JP2013040789A - バーンイン試験装置、バーンイン試験方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】バーンイン試験に要する時間を短縮する。
【解決手段】バーンイン試験装置(1)は、ストップモードを備えるマイクロコンピュータ(5)のバーンイン試験を行う。バーンイン試験中に、マイクロコンピュータは、動作状態を経て、ストップモードを実行した後、リセットを実行する。測定部(32)は、複数のマイクロコンピュータの各々が待機モードを実行した後、リセットを実行する前に、電源電流(I)を測定する。検出部(331)は、測定部によってリセットの実行前に測定された電源電流値を用いて、不良率の上昇を検出する。指示部(332)は、検出部によって不良率の上昇が検出された場合、バーンイン試験の停止を恒温槽(2)に指示する。
【選択図】図1
【解決手段】バーンイン試験装置(1)は、ストップモードを備えるマイクロコンピュータ(5)のバーンイン試験を行う。バーンイン試験中に、マイクロコンピュータは、動作状態を経て、ストップモードを実行した後、リセットを実行する。測定部(32)は、複数のマイクロコンピュータの各々が待機モードを実行した後、リセットを実行する前に、電源電流(I)を測定する。検出部(331)は、測定部によってリセットの実行前に測定された電源電流値を用いて、不良率の上昇を検出する。指示部(332)は、検出部によって不良率の上昇が検出された場合、バーンイン試験の停止を恒温槽(2)に指示する。
【選択図】図1
Description
本発明は、バーンイン試験装置およびバーンイン試験方法に関する。
検査工程では、信頼性を確認するために、半導体装置のバーンイン試験が広く行われている。ここでは、半導体装置として、パッケージングされたマイクロコンピュータを例に挙げる。
バーンイン試験装置は、実際に想定される使用環境よりも厳しい環境を恒温槽の炉の内部に作りだし、この炉の内部でマイクロコンピュータを高いストレスにさらす。典型的には、バーンイン試験装置は、高温(例えば、摂氏125度)または低温(例えば、摂氏0度)に保持された炉の内部で、定格電源電圧以上の電圧をマイクロコンピュータに一定時間(例えば、24時間)与える。
通常、マイクロコンピュータは、ロット単位で製造される。多くの場合、バーンイン試験は、ロット単位で行われる。不本意ながら、ロット単位で個体差が発生しやすいため、ロット当たりの不良率にばらつきがある。ロット当たりの不良率が高いほど、1回のバーンイン試験当たりの不良品の個数も増える。そのため、バーンイン試験で不良率が高かったロットには、収束性を見るため、再度バーンイン試験が課せられる。ここで言う、不良率は、恒温槽に収納されたマイクロコンピュータの個数に対する不良品(不良のマイクロコンピュータ)の個数で表される割合である。再度バーンイン試験を行う際には、事前に良品(良品のマイクロコンピュータ)のみが取り出され、その良品にバーンイン試験が課せられる。
バーンイン試験では、時間が経過するにつれて、発見される不良品の数が減少する。基本的に、バーンイン試験は、一定時間(例えば、24時間)が経過するまで、終了することはない。そのため、バーンイン試験の開始からまもなく不良率が高いことが分かっても、一定時間が経過するまで、再度バーンイン試験を行うことが困難である。
この課題を解決すべく、バーンイン試験の所要時間を短縮するための関連技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、試験の種類ごとに不良率を測定し、その不良率が上がった場合、バーンイン試験を中断する技術が開示されている。
近年、生産コストの削減が要望されている。そのため、新規購入せずとも、手元にある既存のバーンイン試験装置を改良することにより、バーンイン試験の所要時間を短縮できる技術が望まれている。
特許文献1の技術を既存のバーンイン試験装置に適用させる場合、恒温槽部とパターン制御部との間でデータの授受を行う通信装置が別途必要である。既存のバーンイン試験装置のハードウェアを改良しなければならないため、多額の設備投資が必要となる。その上、ハードウェアの改良は、ソフトウェアの改良と比べて手間がかかる。
以下、[発明を実施するための形態]で使用される符号を括弧内に付記し、[課題を解決するための手段]を説明する。この符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものである。この符号を[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明のバーンイン試験装置(1)は、恒温槽(2)に収納された複数の半導体装置(5)のバーンイン試験中に、前記複数の半導体装置の各々の良否によって値が変化する電源電流値(I)を測定する測定部(32)と、前記測定部の測定結果を用いて、前記バーンイン試験中の前記複数の半導体装置に対する不良率の上昇を検出する検出部(331)と、前記検出部によって前記不良率の上昇が検出された場合、バーンイン試験の停止を前記恒温槽に指示する指示部(332)とを有する。
前記複数の半導体装置の各々は、動作状態から待機状態に移行する待機モードを備え、前記動作状態を経て前記待機モードを実行した後、リセットを実行する。
前記測定部は、前記複数の半導体装置の各々が前記待機モードを実行した後(tb)、前記リセットを実行する前に(tk)、前記電源電流値を測定する。
前記検出部は、前記測定部によって前記リセットの実行前に測定された前記電源電流値を用いて、前記不良率の上昇を検出する。
前記複数の半導体装置の各々は、動作状態から待機状態に移行する待機モードを備え、前記動作状態を経て前記待機モードを実行した後、リセットを実行する。
前記測定部は、前記複数の半導体装置の各々が前記待機モードを実行した後(tb)、前記リセットを実行する前に(tk)、前記電源電流値を測定する。
前記検出部は、前記測定部によって前記リセットの実行前に測定された前記電源電流値を用いて、前記不良率の上昇を検出する。
本発明のバーンイン検査方法は、恒温槽に収納された複数の半導体装置のバーンイン試験中に、前記複数の半導体装置の各々の良否によって値が変化する電源電流値を測定するステップ(ST54)と、前記電源電流値を測定するステップでの測定結果を用いて、前記バーンイン試験中の前記複数の半導体装置に対する不良率の上昇を検出するステップ(ST55)と、前記不良率の上昇を検出するステップで前記不良率の上昇が検出された場合、バーンイン試験の停止を前記恒温槽に指示するステップ(ST56)とを有する。
前記複数の半導体装置の各々は、動作状態から待機状態に移行する待機モードを備え、前記動作状態を経て前記待機モードを実行した後、リセットを実行する。
前記電源電流値を測定するステップでは、前記複数の半導体装置の各々が前記待機モードを実行した後、前記リセットを実行する前に、前記電源電流値を測定する。
前記不良率の上昇を検出するステップでは、前記測定部によって前記リセットの実行前に測定された前記電源電流値を用いて、前記不良率の上昇を検出する。
前記複数の半導体装置の各々は、動作状態から待機状態に移行する待機モードを備え、前記動作状態を経て前記待機モードを実行した後、リセットを実行する。
前記電源電流値を測定するステップでは、前記複数の半導体装置の各々が前記待機モードを実行した後、前記リセットを実行する前に、前記電源電流値を測定する。
前記不良率の上昇を検出するステップでは、前記測定部によって前記リセットの実行前に測定された前記電源電流値を用いて、前記不良率の上昇を検出する。
本発明のプログラムは、恒温槽に収納された複数の半導体装置のバーンイン試験中に、前記複数の半導体装置の各々の良否によって値が変化する電源電流値を測定する測定部を備えたバーンイン試験装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、前記測定部が前記電源電流値を測定する手順と、前記測定部の測定結果を用いて、前記バーンイン試験中の前記複数の半導体装置に対する不良率の上昇を検出する手順と、前記不良率の上昇が検出された場合、バーンイン試験の停止を前記恒温槽に指示する手順とを有する。
前記複数の半導体装置の各々は、動作状態から待機状態に移行する待機モードを備え、前記動作状態を経て前記待機モードを実行した後、リセットを実行する。
前記本発明のプログラムは、前記測定部が前記電源電流値を測定する手順では、前記複数の半導体装置の各々が前記待機モードを実行した後、前記リセットを実行する前に、前記電源電流値を測定し、前記不良率の上昇を検出する手順では、前記リセットの実行前に測定された前記電源電流値を用いて、前記不良率の上昇を検出することを前記バーンイン試験装置の前記コンピュータに実行させるプログラムである。
前記複数の半導体装置の各々は、動作状態から待機状態に移行する待機モードを備え、前記動作状態を経て前記待機モードを実行した後、リセットを実行する。
前記本発明のプログラムは、前記測定部が前記電源電流値を測定する手順では、前記複数の半導体装置の各々が前記待機モードを実行した後、前記リセットを実行する前に、前記電源電流値を測定し、前記不良率の上昇を検出する手順では、前記リセットの実行前に測定された前記電源電流値を用いて、前記不良率の上昇を検出することを前記バーンイン試験装置の前記コンピュータに実行させるプログラムである。
本発明によれば、バーンイン試験に要する時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に関連づけて説明する。
[第1の実施の形態]
1.バーンイン試験装置1の構成例
第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るバーンイン試験装置1の構成例を示す機能ブロック図である。バーンイン試験装置1は、炉21を備える恒温槽2と、主制御部3とを有する。バーンイン試験装置1は、恒温槽2の炉21に収納された複数個のマイクロコンピュータ5のバーンイン試験を行う。マイクロコンピュータ5は、パッケージジングされた半導体装置の一形態である。マイクロコンピュータ5は、ウェハレベルであってもよい。
1.バーンイン試験装置1の構成例
第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るバーンイン試験装置1の構成例を示す機能ブロック図である。バーンイン試験装置1は、炉21を備える恒温槽2と、主制御部3とを有する。バーンイン試験装置1は、恒温槽2の炉21に収納された複数個のマイクロコンピュータ5のバーンイン試験を行う。マイクロコンピュータ5は、パッケージジングされた半導体装置の一形態である。マイクロコンピュータ5は、ウェハレベルであってもよい。
バーンイン試験装置1の概略は、以下の通りである。バーンイン試験装置1は、基本的に、設定時間(例えば、24時間)が経過するまで、バーンイン試験を継続する。上述したように、バーンイン試験の開始からまもなく不良率が上昇しても、設定時間が経過するまで、バーンイン試験が終了しない。そこで、バーンイン試験装置1は、バーンイン試験中に、不良率の上昇を検出した場合、バーンイン試験を停止する。この場合、バーンイン試験の開始からの経過時間が設定時間に達していなくても、一旦バーンイン試験が終了するので、再度バーンイン試験を行うまでに要する時間を短縮することができる。
バーンイン試験装置1は、不良率の上昇を以下のように検出する。ここで言う、不良率は、炉21に収容されている全てのマイクロコンピュータ5の個数をp(p:2以上の整数)とし、p個のマイクロコンピュータ5の内、不良品の個数をq(q:pを超えない2以上の整数)とするとき、q/pで表される割合である。詳細は後述するが、バーンイン試験装置1は、q/pで表される不良率を直接算出することにより、不良率の上昇を検出するのではなく、電源電流値Iを用いることにより、不良率の上昇を検出する。バーンイン試験の開始後、p個のマイクロコンピュータ5の各々は、後述のストップモードを実行した後、リセットを実行する。電源電流値Iは、p個のマイクロコンピュータ5がリセットをそれぞれ実行する直前に測定される。
このときに測定された電源電流値Iは、正常なロットのバーンイン試験を行った場合と、不良なロットのバーンイン試験を行った場合とで、大きく異なることが分かっている。ここで、正常なロットとは、バーンイン試験を行っても、不良品が見つからないロットを言う。つまり、炉21の内部にあるp個のマイクロコンピュータ5に対してバーンイン試験を行った場合、不良品の個数qは0である。これに対し、不良なロットとは、正常なロットとは反対に、不良品の個数qが1以上であるロットを言う。
正常なロットの場合、電源電流値Iは、微小である(例えば、2μA)。これに対し、不良なロットの場合、電源電流値Iは、正常なロットの場合に測定された電源電流値Iよりも大きく、リセットの実行前の値からさほど低下しない。バーンイン試験装置1は、この性質を利用して、不良率の上昇を検出している。
1.1.恒温槽2
以下、バーンイン試験装置1の各構成要素について説明する。恒温槽2は、炉21に加え、制御部22と、ヒータ部23とを有する。
以下、バーンイン試験装置1の各構成要素について説明する。恒温槽2は、炉21に加え、制御部22と、ヒータ部23とを有する。
恒温槽2は、主制御部3からの指示に従って、バーンイン試験の間、炉21の内部の温度を一定に保持する。炉21は、その内部に、m枚(例えば、20枚)のバーンイン試験ボード4を収納可能である。炉21は、I/O(Input/Output)ポート211や各種制御機器なども備えている。I/O(Input/Output)ポート211は、m枚のバーンイン試験ボード4と主制御部3との間で送受信される各種信号の入出力を行う。各種制御機器には、例えば、制御チップなどを備え、m枚のバーンイン試験ボード4の動作を制御するマザーボードがある。
m枚のバーンイン試験ボード4は、恒温槽2の接地面に対して垂直方向に、一定間隔で多段に配置されている。m枚のバーンイン試験ボード4には、マイクロコンピュータ5がn個(例えば、50個)ずつ装着されているとする。この場合、炉21の内部にある全てのマイクロコンピュータ5の個数は、n×m=q個である。この他、m枚のバーンイン試験ボード4は、電源電圧VDDが伝搬される電源電圧線、グラウンド線、リセット信号RST0が伝搬されるリセット信号線、クロック信号CLKが伝搬されるクロック信号線などをそれぞれ備えている。
制御部22は、ヒータ部23や炉21が備える各種制御機器を制御する。制御部22の主な動作は、以下の通りである。第1に、制御部22は、主制御部3から制御信号CTL=“START”を受けた場合、炉21の内部の温度が高温(例えば、摂氏125度程度)となるように、ヒータ部23を制御する。第2に、制御部22は、主制御部3から制御信号CTL=“STOP”を受けた場合、バーンイン試験の停止に関する制御を行う。その際に、制御部22は、炉21の内部の温度が常温(室温)に戻るように、ヒータ部23を制御する。また、制御部22は、炉21の各種制御機器を停止させる。
ヒータ部22は、ヒータおよびファンなどで構成されている。ヒータ部22は、制御部22の制御に従って、炉21を加熱する。
本実施の形態では、炉21の温度を高温にする場合を例示した。この他、恒温槽2は、炉21の温度を低温(例えば、摂氏0度)や常温に保持することもできる。恒温槽2の構成は、一例であって、バーンイン試験を行うことができれば、本実施の形態に限定されるものではない。
1.2.主制御部3
主制御部3は、電源電圧部31と、測定部32と、CPU33と、ROM34と、メモリ35と、クロック信号発生部36と、リセット信号発生部37と、タイマ38と、操作部39とを有する。制御部3は、恒温槽2の動作を制御する。
主制御部3は、電源電圧部31と、測定部32と、CPU33と、ROM34と、メモリ35と、クロック信号発生部36と、リセット信号発生部37と、タイマ38と、操作部39とを有する。制御部3は、恒温槽2の動作を制御する。
本発明のコンピュータは、CPU33と、ROM34と、メモリ35と、タイマ38と、操作部39とによって構成されている。コンピュータが持つ機能は、CPU33がプログラム341を実行し、ROM34、メモリ35を始めとする制御部3の各構成要素と協働することで実現される。
電源電圧部31は、例えば、低電圧回路で構成されている。電源電圧部31は、電源電圧VDDを炉21の内部にある全てのマイクロコンピュータ5にそれぞれ供給する。電源電圧VDDは、基本的に、マイクロコンピュータ5の定格電圧である。バーンイン試験の内容に応じて、電源電圧VDDは、マイクロコンピュータ5にストレスを与えるのに必要な程度に、定格電圧よりも高い電圧であってもよい。
測定部32は、例えば、電流計で構成されている。測定部32は、CPU33の指示に従って、m枚のバーンイン試験ボード4からI/Oポート211を介して得られる電源電流値Iを測定する。m枚のバーンインボード試験ボード4には、バーンイン試験ボード4ごとに電源電流が流れている。電源電流値Iは、m枚のバーンインボード試験ボード4からそれぞれ得られる電源電流値の平均値である。
CPU33は、中央演算処理装置である。機能的に、CPU33は、検出部331と、指示部332とで構成されている。なお、検出部331および指示部332は、CPU33の処理手順を表している。コCPU33は、ROM34にアクセスして、プログラム341を読み出す。CPU33は、読み出したプログラム341をメモリ35に展開する。CPU33は、メモリ35にアクセスしながら、プログラム341を実行する。
ROM34は、フラッシュメモリなどに代表される不揮発性の記憶装置である。ROM34は、プログラム341を記憶している。プログラム341は、バーンイン試験に関する処理手順をプログラム言語で記述したものである。
メモリ35は、RAM(Random Access Memory)などに代表される揮発性の記憶装置である。メモリ35は、CPU33のワークエリアとして機能する。
外部クロック信号発生部36は、例えば、水晶発振器、位相同期回路などで構成されている。外部クロック信号発生部36は、外部クロック信号CLKを発生させる。外部クロック信号CLKは、炉21の内部にあるp個のマイクロコンピュータ5間の同期をとるための信号である。外部クロック信号発生部36は、発生させた外部クロック信号CLKを全てのマイクロコンピュータ5にそれぞれ供給する。
外部リセット信号発生部37は、外部リセット信号RSTOを発生させる。外部リセット信号RSTOは、炉21の内部にある全てのマイクロコンピュータ5をそれぞれリセットするための信号である。外部リセット信号発生部37は、発生させた外部リセット信号RSTOを全てのマイクロコンピュータ5にそれぞれ供給する。
タイマ38は、バーンイン試験開始からの経過時間を計測している。タイマ38は、経過時間が設定時間(例えば、24時間)に達すると、その旨をCPU33に通知する。
操作部39は、複数の操作キー(不図示)を備えている。例えば、操作部39により、バーンイン試験の設定時間がCPU33に入力される。
2.マイクロコンピュータ5の構成例
図2は、図1に示す任意のマイクロコンピュータ5の主要構成例を示すブロック図である。マイクロコンピュータ5は、CPU51と、RAM52と、ROM53と、周辺回路54と、内部クロック回路55とを主に備えている。これに加え、マイクロコンピュータ5は、(1)ストップモードと、(2)テストモードとを備えている。
図2は、図1に示す任意のマイクロコンピュータ5の主要構成例を示すブロック図である。マイクロコンピュータ5は、CPU51と、RAM52と、ROM53と、周辺回路54と、内部クロック回路55とを主に備えている。これに加え、マイクロコンピュータ5は、(1)ストップモードと、(2)テストモードとを備えている。
(1)ストップモード
ストップモードは、スタンバイ(待機)モードとも呼ばれる。マイクロコンピュータ5は、電源が投入された場合、基本的に動作状態である。動作状態では、CPU51を始め、マイクロコンピュータ5の各構成要素が動作している。マイクロコンピュータ5は、ストップモードを実行した場合、動作状態からストップ状態に移行する。ストップ状態では、内部クロック回路55以外の動作が停止している。そのため、マイクロコンピュータ5の出力電圧は、動作時と比べて非常に小さい。また、マイクロコンピュータ5の出力電流も、動作時と比べて非常に小さい。なお、内部クロック回路55は、CPU51、RAM52、ROM53および周辺回路54の同期をとるためのクロック信号を発生させる回路である。
ストップモードは、スタンバイ(待機)モードとも呼ばれる。マイクロコンピュータ5は、電源が投入された場合、基本的に動作状態である。動作状態では、CPU51を始め、マイクロコンピュータ5の各構成要素が動作している。マイクロコンピュータ5は、ストップモードを実行した場合、動作状態からストップ状態に移行する。ストップ状態では、内部クロック回路55以外の動作が停止している。そのため、マイクロコンピュータ5の出力電圧は、動作時と比べて非常に小さい。また、マイクロコンピュータ5の出力電流も、動作時と比べて非常に小さい。なお、内部クロック回路55は、CPU51、RAM52、ROM53および周辺回路54の同期をとるためのクロック信号を発生させる回路である。
(2)テストモード
マイクロコンピュータ5は、テストモードを実行した場合、周辺回路54の良否を自己診断する。周辺回路54は、A/D変換器、D/A変換器、ウォッチドッグ、ウォッチタイマ、シリアルインターフェースなどで構成されている。
マイクロコンピュータ5は、テストモードを実行した場合、周辺回路54の良否を自己診断する。周辺回路54は、A/D変換器、D/A変換器、ウォッチドッグ、ウォッチタイマ、シリアルインターフェースなどで構成されている。
バーンイン試験において、マイクロコンピュータ5は、以下の動作をそれぞれ行う。先ず、マイクロコンピュータ5は、テストモードを実行する。テストモードの実行は、マイクロコンピュータ5を動作状態にさせ、マイクロコンピュータ5全体の活性化を図るためである。このように、活性化を図るためにテストモードを実行するため、バーンイン試験中に自己診断による良否を把握することができる。
テストモードの終了後、マイクロコンピュータ5は、ストップモードを実行する。ストップモードの実行により、マイクロコンピュータ5は、動作状態からストップ状態に移行する。最後に、マイクロコンピュータ5は、リセットを実行する。リセットの実行により、マイクロコンピュータ5は、電源が投入されたときの状態(起動時の状態)に戻る。このリセットは、マイクロコンピュータ5の内部リセット信号(RST)によって実行される。マイクロコンピュータ5は、これら一連の動作をバーンイン試験が終了するまで繰り返す。
この2つのモードを備えていれば、半導体装置は、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)であってもよい。
3.マイクロコンピュータ5の良否と電源電流値Iとの関係
3.1.正常なロットの場合
図3は、正常なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる電源電流値Iを示す図である。図3(A)は、テストモード/リセットの回数を示す。図3(B)は、内部リセット信号RSTを示す。図3(C)は、電源電流値Iを示す。
3.1.正常なロットの場合
図3は、正常なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる電源電流値Iを示す図である。図3(A)は、テストモード/リセットの回数を示す。図3(B)は、内部リセット信号RSTを示す。図3(C)は、電源電流値Iを示す。
図3(A)に示すk(=1)回目のテストモード/リセットに着目する。炉21の内部にある全てのマイクロコンピュータ5は、テストモードをそれぞれ実行すると、そのモードに対応した動作をそれぞれ開始する。そのため、図3(C)に示すように、電源電流値Iは、0から時間taにかけて上昇する。なお、k=2回目以降、電源電流値Iは、リセットが実行されたときの値(Imin)から上昇する。
やがて、全てのマイクロコンピュータ5の動作がそれぞれ安定、即ち、活性化する。そのため、電源電流値Iは、時間taからtbにかけて最大値Imaxとなる。全てのマイクロコンピュータ5は、このテストモードが終了した時間tbにて、ストップモードをそれぞれ実行する。マイクロコンピュータ5が動作状態からストップ状態にそれぞれ移行したため、図3(C)に示すように、電源電流値Iは時間tbからtcにかけて、Imaxから最小値Iminまで低下する。
そして、全てのマイクロコンピュータ5は、時間tkにてリセットをそれぞれ実行する。このとき、図3(B)に示すように、全てのマイクロコンピュータ5の内部リセット信号RSTは、H(ハイ)レベルからL(レベル)にそれぞれ切り替わる。この切り替わりの時点で、電源電流値Iは、最小値Imin(例えば、2μA程度)に保持されている。これらのことは、k+1回目およびk+2回目のテストモードにおいても同様である。以上述べたように、正常なロットの場合、電源電流値Iは、最小値Iminまで低下する。
3.2.不良なロットの場合
図4は、不良なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる電源電流値Iを示す図である。図4(A)は、テストモード/リセットの回数を示す。図4(B)は、内部リセット信号RSTを示す。図4(C)は、電源電流値Iを示す。
図4は、不良なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる電源電流値Iを示す図である。図4(A)は、テストモード/リセットの回数を示す。図4(B)は、内部リセット信号RSTを示す。図4(C)は、電源電流値Iを示す。
図4(A)に示すk回目のテストモード/リセットにおいて、炉21の内部にある全てのマイクロコンピュータ5には、不良箇所が見つからなかったとする。しかしながら、k+1回目のテストモード/リセットにて、p個のマイクロコンピュータ5の内、q個のマイクロコンピュータ5に不良箇所が見つかったとする。
k+1回目のテストモード/リセットに着目する。全てのマイクロコンピュータ5は、テストモードが終了した時間teにて、ストップモードをそれぞれ実行する。全てのマイクロコンピュータ5が動作状態からストップ状態にそれぞれ移行したため、図4(C)に示すように、電源電流値Iは時間teからtfにかけて、最大値Imaxから低下する。
しかしながら、不良品のマイクロコンピュータ5がある場合、全てのマイクロコンピュータ5が時間tk+1にてリセットをそれぞれ実行しても、電源電流値Iが最小値Iminまで低下しないことが分かっている。故障モードによっては、電源電流値Iが最大値Imaxから低下しない場合もある。上述したように、リセットの実行前にテストモードを実行するのは、全てのマイクロコンピュータ5を活性化させることで、Imaxから最小値Iminまでの低下を明確にするためである。なお、k+1回目のリセットにおいて、時間tk+1以降に電源電流値Iが0まで低下するのは、バーンイン試験の停止に伴うものである。
以上のことから、炉21の内部にある全てのマイクロコンピュータ5がリセットをそれぞれ実行したとき、その直前の電源電流値Iが最小値Iminよりも高ければ、p個のマイクロコンピュータ5の中にq=1個以上の不良品があることが分かる。即ち、不良率が上昇したことが分かる。なお、このことは、恒温槽2の内部の温度には、依存しない。
4.CPU33の処理
図1に示すCPU33の処理を説明する。検出部331は、測定部32によって測定された電源電流値Iを用いて、炉21の中にあるバーンイン試験中の全マイクロコンピュータ5に対する不良率の上昇を検出する。その詳細は以下の通りである。
図1に示すCPU33の処理を説明する。検出部331は、測定部32によって測定された電源電流値Iを用いて、炉21の中にあるバーンイン試験中の全マイクロコンピュータ5に対する不良率の上昇を検出する。その詳細は以下の通りである。
上述したように、炉21の内部にある全てのマイクロコンピュータ5の各々は、ストップモードを実行した後、リセットを実行する。測定部32は、このリセットの実行直前に、電源電流値Iを測定している。
検出部331は、電源電流値Iを測定部32から入力すると、電源電流値Iを正常値THと比較する。正常値THは、全てのマイクロコンピュータ5が良品である場合に、測定部32によって得られる電源電流値である。つまり、正常値THは、正常なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる最小値Iminである。正常値THは、予めプログラム341に記述されている。検出部331は、電源電流値Iが正常値THよりも高い場合、不良率が上昇したと判断する。実用的には、不良率の上昇を検出できる程度に許容誤差範囲を設け、最小値Iminに許容誤差α(>0)を加算した値Imin+αを正常値THに設定することができる。検出部331は、不良率の上昇を検出した場合、その旨を示す検出信号S1を指示部332に出力する。
指示部332は、検出部331から検出信号S1を受けると、検出信号S1をトリガとして、制御信号CTL=“STOP”を恒温槽2の制御部22に出力する。制御信号CTL=“STOP”は、バーンイン試験の停止を指示するための信号である。これに加え、指示部332は、バーンイン試験の開始後、タイマ38によって計測された経過時間が設定時間に達した場合も、制御信号CTL=“STOP”を恒温槽2の制御部22に出力する。この他、指示部332は、制御信号CTL=“START”を恒温槽2の制御部22に出力する。制御信号CTL=“START”は、バーンイン試験の開始を指示する信号である。
5.バーンインボード試験ボード4の詳細
図5は、図1に示す任意のバーンイン試験ボード4の構成例を示すブロック図である。検出部331によって不良率の上昇が検出された場合、p個のマイクロコンピュータ5の中に、q=1個以上の不良品があることが分かる。しかしながら、どのマイクロコンピュータ5が不良品であるかということを、電源電流値Iを用いて把握することは難しい。
図5は、図1に示す任意のバーンイン試験ボード4の構成例を示すブロック図である。検出部331によって不良率の上昇が検出された場合、p個のマイクロコンピュータ5の中に、q=1個以上の不良品があることが分かる。しかしながら、どのマイクロコンピュータ5が不良品であるかということを、電源電流値Iを用いて把握することは難しい。
そこで、バーンイン試験ボード4は、n個の発光素子41と、n個の遮断部42とを備えている。バーンイン試験ボード4の各ソケットには、n個のマイクロコンピュータ5が装着されている。
n個の発光素子41は、例えば、それぞれLED(Light Emitting Diode)である。n個の発光素子41は、n個のマイクロコンピュータ5の各々に割り当てられている。n個の発光素子41は、n個のマイクロコンピュータ5の各々の良否を視覚的に識別させる役割を持つ。後述の各遮断部42のオン/オフ状態に依存するが、基本的に、n個の発光素子41は、電源電圧線VDDLに電源電圧VDDが印加され、かつ、グラウンド線GNDLにグラウンド電位G01が印加された場合に、それぞれ発光する。
n個の遮断部42は、例えば、それぞれ双安定リレーで構成されている。n個の遮断部42は、n個のマイクロコンピュータ5の各々に割り当てられている。n個の遮断部42は、入力端子aと出力端子bとをそれぞれ備える。各入力端子aは、電源電圧線VDDLに接続されている。各出力端子bは、n個のマイクロコンピュータ5に接続されている。
バーンイン試験の開始前に、n個の遮断部42は、入力端子aを出力端子bに電気的にそれぞれ接続させている。即ち、入力端子aおよび出力端子bの間は、オン状態である。n個の遮断部42は、このオン状態を、リセット信号RSTがn個の遮断部42にそれぞれ入力されるまで保持する。オン状態の場合、電源電圧線VDDLに電源電圧VDDが印加されると、n個のマイクロコンピュータ5に電源電圧VDDがそれぞれ入力される。これと共に、n個の発光素子41がそれぞれ発光する。
バーンイン試験の開始後、マイクロコンピュータ5がストップモードを実行する。良品の場合、その出力電圧は、動作時と比べて非常に小さい。そのため、良品に対応した遮断部42の入力端子aおよび出力側b間は、オン状態である。
これに対し、不良品の場合、その出力電圧は、動作時からさほど低下しない。このことは、上述した電源電流値Iと同様である。この場合、不良品に対応した遮断部42の入力端子aおよび出力端子b間は、オン状態からオフ状態に切り替わる。
バーンイン試験の終了後、m枚のバーンイン試験ボード4は、恒温槽2からそれぞれ取り出される。その後、例えば人手により、電源電圧線VDDLに電源電圧VDDが印加され、かつ、グラウンド線GNDLにグラウンド電位GNDが印加される。このとき、良品に対応する遮断部42の入力端子aおよび出力端子b間は、オン状態である。そのため、良品に対応する発光素子41が発光する。これに対し、不良品に対応する遮断部42の入力端子aおよび出力端子b間は、オフ状態である。そのため、不良品に対応する発光素子41は発光しない。このように、バーンイン試験後、発光素子41の発光の有無を見ることにより、良品のマイクロコンピュータ5を容易に把握することができる。
6.バーンイン試験に関する検査工程
図6は、第1の実施の形態に係るバーンイン試験に関する検査工程のフローチャートである。
図6は、第1の実施の形態に係るバーンイン試験に関する検査工程のフローチャートである。
バーンイン試験に入る前に、予めロット単位でマイクロコンピュータ5の組み立てが行われる(ステップST1)。具体的には、マイクロコンピュータ5としての半導体チップがパッケージングされる。
次に、バーンイン試験の開始前に不良品をできるだけ排除するため、テスタによる選別が行われる(ステップST2)。具体的には、テスタがステップST1で組み立てられた複数のマイクロコンピュータ5の電気的特性をそれぞれ検査する。
ステップST2で検査に合格したマイクロコンピュータ5には(Pass)、バーンイン試験が課される。ここでは、ステップST1で組み立てられた複数個のマイクロコンピュータ5の内、p個のマイクロコンピュータ5が検査に合格したとする。例えば、ハンドラは、m枚のバーンイン試験ボード4に、n個ずつマイクロコンピュータ5を装着する。そして、作業員または挿抜機器がm枚のバーンイン試験ボード4を炉21の内部に収納する(ステップST3)。一方、ステップST2で検査に合格しなかったマイクロコンピュータ5は(Fail)、不良品として取り扱われ、廃棄される(ステップST4)。
次に、バーンイン試験装置1は、恒温槽2の炉21に収納されたp個のマイクロコンピュータ5のバーンイン試験を行う(ステップST5)。その詳細は、以下の通りである。CPU33は、操作部39からバーンイン試験の開始の指示を受けると、プログラム341を実行する。すると、電源電圧部31は、電源電圧VDDを全てのマイクロコンピュータ5に供給する。これと共に、クロック信号発生部36は、外部クロック信号CLKを全てのマイクロコンピュータ5に供給する。更に、指示部332は、制御信号CTL=“START”を恒温槽2の制御部22に出力する。制御部22は、制御信号CTL=“START”を受けて、炉21の内部の温度が高温となるように、ヒータ部23を制御する。
詳細は後述するが、ステップST5でバーンイン試験中に不良率の上昇が検出された場合、バーンイン試験装置1は、バーンイン試験を停止する。そして、p個のマイクロコンピュータ5の内、良品のみのバーンイン試験が再度行われる。
バーンイン試験の終了後、作業員または挿抜機器がm枚のバーンイン試験ボード4を炉21から取り出す(ステップST6)。その後、作業員は、発光している発光素子41を目視で確認することで、p個のマイクロコンピュータ5の中から良品を取り出す。そして、ステップST2と同様に、テスタがその良品を選別する(ステップST7)。
ステップST7で検査に合格したマイクロコンピュータ5は(Pass)、製品として出荷される(ステップST8)。一方、ステップST7で検査に合格しなかったマイクロコンピュータ5は(Fail)、不良品として取り扱われ、廃棄される(ステップST9)。
図6に示す検査工程は、特に限定される物ではなく、生産ラインなどに応じて、種々の変更が可能である。例えば、ステップST7の後、恒温槽2を低温に保持してステップST5のバーンイン試験を行ってもよい。
7.バーンイン試験方法
図7は、図6のステップST5に示すバーンイン試験方法の詳細なフローチャートである。
図7は、図6のステップST5に示すバーンイン試験方法の詳細なフローチャートである。
先ず、炉21の内部にある全てのマイクロコンピュータ5は、テストモードをそれぞれ実行する(ステップST51)。テストモードの実行後、全てのマイクロコンピュータ5は、自己診断に合格したか否かをそれぞれ判断する(ステップST52)。全てのマイクロコンピュータ5は、自己診断にそれぞれ合格した場合に(Pass)、ストップモードをそれぞれ実行する(ステップST53)。一方、全てのマイクロコンピュータ5は、自己診断にそれぞれ合格しなかった場合(Fail)、ステップST51を実行する。即ち、全てのマイクロコンピュータ5は、自己診断に合格するまで、テストモードを実行し続ける。
全てのマイクロコンピュータ5がストップモードをそれぞれ実行した後、測定部32は、CPU33の指示により、電源電流値Iを測定する(ステップST54)。次に、検出部331は、電源電流値Iを用いて、不良率の上昇を検出する(ステップST55)。
検出部331によって、不良率の上昇が検出された場合(YES)、バーンイン試験装置1は、バーンイン試験を停止する(ステップST56)。その際に、検出部331は、検出信号S1を指示部332に出力する。指示部332は、検出部331から検出信号S1を受けると、検出信号S1をトリガとして、制御信号CTL=“STOP”を恒温槽2の制御部22に出力する。制御部22は、指示部332から制御信号CTL=“STOP”を受けると、バーンイン試験の停止に関する制御を行う。
バーンイン試験の終了後、ステップST6と同様に、作業員または挿抜機器がm枚のバーンイン試験ボード4を炉21から取り出す(ステップST57)。その後、作業員は、発光している発光素子41を目視で確認することで、p個のマイクロコンピュータ5の中から良品を選別する。この段階で、不良品は破棄される。次に、作業員または挿抜機器が、良品のマイクロコンピュータ5のみを装着したm枚(m枚以下でもよい)のバーンイン試験ボード4を炉21に入れる(ステップST58)。その後、ステップST5が再度実行される。
一方、ステップST55において、不良率の上昇が検出されなかた場合(NO)、全てのマイクロコンピュータ5は、リセットをそれぞれ実行する(ステップST59)。
タイマ38は、バーンイン試験開始からの経過時間を計測している(ステップST510)。経過時間が設定時間に達した場合(YES)、タイマ38は、その旨をCPU33に通知する。そして、バーンイン試験装置1は、バーンイン試験を停止する(ステップST511)。
一方、ステップST510において、経過時間が設定時間に達していない場合(NO)、ステップST51が再度実行される。
8.まとめ
本実施の形態によれば、炉21の内部にあるp個のマイクロコンピュータ5の各々は、テストモード、ストップモード、リセットを順に実行する。測定部32は、マイクロコンピュータ5の各々がリセットを実行する直前に、電源電流値Iを測定する。検出部331は、この測定された電源電流値Iを用いて、不良率の上昇を検出する。不良率が上昇した場合、指示部332は、バーンイン試験の停止を恒温槽2に指示する。
本実施の形態によれば、炉21の内部にあるp個のマイクロコンピュータ5の各々は、テストモード、ストップモード、リセットを順に実行する。測定部32は、マイクロコンピュータ5の各々がリセットを実行する直前に、電源電流値Iを測定する。検出部331は、この測定された電源電流値Iを用いて、不良率の上昇を検出する。不良率が上昇した場合、指示部332は、バーンイン試験の停止を恒温槽2に指示する。
このことにより、バーンイン試験の所要時間をより短縮することができる。取り分け、不良なロットのバーンイン試験を行う場合に、より顕著な効果を奏する。基本的に、既存のバーンイン試験装置の多くは、恒温槽と、測定部と、コンピュータを備えている。上述したように、本実施の形態では、CPU33がプログラム341を実行するので、既存のバーンイン試験装置に本プログラムを導入するだけで、本実施の形態を実施することが可能である。ハードウェアの改良が不要であるので、設備投資の削減を図ることができる。
また、従来例のように、既存のバーンイン試験装置を改良するにあたり、配線の接続などの作業が不要である。そのため、バーンイン試験ボードに装着できるマイクロコンピュータの個数が制約を受けることはない。
市場に流通しているバーンイン試験装置の中には、バーンイン試験の最中に試験結果を見ることができるモニタを備えたものがある。しかしながら、このバーンイン試験装置は、モニタがないバーンイン試験装置と比べて非常に高価である。そのため、多くの場合、モニタを備えたバーンイン試験装置は、高い信頼性が要求される一部の製品にのみに用いられる。
これに対し、本実施の形態では、モニタが不要でありながら、バーンイン試験の所要時間を従来よりも短縮することができる。そのため、あらゆる製品にバーンイン試験を課すことができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、図7に示すステップST52において、全てのマイクロコンピュータ5が自己診断に合格した場合(Pass)、ストップモードをそれぞれ実行する。その後、電源電流値Iが測定される。しかしながら、全てのマイクロコンピュータ5が自己診断に合格したとしても、ストップモードの実行後、電源電流値Iが最小値Iminまで低下しない場合がある。
第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、図7に示すステップST52において、全てのマイクロコンピュータ5が自己診断に合格した場合(Pass)、ストップモードをそれぞれ実行する。その後、電源電流値Iが測定される。しかしながら、全てのマイクロコンピュータ5が自己診断に合格したとしても、ストップモードの実行後、電源電流値Iが最小値Iminまで低下しない場合がある。
1.正常なロットの場合
この点について説明する。図8は、正常なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる電源電流値Iを示す図である。図8(A)は、テストモード/リセットの回数を示す。図8(B)は、内部リセット信号RSTを示す。図8(C)は、電源電流値Iを示す。
この点について説明する。図8は、正常なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる電源電流値Iを示す図である。図8(A)は、テストモード/リセットの回数を示す。図8(B)は、内部リセット信号RSTを示す。図8(C)は、電源電流値Iを示す。
図8(A)に示すk回目のテストモード/リセットに着目する。図8(C)に示す時間tbにて、全てのマイクロコンピュータ5がストップモードをそれぞれ実行したとする。不良品を含まない正常なロットであれば、時間tcにて、電源電流値Iが最小値Iminまで低下する。これは、第1の実施の形態で述べた通りである(図3参照)。しかしながら、自己診断で不合格であったマイクロコンピュータ5がある場合、その故障モードによっては、時間tcにおいても電源電流値Iが最大値Imaxのままである場合がある。
2.不良なロットの場合
図9は、不良なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる電源電流値Iを示す図である。図9(A)は、テストモード/リセットの回数を示す。図9(B)は、内部リセット信号RSTを示す。図9(C)は、電源電流値Iを示す。
図9は、不良なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる電源電流値Iを示す図である。図9(A)は、テストモード/リセットの回数を示す。図9(B)は、内部リセット信号RSTを示す。図9(C)は、電源電流値Iを示す。
図9(A)に示すk+1回目のテストモード/リセットに着目する。図9(C)に示す時間teにて、全てのマイクロコンピュータ5がリセットモードを実行する。この場合、時間tfにて、電源電流値Iが最小値Iminまで低下する。これは、図8に示す正常なロットの場合と対照的である。
そこで、本実施の形態に係るバーンイン試験方法は、図10に示すフローに従う。ステップST52aにおいて、全てのマイクロコンピュータ5は、自己診断にそれぞれ合格しなかった場合(Fail)、ストップモードをそれぞれ実行する。一方、全てのマイクロコンピュータ5は、自己診断にそれぞれ合格した場合(Pass)、ステップST51を実行する。
ステップST55aにおいて、検出部331は、不良率の上昇を検出するにあたって、電源電流値Iを正常値THaと比較する。第1の実施の形態では、正常値THは、最小値Imaxであった。これに対し、本実施の形態では、正常値THaは、図8に示すように、正常なロットのバーンイン試験を行った場合に得られる電源電流値、即ち、最大値Imaxである。検出部331は、電源電流値Iが正常値THaよりも低い場合、不良率が上昇したと判断する。第1の実施の形態の場合と同様に、不良率の上昇を検出できる程度に許容誤差範囲を設け、最小値Imaxに許容誤差α(>0)を減算した値Imax−αを正常値THに設定することができる。
このことにより、第1の実施の形態の効果に加え、故障モードによっては電源電流値Iが最小値Iminまで低下しないという場合にも対応することができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、図7に示すステップST55において、検出部331が、不良率の上昇を検出する際に、電源電流値Iを正常値THと比較する。これに対し、本実施の形態では、図7に示すステップST55において、検出部331が以下の処理を行うことにより、不良率の上昇を検出する。
第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、図7に示すステップST55において、検出部331が、不良率の上昇を検出する際に、電源電流値Iを正常値THと比較する。これに対し、本実施の形態では、図7に示すステップST55において、検出部331が以下の処理を行うことにより、不良率の上昇を検出する。
第1の実施の形態で述べたように、全てのマイクロコンピュータ5の各々は、テストモード(ステップST51)、ストップモード(ステップST53)、リセット(ステップST59)を順に実行するという過程を、バーンイン試験の開始からの経過時間が設定時間に達するまで(ステップST510)繰り返す。
検出部331は、電源電流値Iを既定値THと比較する代りに、以下の2つの電源電流値I同士を比較する。1つ目は、k回目のリセットが実行される直前(時間tk)に測定部32によって測定されたk回目の電源電流値Ikである。2つ目は、k+1回目のリセットが実行される直前(時間tk+1)に測定部32によって測定されたk+1回目の電源電流値Ik+1である。
検出部331は、k+1回目の電源電流値Ik+1をk回目の電源電流値Ikと比較する。検出部331は、k+1回目の電源電流値Ik+1がk回目の電源電流値Ikよりも高い場合(Ik<Ik+1)、不良率が上昇したと判断する。なお、この比較の際に、k回目の電源電流値Ikは、メモリ35に格納される。したがって、検出部331は、メモリ35から電源電流値Ikを読み出した上で、これをk+1回目の電源電流値Ik+1と比較する。
図4に示す不良のロットの場合、時間tkでは、電源電流値Iは、最小値Iminである。これに対し、時間tk+1では、電源電流値Iは、最小値Iminよりも高い。したがって、k+1回目の電源電流値Ik+1がk回目の電源電流値Ikよりも高い場合、不良率が上昇したことが分かる。
なお、本実施の形態を第2の実施の形態と組み合わせる場合、検出部331は、k+1回目の電源電流値Ik+1がk回目の電源電流値Ikよりも低い場合(Ik>Ik+1)、不良率が上昇したと判断する。
基本的に、バーンイン試験では、同じロットのマイクロコンピュータ5が試験対象となる。したがって、電源電流値Iを既定値THと比較するよりも、2つの電源電流値Ik、Ik+1同士を比較する方が、不良率の上昇を検出する精度が高い。また、リセットの実行ごとに得られる電源電流値Iをモニタすることができれば、上述の過程がバーンイン試験中に何回繰り返されたかを把握することができる。この回数を把握は、バーンイン試験の妥当性を見るのに有効である。
本実施の形態を第1の実施の形態または第2の実施の形態と組み合わせることで、多額の設備投資をすることなく、マイクロコンピュータのバーンイン試験に要する時間を短縮することができる。
1:バーンイン試験装置
2:恒温槽
3:制御部
4:バーンイン試験ボード
5:マイクロコンピュータ
21:炉
22:制御部
23:ヒータ部
31:電源電圧部
32:測定部
33:CPU
331:検出部
332:指示部
34:ROM
341:プログラム
35:メモリ
36:クロック信号発生部
37:リセット信号発生部
38:タイマ
39:操作部
2:恒温槽
3:制御部
4:バーンイン試験ボード
5:マイクロコンピュータ
21:炉
22:制御部
23:ヒータ部
31:電源電圧部
32:測定部
33:CPU
331:検出部
332:指示部
34:ROM
341:プログラム
35:メモリ
36:クロック信号発生部
37:リセット信号発生部
38:タイマ
39:操作部
Claims (5)
- 恒温槽に収納された複数の半導体装置のバーンイン試験中に、前記複数の半導体装置の各々の良否によって値が変化する電源電流値を測定する測定部と、
前記測定部の測定結果を用いて、前記バーンイン試験中の前記複数の半導体装置に対する不良率の上昇を検出する検出部と、
前記検出部によって前記不良率の上昇が検出された場合、バーンイン試験の停止を前記恒温槽に指示する指示部と
を有し、
前記複数の半導体装置の各々は、
動作状態から待機状態に移行する待機モードを備え、前記動作状態を経て前記待機モードを実行した後、リセットを実行し、
前記測定部は、
前記複数の半導体装置の各々が前記待機モードを実行した後、前記リセットを実行する前に、前記電源電流値を測定し、
前記検出部は、
前記測定部によって前記リセットの実行前に測定された前記電源電流値を用いて、前記不良率の上昇を検出する
バーンイン試験装置。 - 前記検出部は、
前記電源電流値を正常値と比較し、比較の結果、前記電源電流値が前記正常値と異なる場合に、前記不良率が上昇したと判断し、
前記正常値は、
前記複数の半導体装置の各々が良品である場合に、前記測定部によって得られる電源電流値である
請求項1に記載のバーンイン試験装置。 - 前記複数の半導体装置の各々は、
前記待機モードを実行した後、前記リセットを実行する過程を、前記バーンイン試験の開始からの経過時間が設定時間に達するまで複数回繰り返し、
前記測定部は、
前記複数の半導体装置の各々が前記複数回繰り返すリセットの内、k(k≧1)回目のリセットの実行前に前記k回目の電源電流値を測定し、k+1回目のリセットの実行前に前記k+1回目の電源電流値を測定し、
前記検出部は、
前記k+1回目の電源電流値を前記k回目の電源電流値と比較し、前記k+1回目の電源電流値が前記k回目の電源電流値と異なる場合に、前記不良率が上昇したと判断する
請求項1に記載のバーンイン試験装置。 - 恒温槽に収納された複数の半導体装置のバーンイン試験中に、前記複数の半導体装置の各々の良否によって値が変化する電源電流値を測定するステップと、
前記電源電流値を測定するステップでの測定結果を用いて、前記バーンイン試験中の前記複数の半導体装置に対する不良率の上昇を検出するステップと、
前記不良率の上昇を検出するステップで前記不良率の上昇が検出された場合、バーンイン試験の停止を前記恒温槽に指示するステップと
を有し、
前記複数の半導体装置の各々は、
動作状態から待機状態に移行する待機モードを備え、前記動作状態を経て前記待機モードを実行した後、リセットを実行し、
前記電源電流値を測定するステップでは、
前記複数の半導体装置の各々が前記待機モードを実行した後、前記リセットを実行する前に、前記電源電流値を測定し、
前記不良率の上昇を検出するステップでは、
前記測定部によって前記リセットの実行前に測定された前記電源電流値を用いて、前記不良率の上昇を検出する
バーンイン検査方法。 - 恒温槽に収納された複数の半導体装置のバーンイン試験中に、前記複数の半導体装置の各々の良否によって値が変化する電源電流値を測定する測定部を備えたバーンイン試験装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記測定部が前記電源電流値を測定する手順と、
前記測定部の測定結果を用いて、前記バーンイン試験中の前記複数の半導体装置に対する不良率の上昇を検出する手順と、
前記不良率の上昇が検出された場合、バーンイン試験の停止を前記恒温槽に指示する手順と
を有し、
前記複数の半導体装置の各々は、
動作状態から待機状態に移行する待機モードを備え、前記動作状態を経て前記待機モードを実行した後、リセットを実行し、
前記測定部が前記電源電流値を測定する手順では、
前記複数の半導体装置の各々が前記待機モードを実行した後、前記リセットを実行する前に、前記電源電流値を測定し、
前記不良率の上昇を検出する手順では、
前記リセットの実行前に測定された前記電源電流値を用いて、前記不良率の上昇を検出する
ことを前記バーンイン試験装置の前記コンピュータに実行させるプログラム。
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Cited By (1)
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CN103293423A (zh) * | 2013-06-20 | 2013-09-11 | 四川电力科学研究院 | 高温环境下光电模块性能测试装置及测试方法 |
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2011
- 2011-08-11 JP JP2011176105A patent/JP2013040789A/ja not_active Withdrawn
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