JP6007341B2 - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置に関する。
従来より、ダウンドロー法を用いてTFTタイプのディスプレイを製造する方法が提案されている。ダウンドロー法では、成形体に溶融ガラスを流し込んだ後、当該溶融ガラスを成形体の頂部からオーバーフローさせる。オーバーフローした溶融ガラスは、成形体の両側面に沿って流下し、成形体の下端部で合流することにより、シート状のガラス(シートガラス)となる。シートガラスは、引張りローラによって下方に引き下げられながら冷却される。冷却されたシートガラスは、所望の長さに切断されて、ガラス基板となる。特許文献1では、成形体の下端部で合流したシートガラスの幅方向に引っ張り応力が働くように冷却することにより、シートガラスの板厚を均一に維持する方法が開示されている。
特開2013−212987号公報
成形体により成形されたシートガラスは、幅方向の両側の端部と、両側の端部に挟まれた幅方向中央領域とを有している。シートガラスの幅方向中央領域(ガラス基板の製品となる領域)の板厚が0.4mm以下となるような薄いシートガラスは、端部の板厚も薄く、端部の保有熱量が小さいため、成形体の下端部で急冷されて、成形体の下端部で合流した端部同士が離れてしまうおそれがあった。一方、端部同士の離れを防ぐために、成形体の下端部でのシートガラスの冷却量を抑制すると、成形体の下端部でのシートガラスの粘度が高くなり、シートガラスの幅方向の収縮が起きるおそれもあった。このため、シートガラスの端部同士が離れるのを抑制しつつ、シートガラスの幅方向の収縮を抑制する必要があった。
そこで、本発明は、シートガラスの端部同士が離れるのを抑制しつつ、シートガラスの幅方向の収縮を抑制することができるガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記(1)〜(4)を提供する。
(1)本発明の一態様は、ダウンドロー法により、溶融ガラスを成形体からオーバーフローさせてシートガラスに成形し、前記シートガラスを流下方向に引き伸ばしながら冷却することによりガラス基板を製造するガラス基板の製造方法であって、
前記シートガラスは幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有し、前記幅方向中央領域の板厚より厚みを有する前記端部に対向する位置に、前記端部に接するように一対の冷却ローラを備え、
前記シートガラスは、前記幅方向中央領域の粘度より前記端部の粘度が高くなるように冷却され、
前記成形体の下端から前記一対の冷却ローラより上流の位置における前記端部を冷却する第1冷却速度は、前記一対の冷却ローラの下流であって前記幅方向中央領域の温度が徐冷点以上となる温度領域における前記端部を冷却する第2冷却速度より遅く、前記第2冷却速度は17.5℃/秒以下である、
ことを特徴とする。
(2)上記(1)において、前記端部を8.3℃/秒未満の前記第1冷却速度で冷却し、
8.3℃/秒〜17.5℃/秒の範囲の前記第2冷却速度で冷却する、ことが好ましい。
(3)上記(1)または上記(2)において、前記幅方向中央領域の板厚が、0.4mm以下になるよう成形する、ことが好ましい。
(4)本発明の他の態様は、ダウンドロー法により、溶融ガラスを成形体からオーバーフローさせてシートガラスに成形し、前記シートガラスを流下方向に引き伸ばしながら冷却することによりガラス基板を製造するガラス基板の製造装置であって、
前記シートガラスは幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有し、前記幅方向中央領域の板厚より厚みを有する前記端部に対向する位置に、前記端部に接するように一対の冷却ローラを備え、
前記シートガラスは、前記幅方向中央領域の粘度より前記端部の粘度が高くなるように冷却され、
前記成形体の下端から前記一対の冷却ローラより上流の位置における前記端部を冷却する第1冷却速度は、前記一対の冷却ローラの下流であって前記幅方向中央領域の温度が徐冷点以上となる温度領域における前記端部を冷却する第2冷却速度より遅く、前記第2冷却速度は17.5℃/秒以下である、
ことを特徴とする。
本発明によれば、シートガラスの端部同士が離れるのを抑制しつつ、シートガラスの幅方向の収縮を抑制することができる。
本実施形態に係るガラス基板の製造方法のフローチャートである。 ガラス基板の製造方法で用いられるガラス基板の製造装置示す模式図である。 成形装置の概略を示す概略図(断面図)である。 成形装置の概略を示す概略図(側面図)である。 制御装置の制御ブロック図である。 シートガラスの所定の高さ位置における温度プロファイルを示す図である。 シートガラスの冷却速度の例を示す図である。
本実施形態に係るガラス基板の製造方法では、例えば主表面にTFTが形成されるTFTディスプレイ用のガラス基板を製造する。ガラス基板は、ダウンドロー法を用いて製造される。以下、図面を参照しながら、本実施形態に係るガラス基板の製造方法について説明する。
(1)ガラス基板の製造方法の概要
まず、図1および図2を参照して、ガラス基板の製造方法に含まれる複数の工程および複数の工程に用いられるガラス基板の製造装置100を説明する。ガラス基板の製造方法は、図1に示すように、主として、溶融工程S1と、清澄工程S2と、成形工程S3と、冷却工程S4と、切断工程S5とを含む。
溶融工程S1は、ガラスの原料が溶融される工程である。ガラスの原料は、所望の組成になるように調合された後、図2に示すように、上流に配置された溶融装置11に投入される。ガラス原料は、例えば、SiO,Al,B,CaO,SrO,BaO等を含む組成からなる。具体的には、歪点が660℃以上となるガラス原料を用いる。ガラスの原料は、溶融装置11で溶融されて、溶融ガラスFGになる。溶融温度は、ガラスの種類に応じて調整される。本実施形態では、ガラス原料が1500℃〜1650℃で溶融される。溶融ガラスFGは、上流パイプ23を通って清澄装置12に送られる。
清澄工程S2は、溶融ガラスFG中の気泡の除去を行う工程である。清澄装置12内で気泡が除去された溶融ガラスFGは、その後、下流パイプ24を通って、成形装置40へと送られる。
成形工程S3は、溶融ガラスFGをシート状のガラス(シートガラス)SGに成形する工程である。具体的に、溶融ガラスFGは、成形装置40に含まれる成形体41に連続的に供給された後、成形体41からオーバーフローする。オーバーフローした溶融ガラスFGは、成形体41の表面に沿って流下する。溶融ガラスFGは、その後、成形体41の下端部41aで合流してシートガラスSGへと成形される。シートガラスSGは、幅方向の端に位置する側部(耳部、端部)と、側部に挟まれた幅方向の中央領域とを有する。シートガラスSGの側部の板厚は、中央領域の板厚と比べて厚く成形される。シートガラスSGの中央領域は、一定の板厚からなるガラス基板の製品となる領域である。シートガラスSGの中央領域の板厚を0.4mm以下の薄板に成形しようとする場合、シートガラスSGの側部の板厚は従来より薄く成形される。シートガラスSGの側部の板厚が薄くなると、側部の保有熱量が小さくなり、成形体41の下端部41aで急冷されて、成形体41の下端部41aで合流した側部同士が離れてしまうおそれがある。このため、成形体41の下端部41aから下流の領域において、シートガラスSGの側部の冷却速度を制御する必要がある。
冷却工程S4は、シートガラスSGを冷却(徐冷)する工程である。ガラスシートは、冷却工程S4を経て室温に近い温度へと冷却される。なお、冷却工程S4における、冷却の状態(冷却の条件)に応じて、ガラス基板の厚み(板厚)、ガラス基板の反り量、およびガラス基板の歪量が決まる。
切断工程S5は、室温に近い温度になったシートガラスSGを、所定の大きさに切断する工程である。
なお、所定の大きさに切断されたシートガラスSG(ガラス板PG)は、その後、端面加工等の工程を経て、ガラス基板となる。
以下、図3〜図5を参照して、ガラス基板の製造装置100に含まれる成形装置40の構成を説明する。なお、本実施形態において、シートガラスSGの幅方向とは、シートガラスSGが流下する方向(流れ方向)に交差する方向、すなわち、水平方向を意味する。
(2)成形装置の構成
まず、図3および図4に、成形装置40の概略構成を示す。図3は、成形装置40の断面図である。図4は、成形装置40の側面図である。
成形装置40は、シートガラスSGが通過する通路と、通路を取り囲む空間とを有する。通路を取り囲む空間は、オーバーフローチャンバー20、フォーミングチャンバー30、および冷却チャンバー80で構成されている。
オーバーフローチャンバー20は、清澄装置12から送られる溶融ガラスFGをシートガラスSGに成形する空間である。
フォーミングチャンバー30は、オーバーフローチャンバー20の下方に配置され、シートガラスSGの厚みおよび反り量を調整するための空間である。フォーミングチャンバー30では、冷却工程S4の一部が実行される。具体的に、フォーミングチャンバー30では、シートガラスSGの上流領域が冷却される(上流領域冷却工程)。シートガラスSGの上流領域とは、シートガラスSGの中心部(中央領域)Cの温度が徐冷点より上であるシートガラスSGの領域であり、図3においてA1およびA2で示すシートガラスSGの領域である。シートガラスSGの中心部Cは、シートガラスSGの幅方向中心である。上流領域には、具体的に、第1温度領域と第2温度領域とが含まれる。第1温度領域は、後述する第1成形工程S31における温度領域であり、成形体41の下端部41aから後述する冷却ローラ51の上端までの温度領域(図3においてA1で示すシートガラスSGの領域)である。また、第2温度領域は、後述する第2成形工程S32における温度領域であり、冷却ローラ51の上端からシートガラスSGの中心部Cの温度が徐冷点以上となる温度領域(図3においてA2で示すシートガラスSGの領域)である。シートガラスSGは、成形体41の表面に沿って流下し、成形体41の下端部41aで合流してシートガラスSGへと成形されるが、成形体41の下端部41aより下流側においては、シートガラスSGの温度が徐々に下がっていく。また、シートガラスSG(の側部)が、冷却ローラ51に触れると、シートガラスSGの温度はさらに下がる。成形体41の下端部41aで合流して張り合わされたシートガラスSGが急冷されると、張り合わせがはがれる不良が生じるおそれがある。シートガラスSGの温度は、冷却ローラ51に触れると急激に下がるため、第1温度領域と第2温度領域とは、シートガラスSG(の側部)が、冷却ローラ51に触れていない冷却ローラ51の上端より上流側と、冷却ローラ51に触れる冷却ローラ51の上端より下流側とで分けられる。シートガラスSGは、フォーミングチャンバー30内を通過した後、後述の冷却チャンバー80内を通過する。
冷却チャンバー80は、オーバーフローチャンバー20、フォーミングチャンバー30の下方に配置され、シートガラスSGの歪量を調整するための空間である。具体的に、冷却チャンバー80では、フォーミングチャンバー30内を通過したシートガラスSGが、徐冷点、歪点を経て、室温近傍の温度まで冷却される(下流域冷却工程)。なお、冷却チャンバー80の内部は、断熱部材80bによって、複数の空間に区分けされている。
また、成形装置40は、主として、成形体41と、仕切り部材50と、冷却ローラ51と、温度調整ユニット60と、引下げローラ81a〜81gと、ヒータ82a〜82gと、切断装置90とから構成されている。さらに、成形装置40は、制御装置91を備える(図5参照)。制御装置91は、成形装置40に含まれる各構成の駆動部を制御する。
以下、成形装置40に含まれる各構成について詳細に説明する。
(2−1)成形体
成形体41は、オーバーフローチャンバー20内に設けられる。成形体41は、溶融ガラスFGをオーバーフローさせることによって、溶融ガラスFGをシート状のガラス(シートガラスSG)へと成形する。
図3に示すように、成形体41は、断面形状で略5角形の形状(楔形に類似する形状)を有する。略5角形の先端は、成形体41の下端部41aに相当する。
また、成形体41は、第1端部に流入口42を有する(図4参照)。流入口42は、上述の下流パイプ24と接続されており、清澄装置12から流れ出た溶融ガラスFGは、流入口42から成形体41に流し込まれる。成形体41には、溝43が形成されている。溝43は、成形体41の長手方向に延びる。具体的には、溝43は、第1端部から、第1端部の反対側の端部である第2端部に延びる。より具体的に、溝43は、図4の左右方向に延びる。溝43は、流入口42近傍が最も深く、第2端部に近づくにつれて、徐々に浅くなるように形成されている。成形体41に流し込まれた溶融ガラスFGは、成形体41の一対の頂部41b,41bからオーバーフローし、成形体41の一対の側面(表面)41c,41cを沿いながら流下する。その後、溶融ガラスFGは、成形体41の下端部41aで合流してシートガラスSGになる。
このとき、成形体41の下端部41aでのシートガラスSGの液相温度は1100℃以上であり、液相粘度は2.5×10poise以上であり、より好ましくは、液相温度は1160℃以上であり、液相粘度は1.2×10poise以上である。また、成形体41の下端部41aでのシートガラスSGの側部(耳部、端部)の粘度は105.7Poise未満である。
(2−2)仕切り部材
仕切り部材50は、オーバーフローチャンバー20からフォーミングチャンバー30への熱の移動を遮断する部材である。仕切り部材50は、溶融ガラスFGの合流ポイントの近傍に配置されている。また、図3に示すように、仕切り部材50は、合流ポイントで合流した溶融ガラスFG(シートガラスSG)の厚み方向両側に配置される。仕切り部材50は、断熱材である。仕切り部材50は、溶融ガラスFGの合流ポイントの上側雰囲気および下側雰囲気を仕切ることにより、仕切り部材50の上側から下側への熱の移動を遮断する。
(2−3)冷却ローラ
冷却ローラ51は、フォーミングチャンバー30内に設けられる。より具体的に、冷却ローラ51は、仕切り部材50の直下に配置されている。また、冷却ローラ51は、シートガラスSGの厚み方向両側、且つ、シートガラスSGの幅方向両側に配置される。シートガラスSGの厚み方向両側に配置された冷却ローラ51は対で動作する。すなわち、シートガラスSGの両側部(幅方向両端部)は、二対の冷却ローラ51,51,・・・によって挟み込まれる。
冷却ローラ51は、内部に通された空冷管により空冷されている。冷却ローラ51は、シートガラスSGの側部(耳部、端部)R,L(図3において、便宜的に、対応するガラス板PGの幅方向位置によって示す)に接触し、熱伝導によりシートガラスSGの側部(耳部、端部)R,Lを急冷する(急冷工程)。冷却ローラ51に接触したシートガラスSGの側部R,Lの粘度は、所定値(具体的には、109.0poise)以上である。ここで、シートガラスSGの側部R,Lとは、シートガラスSGの幅方向の両端部の領域であり、具体的には、シートガラスSGの幅方向の縁からシートガラスSGの中心部Cに向かって、シートガラスSGの幅方向200mm以内の範囲をいう。
冷却ローラ51は、冷却ローラ駆動モータ390(図5を参照)により回転駆動される。冷却ローラ51は、シートガラスSGの側部R,Lを冷却すると共に、シートガラスSGを下方に引き下げる機能も有する。
なお、冷却ローラ51によるシートガラスSGの側部R,Lの冷却は、シートガラスSGの幅WおよびシートガラスSGの厚みの均一化に影響を与える。
(2−4)温度調整ユニット
温度調整ユニット60は、オーバーフローチャンバー20内及びフォーミングチャンバー30内に設けられ、シートガラスSGを徐冷点近傍まで冷却するユニットである。温度調整ユニット60は、成形体41の下端部41aに対向する位置、及び、仕切り部材50の下方であって、冷却チャンバー80の天板80aの上に配置される。
温度調整ユニット60は、シートガラスSGの上流領域を冷却する(上流領域冷却工程)。具体的には、温度調整ユニット60は、シートガラスSGの側部の粘度が軟化点と対応する粘度以上を維持するように、また、シートガラスSGの中心部Cの温度が徐冷点に近づくように、シートガラスSGを冷却する。シートガラスSGの中心部Cは、その後、後述の冷却チャンバー80内で、徐冷点、歪点を経て、室温近傍の温度まで冷却される(下流域冷却工程)。ここで、軟化点とは、粘度ηがlogη=7.65となる温度である。また、ガラスの徐冷点は、例えば715.0℃であり、歪点は、例えば661℃である。
温度調整ユニット60は、複数の冷却ユニット61〜65を有する。複数の冷却ユニット61〜65は、シートガラスSGの幅方向およびシートガラスSGの流れ方向に配置される。具体的に、複数の冷却ユニット61〜65には、中央領域冷却ユニット61〜63と、側部冷却ユニット64,65とが含まれる。中央領域冷却ユニット61〜63は、シートガラスSGの中央領域CAを空冷する。ここで、シートガラスSGの中央領域とは、シートガラスSGの幅方向中央部分であって、シートガラスSGの有効幅およびその近傍を含む領域である。言い換えると、シートガラスSGの中央領域は、シートガラスSGの両側部(両耳部、両端部)に挟まれた部分である。中央領域冷却ユニット61〜63は、シートガラスSGの中央領域CAの表面に対向する位置に、流れ方向に沿って配置される。中央領域冷却ユニット61〜63に含まれる各ユニットは、独立して制御可能である。また、側部冷却ユニット64,65は、シートガラスSGの側部(耳部、端部)R,Lを水冷する。側部冷却ユニット64,65は、シートガラスSGの側部R,L(幅方向の両端部)の表面に対向する位置に、流れ方向に沿って配置される。側部冷却ユニット64,65に含まれる各ユニットは、独立して制御可能である。なお、成形体41の下端部41aに対向する位置に配置された温度調整ユニット60に関して、冷却ユニット61〜65の間の境界の図示を省略するが、この温度調整ユニット60も、上述のように構成された冷却ユニット61〜65を有している。
(2−5)引下げローラ
引下げローラ81a〜81gは、冷却チャンバー80内に設けられ、フォーミングチャンバー30内を通過したシートガラスSGを、シートガラスSGの流れ方向へ引き下げる。引下げローラ81a〜81gは、冷却チャンバー80の内部で、流れ方向に沿って所定の間隔を空けて配置される。引下げローラ81a〜81gは、シートガラスSGの厚み方向両側(図3参照)、および、シートガラスSGの幅方向両側(図4参照)に複数配置される。すなわち、引下げローラ81a〜81gは、シートガラスSGの幅方向の両側部(両耳部、両端部)R,L、かつ、シートガラスSGの厚み方向の両側に接触しながらシートガラスSGを下方に引き下げる。
引下げローラ81a〜81gは、引下げローラ駆動モータ391(図5参照)によって駆動される。また、引下げローラ81a〜81gは、シートガラスSGに対して内側に(シートガラスSGと接触する部分において下方に)回転する。引下げローラ81a〜81gの周速度は、下流側の引下げローラ程、大きい。すなわち、複数の引下げローラ81a〜81gのうち、引下げローラ81aの周速度が最も小さく、引下げローラ81gの周速度が最も大きい。シートガラスSGの厚み方向両側に配置された引下げローラ81a〜81gは、対で動作し、対の引下げローラ81a,81a,・・・が、シートガラスSGを下方向に引き下げる。
(2−6)ヒータ
ヒータ82a〜82gは、冷却チャンバー80の内部に設けられ、冷却チャンバー80の内部空間の温度を調整する。具体的に、ヒータ82a〜82gは、シートガラスSGの流れ方向およびシートガラスSGの幅方向に複数配置される。より具体的には、シートガラスSGの流れ方向には、7つのヒータが配置され、シートガラスの幅方向には3つのヒータが配置される。幅方向に配置される3つのヒータは、シートガラスSGの中央領域CAと、シートガラスSGの側部(耳部、端部)R,Lとをそれぞれ熱処理する。中央領域CAは、中心部Cを含み、シートガラスSGの両側部R,LよりシートガラスSGの幅方向内側の領域であって、シートガラスSGの幅方向の幅のうちシートガラスSGの幅方向の中心から幅の半分の例えば85%以内の範囲の領域である。ヒータ82a〜82gは、後述する制御装置91によって出力が制御される。これにより、冷却チャンバー80内部を通過するシートガラスSGの近傍の雰囲気温度が制御される。ヒータ82a〜82gによって冷却チャンバー80内の雰囲気温度が制御されることによって、シートガラスSGの温度制御が行われる。また、温度制御により、シートガラスSGは、粘性域から粘弾性域を経て弾性域へと推移する。このように、ヒータ82a〜82gの制御により、冷却チャンバー80では、シートガラスSGの温度が、徐冷点近傍の温度から室温近傍の温度まで冷却される(下流域冷却工程)。ここで、徐冷点は、粘度が1013ポワズとなるときの温度であり、ここでは、715.0℃である。
なお、各ヒータ82a〜82gの近傍には、雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段(本実施形態では、熱電対)380が設けられている。具体的には、複数の熱電対380が、シートガラスSGの流れ方向およびシートガラスSGの幅方向に配置されている。熱電対380は、シートガラスSGの中心部Cの温度と、シートガラスSGの側部R,Lの温度とをそれぞれ検出する。ヒータ82a〜82gの出力は、熱電対380によって検出される雰囲気温度に基づいて制御される。
(2−7)切断装置
切断装置90は、冷却チャンバー80内で室温近傍の温度まで冷却されたシートガラスSGを、所定のサイズに切断する。切断装置90は、所定の時間間隔でシートガラスSGを切断する。これにより、シートガラスSGは、複数のガラス板PGになる。切断装置90は、切断装置駆動モータ392(図5を参照)によって駆動される。
(2−8)制御装置
制御装置91は、CPU、RAM、ROM、およびハードディスク等から構成されており、ガラス板の製造装置100に含まれる種々の機器の制御を行う。
具体的には、図5に示すように、制御装置91は、ガラス基板の製造装置100に含まれる各種のセンサ(例えば、熱電対380)やスイッチ(例えば、主電源スイッチ381)等による信号を受けて、温度調整ユニット60、ヒータ82a〜82g、冷却ローラ駆動モータ390、引下げローラ駆動モータ391、切断装置駆動モータ392等の制御を行う。
(3)温度管理
本実施形態に係るガラス基板の製造方法では、成形工程S3が複数の成形工程S31,S32からなる。具体的には、シートガラスSGの流れ方向に沿って、第1成形工程S31、第2成形工程S32の順に実行される。
また、成形工程S3では、シートガラスSGの流れ方向および幅方向の温度管理を行っている。温度管理は、複数の温度プロファイルTP1、TP2(図6を参照)に基づいて行われる。温度プロファイルTP1、TP2とは、シートガラスSG近傍の雰囲気温度についての、シートガラスSGの幅方向に沿った温度分布である。言い換えると、温度プロファイルTP1、TP2は、目標の温度分布である。すなわち、温度管理は、複数の温度プロファイルTP1、TP2を実現させるように行われる。温度管理は、上述した、冷却ローラ51、温度調整ユニット60を用いて行われる。
シートガラスSGの温度は、シートガラスSG近傍の雰囲気温度を制御することにより、管理される。ここで、シートガラスSGの温度と、冷却ローラ51及び温度調整ユニット60によって制御される雰囲気温度とは、基本的に同様の値である。
さらに、各成形工程S31、S32は、所定の冷却速度で、シートガラスSGを冷却しながら成形することにより、シートガラスSGの流れ方向の温度管理を行っている。ここで、所定の冷却速度とは、各成形工程S31、S32に応じた冷却速度である。具体的に、成形工程S31、S32のシートガラスSGの側部(耳部、端部)R,Lの冷却速度のうち、第1成形工程の冷却速度(第1冷却速度)は、第2成形工程の冷却速度(第2冷却速度)より遅く、例えば、第1冷却速度は8.3℃/秒以下であり、第2冷却速度は8.3℃/秒〜17.5℃/秒である。
また、本実施形態に係る成形工程S3では、シートガラスSGの中心部Cの冷却速度(中心部冷却速度)と、シートガラスSGの側部(耳部、端部)R,Lの冷却速度(側部冷却速度)とを異なる速度に設定している。中心部冷却速度は、シートガラスSGの中心部Cの温度変化の量と、温度変化に要する時間とに基づいて算出される。側部冷却速度は、シートガラスSGの側部R,Lの温度変化の量と、温度変化に要する時間とに基づいて算出される。
以下、図6および図7を参照して、各成形工程S31、S32におけるシートガラスSGの温度管理について詳細に説明する。図6は、シートガラスSGの所定の高さ位置における温度プロファイルを示す。図7は、シートガラスSG(0.2mm〜0.4mm)の冷却速度を示す。
(3−1)第1成形工程
第1成形工程S31は、成形体41の直下で合流した溶融ガラス(シートガラスSG)を、冷却ローラ51に触れていない冷却ローラ51の上端まで冷却する工程である。具体的に、第1成形工程では、約1,100℃〜1,200℃のシートガラスSGを、側部(耳部、端部)R,Lの粘度が軟化点と対応する粘度以上を維持するように、側部を冷却速度8.3℃/秒以下で冷却する(図7参照)。
第1成形工程S31では、第1温度プロファイルTP1に基づいて、シートガラスSGの温度管理が行われる。以下、第1成形工程S31で実行される温度プロファイルTP1と、第1成形工程の冷却速度(第1冷却速度)とを詳細に説明する。
(3−1−1)第1温度プロファイル
第1温度プロファイルTP1は、成形体41の下端部41aの下流域において、シートガラスSGの最も上流側で実現される温度分布である(図6参照)。第1温度プロファイルTP1は、シートガラスSGの中央領域CAの温度が均一であり、シートガラスSGの側部R,Lは、シートガラスSGの中央領域CAの温度よりも低い。ここで、中央領域CAの温度が均一であるとは、中央領域CAの温度が、所定の温度域に含まれることをいう。所定の温度域とは、基準温度±20℃の範囲である。基準温度は、中央領域CAの幅方向の平均温度である。
第1温度プロファイルTP1は、オーバーフローチャンバー20内及びフォーミングチャンバー30内の温度調整ユニット60を制御することにより実現される。具体的には、温度調整ユニット60(側部冷却ユニット64,65)によってシートガラスSGの側部R,Lが冷却される。シートガラスSGの側部R,Lの温度は、中央領域CAの温度よりも所定温度だけ低い温度に冷却する。第1温度プロファイルTP1では、中央領域CAの温度を均一にすることにより、シートガラスSGの中央領域CAの板厚が均一になるようにしている。また。シートガラスSGの側部R,Lを中央領域CAより冷却することにより、シートガラスSGの側部R,Lの粘度を中央領域CAより高めている。シートガラスSGの側部R,Lの粘度が中央領域CAより高いと、シートガラスSGが幅方向に収縮するのを抑制できるためである。また、第1温度プロファイルTP1では、シートガラスSGの側部R,Lを、第2温度プロファイルTP2より緩やかに冷却する。シートガラスSGの側部R,Lの冷却量を抑制することにより、成形体41の下端部41aで合流して張り合わされた側部R,Lが、剥がれて離れるのを抑制することができる。
第1成形工程S31における第1の中心部冷却速度は、5.0℃/秒〜50.0℃/秒である。冷却速度が、5.0℃/秒より低いと、生産性が悪くなる。冷却速度が、50℃/秒を超えると、シートガラスSGに割れが発生する場合がある。また、シートガラスSGの反り値および板厚偏差が悪くなる。好ましくは、第1成形工程S31における中心部冷却速度は、8.0℃/秒〜16.5℃/秒である。また、第1成形工程S31における第1の冷却速度は、8.3℃/秒以下である。
(3−2)第2成形工程
第2成形工程S42は、側部(耳部、端部)R,Lの粘度が軟化点と対応する粘度以上を維持されたシートガラスSGを、中央領域CAの温度が徐冷点以上となる温度領域まで冷却する工程である(図7参照)。具体的に、第2成形工程S31では、シートガラスSGの側部(耳部、端部)R,Lの粘度が109.0poise以上になるように、側部R,Lを冷却速度8.3℃/秒〜17.5℃/秒の範囲で冷却する(図7参照)。
第2成形工程S32では、第2温度プロファイルTP2に基づいて、シートガラスSGの温度管理が行われる。以下、第2成形工程S32で実行される温度プロファイルTP2と、第2成形工程の冷却速度(第2冷却速度)とを詳細に説明する。
(3−2−1)第2温度プロファイル
第2温度プロファイルTP2は、シートガラスSGが冷却ローラ51に触れる冷却ローラ51の上端より下流側で実現される温度分布である(図6参照)。第2温度プロファイルTP2は、第1温度プロファイルTP1と同様に、シートガラスSGの中央領域CAの温度が均一であり、シートガラスSGの側部R,Lは、シートガラスSGの中央領域CAの温度よりも低い。
第2温度プロファイルTP2は、フォーミングチャンバー30内の温度調整ユニット60を制御することにより実現される。具体的には、温度調整ユニット60(側部冷却ユニット64,65)によってシートガラスSGの側部R,Lが冷却される。シートガラスSGの側部R,Lの温度は、中央領域CAの温度よりも所定温度だけ低い温度に冷却する。第2温度プロファイルTP2では、中央領域CAの温度を均一にしている。また。シートガラスSGの側部R,Lを中央領域CAより冷却量を大きくしている。シートガラスSGの側部R,Lの粘度が中央領域CAより高いと、シートガラスSGが幅方向に収縮するのを抑制できる。また、第2温度プロファイルTP2では、シートガラスSGの側部R,Lを、第1温度プロファイルTP1における側部R,Lの冷却速度より速い冷却速度で急速に冷却する。シートガラスSGの側部R,Lの冷却量を増やすことにより、側部R,Lの粘度を高めて、シートガラスSGが幅方向に収縮するのを抑制できる。
第2成形工程S32における第2の中心部冷却速度は、5.0℃/秒〜50.0℃/秒である。冷却速度が、5.0℃/秒より低いと、生産性が悪くなる。冷却速度が、50℃/秒を超えると、シートガラスSGに割れが発生する場合がある。また、シートガラスSGの反り値および板厚偏差が悪くなる。好ましくは、第2成形工程S32における中心部冷却速度は、8.0℃/秒〜16.5℃/秒である。また、第2成形工程S32における第2の冷却速度は、5.5℃/秒〜52.0℃/秒である。好ましくは、第2の冷却速度は、8.3℃/秒〜17.5℃/秒である。
なお、第1温度プロファイルTP1および第2温度プロファイルTP2において、中央領域CAの中心部Cの温度が最も高く、耳部R,Lの温度が最も低くなるように、中心部Cから耳部R,Lに向かって勾配(温度勾配)を形成することもできる。言い換えると、第1温度プロファイルTP1および第2温度プロファイルTP2は、上に凸を有するなだらかな放物線を形成してもよい。ここで、温度勾配とは、シートガラスSGの幅W(例えば、1650mm、図6を参照)を2で除した値で、中心部Cの雰囲気温度から耳部R,Lの雰囲気温度を引いた値を、除したもの((中心部Cの雰囲気温度―耳部R,Lの雰囲気温度)/(シートガラスの幅W/2))である。
本実施形態では、成形体41の下端部41aから冷却ローラ51の上端までの第1温度領域と、冷却ローラ51の上端からシートガラスSGの中心部Cの温度が徐冷点以上となる第2温度領域とにおいて、第1温度領域におけるシートガラスSGの側部(耳部、端部)R,Lの冷却速度を、第2温度領域におけるシートガラスSGの側部(耳部、端部)R,Lの冷却速度より遅くしている。シートガラスSGの側部の温度が高い成形体41の下端部41a近傍では、端部の冷却速度を遅くして急冷を防ぐことにより、合流して張り合わされた端部同士がはがれるのを抑制でき、冷却ローラ51より下流側では、端部の冷却速度を速めて端部を急冷することにより、シートガラスSGが幅方向に収縮するのを抑制できる。
以下に、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
上記ガラス基板の製造装置100およびガラス基板の製造方法を用いて、以下の条件でガラス基板を製造する。ガラスの組成(質量%)は、各成分の含有率が、SiO60%,Al 17%,B 10%,CaO 3%,SrO 3%,BaO 1%であるものとする。ガラスの液相温度は、1,100℃であり、液相粘度は2.5×10poiseである。ガラスの徐冷点は、715.0℃であり、歪点は、661℃である。また、シートガラスSGの幅は、1600mmであるものとする。さらに、これらの条件を満たしつつ、異なる厚み(0.2mm,0.3mm,0.4mm)のシートガラスSGをそれぞれ製造した。
0.4mm,0.3mm,0.2mmのそれぞれの板厚を有するシートガラスSGを成形する際のシートガラスSGの側部(耳部、端部)R,Lを冷却する、第1成形工程S31における第1冷却速度、第2成形工程S32における第2冷却速度を変化させて、側部R,Lの剥がれの有無を、目視で確認した。その結果を表1に示す。
Figure 0006007341
表1に示すように、第1冷却速度を8.3℃/秒未満、第2冷却速度を8.3℃/秒〜17.5℃/秒に設定することにより、板厚が0.2〜0.4mmのシートガラスSGであっても、側部の剥がれを防ぐことができた。一方、第1冷却速度が第2冷却速度より大きく速い場合(比較例1〜9)、側部の剥がれが発生した。また、第1冷却速度<第2冷却速度となる場合において、第1冷却速度が8.3℃/秒以上となる場合(実施例5,10,15)、もしくは、第2冷却速度が8.3℃/秒未満となる場合(実施例4,9,14)には、側部の一部分において剥がれが発生した。この場合、側部の一部分において剥がれが発生したが、比較例で示した完全な剥がれではないため、ガラス基板の製品領域では剥がれは発生しておらず、従来の課題を克服していた。このことから、第1冷却速度<第2冷却速度となるような側部の冷却であれば、端部同士が剥がれるのを抑制できることが確認された。
以上の結果から、成形体41の下端41aから一対の冷却ローラ51より上流の位置における側部R,Lを冷却する第1冷却速度を8.3℃/秒未満、一対の冷却ローラ51の下流であってシートガラスSGの幅方向中央領域Cの温度が徐冷点以上となる温度領域における側部R,Lを冷却する第2冷却速度を8.3℃/秒〜17.5℃/秒にすることにより、側部の剥がれをより好ましく防ぐことができることが確認された。
以上、本実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形
態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
11 溶解装置
12 清澄装置
40 成形装置
41 成形体
51 冷却ローラ
60 温度調整ユニット
81a〜81g 引下げローラ
82a〜82g ヒータ
90 切断装置
91 制御装置
100 ガラス基板の製造装置

Claims (5)

  1. ダウンドロー法により、溶融ガラスを成形体からオーバーフローさせてシートガラスに成形し、前記シートガラスを流下方向に引き伸ばしながら冷却することによりガラス基板を製造するガラス基板の製造方法であって、
    前記シートガラスは幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有し、前記幅方向中央領域の板厚より厚みを有する前記端部に対向する位置に、前記端部に接するように一対の冷却ローラを備え、
    前記シートガラスは、前記幅方向中央領域の粘度より前記端部の粘度が高くなるように冷却され、
    前記成形体の下端から前記一対の冷却ローラより上流の位置における前記端部を冷却する第1冷却速度は、前記一対の冷却ローラの下流であって前記幅方向中央領域の温度が徐冷点以上となる温度領域における前記端部を冷却する第2冷却速度より遅く、前記第2冷却速度は17.5℃/秒以下である、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記端部を8.3℃/秒未満の前記第1冷却速度で冷却し、
    8.3℃/秒〜17.5℃/秒の範囲の前記第2冷却速度で冷却する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記幅方向中央領域の板厚が、0.4mm以下になるよう成形する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記成形体の下端での前記幅方向中央領域の粘度を、120000Poise以下になるよう冷却する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. ダウンドロー法により、溶融ガラスを成形体からオーバーフローさせてシートガラスに成形し、前記シートガラスを流下方向に引き伸ばしながら冷却することによりガラス基板を製造するガラス基板の製造装置であって、
    前記シートガラスは幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有し、前記幅方向中央領域の板厚より厚みを有する前記端部に対向する位置に、前記端部に接するように一対の冷却ローラを備え、
    前記シートガラスは、前記幅方向中央領域の粘度より前記端部の粘度が高くなるように冷却され、
    前記成形体の下端から前記一対の冷却ローラより上流の位置における前記端部を冷却する第1冷却速度は、前記一対の冷却ローラの下流であって前記幅方向中央領域の温度が徐冷点以上となる温度領域における前記端部を冷却する第2冷却速度より遅く、前記第2冷却速度は17.5℃/秒以下である、
    ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
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