JP2002292254A - 浸漬型膜ろ過装置 - Google Patents

浸漬型膜ろ過装置

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JP2002292254A
JP2002292254A JP2001097485A JP2001097485A JP2002292254A JP 2002292254 A JP2002292254 A JP 2002292254A JP 2001097485 A JP2001097485 A JP 2001097485A JP 2001097485 A JP2001097485 A JP 2001097485A JP 2002292254 A JP2002292254 A JP 2002292254A
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membrane
filtration
tubular
filtration membrane
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Tamiyuki Eguchi
民行 江口
Shiro Tanshu
紫朗 丹宗
Naoki Murakami
尚樹 村上
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Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬型膜ろ過方式による被処理液の効率的な
ろ過処理を実施可能な浸漬型膜ろ過装置を実現する。 【解決手段】 浸漬型膜ろ過装置3は、貯留槽2内に貯
留された被処理液に対して浸漬型膜ろ過方式を適用する
ためのものであり、被処理液のろ過機能を有する複数の
管状ろ過膜がろ過液出口を有する収納容器10内に収容
されて保持された管状ろ過膜モジュール4と、管状ろ過
膜モジュール4に向けて空気泡を供給するための空気泡
供給装置6と、管状ろ過膜モジュール4と空気泡供給装
置6との間に配置された充填物層7とを備えている。空
気泡供給装置6からの空気泡は、充填物層7を通過する
際に分散され、管状ろ過膜モジュール4内の管状ろ過膜
に対して均等に供給され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸漬型膜ろ過装
置、特に、貯留槽内に貯留された被処理液に対して浸漬
型膜ろ過方式を適用するための浸漬型膜ろ過装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、膜モジュールを被処理
液中に浸漬し、空気泡の浮力を利用しながらろ過するク
ロスフローろ過方式(例えば、特開昭61−12909
4号公報参照。以下、このろ過方式を浸漬型膜ろ過方式
と呼び、これに使用する膜モジュールを浸漬型膜モジュ
ールと呼ぶ。なお、浸漬型膜ろ過方式は、空気泡の浮力
を利用して被処理液を自然循環させながらろ過する方法
であり、被処理液をポンプなどの機械的循環手段を用い
て膜モジュールに対して供給・循環させる限外ろ過法と
は明確に区別されるものである。)が、高汚濁液の省エ
ネルギー精密ろ過方式として多方面で利用されるように
なった。この分野では、中空糸膜モジュールと平膜モジ
ュールが専ら使用されており(例えば、財団法人日本環
境整備教育センター「膜処理法を導入した小型生活排水
処理装置の実用化に関する研究報告書、平成4〜平成7
年度」参照)、管状ろ過膜モジュールに関しては、貯槽
から被処理液を外部に取り出し、特別な構造の配管と膜
モジュールを用いて浸漬型膜ろ過を行なう、特殊な利用
形態に関する出願(特開平9−47639号公報、特開
平9−99223号公報)が見られるものの、中空糸膜
モジュールや平膜モジュールとの性能比較に関する記載
がないだけでなく、実際に使用された報告例も見られな
い。したがって、管状ろ過膜モジュール自体の特性につ
いては、ほとんど未知である。
【0003】浸漬型膜ろ過方式は、すでに様々な分野へ
応用が進められているが、特に、我が国における有力な
水質浄化手段として、上述の文献にも見られるように、
長年に渉って、公的機関が積極的に研究開発を進めてき
ている。また、下水道研究発表会講演集、水環境学会年
会講演集などの学会発表においても公的および私的研究
機関の積極的な発表が続けられている。
【0004】浸漬型膜ろ過方式が実用化されてから、約
10年を経過し、今や信頼性のある単位分離操作として
確立された観があるが、この間に管理技術は格段に進歩
したものの、上述の文献からも分かるように、膜モジュ
ールのコスト、コンパクト化およびエネルギー効率など
に関する特にハード面における長足の進歩は見られず、
さらなる改善が強く望まれている。しかしながら、これ
まで集中的に研究開発努力が積み重ねられてきた中空糸
膜モジュールや平膜モジュールに対して、格段の進歩を
期待することは困難である。
【0005】一方、ほとんど未知の状態である管状ろ過
膜モジュールについては、この間に特別な関心が向けら
れたことはなく、上述の文献等においても発表事例がな
かった。本発明者らの推測になるが、その理由として、
平膜モジュールに対するろ過性能上の差異が不明瞭であ
るだけでなく、浸漬型膜ろ過方式が適用される多くの用
途が夾雑物を大量に含むために管状ろ過膜自身がこれら
によって閉塞すると予想されたことが考えられる。
【0006】しかしながら、科学的に管状ろ過膜モジュ
ールの特徴を推測すると、中空糸膜モジュールや平膜モ
ジュールに対する多くの利点が見出される。例えば、 1.すべての空気の流れを、クロスフローの平行流れを
大きくするために利用できる。 2.気泡と被処理液の通路が円筒形であるために、物質
移動係数が他のモジュール形態に比べて大きく、原理的
にフラックス(単位膜面積当たりのろ過流量)が大き
い。 3.膜自身が気泡と被処理液の通路を構成するので、モ
ジュール構造がコンパクトになる。 4.内径が中空糸膜よりもはるかに大きいので、圧力損
失が小さく、逆洗効果が大きい。 などである。夾雑物を効果的に除去する技術も長足に進
歩した今日にあっては、これらの利点を実現し得る可能
性は高まっている。
【0007】ところが、管状ろ過膜モジュールは、他の
膜モジュール形態と異なり、1つの管状ろ過膜内に押し
込まれた気泡は別の管状ろ過膜に移動することができな
いので、気泡が押し込まれないか、あるいはその流量が
小さい管状ろ過膜ではろ過性能が低下する。したがっ
て、管状ろ過膜モジュールを用いた浸漬型膜ろ過装置が
上述の利点を発揮するためには、すべての管状ろ過膜に
対し、可能な限り均等に空気泡を供給する必要がある。
しかし、上記公報(特開平9−47639号公報、特開
平9−99223号公報)には、このような管状ろ過膜
モジュールにおいて気泡を均等に分配することの重要性
や、その実現方法については何ら言及されておらず、し
かも、その図面によると、気泡の通路に障害物さえも存
在している。
【0008】なお、被処理液が生活排水の活性汚泥処理
液の場合、水質の変動が大きく、大量の被処理液が急に
流入したときには処理水質が低下するのに加えて菌体フ
ロックより離脱する高分子量の微生物分泌物のために膜
の目詰まりが早くなることから、浸漬型膜ろ過装置を用
いてろ過処理を効率的に実施するのは一般に困難である
(例えば、浜谷慎一郎他、第37回下水道研究発表会講
演集、7−90、2000等参照)。これに関連して、
活性汚泥液に微生物担体を投入することにより、被処理
液が急激に流入したときでも処理水質が低下しにくいよ
うにし、それによって浸漬型膜ろ過処理の効率を向上さ
せる試みが近年盛んに行われている(例えば、田所正
治、月刊生活排水、Feb.1999、28、199
9、および馬場邦子他、第37回下水道研究発表会講演
集、7−53、2000参照)が、これまでの浸漬型膜
ろ過装置では、必ずしも効率的なろ過処理を実施できる
には至っていない。
【0009】本発明の目的は、被処理液の効率的なろ過
処理を実施可能な浸漬型膜ろ過装置を実現することにあ
る。本発明の他の目的は、被処理液として生活排水の活
性汚泥処理液をろ過処理する場合であっても、当該活性
汚泥処理液を効率的にろ過処理することができ、しかも
ろ過膜の目詰まりが起こりにくい浸漬型膜ろ過装置を実
現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の浸漬型膜ろ過装
置は、貯留槽内に貯留された被処理液に対して浸漬型膜
ろ過方式を適用するためのものであり、内面に被処理液
のろ過機能を有する管状ろ過膜の複数本がろ過液出口を
有する筒状の収納容器内に収容されかつその両端部で保
持された、管状ろ過膜が上下方向に開口するよう貯留槽
内に配置された管状ろ過膜モジュールと、管状ろ過膜モ
ジュールの下方に配置された、管状ろ過膜モジュールに
向けて空気泡を供給するための空気泡供給装置と、管状
ろ過膜モジュールと空気泡供給装置との間に配置され
た、空気泡供給装置からの空気泡を管状ろ過膜モジュー
ルに向けて分散させながら案内するための、充填物を含
む充填物層とを備えている。
【0011】ここで、充填物層は、例えば、少なくとも
半数の管状ろ過膜に対し、空気泡供給装置から供給され
る空気泡の全流量を管状ろ過膜の総本数で割った、管状
ろ過膜1本当りの空気流量の平均値の少なくとも30%
の空気泡を分配可能なように空気泡を分散可能に設定さ
れている。また、充填物は、例えば、外径が5〜50m
m、長さが5〜50mmの多孔性の中空円筒状物であ
る。この場合、中空円筒状物は、例えば微生物担体であ
る。また、被処理液は、例えば生活排水の活性汚泥処理
液である。
【0012】また、管状ろ過膜モジュールは、例えば、
通液孔を有する筒状の集水管および集水管の外周に間隔
を設けて配置された外筒を備えた筒状の収納容器と、集
水管と外筒との間に配置された、円筒状に形成されかつ
内面にろ過機能を有する管状ろ過膜の複数本を含む管状
ろ過膜群と、収納容器の両端部に設けられた、管状ろ過
膜群の長手方向両端部を保持するための保持部とを備
え、集水管が管状ろ過膜によりろ過された被処理液を外
部に排出するためのろ過液出口を有している。
【0013】なお、管状ろ過膜モジュールの管状ろ過膜
は、例えば、内径が3〜15mmである。
【0014】
【作用】本発明の浸漬型膜ろ過装置を用いて被処理液を
ろ過処理する場合は、被処理液を貯留した貯留槽内に本
発明の浸漬型膜ろ過装置を配置する。そして、空気泡供
給装置から、管状ろ過膜モジュールに向けて空気泡を供
給する。空気泡供給装置からの空気泡は、被処理液中を
上昇し、充填物層を通過した後に管状ろ過膜モジュール
に向けて供給される。管状ろ過膜モジュールに到達した
空気泡は、管状ろ過膜モジュールを形成する管状ろ過膜
内を下側から上側に向けて通過する。これにより、被処
理液は、管状ろ過膜内を下側から上側に向けて循環し、
管状ろ過膜を通過する際にろ過される。管状ろ過膜を通
過してろ過された被処理液(ろ過液)は、収納容器内に
流れ、ろ過液出口から外部に排出される。
【0015】ここで、空気泡供給装置からの空気泡は、
充填物層を通過するときに擾乱されながら分散され、管
状ろ過膜モジュールの各管状ろ過膜に対して均等に供給
され得る。この結果、管状ろ過膜モジュールでは、ろ過
流量が高まり、被処理液のろ過効率が高まることにな
る。なお、充填物層は、上述のように、空気泡供給装置
からの空気泡を分散させることができるものであるた
め、同時に、被処理液中に含まれる各種の夾雑物を捕捉
することができる。このため、管状ろ過膜モジュール
は、夾雑物による管状ろ過膜の閉塞が抑制されることに
なるので、ろ過効率を安定に維持することができる。
【0016】なお、充填物層が、上述のような多孔性の
中空円筒状物を充填物として含み、しかも当該中空円筒
状物が微生物担体である場合は、被処理液中に含まれる
菌体が中空円筒状物に捕捉されて保持されるため、被処
理液が急激に流入したときでも処理水質は低下しにくく
なり、管状ろ過膜の目詰まりが生じにくい。このため、
このような充填物層を用いた場合は、被処理液が生活排
水の活性汚泥処理液である場合も、浸漬型膜ろ過処理の
効率性を維持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の実施の一形態に
係る浸漬型膜ろ過装置が採用された浸漬型膜ろ過システ
ムの概略構成を示す。図において、浸漬型膜ろ過システ
ム1は、貯留槽2と、この貯留槽2内に配置された浸漬
型膜ろ過装置3(本発明の実施の一形態)とを主に備え
ている。
【0018】貯留槽2は、上部に開口を有する容器状に
形成されており、内部に被処理液が貯留されている。浸
漬型膜ろ過装置3は、管状ろ過膜モジュール4と、管状
ろ過膜モジュール4の支持台5とを主に備えている。
【0019】管状ろ過膜モジュール4は、図2(管状ろ
過膜モジュール4の縦断面図)に示すように、円筒状の
収納容器10と、この収納容器10内に充填された管状
ろ過膜群11とを主に備えている。収納容器10は、例
えば樹脂製の部材であり、その側面には、ろ過処理後の
被処理液(ろ過液)を排出するための排出口12(ろ過
液出口の一例)が形成されている。また、収納容器10
の内周面において、その上部および下部には、管状ろ過
膜群11と収納容器10の内周面との間に隙間を設ける
ためのスペーサー13が中心方向に向けて突出してい
る。
【0020】スペーサー13は、収納容器10の内周面
側が細くかつ収納容器10の中心側が太く設定された、
概ね楔状に形成されており、また、図3(管状ろ過膜モ
ジュール4の、図2のIII−III断面に相当する
図)、図4(図3のIV矢視図)および図5(図4のV
−V断面図)に示すように、収納容器10の円周方向に
おいて概ね等間隔に形成された複数のスリット13aを
有している。なお、収納容器10の上部および下部にそ
れぞれ設けられたスペーサー13,13は、収納容器1
0の内周面からの突出量が同じに設定されている。
【0021】また、各スペーサー13は、スペーサー1
3を有する部分における収納容器10の軸線方向に垂直
な断面(スペーサー13の上下方向中央部における断
面、すなわち図2のa−a部分の断面)における収納容
器10の内部の断面積(図3に網掛け線で示した部分の
面積に相当)に占める、その断面積の割合が3〜10%
になるよう設定されているのが好ましい。この割合が3
%未満の場合は、収納容器10の内周面、特に排出口1
2と管状ろ過膜群11との間に隙間が形成されにくくな
る結果、収納容器10内において、後述する管状ろ過膜
11aを通過した被処理液(ろ過液)の流動性が低下
し、ろ過流量が低下するおそれがある。一方、この割合
が10%を超える場合は、収納容器10内において管状
ろ過膜群11の占める割合が小さくなるため、被処理液
のろ過効率が低下するおそれがある。
【0022】管状ろ過膜群11は、細長な円筒状に形成
された管状ろ過膜11aの多数本を含む群であり、各管
状ろ過膜11aは、後述する突起22により互いに密着
するのを防止されながら(すなわち、互いに間隔を設け
ながら)、収納容器10の開口方向に沿って互いに平行
に密に集合している。このような管状ろ過膜群11の上
端部および下端部は、それぞれウレタン樹脂などの樹脂
材料を用いて形成された保持部10aにより、各管状ろ
過膜11aの開放状態を維持しつつ収納容器10に対し
て一体的に保持されると共に固定されている。この結
果、収納容器10の両端部は、当該保持部10aにより
液密に閉鎖されることになる。
【0023】上述の管状ろ過膜群11を構成する管状ろ
過膜11aは、図6に示すような円筒状に形成されてお
り、図7(図6のVII−VII断面端面図)に示すよ
うに、内周面側から外周面側に向けて順にろ過膜層20
および支持膜層21を備えた2層構造を有している。
【0024】ろ過膜層20の種類は、被処理液から除去
すべきろ別成分の種類に応じて適宜選択することがで
き、特に限定されるものではないが、例えば微生物など
の微粒子を除去する必要がある場合は精密ろ過膜が用い
られる。精密ろ過膜は、例えばJIS K 3802で
は「0.01〜数μm程度の微粒子および微生物をろ過
によって分離するために用いる膜」と定義されている
が、ここでは、20kPa以下の圧力で実用的なろ過が
可能な、孔径が0.04μmよりも大きい微孔を多数有
する多孔膜を用いるのが好ましい。因みに、このような
精密ろ過膜は、種類が特に限定されるものではなく、公
知の各種のもの、例えばセルロース膜やポリオレフィン
系樹脂膜などの有機高分子膜を用いることができる。
【0025】支持膜層21は、上述のろ過膜層20に対
して形状保持性を付与し、ろ過膜層20を円筒状に設定
するためのものである。このような支持膜層21は、通
液性を有する多孔質材料であれば各種のものを用いるこ
とができるが、通常は、腰の強さ、優れた強度、優れた
耐薬品性、高い耐熱性および経済性を備えたポリプロピ
レン樹脂製あるいはポリエステル樹脂製の不織布を用い
るのが好ましく、特にポリエステル樹脂製の不織布を用
いるのが好ましい。
【0026】また、管状ろ過膜11aは、図6に示すよ
うに、外周面、即ち、支持膜層21の外周面に、ろ過膜
層20の軸線を中心とする螺旋状に連続的に形成された
突起22を有している。この突起22は、管状ろ過膜群
11において、管状ろ過膜11a同士が密着するのを防
止し、収納容器10内において各管状ろ過膜11aを通
過した被処理液(ろ過液)の流動性を高めるためのもの
である。
【0027】例えば、突起22の高さを0.05mmに
設定した場合、管状ろ過膜11aの有効長が例えば70
cmならば、隣接し合う2本の管状ろ過膜11aの間に
は、少なくとも0.005×70=0.35cm2の面
積が確保されることになる。したがって、このような間
隙が管状ろ過膜群11内に多数存在すれば、収納容器1
0内においてろ過液の流れに対する抵抗は著しく軽減す
ることになり、ろ過液の流動性が著しく高まることにな
る。
【0028】上述のような管状ろ過膜11aは、通常、
内径(図7のX)が3〜15mmに設定されているのが
好ましく、5〜10mmに設定されているのがより好ま
しい。内径が3mm未満の場合は、被処理液、特に、高
汚濁の被処理液をろ過する際において、被処理液中に含
まれる各種のろ別成分や夾雑物により管状ろ過膜11a
が閉塞し易くなり、ろ過処理を長期間安定に継続するの
が困難になるおそれがある。逆に、内径が15mmを超
える場合は、容積の限られた収納容器10内に充填可能
な管状ろ過膜群11に含まれる管状ろ過膜11aの本数
が減少することになるため、管状ろ過膜モジュール4の
単位容積当りのろ過面積(有効膜面積)が小さくなる。
その結果、ろ過流量が低下することになるので、管状ろ
過膜モジュール4のコンパクト化を図りながら被処理液
の効率的なろ過処理を実施するのが困難になるおそれが
ある。
【0029】また、管状ろ過膜11aは、肉厚(A)と
外径(B)との比(A/B)が0.025〜0.1に設
定されているのが好ましく、0.03〜0.1に設定さ
れているのがより好ましい。なお、ここで言う管状ろ過
膜11aの肉厚および外径は、上述の突起22の厚さ
(高さ)を含んでいる。この比が0.025未満の場合
は、管状ろ過膜11aに対して外側から圧力を加えた場
合、管状ろ過膜11aが潰れやすくなる。この結果、被
処理液のろ過工程において管状ろ過膜11aの内周面に
堆積するろ別成分などからなるケーク層を排除するため
に、管状ろ過膜11aに対して外側から圧力を加えて逆
洗操作を実施した場合、管状ろ過膜11aが潰れてしま
い、管状ろ過膜11aを逆洗するのが実質的に困難にな
る。なお、20kPa以上の耐圧性を達成するために
は、この比を0.03以上に設定するのが好ましい。一
方、この比が0.1を超える場合は、管状ろ過膜モジュ
ール4の単位容積当りのろ過面積(有効膜面積)が小さ
くなる。その結果、ろ過流量が低下することになるた
め、管状ろ過膜モジュール4のコンパクト化を図りなが
ら被処理液の効率的なろ過処理を実施するのが困難にな
るおそれがある。
【0030】上述の管状ろ過膜11aは、肉厚と外径と
の比が上述のように規定されているため、潰れ圧が大き
い。特に、この比が0.03以上の場合、管状ろ過膜1
1aの潰れ圧は、浸漬型膜ろ過方式において通常設定さ
れるろ過圧の上限である20kPa以上、即ち少なくと
も20kPaに設定され得る。なお、ここで言う「潰れ
圧」とは、管状ろ過膜11aの外側(すなわち、支持膜
層21側)から内側に向けて圧力を加えた場合におい
て、管状ろ過膜11aが押し潰され始めるときの圧力を
いう。
【0031】因みに、管状ろ過膜11aの潰れ圧は、肉
厚と外径との比の3乗に比例するため(例えば、小栗冨
士雄著「機械設計図表便覧」、9−2、共立出版株式会
社参照)、当該比を大きく設定するに従って大きくなる
ことになる。
【0032】また、突起22の高さは、通常、0.02
〜0.2mmに設定されているのが好ましい。突起22
の高さが0.02mm未満の場合は、管状ろ過膜群11
において管状ろ過膜11a同士が密着し易くなり、結果
的にろ過液の流動性を高めるのが困難になるおそれがあ
る。一方、0.2mmを超える場合は、管状ろ過膜群1
1に含まれる管状ろ過膜11aの本数、すなわち、管状
ろ過膜モジュール4の収納容器10内に充填可能な管状
ろ過膜11aの本数が減少することになるため、管状ろ
過膜モジュール4の単位容積当りのろ過面積が小さくな
る。その結果、ろ過流量が低下することになるため、管
状ろ過膜モジュール4のコンパクト化を図りながら被処
理液の効率的なろ過処理を実施するのが困難になるおそ
れがある。なお、ここで言う突起22の高さとは、支持
膜層21の表面からの突出量をいう。
【0033】突起22の高さは、被処理液の種類に応じ
て適宜選択することもできる。例えば、被処理液が活性
汚泥液のようにろ過流量が比較的小さいものである場合
は、ろ過面積を確保する観点から突起22は低目に設定
するのが好ましい。一方、被処理液が河川の水のように
ろ過流量が比較的大きいものである場合は、ろ過液の流
動性を高める観点から、突起22は高目に設定するのが
好ましい。因みに、突起22の高さが上述の範囲内であ
れば、管状ろ過膜モジュール4が100m2程度の膜面
積を有する大型の場合であっても、殆どの被処理液につ
いて、突起22により管状ろ過膜11a間に形成される
隙間はろ過液の流れに対する大きな抵抗になり難い。
【0034】次に、図8を参照しつつ、上述の管状ろ過
膜11aの製造方法の一例を説明する。先ず、支持膜層
21上にろ過膜層20が一体的に積層された、長尺短冊
状(テープ状)の複合膜23を用意する。そして、この
複合膜23を、図8に示すように、別途用意した円柱状
の心棒24に対し、支持膜層21側が表側になるように
幅方向の両端部23aを重ね合わせながら螺旋状に巻き
つける。この状態で重ね合わされた両端部23a同士を
接着剤、あるいは超音波溶着法により接着すると、目的
とする管状ろ過膜11aを得ることができる。なお、こ
のような管状ろ過膜11aの製造方法は、例えば特公昭
56−35483号において既に公知である。
【0035】このような管状ろ過膜11aの製造工程に
おいて、重ね合わされた複合膜23の両端部23aは、
上述の螺旋状の突起22を形成することになる。ここ
で、複合膜23の重なり具合や接着方法を適宜調節する
と、突起22の高さを上述の範囲に設定することができ
る。
【0036】次に、図9および図10を参照して、上述
の管状ろ過膜モジュール4の製造方法を説明する。この
管状ろ過膜モジュール4は、平膜や中空糸膜の取り扱い
に細心の注意が要求され、しかも多くの製造工程を要す
る平膜モジュールや中空糸膜モジュールに比べ、簡単な
工程により容易に製造することができる。先ず、多数本
の管状ろ過膜11aを束ね、管状ろ過膜群11を形成す
る。一方、収納容器10を用意し、図9に示すように、
この収納容器10内に管状ろ過膜群11を挿入して収納
容器10と管状ろ過膜群11との組合せ体30を形成す
る。この組合せ体30では、管状ろ過膜群11の両端部
が収納容器10の両端部から突出するように設定する。
また、管状ろ過膜群11を構成する管状ろ過膜11aの
両端部は、例えばヒートシールにより閉鎖しておく。
【0037】次に、図10に示すように、上述の組合せ
体30の一端を、未硬化ウレタン樹脂などの未硬化の樹
脂31aを入れたモールド31内に浸漬する。ここで、
未硬化の樹脂31aは、管状ろ過膜群11を構成する管
状ろ過膜11a間に充填されると共に、スペーサー13
に設けられたスリット13aを通じて収納容器10の内
周面にも均一に到達し、収納容器10の開口部分を完全
に閉鎖することになる。この状態で樹脂31aを完全に
硬化させた後、モールド31を取り払い、組合せ体30
の他端についても同様の操作を実施する。これにより、
管状ろ過膜群11は、収納容器10に対して保持、固定
されることになる。
【0038】次に、収納容器10の両端部から突出して
いる硬化樹脂と管状ろ過膜11aとを切り落とすと、残
余の樹脂部分が保持部10aを形成し、目的とする管状
ろ過膜モジュール4が得られる。この管状ろ過膜モジュ
ール4において、収納容器10の両端部は、各管状ろ過
膜11aの両端部を除き、硬化した樹脂、すなわち保持
部10aにより液密に閉鎖されることになる。この保持
部10aは、収納容器10のスペーサー13が上述のよ
うな楔状に形成されているため、収納容器10の内周面
に対して強力に固定されやすく、管状ろ過膜群11を収
納容器10に対して安定に保持、固定することになる。
【0039】なお、保持部10aを形成するための材料
としては、上述のようなウレタン樹脂の他に、エポキシ
樹脂などの他の熱硬化性樹脂やホットメルト接着材を用
いることもできる。但し、大型の管状ろ過膜モジュール
4を製造する場合、樹脂材料は、使用量を多く設定する
必要があるため、過剰な発熱を抑制する理由および硬化
収縮を抑制する理由から、反応速度が比較的遅く、弾性
率が比較的小さなものを用いるのが好ましい。なお、ホ
ットメルト接着材は、上述の製造工程において切り落と
したものから回収して再利用することもできる。この点
においても、ホットメルト接着材が比較的高粘度である
がために、ホットメルト接着材の利用が困難な中空糸膜
モジュールに比べ、管状ろ過膜モジュール4は有利であ
る。
【0040】なお、管状ろ過膜モジュール4に関する図
2等では、理解の便のため、管状ろ過膜11aの太さ、
管状ろ過膜11a間の隙間および管状ろ過膜11aと収
納容器10の内周面との隙間等を強調している。また、
図面を理解し易くするため、図2では、管状ろ過膜11
aの本数を少なめに表現し、また、図3においては管状
ろ過膜11aの一部のみ表示している。
【0041】支持台5は、図1に示すように、管状ろ過
膜モジュール4の収納容器10と概ね同形状の筒状に形
成されており、その上部に管状ろ過膜モジュール4が配
置されている。また、支持台5の内部には、空気泡供給
装置6と充填物層7とが配置されている。なお、支持台
5は、被処理液を外部から内部に通過させるためのスリ
ット(図示せず)を多数有している。
【0042】空気泡供給装置6は、管状ろ過膜モジュー
ル4に対して空気泡を供給するためのものであり、図1
に示すように、支持台5内の下部近傍に配置された空気
供給パイプ8を有している。この空気供給パイプ8に
は、多数の空気泡噴出孔8aが形成されている。空気泡
噴出孔8aは、図示しない空気供給源(例えば、コンプ
レッサー)から空気供給パイプ8に供給される空気を泡
状にして噴出するためのものである。
【0043】一方、充填物層7は、支持台5内におい
て、空気泡供給装置6の上方に配置されている。また、
この充填物層7は、管状ろ過膜モジュール4との間に空
間9が形成されるよう、管状ろ過膜モジュール4の下方
に配置されている。なお、空間9の厚さ(図1のD1
は、通常、5〜20cmに設定されているのが好まし
い。
【0044】充填物層7は、支持台5内に間隔を設けて
水平に配置された1対の網状体70,70と、当該網状
体70,70の間に充填された充填物71とを備えてい
る。各網状体70は、例えば金網であり、充填物71を
支持台5内で保持するためのものである。充填物71
は、空気泡供給装置6から噴出する空気泡を分散させる
と共に、被処理液中に含まれている各種の夾雑物、特に
繊維状の夾雑物を捕捉するためのものである。充填物7
1の種類は特に限定されるものではなく、ろ過処理の目
的、被処理液の特性、被処理液中に含まれる夾雑物の種
類等の応じて各種のものを利用することができる。
【0045】但し、この充填物71は、空気泡供給装置
6から供給される空気泡を上述の管状ろ過膜モジュール
4による被処理液のろ過機能を十分に達成できる程度の
大きさに設定することができ、また、貯留槽2内におけ
る被処理液の円滑な循環流れの支障にならないものが好
ましい。このような充填物としては、通常、単純な形状
であって嵩密度の小さなものが用いられる。より具体的
には、例えば、外径が5〜50mm(好ましくは5〜1
5mm)であり、長さが5〜50mm(好ましくは5〜
15mm)の大きさに形成された、例えばポリプロピレ
ン樹脂からなる多孔性の中空円筒状物(パイプ状物)を
用いるのが好ましい。
【0046】このような中空円筒状物としては、各種の
ものが市販されており、それらを用いることができる
が、微生物担体としての機能を有するものであってもよ
い。微生物担体としての機能を有する中空円筒状物とし
ては、例えば、筒中シート防水株式会社の商品名“バイ
オステージ”を挙げることができる。なお、中空円筒状
物は、2種以上のものが適宜併用されてもよい。
【0047】なお、充填物層7は、後に詳述するよう
に、管状ろ過膜モジュール4に含まれる少なくとも半数
の管状ろ過膜11aに対し、空気泡供給装置6から供給
される空気泡の全流量を管状ろ過膜11aの総本数で割
った、管状ろ過膜11a1本当りの空気流量の平均値の
少なくとも30%の空気泡を分配可能なように空気泡を
分散可能に設定されているのが好ましい。このような条
件は、通常、管状ろ過膜11aの内径、空気泡供給装置
6における空気泡噴出孔8aの数、充填物71の大き
さ、被処理液の特性(特に、粘度)、充填物層7の厚さ
および空間9の厚さなどを適宜設定することにより達成
することができる。但し、この浸漬型膜ろ過装置1の多
くの用途において、被処理液の粘度として1〜50mP
a・sの範囲を考慮し、また、被処理液中に含まれる夾
雑物として繊維状の物質を考慮すれば十分であり、一
方、空気泡供給装置6からの空気泡の総発生量は管状ろ
過膜11aの膜面積1m2当り5〜15l/分が現実的
であり、さらに、空気泡供給装置6における空気泡噴出
孔8aの数は支持台5の軸方向に垂直な断面積100c
2当り1個程度が現実的であるため、通常は、充填物
層7の厚さ(図1のD2)を、そこに含まれる充填物7
1の寸法(長さ)の5〜50倍に設定すると、上述のよ
うな条件を達成することができる。
【0048】次に、図1を参照して、上述の浸漬型膜ろ
過装置1を用いた被処理液のろ過処理操作を説明する。
先ず、貯留槽2内に、例えば微小ゲル、コロイド成分、
微生物などのろ別成分を含む被処理液を供給して貯留す
る。また、図示しない空気発生源から空気供給パイプ8
に空気を供給する。空気供給パイプ8に供給された空気
は、空気泡噴出孔8aから空気泡となって噴出する。こ
の空気泡は、被処理液中を上昇し、充填物層7を通過す
る。この際、空気泡は、被処理液と共に充填物層7内で
次々に方向を変えながら充填物71の内部や表面を流
れ、分散する。そして、充填物層7を通過した空気泡
は、空間9内を蛇行しながら、また、蛇行範囲を広げな
がら上昇し、管状ろ過膜モジュール4に含まれる各管状
ろ過膜11aに対して略均等に供給されることになる。
【0049】なお、被処理液中に含まれる繊維状物など
の各種の夾雑物は、充填物層7を通過する際に充填物7
1により捕捉される。この結果、充填物層7から管状ろ
過膜モジュール4に向けて流れる被処理液は、夾雑物が
効果的に取り除かれることになるので、管状ろ過膜モジ
ュール4の管状ろ過膜11aは、夾雑物の目詰まりによ
る閉塞を起こしにくく、安定に被処理液をろ過処理する
ことができる。
【0050】このようにして管状ろ過膜モジュール4に
対して供給される空気泡に伴い、貯留槽2内に貯留され
た被処理液は、図2に矢印で示すように、管状ろ過膜モ
ジュール4の各管状ろ過膜11a内を下側から上側に向
けて通過する。この際、被処理液は、管状ろ過膜11a
を内側から外側に通過してろ過され、また、被処理液中
に含まれるろ別成分は、管状ろ過膜11aのろ過膜層2
0により採取され、被処理液から取り除かれる。ろ別成
分が取り除かれた被処理液(ろ過液)は、管状ろ過膜1
1a間の隙間を通過し、排出口12および排出路12a
を経由して収納容器10の外部に連続的に排出される。
このような一連のろ過処理により、貯留槽2内の被処理
液は、図1に矢印で示すように、管状ろ過膜モジュール
4を下側から上側方向に通過して自然に循環することに
なる。
【0051】上述のようなろ過処理工程において、被処
理液中に含まれるろ別成分は、管状ろ過膜11aの内周
面、すなわちろ過膜層20の表面に徐々に堆積してケー
ク層を形成し、管状ろ過膜11aのろ過性能を低下させ
る。この場合、管状ろ過膜11aは、逆洗操作によりケ
ーク層を取り除き、ろ過性能の回復を図ることができ
る。より具体的には、管状ろ過膜モジュール4の収納容
器10内の圧力を高めて管状ろ過膜11aの外側から内
側に向けてろ過圧よりも大きな圧力を加え、それにより
ケーク層を排除することができる。この際、管状ろ過膜
11aは、上述のように潰れ圧が大きく、例えば、少な
くとも20kPaに設定されているため、逆洗操作時の
加圧力により押し潰されてしまうことがなく、逆洗処理
後も形状を維持し、引き続き上述のようなろ過処理に適
用することができる。したがって、この管状ろ過膜11
aは、逆洗操作によりケーク層を適宜取り除くことがで
きるため、長寿命化を図ることができる。
【0052】また、管状ろ過膜11aは、上述のように
外周面に突起22を有しているため、管状ろ過膜モジュ
ール4内において、隣接する管状ろ過膜11aと密着し
にくく、管状ろ過膜11a間にろ過液を流通させるため
の効果的な隙間を形成することができる。この結果、こ
の管状ろ過膜11aを備えた管状ろ過膜モジュール4
は、収納容器10内におけるろ過液の流動性を高めるこ
とができ、ろ過液を滞りなく排出口12から排出しやす
い。
【0053】次に、従来のろ過膜モジュールを比較対象
にしつつ、上述の管状ろ過膜モジュール4のコンパクト
性および経済性を説明し、その中で、空気泡供給装置6
から管状ろ過膜モジュール4に対して供給する空気泡の
分布状態とろ過特性との関係を併せて説明する。
【0054】管状ろ過膜モジュールの特性の解析的な予
従来の技術の説明において引用した財団法人日本環境整
備教育センター発行の「膜処理法を導入した小型生活排
水処理装置の実用化に関する研究報告書:平成4年度〜
平成7年度版」において見られるように、フラックスは
中空糸膜モジュールよりも平膜モジュールの方が大き
い。このため、従来のモジュールとして平膜を用いたも
のを解析の比較対象とした。
【0055】参考のため、図11を参照して、平膜を用
いたモジュール(以下、平膜モジュールという)の概略
を説明する。図において、平膜モジュール50は、収納
容器51と、この収納容器51内に配置された多数の膜
プレート52とを主に備えている。収納容器51は、例
えば、上部および下部がそれぞれ開口した角筒状の部材
である。一方、膜プレート52は、図12に示すよう
に、矩形状の枠体53と、この枠体53において隙間5
4aを設けて対向し合う1対のろ過膜54,54とを主
に備えている。このろ過膜は、例えば精密ろ過膜であ
る。枠体53の上部には、隙間54aに連絡する、ろ過
液の排出口53aが形成されている。各膜プレート52
の排出口53aは、通常、図11に示すように、排出管
55に接続される。なお、平膜モジュールの概略は、例
えば、建設省建築研究所 膜分離技術等を用いた高度処
理浄化槽研究委員会、「用水と廃水」Vol.40、N
o.3、45(1998)等において説明されている。
【0056】このような平膜モジュール50は、上述の
管状モジュール2と同様に貯留槽2内に配置され、浸漬
型膜ろ過に供される。ここで、空気泡と共に膜プレート
52間を流れる被処理液は、ろ過膜54の外側から内側
に流れてろ過される。そして、その際のろ過液は、隙間
54aを通過し、排出口53aを経由して排出管55内
に排出される。
【0057】表1に、本実施の形態で用いられる管状ろ
過膜モジュール4と上述のような平膜モジュール50の
主な特性をまとめて示す。ここでは、不必要な煩雑さを
持ち込まないようにするため、両モジュールについて膜
の長さLを共通とした。同じ理由により、モジュールの
設置面積については、管状ろ過膜モジュール4では収納
容器10の厚さを、また、平膜モジュール50では枠体
53をそれぞれ除いた、膜部分が占める面積を示してい
る。
【0058】
【表1】
【0059】ところで、浸漬型膜ろ過法が適用される大
多数の実液(被処理液)の粘度は数mPa・s以上であ
り、平膜モジュール50、管状ろ過膜モジュール4共
に、モジュール内における被処理液の流れを層流と見な
すことができる。平行流れが層流のクロスフローろ過に
おいては、平膜モジュール50に対する管状ろ過膜モジ
ュール4のろ過流量が次式(1)で表される(例えば、
中垣、清水、「膜処理技術大系」第1編−第3章、株式
会社フジ・テクノシステム(1991) 参照)。
【0060】
【数1】
【0061】式中、J、Mおよびuは、それぞれろ過流
量、膜面積および平行流れの線速であり、下付き記号T
およびPは、それぞれ管状ろ過膜モジュール4および平
膜モジュール50の値であることを示す。平行流れは気
泡と液体の混合物からなるが、同じ速度で移動している
と仮定している。dは平膜モジュール50の膜プレート
52間の間隔を、また、diは管状ろ過膜モジュール4
の管状ろ過膜11aの内径をそれぞれ示している。
【0062】ここで、指数a、cは、層流の場合ともに
1/3である。したがって、これらの値を代入すると、
次の式(2)のようになる。
【0063】
【数2】
【0064】ここで、管状ろ過膜モジュール4において
は全ての管状ろ過膜11aに、また、平膜モジュール5
0においては全ての膜プレート52間に気泡が均等に分
配されていると仮定すると、各モジュールにおける平行
流れの線速について、それぞれ次式(3)および(4)
が導かれる。
【0065】
【数3】
【0066】ここで、qaは、一つの流路あたりに換算
した空気流量であり、管状ろ過膜モジュール4では1本
の管状ろ過膜11a当たりの空気の流量を、また、平膜
モジュール50では幅wの1つの膜プレート52間隔当
たりの空気の流量をそれぞれ意味する。したがって、u
aは換算線速である。ρfおよびμfは、それぞれ被処理
液の密度および粘度である。σは無次元の圧力損失係数
であり、管状ろ過膜モジュール4では32、平膜モジュ
ール50では12である。gは重力加速度である。
【0067】換算線速は、単位膜面積当りの空気流量、
またはモジュール当りの全空気流量に、それぞれのモジ
ュールの形状を表す数値を用いて次の表2のように変換
することができる。
【0068】
【表2】
【0069】表1および表2から、管状ろ過膜モジュー
ル4と平膜モジュール50との線速比が次の式(5)で
表される。
【0070】
【数4】
【0071】式(2)および(5)を用い、管状ろ過膜
モジュール4および平膜モジュール50の能力を様々な
視点から比較することができるが、現実性を失わずに単
純化するため、ここでは、両モジュールに共通の条件と
して、被処理液の密度ρfを1,000kg/m3、膜の
長さLを1mに設定する。また、平膜モジュール50に
ついては膜プレート52の厚さtを5mmに設定し、管
状ろ過膜モジュール4については管状ろ過膜11aの外
径(d0)と内径(di)との比(d0/di)を1.2、
充填率εを0.8(最密充填状態では約0.9である)
にそれぞれ設定する。空気流量については、平膜モジュ
ール50で標準的に用いられている単位膜面積当たり1
5L/分/m2を比較基準とする。
【0072】次の表3は、被処理液の粘度μfを10m
Pa・sに設定した場合において、膜プレート52間隔
dと管状ろ過膜11aの内径diとを同じにし、また、
両モジュールについて総膜面積と全空気流量とを同じに
した場合の計算結果を示している。
【0073】
【表3】
【0074】また、次の表4は、同じ条件で被処理液の
粘度μfのみを100mPa・sに変更した場合の計算
結果を示している。
【0075】
【表4】
【0076】表3および表4が示すように、広い粘度範
囲の被処理液に関し、管状ろ過膜モジュール4は、平膜
モジュール50の約1/2の設置面積であるにも拘わら
ず、ろ過流量が平膜モジュール50よりも大きい。
【0077】もう一つの例として、被処理液の粘度μf
を10mPa・sに設定した場合において、膜プレート
52間隔dと管状ろ過膜11aの内径diとを同じに
し、また、両モジュールについて、モジュール設置面積
と全空気流量とを同じにした場合の計算結果を表5に示
す。
【0078】
【表5】
【0079】表5は、同じモジュール設置面積、同じ全
空気流量の場合、管状ろ過膜モジュール4が平膜モジュ
ール50の2倍以上のろ過流量を持つことを示してい
る。さらに、表3〜表5は、ろ過流量を膜面積で割った
フラックスも大きく、管状ろ過膜モジュール4が平膜モ
ジュール50に比べて原理的にも優れていることを示し
ている。
【0080】以上の解析例から明らかなように、すべて
の管状ろ過膜11aに対して均等に空気泡が分配される
ならば、管状ろ過膜モジュール4は平膜モジュール50
や中空糸膜モジュールに比べて原理的に優れた能力を秘
めていると云える。そこで、次に、これらの解析結果の
妥当性をモデル液を用いて検証する。
【0081】解析結果の妥当性を検証するための試験方
以上の解析結果の妥当性を検証するために、次のような
試験を検討した。試験方法の詳細とその結果については
後述するが、ここでは、解析結果の妥当性を検証するた
めの試験方法の論理的背景について説明する。
【0082】特定の実液(被処理液)を用いると、必然
的にその特有の性質を反映した特定の結果が導かれ、必
ずしも管状ろ過膜モジュール4の一般的特徴が明かにさ
れないおそれがある。一方、一定の特性に制御されたモ
デル液を用いた原理的・科学的な評価方法では、実液と
の乖離が懸念されるが、溶存成分が膜に対して不可逆的
に吸着したり、ろ過膜にろ別成分が堆積することにより
形成されるケーク層が特異な挙動を示さない限り、ま
た、実液の基本的な流体力学的特性がモデル液と同様に
ニュートン流体として近似できるならば、ここで得られ
た結果は、実液の種類毎に特有の工夫を加える必要があ
るとしても、本質的には、実液に対しても同様に成り立
つものと考えられる。
【0083】本発明者等は、モデル液が具備すべき性質
として、以下の要件を設定した。 1.特性が明瞭で、簡単に測定が可能であること。 2.試験に要する時間内で特性が変わらないこと。 3.容易に入手が可能で、第三者による追試も可能であ
ること。 4.膜に対して特定の化学的吸着性を示さないこと。 5.難ろ過性であること。
【0084】精密ろ過膜の評価液として古くからよく利
用されているラテックスや粘土鉱物の懸濁液は、要件5
を満たさない。これらの他に種々の液を調べた結果、本
発明者等は、カルボキシメチルセルロースの水懸濁液が
1〜5のすべての要件をほぼ満足することを見出した。
【0085】カルボキシメチルセルロースは、代表的な
水溶性高分子と考えられ、その水溶液は透明であるが、
精密ろ過膜で定速ろ過すると、速やかにろ過圧が上昇す
る。また、そのろ過液の粘度は水に近いことから、その
水溶液において、カルボキシメチルセルロースは分子状
態で水中に溶解しているのではなく、微小ゲルの状態で
水中に懸濁しているものと考えられる。
【0086】浸漬型膜ろ過法により活性汚泥液をろ過処
理する場合において、ろ過抵抗が増大することが知られ
ているが、その原因が汚泥菌ではなくその分泌物である
水溶性巨大高分子物質にあることが示唆されている(例
えば、浜谷慎一郎他、第37回下水道研究発表会講演
集、7−90、2000)ことに鑑みると、カルボキシ
メチルセルロースの微小な水性ゲル懸濁液は、好適なろ
過モデル液としての資質を備えているものと考えられ
る。
【0087】カルボキシメチルセルロース水懸濁液の粘
度を大きく変化させたい場合には、比較的分子量の大き
いポリエチレンオキサイドを加える。カルボキシメチル
セルロースとは異なり、ポリエチレンオキサイドは分子
状態でほぼ完全に水に溶解し、その水溶液を精密ろ過膜
でろ過した液の粘度は、元の水溶液と変わらないからで
ある。したがって、カルボキシメチルセルロースの水懸
濁液、あるいはこれにポリエチレンオキサイドを加えて
粘度調整した液を用いると、一般性を失うことなく、上
述の解析予測を客観的に検証することができると考えら
れる。したがって、この試験では、カルボキシメチルセ
ルロースの水懸濁液をモデル液(試験液)として使用す
ることにした
【0088】解析結果の妥当性の検証試験 次に、解析結果の妥当性を検証するために、解析予測を
モデル液によって検証した結果を説明する。
【0089】先ず、耐熱性ポリ塩化ビニル樹脂14重量
部を溶剤であるテトラヒドロフラン56重量部に溶解
し、これに対してイソプロピルアルコール30重量部を
さらに添加した。このようにして得られた合成樹脂溶液
を、多孔体である厚さ0.12mmのポリエステル樹脂
系不織布に含浸させた後に乾燥した。これにより、平均
孔径が0.4μmの微孔を多数有するポリ塩化ビニル樹
脂フイルムによるろ過膜層と、ポリエステル樹脂系不織
布からなる支持膜層とが積層された、厚さが0.15m
mの複合膜を得た。また、この複合膜の支持膜層側にホ
ットメルト接着材を点在させ、厚さ0.15mmのポリ
エステル樹脂系不織布を補強層としてさらに積層した、
補強複合膜を別途製造した。
【0090】また、得られた補強複合膜を幅2cmのテ
ープ状に裁断し、この補強複合膜テープを、上述のよう
に幅方向の両端部が重なり合うように、また、補強層側
が表側になるように、表面に螺旋状の突起が形成される
よう円柱状の心棒に対して螺旋状に巻きつけた。そし
て、重なり合った部分を超音波溶着し、長さ約70c
m、内径7mm、肉厚0.3mm、突起の高さ0.05
mm、この突起を含む外径7.7mm、肉厚と外径との
比が0.045の管状ろ過膜を製造した。
【0091】上述のようにして得られた複合膜(補強層
のないもの)を用い、上述のような平膜モジュール50
を作成した。また、上述のようにして得られた管状ろ過
膜を用い、上述のような管状ろ過膜モジュール4を作成
した。各モジュールの仕様は表6の通りである。なお、
管状ろ過膜モジュール4では、収納容器10として内径
が28mmのプラスチックパイプを使用した。一方、平
膜モジュール50では、膜プレート52を構成する枠体
53と同じ幅で厚さ7mmのスペーサーを用い、膜プレ
ート52間の間隔を7mmに設定し、また、気泡と被処
理液の流路幅を膜幅と同じ4cmに設定した。各モジュ
ールをこのような小型に設定したのは、上述の式(5)
において、すべての管状ろ過膜11aおよびすべての膜
プレート52の間に均等に空気泡が分配されているもの
と仮定しているため、空気泡の分布が均一になるように
するためである。
【0092】
【表6】
【0093】次に、作成したモジュールを用い、上述の
ような浸漬型膜ろ過システム1に類似する浸漬型膜ろ過
システムを作成した。ここで、管状ろ過膜モジュール4
を用いた浸漬型膜ろ過システムでは、支持台5内におい
て当該モジュール4の底面から30cm下方に位置する
パイプに形成された口径4mmの空気泡噴出孔から空気
を噴出するように設定した。なお、支持台5内には、充
填物層7を配置しなかった。一方、平膜モジュール50
を用いた浸漬型膜ろ過システムでは、同じく支持台5に
相当する部材内において、当該モジュール50の底面か
ら30cm下方に位置する口径4mmの空気泡噴出孔か
ら空気を噴出するように設定した。
【0094】貯留槽2として、直径25cm、深さ17
0cmの透明容器を用い、この貯留槽2内に貯留したモ
デル液に対して浸漬型膜ろ過を実施した。この際、モデ
ル液の温度を26±1℃に調整した。モデル液として
は、表7に示す水溶液を使用した。表7中、CMCはカ
ルボキシメチルセルロースを、PEOはポリエチレンオ
キサイドをそれぞれ意味している。表7に示した粘度は
26±1℃における値である。
【0095】
【表7】
【0096】はじめに、ろ過液の粘度を測定し、CMC
とPEOの透過性を確認した。CMCのみの溶液の粘度
は、約1.5mPa・s以下(粘度計の読み取り精度の
限界)であり、一方、CMCとPEOとの混合溶液の粘
度は、PEOの濃度に相当する粘度であった。これらよ
り、大部分のCMCは水中に微小ゲルの状態で懸濁して
いるために膜を透過せず、PEOは水中に分子状態で溶
解しているために膜を素通りしたものと判断した。
【0097】ろ過流量が一定値に到達するまでの時間
は、空気流量が小さく、モデル液濃度が大きくなるとと
もに長くなる傾向が見られたが、概ね3時間であった。
以下のろ過流量には、この定常値が用いられている。な
お、ろ過流量は、20mlメスシリンダーとストップウ
オッチとを用いて測定した。容量の測定誤差は±0.1
mlである。
【0098】ろ過によりモデル液から排除される成分が
CMCのみであれば、よく知られた次のクロスフローろ
過フラックス式(6)において、CMCとPEOとの混
合液のCg、Cb(Cgはゲル化濃度であり、Cbはモデル
液中のCMC濃度である)はCMC濃度だけで決定さ
れ、また、その拡散係数Dは混合液の粘度に概ね反比例
するはずである。
【0099】
【数5】
【0100】したがって、CMC濃度を一定にした混合
液のフラックスは、次の式(7)のようになるはずであ
る。ただし、α、βは定数である。
【0101】
【数6】
【0102】管状ろ過膜モジュール4を使用して、空気
流量を1.5L/分に、また、水頭差を60cmにそれ
ぞれ設定して測定したろ過流量とモデル液の粘度との関
係を図13に示す。図において、直線の勾配は、拡散係
数Dが粘度に反比例するとした場合の理論値である−
0.67よりも小さいが、よい直線性を示している(拡
散係数Dが粘度の−1.25乗に比例するならば、理論
値と測定値とは一致する)。
【0103】空気の換算線速が実際の浸漬型膜ろ過法で
採用される空気流量に相当する領域では、上記式(5)
の平方根の値はほぼ1になるので、上記式(7)の線速
uは、空気の換算線速、すなわち空気の流量に比例す
る。したがって、上記式(2)、式(5)および式
(7)から、現実的には、ろ過流量は空気流量の1/3
乗に比例すると予想される。そこで、0.9%CMCと
PEOとの混合液を用いて水頭差を60cmに設定し、
空気流量を変えながら空気流量とろ過流量との関係を確
認した。結果を図14に示す。図14において、直線の
勾配0.33は、解析予測値の1/3に一致している。
【0104】次に、平膜モジュール50について、0.
9%CMCとPEOとの混合液を用いて水頭差を60c
mに設定し、空気流量を変えながら空気流量とろ過流量
との関係を確認した。結果を図15に示す。図15は、
管状ろ過膜モジュール4の場合と同様に、上記式(7)
が成り立っていることを示している。
【0105】最後に、これらの測定結果を用い、上記式
(2)および式(5)を検証する。両モジュールの仕様
から、空気流量を共通にすると、これらの式は、それぞ
れ次の式(2−1)および式(5−1)のようになる。
【0106】
【数7】
【0107】ここで、被処理液の密度を1,000kg
/m3、粘度を8mPa・sとして、ろ過流量比を計算
した結果を表8に示す。なお、表8における測定値は、
図14および図15のデータから求めた。
【0108】
【表8】
【0109】試験に使用した平膜モジュール50では二
枚の膜プレート52に対して三つの流路があることか
ら、線速がn>>1とした解析式よりも小さくなってい
ることを考慮すると、ろ過流量比の解析値と測定値は極
めてよく一致していると言える。
【0110】膜プレート52の間隔dと管状ろ過膜11
aの内径diとを同じにし、また、両モジュールについ
てモジュール設置面積と全空気流量とを同じにした場合
には、上記表5の結果が得られることも論理的に証明さ
れる。また、被処理液中の溶存成分が膜に不可逆的に吸
着したり、ケーク層が特異な挙動をしない限り、層流と
して近似できるすべての実液に対しても、ここで得られ
た結果は成り立つ。実際に、比較的よく制御された活性
汚泥液の浸漬型膜ろ過試験(例えば、大川論他、第37
回下水道研究発表会講演集、7−94、2000)で
は、ろ過流量が全空気流量の1/3乗にほぼ比例してい
る(当該講演集に記載されたグラフが小さいため、正確
なデータを読み取り難いが、概ね、ろ過流量は全空気流
量の1/3乗に比例していると判断することが可能であ
る)。
【0111】以上より、本実施の形態で用いた管状ろ過
膜モジュール4は、従来の膜モジュール、すなわち平膜
モジュール50に比べてコンパクト性において格段に優
れていることが判明した。
【0112】また、以上の検証試験の結果を考慮する
と、本実施の形態で用いられる管状ろ過膜モジュール4
は、外寸法を基準にした場合の単位容積当たりのろ過流
量が、同程度の空気流量の下で用いられる平膜モジュー
ルおよび中空糸膜モジュールの2倍以上になる。浸漬型
膜ろ過法は、その際に利用する空気流量が多くなるほど
ろ過処理に要するエネルギーコストが高まることになる
から、この管状ろ過膜モジュール4は、従来の平膜モジ
ュールや中空糸膜モジュールと比較した場合、経済性が
格段に優れていることもわかる。
【0113】管状ろ過膜モジュールのコンパクト化に関
する手段 本実施の形態で用いられる管状ろ過膜モジュール4のコ
ンパクト化を達成するためには、従来の技術の説明にお
いて引用した特開平9−47639号公報および特開平
9−99223号公報に記載されたモジュールのよう
に、収納容器10の中には管状ろ過膜群11以外の要素
を持ち込まず、可能な限り管状ろ過膜11aを密に充填
するのが好ましい。
【0114】ところで、管状ろ過膜モジュール4のコン
パクト性の指標になる、モジュールの単位容積当たりの
有効膜面積は、次式(8)で示される。
【0115】
【数8】
【0116】ここで、lは保持部10aの全長(図2に
おける上部及び下部の保持部10aの上下方向の長さの
合計に相当)、δは管状ろ過膜11aの肉厚である。ま
た、Sは、収納容器10の軸線方向に垂直な内部の断面
積、すなわち、上述の表1におけるモジュール設置面積
である。
【0117】保持部10aおよび平膜モジュール50に
あっては膜プレート52の枠体53は、ろ過膜を固定す
るためにすべてのモジュール形態で同程度の長さが必要
であることから、式(8)中のL/(L+l)の項はモ
ジュールの種類によってほとんど変わらないものと見な
すことができる。そうすると、管状ろ過膜モジュール4
の単位容積当りの有効膜面積は、充填率(収納容器10
内における管状ろ過膜11aの充填率)および内径と外
径との比(内径/外径)に比例し、外径に反比例する。
【0118】ここで、充填率は、表1に示したように、
収納容器10の軸線方向に垂直な内部の断面積に対し、
管状ろ過膜11aが占める面積の割合で定義される。よ
り具体的には、本実施の形態で用いられる管状ろ過膜モ
ジュール4における充填率(ε)は、次の式(9)のよ
うになる。
【0119】
【数9】
【0120】ここで、本実施の形態で用いられる管状ろ
過膜モジュール4において、管状ろ過膜11aの充填率
は、スペーサー13の内側を基準にすれば、最密充填状
態にほぼ等しい0.9に設定することができるが、スペ
ーサー13を含む収納容器10の内側を基準にすれば、
0.9よりも小さい値になる。
【0121】スペーサー13は、上述の通り、排出口1
2と管状ろ過膜群11との間に隙間を設け、排出口12
に向かうろ過液の流れの抵抗を軽減するためのものであ
るが、収納容器10の軸線方向に垂直な内部の断面積に
おいてスペーサー13が占める面積の割合は既述の通り
3〜10%で十分である。したがって、この点を考慮す
ると、この管状ろ過膜モジュール4のコンパクト化を達
成するためには、管状ろ過膜11aの充填率を少なくと
も0.70以上に設定するのが好ましく、0.75以上
に設定するのがより好ましいことになる。
【0122】なお、管状ろ過膜11aは、上記式(2)
が示すように、内径が大きくなると、ろ過流量が低下す
るだけでなく、必然的に外径も大きくなり、また、上記
式(8)から分かるように、モジュールの単位容積当た
りの有効膜面積も小さくなる。従って、このような観点
から、管状ろ過膜11aの内径は、15mm以下に設定
するのが好ましく、10mm以下に設定するのがより好
ましい。
【0123】また、上記(8)式から分かるように、単
位容積当たりの有効膜面積が大きい管状ろ過膜モジュー
ル4を得るためには、管状ろ過膜11aとして、肉厚と
外径との比が小さいものが好ましい。従って、このよう
な観点から、管状ろ過膜11aの当該比は、上述のよう
に0.1以下に設定されているのが好ましい。
【0124】充填物層の設計 上述の解析と実証試験とで示されるように、解析予測と
モデル液を用いた実証試験結果とは極めてよく一致し、
管状ろ過膜モジュール4は、従来の膜モジュールに比
べ、コンパクト性において特に格段に優れていることが
わかる。しかしながら、このような優れた特性を発揮さ
せるための要件として、支持台5の空間9内において、
空気泡の分布状況を適切に設定する必要がある。以下、
この点を説明する。
【0125】上述の通り、ろ過流量は空気流量の1/3
乗に比例する。したがって、空気泡の分布状態とろ過流
量の関係を的確に予測することが可能である。管状ろ過
膜11aの全本数がN本である管状ろ過膜モジュール4
において、すべての管状ろ過膜11aに対して均一に空
気泡が分配されている場合、当該管状ろ過膜モジュール
4におけるろ過流量JNは、次の式(10)で与えられ
る。式中、MNは管状ろ過膜モジュール4の有効膜面
積、jNは1本の管状ろ過膜11aのろ過流量、Qは全
空気流量、k、k´は定数である。なお、全空気流量Q
は、より具体的には、単位時間(1分間)当たりに、空
気泡供給装置6から空気泡として管状ろ過膜モジュール
4に供給される空気の全流量を意味している。
【0126】
【数10】
【0127】一方、n本の管状ろ過膜11aに、全平均
値(空気泡供給装置6から供給される空気泡の全流量を
管状ろ過膜の総本数で割った、管状ろ過膜1本当りの空
気流量の平均値、すなわち、Q/N)比でφだけ空気が
流れるとすると、残りの(N−n)本の1本当たりの空
気流量は、次の式(11)のようになる。
【0128】
【数11】
【0129】したがって、管状ろ過膜モジュール4のろ
過流量は、次の式(12)のように表される。
【0130】
【数12】
【0131】これより、次の式(13)が得られる。な
お、式中、r=n/Nであり、これは空気の流量が少な
い管状ろ過膜11aの割合を意味している。
【0132】
【数13】
【0133】図16は、式(13)を用いて、管状ろ過
膜モジュール4のろ過流量がφとrとにどのように依存
するかを示したものである。図において曲線の数値はφ
の値を示しているが、図が示すように、1/2以上(す
なわち、少なくとも半数)の管状ろ過膜11aに、空気
泡供給装置6から供給される空気泡の全流量を管状ろ過
膜11aの総本数で割った、管状ろ過膜11aの1本当
りの空気流量の平均値(上述の「全平均値」であり、以
下、全平均値という)の少なくとも30%の空気が通れ
ば、全ての管状ろ過膜11aに対して均等に空気泡を分
配したときの90%以上のろ過流量を確保することがで
きる。
【0134】したがって、支持台5の設計目標として重
要なことは、少なくとも半数の管状ろ過膜11aに対
し、全平均値の少なくとも30%の空気泡を分配できる
よう充填物層7を設定することである。このような条件
は、充填物層7を上述のように構成することにより達成
することができる。
【0135】本実施の形態に係る浸漬型膜ろ過装置3を
備えた浸漬型膜ろ過システム1は、上述の通り、浸漬型
膜ろ過装置3において被処理液中に含まれる夾雑物を捕
捉可能な充填物層7を有しているため、活性汚泥液のよ
うな高汚濁液のろ過処理用として用いられる場合におい
て特に効果的であるが、そのような高汚濁液だけではな
く、河川水のような低汚濁液をろ過処理する場合におい
ても効果的に利用することができる。すなわち、この浸
漬型膜ろ過装置3は、被処理液を選ばず、各種の被処理
液のろ過処理用に広く用いることができる。
【0136】特に、本実施の形態に係る浸漬型膜ろ過装
置3において、充填物71として上述のような微生物担
体としての機能を有する多孔性の中空円筒状物を用いた
場合、被処理液は、当該充填物71の表面積が大きいた
め、その表面や内部と効率的に接触する。そして、その
際に、被処理液の内部に含まれる各種の菌体は、充填物
71上に効率的に担持される。この結果、被処理液中に
含まれる菌体は、充填物層7を通過する際に取り除かれ
ることになるので、管状ろ過膜11aは、そのような菌
体の目詰まりによる閉塞も有効に抑制されることにな
る。したがって、このような浸漬型膜ろ過装置3を用い
た浸漬型膜ろ過システム1は、貯留槽2内に大量の被処
理液、特に、生活排水の活性汚泥処理液が急激に流入し
た場合であっても、安定的にろ過処理を実施することが
できる。
【0137】[他の実施の形態] (1)上述の実施の形態では、ろ過液の排出口12が収
納容器10の側面に設けられている管状ろ過膜モジュー
ル4を用いた場合について説明したが、本発明の浸漬型
膜ろ過装置において利用可能な管状ろ過膜モジュールは
これに限定されるものではない。
【0138】図17および図18を参照して、本発明の
浸漬型膜ろ過装置において利用可能な他の管状ろ過膜モ
ジュール200を説明する。この管状ろ過膜モジュール
200は、図17(管状ろ過膜モジュール200の縦断
面図)および図18(管状ろ過膜モジュール200の、
図17のXVIII−XVIII断面に相当する図)に
示すように、円筒状の収納容器210と、この収納容器
210内に充填された管状ろ過膜群211とを主に備え
ている。収納容器210は、例えば樹脂製の部材であ
り、円筒状の集水管212と、当該集水管212の軸を
中心としてその外側に間隔(空間)を設けて同心円状に
配置された円筒状の外筒213とを主に備えている。集
水管212は、図の下端部が閉鎖されており、また、図
の上端部が開口して排出口212aを形成している。ま
た、集水管212は、複数の通液孔212bを壁面に備
えている。
【0139】管状ろ過膜群211は、細長な円筒状に形
成された管状ろ過膜211aの多数本を含む群であり、
各管状ろ過膜211aは、収納容器210の集水管21
2と外筒213との間に形成された空間内に、集水管2
12と平行に充填されている。このような管状ろ過膜群
211の上端部および下端部は、それぞれウレタン樹脂
などの樹脂材料を用いて形成された保持部210aによ
り、各管状ろ過膜211aの開放状態を維持しつつ収納
容器210に対して一体的に保持されると共に固定され
ている。この結果、収納容器210の両端部は、当該保
持部210aにより液密に閉鎖されることになる。な
お、管状ろ過膜211aは、上述の実施の形態において
説明した管状ろ過膜11aと同様に形成されている。
【0140】なお、図17等では、理解の便のため、管
状ろ過膜211aの太さ、管状ろ過膜211a間の隙間
等を強調している。また、図面を理解し易くするため、
図17では管状ろ過膜211aの本数を少な目に表現
し、また、図18においては管状ろ過膜211aの一部
のみ表示している。
【0141】このような管状ろ過膜モジュール200
は、収納容器210における集水管212と外筒213
との間の軸方向に垂直な断面積(S’:図18におい
て、網掛け線で示す部位の面積)に対する集水管212
の外径(ds)の比(ds/S’)が0.3〜1m-1にな
るよう設定されているのが好ましい。また、下記の式
(14)で示される充填率が少なくとも0.8になるよ
う設定されているのが好ましい。なお、式(14)中、
Nは管状ろ過膜群211に含まれる管状ろ過膜211a
の本数、d0は管状ろ過膜211aの外径、S’は上記
断面積である。
【0142】
【数14】
【0143】この管状ろ過膜モジュール200は、充填
率などが上述のように設定されている場合、中空糸膜や
平膜を用いた従来のモジュールに比べて単位容積当たり
の膜面積が大きく、結果的に従来のモジュールよりもコ
ンパクト化が容易である。また、この管状ろ過膜モジュ
ール200を用いた浸漬型膜ろ過方式では、従来のモジ
ュールを用いた浸漬型膜ろ過方式の場合と空気泡の供給
量を同程度に設定した場合、同様の理由により、単位容
積当たりのろ過流量が従来のモジュールを用いた場合よ
りも多くなる。すなわち、この管状ろ過膜モジュール2
00は、上述の実施の形態において説明した管状ろ過膜
モジュール4と同じく、従来のろ過膜モジュールに比べ
てコンパクト性および経済性に優れている。特に、上述
の比(d s/S’)を上記範囲に設定した場合は、ろ過
時の圧力損失によるエネルギー効率の低下を軽微に抑え
ることができ、浸漬型膜ろ過の経済性をより高めること
ができる。したがって、この管状膜ろ過モジュール20
0は、上述の実施の形態において用いた管状ろ過膜モジ
ュール4と同じく、空気泡の供給に必要なエネルギーを
削減することができ、結果的に浸漬型膜ろ過方式の経済
性を高めることができる。
【0144】なお、このような管状ろ過膜モジュール2
00を用いて上述の実施の形態の場合と同様にして被処
理液のろ過処理をする場合、貯留槽2内に貯留された被
処理液は、空気泡供給装置6の空気泡噴出孔8aから噴
出しかつ充填物層7において均等に分散された空気泡に
伴い、図17に矢印で示すように、管状ろ過膜モジュー
ル200の各管状ろ過膜211a内を下側から上側に向
けて通過する。この際、被処理液は、管状ろ過膜211
aを内側から外側に通過してろ過され、また、被処理液
中に含まれるろ別成分は、管状ろ過膜211aのろ過膜
層20により採取され、被処理液から取り除かれる。ろ
別成分が取り除かれた被処理液(ろ過液)は、管状ろ過
膜211a間の隙間を通過し、通液孔212bから集水
管212内に流入する。集水管212内に流入したろ過
液は、排出口212aおよびそれに接続された排出路を
経由して収納容器210の外部に連続的に排出される。
このような一連のろ過処理により、貯留槽2内の被処理
液は、図1に矢印で示すのと同様に、管状ろ過膜モジュ
ール200を下側から上側方向に通過して自然に循環す
ることになる。
【0145】因みに、上述のような管状ろ過膜モジュー
ル200は、例えば次のような工程を経て製造すること
ができる。先ず、図19に示すような固定装置230を
用い、収納容器210を形成する。ここで用いる固定装
置230は、外筒213内に集水管212を同心状態で
固定するためのものであり、外筒213を保持するため
の外筒保持部231と、集水管212を保持するための
集水管保持部232とを備えている。
【0146】外筒保持部231は、外筒213の一端を
収納するための受け部233と、受け部233に対して
外筒213を固定するための押え板234とを有してい
る。受け部233は、外筒213の端部を収納可能な円
形の凹部233aを有しており、その凹部233aの中
心部には、孔部233bが形成されている。また、凹部
233aは、深さ方向の中程において、開口側の内径が
大きくなるよう設定されており、そのような内径の変更
部分において段部233cを形成している。さらに、凹
部233aの開口部周縁には溝235が形成されてお
り、当該溝235には環状のゴム弾性体235aが配置
されている。一方、押え板234は、中心部に外筒21
3を挿入可能な挿入孔234aを備えた部材であり、平
面形状が受け部233と概ね同じに設定されている。
【0147】一方、集水管保持部232は、シャフト2
36、位置決め部材237、押え具238およびナット
239を備えている。シャフト236は、集水管212
内に挿入可能でありかつ受け部233の孔部233bを
貫通可能な棒状の部材であり、一端に螺旋部236aを
有し、また、他端に頭部236bを有している。位置決
め部材237は、集水管212内に挿入可能な挿入部2
37aと、当該挿入部237aを集水管212内に挿入
した状態で集水管212から突出する突出部237bと
を一体的に有する概ね円柱状の部材であり、その中心部
にはシャフト236を貫通させるための貫通孔237c
が形成されている。突出部237bの突出量は、受け部
233の凹部233aにおける低部から段部233cま
での距離と同じに設定されている。押え具238は、集
水管212の内部に挿入可能な円板状の部材であり、中
心にシャフト236を挿入するための挿入孔238aを
有している。ナット239は、シャフト236の螺旋部
236aに対して装着可能なものである。
【0148】上述の固定装置230を用いて収納容器2
10を形成する場合は、先ず、外筒213を外筒保持部
231により保持する。ここでは、外筒213の一端を
受け部233の凹部233a内に挿入し、段部233c
に当接させる。そして、押え板234の挿入孔234a
内に外筒213が挿入された状態で、押え板234をゴ
ム弾性体235aに対して押し付けた状態で固定する。
これにより、外筒213は、一端が凹部233a内に挿
入された状態で保持されることになる。
【0149】次に、集水管保持部232を用い、集水管
212を外筒213の内部に配置する。ここでは、先
ず、位置決め部材237の挿入部237aの先端に管状
のゴム弾性体237dを装着し、その状態で当該挿入部
237aを集水管212内に挿入する。また、集水管2
12内に、位置決め部材237を挿入した側とは異なる
側から押え具238を挿入する。そして、シャフト23
6を、その頭部236bが押え具238に当接するよ
う、押え具238の挿入孔238aおよび位置決め部材
237の貫通孔237cに挿入する。この状態で、シャ
フト236の螺旋部236aが受け部233の孔部23
3bから突出するよう集水管212を外筒213の内部
に挿入し、螺旋部236aにナット239を装着する。
これにより、固定装置230は、集水管212が外筒2
13内で同心円状に配置された状態で両者を保持し、収
納容器210を形成することになる。
【0150】次に、上述のようにして形成された収納容
器210内に管状ろ過膜群211を充填する。ここで
は、図20に示すように、多数本の管状ろ過膜211a
を平行に束ねた管状ろ過膜群211を、外筒213と集
水管212との間に形成された空間内に挿入する。この
際、各管状ろ過膜211aの長さは収納容器210より
も大きく設定しておき、管状ろ過膜群211の両端部が
収納容器210から突出するよう設定する。また、各管
状ろ過膜211aの両端は、ヒートシールにより閉鎖し
ておく。
【0151】次に、樹脂材料を用い、管状ろ過膜群21
1を収納容器210に対して固定する。ここでは、先
ず、図20に示すようなモールド240を用意する。こ
のモールド240は、キャビティ241を備えたもので
あり、キャビティ240は管状ろ過膜群211を挿入可
能な中心部242と、中心部242の周りに連続して形
成された、収納容器210の外筒213を挿入可能な外
筒挿入部243とを備えている。このモールド240の
中心部242には、未硬化状態の樹脂材料244(例え
ば未硬化ウレタン樹脂)を注入しておく。
【0152】一方、固定装置230により形成された収
納容器210において、集水管212の開口側を、キャ
ップ245を用いて閉鎖する(図19)。そして、図2
0に示すように、収納容器210から突出している管状
ろ過膜群211をキャビティ241の中心部242内に
注入された樹脂材料244中に徐々に浸漬し、外筒21
3の端部を外筒挿入部243内で保持する。この状態を
樹脂材料244が硬化するまで維持し、樹脂材料244
が完全に硬化してからモールド240を取り外す。これ
により、管状ろ過膜群211の一端側は、収納容器21
0の一端側に対して固定されることになる。その後、収
納容器210から突出している、硬化した樹脂材料24
4および管状ろ過膜群211を切除し、また、キャップ
245を取り外す。
【0153】次に、収納容器210を固定装置230か
ら一旦分離し、収納容器210を逆向きにしてから再度
固定装置230により固定する。その状態で、モールド
240に対する上述のような操作を繰り返すと、管状ろ
過膜群211の他端側も収納容器210の他端側に対し
て固定され、目的とする管状ろ過膜モジュール200が
得られる。この際、集水管212の開口部をキャップ2
45で閉鎖しなければ、集水管212の内部にも樹脂材
料244が流入し、それが集水管212の一端を閉鎖す
ることになる。製造された管状ろ過膜モジュール200
において、収納容器210の両端部は、各管状ろ過膜2
11aの両端部を除き、硬化した樹脂材料244による
保持部210aが形成され、この保持部210aにより
液密に閉鎖されることになる。
【0154】なお、上述の製造工程において用いられる
樹脂材料244としては、上述の実施の形態において用
いた管状ろ過膜モジュール4の場合と同様、ウレタン樹
脂の他に、エポキシ樹脂などの他の熱硬化性樹脂やホッ
トメルト接着材を用いることもできる。また、上述の製
造工程においては、収納容器210と樹脂材料244と
の接着性を高めることを目的として、外筒213の内周
面および集水管212の外周面に対し、予め接着助剤の
利用による、またはコロナ放電処理による表面処理を施
しておいてもよいし、樹脂材料244のアンカー効果を
高めるための溝加工を加えておいてもよい。
【0155】(2)上述の実施の形態では、管状ろ過膜
モジュール4の収納容器10を円筒状に形成したが、収
納容器10は、筒状であれば特に限定されるものではな
く、例えば、角筒状に形成されている場合も本発明の空
気泡供給装置を同様に適用することができる。図21お
よび図22(図21のXXII−XXII断面図)に、
収納容器10を角筒状に形成した管状ろ過膜モジュール
4の例を挙げる。この管状ろ過膜モジュール4におい
て、収納容器10は、上述の実施の形態の場合と同じく
側面にろ過液の排出口12を有しているが、スペーサー
13は、当該排出口12が形成されている面にのみ形成
されている。したがって、管状ろ過膜群11は、スペー
サー13が形成されている面を除き、収納容器10の内
面に密着するように充填されている。このような管状ろ
過膜モジュール4においても、管状ろ過膜群11と排出
口12との間にはスペーサー13による隙間が形成され
るため、管状ろ過膜11aからのろ過液は、円滑に排出
口12から外部に排出されることになる。
【0156】なお、このような角筒状の収納容器10を
備えた管状ろ過膜モジュール4を浸漬型膜ろ過装置3に
用いる場合、支持台5は、管状ろ過膜モジュール4の形
状に対応させて角筒状に形成する必要がある。
【0157】(4)上述の実施の形態では、管状ろ過膜
11a、211aの外周面に螺旋状の突起22を設けた
が、このような突起22を設けない場合であっても、管
状ろ過膜モジュール4,200は逆洗することができ
る。
【0158】また、上述の実施の形態では、管状ろ過膜
11a,211aにおいて突起22を連続した螺旋状に
設けたが、突起22の形態はこれに限定されるものでは
ない。すなわち、突起22は、支持膜層21の外周面に
おいて部分的に設けられていればよく、例えば、断続的
な螺旋状や点状などの各種の形態で設けられていてもよ
い。
【0159】(5)上述の実施の形態では、管状ろ過膜
11a、211aをろ過膜層20と支持膜層21との2
層構造に形成したが、管状ろ過膜11aの潰れ圧を、そ
の肉厚と外径との比を適宜設定することにより上述の所
要の値に設定する場合は、図23に示すように、支持膜
層21の外周面にさらに通液性を有する補強層25を配
置してもよい。
【0160】ここで用いられる補強層25は、通液性を
有するものであれば特に限定されるものではないが、通
常は支持膜層21を構成するものと同様の不織布、特に
ポリエステル樹脂系の不織布が好ましく用いられる。な
お、このような補強層25を備えた管状ろ過膜11a、
211aは、通常、管状ろ過膜11a、211aを製造
するために用いられる上述の複合膜23の支持膜層21
側にさらに補強層25が積層された複合膜を用いると製
造することができる。このような複合膜を製造する場合
において、補強層25は、通常、支持膜層21の表面に
ホットメルト接着剤や熱硬化性接着剤を点在させて接着
するのが好ましい。このようにすると、複合膜は、補強
層25によりろ過抵抗が高まるのを抑制することがで
き、上述の実施の形態に係る管状ろ過膜11a、211
aと同様のろ過抵抗、すなわち、ろ過液の通過性を達成
することができる。
【0161】管状ろ過膜11a、211aがこのような
補強層25を備えている場合、当該管状ろ過膜11a、
211aの肉厚および外径は、この補強層25を含めて
計算する。また、管状ろ過膜11a、211aの表面に
上述のような突起22を形成する場合、当該突起22は
補強層25の表面に形成する必要がある。
【0162】なお、上述の検証試験において用いた管状
ろ過膜は、このような補強層25を有するものである。
【0163】
【実施例】実施例1 (管状ろ過膜モジュールの製造)上述の検証試験の際に
作成したものと同じ突起付き管状ろ過膜を用い、図2に
示す管状ろ過膜モジュール4と同様のモジュールを製造
した。ここで、収納容器には、全長が70cmのJIS
K 6741−1975呼び−300−の水道管用硬
質塩化ビニル管(呼び圧力500kPa 、近似内径2
98mm、厚さ9.2mm、1m当たりの重量14k
g)を利用し、これに同呼び−25−の硬質塩化ビニル
製のネジ付きソケットを溶接して排出口を形成した。排
出口の位置は、その中心位置が収納容器の先端から7c
mになるよう設定した。
【0164】また、収納容器用に用いたものと同じ硬質
ビニル管から、断面がくさび形状の環状スペーサー片を
2つ切り出した。そして、各環状スペーサー片を、水道
管用接着剤を用いて収納容器の両端から約1cm内側の
ところにおいて収納容器の内周面に接着し、図2に示す
ようなスペーサー13を収納容器内に設けた。なお、こ
のスペーサーは、収納容器の内周面側の上下方向の幅が
2cm、収納容器の中心側の上下方向の幅が3cmであ
り、また、円周方向の約5cm毎に、幅5mmのスリッ
トを有するものである。この収納容器において、スペー
サー部分の近似内径、すなわち後述する管状ろ過膜群を
充填可能な領域の内径は280mmである。
【0165】次に、上述の管状ろ過膜を1,150本用
意し、各管状ろ過膜の長さを78cmに切り揃えると共
に、各管状ろ過膜の両端をヒートシールした。そして、
これらの管状ろ過膜を束ねて管状ろ過膜群を形成し、こ
の管状ろ過膜群を上述の収納容器内に挿入した。ここ
で、管状ろ過膜群は、その両端が収納容器の両端からそ
れぞれ4cm突出した状態になるよう設定した。これに
より、管状ろ過膜群と収納容器とが組合わされた組合せ
体を得た。
【0166】次に、組合せ体の一端側を未硬化のウレタ
ン樹脂を入れたテフロン(登録商標)製のモールド内に
徐々に浸し、ウレタン樹脂が完全に硬化するまで放置し
た。ウレタン樹脂の硬化後、組合せ体の他端側について
も同様の処理をした。次いで、硬化したウレタン樹脂を
収納容器の両端で切り落とし、実用規模の目的とする管
状ろ過膜モジュールを得た。なお、管状ろ過膜群を収納
容器に対して固定する、ウレタン樹脂からなる保持部の
長さは、収納容器の上下について、それぞれ約5cmに
設定した。
【0167】この管状ろ過膜モジュールは、有効膜面積
が15m2であり、また、管状ろ過膜の充填率は0.7
7であった。また、当該モジュールの外寸法を基準にし
た単位容積当たりの膜面積は270m2/m3であった。
この値は、同程度の規模の平膜モジュール、中空糸膜モ
ジュールの約2倍である。したがって、この管状ろ過膜
モジュールは、上述の検証試験の結果によると、浸漬型
膜ろ過時においてすべての管状ろ過膜に対して均等に空
気泡が分配されるならば、外寸法を基準にした容積当り
のろ過流量が、同程度の空気流量により平膜モジュール
や中空糸膜モジュールを用いて浸漬型膜ろ過を実施する
場合の2倍以上になる。
【0168】(支持台の製造)次に、図1に示すような
支持台5と同様の支持台を製造した。ここで、支持台に
は、上述の管状ろ過膜モジュールで用いた収納容器と断
面形状が同じ円筒状のものを用い、その内部に図1に示
すような空気泡供給装置6と充填物層7とを配置した。
ここで用いた充填物層は、充填物として、比表面積が5
00m/m、外径が20mm、内径が16mm、長
さが20mmの大きさに形成された、ポリプロピレン樹
脂からなる多孔性の中空円筒状物であって微生物担体と
しての機能を有するものである。なお、この充填物層の
厚さ(図1のD)は約150mmに設定し、また、支
持台内において、充填物層と管状ろ過膜モジュールとの
間に形成される空間の厚さ(図1のD)は約150m
mに設定した。
【0169】(浸漬型膜ろ過システムの製造)図24に
示すような浸漬型膜ろ過システムを製造した。ここで
は、先ず、上述の支持台5上に管状ろ過膜モジュール4
を配置して浸漬型膜ろ過装置3を製造した。また、管状
ろ過膜モジュール4の排出口12に排水ホース104を
接続し、空気泡供給装置の空気供給パイプ8に空気供給
ホース105を接続した。そして、その状態で、浸漬型
膜ろ過装置3を水槽106内に収容した。なお、ここで
用いた水槽106は、内径が約70cm、高さが約15
0cmの円筒状のものである。
【0170】次に、空気供給ホース105の他端に、最
大吐出量250NL/分、最大吐出圧40kPaのエア
ーポンプ107を接続した。また、水槽106には設置
面から約135cmの高さ位置にオーバーフロー口10
8を設け、これから溢れ出る被処理液を、排水ホース1
04からのろ過液とともにバケツ109に集めて循環ポ
ンプ110により水槽106内に戻すよう設定した。
【0171】(ろ過流量の測定)水槽106とバケツ1
09に0.1%CMC溶液と0.8%PEOとの混合液
を入れ、水頭差Pを60cmに設定した。そして、エア
ーポンプ107から支持台5内の空気泡供給装置に対し
て供給する空気流量を変えながら、ろ過流量を測定し
た。結果を表9に示す。この結果は、小型の管状ろ過膜
モジュールを用いて測定した上記検証試験の結果に有効
膜面積比を乗じた値とほぼ一致している。これより、こ
の実施例の浸漬型膜ろ過装置は、管状ろ過膜モジュール
4内に充填された1/2以上の管状ろ過膜に対し、全平
均値の30%以上の空気泡を分配できていることが分か
る。
【0172】
【表9】
【0173】比較例1 支持台5として、充填物層7が内部に配置されていない
ものを用いた点を除き、実施例1のものと同様の浸漬型
膜ろ過装置を製造した。そして、この浸漬型膜ろ過装置
を用い、実施例1の場合と同様にして空気流量とろ過流
量の関係を測定した。結果を表10に示す。表10よ
り、同じ管状ろ過膜モジュール4を用いた場合であって
も、この比較例の浸漬型膜ろ過装置では管状ろ過膜に対
して均等に気泡を供給することができないため、実施例
1の場合に比べ、同じ空気流量であってもろ過流量が7
0〜77%に減少していることがわかる。
【0174】
【表10】
【0175】
【発明の効果】本発明の浸漬型膜ろ過装置は、上述のよ
うな管状ろ過膜モジュールと空気泡供給装置との間に上
述のような充填物層を配置しているため、浸漬型膜ろ過
方式による被処理液の効率的なろ過処理を実施すること
ができる。
【0176】特に、この浸漬型膜ろ過装置は、充填物層
に含まれる充填物として、上述のような微生物担体とし
ての機能を有するものを用いた場合、生活排水の活性汚
泥処理液を処理する場合であっても、管状ろ過膜の目詰
まりが起こりにくく、安定的にろ過処理を実施すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る浸漬型膜ろ過装置
が採用された浸漬型膜ろ過システムの概略図。
【図2】前記浸漬型膜ろ過装置に採用された管状ろ過膜
モジュールの縦断面図。
【図3】前記管状ろ過膜モジュールの、図2のIII−
III断面に相当する図。
【図4】図3のIV矢視図。
【図5】図4のV−V断面図。
【図6】前記管状ろ過膜モジュールで用いられる管状ろ
過膜の斜視図。
【図7】図6のVII−VII断面端面図。
【図8】前記管状ろ過膜の製造工程を示す図。
【図9】前記管状ろ過膜モジュールの一製造工程を示す
図。
【図10】前記管状ろ過膜モジュールの他の製造工程を
示す図。
【図11】平膜モジュールの一例の部分断面正面図。
【図12】前記平膜モジュールに用いられる膜プレート
の一部切欠斜視図。
【図13】検証試験で用いたモデル液の粘度とろ過流量
との関係を示すグラフ。
【図14】検証試験において実施した、管状ろ過膜モジ
ュールにおける空気流量とろ過流量との関係を調べた結
果を示すグラフ。
【図15】検証試験において実施した、平膜モジュール
における空気流量とろ過流量との関係を調べた結果を示
すグラフ。
【図16】管状ろ過膜モジュールにおける、空気の流量
が少ない管状ろ過膜の割合とろ過流量との関係を示すグ
ラフ。
【図17】前記浸漬型膜ろ過装置において利用可能な他
の形態の管状ろ過膜モジュールの縦断面図。
【図18】前記他の形態の管状ろ過膜モジュールの、図
17のXVIII−XVIII断面に相当する図。
【図19】前記他の形態の管状ろ過膜モジュールの一製
造工程を示す図。
【図20】前記他の形態の管状ろ過膜モジュールの他の
製造工程を示す図。
【図21】前記浸漬型膜ろ過装置において利用可能なさ
らに他の形態の管状ろ過膜モジュールの縦断面図。
【図22】前記さらに他の形態の管状ろ過膜モジュール
の、図21のXXII−XXII断面に相当する図。
【図23】他の実施の形態に係る空気泡供給装置の縦断
面図。
【図24】実施例1で用いたろ過流量測定装置の概略
図。
【符号の説明】
2 貯留槽 3 浸漬型膜ろ過装置 4,200 管状ろ過膜モジュール 6 空気泡供給装置 7 充填物層 10,210 収納容器 12,212a 排出口 10a,210a 保持部 11,211 管状ろ過膜群 11a,211a 管状ろ過膜 71 充填物 212 集水管 212b 通液孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 尚樹 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 Fターム(参考) 4D003 AA01 AB02 BA04 EA05 EA15 EA19 FA06 4D006 GA07 HA26 HA34 HA41 HA93 JA31A KE30R MA02 MA06 MC27 PB08 PC62

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貯留槽内に貯留された被処理液に対して浸
    漬型膜ろ過方式を適用するための浸漬型膜ろ過装置であ
    って、 内面に前記被処理液のろ過機能を有する管状ろ過膜の複
    数本がろ過液出口を有する筒状の収納容器内に収容され
    かつその両端部で保持された、前記管状ろ過膜が上下方
    向に開口するよう前記貯留槽内に配置された管状ろ過膜
    モジュールと、 前記管状ろ過膜モジュールの下方に配置された、前記管
    状ろ過膜モジュールに向けて空気泡を供給するための空
    気泡供給装置と、 前記管状ろ過膜モジュールと前記空気泡供給装置との間
    に配置された、前記空気泡供給装置からの前記空気泡を
    前記管状ろ過膜モジュールに向けて分散させながら案内
    するための、充填物を含む充填物層と、を備えた浸漬型
    膜ろ過装置。
  2. 【請求項2】前記充填物層は、少なくとも半数の前記管
    状ろ過膜に対し、前記空気泡供給装置から供給される前
    記空気泡の全流量を前記管状ろ過膜の総本数で割った、
    前記管状ろ過膜1本当りの空気流量の平均値の少なくと
    も30%の前記空気泡を分配可能なように前記空気泡を
    分散可能に設定されている、請求項1に記載の浸漬型膜
    ろ過装置。
  3. 【請求項3】前記充填物は、外径が5〜50mm、長さ
    が5〜50mmの多孔性の中空円筒状物である、請求項
    1または2に記載の浸漬型膜ろ過装置。
  4. 【請求項4】前記中空円筒状物が微生物担体である、請
    求項3に記載の浸漬型膜ろ過装置。
  5. 【請求項5】前記被処理液が生活排水の活性汚泥処理液
    である、請求項4に記載の浸漬型膜ろ過装置。
  6. 【請求項6】前記管状ろ過膜モジュールは、通液孔を有
    する筒状の集水管および前記集水管の外周に間隔を設け
    て配置された外筒を備えた筒状の収納容器と、前記集水
    管と前記外筒との間に配置された、円筒状に形成されか
    つ内面にろ過機能を有する管状ろ過膜の複数本を含む管
    状ろ過膜群と、前記収納容器の両端部に設けられた、前
    記管状ろ過膜群の長手方向両端部を保持するための保持
    部とを備え、前記集水管が前記管状ろ過膜によりろ過さ
    れた前記被処理液を外部に排出するための前記ろ過液出
    口を有している、請求項1、2、3、4または5に記載
    の浸漬型膜ろ過装置。
  7. 【請求項7】前記管状ろ過膜は内径が3〜15mmであ
    る、請求項1、2、3、4、5または6に記載の浸漬型
    膜ろ過装置。
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