JP2016215165A - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる問題に対して、従来、水槽内から散気管を引き上げて、散気管に堆積した堆積物を除去する洗浄が行われていた。しかし、散気管を引き上げて洗浄する洗浄方法は、時間がかかり洗浄コストも高くなる。特に、散気管と膜モジュールが一体化された装置の散気管を洗浄する場合には、該装置自体を水槽内から引き上げる必要があり、散気管の洗浄に要する時間及び洗浄コストが多大となる。
しかしながら、特許文献1の洗浄方法では、散気対象水を散気管内に流入させるために散気管内の圧力を大気開放させる必要があり、そのための分岐ノズルや弁の設置が必要になる。さらに、散気対象水には、汚泥等の懸濁物質が含まれるため散気管内に流入させた懸濁物質がそのまま散気管内に残留し乾燥して堆積する懸念もある。
[1]水槽と、該水槽内に配置された膜モジュールと、該膜モジュールの下方に配置された散気管を備える水処理装置を用いた水処理方法であって、前記膜モジュールで分離された処理水を、前記散気管に供給する、水処理方法。
[2]前記処理水を、前記膜モジュールに接続された処理水排出管から分岐した処理水供給管に取り入れて、前記散気管に供給する、[1]に記載の水処理方法。
[3]前記処理水を、前記散気管に接続されたブロアから送出された気体とともに前記散気管に供給する、[1]又は[2]に記載の水処理方法。
[4]散気管に供給する単位時間当たりの処理水量が、前記膜モジュールで分離された単位時間当たりの処理水量の0.5〜10容量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の水処理方法。
[5]前記水処理方法が、膜分離活性汚泥法による水処理方法である、[1]〜[4]のいずれかに記載の水処理方法。
[6]水槽と、該水槽内に配置された膜モジュールと、該膜モジュールの下方に配置された散気管と、前記膜モジュールで分離された処理水を前記散気管に供給するための処理水供給管と、を備える水処理装置。
[7]前記膜モジュールは、該膜モジュールで分離された処理水を水槽外に排出する処理水排出管に接続され、前記処理水供給管は、前記処理水排出管から分岐するように接続され、前記処理水排出管から前記処理水供給管に処理水が取り入れられる、[6]に記載の水処理装置。
[8]前記散気管は、該散気管に気体を送給する送給管に接続され、前記処理水供給管は、前記送給管の途中に接続され、前記処理水供給管に取り入れられた処理水が前記送給管に送られる、[6]又は[7]に記載の水処理装置。
[9]前記水処理装置が、膜分離活性汚泥法による水処理装置である、[6]〜[8]のいずれかに記載の水処理装置。
水処理装置1は、膜分離活性汚泥法による水処理装置である。
この実施形態の水処理装置1は、水槽11と、前記水槽11内に配置された膜モジュール12と、前記膜モジュール12の下方に配置された散気管13と、前記膜モジュール12で分離された処理水を排出する処理水排出管15と、前記散気管13に気体を送給する送給管23と、前記処理水排出管15から分岐し送給管23の途中に接続された処理水供給管31と、を備える。
水槽11は、活性汚泥の作用により工業排水等の被処理液が生物処理されて生物処理水とされる槽である。水槽11は、特に限定されないが、直方体状のもので、深さは、被処理液の水深が1m以上となるように、1mを超えることが好ましい。
水槽11には、排水が貯留された原水槽(図示せず)からの排水が供給される排水供給管41が接続されている。
水槽11内には、膜モジュール12と、散気管13とが配置されている。水槽11内には、活性汚泥を含む被処理液が充填され、散気管13からの散気により活性汚泥処理(生物処理)が行われる。生物処理された処理水は、膜モジュール12により固液分離される。
膜モジュール12は、水槽11内に配置される。前記膜モジュール12には、処理水排出管15が接続されている。
前記処理水排出管15には、その流路の途中に膜モジュール12の膜間差圧を検出する圧力計16と、吸引ポンプ17が設けられている。前記吸引ポンプ17により、膜モジュール12内が減圧とされ活性汚泥と処理水(透過水)とが固液分離される。さらに前記処理水が、処理水排出管15を経て、水槽11の外へ排出される。
分離膜の種類としては、精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)が好ましい。
分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、袋状膜等が挙げられる。これらのうち、容積ベースで比較した場合に膜面積の高度集積が可能であることから、中空糸膜が好ましい。
膜モジュール12は、水槽内11内に1つ配備されてもよいし複数配備されてもよい。
散気管13は、水槽11内で、かつ、膜モジュール12の下方に配置される。散気管13には、ブロア21から送出された気体を前記散気管13に送給する送給管23が接続されている。
図2に示す散気管101は、ブロア21からの気体が供給される水平方向に延びる主配管102と、前記主配管102に直接連結して水平方向に延びる複数の枝配管103と、を備える。
主配管102は、その一端がエルボ管(図示せず)を介して送給管23に接続され、他端は、該他端近傍において下降管120が一体に設けられることで鉛直方向下方に開口し、開放口120aを形成している。
枝配管103は、その一端が前記主配管102に接続され、他端は開口し、開口部107aを形成している。枝配管103の側面には、1または複数の散気孔106が形成されている。枝配管103は、前記主配管102を水平に配した状態で、前記枝配管103の側面に形成された散気孔106が鉛直方向上方に向き、かつ、前記他端の開口部107aは、前記枝配管103の他端の近傍に屈曲部が設けられることにより、鉛直方向下方に向くように構成されている。
前記枝配管103は、複数本設けられており、該枝配管103の全てがいずれも他の枝配管103と平行に配置されている。また、前記枝配管103は、前記主配管102を中心として左右対称に配置されている。
前記主配管102の断面形状は、図3に示すように、主配管102の上部側121を上に凸となる湾曲形状とし、下部を前記上部の両端にそれぞれ接続して鉛直方向下方に向かう一対の鉛直直線部123と、該一対の鉛直直線部123の下端部間を連結する水平直線部124とからなる形状とされている。前記枝配管103は、前記主配管102の下部の鉛直直線部123に連結されている。
主配管102及び枝配管103の材質としては、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂、ステンレス等の金属が挙げられる。
また、水処理装置1においては、膜モジュール12と散気管13とが一体化された膜ユニットが用いられてもよい。このような膜ユニットとしては、例えば特開2013−202524号公報に記載の膜ユニット等が挙げられる。
処理水供給管31は、その一端が処理水排出管15から分岐するように接続され、他端が送給管23の途中に接続されている。処理水供給管31と処理水排出管15の接続点、処理水供給管31と送給管23の接続点には、分岐弁32、分岐弁33がそれぞれ設けられている。
図1の水処理装置を用いた水処理方法を説明する。
水処理装置1を用いた水処理方法では、まず、原水槽(図示略)に貯留された排水が、排水供給管41を経て水槽11に供給される。
水槽11においては、ブロア21を作動して送出した気体を送給管23を経由して散気管13から吐出し、活性汚泥中の微生物に酸素を供給しながら活性汚泥処理法による処理が行われる。
さらに、水処理装置1においては、吸引ポンプ17を作動させて膜モジュール12内を減圧にすることによって、水槽11内の被処理液を膜モジュール12により固液分離し処理水(透過水)が得られる。この際、散気管13からの気体を膜モジュール12に配設された分離膜の表面に接触させることによって、分離膜(例えば中空糸膜等)の表面を洗浄しながら、効率よく固液分離を行うことができる。
前記処理水は、処理水排出管15を経て水槽11の外へ排出される。排出された処理水は、河川等に放流されたり、工業用水等として再利用される。
前記送給管23に送られた処理水は、ブロア21から送出された気体とともに散気管13に供給され、散気管13内に堆積した汚泥等の堆積物に付着して堆積物を湿潤状態にする。湿潤状態とされた堆積物は、散気管13の内壁から剥離されやすく、ブロア21から送出された気体等により剥離され散気管13から水槽11内へ排出される。これにより、散気管13の目詰まりが抑制される。
一方、散気管13に供給される処理水量が多いほど散気管13に堆積した堆積物を湿潤状態にすることができるが、前記処理水量が多くなると水処理の処理効率が低下するため、かかる点からは、散気管13に供給される処理水量は、膜モジュール12により分離されて得られる単位時間当たりの処理水量の10容量%以下とされるのが好ましく、5容量%以下とされるのがより好ましく、2容量%以下とされるのがさらに好ましい。
なお、散気管13に供給される処理水量の調整、及び散気管13に対する処理水の供給を連続的に行うか又は間欠的に行うかの調整は、分岐弁32及び/又は分岐弁33の開閉操作等により容易に調整される。
また、散気管13の目詰まりが抑制されることで、散気管13からの散気が安定し、分離膜の表面に気泡を含む気液混合流を充分に接触させることができる。これにより、分離膜の表面から汚濁物質を良好に除去でき、膜モジュール12の膜間差圧の上昇が抑制され、かつ、膜モジュール12で固液分離されて得られる単位時間当たりの処理水量が安定する。
上記一実施形態においては、膜モジュール12により固液分離された処理水を分流し、処理水供給管31を経由して散気管13に供給できる。そのため、散気管を洗浄するための専用の洗浄装置等をあえて設置する必要がなく、コンパクトな水処理装置を構築できる。
また、上記一実施形態においては、膜モジュール12で分離した処理水の一部を散気管13に供給して散気管13の目詰まりを抑制しながら、水槽11内に散気管13から散気を行い被処理液の水処理を行える。そのため、散気管13を洗浄するために被処理液の水処理を停止する必要がなく、又はその回数を低減でき、水処理効率が高められる。さらに、散気管13内に目詰まりが生じると、散気管13から水槽11内への散気量を確保するためにブロア21の送気量を増加させる必要があり、そのための電力消費量が増え水処理コストが増大する。散気管13の目詰まりが抑制されることでブロア21の送気が安定し、かかる水処理コストの増大も回避できる。
さらに、上記一実施形態においては、汚泥等の懸濁物質が分離された処理水を散気管13に供給できる。そのため、被処理液を散気管13に流入させた場合のように懸濁物質が散気管13内に残留して堆積する懸念がなく、散気管13の目詰まり抑制効果がより高められる。
本発明について、上記一実施形態を示して説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、上記一実施形態では、水槽11内に膜モジュール12が浸漬された浸漬型(一体型)の水処理装置1が用いられたがこれに限定されない。活性汚泥処理を行う活性汚泥処理槽と、膜モジュールが浸漬された膜分離槽とをそれぞれ設け、活性汚泥処理槽での生物処理後に膜分離槽で膜分離を行うようにした、いわゆる槽外型(別置型)の水処理装置とされてもよい。
上記一実施形態においては、処理水供給管31の一端が処理水排出管15から分岐するように接続されたが、これに限定されない。例えば、処理水供給管31の一端を、処理水排出管15とは別に膜モジュール12に接続し、膜モジュール12で分離された処理水が処理水供給管31に直接取り込まれるようにしてもよい。
また、上記一実施形態においては、処理水供給管31の他端が送給管23の途中に接続されたが、これに限定されない。例えば、処理水供給管31の他端を、送給管23とは別に散気管13に接続し、処理水供給管31に取り込まれた処理水が散気管13に直接供給されるようにしてもよい。
また、分岐弁32、33の一方又は両方を省略し、例えば処理水供給管31の途中に逆止弁が設けられてもよい。さらに、処理水供給管31の途中にポンプが設けられてもよい。
また、水処理装置1の外に、散気管13を洗浄するための洗浄装置を設け、前記洗浄装置からの洗浄液を処理水供給管31に送り、前記洗浄液を処理水供給管31に取り込まれた処理水とともに散気管13に供給するようにしてもよい。
さらに、散気管13の散気を一時的に停止し、被処理液を散気管13内に流入させる散気管の洗浄処理が行われてもよい。
本実施例においては、図1に示した水処理装置1を用いて排水処理を行った。
排水を水槽11に供給し、以下の条件で活性汚泥処理を行った。
(活性汚泥処理の条件)
・気体の供給量:0.8m3/min。
・気体の吐出圧力:30kPa。
・水槽11内の被処理液のMLSS:10,000mg/L。
・膜モジュール12の膜面積:125m2(膜面積25m2の中空糸膜モジュール×5基)、膜の種類:ポリフッ化ビニリデンを主成分とする公称孔径0.4μmの中空糸形状の精密ろ過膜。
・処理水(透過水)量:0.8m3/m2/日。
・送給管23、処理水排出管15、処理水供給管31:65Aステンレス配管。
活性汚泥処理により得られた処理水を散気管13に供給しなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で活性汚泥処理を行った。活性汚泥処理を開始してから15日間経過した時点で、膜モジュール12の膜間差圧が上昇し処理水が安定的に得られなくなったため活性汚泥処理を中止した。散気管13を水槽11内から引き上げてその目詰まりの状態を目視で確認したところ、散気管13内に乾燥した汚泥が堆積し目詰まりを生じていた。
11 水槽
12 膜モジュール
13、101 散気管
15 処理水排出管
23 送給管
31 処理水供給管
102 主配管
103 枝配管
106 散気孔
Claims (9)
- 水槽と、該水槽内に配置された膜モジュールと、該膜モジュールの下方に配置された散気管を備える水処理装置を用いた水処理方法であって、
前記膜モジュールで分離された処理水を、前記散気管に供給する、水処理方法。 - 前記処理水を、前記膜モジュールに接続された処理水排出管から分岐した処理水供給管に取り入れて、前記散気管に供給する、請求項1に記載の水処理方法。
- 前記処理水を、前記散気管に接続されたブロアから送出された気体とともに前記散気管に供給する、請求項1又は2に記載の水処理方法。
- 散気管に供給する単位時間当たりの処理水量が、前記膜モジュールで分離された単位時間当たりの処理水量の0.5〜10容量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理方法。
- 前記水処理方法が、膜分離活性汚泥法による水処理方法である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水処理方法。
- 水槽と、該水槽内に配置された膜モジュールと、該膜モジュールの下方に配置された散気管と、前記膜モジュールで分離された処理水を前記散気管に供給するための処理水供給管と、を備える水処理装置。
- 前記膜モジュールは、該膜モジュールで分離された処理水を水槽外に排出する処理水排出管に接続され、
前記処理水供給管は、前記処理水排出管から分岐するように接続され、前記処理水排出管から前記処理水供給管に処理水が取り入れられる、請求項6に記載の水処理装置。 - 前記散気管は、該散気管に気体を送給する送給管に接続され、
前記処理水供給管は、前記送給管の途中に接続され、前記処理水供給管に取り入れられた処理水が前記送給管に送られる、請求項6又は7に記載の水処理装置。 - 前記水処理装置が、膜分離活性汚泥法による水処理装置である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の水処理装置。
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