよい。
本発明の水処理方法では、上述したように、大口径の膜モジュールを用いるために、従来の海水淡水化等で必要としていた砂ろ過等の除濁処理を行なうことなく、直接被処理水を膜モジュールに導入することができる。ここで、除濁とは、中空糸膜でのろ過よりも粗いろ過、即ち、膜モジュールでろ過処理する前に実施され、中空糸膜で分離するよりも粗い不純物(例えば、固形物質等)を除去することを意味する。ただし、場合によってはモジュール端面で閉塞することがあるので、この場合には、フラッシングを通常供給方向とは逆向きで行うことでモジュール端面の閉塞物を除去することができる。
以下、本発明の中空糸膜及び水処理方法を、実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
(膜モジュールの作製)
塩素化塩化ビニル樹脂として積水化学工業株式会社製、HA31K(塩素化度67%、重合度800)を25重量%と、製孔助剤としてポリエチレングリコール400を20重量%とを、ジメチルアセトアミドに溶解した。この溶液を、空気中であらかじめ吐出した状態から凝固槽中に金型を沈めて中空糸ノズルにより連続的に吐出させ、水浴槽にて相分離させることによって多孔質の中空糸膜を得た(図5及び図6参照)。
得られた中空糸膜の外径は5.4mm、内径は4.8mmであった。
また、引張破断強度は33N/本、引張破断伸び50%であった。
得られた中空糸膜単糸を用いて図1に示すような膜モジュールを作製した。
純水による透水試験を行った結果、処理時の内水圧0.5MPaで、膜構造が変形することなく水処理膜としての性能を発揮させることができた。
また、逆洗時の外水圧0.3MPaの条件においても膜構造が変形することなく、洗浄に支障のない性能を発揮させることができた。
さらに、純水透水性能は200L/m2・hr・atmであった。
また、3000ppm濃度の活性汚泥を用いて図1に示すような装置を用いて透水試験を行った結果、処理時の内水圧が0.5MPaで、汚泥の堆積による閉塞も発生することなく水処理膜としての性能を発揮させることができた。
さらに、次亜塩素酸ナトリウム溶液により、外水圧0.3MPaで逆洗を行ったが、膜構造が変形することなく、洗浄に支障のない性能を発揮させることができた。
この膜モジュールでは、大口径の中空糸膜であるにもかかわらず、水処理膜として十分な耐内外水圧強度0.3MPa以上の機械的強度と、100L/m2・hr・atm以上の透水性等を確保しながら、特に、透過水量と引張強度とのバランスに優れ、かつ固形分の堆積による閉塞が発生しにくく、耐薬品性に優れ、水処理効率をさらに向上させることができることがわかった。
実施例:水処理方法1
上記方法と同様の方法により得られた種々のサイズの表1に示す塩素化塩化ビニル樹脂の単一主要素材による単層構造の中空糸膜を用いて膜モジュールを作製した。この膜モジュールの純水によるろ過性能LMH(L/m2・hr・atm)を、表1に併せて示す。
Figure 2013052340
この膜モジュールを備える図2に示す水処理装置を用いて、以下の表に示す一連の水処理(ろ過と逆洗との所定時間の連続処理)を行い、ろ過性能(L/m2・hr)及び消費エネルギーを評価した。
その結果を表2に示す。
なお、実施例4の水処理は、ろ過→フラッシング→ろ過→フラッシング→…→逆洗→ろ過の順序で、濃縮運転として行なった。
Figure 2013052340
被処理水における括弧内数値は、SS又はMLSSの値を示す。
上記の結果から、本発明の水処理方法では、非常に効率的にろ過及び逆洗を行なうことができ、高い水処理効率及び経済性を確保することができることが確認された。
一方、比較例1から3においては、逆洗を行なわなかったため、中空糸膜の閉塞が進行し、薬液では回復しきらず、安定した性能が得られなかった。
比較例4から6では、NORIT製複合膜を用いたために、高圧逆洗(0.2MPa付近)で膜がつぶれ、逆洗ができなかった。また、0.15MPaでの逆洗では短期間で膜が閉塞し、安定運転はできなかった。
実施例:水処理方法2
セルローストリアセテート(CA)24重量%と、製孔助剤としてトリエチレングリコール15.4重量%とを、N−メチル2−ピロリドンに溶解した。上記と同様の方法で、この樹脂溶液を紡糸金型により連続的にほぼ水平に凝固槽内(水充填)に吐出させ、凝固槽にて相分離させることによって多孔質の中空糸膜を得た。
図5に示したように、膜34の紡糸方向を水平方向とし、凝固槽30内(水充填)において、紡糸金型31の吐出口から10m一直線に水平方向36に引き取った。その下流1m程度の間で、膜34をローラー39により10cm程度持ち上げ、凝固槽30外であって、凝固槽30内の紡糸金型31の吐出口の位置37よりも高い切断位置38で、切断機によって切断35して、中空糸膜を得た(表3)。
また、ポリエーテルサルフォン(PES)22重量%と、製孔助剤としてポリビニルピロリドン5重量%とを、N−メチル2−ピロリドンに溶解した。上記と同様の方法で、この樹脂溶液を紡糸金型により連続的にほぼ水平に凝固槽内(水充填)に吐出させ、凝固槽にて相分離させることによって多孔質の中空糸膜を得た。
図5に示したように、膜34の紡糸方向を水平方向とし、凝固槽30内(水充填)において、紡糸金型31の吐出口から10m一直線に水平方向36に引き取った。その下流1m程度の間で、膜34をローラー39により10cm程度持ち上げ、凝固槽30外であって、凝固槽30内の紡糸金型31の吐出口の位置37よりも高い切断位置38で、切断機によって切断35し、中空糸膜を得た(表3)。
表3に示した単一主要素材による単層構造の中空糸膜を用いて図1に示す膜モジュールを作製した。
Figure 2013052340
この膜モジュールを備える図2に示す水処理装置を用いて、以下の表に示す一連の水処理(ろ過と逆洗との所定時間の連続処理)を行い、ろ過性能(LMH)及び消費エネルギーを評価した。
その結果を表4に示す。
Figure 2013052340
被処理水における括弧内数値は、SS又はMLSSの値を示す。
本発明は、河川水及び地下水の除濁、工業用水の清澄、排水及び汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製等のために使用される水処理装置として、広範に利用することができ、経済的かつ効率的な水処理を行なうことができる。
1 膜モジュール
2 中空糸膜
3 被処理水槽
4 原水供給ポンプ
5 逆洗ポンプ
6 透過水槽
7 空気供給装置
10 ケース
10a、10b 端面
11 シール材
12 透過側管口
13 原液供給管口
30 凝固槽
30a 底面
31 紡糸金型
32 吐出方向
33 吐出角度
34 膜
35 切断
36 水平方向
37 吐出口の位置
38 切断位置
39 ローラー

Claims (8)

  1. 外径が3.6mm〜10mm及び外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34である自立構造を有する単一主要構成素材による中空糸膜を用いた膜モジュールを備えた水処理装置を用い、膜面流速が1m/秒以下の低速クロスフローによる内圧式ろ過と、逆洗とを交互に行なうことを特徴とする水処理方法。
  2. 外径が3.6mm〜10mm及び外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34である自立構造を有する単一主要構成素材による中空糸膜を用いた膜モジュールを備えた水処理装置を用い、膜面流速が1m/秒以下の低速クロスフローによる内圧式ろ過と、フラッシングとを交互に行い、定期的又はランダムなタイミングで逆洗を行うことを特徴とする水処理方法。
  3. 前記ろ過及び逆洗の後又は間にドレン又はフラッシングを行なう請求項1又は2に記載の水処理方法。
  4. 前記水処理、逆洗又はフラッシングにおいて気泡又は超音波を導入する請求項1〜3のいずれか1つに記載の水処理方法。
  5. 前記水処理の前処理として、除濁を行なうことなく被処理水をろ過に付す請求項1〜4のいずれか1つに記載の水処理方法。
  6. 前記逆洗時に薬液を用いる請求項1〜5のいずれか1つに記載の水処理方法。
  7. 前記膜モジュールが、直列、並列又はこれらの組み合わせによる多段組み立てされたものである請求項1〜6のいずれか1つに記載の水処理方法。
  8. 前記中空糸膜が、塩化ビニル系樹脂により形成されてなる請求項1〜7のいずれか1つに記載の水処理方法。
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