JP2013044715A - 金属内部への侵入水素量の測定方法および移動体の金属部位内部へ侵入する水素量のモニタリング方法 - Google Patents

金属内部への侵入水素量の測定方法および移動体の金属部位内部へ侵入する水素量のモニタリング方法 Download PDF

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【課題】2枚の金属板を重ね合わせた合わせ部構造からなる金属内部への侵入水素量を正確に計測する。
【解決手段】被検体の片面を腐食環境に暴露する面とし、該被検体の水素検出面側に、複数のセル群で構成された電気化学セルを配置し、該セル群のうち少なくとも一つのセルを残余電流を補正するための基準セルとし、該基準セルの水素侵入面側に対応する箇所には腐食環境との接触を遮断する保護膜を設け、該基準セル以外のセルで検出したアノード電流値を、該基準セルで検出した残余電流値により補正し、この補正したアノード電流値に基づいて腐食面側からの侵入水素量を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、2枚の金属板を重ね合わせた合わせ部構造からなる金属内部へ腐食に伴って侵入する水素量を正確に計測することができる金属内部への侵入水素量の測定方法に関するものである。
また、本発明は、上記の測定方法を利用することにより、自動車、船舶、鉄道車両などの移動体を構成する金属材料の各部位について、使用状態で曝される腐食環境下で腐食することに伴い発生し金属材料中に侵入する水素量を連続的に検出することができる、モニタリング方法に関するものである。
近年、地球温暖化防止の観点から、自動車の走行時に排出されるCO2の削減を狙いとした車体の軽量化が求められている。これに伴い、使用する鋼板を高強度化することによって板厚を低減する努力が進められている。
上記した鋼板の高強度化に伴い、従来の自動車用部品では問題になることのなかった遅れ破壊に対する懸念が新たに浮上してきた。
遅れ破壊とは、高強度鋼部品が静的な負荷応力を受けた状態で、ある時間が経過したとき、外見的にはほとんど塑性変形を伴うことなしに、突然脆性的に破壊する現象であり、広義には液体金属接触割れや応力腐食割れなども含まれるが(非特許文献1)、自動車で問題になるのは腐食に伴い鋼中に侵入する水素によって引き起こされる水素脆化型の遅れ破壊である。
従来から、引張り強さが1200MPa以上の高強度鋼製のボルトが大気環境中で遅れ破壊を起こすことは広く知られていて(非特許文献1)、かかる遅れ破壊は鋼中に侵入した微量の水素によって引き起こされると考えられている。この観点から、鋼中への水素侵入に着目した遅れ破壊の評価方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、鋼材に陰極チャージによって拡散性水素を含有させ、限界拡散性水素量を測定することによって、鋼材の遅れ破壊特性を評価する遅れ破壊特性の評価方法において、限界拡散性水素量の測定中に鋼材から水素が放出されることを防止するために、鋼材に亜鉛めっきを施す方法が提案されている。
また、非特許文献2には、チオシアン酸アンモニウムを用いた水素侵入量の評価方法について報告がなされている。またこの文献では、チオシアン酸アンモニウムによって得られた水素侵入量と、陰極チャージ法によって得られた水素侵入量との比較がなされている。
さらに、非特許文献3には、大気暴露環境下で一定期間腐食させた高強度ボルトを回収して、ボルトに吸蔵された水素濃度を測定した例が報告されている。また、この非特許文献2には、鋼板の片面を外部環境に暴露する試験装置を用いた電気化学的水素透過法によって、反対面側から検出されるアノード電流値の変化から、大気暴露環境下での腐食による水素侵入挙動を調査した結果が報告されている。
なお、上述したように、現時点で最も遅れ破壊の問題が懸念される金属材料は、実用材料として広範に使用されている鋼材であるが、その他の金属材料においても今後は遅れ破壊の問題が生じる可能性が指摘されている(例えば非特許文献4)。
特開2005−134152号公報
「松山晋作:遅れ破壊、日刊工業新聞社、東京、(1989)」 「大村等:腐食防食シンポジウム資料、Vol.170、p.47-54 (2010)」 「大村等:鉄と鋼、Vol.91、No.5、p.42 (2005)」 「高取等:鉄と鋼、Vol.78、No.5、p.149 (1992)」 「M.A.V.Devanathan, Z.Stachurski;Proc. Roy. Soc. London, Ser. A, 270, 90 (1962)」
特許文献1に記載された技術では、鋼中への水素の侵入が陰極チャージにより強制的に水素を侵入させる加速試験であるため、実際の使用環境とは異なる条件の下で、供試材の種類による遅れ破壊発現の優劣をつけることはできるものの、実際の使用環境での腐食に伴う水素侵入量で遅れ破壊が起こるか否かを推定するための判断材料にはならない。
また、非特許文献2に示されたチオシアン酸アンモニウムを用いた水素侵入量の評価方法については、表面の腐食に伴う水素侵入量で遅れ破壊が起こるか否かを推定するための判断材料にならない。
さらに、非特許文献3に開示の大気暴露試験によって得られるデータは、いずれも地勢的な特定環境と結びついた環境因子の下での試験結果にすぎず、構造体の移動に伴い変化する種々の環境下における腐食を継続的に把握することについては、考慮が払われていない。また、非特許文献3に示された鋼板の片面を外部環境に暴露する試験装置を用いた大気暴露における水素透過試験では、環境の温度変化に伴うアノード側の残余電流の変化が考慮されていないことから、測定値の定量性にも問題があった。
上記したように、自動車のような移動体では、移動することによって地勢的な環境が変化し、さらに物理的要因(例えば振動、塵埃堆積−脱落、水・泥跳ね付着−乾燥など)が加わると、腐食環境が極端に変化する場合がある。
しかしながら、上記した振動などの物理的要因や地勢的な環境変化が避けられない移動体について、腐食に伴う水素侵入量を継続的かつ定量的に計測した例は、これまで皆無であった。
また、高強度鋼部品を自動車や鉄道車両等の移動体に用いる場合、1つの金属部品から構成されることは少なく、多くは金属部品同士を重ね合わせた状態(合わせ部構造)で溶接や接着剤などを用いて接続することで所望の形状とすることが一般的である。加えて、製品外観の確保や耐腐食性の観点から、必要に応じてリン酸塩などによる化成処理、電着塗装などによる塗装処理などを施すこともある。
ただし、この合わせ部構造からなる製品については、合わせ部界面の隙間が極めて小さいことから、上述の化成処理及び塗装処理を施すことが難しいことに加え、合わせ部界面に一旦腐食性物質が侵入した場合、該腐食性物質の除去が困難であるため、通常の製品に比べて腐食の進行が速くなるという問題があった。
そのため、上述した合わせ部界面における腐食が発生した場合、金属体内部に水素が侵入し、遅れ破壊が生じる挙動について通常の鋼板とは大きく異なることから、合わせ部構造からなる金属製品についても侵入水素量の測定を正確に行える技術の開発が望まれていた。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、環境の温度変化に伴うアノード側の残余電流の変化を考慮することで、2枚の金属板を重ね合わせた合わせ部構造からなる金属の内部へと侵入する水素量を正確に計測することができる金属内部への侵入水素量の測定方法を提案することを目的とする。
また、本発明は、上記の測定方法を用いることにより、環境が目まぐるしく変化する移動体を構成する金属材料の各部位について、使用状態で曝される腐食環境下での腐食に伴い発生し、金属材料中に侵入する水素量を連続して監視することができる移動体の金属部位内部へ侵入する水素量のモニタリング方法を提案することを目的とする。
さて、本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、電気化学的な原理に基づく侵入水素量の新たな測定方法を開発した。
そして、この測定方法を利用すれば、2つ以上の金属材料を接合してなる金属部品の腐食に伴い侵入する水素を連続的にモニタリングできることも見出した。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.金属材料の腐食に伴って発生し金属内部に侵入する水素の量を、電気化学的水素透過法を用いて測定する方法であって、2枚の金属板を重ね合わせた合わせ部構造からなる被検体の片面を腐食環境に暴露する面とし、この合わせ部構造による2枚の金属板のうち非暴露面側の金属板の合わせ部界面側の表面を腐食反応により発生する水素の侵入面とする一方、該非暴露面側の金属板の他方の面を水素検出面とし、該水素検出面側の電位を−0.1〜+0.3V vs SCEに保持した状態で該検出面に拡散してくる水素の流束をアノード電流として測定するに際し、
該被検体の水素検出面側に、少なくとも2つに分割された複数のセル群で構成された電気化学セルを配置し、該セル群の個々のセルの内部にはpHが9〜13の電解質水溶液を充填すると共に、それぞれ独立した参照電極と対極を設置し、
該セル群のうち少なくとも一つのセルは残余電流を補正するための基準セルとし、該基準セルの水素侵入面側に対応する箇所には腐食環境との接触を遮断する保護膜を設け、
該基準セル以外のセルで検出したアノード電流値を、該基準セルで検出した残余電流値により補正し、この補正したアノード電流値に基づいて腐食面側からの侵入水素量を算出することを特徴とする金属内部への侵入水素量の測定方法。
2.前記2枚の金属板の合わせ部界面における平均クリアランスが、5〜1000μmであることを特徴とする前記1記載の金属内部への侵入水素量の測定方法。
3.前記参照電極としてIr/Ir酸化物電極を用いることを特徴とする前記1又は2に記載の金属内部への侵入水素量の測定方法。
4.前記被検体の水素検出面側の表面を、予めPdまたはPd含有合金あるいはNiで被覆しておくことを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の金属内部への侵入水素量の測定方法。
5.前記1〜4のいずれかに記載の侵入水素量の測定方法を、少なくともその一部が金属材料で構成される移動体の評価対象金属部位に適用し、該評価対象金属部位の腐食に伴い内部に侵入する水素の量を、該移動体の走行環境に伴い変化する腐食環境下において連続して測定することを特徴とする、移動体の金属部位内部へ侵入する水素量のモニタリング方法。
5.前記移動体の評価対象金属部位の内部へ侵入する水素量から、該金属部位の遅れ破壊感受性を評価することを特徴とする、前記4に記載の移動体の金属部位内部へ侵入する水素量のモニタリング方法。
本発明によれば、2枚の金属板を重ね合わせた合わせ部構造からなる金属の内部へと侵入する水素量を正確に検出することができる。
また、本発明によれば、自動車、船舶、鉄道車両などの移動体を構成する金属材料の各部位が、その使用状態で曝される腐食環境下で腐食することに伴い発生し、金属材料中に侵入する水素の量を連続的にモニタリングすることが可能となり、実際の使用環境での腐食に伴う水素侵入量で遅れ破壊が生じるか否かを判断するために必要な情報を得ることができる。
電気化学的水素透過法の説明図である。 本発明の実施に用いて好適なセル構造を模式的に示した図である。 保護膜の無いセルの腐食面(水素侵入面)側および水素検出面側での反応を模式的に示した図である。 Ir線を0.2MのNaOH水溶液中に浸漬したときの電位の経時変化を示した図である。 実施例1の複合サイクル腐食試験を説明するためのフロー図である。 実施例1のサンプルについて時間と電流密度との関係を示した図である。 実施例2の本発明例及び参考例のサンプルについて、時間と電流密度との関係を示した図である。
本発明は、自動車、自動二輪車、鉄道などの各種車両や船舶、航空機など自力で移動可能な移動体のすべてに適用可能な技術であるが、以下、自動車を代表例として実施の形態について詳細に説明する。また、評価対象とする金属材料としては必ずしも鋼板に限定されるわけではないが、ここでは代表例として鋼板に適用した場合について説明する。
本発明は、金属材料の腐食に伴い発生し内部に侵入する水素の量を、電気化学的水素透過法の測定原理を適用して測定するもので、水素侵入面側の鋼板表面を腐食環境に曝すことにより、腐食時に発生した水素が鋼中に侵入するので、反対面側から水素を取り出すことによって侵入水素量を測定する。
電気化学的水素透過法は、1962年にDevanathanとStachurskiによって開発された手法(非特許文献5)で、図1に模式的に示すように、2つの電解槽1a,1bが1枚の試料2を挟んで向かい合わせに配置されている。同図の場合、左側の電解槽1aの試料面を定電位または定電流でカソード分極して、水素発生・水素チャージを行い、右側の電解槽1bでは試料2を定電位アノード分極することによって試料2を透過してきた水素を水素イオンに酸化し、その電流値から透過した水素の量を求めるものである。
図中、符号3a,3bは参照電極、4a,4bは電極であり、特に4bは対電極または係数電極という。そして、電極4aは、定電位を付与するポテンショスタットまたは定電流を付与するガルバノスタットと接続され、一方と電極4bは、定電位を付与するポテンショスタットと接続されている。なお、5a,5bは、対電極4a,4bで発生するガス等の影響を除去するための焼結ガラスフリットである。
上記した電気化学的水素透過法そのものは、「鋼板中の水素拡散係数の測定手法」として従来から良く知られた手法である。
本来の電気化学的水素透過法は、図1に示したように、試料の片面側を陰極にして水素を電解チャージし、反対面側を陽極にして引き抜く手法であるが、これを応用して、水素チャージ面側に相当する面を腐食環境に曝すという研究が報告されている(前掲非特許文献2)。
しかしながら、非特許文献2に開示された測定方法では、温度の変化による測定電流値の変化が考慮されていないという問題があったことは、前述したとおりである。また、電気化学的水素透過法によって水素検出面側で測定されるアノード電流には、水素の酸化電流の他に、供試材の不動態保持電流が重畳されている。この不動態保持電流は、残余電流の主体をなすもので、様々な因子に影響されるが、特に温度による変化が大きい。
電気化学的水素透過法によって水素検出面側で測定されるアノード電流は微弱な電流であることから、残余電流の温度依存性を補正しないと正確なアノード電流を測定することはできない。
上記の問題を解決するために、本発明者等は、種々検討を重ねた結果、水素検出面側に設ける電気化学セルを、同一の被検体の上に少なくとも2つ以上に分割された複数のセル群で構成し、その内の少なくとも一つのセルについては残余電流を補正するための基準セルとし、かつこの基準セルの水素侵入面側に対応する部分に腐食環境を遮断するための保護膜を設けることによって、残余電流の温度依存性の補正を可能としたのである。
図2に、本発明のセル構造を模式的に示す。図2の例では、被検体12を構成する1つの鋼板6の水素検出面6b側に4つのセル7a,7b,7c,7dが設けられていて、一番左側のセル7aが残余電流を補正するための基準セルである。図中、符号8が対極(Pt線)、9が参照電極(Ir線)である。
同図において、各セルにおける鋼板の表面温度、セル内の電解質溶液の温度等はすべて同じ温度とする。また、基準セル7aの水素侵入面側には保護膜10が設けられている。このような保護膜10で被覆された部分は腐食せず、従って水素侵入も起こらないことから、基準セルの水素検出面側で測定される電流は残余電流そのものと考えられる。
図3に、保護膜の無いセル(チャンネルともいう)の腐食面(水素侵入面)側および水素検出面側での反応を模式的に示す。
水素検出面側の表面電位を水素のイオン化反応に十分な電位に保持することで、拡散によって検出面側に到達した水素はすべて水素イオンとして取り出される。なお、本発明において、水素検出面側の鋼板の表面は不動態化されている。これにより、水素検出側で検出されるアノード電流が実質的に水素透過電流に相当すると考えることができる。
従って、かくして得られた電流値を、基準セルにより求めた残余電流値で補正することで、温度変化に伴う残余電流の変化にかかわらず、正確なアノード電流値を計測することができ、その結果、このアノード電流値に基づいて正確な侵入水素量を算出することが可能になるのである。
また本発明では、図2に示すように、2枚の鋼板6、11を重ね合わせた合わせ部構造からなる被検体12の片面11aを腐食環境に暴露する面とし、この合わせ部構造による2枚の金属板6、11のうち非暴露面側の金属板6の合わせ部界面側の表面6aを腐食反応により発生する水素の侵入面とする一方、該非暴露面側の金属板の他方の面6bを水素検出面とすることを要する。合わせ部構造については、鋼板同士6、11の合わせ部界面6a、11bは、化成処理や塗装処理等の耐食性向上のための処理を施すことが難しいことに加え、鋼板と6鋼板11との間の空隙13に一旦腐食性物質が侵入すると、例えば水の場合には蒸発に時間を要する等、侵入した腐食性物質の除去が困難となるため、通常の鋼板表面に比べて腐食が発生しやすくなるという特殊性がある。この特殊挙動の腐食に伴って金属体内部に侵入する水素量についても大きく増加することから、本発明では実際の製品と同様に、合わせ部構造からなる被検体12を作製することによって、鋼板同士の合わせ部構造からなる製品についても腐食に伴う侵入水素量の正確な把握が可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明において、水素検出面側の鋼板を不動態の状態に保持するためには、アノード極室内の溶液はpH:9〜13の電解質溶液とすることが必要である。というのは、pHが9未満では所定の電位において鋼板の表面の不動態を保持することが困難であり、一方、pHが13を超えると、不慮の事故により漏洩した場合に、環境へのダメージが大きいからである。適正なpHの電解質溶液としては、0.1〜0.5M(モル/リットル)程度のNaOH水溶液が好適である。なお、本発明では、適正なpHの電解質溶液として、必ずしも0.1〜0.2MのNaOH水溶液に限定されるわけではなく、水素検出面の鋼板表面を水素のイオン化反応に十分な電位に保持する際に、鋼板の表面の不動態化状態を確保できる電解質溶液であればいずれでも良い。さらに、電解質溶液に代えて、ゲル状の電解質を用いることは、液漏れの防止だけでなく、取り扱いの容易さからも有利である。
また、本発明において、水素検出面の電位は、常時、−0.1〜+0.3V vs SCEに保持しておく必要がある。というのは、水素検出面の電位がこの範囲を外れると、安定した水素のイオン化電流を得ることができなくなるからである。
ここで、SCEは、飽和カロメル電極のことであり、このSCEの標準水素電極(SHE)に対する電位は+0.244 V(vs SHE,25℃)で示される。
なお、電位を制御するための参照電極としては、現在実用化されている各種電極が使用可能である。
ただし、Ag/AgCl電極のような塩化物を含む電極を用いる場合、アノード極室溶液中への塩化物イオンによる汚染により、サンプル表面の不動態が破壊されて残余電流が大きくなり、測定値が不正確になるおそれがある。
そこで、上記のような問題を回避できる参照電極について種々検討した結果、アノード極室溶液中にIr線を浸漬することでIr/Ir酸化物電極となり、長期間安定な電位が得られることが解明された。すなわち、参照電極として最も好適な電極はIr/Ir酸化物電極である。
図4に、Ir線を0.2MのNaOH水溶液中に浸漬したときの電位の経時変化について調べた結果を示す。浸漬初期に電位が変化しているのは、Ir線の表面にIr酸化物(IrOx)が安定に形成されるまでの時間と考えられる。しかしながら、所定時間経過後は、−0.04 vs SSE程度の電位が安定して得られることが分かる。
ここで、SSEは、銀−塩化銀電極のことであり、このSSEの標準水素電極(SHE)に対する電位は+0.199 V(vs SHE,25℃)で示される。
また、本発明において、検出体12は、2枚の鋼板6、11を重ねあわせた合わせ部構造からなり、被検体12の片面11aを腐食環境に暴露する面とし、この合わせ部構造による2枚の金属板6、11のうち非暴露面側の金属板6の合わせ部界面側の表面6aを腐食反応により発生する水素の侵入面とする一方、該非暴露面側の金属板の他方の面6bを水素検出面とする。
ここで、前記合わせ部構造とは、上述のように2枚の金属板を重ね合わせてなる構造のことをいう。ここでは鋼板同士を重ね合わせて形成しているが、本発明では異なる種類の金属板同士を重ね合わせてなる合わせ部構造も可能である。
前記合わせ部構造を形成する方法については、特に限定されない。例えば、ネジ、溶接又は接着剤等を用いて積層固定することができる。
また、前記2枚の鋼板6、11の合わせ部界面における平均クリアランスは、5〜1000μmであることが好ましい。平均クリアランスが5μm未満の場合、合わせ部界面における空隙13が少なすぎるため、合わせ部境界で腐食生成物を形成することで、合わせ内部への水分の浸入がほとんど無く腐食が発生しないおそれがあり、一方、平均クリアランスが1000μmを超えると、合わせ部界面における空隙13が大きくなるため、その腐食挙動が通常の鋼板と同様となり、本発明による効果を十分にはっきできないおそれがあるからである。ここで、平均クリアランスとは、2枚の金属板6、11の間に形成される空隙13の鋼板積層方向における大きさSの平均値である。具体的には、鋼板6、11の厚さT1、T2と、被検体の厚さTから、以下の式によって算出される。
S=T−(T1+T2)
なお、図2では、空隙13の説明を容易にするため、鋼板6と鋼板11との間の空隙13が実際の割合よりも大きく表示されている。
平均クリアランスを調整する方法については、特に限定はされない。例えば、所望の厚さのビーズを有する接着剤を用いて2枚の金属板の接着を行うことで、平均クリアランスをビーズの粒径に調整できる。また、所望の厚さのテフロン(登録商標)シートを挟んで溶接し、溶接後テフロン(登録商標)シートを取り除くことで、テフロン(登録商標)シートの厚さに平均クリアランスを調整できる。
また、前記鋼板の水素検出面の表面は、水素拡散定数が大きく、かつ水素の酸化反応を促進させるような金属で被覆することが好ましく、かような金属としては、PdやPd合金、Niなどが挙げられる。これらの金属または合金を被覆することによって、水素検出面の残余電流を低い値に保持することが可能となるだけでなく、水素検出面側での侵入水素の酸化反応が促進されるので、水素のイオン化によるアノード電流の感度を高めることができる。なお、Pdは、Niに比べると、水素拡散定数が大きく、また残余電流を低減できるという利点がある。
PdやPd合金で被覆する場合は、[Pd(NH3)4]Cl2・H2O等のパラジウムイオンを含有する水溶液中で陰極電解することで、めっきを行えばよい。Pd合金としては、Pd−NiやPd−Co合金などが使用可能である。ここに、PdめっきまたはPd合金めっきの膜厚は10〜100nmとすることが好ましい。
また、Niで被覆する場合は、ワット浴等の既知のめっき浴中で陰極電解することで、Niめっきを行えばよい。Niめっきの膜厚も10〜100nmにすることが好ましい。
さらに、Niめっきの上に、PdやPd合金をめっきすることもできる。
水素侵入面に設ける保護膜については、特に制限はなく、腐食環境を遮断できるものであればいずれでもよい。具体的手段としては、有機物系接着剤を介したステンレス鋼箔の貼着が挙げられる。
上記したように、本発明では、温度変化などの環境の変化の如何にかかわらず、腐食に伴って金属の内部へ侵入する水素量を正確に検出することができる。
従って、本発明の測定方法を、自動車、船舶、鉄道車両などの移動体に適用すれば、移動体を構成する金属材料の各部位が、その使用状態で曝される環境の変化に左右されることなく、金属材料中に侵入する水素量を連続的かつ正確にモニタリングすることができる。
その結果、各種移動体について、それらの実際の使用環境での腐食に伴う水素侵入量で遅れ破壊が生じるか否かを的確に判断することが可能となる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:サンプル1〜7)
(1)合わせ部構造からなる検出体の作製
使用した2枚の鋼板は、いずれも商用の軟鋼(厚さ:0.8mm)及び商用の1470MPa級鋼を用い、加工を施した後、40×50mmにせん断加工を行い、両面を♯2000まで研磨を行った。次いで研磨時に形成される加工層を除去するために両面を弗酸と過酸化水素水の混合液からなる水溶液により約60μm化学研磨を行った。
その後、以下に示す条件で2枚の鋼板を重ね合わせた合わせ部構造からなる検出体を作製した。なお、鋼板同士の合わせ界面における平均クリアランスは、各鋼板の厚さT1、T2と、被検体の厚さTから、S=T−(T1+T2)の式によって算出した。
条件A:一方の鋼板(暴露面側の鋼板)について23×50mmにせん断加工を行った後、スポット溶接により2枚の鋼板を接合した。なお、2枚の鋼板の合わせ部界面の平均クリアランスは10〜300μmの範囲であり(表1を参照。)、テフロン(登録商標)シートを鋼板同士の間に挟むことで調整を行った。
条件B:一方の鋼板(暴露面側の鋼板)について23×50mmにせん断加工を行った後、クリップで挟むことにより2枚の鋼板を積層固定した。なお、2枚の鋼板の合わせ部界面の平均クリアランスは500〜2000μmの範囲であり(表1を参照。)、テフロン(登録商標)シートを鋼板同士の間に挟むことで調整を行った。
条件C:一方の鋼板(暴露面側の鋼板)について23×50mmにせん断加工を行った後、硫酸亜鉛・7水和物150g/Lを含む溶液を用いて10A/dm2の電流密度で通電し、30g/m2の亜鉛めっき皮膜を2枚の鋼板に形成した。その後、亜鉛めっき側が対向するようにスポット溶接により2枚の鋼板を接合した。なお、2枚の鋼板の合わせ部界面の平均クリアランスは10〜300μmの範囲であり(表1を参照。)、テフロン(登録商標)シートを鋼板同士の間に挟むことで調整を行った。
その後、被検体の水素検出面(非暴露面側の鋼板の合わせ部界面側とは反対の面)にwatt浴を用いて約100nmのNiめっきを行った。
各サンプルの表面処理の種類、被覆率の調整条件及び被覆率について表1に示す。
(2)水素侵入量に関する評価
鋼板の合わせ構造からなる検出体を、図2に示すセルに設置した。水素検出面側(片面A)には0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を満たし、参照電極はAg/AgCl電極又はIr/IrOx電極、対極にはPt線を配して電位を0Vに設定してセルを腐食環境に配した。腐食試験はSAEJ2334に規定される、乾燥、湿潤及び塩水噴霧の工程からなる複合サイクル腐食試験を行い(図5を参照。)、鋼板の腐食による水素侵入量(mass ppm)を測定した。
なお、いずれの測定に際しても温度変化を補正するために腐食をしないセルを設置し、温度補正前後の測定誤差を測定した。3回ずつ測定し、水素検出側の電流密度最大値の平均値を算出した。そして、サンプルとして用いた鋼板について合わせ部構造を形成せずに、同様の腐食試験を行い、得られた水素検出側の平均電流密度を算出し、各サンプルとの比(合わせ部構造の電流密度/合わせ部構造を形成しない鋼板の電流密度)を、「電流密度比」として算出して表1に示す。
さらに、合わせ部構造からなる各サンプルについては、乾燥工程での電流密度の変化推移を、「低下時間」として測定した。なお、ここでいう低下時間については、図6に示すように、時間と電流密度との関係を考えた場合に、腐食性物質がサンプルへ付着した後、水などの腐食性物質が蒸発などによって除去されることで、電流密度が大きく低下するまでの時間を低下時間として測定を行っている。図6は比較例として合わせ構造を形成せずに腐食試験を行った場合の時間と電流密度との関係を示したものであるが、乾燥工程に入って一定時間経過した後、電流密度が大きく低下していることがわかる(矢印部分)。そして、サンプル1〜7について同様の腐食試験を行い、得られた低下時間を測定し、各サンプルとの比(合わせ部構造を形成した鋼板の低下時間/合わせ部構造を形成しない鋼板の低下時間)を、「低下時間比」として算出して表1に示す。
Figure 2013044715
表1の温度補正前後の乖離率を比べると、温度補正後の乖離率が10%以下となっており、温度補正を行うことで精度が大きく向上されていることがわかる。
また、溶接により合わせ部構造を形成したサンプル1〜3については、電流密度比及び低下時間比が1よりも大きくなっており、合わせ部構造を形成しない1枚の鋼板に比べて水素侵入量が高くなったことがわかる。
さらに、クリップにより積層固定したサンプル4〜6についても、電流密度比及び低下時間比が1よりも大きくなっており、合わせ部構造を形成しない1枚の鋼板に比べて水素侵入量が高くなったことがわかる。ただし、サンプル6については、平均クリアランスが大きいため、合わせ部構造であっても1枚の鋼板に近い水素侵入量となることがわかる。
さらにまた、サンプル7は合わせ構造内面に亜鉛めっきを施した例であるが、同じ構造で亜鉛めっきを施していない実施例であるサンプル2に比べ、低下時間比は同じであったが、電流密度比が高いことが、亜鉛めっきを施した場合の特徴であることがわかった。このように、本発明の効果として、水素侵入量に及ぼすめっきの影響についても評価が可能であることが示される。
(実施例2)
(1)合わせ部構造からなる検出体の作製
使用した2枚の鋼板は、いずれも商用の軟鋼(厚さ:0.8mm)及び商用の1470MPa級鋼を用い、加工を施した後、40×50mmにせん断加工を行い、両面を♯2000まで研磨を行った。次いで研磨時に形成される加工層を除去するために両面を弗酸と過酸化水素水の混合液からなる水溶液により約60μm化学研磨を行った。
その後、一方の鋼板(暴露面側の鋼板)について23×50mmにせん断加工を行った後、スポット溶接により2枚の鋼板を接合することで2枚の鋼板を重ね合わせた合わせ部構造からなる検出体を作製した。なお、2枚の鋼板の合わせ部界面の平均クリアランスは10〜300μmの範囲であり(表1を参照。)、テフロン(登録商標)シートを鋼板同士の間に挟むことで調整を行った。また、鋼板同士の合わせ界面における平均クリアランスは、各鋼板の厚さT1、T2と、被検体の厚さTから、S=T−(T1+T2)の式によって算出した。
その後、被検体の水素検出面にK−ピュアパラジウムめっき液を用いて約100nmのPdめっきを行った。
(2)車体に装着した状態での水素侵入量の測定
得られた各サンプルの鋼板について、図2に示すような構造になるセル数4個(CH1〜4)の測定装置を設置し、そのうちの1つのセルについては合わせ部構造を形成しない通常の1枚の鋼板を設置した。さらに、いずれの測定に際しても温度変化を補正するために腐食をしないセルを1つ設置し、温度補正前後の測定誤差を測定した。その後、自動車の床下(フロア下面)に登載した状態で、広島県福山市のJFEスチール(株)の製鉄所内を20日間走行した。
この期間のうち、2日間について合わせ部構造を形成するサンプル(本発明例)、1枚の鋼板からなるサンプル(参考例)について、時間と検出された電流密度(相対値)との関係を示したグラフを作成し、図7に示す。
図7の結果から、雨天時走行を行った場合、参考例のセルには即座に電流密度の増加が見られたが、本発明例のセルは参考例に比べて遅れて電流密度の増加が見られた。これは、腐食因子である水分が鋼板に付着し、腐食に伴って水素が侵入するが、合わせ部構造の本発明例のサンプルは、水分の侵入に時間がかかるためであると考えられる。
一方、雨があがって乾燥した場合、本発明例のセルは参考例のセルに比べて電流密度の低下に時間を要することがわかった。これは、合わせ部構造であるため、合わせ部界面に存在する水の乾燥に要する時間が長くなったためであると考えられる。
本発明例のサンプルと参考例のサンプルとは電流密度の変化が大きく異なり、本発明による水素侵入量の測定方法が有効であることがわかる。
本発明により、環境が絶え間なく変化する移動体について、それを構成する金属材料の各部位が使用状態で曝される腐食環境下での腐食に伴い発生し、2枚の金属板を重ね合わせた合わせ部構造からなる金属材料中に侵入する水素の量を、連続的かつ正確にモニタリングすることが可能となる。
1 電解槽
2 試料
3 参照電極
4 電極
4b 対電極
5 焼結ガラスフリット
6、11 金属板(鋼板)
7 セル
7a 基準セル
8 対極
9 参照電極
10 保護膜
12 被検体

Claims (6)

  1. 金属材料の腐食に伴って発生し金属内部に侵入する水素の量を、電気化学的水素透過法を用いて測定する方法であって、2枚の金属板を重ね合わせた合わせ部構造からなる被検体の片面を腐食環境に暴露する面とし、この合わせ部構造による2枚の金属板のうち非暴露面側の金属板の合わせ部界面側の表面を腐食反応により発生する水素の侵入面とする一方、該非暴露面側の金属板の他方の面を水素検出面とし、該水素検出面側の電位を−0.1〜+0.3V vs SCEに保持した状態で該検出面に拡散してくる水素の流束をアノード電流として測定するに際し、
    該被検体の水素検出面側に、少なくとも2つに分割された複数のセル群で構成された電気化学セルを配置し、該セル群の個々のセルの内部にはpHが9〜13の電解質水溶液を充填すると共に、それぞれ独立した参照電極と対極を設置し、
    該セル群のうち少なくとも一つのセルは残余電流を補正するための基準セルとし、該基準セルの水素侵入面側に対応する箇所には腐食環境との接触を遮断する保護膜を設け、
    該基準セル以外のセルで検出したアノード電流値を、該基準セルで検出した残余電流値により補正し、この補正したアノード電流値に基づいて腐食面側からの侵入水素量を算出することを特徴とする金属内部への侵入水素量の測定方法。
  2. 前記2枚の金属板の合わせ部界面における平均クリアランスが、5〜1000μmであることを特徴とする請求項1記載の金属内部への侵入水素量の測定方法。
  3. 前記参照電極としてIr/Ir酸化物電極を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属内部への侵入水素量の測定方法。
  4. 前記被検体の水素検出面側の表面を、予めPdまたはPd含有合金あるいはNiで被覆しておくことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属内部への侵入水素量の測定方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の侵入水素量の測定方法を、少なくともその一部が金属材料で構成される移動体の評価対象金属部位に適用し、該評価対象金属部位の腐食に伴い内部に侵入する水素の量を、該移動体の走行環境に伴い変化する腐食環境下において連続して測定することを特徴とする、移動体の金属部位内部へ侵入する水素量のモニタリング方法。
  6. 前記移動体の評価対象金属部位の内部へ侵入する水素量から、該金属部位の遅れ破壊感受性を評価することを特徴とする、請求項5に記載の移動体の金属部位内部へ侵入する水素量のモニタリング方法。

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