JP2013041808A - 燃料電池セル - Google Patents

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Abstract

【課題】セル特性を向上可能な燃料電池セルを提供する。
【解決手段】燃料電池セル10は、燃料極11と、固体電解質12と、中間層13と、固体電解質層と共焼成されたバリア層14と、空気極15と、を備える。空気極15は、バリア層上に配置されており、バリア層との接合界面15aにおいて前記バリア層に接合される複数の接合部15bと、前記複数の接合部の間に設けられる複数の気孔15cと、を備え、接合界面における単位長さ当たりの前記複数の接合部15bの接合占有率は、30%〜80%に規定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池セルに関する。
近年、環境問題及びエネルギー資源の有効利用の観点から、燃料電池に注目が集まっている。燃料電池は、燃料電池セル及びインターコネクタ等を備える。燃料電池セルは、一般的に、固体電解質層と、固体電解質層を挟んで対向する燃料極と空気極とを含む。
ここで、固体電解質層と空気極との界面に高抵抗層が形成されることを抑制するために、固体電解質層と空気極との間にバリア層を介挿させる手法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2010−3478号公報
しかしながら、特許文献1では、空気極とバリア層との界面構造については何ら規定されていない。そのため、空気極とバリア層との界面構造を規定することによって、燃料電池セルのセル特性(発電性能や耐久性など)のさらなる向上が期待される。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、セル特性を向上可能な燃料電池セルを提供することを目的とする。
本発明の第1側面に係る燃料電池セルは、燃料極と、固体電解質層と、固体電解質層と共焼成されているバリア層と、バリア層上に配置されており、バリア層との接合界面においてバリア層に接合される複数の接合部と、複数の接合部の間に設けられる複数の気孔と、を有する多孔質層と、を備える。接合界面における単位長さ当たりの接合部の占有率は、20%〜70%である。
本発明によれば、セル特性を向上可能な燃料電池セルを提供することができる。
燃料電池の構成を示す断面図 固体電解質層、中間層およびバリア層におけるセリウム濃度分布とジルコニウム濃度分布を示すグラフ バリア層と空気極との界面付近の断面を示すSEM画像 燃料電池の構成を示す断面図
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
以下の実施形態では、燃料電池の一例として、固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)を挙げて説明する。また、以下においては、積層された複数の燃料電池セルを備える縦縞型燃料電池について説明するが、本発明は、基板上に並べられた複数の燃料電池セルを備える横縞型燃料電池にも適用可能である。
≪燃料電池1の構成≫
燃料電池1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、燃料電池1の構成を示す断面図である。
燃料電池1は、図1に示すように、燃料電池セル(以下、「セル」と略称する。)10と、集電部材20と、を備える。燃料電池1では、図示しないが、複数のセル10が集電部材20を介してy軸方向にスタックされている。
以下、セル10の構成、集電部材20の構成、中間層13の詳細構成、空気極15の詳細構成の順に説明する。
〈セル10の構成〉
セル10は、燃料極11、固体電解質層12、中間層13、バリア層14および空気極15を備える。セル10は、y軸方向に直交するx軸方向に延びる薄板である。セル10は、セラミックス材料によって構成される。セル10の厚みは、例えば30μm〜3mmであり、セル10の直径は、例えば5mm〜50mmである。
(燃料極11)
燃料極11は、セル10のアノードである。燃料極11は、セル10に含まれる他層を支持する基板(換言すれば「支持体」)としての機能を有していてもよい。
燃料極11の材料としては、例えば、公知の燃料電池セルの燃料極に用いられる材料を用いることができる。具体的に、燃料極11は、酸化ニッケル‐イットリア安定化ジルコニア(NiO‐YSZ)を主成分として含んでいてもよい。本実施形態において、「組成物Aが物質Bを主成分として含む」とは、好ましくは、組成物Aにおける物質Bの含量が60重量%以上であることを意味し、より好ましくは、組成物Aにおける物質Bの含量が70重量%以上であることを意味する。
燃料極11の厚みは、例えば10μm〜3mm程度であればよい。燃料極11の厚みは、燃料極11が基板として機能する場合、セル10に含まれる他層の厚みよりも大きくてもよい。
(固体電解質層12)
固体電解質層12は、燃料極11と中間層13との間に配置される。固体電解質層12は、中間層13及びバリア層14と共焼成されており、緻密な構造を有している。固体電解質層12の気孔率は、例えば7%以下とすることができる。固体電解質層12は、空気極15で生成される酸素イオンを透過させる機能を有している。
固体電解質層12は、ジルコニウムを含んでいる。固体電解質層12は、ジルコニウムをジルコニア(ZrO2)として含んでもよい。固体電解質層12は、ジルコニアを主成分として含んでいてもよい。また、固体電解質層12は、ジルコニアの他に、イットリア(Y23)及び/又は酸化スカンジウム(Sc23)等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、安定化剤として機能する。固体電解質層12において、安定化剤のジルコニアに対するmol組成比(安定化剤:ジルコニア)は、3:97〜20:80程度であればよい。すなわち、固体電解質層12の材料としては、例えば、3YSZ、8YSZ及び10YSZ等のイットリア安定化ジルコニアやスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)などのジルコニア系材料などを挙げることができる。
固体電解質層12の厚みは、例えば30μm以下であればよい。
(中間層13)
中間層13は、固体電解質層12とバリア層14との間に配置される。中間層13は、固体電解質層12およびバリア層14と共焼成されている。
中間層13は、ジルコニウムとセリウムとを含んでいる。中間層13は、ジルコニウムをジルコニアとして、また、セリウムを酸化セリウム(CeO2:セリア)として含んでいてもよい。中間層13において、セリウム(又はセリア)とジルコニウム(又はジルコニア)とは混合されていればよいが、両者は固溶体を構成していることが好ましい。また、中間層13は、セリウム及びジルコニウムの他に、固体電解質層12やバリア層14に含まれる添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、固体電解質層12に含まれるイットリウム(Y)やスカンジウム(Sc)、或いは、バリア層14に含まれるガドリニウム(Gd)やサマリウム(Sm)などが挙げられる。
ここで、中間層13におけるセリウム濃度と、中間層13におけるジルコニウム濃度とは、次の条件(1)〜条件(8)のうち1つ以上の条件を満たしていてもよい。なお、以下の説明では、中間層13におけるセリウム濃度を“D1”とし、中間層13におけるジルコニウム濃度を“D2”とし、バリア層14におけるセリウム濃度を“D3”とし、固体電解質層12におけるジルコニウム濃度を“D4”とする。
条件(1):D1に対するD2の比率(D2/D1)は、好ましくは0.1≦D2/D1を満たす
条件(2):D2/D1は、好ましくはD2/D1≦1を満たす
条件(3):D1は、好ましくはD1≦80mol%を満たす
条件(4):D1は、好ましくは40mol%≦D1を満たす
条件(5):D2は、好ましくはD2≦50mol%を満たす
条件(6):D2は、好ましくは10mol%≦D2を満たす
条件(7):D3に対するD1の比率(D1/D3)は、D1/D3≦0.9を満たす
条件(8):D4に対するD2の比率(D2/D4)は、D2/D4≦0.5を満たす
ここで、本実施形態において、各層の成分の「濃度」とは、各層における成分の平均含有量である。このような「濃度」は、例えば、原子濃度プロファイルによるライン分析、つまりEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)による特性X線強度の比較によって得ることができる。具体的には、厚み方向(図1のy軸方向)に平行なセル10の断面において、y軸方向に沿ってEPMAでライン分析を行うことにより、各元素の濃度分布データが取得される。すなわち、上述のD1〜D4は、EPMAを用いた元素マッピングによって決定することができる。なお、本実施形態では、EPMAは、EDS(Energy Dispersive x-ray Spectroscopy)を含む概念である。
中間層13の厚みは、0.5μm以上であればよいが、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。
中間層13の熱膨張率(すなわち、線膨張率)は、固体電解質層12の熱膨張率とバリア層14の熱膨張率との間の値である。例えば、中間層13の熱膨張率は、固体電解質層12の材料の一例であるYSZの熱膨張率より大きく、バリア層14の材料の一例であるガドリニウムドープセリア((Ce, Gd)O2:GDC)の熱膨張率より小さい。
なお、図1に示すように、中間層13は、第1面13aと第2面13bと気孔13cとを有している。中間層13の詳細な構成については後述する。
(バリア層14)
バリア層14は、中間層13と空気極15との間に配置される。バリア層14は、固体電解質層12および中間層13と共焼成されており、緻密な構造を有している。具体的に、バリア層14の気孔率は、10%以下であることが好ましい。バリア層14は、空気極15から固体電解質層12へのカチオンの拡散を抑制することによって、高抵抗層の形成を抑制する。これによって、セル10の出力密度の低下が抑制されるとともに、セル10の長寿命化が図られている。
バリア層14は、セリウムを含んでいる。バリア層14は、セリウムをセリアとして含んでもよい。バリア層14の材料としては、セリア及びセリアに固溶した希土類金属酸化物を含むセリア系材料を用いることができる。セリア系材料としては、例えばGDCやサマリウムドープセリア((Ce, Sm)O2:SDC)などが挙げられる。希土類金属酸化物のセリアに対するmol組成比(希土類金属酸化物:セリア)は、5:95〜20:80程度であればよい。バリア層14は、セリア系材料を主成分として含んでいてもよく、添加剤を含んでいてもよい。
バリア層14の厚みは、例えば40μm以下、30μm以下或いは20μm以下であればよい。
(空気極15)
空気極15は、バリア層14上に配置される。空気極15は、セル10のカソードである。空気極15は、緻密な構造を有するバリア層14よりも多くの微細な孔を含んでいる。本実施形態において、空気極15は、「多孔質層」の一例である。
空気極15の材料としては、例えば、公知の燃料電池セルの空気極に用いられる材料を用いることができる。具体的に、空気極15は、ランタンストロンチウムコバルトフェライト((LaSr)(CoFe)O3:LSCF)を主成分として含んでいてもよい。LSCFの組成は、例えばLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83とすることができるが、これに限られるものではない。また、空気極15の材料としてLSCFを用いる場合、0.1μm〜3μmの平均粒径を有するLSCFを900℃〜1200℃で焼成することによって、本実施形態に係る空気極15が形成される。
空気極15の厚みは、5μm〜50μm程度であればよい。
なお、図1に示すように、空気極15は、接合界面15aと接合部15bと気孔15cとを有している。空気極15の詳細な構成については後述する。
〈集電部材20の構成〉
集電部材20は、図1に示すように、複数の導電接続部21と、導電性接着剤22と、を有する。
導電接続部21は、集電部材20に設けられた凹部である。導電接続部21の底部は、導電性接着剤22を介して空気極15に接続されている。発電時には、導電接続部21の周囲から空気極15に空気が供給される。
〈中間層13の詳細構成〉
次に、中間層13の詳細構成について、図面を参照しながら説明する。
中間層13は、図1に示すように、第1面13aと、第2面13bと、複数の気孔13cと、を有する。中間層13は、第1面13aにおいて固体電解質層12に接合され、第2面13bにおいてバリア層14に接合されている。
(第1面13aおよび第2面13b)
図2は、固体電解質層12、中間層13およびバリア層14におけるセリウム濃度分布とジルコニウム濃度分布の一例を模式的に示すグラフである。図2に示される濃度分布データは、上述の通り、y軸方向に平行な断面において、y軸方向に沿ってEPMAでライン分析を行うことにより取得される。
図2に示すように、セリウム濃度は、バリア層14から固体電解質層12にかけて徐々に低くなっている。一方で、ジルコニウム濃度は、バリア層14から固体電解質層12にかけて徐々に高くなっている。
ここで、本実施形態において、中間層13の第1面13aは、セリウム濃度とジルコニウム濃度とが一致するラインによって定義される。また、中間層13の第2面13bは、断面におけるセリウム最大濃度の85%濃度のラインによって定義される。
(気孔13c)
複数の気孔13cは、中間層13内に位置する。複数の気孔13cの少なくとも一部は、閉気孔(closed pore)であってもよい。閉気孔とは、その全体が中間層13内に存在しており、セル10の外気から遮断された気孔である。
気孔13cの形状は特に限定されないが、気孔13cの断面は円形又は略楕円形であってもよい。気孔13cの直径又は長径は、0.05μm以上であることが好ましく、また、1μm以下であることがより好ましい。また、y軸方向に平行な断面における気孔13cの数は、第1面13aおよび第2面13bに平行な方向において、10μm長さ当たり5個以下であることが好ましい。
ここで、中間層13の気孔率(換言すれば「空間率」)は、1%以上で15%以下であることが好ましい。このような中間層13の気孔率は、バリア層14の気孔率よりも高い。また、中間層13の気孔率は、固体電解質層12の気孔率よりも高い。
なお、気孔率は、所望の層の総体積V1に対する空隙の体積V2の比(V2/V1)で表されるが、所望の層の断面における単位面積当たりにおける気孔の占有面積に近似することができる。具体的に、気孔率は、y軸方向に平行な断面の電子顕微鏡(SEM或いはFE−SEM)画像における[気孔の面積の総和/層の総面積]と捉えることができる。このように、2次元の組織から3次元の構造を推定する手法については、“水谷惟恭、尾崎義治、木村敏夫、山口喬著、「セラミックプロセッシング」、技報堂出版株式会社、1985年3月25日発行、第190頁から第201頁”に詳細に記載されている。
なお、1つの視野において算出された気孔率を層全体の気孔率とみなしてもよいし、複数の視野において算出された気孔率の平均値を層全体の気孔率とみなしてもよい。
〈空気極15の詳細構成〉
次に、空気極15の詳細構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、バリア層14と空気極15との界面付近の断面の一例を示すSEM画像である。図3では、y軸方向に垂直なx軸方向における13μmの領域が10000倍に拡大されている。なお、図3では、GDCを用いて形成されたバリア層14と、平均粒径0.3μmのLSCFを用いて形成された空気極15と、が示されている。
空気極15は、図3に示すように、接合界面15aと、複数の接合部15bと、複数の気孔15cと、を有する。空気極15は、接合界面15aにおいてバリア層14に接合されている。
接合界面15aは、図3に示すように、概ね直線状に形成される。すなわち、接合界面15aは、y軸方向に垂直なxz平面に沿って広がっている。接合界面15aは、緻密構造を有するバリア層14と多孔質構造を有する空気極15との境界であるので、図3に示すように明瞭に視認可能である。
複数の接合部15bは、接合界面15aにおいてバリア層14に接合されている。複数の接合部15bは、複数の気孔15cと交互に形成されている。
複数の気孔15cは、接合界面15aにおいて複数の接合部15bの間に設けられている。すなわち、各気孔15cは、2つの接合部15bに挟まれた空間である。複数の気孔15cは、セル10の外部に開口しない閉気孔であってもよいし、セル10の外部に開口する開気孔であってもよい。また、複数の気孔15cには、閉気孔と開気孔の両方が含まれていてもよい。
なお、気孔15cの形状は特に限定されないが、気孔15cの断面は半円又は半楕円であってもよい。また、空気極15の気孔率は、20%以上で50%以下であることが好ましい。このような空気極15の気孔率は、固体電解質層12、中間層13およびバリア層14それぞれの気孔率よりも高いことが好ましい。
ここで、接合界面15aにおける単位長さ当たりの接合部15bの占有率(以下、「接合占有率」という。)は、20%〜70%であることが好ましく、25%〜65%であることがより好ましい。換言すれば、接合界面15aにおける単位長さ当たりの気孔15cの占有率(以下、「気孔占有率」という。)は、30%〜80%であることが好ましく、35%〜75%であることがより好ましい。接合占有率とは、単位長さにおいて接合部15bが占める割合であり、気孔占有率とは、単位長さにおいて気孔15cが占める割合である。接合占有率および気孔占有率は、例えば図3に示すようなSEM画像上において、全ての接合部15b又は/及び全ての気孔15cの合計幅を実測することによって算出できる。このような微構造の数値化は、例えば、MVTec社(ドイツ)製の画像解析ソフトHALCONを用いてSEM画像を解析することによって行うことができる。
なお、本実施形態において、接合界面15aにおける接合占有率とは、バリア層14と多孔質層(本実施形態では「空気極15」)との界面における微構造の特性を示す指標であり、空気極15全体における緻密度(すなわち、充填率)とは異なる概念である。従って、上述の通り、空気極15全体の緻密度と接合界面15aにおける接合占有率とは、互いに異なっていてもよい。
同様に、本実施形態において、接合界面15aにおける気孔占有率は、バリア層14と多孔質層との界面における微構造の特性を示す指標であり、空気極15全体における気孔率とは異なる概念である。従って、上述の通り、空気極15全体の気孔率と接合界面15aにおける気孔占有率とは、互いに異なっていてもよい。
なお、接合占有率および気孔占有率は、任意に取得される複数視野(例えば、10視野)のSEM画像それぞれにおける実測値の相加平均であってもよい。
また、接合界面15aにおいて接合部15bがバリア層14と接合している平均幅(以下、「平均接合幅」という。)は、0.1μm以上2.0μm以下であればよいが、0.12μm以上1.8μm以下であることがより好ましい。さらに、平均接合幅の標準偏差は、0.04以上1.20以下であることが好ましい。また、接合界面15aにおける気孔15cの平均幅(以下、「平均気孔幅」という。)は、0.12μm以上1.5μm以下であればよいが、0.15μm以上1.2μm以下であることがより好ましい。さらに、平均気孔幅の標準偏差は、0.05以上0.80以下であることが好ましい。なお、平均接合幅は、単位長さ当たりにおける全ての接合部15bの合計幅を接合数で割ることによって得ることができる。同様に、平均気孔幅は、単位長さ当たりにおける全ての気孔15cの合計幅を気孔数で割ることによって得ることができる。
なお、平均接合幅および平均気孔幅は、異なる位置に設定された複数の視野それぞれのSEM画像における実測値の平均値である。具体的には、20以上の異なる位置を倍率5000〜20000倍で観察した結果に基づいて平均接合幅又は平均気孔幅を算出することが好ましい。このように、接合界面15aの広い範囲に亘って平均接合幅および平均気孔幅を適切に規定することにより、セル特性の向上が実現されている。
接合占有率、気孔占有率、平均接合幅および平均気孔幅は、空気極15を構成する材料の種類や平均粒径だけでなく、空気極15の焼成条件などの調整によってコントロール可能である。
≪セル10の製造方法≫
次に、セル10の製造方法の一例について説明する。ただし、以下に述べる材料、粒径、温度、及び塗布方法等の各種条件は、適宜変更することができる。
まず、複数のセラミックグリーンシートを積層し熱圧着することによって、燃料極11となる第1材料層を形成する。セラミックグリーンシートは、例えば、酸化ニッケル(NiO)、ジルコニア系材料(例えば8YSZ)、造孔剤(例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂))などによって構成される。
次に、第1材料層上にジルコニア系材料によって構成されるセラミックグリーンシートを積層することによって、固体電解質層12となる第2材料層を形成する。
次に、第2材料層上にセリア系材料によって構成されるセラミックグリーンシートを積層することによって、バリア層14となる第3材料層を形成する。
次に、第1乃至第3材料層を脱脂後に例えば1300〜1500℃で1時間〜20時間かけて共焼成することで共焼成体を形成する。これによって、第1材料層が燃料極11となり、第2材料層が固体電解質層12となり、第3材料層がバリア層14となり、さらに、第2材料層と第3材料層との境界でセリアとジルコニアとが固溶することによって中間層13が形成される。
次に、共焼成体のバリア層14上に、例えば0.1μm〜3.0μmの平均粒径を有するLSCF材料を印刷法などによって塗布することによって、空気極15となる第4材料層を形成する。
次に、第4材料層を例えば900℃〜1200℃で1時間〜10時間かけて焼成する。これによって、第4材料層が空気極15となり、セル10が完成する。
≪作用及び効果≫
(1)本実施形態に係る燃料電池セル10において、空気極15とバリア層14との接合界面15aにおける接合部15bの接合占有率は、20%〜70%に規定されている。
ここで、本発明者らは、接合界面15aにおける空気極15の微構造について鋭意検討した結果、接合部15bの接合占有率に応じて燃料電池セルの初期出力が変動するという知見を得た。このことは、接合占有率が電極反応場の適正化および安定化に影響を与えることを示している。
本実施形態では、接合占有率を20%〜70%に規定することによって、接合界面15aにおける適正かつ安定な電極反応場の形成が実現されているので、燃料電池セルの初期出力を向上させることができる。なお、接合占有率を20%〜70%に規定することにより初期出力の向上が図られることは、後述する実験例からも確認されている。
(2)接合界面15aにおける接合部15bの平均接合幅は、0.1μm〜2.0μmに規定されている。
ここで、本発明者らは、接合界面15aの界面強度について鋭意検討した結果、接合部15bの平均接合幅に応じて燃料電池セルの熱サイクル特性が変動するという知見を得た。このことは、平均接合幅が界面強度に影響を与えることを示している。
本実施形態では、平均接合幅を0.1μm〜2.0μmに規定することによって、接合界面15aにおける界面強度の向上が実現されているので、燃料電池セルの熱サイクル特性(すなわち、耐久性)を向上させることができる。なお、平均接合幅を0.1μm〜2.0μmに規定することにより熱サイクル特性の向上が図られることは、後述する実験例からも確認されている。
(3)本実施形態に係る燃料電池セル10において、中間層13の気孔率は、バリア層14の気孔率よりも高い。
従って、固体電解質層12とバリア層14とが共焼成されることによって固体電解質層12およびバリア層14の内部に発生する歪を、中間層13に含まれる複数の気孔13cによって緩和することができる。そのため、固体電解質層12とバリア層14とが剥離することを抑制することができる。
(4)複数の気孔13cの少なくとも一部は閉気孔である。
従って、中間層13による歪緩和効果(すなわち、熱応力緩和効果)を向上させることができるとともに、たとえクラックが発生した場合であっても、クラックの成長を閉気孔である気孔13cで止めることができる。
≪他の実施形態≫
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
(A)上記実施形態において、セル10は、燃料極11、固体電解質層12、中間層13、バリア層14および空気極15を備えることとしたが、これに限られるものではない。セル10は、燃料極11、固体電解質層12、バリア層14および空気極15を備えていればよく、燃料極11と固体電解質層12との間やバリア層14と空気極15との間には、他の層が介挿されていてもよい。
例えば、図4に示すように、セル10は、バリア層14と空気極15との間に、「多孔質層」の一例としての多孔質バリア層16を備えていてもよい。多孔質バリア層16は、バリア層14の気孔率よりも高い気孔率を有する。多孔質バリア層16は、バリア層14と同じ材料によって構成されていてもよいが、バリア層14と異なる周知の材料によって構成されていてもよい。多孔質バリア層16は、接合界面16aと接合部16bと気孔16cとを有する。このような多孔質バリア層は、燃料極11、固体電解質層12、中間層13およびバリア層14を共焼成した後に、バリア層14上に多孔質バリア層16の材料を塗布して焼成することによって形成することができる。
ここで、図4に示す構成の場合には、後述する実験例から判るように、接合界面16aにおける接合部16bの接合占有率を22%〜68%に規定することによって、より好ましくは25%〜65%に規定することによって、セル10の初期出力を向上させることができる。換言すれば、接合界面16aにおける気孔16cの気孔占有率を32%〜78%に規定することによって、より好ましくは35%〜75%に規定することによって、セル10の初期出力を向上させることができる。
また、接合界面16aにおける接合部16bの平均接合幅を0.15μm〜1.8μmに規定することによって、より好ましくは0.18μm〜1.5μmに規定することによって、接合界面15aの界面強度を向上させることができる。また、接合界面16aにおける気孔16cの平均気孔幅を0.15μm〜1.5μmに規定することによって、より好ましくは0.18μm〜1.3μmに規定することによって、接合界面15aの界面強度を向上させることができる。
(B)上記実施形態では特に触れていないが、セル10の形状は、燃料極支持型、平板形、円筒形、縦縞型、横縞型、片端保持型、両端保持型などであればよい。また、セル10の断面は、楕円形状などであってもよい。
(C)上記実施形態では特に触れていないが、燃料極11は、2つ以上の層によって構成されていてもよい。例えば、燃料極11は、基板と、基板上に形成された燃料極活性層(燃料側電極)と、によって構成されていてもよい。基板及び燃料極活性層は、燃料極11の材料として上述した材料によって構成されていればよいが、例えば、NiO‐Y23によって基板を構成し、NiO‐YSZによって燃料極活性層を構成することができる。
(D)上記実施形態では、LSCFを主成分とする空気極15を「多孔質層」の一例として記載したが、これに限られるものではない。空気極15は、空気極としての機能を有していればよく、例えば、周知の空気極の材料(例えば、LSCF)とバリア層14の材料(例えば、GDC)とのコンポジット材料(例えば、LSCF-GDC)によって構成されていてもよい。
(E)上記実施形態では特に触れていないが、空気極15の内部または外表面には気孔が形成されていてもよい。
(F)上記実施形態では、空気極15は、単一の材料によって構成される単層構造を有することとしたが、これに限られるものではない。空気極15は、互いに異なる材料によって構成される複層構造を有していてもよい。この場合、複層構造の空気極15のうちバリア層14と接する接合層を構成する材料の種類、平均粒径或いは焼成条件などを調整することによって、接合占有率、気孔占有率、平均接合幅および平均気孔幅を制御することとができる。
実験例
以下において本発明に係るセルの実験例について説明するが、本発明は以下に説明する実験例に限定されるものではない。
[実験例No.1〜No.13の製作]
以下のようにして、多孔質層としての空気極を備える実験例No.1〜No.13に係るセルを作製した。なお、実験例No.1〜No.13に係るセルの作製条件の相違点は、空気極を構成するLSCF材料の平均粒径及び焼成温度それぞれが後述の範囲内で任意に設定されている点である。
まず、酸化ニッケル(NiO)、ジルコニア系材料(8YSZ)、及び造孔剤(PMMA)からなるセラミックグリーンシート(厚み100μm)を、300μmとなるように積層し熱圧着(60℃、3MPa)した。これによって、一体化された成形体を作製した。
次に、成形体上に、別途作製された8YSZからなるセラミックグリーンシートと、GDCからなるセラミックグリーンシートと、を順次積層し熱圧着した。これによって、燃料極材料、ジルコニア系材料層、セリア系材料層が順次積層された積層体を作製した。
次に、積層体を1300℃〜1500℃で1〜20時間かけて共焼成した。これによって、燃料極材料から燃料極が形成され、ジルコニア系材料層から固体電解質層が形成され、セリア系材料層からバリア層が形成され、さらに、ジルコニア系材料層とセリア系材料層との境界に中間層が形成された。
次に、バリア層上に、0.1μm〜3.0μmの範囲内の平均粒径を有するLSCF材料(厚み30μm)を塗布した。
次に、LSCF層を1000℃〜1200℃の範囲内で約2時間程度かけて焼成した。これによって、LSCF層から多孔質構造を有する空気極が形成された。
≪空気極とバリア層との界面の観察≫
実験例No.1〜No.13のセルを2つずつ準備して、厚み方向に平行な断面において空気極とバリア層との接合界面をSEM−EDS(Scanning Electron Microscopy-Energy Dispersive x-ray Spectroscopy)で観察した。また、画像ソフトを用いて、10000倍に拡大された10μm幅の断面画像を取得した(図3参照)。
次に、取得した断面画像を参照して、空気極とバリア層との接合界面における接合部の占有率(すなわち、接合占有率)と接合部の平均幅(すなわち、平均接合幅)を実測した。
次に、取得した断面画像を参照して、空気極とバリア層との接合界面における気孔の占有率(すなわち、気孔占有率)と気孔の平均幅(すなわち、平均気孔幅)を実測した。
実測結果を下表1にまとめて記載する。
≪初期出力の測定≫
実験例No.1〜No.13のセルそれぞれにガスを供給しながら発電温度まで昇温させることによって、実験例No.1〜No.13のセルそれぞれの初期出力(出力密度)を測定した。
発電条件は、次の通りとした。
・発電温度:750℃
・ガス種類:燃料極側に水素、空気極側に空気
・ガス利用率:水素、空気共に5%以下
・出力:定格0.8Vにおける出力密度
測定結果を下表1にまとめて記載する。
≪熱サイクル試験≫
実験例No.1〜No.13のセルを準備して、大気雰囲気の赤外線ランプ式電気炉において、700℃まで5分の条件で昇温し、炉冷によって20分で冷却する熱サイクル試験(連続100回)を行った。
熱サイクル試験終了後に、各セルの空気極とバリア層の界面における剥離の発生の有無を目視及び顕微鏡観察により評価した。界面剥離の有無を下表1にまとめて記載する。
≪結論≫
実験例No.1〜No.13に係る初期出力測定の結果から、多孔質層としての空気極を備えるセルでは、接合占有率が20%〜70%(すなわち、気孔占有率が30%〜80%)であることが好ましことが確認された。また、接合占有率が25%〜65%(すなわち、気孔占有率が35%〜70%)である場合には、約600mW/cm以上の良好な初期出力を得ることができた。
この結果から、接合占有率が電極反応場の適正化および安定化に影響を与えており、接合占有率を20%〜70%に規定することによって、より好ましくは25%〜65%に規定することによって適正かつ安定な電極反応場を形成できることが判った。
また、実験例No.1〜No.13についての熱サイクル試験の結果から、多孔質層としての空気極を備えるセルでは、平均接合幅が0.1μm〜2.0μmであることが好ましいことが確認された。また、平均接合幅が0.12μm〜1.8μmである場合には、軽微な界面剥離の発生をも抑制することができた。
この結果から、平均接合幅が接合界面の界面強度に影響を与えており、平均接合幅を0.1μm〜2.0μmに規定することによって、より好ましくは0.12μm〜1.8μmに規定することによって界面強度を向上できることが判った。
[実験例No.14〜No.26の製作]
以下のようにして、多孔質層としての多孔質バリア層を備える実験例No.14〜No.26に係るセルを作製した。なお、実験例No.14〜No.26に係るセルの作製条件の相違点は、多孔質多孔質バリア層を構成するGDC材料の平均粒径及び焼成温度それぞれが後述の範囲内で任意に設定されている点である。
まず、酸化ニッケル(NiO)、ジルコニア系材料(8YSZ)、及び造孔剤(PMMA)からなるセラミックグリーンシート(厚み100μm)を、300μmとなるように積層し熱圧着(60℃、3MPa)した。これによって、一体化された成形体を作製した。
次に、成形体上に、別途作製された8YSZからなるセラミックグリーンシートと、GDCからなるセラミックグリーンシートと、を順次積層し熱圧着した。これによって、燃料極材料、ジルコニア系材料層、セリア系材料層が順次積層された積層体を作製した。
次に、積層体を1300℃〜1500℃で1〜20時間かけて共焼成した。これによって、燃料極材料から燃料極が形成され、ジルコニア系材料層から固体電解質層が形成され、セリア系材料層緻密バリア層が形成され、さらに、ジルコニア系材料層とセリア系材料層との境界に中間層が形成された。
次に、バリア層上に0.1μm〜3.0μmの範囲内の平均粒径を有するGDCからなるセラミックグリーンシートを配置して、1100℃〜1400℃で1時間〜20時間かけて焼成した。これによって、緻密バリア層上に多孔質バリア層が形成された。
次に、多孔質バリア層上に、LSCF材料(厚み30μm)を塗布し、約1100℃で約2時間程度かけて焼成した。これによって、多孔質バリア層上に空気極が形成された。
≪緻密バリア層と多孔質バリア層との界面の観察≫
実験例No.14〜No.26のセルを2つずつ準備して、厚み方向に平行な断面において緻密バリア層と多孔質バリア層との接合界面をSEM−EDSで観察した。また、画像ソフトを用いて、10000倍に拡大された10μm幅の断面画像を取得した。
次に、取得した断面画像を参照して、緻密バリア層と多孔質バリア層との接合界面における接合占有率と平均接合幅を実測した。
次に、取得した断面画像を参照して、緻密バリア層と多孔質バリア層との接合界面における気孔占有率平均気孔幅を実測した。
実測結果を下表2にまとめて記載する。
≪初期出力の測定および熱サイクル試験≫
実験例No.14〜No.26のセルそれぞれについて、上記実験例No.1〜No.13と同様の初期出力測定と熱サイクル試験とを実施した。結果を下表2にまとめて記載する。
≪結論≫
実験例No.14〜No.26に係る初期出力測定の結果から、多孔質層としての多孔質バリア層を備えるセルでは、接合占有率が22%〜68%(すなわち、気孔占有率が32%〜78%)であることが好ましことが確認された。また、接合占有率が25%〜65%(すなわち、気孔占有率が35%〜75%)である場合には、約600mW/cm以上の良好な初期出力を得ることができた。
この結果から、接合占有率が電極反応場の適正化および安定化に影響を与えており、接合占有率を22%〜68%に規定することによって、より好ましくは25%〜65%に規定することによって適正かつ安定な電極反応場を形成できることが判った。
また、実験例No.14〜No.26についての熱サイクル試験の結果から、多孔質層としての多孔質バリア層を備えるセルでは、平均接合幅が0.15μm〜1.8μmであること好ましいことが確認された。また、平均接合幅が0.18μm〜1.5μmである場合には、軽微な界面剥離の発生をも抑制することができた。
この結果から、平均接合幅が接合界面15aの界面強度に影響を与えており、平均接合幅を0.15μm〜1.8μmに規定することによって、より好ましくは0.18μm〜1.5μmに規定することによって界面強度を向上できることが判った。
1 燃料電池
10 燃料電池セル
11 燃料極
12 固体電解質層
13 中間層
13a 第1面
13b 第2面
13c 気孔
14 バリア層
15 空気極
15a 接合界面
15b 接合部
15c 気孔
20 集電部材
21 導電接続部
22 導電性接着剤

Claims (14)

  1. 燃料極と、
    固体電解質層と、
    前記固体電解質層と共焼成されたバリア層と、
    前記バリア層上に配置されており、前記バリア層との接合界面において前記バリア層に接合される複数の接合部と、前記複数の接合部の間に設けられる複数の気孔と、を有する多孔質層と、
    を備え、
    前記接合界面における単位長さ当たりの前記複数の接合部の占有率は、20%〜70%である、
    燃料電池セル。
  2. 前記多孔質層は、空気極である、
    請求項1に記載の燃料電池セル。
  3. 前記接合界面において前記複数の接合部それぞれが前記バリア層と接合する平均幅は、0.1μm〜2.0μmである、
    請求項2に記載の燃料電池セル。
  4. 前記接合界面における単位長さ当たりの前記気孔の占有率は、30%〜80%である、
    請求項2又は3に記載の燃料電池セル。
  5. 前記接合界面において前記複数の気孔それぞれが前記バリア層に向かって開口する平均幅は、0.12μm〜1.5μmである、
    請求項4に記載の燃料電池セル。
  6. 前記多孔質層上に形成される空気極をさらに備え、
    前記多孔質層は、前記バリア層と前記空気極との間に形成され、前記バリア層の気孔率よりも高い気孔率を有する多孔質バリア層である、
    請求項1に記載の燃料電池セル。
  7. 前記接合界面において前記複数の接合部それぞれが前記バリア層と接合する平均幅は、0.15μm〜1.8μmである、
    請求項6に記載の燃料電池セル。
  8. 前記接合界面における単位長さ当たりの前記気孔の占有率は、32%〜78%である、
    請求項6又は7に記載の燃料電池セル。
  9. 前記接合界面において前記複数の気孔それぞれが前記バリア層に向かって開口する平均幅は、0.15μm〜1.5μmである、
    請求項8に記載の燃料電池セル。
  10. ジルコニウム及びセリウムを含み、前記固体電解質層と前記バリア層との間に介挿されており、前記バリア層よりも高い気孔率を示す中間層を備え、
    前記固体電解質層は、ジルコニウムを含み、
    前記バリア層は、セリウムを含む、
    請求項1乃至9のいずれかに記載の燃料電池セル。
  11. 前記中間層における気孔率は、1%以上で15%以下である、
    請求項10に記載の燃料電池セル。
  12. 前記バリア層における気孔率は、10%以下である、
    請求項10又は11に記載の燃料電池セル。
  13. 前記中間層に含まれる気孔の長径は、1μm以下である、
    請求項10乃至12のいずれかに記載の燃料電池セル。
  14. 前記中間層は、閉気孔を含む、
    請求項10乃至13のいずれかに記載の燃料電池セル。
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