JPWO2014128850A1 - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents

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Abstract

機械的強度及び透水性等を確保しながら、水処理効率及び経済性をさらに向上させることができる水処理装置及び水処理方法を提供することを目的とする。外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を用いた膜モジュールを備える水処理装置を用い、全ろ過よる水処理と、逆洗とを交互に行なうことを含む水処理方法。

Description

本発明は、水処理方法及び水処理装置に関し、より詳細には、いわゆる大口径の中空糸膜を利用した膜モジュールを備える水処理装置及びそれを用いる水処理方法に関する。
従来から、例えば、河川水及び地下水の除濁、工業用水の清澄、排水及び汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製のために、中空糸膜が利用されている。
このような中空糸膜は、通常、水処理装置において分離膜として利用されており、例えば、ポリスルホン(PS)系、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)系、ポリエチレン(PE)系、酢酸セルロース(CA)系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ポリビニルアルコール(PVA)系、ポリイミド(PI)系等の種々の高分子材料によって形成されている。
一般に、中空糸膜に要求される性能としては、目的とする分離特性に加え、優れた透水性を有すること、物理的強度に優れていること、各種化学物質に対する安定性(つまり、耐薬品性)が高いこと、付着した汚れを容易に除去できる又はろ過時に汚れが付着しにくい(つまり、耐汚染性が優れている)こと等が挙げられる。
特に、安全な水を定常的に大量に供給することが求められている状況下においては、より効率的かつより経済的に、被処理水に含有される種々の成分を膜によって分離して大量の水を供給することが必要である。
このために、例えば、所定間隔ごとに薬液による洗浄などが行なわれている(例えば、特開2006−102634号)。
しかし、薬液による洗浄には、比較的長時間を要し、薬液を高速で膜内に循環させるために、大量の薬液を必要とし、その間の水処理運転の停止を余儀なくされるという欠点がある。また、用いる薬品のコスト、排薬品の処理コスト等が発生し、運転コストが増大する。
近年の排水処理では、生物処理水槽に併設した水処理膜モジュールの中空糸膜の内部に生物処理水を流し、内圧によるろ過を行う内圧式(槽外式)MBRが提案されている。
これらの内圧式MBRで用いられる水処理膜モジュールでは、従来の比較的内径が小さい中空糸膜を用いると、生物処理水中の大小さまざまな固形分に起因する目詰まりが生じる。そのため、大小さまざまな固形分を含む生物処理水に起因する膜モジュール端面での固形分の堆積による閉塞が発生しないよう、内径が5〜10mm程度のチューブラー状の水処理膜が用いられている。
しかし、チューブラー膜による処理は、水処理膜の内径大型化に従い、処理時の内圧への耐性が低下するため、強固な支持体もしくは膜厚の増大が必要となる。その一方、膜表面に濁度成分をはじめとした汚れが堆積した場合には、通常、処理量が低下した際に中空糸膜において逆圧洗浄(逆洗)されるが、支持体を用いたチューブラー膜では、支持体に貼り付けられているチューブラー膜そのものの剥がれによる破損が発生しやすい。特に、高浮遊物質を含有する水処理に適した内圧式全ろ過方式のチューブラー膜では、逆洗が実質的に不可能である。よって、逆洗以外の方法で透水量の低下を防ぐためにスポンジボールの使用、高い内部流速の維持など、システムの複雑化及び消費エネルギーの増大が余儀なくされることが現状である。
また、水処理膜の膜厚を増大させると、処理水量に対する設置面積効率が低下するという新たな課題を招く。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、機械的強度及び透水性等を確保しながら、水処理効率及び経済性をさらに向上させることができる水処理方法及び水処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の発明を含む。
(1)外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を用いた膜モジュールを備える水処理装置を用い、
全ろ過よる水処理と、逆洗とを交互に行なうことを含む水処理方法。
(2)外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を用いた膜モジュールを備える水処理装置を用い、
全ろ過による水処理と、フラッシングとを交互に行い、定期的又はランダムなタイミングで逆洗を行うことを含む水処理方法。
(3)前記全ろ過による水処理または逆洗の後あるいは前記全ろ過による水処理及び逆洗の間にドレン又はフラッシングを行なう上記いずれかの水処理方法。
(4)前記水処理、逆洗又はフラッシングにおいて気泡又は超音波を、前記膜モジュール又は膜モジュールの上流側に導入する上記いずれかの水処理方法。
(5)気泡又は超音波を、間欠的に導入する上記いずれかの水処理方法。
(6)前記水処理の前処理として、除濁を行なうことなく被処理水を全ろ過に付す上記いずれかの水処理方法。
(7)前記水処理の前処理として予め活性炭又は凝集剤で処理した被処理水を全ろ過に付す上記いずれかの水処理方法。
(8)前記逆洗時に薬液を用いる上記いずれかの水処理方法。
(9)水処理装置が、さらに、
被処理水を貯留する被処理水槽と、
該被処理水槽内にマイクロバブルを発生させるマイクロバブル発生装置と、
前記被処理水槽の下方に連結された管とを備え、
前記被処理水槽の被処理水にマイクロバブルを供給し、該被処理水内に存在する汚泥によるスカムを浮上させ、かつ、被処理水槽の下方から被処理水を取水して前記膜モジュールに供給し、前記被処理水の固液分離を行う上記いずれかの水処理方法。
(10)前記水処理において、ろ過圧力が所定圧力よりも上昇した際又はろ過流量が所定流量よりも下降した際に、あるいは
前記逆洗時における逆洗圧力が所定逆洗圧力よりも上昇した際又は逆洗流量が所定逆洗流量よりも下降した際に、薬液を用いる上記いずれかの水処理方法。
(11)被処理水槽と、
該被処理水槽外に配置され、外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を用いた膜モジュールと、
透過水槽と、
前記被処理水槽と、膜モジュールと、透過水槽とをこの順に連結する連結管と、
前記被処理水槽と前記膜モジュールとの間の連結管に第1のポンプ、及び
前記膜モジュールと透過水槽との間の連結管に第2のポンプとを備える水処理装置。
(12)被処理水が貯留された被処理水槽と、
外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を用いた、前記被処理水を処理する膜モジュールと、
前記膜モジュールに接続され、前記膜モジュールに前記被処理水及び気体を供給する気液供給管と、
前記被処理水槽及び前記気液供給管に接続され、前記被処理水槽の前記被処理水を前記気液供給管に供給する液体供給管と、
前記気液供給管に接続され、前記気液供給管に前記気体を供給する気体供給管と、
前記気体供給管に接続され、前記気体供給管を通じて、前記気液供給管に前記気体を供給する気体供給装置と、を備え、
前記液体供給管及び前記気液供給管の接続部分が、前記被処理水槽における前記被処理水の水面よりも低い位置にある水処理装置。
(13)前記中空糸膜が、塩化ビニル系樹脂により形成されてなる上記いずれかの水処理装置。
(14)前記水処理装置が、前記膜モジュールを1以上と開閉手段とを含むろ過装置を備え、
前記膜モジュールは、
複数本の長手方向に延長した前記中空糸膜と、
該中空糸膜を収容するケースと、
該ケースに設けられ、前記中空糸膜外側空間と連通する第1管口と、
前記ケースの別の部位に設けられ、前記中空糸膜の両端で前記中空糸膜内側空間と連通する2つの第2管口とを備え、
前記開閉手段は、
貫通孔又は切欠を備える、回転可能又は移動可能な板状又は管状部材を有し、
前記中空糸膜の一端又は両端、あるいは前記1つ又は2つの第2管口近傍に配置され、かつ
前記板状又は管状部材の回転又は移動により、前記中空糸膜の一部又は前記膜モジュールが2以上備えている場合の該膜モジュールの一部を経時的に開通及び閉塞させる上記いずれかの水処理装置。
(15)前記ろ過装置が、複数の膜モジュールを有し、
前記開閉手段は、
該複数の膜モジュールの一方の前記第2管口それぞれに連結された継ぎ手を有し、
該継ぎ手は、長手方向に延長した円管形状であり、その内側に内管を有し、外周面に複数配列された連結口を備え、該連結口を介して前記第2管口それぞれに連結されており、
前記内管は、その側面に複数の孔を有し、かつ前記継ぎ手の管中心を軸として回転可能又は長手方向に移動可能であり、
前記内管の複数の孔は、前記長手方向において前記継ぎ手の連結口にそれぞれ対応する位置であって、かつ、前記連結口に対応する位置での前記内管の外周面において内管の断面方向から見てそれぞれ異なる位置に配置されている上記いずれかの水処理装置。
(16)前記開閉手段は、
前記中空糸膜の延長方向と同方向に軸を有し、前記中空糸膜の端面に物理的に近接して前記中空糸膜の複数本のうちの一部を閉塞する回転子を備える上記いずれかの水処理装置。
(17)さらに、被処理水槽内にマイクロバブルを発生させるマイクロバブル発生装置を備え、
前記被処理水槽と連結された管が、前記被処理水槽の下方に連結されている上記いずれかの水処理装置。
(18)前記被処理水槽が生物反応槽であり、
前記被処理水槽と連結された管が、前記生物反応槽から膜モジュールに汚泥含有液を供給する供給管であり、
さらに、膜モジュールから排出される汚泥含有液を前記生物反応槽の汚泥含有液中に戻す戻し管を有している上記いずれかの水処理装置。
本発明によれば、大口径を有する中空糸膜を使用した膜モジュールを備えた水処理装置及びこれを用いたデッドエンドろ過方法によって、汚濁物の堆積防止及び汚染からの回復と、低エネルギーでの運転とを両立させることができる。
また、本発明によれば、機械的強度及び透水性等を確保しながら、高圧での逆洗を実行することが可能となる。
その結果、高い水処理効率と経済性を確保することができる水処理装置および水処理方法を提供することができる。
本発明で使用される膜モジュールの概略断面図である。 本発明の水処理装置の概念図である。 本発明で使用される膜モジュールの中空糸膜の製造方法を説明するための概略図である。 本発明の別の水処理装置の概念図である。 本発明のさらに別の水処理装置の概念図である。 本発明のさらに別の水処理装置の概念図である。 本発明のさらに別の水処理装置の概念図である。 本発明の水処理装置に用いられる膜モジュールと継ぎ手の連結状態を説明するためのろ過装置の要部の概略断面図である。 図7Aのろ過装置の一部の部分拡大図である。 図7Aのろ過装置で用いられる継ぎ手内の内管の側面図である。 ろ過装置の一部の部分拡大図である。 ろ過装置で用いられる回転子の平面図である。 回転子を配置した場合の膜モジュールの概略断面図である。 本発明の水処理装置における循環装置を説明するための概念図である。 本発明のさらに別の水処理装置の概念図である。 本発明のさらに別の水処理装置の概念図である。 本発明のさらに別の水処理装置の概念図である。
1 膜モジュール
1a 被処理水供給口(第2管口)
1b 排水口(第2管口)
1c 透過水取出口(第1管口)
2 中空糸膜
3 継ぎ手
3a、3a−1、3a−2、3a−3 連結口
4 内管
4a、4a−1、4a−2、4a−3 孔
5 モータ
6 管
10 ケース
10a、10b 端面
11 シール材
13、32 回転子
13a 軸
13b、32b 閉塞部
13d、32d 開放部
20 薬液槽
21 薬液注入ポンプ
22、28 自動弁
23 被処理水槽
24 水供給ポンプ
24a 第1のポンプ
25 逆洗ポンプ
26 透過水槽
27 気体供給装置
29 第2のポンプ
30 凝固槽
31 紡糸金型
34 膜
35 切断
36 水平方向
37 吐出口の位置
38 切断位置
39 ローラー
40 生物反応槽
41 生物処理水貯留槽
42 空気供給装置
42a、55 空気供給管
43 マイクロバブル発生装置
43a マイクロバブル供給管
44 供給管
45 戻し管
51 第3のポンプ
52 流量調整手段
52a、52b 弁
53 好気槽
54 無酸素槽
56 嫌気槽
57 有機排水
58 攪拌手段
59 液体供給管
60 気体供給管
61 気液供給管
実施形態1
本発明の水処理装置は、特定の中空糸膜を用いた膜モジュールを備える。
(中空糸膜)
本発明の水処理装置で用いられる中空糸膜は、ポリマーによって形成され、自立構造を有し、両面において分離機能を有する膜である。
通常、強度が弱い素材は、より強度の強い素材(セラミック、不織布等)から形成される支持体との複合体としなければ、所望の形状、例えば、円筒形状、チューブ形状等を維持することができない。従って、従来の比較的大口径の中空糸膜は、膜を形成するポリマー素材に加えて、水処理膜としての使用時に、所望の形状を保持できるよう、膜を支持する構造体として、筒状のセラミック又は筒状に成形した不織布等を伴っていた。
なお、このような支持体の表面は、通常、分離機能を有さない。ここで分離機能とは、精密ろ過以上の分離機能を意味する。
一方、本発明で用いられる中空糸膜は、筒状などの所望の形状を変化させない、異なる材料(例えば、不織布、紙、金属、セラミック等)から形成される支持体を伴わない、支持体フリーの膜である。つまり、自立構造を有する支持体上に塗布することにより得られる膜とは異なる。にもかかわらず、中空糸膜としての使用のために円筒、チューブ形状等の所望の形状が保持される十分な強度を有し、すなわち「自立構造」を有している。
このため、後述する逆洗時においても、ろ過機能を担当する膜部分が支持体から剥離することもなく、また、セラミック等の支持体を用いたチューブ形状膜等とは異なり、優れた透水性能を確保することができる。
特に、両面において分離機能を有することにより、逆洗時における汚染を防止することができ、中空糸膜内部の汚染を回避することができる。また、中空糸膜の一方の面が目詰まりや損傷した場合でも、他方の面によって分離機能を確保することができる。
なお、その両面において分離機能を有しているかぎり、本発明で用いる中空糸膜は、当該分野で公知の方法、例えば、コーティング法、多層又は単層押し出し法、ラミネート法、熱誘起相分離法(TIPS)、非溶媒誘起相分離法(NIPS)、延伸法などを利用して製造することができる。具体的な方法は、WO2011/108579に記載されたものを利用することができる。なかでも、熱又は溶媒で溶かした1種以上のポリマーから成形する、NIPS法、TIPS法によって製造することが好ましい。
なお、本発明で用いる中空糸膜は、異なる組成のポリマーを共押出又はラミネートすることにより得られる一体的な積層膜も含まれる。なかでも、単一主要構成素材により形成されている膜が好ましい。
ここで、単一主要構成素材とは、その主要材料が単一材料であることを意味する。単一材料とは、主要構成素材が1種であることを意味する。つまり、中空糸膜を形成する素材(例えば、膜を構成する樹脂)において、1種の樹脂が50質量%以上(好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上)を占めていることを意味し、あるいは、その1種の樹脂の性質が構成素材の性質を支配していることを意味する。具体的には、1種の樹脂が50〜99質量%を有する素材を意味する。ただし、単一材料には、後述する素材自体又は中空糸膜の製造の際に通常用いられる添加剤、樹脂の加工性等を改善するための後述するような添加剤等は含有していてもよい。
単一主要構成素材により形成されている中空糸膜は、各層の主要構成素材が共通する積層構造を有する中空糸膜を包含する。
また、別の観点から、本発明で用いる中空糸膜は、ポリマーのみで構成される均一構造膜が好ましい。ここでの均一構造とは、ポリマーが溶融又は溶解した後、相分離または相変化を経て作られる構造を意味する。
このような単一主要構成素材としては、塩化ビニル系樹脂、ポリスルホン(PS)系、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)系、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系、酢酸セルロース(CA)系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ポリエーテルスルフォン系、ポリビニルアルコール(PVA)系、ポリイミド(PI)系等の種々の高分子材料を用いることができるが、塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。これら材料は、市販されているもの、周知の方法により各種モノマーから重合して得られるものなど、いずれの材料をも利用することができる。
特に、本発明で用いる中空糸膜が単一素材から形成される場合、その中空糸膜は、単一構造及び均一構造を有する。
このように、いずれの材料によって形成されているとしても、本発明で使用される中空糸膜は機械的強度が高い。例えば、中空糸膜が塩化ビニル系樹脂の単一素材からなる単層構造の場合、破断強度が10〜100N/本程度、破断伸度が5〜100%程度である。この強度及び伸度は、例えば、JISK6301の測定方法に準じて、チャック間50mm、引っ張り速度200mm/分で測定した値である。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単独重合体(塩化ビニルホモポリマー)、塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーと塩化ビニルモノマーとの共重合体、重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト共重合したグラフト共重合体、これらの塩化ビニルモノマー単位が塩素化されたものからなる(共)重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、耐汚染性を向上するために、親水性モノマーが共重合されていることが好ましい。
塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、WO2011/108579に記載のものを利用することができる。
塩化ビニルにグラフト共重合する重合体としては、例えば、WO2011/108579に記載のものを利用することができる。
さらに、モノマー材料として、架橋性モノマーを用いてもよい。架橋性モノマーとしては、WO2011/108579に記載のものを利用することができる。
親水性モノマーとしては、例えば、WO2011/108579に記載のものを利用することができる。
塩化ビニル系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲にて、製膜時における成形性、熱安定性等を向上させる目的で、添加剤、例えば、滑剤、熱安定剤、製膜助剤等をブレンドしてもよい。
添加剤としては、WO2011/108579に記載のものを利用することができる。
塩化ビニル系樹脂の製造方法及び塩素化の方法としては、例えば、WO2011/108579に記載のものを利用することができる。
塩化ビニル系樹脂は、数平均分子量が20000〜200000程度であることが好ましい。数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
塩化ビニル系樹脂は、重合度が250〜3000程度であることが好ましく、500〜1300であることがより好ましい。重合度はJIS K 6720−2に準拠して測定した値を意味する。
重合度を上記の範囲に調整するためには、塩化ビニル系樹脂の製造方法において、反応時間、反応温度等の当該分野において公知の条件を適宜調節することが好ましい。
また、塩化ビニル系樹脂以外の樹脂を用いる場合には、その数平均分子量、成膜時の粘度等を、樹脂の種類に応じて適宜調整することが好ましい。
中空糸膜は、例えば、その外径が3.6〜10mm程度、SDR値が5.8〜34程度、内径は3.2mm以上の膜が挙げられる。
中空糸膜の強度は、材料、内径、肉厚、真円度、内部構造等の種々の要因によって決定されるが、なかでも、SDR値(外径/肉厚の比)を用いることが有効である。つまり、様々の実験を行なった結果、内外圧の耐圧性能として、例えば、0.3MPaを実現するためには、SDR値34程度以下に設計することが好ましいことが分かった。一方、SDR値を低減させる設計にすることは、膜モジュールにおける膜ろ過面積の低下につながる。よって、これらのバランスを図る観点から、SDRは5.8程度以上であることが好ましい。
なかでも、5.9程度以上、6.0程度以上、6.5程度以上、7程度以上、であることが好ましく、32程度以下、30程度以下、25程度以下、20程度以下であることが好ましく、16程度以下、11程度以下であることがより好ましい。特に、外径が4.5mm程度の場合には、SDR値は7〜34程度とすることが好ましく、外径が5〜7mm程度の場合には、SDR値は4〜16程度とすることがより好ましく、6.5〜11程度に設定することがさらに好ましい。
なお、内径は、その外径及び肉厚によって決定されるが、好ましくは、例えば、3.2mm程度以上、4.0mm程度以上、4.5mm程度以上、5.0mm程度以上である。また、好ましくは20mm程度以下、さらに10mm程度以下又は8mm程度以下が挙げられる。
特に、外径が3.6〜10mm程度、かつSDR値が5.8〜34程度、内径が、3.2mm〜8mm程度の膜が適している。
このような値に設定することにより、中空糸膜の強度を確保し、汚水処理に好適に使用することができる。
したがって、本発明で使用される中空糸膜は、具体的には、
(1)外径が3.6mm〜10mm、SDR値が、5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する中空糸膜(つまり、支持体フリー、均一構造、好ましくは、単一構造)が挙げられる。
なかでも、外径が3.6mm〜10mm、SDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上、外径が5〜7mm程度、SDR値が6.5〜11及び内径が3.2mm以上であることが好ましい。これにより、中空糸膜に内圧、外圧を印加した場合の強度を保ちながら、高濃度の排水を通水させた場合にも中空糸膜内が閉塞しない程度の大きさの内径を確保することが可能となる。
なお、膜の内外径、肉厚等は、電子顕微鏡写真等を用いた実測などによって測定することができる。
また、(2)内径が3.2〜8mmであり、SDR値が5.8〜13である自立構造を有する中空糸膜からなる膜(つまり、支持体フリー、均一構造、好ましくは、単一構造)、
(3)内径が3.2mm〜9.4mm及び肉厚が0.15mm〜2.4mmである自立構造を有する中空糸膜(つまり、支持体フリー、均一構造、好ましくは、単一構造)からなる膜等が挙げられる。
中空糸膜は、その表面に多数の微細孔を有する多孔質膜であることが好ましい。その微細孔の平均孔径は、用途、つまり、後述する被処理水の種類によって適宜調整することができ、例えば、0.001〜10μm程度、好ましくは0.01〜1μm程度が挙げられる。
このような中空糸膜は、膜間差圧100kPaにおける純水の透過水量が100L/(m2・h)程度以上、200L/(m2・h)程度以上であることが適しており、600L/(m2・h)程度以上であることが好ましく、800L/(m2・h)程度以上であることがより好ましく、1000L/(m2・h)程度以上であることがさらに好ましい。
また、中空糸膜の耐内圧強度が0.3MPa程度以上であることが好ましく、0.35MPa程度以上又は0.4MPa程度以上がより好ましい。
中空糸膜の耐外圧強度が0.1MPa程度以上であることが好ましく、0.15MPa程度以上又は0.2MPa程度以上がより好ましい。
中空糸膜の耐逆洗圧の強度が0.1MPa以上であることが好ましく、0.2MPa以上程度以上であることがより好ましく、さらに好ましくは0.3MPa程度以上である。
このように、本発明で使用される中空糸膜は、自立構造を有する中空糸膜でありながら、透過水量と物理的強度とのバランスに優れている。従って、分離膜として既存の水処理装置に好適に利用され、水の精製を目的とする好適な水処理、特に、高濃度排水の水処理が可能となる。また、効果的に逆洗を行なうことができ、デッドエンドろ過に適用することが可能となり、水処理装置における膜モジュールとして、長寿命化及び低コスト化を図ることができる。
(膜モジュール)
膜モジュールは、例えば、図1に示すように、少なくとも、複数本の中空糸膜2と、ケース10とを備えるものが挙げられる。
中空糸膜2としては、上述した中空糸膜を用いる以外は、中空糸膜の外径、長さ、数等は、得ようとする膜モジュールの特性等に応じて、適宜調整することができる。
ケース10は、複数本の中空糸膜2を収納する。ケース10は、筒状の部位を有していることが好ましい。
中空糸膜2は、所定本数束ねて中空糸膜束とし、その中空糸膜束をケース10に合わせて所定の長さに切断してケース内に挿入することが好ましい。中空糸膜束の状態は、ストレート状が好ましい。
この複数本の中空糸膜2は、通常、ケース10の両端面10a、10bにて、シール材11によってシールされている。
このシール11間のケース(例えば、側面)には、中空糸膜2の外側空間と連通する透過側管路(図示せず)が接続される第1管口(透過水取出口)1cが配置されている。この第1管口1cは2以上配置されていてもよい。また、ケースの別の部位(例えば、シール材11よりも端面(片端面又は両端面)10a、10b側)に、上述した複数本の中空糸膜2の内側(中空内)空間と連通する被処理水供給管路(図示せず)が接続される第2管口(被処理水供給/排水側)1a、1bを備えている。なお、第2管口1a、1bは、後述するデッドエンドろ過を行なう場合には、通常、一方からのみ被処理水を供給し、他方は閉じており、後述するフラッシング、ドレン等を行なう場合に双方が利用される。
このような膜モジュール自体は従来から公知であり、例えば、特開昭62−140607号公報、特開平6−319961号公報、特開2009−183822号公報等に記載された種々のものを利用することができる。
膜モジュール1は、通常、後述する被処理水槽23、水供給ポンプ24及び気体供給装置27の下流に連結されている。膜モジュール1は、1つのみを用いてもよいし、2つ以上を直列で、並列で又は直列及び並列を組み合わせて連結して用いてもよい。
なかでも、エネルギー効率を考慮すると、直列配列が好ましく、膜モジュールが直列配置、直列ユニットの並列配置、並列ユニットの直列配置等のように、最終段で膜面流速があがるようにユニットを組むことがより好ましい。
(水処理装置)
本発明の水処理装置は、膜モジュールに加えて、図2の概略図に示すような、被処理水槽23、透過水槽26を備えていることが好ましい。水処理装置は、さらに、水供給ポンプ24、気体供給装置27、逆洗ポンプ25、これらを任意に連結する管等の少なくとも1つを備えていることがより好ましい。また、これらの各種槽等に加えて/各種槽等の代わりに、生物処理槽、凝集剤処理槽及び/又は凝集剤注入手段、薬液槽及び/又は薬液注入手段、濃縮水槽、開閉弁、超音波発生装置等が設けられていてもよい。
ただし、従来の海水淡水化等で必要としていた砂ろ過、糸巻きフィルター、ストレーナ等の除濁装置は必ずしも必要としない。被処理水を直接、上述した膜モジュールに導入して水処理に付すという観点からは、除濁装置及びこれに類する装置は設けられていないことが好ましい。つまり、従来の口径の比較的小さな中空糸膜を用いて海水処理を行なうと、すぐに中空糸膜の閉塞が起こるため、前処理としての除濁が必要であった。一方、本発明で使用するような大口径の中空糸膜では閉塞が起こりにくいため、除濁処理は必ずしも必要としない。
なお、水供給ポンプ24及び/又は逆洗ポンプ25を用いずに、水位差や空気圧等を利用してろ過、逆流洗浄を行なえるような装置を用いてもよい。さらに、水供給ポンプ24及び/又は逆洗ポンプ25を、薬液注入ポンプとして利用することもできる。
(被処理水槽)
被処理水槽は、被処理水を貯留するための槽であり、この槽には、膜モジュールに被処理水を供給するための水供給ポンプ24が装備された管が連結されている。ここで、被処理水とは、汚水処理場等における活性汚泥等を含む排水、家庭排水等の都市下水、工場廃水等の各種施設の排水、農業廃水、生物処理水、懸濁質を含む排水、海水、井戸水さらには河川、湖沼等の水等の膜分離で処理される被処理水を意味するが、液状食品を膜分離によって濃縮するために、果汁、ミルク等であってもよい。また別の観点から、例えば、SS(浮遊物質)が50000程度以下、20000程度以下10〜15000程度の液体が挙げられる。さらに別の観点から、定圧ろ過で透過流速が短時間で変化しないあるいは定量ろ過で膜間差圧が短時間で変化しない被処理水であることが好ましい。具体的には、定圧ろ過では、透過流束の低下が30分で20%未満となる被処理水であることが好ましい。定量ろ過では30分ろ過で膜間差圧の上昇が20%未満となる被処理水であることが好ましい。
(水供給ポンプ)
水供給ポンプは、被処理水を膜モジュールに供給することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、渦巻ポンプ、ディフューザーポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、カスケードポンプ、ジェットポンプなど、種々のポンプを用いることができる。水供給ポンプは、膜モジュールの下流又は上流のいずれかにおいて、被処理水又は透過水を、吸水、揚水、圧出等するためのポンプとして利用することができる。水供給ポンプは、被処理水槽と膜モジュールとの間で、両者を連結する管に設けられていればよい。この水供給ポンプを利用して、上述した膜モジュールに対して、内外膜間差圧を負荷することができる。
(気体供給装置)
気体供給装置は、気体(好ましくは圧縮空気)を供給する装置であり、一般にはブロア、コンプレッサ等が用いられ、マイクロバブル発生ブロア等であってもよい。通常、気体としては空気が供給されるが、オゾン、窒素ガス、不活性ガス等を供給し得る装置であってもよい。気体は膜モジュール内に気泡として供給され、この気泡により、膜モジュール内の中空糸膜を効果的に洗浄することができる。気泡の大きさは、中空糸膜を洗浄するために有用なものであれば特に限定されるものではなく、ステンレス、セラミック、プラスチック、ゴムなどに1mm〜数十mm程度の空気吐出孔を開けた散気管等を利用して、適宜調整することが好ましい。また、いわゆるマイクロバブル(例えば、数十μm〜数百μm程度)を発生させる手段等を利用してもよい。気体供給装置は、膜モジュールの上流側(被処理水槽側)及び/又は下流側(透過水槽側)のいずれに連結されていてもよいが、上流側に連結されていることが好ましく、少なくとも上述した水供給ポンプと膜モジュールとの間に連結されていることがより好ましい。
通常、気体は、ろ過中、フラッシング中、逆洗中などに一定量を連続的に供給される。この場合、運転条件によって気泡の大きさを大きくすることがある。また、膜モジュール内の膜への気体の供給量のバラつきを抑えたい場合、通常よりも大量の空気を間欠的に送ることが有効である。例えば、大きな気泡を用いて、膜モジュール内の膜への気体の供給量のバラつきを抑える場合、被処理水の水質、運転条件にもよるが、気体供給時間を通常の半分以下(2秒毎に1秒)にすることが好ましく、3分の1(3秒毎に1秒)以下がより好ましく、4分の1(4秒毎に1秒)以下がさらに好ましい。また、一度の気体供給量を、膜モジュールの全端面を一時的に空気が覆う程度の量又は膜モジュール端面までの管の一部を一時的に空気で満たす程度の量が好ましい。
(透過水槽)
膜モジュールの下流には、膜モジュールでろ過された水が収容される透過水槽が配置されている。
透過水槽には、透過水の一部を逆洗に利用することができるように、膜モジュールからの透過水が通る管とは全く又は一部別の経路において、逆洗ポンプ25を介して膜モジュールに連結される管が備えられている。
(逆洗ポンプ)
逆洗ポンプは、逆洗の際に透過水を膜モジュールに供給するために使用するポンプであり、上述した水供給ポンプで例示したものと同様のものを利用することができる。
実施形態2
本発明の水処理装置では、上述した膜モジュールに代えて、上述した膜モジュールを利用した以下に示すようなろ過装置を利用してもよい。その他の構成は、実施形態1と同様である。
(ろ過装置)
ろ過装置は、上述した膜モジュールを1以上と開閉手段とを含む。
ここで、膜モジュールは、
複数本の長手方向に延長した前記中空糸膜と、
中空糸膜を収容するケースと、
ケースに設けられ、前記中空糸膜外側空間と連通する第1管口と、
前記ケースの別の部位に設けられ、前記中空糸膜の両端で前記中空糸膜内側空間と連通する2つの第2管口とを備える。
開閉手段は、
貫通孔又は切欠を備える、回転可能又は移動可能な板状又は管状部材を有し、
前記中空糸膜の一端又は両端、あるいは前記1つ又は2つの第2管口近傍に配置され、かつ
前記板状又は管状部材の回転又は移動により、前記中空糸膜の一部又は前記膜モジュールが2以上備えている場合の該膜モジュールの一部を経時的に開通及び閉塞させる手段である。
具体的には、
図7Aに示すように、ろ過装置は、
複数本の長手方向に延長した中空糸膜と、
中空糸膜を収容するケースと、
ケースの表面に設けられ、中空糸膜外側空間と連通する第1管口1cと、
ケースの表面の別の部位に設けられ、中空糸膜の両端で中空糸膜内側空間と連通する2つの第2管口1a、1bとを備える複数の膜モジュール1、及び
複数の膜モジュール1の一方の第2管口1bそれぞれに連結された継ぎ手3を有し、
継ぎ手3は、長手方向に延長した円管形状であり、その内側に内管4を有し、外周面に複数配列された連結口3aを備え、連結口3aを介して第2管口1bそれぞれに連結されており、
内管4は、その側面に複数の孔4aを有し、かつ継ぎ手3の管中心を軸として回転可能又は長手方向に移動可能であり、
内管4の複数の孔4aは、長手方向において継ぎ手3の連結口3aにそれぞれ対応する位置であって、かつ、連結口3aに対応する位置での内管4の外周面においてそれぞれ異なる位置に配置されている。
このろ過装置では、膜モジュールは、2個又は3個以上備えていることが好ましい。膜モジュールの数は、ろ過装置の規模、ろ過を意図する水処理量等によって適宜調整することができる。例えば、少なくとも2個の膜モジュールを備えており、その2個の膜モジュールが後述する継ぎ手に対して並列接続されていることが必要である。少なくとも2個の膜モジュールが並列接続されるのであれば、3個以上の膜モジュールが並列接続されていてもよいし、2以上の膜モジュールが直列接続され、この直列接続された膜モジュールと1個以上の膜モジュールとが継ぎ手に対して並列接続されていればよい。なかでも、2から5個程度の膜モジュールが互いに平行に配置され、継ぎ手に対して並列接続されたものが好ましい。
継ぎ手3は、例えば、図7Aに示したように、長手方向に延長した円管形状を有しており、その内側に内管4を備えている。継ぎ手3の内面と内管4の外面とは気密性を有する。
継ぎ手3は、外周面に連結口3aを複数備えている。継ぎ手3は、この連結口3aを介して、上述した膜モジュールの第2管口、例えば、排水口1bのそれぞれに連結されている。なお、膜モジュールの第2管口である限り、被処理水供給口1aがそれぞれ継ぎ手3の連結口3aに連結されていてもよい。
継ぎ手3における連結口3aの位置は、特に限定されるものではなく、連結する膜モジュール1の数、位置等によって適宜調整することができる。連結口3aの位置は、図7A及び図7Bに示したように、継ぎ手3の長手方向に平行(図7B中、xの方向)に、複数の連結口3aが一列に配置されていることが好ましい。連結口3aは、継ぎ手3の長手方向においては所定間隔をあけて、継ぎ手の外周面においては、それぞれ異なる位置に配置されていてもよい。連結口3aは、継ぎ手3の長手方向において同じ位置であり、継ぎ手の外周面においては、それぞれ異なる位置に配置されていてもよい。
ここで、継ぎ手の長手方向に平行に一列に配列されているとは、継ぎ手の管中心に平行な線を継ぎ手の外周面に移動させた場合の外周面におけるその線上に配置されること(図7Bの3a−1から3a−3の位置に配置されること)を意味する。
隣接する連結口の間隔は特に限定されず、隣接する連結口で間隔が異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
内管4は、継ぎ手3の内径よりも小さい外径を有する円管形状を有しており、継ぎ手3の管中心と同心であり、この管中心を回転軸として回転可能であるように継ぎ手内に収容されている。回転可能であるとは、360°回転することが好ましいが、回転運動が数十°程度の範囲内であってもよいことを含む。
内管4は、その側面に複数の孔を有する。この孔は、継ぎ手3内での内管4の回動/回転運動によって、継ぎ手3の連結口3aの開閉を可能にするものであり、継ぎ手3の連結口3aの位置に対応して配置されている。
例えば、図7A及び図7Bに示したように、継ぎ手3の連結口3a−1から3a−3が、継ぎ手3の長手方向に平行に一列に配列されている場合、つまり、外周面において同じ位置(図7A及び図7Bでは同じ下向きの位置)に配置されている場合、孔は、内管4の長手方向(図7B中、xの方向)においては継ぎ手3の連結口3a−1、3a−2、3a−3のそれぞれに対応する位置に配置されている。内管4のそれぞれの孔4a−1、4a−2、4a−3の長手方向の間隔は、継ぎ手3の連結口3a−1、3a−2、3a−3の長手方向の間隔と一致する。
また、内管4の外周面における、それぞれの孔4a−1、4a−2、4a−3の位置は、図7C(側面図)に示したように、異なる位置に配置されている。つまり、内管4の管中心からみて特定の方向における外周面上の孔の位置(例えば、孔4a−1が形成された位置)を「0°位置」とした場合、0°の位置から中心角が所定角度(例えば、α1°)シフト(回転)した外周面上の位置に別の孔4a−2が配置し、0°の位置から中心角が所定角度(例えば、α1°+α2°)シフトした外周面上の位置にさらに別の孔4a−3が配置している。言い換えると、内管の断面が見える方向から見た場合、それぞれの孔の位置は、オーバーラップせずに、外周面において分散されている。
内管の孔の数は、継ぎ手3に連結される膜モジュールの数(n個)に一致させてもよいが、例えば、同じ膜モジュールの連結位置において2個以上配置されるように設定してもよい。例えば、膜モジュールの数(n個)の2倍、3倍、4倍以上個であってもよい。
内管の外周面における位置は、例えば、図7A、図7B及び図7Cに示すように、3つの膜モジュールが連結される場合には、内管の孔は、互いに360/3=120°回転した位置とすることができる。なお、4つの膜モジュールが連結される場合には、内管の孔は、互いに360/4=90°回転した位置とすることができる。
継ぎ手及び内管の内径、継ぎ手の連結口及び内管の孔の大きさは、用いる膜モジュールのサイズ、ろ過装置の水処理量等に応じて適宜調整することができる。ただし、継ぎ手の連結口の大きさと内管の孔の大きさは略同一であることが好ましい。
このような継ぎ手の連結口及び内管の孔の配置によって、内管の回動/回転運動によって、複数のうちの一部の膜モジュール(例えば、3つのうちの第1の膜モジュール)において、瞬間的にその第2管口(例えば、排水口1b)が開状態になり、残りの膜モジュール(第2及び第3の膜モジュール)はその間、その第2管口が閉状態になる。また、別の瞬間においては、第2の膜モジュールの第2管口が開状態になり、第1及び第3の膜モジュールの第2管口が閉状態になる。さらに、別の瞬間においては、第3の膜モジュールの第2管口が開状態になり、第1及び第2の膜モジュールの第2管口が閉状態になり、この一連の挙動が繰り返される。つまり、複数の膜モジュールに対して、パルス的に又は任意の間隔で通水と止水とを切り替えることが可能となる。よって、パルス的に又は任意に中空糸膜の膜面に異なる流速で通水することができるために、その変則的な流速によって膜面の洗浄効果を与えることができる。
なお、内管の回動/回転運動は、適当な手段、例えば、図7Aに示したように、モータ5を用いてもよいし、ろ過装置における水流で回転するスクリューを設けて、これを利用してもよい。
被処理水を複数の膜モジュールに供給する場合、継ぎ手内で内管を回動/回転させる。回転数は特に限定されず、適宜調整することができる。また、一定の回転数を維持してもよいし、任意に回転数を変化させてもよい。
このような内管の回転によって、継ぎ手の連結口と内管の孔との一致及び不一致によって連結口を開閉させることができる。その結果、上述したように、複数の膜モジュールに対して通水と止水とを交互に切り替えることができる。これによって、パルス的に又は任意に中空糸膜面に流速の変化を与えることができ、膜面の洗浄効果を付与することができる。
この方法では、全ての膜モジュールに一定の流速を与えることに比較して、一部の膜モジュールには流速を与えない状況をつくりだすことができるため、ろ過システム全体において低エネルギーでのろ過方法を実現することができる。
なお、膜モジュールに対する通水及び止水は、電磁弁等によっても実現することができるが、その制御は煩雑となり、瞬間的な切り替えは困難である。一方、本発明で用いるろ過装置では、内管の回転運動のような単純な動作により、通水と止水の瞬間的な切り替えが容易に行えるのみならず、モータ等の駆動のみで煩雑な制御を不要とし、ろ過装置として高い水処理性能を確保しながら、簡略化及び低コスト化を図ることも可能となる。
また、内管の回転による膜モジュールへの通水及び止水の繰り返しは、平均化すると、全ての膜モジュールに対して同量の水を通水することができるために、中空糸膜に対する負荷を平均化することが可能となり、膜モジュールの寿命の長期化を図ることが可能となる。
さらに、内管の回転数、内管の孔の大きさ及び数、膜モジュールの数等によって、膜モジュールへの通水の流量及びタイミングの自由な設定を行うことができ、ろ過システムの設計に対する自由度を向上させることができる。
加えて、内管の回転により、膜モジュールの一部が閉塞することによって、一定の流量又は圧力で供給されていた各種水の膜モジュールへの水流を、一部の膜モジュールにだけ送り込むことができるため、全体に同一の圧力を与えながら、一部の膜モジュールに対して瞬間的に出口を開放する(圧力を下げる)ことにより、その一部の膜モジュールへの流速を変化させることができる。その結果、ろ過時、例えば、フラッシング運転時において、一定の流量で供給していた被処理水を、間欠的に流量増大(例えば、倍増)させることができ、その増大した膜モジュールでは、より効率的にフラッシングを行うことができる。
実施の形態2の変形例1
ろ過装置の開閉手段は、図8に示したように、内管4が、その側面に複数の孔を有し、この孔は、その一部が継ぎ手の連結口にオーバーラップし、他の一部が継ぎ手の側面で閉塞される位置に配置されているものであってもよい。つまり、この孔は、継ぎ手3内での内管4の回動/回転/移動等のいずれか又は2以上の運動によって、継ぎ手3の連結口3aの開閉を可能にするものであり、継ぎ手3の連結口3aの位置に対応して又は一部対応して配置されている。
例えば、継ぎ手3の連結口3a−1から3a−5が、継ぎ手3の長手方向に平行に一列に配列されている場合、つまり、側面において同じ位置(図8では同じ下向きの位置)に配置されている場合、複数の孔は、内管4の長手方向(図8中、xの方向)においては継ぎ手3の連結口3a−1、3a−2、3a−3、3a−4及び3a−5のそれぞれに、一部のみ対応する位置に配置されていることが好ましい。内管4のそれぞれの孔4a−1、4a−2、4a−3、4a−4、4a−5の長手方向の間隔は、継ぎ手3の連結口3a−1、3a−2、3a−3の長手方向の間隔とは一致せずに、互いに又は一部のみ異なる間隔であることが好ましい。
内管4の側面における、それぞれの孔4a−1、4a−2、4a−3、4a−4、4a−5の位置は、
(1)例えば、図8(断面図)に示したように、同じ位置、つまり、全ての孔が断面方向から見て、オーバーラップした位置に配置されていてもよいし、
(2)例えば、図7C(断面図)に示したように、異なる位置、つまり、全ての孔が断面方向から見て、オーバーラップしない位置に配置されていてもよいし、
(3)例えば、一部のみ異なる位置又は一部のみ同じ位置、つまり、一部の孔が断面方向から見て、オーバーラップした位置に配置されていてもよい。ここでのオーバーラップとは、孔の一部がオーバーラップする状態でもよいし、孔全体が完全にオーバーラップする状態でもよい。
孔が、断面方向から見てオーバーラップしていないとは、図7Cに示したように、内管4の管中心からみて特定の方向における側面上の孔の位置(例えば、孔4a−1が形成された位置)を「0°位置」とした場合、0°の位置から中心角が所定角度(例えば、α1°)シフト(回転)した側面上の位置に別の孔4a−2が配置し、0°の位置から中心角が所定角度(例えば、α1°+α2°)シフトした側面上の位置にさらに別の孔4a−3が配置している状態を意味する。言い換えると、断面方向からが見た場合、それぞれの孔の位置が、完全にオーバーラップせずに、側面において分散されている状態を意味する。この場合の角度α1、α2及びα3は、互いに同一でもよいし、一部又は全てが異なっていてもよい。図7Cでは、孔が3つの場合を示しているが、孔の数は任意に設定することができる。
また、例えば、継ぎ手3の連結口が、内管の長手方向において同じ位置に、その側面に沿って複数配置されていてもよい。つまり、継ぎ手3の連結口は、内管を中心に放射状に配置されることとなり、よって、連結口に連結される膜モジュールが、継ぎ手を中心に放射状に配置されることとなる。この場合、内管の複数孔の位置は、長手方向には一部又は全部がオーバーラップするが、内管の側面において、オーバーラップしない位置に配置され、複数の各孔がいずれも連結しない状態であることが好ましい。
上述したように、内管に複数の孔が配置されていることにより、連結口にオーバーラップする孔と、継ぎ手の側面で閉塞される孔とが、内管の回転又は移動により順次変更し、継ぎ手3の連結口3aの開閉を実現することができる。
内管の孔の数は、継ぎ手3に連結される膜モジュールの数(n個)に一致させてもよいが、膜モジュールの数(n個)の2倍、3倍、4倍以上個であってもよいし、+2個、+3個、+4個以上であってもよい。
なお、内管の回動/回転運動、長手方向への移動及びそれらの組み合わせ運動は、公知の手段、例えば、モータ5を用いてもよいし、モータ5を用いた回転運動を平行移動に変換してもよいし、ろ過装置における水流で回転するスクリューを利用してもよいし、これらの2以上を同時に利用してもよい。具体的には、モータを利用した回転運動を長手方向への往復運動に変換するクランク機構、スコッチ・ヨーク機構、ラック・アンド・ピニオン機構等が挙げられる。
実施の形態2の変形例2
ろ過装置の開閉手段は、
中空糸膜の延長方向と同方向に軸を有し、前記中空糸膜の端面に物理的に近接して前記中空糸膜の複数本のうちの一部を閉塞する回転子であってもよい。
このような中空糸膜2を収容したケース10内には、例えば、図9A(a)、(b)に示すような回転子13が取り付けられている。
この回転子は、図9A(a)、(b)に示すように、膜モジュール1に導入される被処理原水の水流と同方向に軸を有する。これによって、被処理水の水流によりあるいは電力の供給により、回転子を回転させることができる。
回転子13は、中空糸膜の端面に物理的に近接しており、中空糸膜の複数本のうちの一部を閉塞する。ここで、近接とは、膜モジュール端面と回転子13との距離が3mm程度以下、2mm程度以下、1mm程度以下が好ましい。
回転子13は、中空糸膜の一部を閉塞することにより、他の一部の流量を増やすことができればよく、例えば、回転子が物理的に近接している中空糸膜内部の流量を、Q/2N以下とすることが好ましく、Q/5N以下又はQ/10N以下とすることがより好ましい。ここでQはモジュールへの供給水量、Nは中空糸膜の本数である。
そのために、回転子13は、図9Bに示したように、ケース10内に収容された中空糸膜2の端面に近接して閉塞する閉塞部13bと、2つの閉塞部に挟まれるように配置された開放部13dとを備える。
この回転子13は、膜モジュールに各種水を供給する間、回転することによって、所定の瞬間には、ケース内の中空糸膜の複数本のうちの一部を閉塞する。そして、次の瞬間には、ケース内の中空糸膜の前の一部を開放し、別の一部を閉塞する。さらに次の瞬間には、ケース内の中空糸膜の前の別の一部を開放し、さらに別の一部を閉塞する。これら一連動作を順次進行させ、繰り返すために、回転子13が回転する。
このように、中空糸膜の端面の一部が閉塞することによって、一定の流量又は圧力で供給されていた各種水の中空糸膜への水流を、一部の中空糸膜にだけ送り込む流れに換えることができる。これによって、各種水圧を増大させることができる。
その結果、ろ過時、例えば、フラッシング運転時において、一定の流量で供給していた被処理水を、間欠的に流量増大(例えば、倍増)させることができ、その増大部位においては、より効率的にフラッシングを行うことができる。また、洗浄時、フラッシング運転時又は逆洗時においては、各種水の間欠的な水流又は圧力の増大によるその流量又は圧力の強弱又は乱流によって、洗浄効果を各中空糸膜表面に与えることができる。
回転子における閉塞部と開放部との割合は特に限定されるものではなく、供給される各種水の膜面流速、回転子の回転の速度にも依存することを考慮して、中空糸膜に供給する被処理水の量、圧力、中空糸膜の大きさ等によって適宜調整することができる。例えば、閉塞部:開放部の面積比は、膜面流速0.1〜2.0m/s、回転速度1〜60回/分程度の場合、1:5〜5:1程度が好ましく、1:3〜3:1程度が好ましく、1:2〜2:1程度がより好ましく、1:1程度がより一層好ましい。
また、回転子32は、中空糸膜の一部を閉塞/開放することができる形状であればよい。例えば、図9B(a)、(b)に示すように、回転子32は、板状の閉塞部32bと、その板状の閉塞部32bに円、多角形等の貫通孔が複数形成された開放部32dを有してもよいし、プロペラ状であってもよい。
回転子の回転速度は、特に限定されるものではなく、中空糸膜に供給する被処理水の量、圧力、回転子の大きさ、閉塞部:開放部の面積比等によって適宜調整することができる。例えば、1〜60回/分程度が挙げられる。
なお、回転子は、図9B(a)に示すように、中空糸膜2の端面の一方側のみに配置してもよいし、図9B(b)に示すように、双方に配置してもよい。双方に配置する場合は、双方において、回転子の形状、閉塞部と開放部との面積比及び/又は回転子の回転速度等が同じであってもよいし、異なっていてもよい。双方の回転子を組み合わせることにより、中空糸膜の一部の閉塞による水流の強弱をより効率的に与えることができる。
実施形態3
本発明の水処理装置は、例えば、図4に示した水処理装置でもよい。この水処理装置では、被処理水槽23と膜モジュール1の被処理水供給口1aとの間、膜モジュール1の透過水取出口1cと薬液槽20との間、膜モジュール1の透過水取出口1cと透過水槽26との間が、それぞれ配管によって連結されている。これらの配管には、それぞれ水供給ポンプ24、薬液注入ポンプ21及び逆洗ポンプ25が配設されている。なお、膜モジュール1の透過水取出口1cと透過水槽26との間には、逆洗ポンプ25が配設されていない通路を構成する配管も連結されている。また、膜モジュール1の排水口1bは、被処理水槽23と配管によって連結されている。膜モジュール1の排水口1bと被処理水槽23との間には、自動弁22が配設されている。膜モジュール1と透過水槽26との間には、自動弁28が配設されている。
また、被処理水槽23と膜モジュール1の被処理水供給口1aとの間には、圧力計PI−1が配設されていることが好ましい。膜モジュール1の排水口1bと被処理水槽23との間であって、自動弁22の膜モジュール1側には、圧力計PI−2が配設されていることが好ましい。膜モジュール1の透過水取出口1cと透過水槽26又は薬液槽20との間であって、自動弁28の膜モジュール1側の配管には、圧力計PI−3が配設されていることが好ましい。
さらに、膜モジュール1の排水口1bと被処理水槽23との間であって、自動弁22の被処理水槽23側には、流量計FI−1が配設されていることが好ましい。膜モジュール1の透過水取出口1cと透過水槽26の間であって、自動弁28の透過水槽26側には流量計FI−2が配設されていることが好ましい。
透過水槽26と膜モジュール1との間であって、逆洗ポンプ25と圧力計PI−3との間には、流量計FI−3が配設されていることが好ましい。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
実施形態4
本発明の水処理装置は、例えば、図5、図6A又は図6Bに示した水処理装置でもよい。この水処理装置は、被処理水槽23と、被処理水槽23外に配置された膜モジュール1と、透過水槽26とが、それぞれ連結管によってこの順に連結されている。被処理水槽23と膜モジュール1の被処理水供給口との間の連結管には第1のポンプ24aが設置されており、膜モジュール1の透過水取出口の透過水槽26側の連結管には第2のポンプ29が設置されている。
このように、膜モジュール1の上流側及び下流側に、第1のポンプ24a及び第2のポンプ29をそれぞれ備えることにより、上流側からの膜モジュール1への被処理水の供給の量及び/又は速度(循環流速)の制御と、下流側からの膜モジュール1への透過水の吸引ろ過(透過水量)の制御とを、独立に行うことができ、特に、圧損による膜モジュール内の循環流速の低減を効果的に防止することができる。この効果は、比較的大口径(例えば、内径3.2mm程度以上)の中空糸膜を備えた膜モジュールを使用するシステムにおいて顕著である。
このような水処理装置では、図5に示すように、膜モジュール1の排水口1bは、配管によって、被処理水槽23と連結されていてもよいし、図6Aに示すように、膜モジュール1の排水口1bと被処理水槽23との間の連結管は、さらに第3のポンプ51を介して、連結されていてもよい。さらに、図6Bに示すように、膜モジュール1の排水口1bと被処理水槽23との間の配管と、被処理水槽23と膜モジュール1の被処理水供給口1aとの間の配管とが、第3のポンプ51を介して、さらに別の管で連結されていてもよい。この場合、膜モジュール1通過後において、第1のポンプ24aで加圧された被処理水に、第3のポンプ51によって膜通過時の損失圧力を加えて、その被処理水を循環させてもよい。これにより、消費エネルギーを低減することができる。被処理水の濁質濃度が低いほど、循環比を高く設定できる傾向があり、循環比としては、0.1〜20、0.1〜10などが挙げられる。
膜モジュール1は、排水口1b側において、吸気(矢印C)を可能とする吸気口を備えていてもよい。このような吸気口を備えることにより、系中に空気が吸入され、容易に水を抜くことができる。
第1のポンプ24a、第2のポンプ29及び/又は第3のポンプ51は、上述したポンプと同様のものを使用することができる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
実施形態5
本発明の水処理装置は、例えば、図10に示した水処理装置でもよい。
この水処理装置は、上述した実施形態1〜3の膜モジュール1と被処理水槽23とこれらを連結する管とを備え、さらに被処理水槽内にマイクロバブルを発生させるマイクロバブル発生装置43を備える。また、被処理水槽は、生物反応槽40であってもよく、生物反応層に加えて生物処理水貯留槽41を含んでいてもよい。そして、被処理水槽に連結された管は、被処理水槽の下方に連結されている。
このような構成を有する場合には、被処理水槽内の被処理水にマイクロバブルを供給し、被処理水内に存在する汚泥によるスカムを浮上させ、かつ、被処理水槽の下方から被処理水を取水して前記膜モジュールに供給し、被処理水の固液分離を行うことができる。
(被処理水槽)
ここでの被処理水槽は、汚水が収容された槽である。また、被処理水槽は、活性汚泥を利用するものであり、活性汚泥及び汚水が収容された槽となる。被処理水槽は、単一槽であってもよいが、例えば、図10に示すように、別個に独立した生物反応槽40と、生物処理水貯留槽41とからなるものが好ましい。被処理水槽を、生物反応槽40と、生物処理水貯留槽41に分離することによって、生物処理水貯留槽において、汚泥が浮上したときに、汚泥の偏りの程度による生物処理への影響を回避することができる。
生物反応槽40は、通常、無酸素槽と好気槽と備えるものが好ましい。無酸素槽は脱窒槽として機能し、好気槽は硝化槽として機能する。
生物反応槽40が、無酸素層と好気槽とを備える場合、無酸素槽は、その上流側から沈砂後の汚水Aが導入される。この無酸素槽の内部には通常、攪拌機が設置されており、この攪拌機の駆動に伴って無酸素槽内の汚水が攪拌されて無酸素工程により脱窒処理が行われる。
好気槽は、例えば、無酸素槽で処理された汚水が流入される。好気槽内にはエアレーションのために空気供給装置42に接続された空気供給管42aが配置されており、この空気供給管42aから空気が供給される。空気供給装置42の駆動に伴って好気槽内にエアが供給され、それに伴う好気工程による処理が行われる。
空気供給装置42は、上述した気体供給装置と同様のものを使用することができる。
空気供給装置42から好気槽に供給する空気の供給量は、好気槽内へ戻される汚泥中の酸素量と空気供給装置42からの酸素量との合算が目標DOとなるように、好気槽内への循環汚泥の戻し量に応じて調整することが好ましい。これにより、好気槽に必要以上の空気が供給されることがなくなり、空気供給装置42の稼働率を必要最小限に抑えることでシステムのランニングコストの大幅な削減を図ることができる。
このように、生物反応槽では、まず、汚水中に含まれる窒素化合物が、好気槽における好気工程において活性汚泥により酸化されて硝酸性窒素になり、その後、無酸素槽にて硝酸性窒素から酸素を奪って窒素ガスを発生させ、これによって脱窒が行われる。また、通常、これによって活性汚泥からリンが一旦放出され、その後、好気工程によって活性汚泥にリンを過剰採取させることにより脱リンが行われる。脱リンには、金属塩(PAC:ポリ塩化アルミニウム)等の凝集剤を用いることができる。
このような処理が生物反応槽内で行われて脱窒及び脱リンが行われる。
被処理水槽が、別個に独立した生物反応槽と、生物処理水貯留槽とからなる場合、生物処理水貯留槽には、マイクロバブル発生装置43が装備されていることが好ましい。このマイクロバブル発生装置43には、被処理水槽、特に、生物処理水貯留槽内においてマイクロバブルを発生させるマイクロバブル供給管43aが接続されている。
ここで、マイクロバブルは、気体(好ましくは圧縮空気)であり、マイクロバブル発生ブロア、コンプレッサ等を用い、ステンレス、セラミック、プラスチック、ゴムなどに数十μm〜数百μm程度のマクロバブル用孔を開けた散気管等を利用して発生させることができる。通常、気体としては空気が供給されるが、オゾン等であってもよい。
マイクロバブル発生装置43は、少なくともろ過時に駆動させ、ろ過前から駆動させることが好ましい。このように、被処理水にマイクロバブルを導入することによって、有機物等を除去することができるとともに、被処理水槽内に存在する汚泥によるスカムを浮上させることができる。このようなスカムの浮上によって、効率的にスカムを除去することが可能となり、膜モジュールへの被処理水への供給を安定的かつ効率的に行うことができ、膜モジュールを構成する中空糸膜自体の特性を長期間にわたって維持及び向上させることができる。
なお、浮上したスカムは、公知の方法により被処理水槽から除去することが好ましい。あるいは、被処理水槽が生物反応槽と生物処理水貯留槽とからなる場合、生物反応槽に戻してもよい。
(管)
この水処理装置は、被処理水槽及び膜モジュールの間で被処理水を循環させる経路を有し、そのような経路を構成するために、本発明の水処理装置は、管を備えている。この管は、主に、供給管44と戻し管45とを含む。
例えば、図10に示す水処理装置、特に活性汚泥を利用する水処理装置では、これら生物処理水貯留槽41、膜モジュール1、供給管44及び戻し管45によって循環回路が構成されている。
供給管44は、被処理水槽から膜モジュール1に被処理水を供給するための管であり、一端が被処理水槽(特に、生物処理水貯留槽側)の下方に接続され、他端が膜モジュール1の第2管口1a、1bの一方に接続されている。ここで、被処理水槽の下方とは、上述したように、マイクロバブル発生装置から供給されたマイクロバブルによって、被処理水槽内に存在する汚泥によるスカムを浮上させるがそのようなスカムを被処理水とともに膜モジュールへ供給しない程度の位置であればよい。具体的には、被処理水槽の深さの中央よりも下方、被処理水槽の底部から被処理水槽の深さの1/3程度の範囲内などが挙げられる。このような被処理水槽の下方に管を接続し、被処理水槽から被処理水を取水することにより、スカムの膜モジュールへの混入を防止又は回避することが可能となり、中空糸膜自体の特性を長期間にわたって維持及び向上させることができる。つまり、膜モジュールに対して、低MLSSの被処理水を供給することができ、膜モジュールの閉塞のリスクを低減させることができる。
また、マイクロバブル処理され、エアが含有された被処理水が、膜モジュールに供給されるため、この被処理水が膜モジュールの膜内面に付着した場合に、エアによって、被処理水中に含有される汚泥の膜内面への接触を防止又は回避することができ、膜内面への汚泥又は汚物の付着及び固着を低減することが可能となる。また、被処理水の引き続きの供給又は通常行われる逆洗等の際に、汚泥物質を容易に除去することが可能となる。
供給管44は、被処理水槽から膜モジュール1の間に被処理水を供給するための水供給ポンプ24を備えている。
戻し管45は、膜モジュール1から排出される被処理水を被処理水槽、特に、生物処理水貯留槽に戻す管であり、一端が膜モジュール1の第2管口1a、1bの他方に接続され、他端が被処理水槽上方(特に、生物処理水貯留槽上方)に配置されている。これにより、いわゆる大口径の中空糸膜を用いた膜モジュールを利用し、さらに膜モジュールを槽外に設けた膜分離活性汚泥法を採用することと相まって、低エネルギーで水処理装置を運転することができ、かつ、高い処理能力を有することができる。
戻し管45は、被処理水槽への被処理水(濃縮物)の流量を調整し得る流量調整手段(図示せず)を備えることが好ましい。このような流量調整手段としては、通常用いられる弁を利用することができる。この弁の開度を調整することによって、被処理水槽への被処理水の流量を任意に調整することができる。
この水処理装置では、浸漬型のMBRとは異なり、被処理水を、循環させるために用いる循環ポンプなしで(水供給ポンプのみで)、被処理水槽、例えば、生物反応槽に戻すことができるために、循環ポンプ駆動用のエネルギーを削減することができる。
上述したように、膜モジュールを被処理水槽外に設置しながら膜モジュールにおいて、大口径の中空糸膜を用いることにより、膜モジュール内部に、直接任意の流量を供給することができる。その結果、高い膜面流速を得ることができ、これによって、中空糸膜の洗浄を行うことができ、高処理量かつ低エネルギーの運転が可能になる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
実施の形態6
本発明の水処理装置は、例えば、図11に示した水処理装置でもよい。
この水処理装置は、上述した実施形態1〜3の膜モジュール1と被処理水槽とこれらを連結する管とを備える。ただし、被処理水槽は生物反応槽であり、被処理水槽と連結された管は、生物反応槽から膜モジュールに汚泥含有液を供給する供給管である。また、この水処理装置は、さらに、膜モジュールから排出される汚泥含有液を生物反応槽の汚泥含有液中に戻す戻し管を有している。
つまり、この水処理装置は、被処理水槽である生物反応槽40と、被処理水槽外に配置された膜モジュール1と、生物反応槽40及び膜モジュール1の間で汚泥含有液を循環させる管とを備え、この管は、生物反応槽40から膜モジュール1に汚泥含有液を供給する供給管44と、膜モジュール1から排出される汚泥含有液を、生物反応槽40の汚泥含有液中に戻す戻し管45とを有している。
この水処理装置は、戻し管45の先端が、生物反応槽40の汚泥含有液中に、配置されている。また、生物反応槽40には、攪拌棒又は攪拌翼などの攪拌手段58が装備されている。
特に、生物反応槽40が、無酸素槽54及び好気槽53を有する場合には、戻し管45は、生物反応槽40側の先端が分岐していることが好ましく、その分岐した先端のそれぞれが、無酸素槽54及び好気槽53の活性汚泥含有液中に配置されている。
この水処理装置は、無酸素槽54及び好気槽53のいずれか一方又は双方への汚泥含有液の流量を調整し得る流量調整手段52を備えることが好ましい。このような流量調整手段52としては、三方弁が挙げられる。また、この三方弁等の流量調整手段52に代えて又は加えて、無酸素槽54及び好気槽53のいずれか一方のみ又は双方に、弁52a及び/又は弁52bを配置してもよい。弁の開度を調整することによって、無酸素槽54及び/又は好気槽53への汚泥含有液の流量を任意に調整することができる。
また、気体供給装置27が、膜モジュール1と空気供給管55を通して生物反応層40との双方に空気を供給できるように装備されていてもよい。
この水処理装置では、循環ポンプなしで膜モジュールから排出される汚泥含有液を、生物反応槽に戻すことができるために、循環ポンプ駆動用のエネルギーを削減することができる。
また、無酸素槽に戻された汚泥含有液を槽内における液中に導入することにより、槽内の液が撹拌され、無酸素槽の撹拌機を駆動する動力を低減することができる。そして、液面上から導入するような場合の、エアの巻き込みによる溶存酸素増加を回避することができる。
さらに、好気槽に戻された汚泥含有液、つまり、膜モジュールに導入したエアを含む汚泥含有液を生物反応槽内における汚泥含有液中に導入することにより、槽内の液の撹拌を行い、かつ、導入されたエアを利用して曝気を行うことができる。
攪拌機を用いることにより、エアの利用の効率化およびコントロールが可能になる。
また、従来の浸漬型のシステムでは、エアを膜モジュールに供給して膜を洗浄するために、生物反応槽内の下部からエアを導入していた。この際、エアは液中で分散し、導入したエアの全てが膜表面に作用させることができず、必要量のエアを膜表面に供給するために、本来必要な量よりも多くのエアを導入することになる。その結果、非常に大きなエネルギーを要していた。一方、この水処理装置では、内圧式でのエアの供給を行うことができ、これによって、導入したエアは必ず膜内(膜表面)を通ることになり、汚れ物質に効率的に作用させることができる。その結果、導入エア量を抑えて、エアを膜モジュールに供給するための消費エネルギーを低減することが可能となる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
実施形態7
本発明の水処理装置は、例えば、図12に示した水処理装置でもよい。
この水処理装置は、被処理水が貯留された被処理水槽23と、被処理水を処理する膜モジュール1と、膜モジュール1に接続され、膜モジュール1に被処理水及び気体を供給する気液供給管61と、被処理水槽及び気液供給管61に接続され、被処理水槽の被処理水を気液供給管61に供給する液体供給管59と、気液供給管61に接続され、気液供給管61に気体を供給する気体供給管60と、気体供給管60に接続され、気体供給管60を通じて、気液供給管61に気体を供給する気体供給装置27とを備え、液体供給管59及び気液供給管61の接続部分Qが、被処理水槽23における被処理水の水面よりも低い位置にある。好ましくは膜モジュールの上面よりも水面が高い位置である。これによって、膜内部が水で満たされた状態をキープしやすく、ろ過を安定させることができる。
このように被処理水の水面よりも低い位置に、液体供給管59と気液供給管61との接続部分を配置することにより、被処理水槽23中の被処理水の水位差を利用して、さらに、気液供給管61に供給された気体が、被処理水を押し上げるために膜モジュール1に被処理水を供給することができる。このため、被処理水を供給するためのポンプを省略することができる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
実施形態8
本発明の水処理装置は、例えば、図13に示した水処理装置でもよい。
この水処理装置は、有機排水57を嫌気性微生物によって生物処理する嫌気槽56と、嫌気槽56で生物処理した処理水を膜分離する膜モジュール1とを有する。
(嫌気槽)
嫌気槽56は、有機排水中の有機物を嫌気性微生物によりメタンガス等に生物処理するための槽である。嫌気槽56で生物処理された有機排水は、処理水として膜モジュール1に供給される。嫌気槽56は、嫌気槽56に有機排水57を供給するための管と、嫌気槽56で処理した処理水を膜モジュール1に供給するための管とが接続される。嫌気槽56は、フラッシング水を戻すための管に接続されることもある。嫌気槽56は、図13に示すように、貯留する有機排水を攪拌するための攪拌棒などの攪拌手段58を備えていてもよい。
嫌気槽56は、酸生成反応とメタン生成反応とを同一槽で行う1槽式でも、各反応を別の槽で行う2槽式であってもよい。2槽式の場合、各嫌気槽は浮遊方式(撹拌方式)、汚泥床方式(スラッジブランケット方式)など任意の方式でよく、また、担体添加型、造粒汚泥型であってもよい。
嫌気槽のCODCr負荷は1〜30kg/m3・d、特には2〜10kg/m3・dが好ましい。嫌気槽の温度は25〜40℃、もしくは45〜60℃が好ましく、HRTは6〜72hr程度、特には12〜48hr程度が好ましい。
嫌気槽56には、予め凝集剤又は活性炭を添加していてもよい。凝集剤又は活性炭を添加することにより、有機排水中の汚泥性状を改良したり、透過水中から窒素、リン等の成分を取り除くことが可能となる。
(有機排水)
有機排水は、有機物を汚濁物質として含む溶液である。有機排水の生物化学的酸素要求量(BOD:Biochemical oxygen demand)は、100mg/L以上であることが好ましく、200mg/L以上であることがより好ましく、さらに好ましくは500mg/L以上である。
嫌気槽56の有機排水57への酸素の供給が遮断されると、嫌気槽内は嫌気状態となる。この状態で、嫌気槽内の嫌気性微生物が有機排水中の有機物を生物処理することにより、有機物がメタンガス等に変換され、有機排水が処理水となり、膜モジュールに供給され、ろ過される。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
(水処理方法)
本発明の水処理方法は、特に限定されるものではなく、その対象、目的、用途等に応じて、当該分野で公知の方法を利用することができる。
例えば、図2に示した水処理装置を用いて、以下の処理フローに従って水処理を行なうことができる。ただし、図4〜13に示した水処理装置又はろ過装置を用いる場合においても、ろ過及び逆洗等の工程は、図2の水処理装置と同様に行うことができる。
被処理水を、被処理水が収容された被処理水槽23から水供給ポンプ24によって、膜モジュール1に供給する。膜モジュール1では、例えば、一定の内外膜間差圧を負荷し、その膜間差圧を利用して、水のみが中空糸膜を透過し、浮遊物(汚物等)が中空糸膜により捕集される。これによって、透過水Aを得、得られた透過水Aが透過水槽26に送り込まれる。
このような水処理(ろ過)を、通常、所定時間、連続的に行なう。
本発明の水処理方法では、膜モジュールにおける加圧方式は、内圧加圧式又は外圧吸引式あるいはその両方のいずれの方式でもよいが、特に、内圧加圧、つまり、中空糸膜の内側に被処理水を供給し、中空糸膜の外側に透過水を取り出す方式が好ましい。この場合の内外の膜間差圧は、処理対象の種類によって、例えば、透過圧力で10〜300kPa程度が挙げられ、好ましくは、200kPa程度以下である。膜間差圧をこの範囲とすることにより、実用上要求される透水性能を維持することができるとともに、長期間、安定した透水速度を得ることができる。本発明では、膜モジュールに使用される中空糸膜は大口径であるために、濁度の高い水を閉塞することなく、処理することができる。
また、内圧ろ過によって加圧する場合、真空を適用して得られる平膜での最大膜間差圧を超える高圧ろ過での運転ができる。
また、本発明の水処理方法では、膜モジュール1は、デッドエンドろ過を行うことが好ましい。特に、本発明では、膜モジュールに使用される中空糸膜は大口径であるために、小口径のものに比較して、より大量の被処理水をより短時間で処理することができるとともに、小口径のものに比較してより閉塞しにくい中空糸膜を用いることから、デッドエンドろ過に好適に用いられる。
特に、デッドエンドろ過と大口径の中空糸膜の使用とを組み合わせることにより、汚濁物の堆積防止及び汚染からの回復と、低エネルギーでの運転とを両立させることができる。
デッドエンドろ過では、膜モジュール1が濃縮液を排出せずに、例えば、上述した膜間差圧の範囲内で、かつ略一定差圧(例えば、±20%程度)にて、透過水Aを透過水槽6へ一方的に排出するように運転することが好ましい。
上述したろ過において、ろ過能力を維持するため、定期的又は任意の時期(ランダムなタイミングで)に、水又は空気(好ましくは水)による逆洗を行う。逆洗に用いる水は、ろ過水、水道水、工業用水、処理水(例えば、活性炭、UF膜、RO膜などで処理をした水)などの清浄水を用いることができる。なかでも、逆洗は、膜モジュール1において得られた透過水Aの一部を、逆洗ポンプ25によって、逆洗水Bとして膜モジュール1に送り込むことが好ましい。この際、通常、例えば、一定の外内膜間差圧を負荷し、逆洗を行なう。外内膜間差圧は、特に限定されるものではなく、ろ過運転時と同程度以上の高圧で短時間で行なうことが好ましく、ろ過運転時よりも高圧で行なうことがより好ましい。例えば、逆洗圧力は50〜300kPa程度が挙げられる。特に、100kPa程度以上、150kPa程度以上で行なうことが、短時間で有効にその性能を回復させることができるため、好ましい。
逆洗の継続時間及び間隔は、特に限定されるものではなく、被処理水の種類、濁度等によって適宜調整することができる。なお、逆洗で使用される水は、加温(例えば、20〜80℃)されたものを使用することが好ましい。
このように、本発明の水処理方法では、全ろ過による水処理と、逆洗とを交互に行なうことができる。これは、外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を利用するために、逆洗によっても剥離、破断等を招くことなく、効率的に逆洗することができるためである。これにより、高濁度排水を、低エネルギーで処理することが可能となる。
逆洗は、通常、透過水Aの一部を利用して行なうが、これに加えて又はこれに代えて、薬液を利用してもよい。例えば、逆洗時に一定濃度の薬液を注入する方法が挙げられる。
薬液としては、当該分野で通常用いられているものを利用することができ、例えば、有機又は無機の酸又はアルカリ水溶液、酸化剤、洗剤、界面活性剤、有機溶媒(例えば、アルコール)等の1種又は2種以上の組み合わせが挙げられる。具体的には、膜面に付着した汚れが有機物の場合には、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤を用いることができ、マンガン又は金属塩のような無機物の場合には、塩酸、硫酸、シュウ酸、クエン酸等を使用することができる。また、UF膜などの目の細かい膜は、酸化剤等で分解しにくい低分子有機物等が汚染物質として捕捉されるため、有機溶媒(例えば、エタノール)が有効である。薬液による洗浄効果は、特に濃度、温度、時間等に比例して強くなる傾向がある。よって、高濃度かつ加温(例えば、20〜80℃)した薬液を用いることが好ましい。そのために、例えば、逆洗に用いる液体の配管をヒーター、熱交換器等を用いて加温することが好ましい。加温によって、液体の粘度を下げることができるため、逆洗流束を高めるのに有効である。
逆洗に薬液を利用することにより、より短時間で薬液洗浄を行なうことができるとともに、逆洗における加圧によって中空糸膜内部の孔内までも薬液を容易かつ短時間で浸透させることができ、効果的な洗浄を行なうことが可能となる。さらに、逆洗用ポンプをそのまま薬液洗浄に利用することができるために、新たな設備又は配管を行なうことなく、容易かつ簡便に行なうことができる。また、薬液を用いる逆洗によって、薬液を中空糸膜に浸透、浸漬させることが容易にできるために、薬液使用量を低減させることができる。
例えば、ろ過工程においてろ過圧力が所定圧力よりも上昇した際又はろ過流量が所定流量よりも下降した際に、あるいは逆洗工程における逆洗圧力が所定逆洗圧力よりも上昇した際又は逆洗流量が所定逆洗流量よりも下降した際に、薬液での洗浄を行うことが好ましい。この方法を行うために、図4に示した水処理装置を利用することが好ましい。
一般に、膜モジュールにおける膜の透水性能の低下の原因は、主に(i)ケーキ層の発生、(ii)ゲル層の発生、(iii)ケーキ層及び/又はゲル層の吸着などである。(i)および(ii)による汚れは逆洗、後述するフラッシング又はエアスクラビングなどの物理洗浄で除去することができる可逆的な汚れである。一方、発生したケーキ層が成長して膜面を閉塞すると、単純な物理洗浄等では汚れを除去できなくなる。また、(iii)は、物理洗浄だけでは除去することができない不可逆な汚れと相関する。よって、これらの汚れ及び/又は汚れの成長は、膜の維持管理にとって致命的となり得る。
つまり、水処理においては、上述したように、ろ過及び逆洗を繰り返し行っていても、逆洗工程を行っても、剥離/除去しきれない汚れが蓄積していく。
本発明の水処理方法では、このような汚れの成長を確実に防止/低減するために、その蓄積の程度を、ろ過又は逆洗時の流量の下降又は圧力の上昇によって判断し、ろ過又は逆洗の流量又は圧力が、所定の流量又は所定の圧力に達したタイミングで薬液洗浄を行うことによって、常に所定のろ過効果及び常に一定の逆洗効果を得ることができる。また、逆洗流量が低下することによる急激な洗浄効果の低減及び加速度的な膜面の閉塞の進行を阻止することが可能となる。さらに、薬液洗浄の早計なタイミングによる実行を回避して、より薬品コスト、運転コストの低減を図ることが可能となる。
ろ過及び逆洗工程において一定の流量とする方法としては、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、インバータを用いたポンプのPID制御などが挙げられる。
具体的には、定流量ろ過は、自動弁22を閉の状態にするとともに、自動弁28を開の状態として、水供給ポンプ24を作動させることにより行われる。これによって、被処理水を被処理水槽23から膜モジュール1内に供給し、膜モジュール1の透過水取出口1cから配管を経て、透過水槽26に一定量で透過水を排出させることができる。
同様に、定流量逆洗は、自動弁28を閉の状態にするとともに、自動弁22を開の状態として、逆洗ポンプ25を作動させることにより行われる。これによって、逆洗水(一部の透過水)を透過水槽26から膜モジュール1の内側に一定量で噴出させ、膜モジュール1の排水口1bから配管を経て、システム外に排出させることができる。
ここで、定流量とは、所定の流量値を示すことを意味するが、若干の変動は許容される。ここでの一定の流量は、用いる水処理システムの規模及び設備の種類/特性、被処理水の量等によって適宜調整することができる。
逆洗工程間に行う1回の連続的に行われる定流量ろ過の際には、ろ過初期から時間を経ることで、ろ過圧力が略一定に維持されるか、ろ過初期から時間を経るにつれて、ろ過による膜モジュールの目詰まり又は表面閉塞等により、ろ過圧力([[(PI-1)+(PI-2)]/2]-(PI-3)で表される値)が徐々に上昇することが想定される。ろ過圧力の上昇は、連続したろ過中だけでなく、逆洗を挟んで繰り返される一連工程においても不可逆な汚れの進行によって発生する。
また、ろ過工程間に行う1回の連続的に行われる定流量逆洗の際には、逆洗流量を一定に保つことによって、逆洗初期から時間を経るにつれて、逆洗の効果が発揮されることによって逆洗圧力((PI-3)-[[(PI-1)+(PI-2)]/2]で表される値)が徐々に低下することが想定される。ただし、長期的には不可逆な汚れの進行によって逆洗圧力は上昇する。
従って、これらろ過又は逆洗の際の膜間差圧(つまり、ろ過圧力又は逆洗圧力)をモニタリングしていると、このろ過圧力又は逆洗圧力が突然又は徐々に上昇し続けることがある。このろ過圧力又は逆洗圧力の上昇が、膜の汚れの進行程度を表す指標となる。よって、このろ過圧力又は逆洗圧力が予め設定された所定圧力に達した(所定圧力以上となった)タイミングを、薬液洗浄を行うタイミングと設定することができる。
ここで、ろ過工程においてろ過圧力が所定圧力に達したことは、例えば、膜モジュール1の透過水取出口1c側において、圧力変動を伴わない連結管での圧力、例えば、図4においては、ろ過圧力([[(PI-1)+(PI-2)]/2]-(PI-3)で表される値)で表される値により判断することができる。また、逆洗工程においては、逆洗圧力が所定逆洗圧力に達したことは、圧力((PI-3)-[[(PI-1)+(PI-2)]/2]で表される値)によって判断することができる。所定圧力又は所定逆洗圧力の最適な値は、用いる水処理システムの種類、規模、個々の設備、特に膜モジュールの構成、大きさ、性能、排水性状等、種々の要因を考慮して設定することができるが、好ましくは0.3MPa以下、より好ましくは0.2MPa以下、さらに好ましくは0.1MPa以下である。
ろ過及び逆洗工程において一定の圧力とする方法としては、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、インバータを用いたポンプのPID制御などが挙げられる。
具体的には、定圧ろ過は、自動弁22を閉の状態にするとともに、自動弁28を開の状態として、ろ過圧力([[(PI-1)+(PI-2)]/2]-(PI-3)で表される値)で表される値をモニターしながら、水供給ポンプ24を作動させることにより行われる。これによって、被処理水を被処理水槽23から膜モジュール1内に供給し、膜モジュール1の透過水取出口1cから配管を経て、透過水槽26に一定圧で透過水を排出させることができる。
同様に、定圧逆洗は、自動弁28を閉の状態にするとともに、自動弁22を開の状態として、圧力((PI-3)-[[(PI-1)+(PI-2)]/2]で表される値)をモニターしながら、逆洗ポンプ25を作動させることにより行われる。これによって、逆洗水(一部の透過水)を透過水槽26から、一定圧で、膜モジュール1の内側に噴出させることができ、逆洗水は、膜モジュール1の排水口1bから配管を経て、システム外に排出させることができる。
ここで、定圧とは、所定の圧力値を示すことを意味するが、若干の変動は許容される。ここでの一定の圧力は、用いる水処理システムの規模及び設備の種類/特性、被処理水の量等によって適宜調整することができる。
逆洗工程間に行う1回の連続的に行われる定圧ろ過の際には、ろ過圧力を一定に保つことによって、ろ過初期から時間を経てもろ過による膜モジュールの目詰まり又は表面閉塞等が生じない場合には、ろ過流量が略一定に維持されるか、ろ過初期から時間を経るにつれて、若干のろ過による膜モジュールの目詰まり又は表面閉塞等により、ろ過流量が徐々に低下することが想定される。
一方、ろ過工程間に行う1回の連続的に行われる定圧逆洗の際には、逆洗圧力を一定に保つことによって、逆洗初期から時間を経るにつれて、逆洗の効果が発揮されることによって逆洗流量が徐々に上昇することが想定される。ただし、長期的には不可逆な汚れの進行によって逆洗流量は低下する。
従って、これらろ過又は逆洗の際のろ過流量又は逆洗流量をモニタリングしていると、このろ過流量又は逆洗流量が突然又は徐々に減少し続けることがある。このろ過流量又は逆洗流量の減少が、膜の汚れの進行程度を表す指標となり、この減少によって、予め設定された所定流量に達した(所定流量以下となった)タイミングで、薬液洗浄を行うタイミングと設定することができる。
ここで、ろ過工程においてろ過流量が所定圧流量に達したことは、例えば、膜モジュール1の透過水取出口1c側において、連結管に装備された流量計、例えば、図4においては流量計FI−2により判断することができる。また、逆洗工程においては、逆洗流量が所定逆洗圧流量に達したことは、ろ過工程に準じて判断することができる。所定流量又は所定逆洗流量は、用いる水処理システムの種類、規模、個々の設備、特に膜モジュールの構成、大きさ、性能等、種々の要因を考慮して、最適な値を設定することができる。
なお、本発明では、上述したように、ろ過工程においてろ過圧力が所定圧力よりも上昇した際又はろ過流量が所定流量よりも下降した際に、薬液による洗浄を行うが、このようなろ過工程を中断して、あるいはろ過圧力上昇又はろ過流量が下降したろ過工程のサイクルが終了した後、薬液による洗浄を行ってもよいし、このようなろ過工程を中断して、あるいはろ過圧力上昇又はろ過流量が下降したろ過工程のサイクルが終了した後、通常の逆洗工程を行った後に薬液による洗浄を行ってもよい。
ただし、逆洗工程において逆洗圧力が所定圧力よりも上昇した際又は逆洗流量が所定流量よりも下降した際には、このような逆洗工程を中断して、あるいは逆洗圧力上昇又は逆洗流量が下降した逆洗工程のサイクルが終了した後、ろ過工程を行うことなく、薬液による洗浄を行うことが好ましい。
なかでも、ろ過工程でのろ過圧力が所定圧力よりも上昇した後又はろ過流量が所定流量よりも下降した後、逆洗工程において逆洗流量を一定にして逆洗圧力をモニターし、この逆洗圧力の所定圧力の上昇をモニターして、薬液での洗浄でのタイミングを図ることが好ましい。この方法によれば、不可逆な汚れに対する最適なタイミングを判断することが可能となる。
本発明の水処理方法で行なわれる交互の水処理(ろ過)及び逆洗は、必ずしも連続的に行わなくてもよく、例えば、水処理又は逆洗の後あるいはこれらの間に、フラッシング、ドレン、休憩工程を行なってもよい。
フラッシングは、主に槽、配管内部及び/又は膜モジュールなどの浮遊/付着物、残留異物等を除去するために行なう工程であり、加圧せずに、例えば、膜面流速0.1m/s以上で行なうことが好ましい。フラッシングする際の水は、通常、被処理水が用いられる。膜モジュール1を通した水は、フラッシング水Cとして、再度、被処理水槽23に戻される。
なお、中空糸膜の内径よりも大きな粒子や繊維の塊、棒状の物質が膜モジュール端面でひっかかり、管路を塞ぐことがあるが、この膜モジュール端面での閉塞を、被処理水の供給向きと逆向きにフラッシングをすることで防止してもよい。
また、本発明では、全ろ過による水処理と、フラッシングとを交互に行い、定期的又はランダムなタイミングで逆洗を行ってもよい。ここでのランダムなタイミングとしては、例えば、定圧ろ過時では、透水性能の低下が20%となった時、定量ろ過時では、膜間差圧の上昇が20%となった時が挙げられる。また、逆洗は、10%以内の変動で行うことが好ましい。これにより、高圧での逆洗自体の回数を低減させることができ、さらに中空糸膜の寿命を向上させることができる。
ドレンは、主に、膜モジュールにおいて中空糸膜内部、端面に蓄積又は残留する浮遊、付着、残留物、濃縮液等を系外に除去/排出する工程であり、例えば、すべてのポンプを停止した状態で膜モジュールの下部又は同時に上部を開放することにより、濃縮液等を自然に落下させて回収する方法が挙げられる。あるいは、膜モジュールの下部又は同時に上部を開放した状態で逆洗を実施し、逆洗排水を膜モジュール下部又は上部で回収する方法であってもよい。この回収された濃縮水又は逆洗排水は、別途設けたドレン水槽に貯めてもよいし、処理フローでより上流側に返送してもよい。
休憩工程は、水処理を一次停止することを意味する。
上述した水処理、逆洗、フラッシングにおいては、気体供給装置を利用して、気泡を導入してもよい。この気泡はマイクロバブルであってもよい。気泡は、前記膜モジュール又は膜モジュールの上流側に導入することが好ましい。例えば、全ろ過→逆洗→フラッシング、全ろ過→逆洗+バブリング、全ろ過→逆洗→フラッシング+バブリング、全ろ過→フラッシング+バブリング→全ろ過→…→逆洗等が挙げられる。
バブリングの時間は特に限定されるものではなく、1秒以上、1分以上、好ましくは数秒〜数分程度、かつ、水処理、逆洗、フラッシングが非効率的にならない範囲で調整することが好ましい。また、気泡の大きさによって、バブリングの時間を適宜調整することが好ましい。
気泡の導入は、例えば、被処理水比(膜モジュールに導入する際において、膜モジュールに導入する被処理水体積に対して)で5程度以下、4程度以下、2程度以下、さらに1/2程度以下の体積となるように、気泡の大きさ等を考慮して、適宜調整することが好ましい。
なお、気泡の導入は、ろ過時又は逆洗時、その他の時期等に問わず、常時行ってもよいし、間欠的に行ってもよい。
さらに、上述した水処理、逆洗、フラッシングにおいては、当該分野で公知の方法を利用して、例えば、超音波発生装置を利用して、超音波を導入してもよい。この場合の超音波は、例えば、十数kHz〜数GHz程度の周波数のものであればよい。超音波は、膜モジュールに又は膜モジュールの上流に導入することが好ましく、膜モジュールにのみ導入することがより好ましい。超音波は、上述したバブリングと同様に、水処理、逆洗、フラッシング等を行なっている間又はそれら処理と処理との間に導入してもよく、常時行なってもよいし、間欠的に導入してもよい。
図5又は図6Aの水処理装置を用いる場合、第1のポンプ24aで、被処理水を膜モジュール1に供給すると同時に、第2のポンプ29で膜モジュール1に供給された被処理水を吸引ろ過する工程を含むことが好ましい。
つまり、被処理水槽23内の被処理水が、第1のポンプ24aにより膜モジュール1の被処理水供給口1aに供給される。この際、同時に、第2のポンプ29で膜モジュール1に供給された被処理水を、透過水取出口から吸引ろ過する。それによって、被処理水が膜モジュール1の中空部内部を流れて、排水口から流出し、再び被処理水槽23に戻る被処理水循環路を循環すると同時に、その一部が、適切な膜間差圧を生じさせることにより、中空部内部から外部に浸出してろ過される。
透過水は、膜モジュール1の透過水取出口から所望の水量で取り出され、膜モジュール1と透過水槽26とを結ぶ配管に設けられた連結管を通って、透過水槽26に送水される。
このように、被処理水槽23側からの膜モジュール1への被処理水の供給の量及び/又は速度(循環流速)の制御と、透過水槽26側からの膜モジュール1への透過水の吸引ろ過(透過水量)の制御とを、独立に行うことが可能となる。よって、圧損による膜モジュール内の循環流速の低減を効果的に防止することができる。
なお、第2のポンプ29は、被処理水を吸引するポンプとしての利用に加え、透過水槽26からの透過水を膜モジュールに供給する逆洗ポンプとしても使用することができる。
本発明の水処理方法では、上述したように、大口径の膜モジュールを用いるために、従来の海水淡水化等で必要としていた砂ろ過等の除濁処理を行なうことなく、直接被処理水を膜モジュールに導入することができる。ここで、除濁とは、中空糸膜でのろ過よりも粗いろ過、即ち、膜モジュールでろ過処理する前に実施され、中空糸膜で分離するよりも粗い不純物(例えば、固形物質等)を除去することを意味する。ただし、場合によってはモジュール端面で閉塞することがあるので、この場合には、フラッシングを通常供給方向とは逆向きで行うことでモジュール端面の閉塞物を除去することができる。
また、本発明の水処理方法では、前処理として、予め活性炭又は凝集剤で処理した被処理水をろ過(例えば、全ろ過)に付してもよい。
活性炭又は凝集剤は、通常、被処理水槽(例えば、沈殿槽)で、固形物、凝集物、析出物等を沈殿させて分離させるために使用することができる。しかし、活性炭又は凝集剤により凝集して発生した粒子が混入した被処理水が膜モジュールに供給される場合、膜モジュール内の膜に存在する分画性能を有する層(例えば、スキン層)が損傷又は破損させて分画性能を低下させることがある。これは、特に、従来使用されていた支持体との複合体からなる膜で顕著である。このような複合体は、膜の内部の一面にしかスキン層を有しておらず、このスキン層が分画性能を左右するからである。一方、本願発明の膜モジュールでは、分画性能を有する層は、中空糸膜の両面に存在するため、一面が活性炭又は凝集剤に起因する損傷又は破損しても、分画性能を低下させることはない。したがって、活性炭又は凝集剤を用いて前処理することにより、固形物、凝集物、析出物を効果的に沈殿分離させ、より容易に目標水質に達成させることができる。また、活性炭又は凝集剤を用いても、本発明における中空糸膜は支持体を有しないために膜表面の平滑さに優れている。よって、これらに起因する固形物等が膜表面に付着して、分画性能を低下させるなどの不具合は起こりにくい。
本発明の水処理方法では、全ろ過によって中空糸膜内部に汚泥、有価固形物等の浮遊性粒子を濃縮蓄積することができる。これらの蓄積された汚泥、有価固形物等は、ドレン、逆洗又はフラッシングをすることにより、中空糸膜内部で濃縮された状態、例えばペレット状に固まった状態で回収することができる。
以下、本発明の水処理方法を、実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
(膜モジュールの作製)
塩素化塩化ビニル樹脂として積水化学工業株式会社製、HA31K(塩素化度67%、重合度800)を25重量%と、製孔助剤としてポリエチレングリコール400を20重量%とを、ジメチルアセトアミドに溶解した。この溶液を、空気中であらかじめ吐出した状態から凝固槽中に金型を沈めて中空糸ノズルにより連続的に吐出させ、凝固槽にて相分離させることによって多孔質の中空糸膜を得た。
得られた中空糸膜の外径は5.4mm、内径は4.8mmであった。
また、引張破断強度は33N/本、引張破断伸び50%であった。
得られた中空糸膜単糸を用いて図1に示すような膜モジュールを作製した。
純水による透水試験を行った結果、処理時の内水圧0.5MPaで、膜構造が変形することなく中空糸膜としての性能を発揮させることができた。
また、逆洗時の外水圧0.3MPaの条件においても膜構造が変形することなく、洗浄に支障のない性能を発揮させることができた。
さらに、純水透水性能は200L/m2・hr・atmであった。
また、3000ppm濃度の活性汚泥を用いて図2に示すような装置を用いて透水試験を行った結果、処理時の内水圧が0.5MPaで、汚泥の堆積による閉塞も発生することなく水処理膜としての性能を発揮させることができた。
さらに、次亜塩素酸ナトリウム溶液により、外水圧0.3MPaで逆洗を行ったが、膜構造が変形することなく、洗浄に支障のない性能を発揮させることができた。
この膜モジュールでは、大口径の中空糸膜であるにもかかわらず、水処理膜として十分な耐内外水圧強度0.3MPa以上の機械的強度と、100L/m2・hr・atm以上の透水性等を確保しながら、特に、透過水量と引張強度とのバランスに優れ、かつ固形分の堆積による閉塞が発生しにくく、耐薬品性に優れ、水処理効率をさらに向上させることができることがわかった。
実施例:水処理方法1
上記方法と同様の方法により得られた種々のサイズの表1に示す塩素化塩化ビニル樹脂の単一主要素材による単層構造の中空糸膜を用いて膜モジュールを作製した。なお、比較例5の中空糸膜は、ロール上のPET不織布に塩素化塩化ビニル樹脂を塗布して作製した。この膜モジュールの純水によるろ過性能LMH(L/m2・hr・atm)を、表1に併せて示す。
Figure 2014128850
この膜モジュールを備える図2に示す水処理装置を用いて、以下の表に示す一連の水処理(ろ過と逆洗との所定時間の連続処理)を行い、ろ過性能(LMH)及び消費エネルギーを評価した。
その結果を表2に示す。なお、実施例4における水処理は、全ろ過→フラッシング→全ろ過→フラッシング→…→逆洗→全ろ過の順序で行なった。
Figure 2014128850
被処理水における括弧内数値は、SS又はMLSSの値を示す。
上記の結果から、本発明の水処理方法では、非常に効率的にろ過及び逆洗を行なうことができ、高い水処理効率及び経済性を確保することができることが確認された。
一方、比較例1から3においては、除濁なしではろ過を行なうことができなかった。比較例4では、逆洗を行なっていないために高エネルギー運転を余儀なくされ、その性能もエネルギーに対して相当に低かった。また、薬液コストかかった。比較例5は、複合膜を用いたために、高圧逆洗(0.2MPa付近)で膜がつぶれて、結局、逆洗ができなかった。0.15MPaでの逆洗では、やはり短期間で膜が閉塞し、安定運転ができなかった。
実施例:水処理方法2
セルローストリアセテート(CA)24重量%と、製孔助剤としてトリエチレングリコール15.4重量%とを、N−メチル2−ピロリドンに溶解した。上記と同様の方法で、この樹脂溶液を紡糸金型により連続的にほぼ水平に凝固槽内(水充填)に吐出させ、凝固槽にて相分離させることによって多孔質の中空糸膜を得た。
また、ポリエーテルサルフォン(PES)22重量%と、製孔助剤としてポリビニルピロリドン5重量%とを、N−メチル2−ピロリドンに溶解した。上記と同様の方法で、この樹脂溶液を紡糸金型により連続的にほぼ水平に凝固槽内(水充填)に吐出させ、凝固槽にて相分離させることによって多孔質の中空糸膜を得た。
具体的には、図3に示したように、膜34の紡糸方向を水平方向とし、凝固槽30内(水充填)において、紡糸金型31の吐出口から10m一直線に水平方向36)に引き取った。その下流1m程度の間で、膜34をローラー39により10cm程度持ち上げ、凝固槽30外であって、凝固槽30内の紡糸金型31の吐出口の位置37よりも高い切断位置38で、切断機によって切断35し、中空糸膜を得た(表3)。
表3に示した単一主要素材による単層構造の中空糸膜を用いて図1に示す膜モジュールを作製した。
Figure 2014128850
この膜モジュールを備える図2に示す水処理装置を用いて、以下の表に示す一連の水処理(ろ過と逆洗との所定時間の連続処理)を行い、ろ過性能(LMH)及び消費エネルギーを評価した。
その結果を表4に示す。
Figure 2014128850
被処理水における括弧内数値は、SS又はMLSSの値を示す。
本発明は、河川水及び地下水の除濁、工業用水の清澄、排水及び汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製等のために使用される水処理装置として、広範(例えば、限外ろ過及び精密ろ過)に利用することができ、経済的かつ効率的な水処理を行なうことができる。

Claims (18)

  1. 外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を用いた膜モジュールを備える水処理装置を用い、
    全ろ過よる水処理と、逆洗とを交互に行なうことを含む水処理方法。
  2. 外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を用いた膜モジュールを備える水処理装置を用い、
    全ろ過による水処理と、フラッシングとを交互に行い、定期的又はランダムなタイミングで逆洗を行うことを含む水処理方法。
  3. 前記全ろ過による水処理または逆洗の後あるいは前記全ろ過による水処理及び逆洗の間にドレン又はフラッシングを行なう請求項1又は2に記載の水処理方法。
  4. 前記水処理、逆洗又はフラッシングにおいて気泡又は超音波を、前記膜モジュール又は膜モジュールの上流側に導入する請求項1〜3のいずれか1つに記載の水処理方法。
  5. 気泡又は超音波を、間欠的に導入する請求項4に記載の水処理方法。
  6. 前記水処理の前処理として、除濁を行なうことなく被処理水を全ろ過に付す請求項1〜5のいずれか1つに記載の水処理方法。
  7. 前記水処理の前処理として予め活性炭又は凝集剤で処理した被処理水を全ろ過に付す請求項1〜6のいずれか1つに記載の水処理方法。
  8. 前記逆洗時に薬液を用いる請求項1〜7のいずれか1つに記載の水処理方法。
  9. 水処理装置が、さらに、
    被処理水を貯留する被処理水槽と、
    該被処理水槽内にマイクロバブルを発生させるマイクロバブル発生装置と、
    前記被処理水槽の下方に連結された管とを備え、
    前記被処理水槽の被処理水にマイクロバブルを供給し、該被処理水内に存在する汚泥によるスカムを浮上させ、かつ、被処理水槽の下方から被処理水を取水して前記膜モジュールに供給し、前記被処理水の固液分離を行う請求項1〜8のいずれか1つに記載の水処理方法。
  10. 前記水処理において、ろ過圧力が所定圧力よりも上昇した際又はろ過流量が所定流量よりも下降した際に、あるいは
    前記逆洗時における逆洗圧力が所定逆洗圧力よりも上昇した際又は逆洗流量が所定逆洗流量よりも下降した際に、薬液を用いる請求項8に記載の水処理方法。
  11. 被処理水槽と、
    該被処理水槽外に配置され、外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を用いた膜モジュールと、
    透過水槽と、
    前記被処理水槽と、膜モジュールと、透過水槽とをこの順に連結する連結管と、
    前記被処理水槽と前記膜モジュールとの間の連結管に第1のポンプ、
    前記膜モジュールと透過水槽との間の連結管に第2のポンプを備える水処理装置。
  12. 被処理水が貯留された被処理水槽と、
    外径が3.6mm〜10mm、外径と肉厚の比であるSDR値が5.8〜34及び内径が3.2mm以上である自立構造を有する、両面において分離機能を有する中空糸膜を用いた、前記被処理水を処理する膜モジュールと、
    前記膜モジュールに接続され、前記膜モジュールに前記被処理水及び気体を供給する気液供給管と、
    前記被処理水槽及び前記気液供給管に接続され、前記被処理水槽の前記被処理水を前記気液供給管に供給する液体供給管と、
    前記気液供給管に接続され、前記気液供給管に前記気体を供給する気体供給管と、
    前記気体供給管に接続され、前記気体供給管を通じて、前記気液供給管に前記気体を供給する気体供給装置と、を備え、
    前記液体供給管及び前記気液供給管の接続部分が、前記被処理水槽における前記被処理水の水面よりも低い位置にある水処理装置。
  13. 前記中空糸膜が、塩化ビニル系樹脂により形成されてなる請求項11又は12に記載の水処理装置。
  14. 前記水処理装置が、前記膜モジュールを1以上と開閉手段とを含むろ過装置を備え、
    前記膜モジュールは、
    複数本の長手方向に延長した前記中空糸膜と、
    該中空糸膜を収容するケースと、
    該ケースに設けられ、前記中空糸膜外側空間と連通する第1管口と、
    前記ケースの別の部位に設けられ、前記中空糸膜の両端で前記中空糸膜内側空間と連通する2つの第2管口とを備え、
    前記開閉手段は、
    貫通孔又は切欠を備える、回転可能又は移動可能な板状又は管状部材を有し、
    前記中空糸膜の一端又は両端、あるいは前記1つ又は2つの第2管口近傍に配置され、かつ
    前記板状又は管状部材の回転又は移動により、前記中空糸膜の一部又は前記膜モジュールが2以上備えている場合の該膜モジュールの一部を経時的に開通及び閉塞させる請求項11〜13のいずれか1つに記載の水処理装置。
  15. 前記ろ過装置が、複数の膜モジュールを有し、
    前記開閉手段は、
    該複数の膜モジュールの一方の前記第2管口それぞれに連結された継ぎ手を有し、
    該継ぎ手は、長手方向に延長した円管形状であり、その内側に内管を有し、外周面に複数配列された連結口を備え、該連結口を介して前記第2管口それぞれに連結されており、
    前記内管は、その側面に複数の孔を有し、かつ前記継ぎ手の管中心を軸として回転可能又は長手方向に移動可能であり、
    前記内管の複数の孔は、前記長手方向において前記継ぎ手の連結口にそれぞれ対応する位置であって、かつ、前記連結口に対応する位置での前記内管の外周面において内管の断面方向から見てそれぞれ異なる位置に配置されている請求項14に記載の水処理装置。
  16. 前記開閉手段は、
    前記中空糸膜の延長方向と同方向に軸を有し、前記中空糸膜の端面に物理的に近接して前記中空糸膜の複数本のうちの一部を閉塞する回転子を備える請求項14に記載の水処理装置。
  17. さらに、被処理水槽内にマイクロバブルを発生させるマイクロバブル発生装置を備え、
    前記被処理水槽と連結された管が、前記被処理水槽の下方に連結されている請求項11〜13のいずれか1つに記載の水処理装置。
  18. 前記被処理水槽が生物反応槽であり、
    前記被処理水槽と連結された管が、前記生物反応槽から膜モジュールに汚泥含有液を供給する供給管であり、
    さらに、膜モジュールから排出される汚泥含有液を前記生物反応槽の汚泥含有液中に戻す戻し管を有している請求項11〜13のいずれか1つに記載の水処理装置。
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