JP2013040099A - ガラス板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートガラスの板厚を極力均一にし反り及び歪を低減できるガラス板の製造方法を提供する。
【解決手段】ダウンドロー法によるガラス板の製造方法であって、成形されたシートガラスの冷却工程では、成形体の下部からガラス歪点の近傍の温度領域を下回るまでの温度領域において、シートガラスの幅Wの方向の温度制御を行う工程であって、シートガラスの幅Wの方向の端部L,CL,R,CRが端部L,CL,R,CRに挟まれた中央領域CAの温度より低く且つ中央領域CAの温度が均一になるようにする第1温度制御工程と、シートガラスの幅Wの方向の温度が中央部Cから端部L,CL,R,CRに向かって低くなるようにする第2温度制御工程と、ガラス歪点の近傍の温度領域においてシートガラスの幅Wの方向の端部L,CL,R,CRと中央部Cとの温度勾配がなくなるようにする第3温度制御工程とを含むガラス歪点上温度制御工程が行われる。
【選択図】図7

Description

本発明は、ガラス板の製造方法に関する。
特許文献1(特開2004−115357号公報)に記載のように、ダウンドロー法を用いてガラス板を製造する方法が存在する。ダウンドロー法では、成形体に溶融ガラスを流し込んだ後、当該溶融ガラスを成形体の頂部からオーバーフローさせる。オーバーフローされた溶融ガラスは、成形体の両側面に沿って流下し、成形体の下端部で合流することにより、シート状のガラス(シートガラス)となる。シートガラスは、その後、ローラによって下方に引っ張られ、所定の長さに切断される。
特許文献1に開示の発明では、所定の温度領域においてシートガラスの幅方向の中央部と末端部の近傍との温度勾配を所定値にすることにより、シートガラスの残留応力を低減している。また、特許文献1に開示の発明では、シートガラスの残留応力や歪を考慮して、シートガラスの中央部と末端部の近傍との温度勾配を規定している。
しかし、シートガラスの板厚を均一にしつつ、シートガラスの反りおよび歪を低減することは出来なかった。
そこで、本発明の課題は、シートガラスの板厚を極力均一にし、反り及び歪(残留応力)を低減できる、ガラス板の製造方法を提供することにある。
本発明のガラス板の製造方法は、ダウンドロー法によるガラス板の製造方法であって、成形工程と、冷却工程とを備える。成形工程では、溶融ガラスを成形体の両側面に沿って流下させ成形体の下部で合流させることによりシートガラスを成形する。冷却工程では、シートガラスをローラによって下方に引っ張りながら冷却する。また、冷却工程では、ガラス歪点上温度制御工程が行われる。ガラス歪点上温度制御工程は、成形体の下部からガラス歪点の近傍の温度領域を下回るまでの温度領域において、シートガラスの幅方向の温度制御を行う工程であって、第1温度制御工程と、第2温度制御工程と、第3温度制御工程とを含む。第1温度制御工程では、シートガラスの幅方向の端部が端部に挟まれた中央領域の温度より低く、且つ、中央領域の温度が均一になるようにする。第2温度制御工程では、シートガラスの幅方向の温度が中央部から端部に向かって低くなるようにする。第3温度制御工程では、ガラス歪点の近傍の温度領域において、シートガラスの幅方向の端部と中央部との温度勾配がなくなるようにする。これにより、シートガラスの板厚を極力均一にし、反り及び歪(残留応力)を低減できる。なお、シートガラスの中央領域は、板厚を均一にする対象の部分を含む領域であり、シートガラスの端部は、製造後に切断される対象の部分を含む領域である。
第1温度制御工程では、シートガラスの幅方向の端部の温度を、端部に挟まれた中央領域の温度より低くすることで、シートガラスの端部の粘度が高くなる。これにより、シートガラスの幅方向の収縮が抑えられる。シートガラスが幅方向に収縮すると、収縮した箇所の板厚が大きくなり、板厚偏差が悪くなる。従って、シートガラスの幅方向の端部の温度を中央領域の温度より低くすることにより、板厚を均一化することができる。また、第1温度制御工程では、シートガラスの中央領域の温度を均一にすることで、中央領域の粘度が均一になる。これにより、シートガラスの板厚を均一化することができる。
第2温度制御工程では、シートガラスの幅方向の温度が中央部から端部に向かって低くなるように温度勾配が形成される。そして、第3温度制御工程では、第2温度制御工程において形成された温度勾配を、ガラス歪点の近傍の温度領域に向かって低減するように、シートガラスを冷却する。これにより、シートガラスの体積収縮量は、シートガラスの端部から中央部に向かうにつれて大きくなるので、シートガラスの中央部において引張り応力が働く。特に、シートガラスの中央部において、シートガラスの流れ方向および幅方向に引張り応力が働く。なお、シートガラスの幅方向に働く引張り応力よりも、シートガラスの流れ方向に働く引張り応力の方が大きいことが好ましい。引張り応力により、シートガラスの平坦度を維持しつつ冷却することができるので、シートガラスの反りを低減することができる。
また、シートガラスは、ガラス歪点において温度勾配を有していると、常温まで冷却されたときに歪が生じる。従って、第3温度制御工程において、ガラス歪点の近傍の温度領域に向かって温度勾配が低減するように冷却することで、冷却後の歪を低減することができる。なお、第3温度制御工程で冷却されたシートガラスは、幅方向の中央部の温度から端部の温度を引いた値が、−20℃から20℃までの範囲に入ることが好ましい。
また、第2温度制御工程において、シートガラスの幅方向の温度勾配が、シートガラスの流れ方向に向かうに従って漸減することがより好ましい。
また、第2温度制御工程において、シートガラスの幅方向の温度が中央部から端部に向かって漸減するように温度勾配が形成されることがより好ましい。
また、第2温度制御工程において、シートガラスの幅方向の温度が中央部から端部に向かって漸減するように温度勾配が形成され、かつ、この温度勾配が、シートガラスの流れ方向に向かうに従って漸減することがより好ましい。
また、第2温度制御工程において、シートガラスの幅方向の温度が中央部から端部に向かって凸状に漸減するように温度勾配が形成されることがより好ましい。
また、第2温度制御工程において、シートガラスの幅方向の温度が中央部から端部に向かって凸状に漸減するように温度勾配が形成され、かつ、この温度勾配が、シートガラスの流れ方向に向かうに従って漸減することがより好ましい。
また、第1温度制御工程は、シートガラスの中央部の温度がガラス軟化点以上である場合に行われ、第2温度制御工程及び第3温度制御工程は、シートガラスの中央部の温度がガラス軟化点より低い場合に行われることが好ましい。これにより、第1温度制御工程において、シートガラスの中央領域の温度が均一になるように制御され、シートガラスの板厚が均一になった後に、第2温度制御工程及び第3温度制御工程が行われる。従って、板厚が均一になったシートガラスの中央部に、シートガラスの流れ方向および幅方向において引張り応力を働かせることができる。これにより、シートガラスの平坦度を維持しつつシートガラスを冷却することができる。従って、シートガラスの反りを低減することができる。
また、第3温度制御工程では、冷却工程におけるシートガラスの幅方向の端部と中央部との温度差が、最も小さくなるようにすることが好ましい。シートガラスは、ガラス歪点において温度差を有していると、常温まで冷却された後に歪が生じる。すなわち、ガラス歪点の近傍の温度領域において、シートガラスの幅方向の端部と中央部との温度差を小さくすることで、シートガラスの歪を低減することができる。
また、温度勾配がなくなるとは、シートガラスの幅方向において中央部の温度から端部の温度を引いた値が、−20℃から20℃までの範囲に入ることが好ましい。
また、冷却工程では、ガラス歪点の近傍の温度領域より低い温度領域において、シートガラスの幅方向の温度が端部から中央部に向かって低くなるようにする第4温度制御工程がさらに行われることが好ましい。これにより、シートガラスの冷却量は、シートガラスの端部から中央部に向かうにつれて大きくなる。そのため、上述したように、シートガラスの中央部は、シートガラスの流れ方向および幅方向に引張り応力が働くことになる。従って、シートガラスの平坦度を維持しつつ冷却することができるので、シートガラスの反りを低減することができる。
また、第4温度制御工程において、ガラス歪点の近傍の温度領域より低い温度領域において、シートガラスの温度が幅方向の端部から中央部に向かって漸減するように温度勾配が形成されることが好ましい。
また、第4温度制御工程において、ガラス歪点の近傍の温度領域より低い温度領域において、シートガラスの温度が幅方向の端部から中央部に向かって凸状に漸減するように温度勾配が形成されることが好ましい。
また、第4温度制御工程では、シートガラスの幅方向の端部と中央部との間の温度勾配を、シートガラスの流れ方向に向かって増加させることが好ましい。
また、第4温度制御工程では、シートガラスの幅方向の端部と中央部との間の温度勾配を、シートガラスの流れ方向に向かって漸増させることが好ましい。
また、シートガラスは、1.0nm以下の歪値を有することが好ましく、0nm〜0.95nmの範囲内の歪値を有することがより好ましく、0nm〜0.90nmの範囲内の歪値を有することがさらに好ましい。
また、シートガラスは、0.15mm以下の反り値を有することが好ましく、0mm〜0.10mmの範囲内の反り値を有することがより好ましく、0mm〜0.05mmの範囲内の反り値を有することがさらに好ましい。
また、シートガラスは、15μm以下の板厚偏差を有することが好ましく、0μm〜14μmの範囲内の板厚偏差を有することがより好ましく、0μm〜13μmの範囲内の板厚偏差を有することがさらに好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法では、シートガラスの板厚を極力均一にし、反り及び歪(残留応力)を低減できる。
本実施形態に係るガラス板の製造方法の一部のフローチャート。 ガラス板の製造装置に含まれる溶解装置を主として示す模式図。 成形装置の概略の正面図。 成形装置の概略の側面図。 制御装置の制御ブロック図。 各温度プロファイル(後述する)におけるシートガラスSGの温度を示す表。 図6の表における温度プロファイルのグラフである。 温度制御工程における冷却速度及び温度勾配を示す表。
以下、図面を参照しながら、本実施形態のガラス板の製造装置100を用いてガラス板を製造するガラス板の製造方法について説明する。
(1)ガラス板の製造方法の概要
図1は、本実施形態に係るガラス板の製造方法の一部のフローチャートである。
以下、図1を用いてガラス板の製造方法について説明する。
ガラス板は、図1に示すように、溶解工程ST1と、清澄工程ST2と、均質化工程ST3と、成形工程ST4と、冷却工程ST5と、切断工程ST6とを含む種々の工程を経て製造される。以下、これらの工程について説明する。
溶解工程ST1では、ガラス原料を加熱して溶解する。ガラス原料は、SiO2、Al23等の組成からなる。完全に溶解したガラス原料は、溶融ガラスとなる。
清澄工程ST2では、溶融ガラスを清澄する。具体的には、溶融ガラス中に含まれるガス成分を溶融ガラスから放出する、或いは、溶融ガラス中に含まれるガス成分を溶融ガラス中に吸収する。
均質化工程ST3では、溶融ガラスを均質化する。なお、この工程では、清澄が済んだ溶融ガラスの温度調整を行う。
成形工程ST4では、ダウンドロー法(具体的には、オーバーフローダウンドロー法)により溶融ガラスをシート状のシートガラスSG(図3や図4を参照)に成形する。
冷却工程ST5では、成形工程ST4で成形されたシートガラスSGの冷却を行う。当該冷却工程ST5において、シートガラスSGは、室温近くまで冷却される。
切断工程ST6では、室温近くまで冷却されたシートガラスSGを、所定の長さ毎に切断して切断シートガラスSG1(図3を参照)とする。
なお、所定の長さ毎に切断された切断シートガラスSG1は、その後、さらに切断されて、研削・研磨、洗浄、検査が行われてガラス板となり、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに使用される。
(2)ガラス板の製造装置100の概要
図2は、ガラス板の製造装置100に含まれる溶解装置200を主として示す模式図である。図3は、ガラス板の製造装置100に含まれる成形装置300の概略の正面図である。図4は、成形装置300の概略の側面図である。以下、ガラス板の製造装置100について説明する。
ガラス板の製造装置100は、主として、溶解装置200(図2を参照)と、成形装置300(図2−図4を参照)と、切断装置400(図3を参照)とを有する。
(2−1)溶解装置200の構成
溶解装置200は、溶解工程ST1、清澄工程ST2、及び、均質化工程ST3を行うための装置である。
溶解装置200は、図2に示すように、溶解槽201、清澄槽202、攪拌槽203、第1配管204、及び、第2配管205を有する。
溶解槽201は、ガラス原料を溶解するための槽である。溶解槽201では、溶解工程ST1を行う。
清澄槽202は、溶解槽201で溶解された溶融ガラスから泡を除去するための槽である。溶解槽201より送り込まれた溶融ガラスを、清澄槽202でさらに加熱することで、溶融ガラス中の気泡の脱泡が促進される。清澄槽202では、清澄工程ST2を行う。
攪拌槽203は、溶融ガラスを収容する容器と、回転軸と、当該回転軸に取り付けられた攪拌翼とを含む攪拌装置を有している。容器、回転軸、及び、攪拌翼としては、例えば、白金等の白金族元素又は白金族元素の合金製のものを用いることができるが、これに限られない。モータ等の駆動部(図示せず)の駆動によって回転軸が回転することによって、回転軸に取り付けられた攪拌翼が、溶融ガラスを攪拌する。攪拌槽203では、均質化工程ST3を行う。
第1配管204及び第2配管205は、白金族元素又は白金族元素の合金製の配管である。第1配管204は、清澄槽202と攪拌槽203とを接続する配管である。第2配管205は、攪拌槽203と成形装置300とを接続する配管である。
(2−2)成形装置300の構成
成形装置300は、成形工程ST4、及び、冷却工程ST5を行うための装置である。
成形装置300は、図3や図4に示すように、成形体310と、雰囲気仕切り部材320と、冷却ローラ330と、冷却ユニット340と、引っ張りローラ350a〜350eと、ヒータ360a〜360eとを有する。以下、これらの構成について説明する。
(2−2−1)成形体310
成形体310は、成形工程ST4を行うための装置である。
成形体310は、図3に示すように、成形装置300の上方部分に位置し、溶解装置200から流れてくる溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法によりシート状のガラス板(シートガラスSG)に成形する機能を有する。成形体310は、垂直方向に切断した断面形状が楔形形状を有し、レンガにより構成されている。
成形体310には、図4に示すように、溶解装置200から流れてくる溶融ガラスの流路方向の上流側に、供給口311が形成されている。また、成形体310には、図3に示すように、その長手方向に沿って、上方に開放された溝部312が形成されている。溝部312は、溶融ガラスの流路方向の上流側から下流側に向かうにつれ、徐々に浅くなるように形成されている。
溶解装置200から成形装置300に向かって流れてくる溶融ガラスは、供給口311を介して成形体310の溝部312に流れるようになっている。
成形体310の溝部312に流れた溶融ガラスは、当該溝部312の頂部においてオーバーフローし、成形体310の両側面313を沿って流下する。そして、成形体310の両側面313を沿って流下する溶融ガラスは、成形体310の下部314で合流してシートガラスSGとなる。
(2−2−2)雰囲気仕切り部材320
図3や図4に示すように、雰囲気仕切り部材320は、成形体310の下部314の近傍に配置される板状の部材である。
雰囲気仕切り部材320は、成形体310の下部314から流下していくシートガラスSGの厚み方向の両側に、略水平となるように配置されている。雰囲気仕切り部材320は、断熱材として機能する。すなわち、雰囲気仕切り部材320は、その上下の空気を仕切ることにより、雰囲気仕切り部材320の上側から下側への熱の移動を抑制している。
(2−2−3)冷却ローラ330
冷却ローラ330は、雰囲気仕切り部材320の下方に配置されている。また、冷却ローラ330は、シートガラスSGの厚み方向の両側に、且つ、その幅方向の両端部分に対向するように配置されている。冷却ローラ330は、内部に通された空冷管により空冷されている。よって、シートガラスSGは、冷却ローラ330を通る際に、空冷された冷却ローラ330に接触するその厚み方向の両側部分且つその幅方向の両端部分(以下では、当該部分をシートガラスSGの耳部R,L(図4や図7を参照)という)が冷却される。これにより、当該耳部R,Lの粘度は、所定値(具体的には、109.0ポワズ)以上にされる。冷却ローラ330は、冷却ローラ駆動モータ390(図5を参照)による駆動力が伝達されることにより、シートガラスSGを下方に引っ張る役割も有する。
冷却ローラ330により、シートガラスSGは、所定の厚さに引き伸ばされる。
(2−2−4)冷却ユニット340
冷却ユニット340は、空冷式の冷却装置であり、冷却ローラ330及びその下方を通るシートガラスSGの雰囲気温度を冷却する。
冷却ユニット340は、シートガラスSGの幅方向に複数(ここでは、3つ)及びその流れ方向に複数配置される。具体的には、冷却ユニット340は、シートガラスSGの耳部R,Lの表面に対向するように、1つずつ配置され、且つ、後述する中央領域CA(図4や図7を参照)の表面に対向するように1つ配置されている。
(2−2−5)引っ張りローラ350a〜350e
引っ張りローラ350a〜350eは、冷却ローラ330の下方に、シートガラスSGの流れ方向に所定の間隔をもって配置される。また、引っ張りローラ350a〜350eは、それぞれ、シートガラスSGの厚み方向の両側に、且つ、シートガラスSGの幅方向の両端部分に対向するように配置される。そして、引っ張りローラ350a〜350eは、冷却ローラ330において耳部R,Lの粘度が所定値以上になったシートガラスSGの厚み方向の両側部分であってその幅方向の両端部分に接触しながら当該シートガラスSGを下方に引っ張る。なお、引っ張りローラ350a〜350eは、引っ張りローラ駆動モータ391(図5を参照)による駆動力が伝達されることにより駆動される。引っ張りローラ350a〜350eの周速度は、冷却ローラ330の周速度よりも大きい。引っ張りローラの周速度は、シートガラスSGの流れ方向の下流側に配置されるにつれて大きくなる。すなわち、複数の引っ張りローラ350a〜350eにおいては、引っ張りローラ350aの周速度が最も小さく、引っ張りローラ350eの周速度が最も大きい。
(2−2−6)ヒータ
ヒータは、シートガラスSGの流れ方向に複数(ここでは、5つ)且つシートガラスSGの幅方向に複数(ここでは、5つ)配置される。ヒータ360a〜360eは、後述する制御装置500によって出力を制御されることで、引っ張りローラ350a〜350eによって下方に牽引されるシートガラスSGの近傍の雰囲気温度を制御する(具体的には、昇温する)温度制御装置として機能する。
シートガラスSGの幅方向に複数配置されるヒータは、各々、上記流露方向の上流側から順に、耳部L、左部CL(図4や図7を参照),中央部C(図4や図7を参照),右部CR(図4や図7を参照),耳部Rの雰囲気温度を制御する。
ここでは、引っ張りローラ350a〜350eによって下方に牽引されるシートガラスSGの雰囲気温度が、ヒータ360a〜360eによって温度制御されることによって(具体的には、シートガラスSGの雰囲気温度が制御されることにより、シートガラスSGが温度制御されることによって)、シートガラスSGが粘性域から粘弾性域を経て弾性域へと推移する冷却が行われる。
なお、ヒータ360a〜360eのそれぞれの近傍には、シートガラスSGの各領域の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段としての複数の熱電対(ここでは、熱電対ユニット380(図5を参照)という)が、ヒータ360a〜360eのそれぞれに対応するように配置されている。すなわち、熱電対は、シートガラスSGの流れ方向に複数且つその幅方向に複数配置されている。
以上のように、成形体310の下部314以下の領域において、冷却ローラ330、冷却ユニット340、ヒータ360a〜360eによってシートガラスSGが冷却されていく工程が冷却工程ST5である。
(2−3)切断装置400
切断装置400では、切断工程ST6を行う。切断装置400は、成形装置300において流下するシートガラスSGを、その長手面に対して垂直な方向から切断する装置である。これにより、シート状のシートガラスSGは、所定の長さを有する複数の切断シートガラスSG1となる。切断装置400は、切断装置駆動モータ392(図5を参照)によって駆動される。
(3)制御装置500
図5は、制御装置500の制御ブロック図である。
制御装置500は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等から構成され、ガラス板の製造装置100に含まれる種々の機器の制御を行う制御部として機能する。
具体的には、制御装置500は、図5に示すように、ガラス板の製造装置100に含まれる各種のセンサ(例えば、熱電対ユニット380等)やスイッチ(例えば、主電源スイッチ381等)等による信号、入力装置(図示せず)等を介した作業者からの入力信号を受けて、冷却ユニット340、ヒータ360a〜360e、冷却ローラ駆動モータ390、引っ張りローラ駆動モータ391、切断装置駆動モータ392等の制御を行う。
(4)冷却工程ST5における温度制御
図6は、各温度プロファイル(後述する)におけるシートガラスSGの温度を示す表である。図7は、図6の表における温度プロファイルのグラフである。図8は、温度制御工程ST11〜ST14における冷却速度及び温度勾配を示す表である。
冷却工程ST5では、シートガラスSGを温度制御する温度制御工程ST10(図8を参照)を行っている。具体的には、温度制御工程ST10では、制御装置500が、冷却ローラ330を制御することにより、シートガラスSGの温度を制御する。また、温度制御工程ST10では、冷却ユニット340、及び、ヒータ360a〜360eを制御してシートガラスSGの雰囲気温度の制御を行うことによって、シートガラスSGの温度を制御する。なお、図6,7に示されるシートガラスSGの温度は、冷却ユニット340およびヒータ360a〜360eによって制御されるシートガラスSGの雰囲気温度に基づいて、シミュレーションによって算出された値である。
冷却工程ST5では、温度制御工程ST10を行うことによって、シートガラスSGの温度が所定の高さ位置において所定の温度範囲に入るように、且つ、シートガラスSGの温度がその幅方向に所定の温度分布を有するようにしている。すなわち、シートガラスSGの温度は、その流れ方向及び幅方向において制御されている。
以下では、シートガラスSGの温度が有する温度分布を適宜温度プロファイル(図7の実線に示す)という。なお、図6及び図7に示すように、成形体310の下部314においては、シートガラスSGの温度は、その幅方向に均一(プラスマイナス20℃の範囲を含むものとする)であり、約1150℃である。
温度制御工程ST10は、図8に示すように、ガラス歪点上温度制御工程ST10aと、歪点下方温度制御工程ST14とを有する。以下、各温度制御工程について説明する。
(4−1)ガラス歪点上温度制御工程ST10a
ガラス歪点上温度制御工程ST10aは、成形体310の下部314から、シートガラスSGの温度がガラス歪点の近傍の温度領域下回るまでの、シートガラスSGの温度の制御を行う工程であって、第1温度制御工程ST11と、第2温度制御工程ST12と、第3温度制御工程ST13とを有する。なお、ガラス歪点とは、一般的なガラスの歪点を言い、1014.5ポワズの粘度に相当する温度(例えば、661℃)である。ガラス歪点の近傍の温度領域とは、ガラス歪点とガラス徐冷点とを足して2で除した温度((ガラス歪点+ガラス徐冷点)/2)から、ガラス歪点から50℃を引いた温度(ガラス歪点―50℃)までの領域をいう。ガラス徐冷点とは、一般的なガラスの徐冷点を言い、1013ポワズの粘度に相当する温度(例えば、715℃)である。
(4−1−1)第1温度制御工程ST11
第1温度制御工程ST11は、シートガラスSGの幅方向において最高の温度となる箇所(中央領域CA)の温度がガラス軟化点以上である場合に行われる。ガラス軟化点とは、一般的な、ガラスの軟化点を言い、107.6ポワズの粘度に相当する温度(例えば、950℃)である。
第1温度制御工程ST11では、温度プロファイルが、第1温度プロファイルTP11となるように制御している。
(4−1−1−1)第1温度プロファイルTP11
第1温度プロファイルTP11とは、図7に示すように、シートガラスSGの耳部R,Lの温度が中央領域CAの温度よりも低くなり、且つ、耳部R,Lによって挟まれる中央領域CAの幅方向の温度が均一になる温度プロファイルである。ここで、「中央領域CA幅方向の温度が均一になる」とは、中央領域CAにおける幅方向の温度差が―20℃から20℃までの範囲に入ることを意味する。なお、中央領域CAとは、右部CRと中央部Cと左部CLとから構成される領域である。具体的には、シートガラスSGの中央領域CAは、板厚を均一にする対象の部分を含む領域である。また、シートガラスSGの幅方向の端部である耳部R,Lは、製造後に切断される対象の部分を含む領域である。
(4−1−1−2)第1温度プロファイルTP11にするための制御
第1温度制御工程ST11では、冷却ローラ330及び冷却ユニット340を制御することにより、温度プロファイルが第1温度プロファイルTP11となるようにしている。具体的には、冷却ローラ330によってシートガラスSGの耳部R,Lを冷却することにより、また、冷却ユニット340によってシートガラスSGの雰囲気温度を制御することにより、シートガラスSGの耳部R,Lの温度を中央領域CAの温度よりも所定温度(具体的には、200℃〜250℃)低くしている。そして、冷却ユニット340によってシートガラスSGの雰囲気温度を制御することにより、耳部R,Lの温度が中央領域CAの温度よりも所定温度低くなり、且つ、中央領域CAの幅方向の温度が均一になる温度プロファイルを維持している。これにより、シートガラスSGの中央領域CAの板厚を極力均一にできる。ここで、上述したように、冷却ユニット340は、幅方向に3つ配置されている。よって、シートガラスSGの耳部R,Lのそれぞれの温度と中央領域CAの温度とを独立して温度制御することができる。
第1温度プロファイルTP11における、シートガラスSGの耳部R,Lの温度は、なお、図6及び図7に示すように、880℃であり、中央領域CAの温度は、1070℃である。
(4−1−2)第2温度制御工程ST12
第2温度制御工程ST12は、シートガラスSGの中央領域CAの温度がガラス軟化点を下回ってから、シートガラスSGの温度がガラス徐冷点の近傍の温度領域を通ってガラス歪点の近傍の温度領域に入るまでの間に行われる。ガラス徐冷点の近傍の温度領域とは、ガラス徐冷点に100℃を足した温度(ガラス徐冷点+100℃)から、ガラス歪点とガラス徐冷点とを足して2で除した温度((ガラス歪点+ガラス徐冷点)/2)より上の領域をいう。
第2温度制御工程ST12では、温度プロファイルが、第2温度プロファイルTP20となるように制御する。
(4−1−2−1)第2温度プロファイルTP20
第2温度プロファイルTP20とは、シートガラスSGの幅方向における温度が中央部Cから耳部R,Lに向かって低くなる温度プロファイルであり、上に凸の曲線を描く形状を有する。すなわち、第2温度制御工程ST12では、幅方向において、シートガラスSGの中央部Cの温度が最も高く、シートガラスSGの耳部R,Lの温度が最も低い。なお、第2温度プロファイルTP20では、温度が幅方向において中央部Cから耳部R,Lに向かって連続的に低くなる。
第2温度プロファイルTP20には、複数の温度プロファイル(具体的には、本実施形態では、第2a温度プロファイルTP21、第2b温度プロファイルTP22)が含まれる。第2a温度プロファイルTP21及び第2b温度プロファイルTP22は、シートガラスSGの流れ方向の上流側から下流側に向かって順に位置する。
第2温度プロファイルTP20は、シートガラスSGの流れ方向の下流側に向かうにつれて(すなわち、シートガラスSGの中央領域CAの温度がガラス軟化点を下回ってから、シートガラスSGの温度がガラス歪点の近傍の温度領域へ向かうにつれて)、シートガラスSGの幅方向において、耳部R,Lの温度と中央部Cの温度との温度差の絶対値(ここでは、温度差絶対値という)が小さくなる。よって、第2a温度プロファイルTP21の温度差絶対値のほうが、第2b温度プロファイルTP22の温度差絶対値よりも小さい。
ここで、シートガラスSGの流れ方向の下流側に向かうにつれて、温度差絶対値が小さくなるということは、言い換えれば、第2温度プロファイルTP20は、シートガラスSGの流れ方向の下流側に向かうにつれて、シートガラスSGの耳部R,Lの温度と中央部Cの温度との温度勾配が小さくなるということである。シートガラスSGの耳部R,Lの温度と中央部Cの温度との温度勾配とは、図7の二点差線に示すように、中央部Cの温度から耳部Rの温度を引いた値を、シートガラスSGの幅Wを2で除した値で、除したものの絶対値(ここでは、第1勾配絶対値という)、又は、中央部Cの温度から耳部Lの温度を引いた値を、シートガラスSGの幅Wを2で除した値で、除したものの絶対値(ここでは、第2勾配絶対値という)である。なお、以下の説明においては、シートガラスSGの耳部R,Lの温度と中央部Cの温度との温度勾配とは、第1勾配絶対値と第2勾配絶対値との平均値を意味するものとする。
第2温度制御工程ST12では、第2a温度プロファイルTP21の温度勾配TG21、第2b温度プロファイルTP22の温度勾配TG22の順に大きい。
(4−1−2−2)第2温度プロファイルTP20にするための制御
第2温度制御工程ST12では、一部のヒータ(ここでは、ヒータ360a及び360b)を制御することにより、温度プロファイルが第2温度プロファイルTP20となるようにしている。
具体的には、ヒータ360aを制御することにより、第2a温度プロファイルTP21を形成し、ヒータ360bを制御することにより、第2b温度プロファイルTP22を形成している。なお、図示はしていないが、本実施形態の第2温度プロファイルTP20には、さらにもう1つの第2c温度プロファイルが含まれている。当該第2c温度プロファイルは、シートガラスSGの中央領域CAの温度がガラス軟化点を下回った直後に形成される温度プロファイルである。第2c温度プロファイルは、冷却ユニット340によって温度制御されて形成される。
なお、本実施形態では、耳部R,L、右部CR,左部CL、中央部Cの5点の温度の近似曲線が、第2温度プロファイルTP20となるようにしている。
図6及び図7に示すように、第2a温度プロファイルTP21におけるシートガラスSGの耳部L,左部CL,中央部C,右部CR,耳部Rの温度は、順に、785℃、798℃、819℃、792℃、776℃である。また、第2b温度プロファイルTP22におけるシートガラスSGの耳部L,左部CL,中央部C,右部CR,耳部Rの温度は、順に、763℃、770℃、784℃、765℃、757℃である。
また、第2温度制御工程ST12では、シートガラスSGの幅方向において、中央部Cの冷却速度が最も速くなるように、ヒータを制御している。すなわち、シートガラスSGの幅方向において耳部R,Lの温度の冷却速度や右部CR,左部CLの温度よりも中央部Cの温度の冷却速度が速くなるように、ヒータを制御している。これにより、第2a温度プロファイルTP21及び第2b温度プロファイルTP22を形成できる。なお、具体的な冷却速度については、歪点近傍温度制御工程ST13の箇所で説明する。また、各温度プロファイルTP21,TP22における、温度勾配TG21,TG22は、それぞれ、7.4×10-3℃/mm、4.7×10-3℃/mmである。
(4−1−3)第3温度制御工程ST13
第3温度制御工程ST13は、シートガラスSGの温度がガラス歪点の近傍の温度領域に入っている間に行われる。
第3温度制御工程ST13では、温度プロファイルが第3温度プロファイルTP31となるように制御する。
(4−1−3−1)第3温度プロファイルTP31
第3温度プロファイルTP31とは、シートガラスSGの幅方向の温度(幅方向の耳部R,Lから中央部Cにかけての温度)が均一になる温度プロファイルである。別の言い方をすると、第3温度プロファイルTP31とは、シートガラスSGの幅方向において、温度の耳部R,Lと中央部Cとの温度勾配がなくなる温度プロファイルである。
ここで、「均一になる」、「温度勾配がなくなる」とは、シートガラスSGの幅方向において、中央部Cの温度から耳部R,Lの温度を引いた値が、−20℃から20℃までの範囲に入ることである。
(4−1−3−2)第3温度プロファイルTP31にするための制御
第3温度制御工程ST13では、一部のヒータ(ここでは、360c)を制御することによって、温度プロファイルが第3温度プロファイルTP31となるようにしている。ここでは、冷却工程ST5における温度差絶対値が最も小さくなるようにヒータ360cを制御している。
なお、図6及び図7に示すように、第3温度プロファイルTP31における、シートガラスSGの耳部L,左部CL,中央部C,右部CR,耳部Rの温度は、順に、647℃、647℃、670℃、654℃、653℃である。
また、第3温度制御工程ST13では、第2温度制御工程ST12と同様に、シートガラスSGの幅方向において、中央部Cの温度の冷却速度が最も速くなるように、ヒータ360cを制御している。すなわち、シートガラスSGの耳部R,Lの温度の冷却速度や右部CR,左部CLの温度の冷却速度よりも中央部Cの温度の冷却速度が速くなるように、ヒータ360cを制御している。
具体的な冷却速度について説明すると、図8に示すように、例えば、(ガラス徐冷点+150℃)からガラス歪点の近傍の温度領域を下回るまでの温度領域における、シートガラスSGの中央部Cの温度の平均冷却速度は、2.7℃/秒である。また、(ガラス徐冷点+150℃)からガラス歪点の近傍の温度領域を下回るまでの温度領域における、シートガラスSGの右部CR,左部CLの温度の平均冷却速度は、2.5℃/秒である。また、(ガラス徐冷点+150℃)からガラス歪点の近傍の温度領域を下回るまでの温度領域における、シートガラスSGの耳部R,Lの温度の平均冷却速度は、2.1℃/秒である。
(4−2)歪点下方温度制御工程ST14
歪点下方温度制御工程ST14は、シートガラスSGの温度が、ガラス歪点の近傍の温度領域を下回ってから、ガラス歪点から200℃を引いた温度までの間にあるときに行われる。
歪点下方温度制御工程ST14では、温度プロファイルが第4温度プロファイルTP40となるように制御する。
(4−2−1)第4温度プロファイルTP40
第4温度プロファイルTP40とは、シートガラスSGの幅方向における温度が耳部R,Lから中央部Cに向かって低くなる温度プロファイルであり、下に凸の曲線を描く形状を有する。すなわち、歪点下方温度制御工程ST14では、幅方向において、シートガラスSGの耳部R,Lの温度が最も高く、シートガラスSGの中央部Cの温度が最も低い。
第4温度プロファイルTP40には、複数の温度プロファイル(具体的には、本実施形態では、第4a温度プロファイルTP41及び第4b温度プロファイルTP42)が含まれる。第4a温度プロファイルTP41及び第4b温度プロファイルTP42は、シートガラスSGの流れ方向の上流側から下流側にかけて順に位置する。
第4温度プロファイルTP40は、シートガラスSGの流れ方向の下流側に向かうにつれて(すなわち、シートガラスSGの温度が、ガラス歪点の近傍の温度領域を下回ってから、ガラス歪点から200℃を引いた温度領域に向かうにつれて)、温度差絶対値が大きくなる。よって、歪点下方温度制御工程ST14においては、第4a温度プロファイルTP41における温度差絶対値は、第4b温度プロファイルTP42における温度差絶対値よりも小さい。
ここで、シートガラスSGの流れ方向の下流側に向かうにつれて、温度差絶対値が大きくなるということは、言い換えれば、第4温度プロファイルTP40は、シートガラスSGの流れ方向の下流側に向かうにつれて、シートガラスSGの耳部R,Lの温度と中央部Cの温度との温度勾配が大きくなるということである。
よって、歪点下方温度制御工程ST14では、温度勾配の大きさは、大きい順に、第4b温度プロファイルTP42の温度勾配TG42、第4a温度プロファイルTP41の温度勾配TG41となる。
(4−2−2)第4温度プロファイルTP40にするための制御
歪点下方温度制御工程ST14では、一部のヒータ(360d及び360e)を制御することにより、温度プロファイルが第4温度プロファイルTP40となるようにしている。
具体的には、第4a温度プロファイルTP41となるように、ヒータ360dを制御し、第4b温度プロファイルTP42となるように、ヒータ360eを制御している。
なお、本実施形態では、耳部R,L、右部CR,左部CL、中央部Cの5点の温度の近似曲線が、第4温度プロファイルTP40となるようにしている。
図6及び図7に示すように、第4a温度プロファイルTP41におけるシートガラスSGの耳部L,左部CL,中央部C,右部CR,耳部Rの温度は、順に、585℃、565℃、562℃、570℃、582℃である。また、第4b温度プロファイルTP42におけるシートガラスSGの耳部L,左部CL,中央部C,右部CR,耳部Rの温度は、順に、506℃、472℃、463℃、468℃、488℃である。
また、図8に示すように、歪点下方温度制御工程ST14では、シートガラスSGの幅方向において、中央部Cの温度の冷却速度が最も速くなるように、ヒータを制御している。すなわち、シートガラスSGの耳部R,Lの温度の冷却速度や右部CR,左部CLの温度の冷却速度よりも中央部Cの温度の冷却速度が速くなるように、ヒータを制御している。
ここで、歪点下方温度制御工程ST14における、シートガラスSGの中央部Cの温度の平均冷却速度は、3.0℃/秒である。また、歪点下方温度制御工程ST14における、シートガラスSGの右部CR,左部CLの温度の平均冷却速度は、2.7℃/秒である。また、歪点下方温度制御工程ST14における、シートガラスSGの耳部R,Lの温度の平均冷却速度は、2.0℃/秒である。また、各温度プロファイルTP41,TP42における、温度勾配TG41,TG42は、それぞれ、4.1×10-3℃/mm、6.7×10-3℃/mmである。
なお、第2温度制御工程ST12、第3温度制御工程ST13、及び、歪点下方温度制御工程ST14では、熱電対ユニット380によって検出される雰囲気温度に基づいて各ヒータ360a〜360eの出力を制御することで、それぞれの工程における温度プロファイルになるようにしている。
(5)ガラス板の反りについて
以上のようなガラス板の製造方法を用いて、ガラス板を製造し、当該ガラス板の反りを測定した。このとき、反り値は、0.15mm以下であった。
ガラス板の反りの測定に関して説明すると、まず、ガラス板の有効領域から8枚の小板を切り出す。次に、小板をガラス定盤に置く。そして、各小板とガラス定盤との隙間を、複数箇所(本実施形態では、角4箇所と、長辺の中央部2箇所と、短辺の中央部2箇所と)において隙間ゲージを用いて測定している。
(6)ガラス板の歪について
ユニオプト製の複屈折率測定器ABR−10Aを使用して、ガラス板の複屈折率の大きさを測定した。このとき、最大複屈折量は、0.6nmであった。
(7)ガラス板の板厚偏差について
ガラス板の有効領域において、キーエンス社製の変位計を使用して、幅方向に5mmの間隔で板厚偏差を測定した。このとき、ガラス板の板厚偏差は、10μm〜15μmであった。
(8)特徴
(8−1)
本実施形態では、冷却工程ST5において、ガラス歪点上温度制御工程ST10aを行っている。ガラス歪点上温度制御工程ST10aは、第1温度制御工程ST11と、第2温度制御工程ST12と、第3温度制御工程ST13とを含む。
ここで、一般的に、成形体を離れたシートガラスは、自身の表面張力により収縮しようとする。このため、シートガラスの板厚にばらつきが出ることが懸念される。
そこで、本実施形態では、シートガラスSGの中央部Cの温度がガラス軟化点以上である温度領域において、第1温度制御工程ST11において、成形体310の直下に配置される冷却ローラ330によってシートガラスSGを下方に引っ張りながら、シートガラスSGの耳部R,Lを急冷している。これにより、極力早くシートガラスSGの耳部R,Lの粘度を上げることができ(具体的には、粘度を109.0ポワズ以上にすることができ)、表面張力によるシートガラスSGの収縮を抑制できる。ここで、シートガラスSGが幅方向に収縮すると、収縮した箇所の板厚が大きくなり、板厚偏差が悪くなる。従って、第1温度制御工程ST11においてシートガラスSGの耳部R,Lの温度を中央領域CAの温度より低くすることにより、シートガラスSG、ひいては、ガラス板の厚みを幅方向において均一になるようにできる。
また、第1温度制御工程ST11では、シートガラスSGの中央領域CAの温度を均一にすることで、中央領域CAの粘度が均一になる。これにより、シートガラスSGの板厚を均一化することができる。
また、本実施形態では、冷却ローラ330の周速度は、引っ張りローラ350a〜350eの周速度よりも小さい。
これにより、シートガラスSGの耳部R,Lが冷却ローラ330に接触する時間が長くなるので、冷却ローラ330によるシートガラスSGの耳部R,Lに対する冷却効果がより大きくなる。よって、シートガラスSG、ひいては、ガラス板の厚みを幅方向においてより均一にできる。
また、一般的に、ガラス歪点の近傍の温度領域においてシートガラスの幅方向における温度差があると、歪(残留応力)が発生しやすいと言われている。
そこで、本実施形態では、第3温度制御工程ST13を行うことによって、ガラス歪点の近傍の温度領域において、シートガラスSGの幅方向の耳部R,Lと中央部Cとの温度勾配がなくなるように、雰囲気温度を制御している。すなわち、第3温度制御工程ST13では、冷却工程ST5における温度差絶対値が最も小さくなるようにしている。シートガラスSGは、ガラス歪点において温度差を有していると、常温まで冷却された後に歪が生じる。すなわち、第3温度制御工程ST13において、ガラス歪点の近傍の温度領域に向かって、シートガラスSGの幅方向の耳部R,Lと中央部Cとの温度勾配を小さくすることで、シートガラスSGの歪を低減することができる。温度勾配は、シートガラスSGの中央部Cの温度から耳部R,Lの温度を引いた値が、−20℃から20℃までの範囲に入ることが好ましい。
これにより、シートガラスSG、ひいては、ガラス板の歪(残留応力)を低減できる。
また、本実施形態では、シートガラスSGの幅方向における温度が中央部Cから耳部R,Lに向かって低くなる第2温度プロファイルTP20から、シートガラスSGの幅方向の温度が均一になる第3温度プロファイルTP31になるようにしている。すなわち、本実施形態では、シートガラスSGの中央部Cの温度がガラス軟化点より低い温度領域において、第2温度制御工程ST12及び第3温度制御工程ST13において、シートガラスSGの幅方向において、中央部Cの温度の冷却速度が、耳部R,Lの温度の冷却速度よりも速くなるようにしている。
これにより、第2温度制御工程ST12及び第3温度制御工程ST13において、シートガラスSGの体積収縮量は、シートガラスSGの耳部R,Lから中央部Cに向かうにつれて大きくなるので、シートガラスSGの中央部Cには引張り応力が働く。特に、シートガラスSGの中央部Cには、シートガラスSGの流れ方向および幅方向に引張り応力が働く。なお、シートガラスSGの幅方向に働く引張り応力よりも、シートガラスSGの流れ方向に働く引張り応力の方が大きいことが好ましい。引張り応力により、シートガラスSGの平坦度を維持しつつ冷却することができるので、シートガラスSG、ひいては、ガラス板の反りをより低減できる。
なお、本実施形態では、第1温度制御工程ST11によって耳部R,Lの温度を冷却し耳部R,Lと中央領域CAとの温度差を所定温度にしているので、第2温度制御工程ST12や第3温度制御工程ST13において耳部R,Lの温度の冷却速度よりも中央部Cの温度の冷却速度を速くできている。
(8−2)
本実施形態では、歪点下方温度制御工程ST14においても、常にシートガラスSGの中央部Cに引っ張り応力が働くようにしている。また、第1温度制御工程ST11においても、冷却ローラ330によって速やかに当該耳部R,Lの粘度を所定値以上にすることで、シートガラスSGの中央部Cに引っ張り応力を働かせている。
よって、本実施形態の冷却工程ST5では、冷却ローラ330や引っ張りローラ350a〜350eによってシートガラスSGに幅方向及び流れ方向の引っ張り応力を働かせるだけでなく、温度制御を行うことによってもシートガラスSG(特に中央部C)に幅方向及び流れ方向の引っ張り応力を働かせている。よって、シートガラスSG、ひいては、ガラス板の反りを低減できる。
(8−3)
本実施形態では、ガラス歪点の近傍の温度領域より低い温度領域において、シートガラスSGの幅方向の温度が耳部R,Lから中央部Cに向かって低くなるようにする歪点下方温度制御工程ST14が行われる。これにより、シートガラスSGの体積収縮量は、シートガラスSGの耳部R,Lから中央部Cに向かうにつれて大きくなる。そのため、シートガラスSGの中央部Cには、シートガラスSGの流れ方向および幅方向に引張り応力が働く。従って、引張り応力により、シートガラスSGの平坦度を維持しつつ冷却することができるので、シートガラスSGの反りを低減することができる。
(9)変形例
以上、本実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(9−1)変形例1A
上記実施形態では、シートガラスSGの耳部R,Lのそれぞれと中央領域CAとの雰囲気温度を制御するように、冷却ユニット340は、シートガラスSGの幅方向に3つ配置されているが、これに限られるものではなく、3つ以上であってもよい。
また、上記実施形態では、ヒータは、シートガラスSGの幅方向に5つ配置されている が、シートガラスSGの幅方向におけるヒータの数は、これに限られるものではない。
例えば、シートガラスSGの幅方向におけるヒータの数は、5つ以上であってもよい。なお、この場合、熱電対はヒータに対応して増やされることが好ましい。
これにより、より理想的な温度プロファイルの形状となるように、シートガラスSGの温度や雰囲気温度を細やかに制御できる。よって、シートガラスSG、ひいては、ガラス板の反りや歪の低減により貢献できる。
(9−2)変形例1B
上記実施形態では、ヒータは、シートガラスSGの流れ方向に5つ配置されているが、シートガラスSGの流れ方向におけるヒータの数は、これに限られるものではない。
例えば、シートガラスSGの流れ方向におけるヒータの数は、5つ以上であってもよい。
これにより、シートガラスSGの流れ方向の温度や雰囲気温度を、より細やかに制御できる。よって、シートガラスSG、ひいては、ガラス板の反りや歪の低減により貢献できる。
(9−3)変形例1C
成形装置300は、複数の引っ張りローラ350a〜350eのそれぞれの間に配置される複数の断熱部材を有していてもよい。複数の断熱部材は、シートガラスSGの厚み方向の両側に配置される。
断熱部材を設けることにより、シートガラスSGの温度や雰囲気温度の制御をより行いやすくなる。つまり、シートガラスSG、ひいては、ガラス板に歪が発生することを抑制できる。
(9−4)変形例1D
上記第3温度制御工程ST13では、シートガラスSGの温度がガラス歪点の近傍の温度領域に入っている間に、シートガラスSGの幅方向の温度が常に均一になるように温度制御していると説明した。
しかし、これに限られるものではなく、シートガラスSGの温度がガラス歪点近傍の温度領域に入っているときに、少なくとも1度、シートガラスSGの幅方向の温度が均一になればよい。すなわち、少なくとも1度、第3温度プロファイルTP31となればよい。
よって、例えば、シートガラスSGの温度がガラス歪点の近傍の温度領域に入るような高さ位置に、シートガラスSGの流れ方向に沿って上記実施形態よりも多くのヒータが設けられている場合、第3温度制御工程ST13では、少なくとも1度、第3温度プロファイルTP31となるように温度制御がされれば、その他の温度プロファイルについては、その幅方向における温度が均一になるように温度制御されなくてもよい。この場合、第3温度プロファイルTP31よりも上に位置する温度プロファイルは、第2温度プロファイルTP20のようになり、第3温度プロファイルTP31よりも下に位置する温度プロファイルは、第4温度プロファイルTP40のようになる。
この場合であっても、歪点近傍の温度領域において、温度差絶対値(又は、上記温度勾配)が最小となるようにできる。よって、シートガラスSG、ひいては、ガラス板の歪を低減できる。
(9−5)変形例1E
上記実施形態では、シートガラスSGの幅方向における温度制御を、シートガラスSGの幅方向に配置される複数のヒータによって行うと説明したが、これに限られるものではない。例えば、冷却器等を併用してもよい。
(9−6)変形例1F
上記実施形態では、第2温度制御工程ST12において、シートガラスSGの幅方向の温度が中央部から端部に向かって低くなるように温度勾配が形成される。しかし、第2温度制御工程ST12において、シートガラスSGの幅方向の温度勾配が、シートガラスSGの流れ方向に向かうに従って漸減することが好ましい。
また、第2温度制御工程ST12において、シートガラスSGの幅方向の温度が中央部から端部に向かって漸減するように温度勾配が形成されることがより好ましい。この場合、温度勾配が、シートガラスSGの流れ方向に向かうに従って漸減することがより好ましい。
また、第2温度制御工程ST12において、シートガラスSGの幅方向の温度が中央部から端部に向かって凸状に漸減するように温度勾配が形成されることがより好ましい。この場合、温度勾配が、シートガラスSGの流れ方向に向かうに従って漸減することがより好ましい。
(9−7)変形例1G
上記実施形態の歪点下方温度制御工程ST14では、ガラス歪点の近傍の温度領域より低い温度領域において、シートガラスSGの幅方向の温度が耳部R,Lから中央部Cに向かって低くなるように温度勾配が形成される。しかし、歪点下方温度制御工程ST14において、ガラス歪点の近傍の温度領域より低い温度領域において、シートガラスSGの温度が耳部R,Lから中央部Cに向かって漸減するように温度勾配が形成されることが好ましい。
また、歪点下方温度制御工程ST14において、ガラス歪点の近傍の温度領域より低い温度領域において、シートガラスSGの温度が耳部R,Lから中央部Cに向かって凸状に漸減するように温度勾配が形成されることがより好ましい。
また、歪点下方温度制御工程ST14において、シートガラスSGの耳部R,Lと中央部Cとの間の温度勾配を、シートガラスSGの流れ方向に向かって増加または漸増させることがより好ましい。
本発明は、ダウンドロー法を使用してガラス板を製造する、ガラス板の製造方法に種々適用可能である。
100 ガラス板の製造装置
310 成形体
313 成形体の下部
330 冷却ローラ(ローラ)
350a〜350e 引っ張りローラ(ローラ)
C シートガラスの中央部
R,L シートガラスの耳部(幅方向の端部)
SG シートガラス
ST4 成形工程
ST5 冷却工程
ST10a ガラス歪点上温度制御工程
ST11 第1温度制御工程
ST12 第2温度制御工程
ST13 第3温度制御工程
特開2004−115357号公報

Claims (6)

  1. ダウンドロー法によるガラス板の製造方法であって、
    溶融ガラスを成形体の両側面に沿って流下させ前記成形体の下部で合流させることによりシートガラスを成形する成形工程と、
    前記シートガラスをローラによって下方に引っ張りながら冷却する冷却工程と、
    を備え、
    前記冷却工程では、
    前記成形体の下部からガラス歪点の近傍の温度領域を下回るまでの温度領域において前記シートガラスの幅方向の温度制御を行う工程であって、
    前記シートガラスの幅方向の端部が前記端部に挟まれた中央領域の温度より低く、且つ、前記中央領域の温度が均一になるようにする第1温度制御工程と、前記シートガラスの幅方向の温度が中央部から端部に向かって低くなるようにする第2温度制御工程と、ガラス歪点の近傍の温度領域において、前記シートガラスの幅方向の端部と中央部との温度勾配がなくなるようにする第3温度制御工程とを含む、ガラス歪点上温度制御工程、が行われる、
    ガラス板の製造方法。
  2. 前記第1温度制御工程は、前記シートガラスの中央部の温度がガラス軟化点以上である場合に行われ、
    前記第2温度制御工程及び前記第3温度制御工程は、前記シートガラスの中央部の温度が前記ガラス軟化点より低い場合に行われる、
    請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記第3温度制御工程では、前記冷却工程における前記シートガラスの幅方向の端部と中央部との温度差が、最も小さくなるようにする、
    請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記温度勾配がなくなるとは、前記シートガラスの幅方向において中央部の温度から端部の温度を引いた値が、−20℃から20℃までの範囲に入ることである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記冷却工程では、前記ガラス歪点の近傍の温度領域より低い温度領域において、前記シートガラスの幅方向の温度が端部から中央部に向かって低くなるようにする第4温度制御工程がさらに行われる、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記第4温度制御工程では、前記シートガラスの幅方向の端部と中央部との温度勾配を、前記シートガラスの流れ方向に向かって増加させる、
    請求項5に記載のガラス板の製造方法。
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